JP2000035512A - 偏光フィルム - Google Patents
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Abstract
過率変化の少ない偏光フィルムを提供する。 【解決手段】 ヨウ素染色されたポリビニルアルコール
系樹脂フィルムであって、亜鉛を0.04重量%〜0.
5重量%含有することを特徴とする偏光フィルム。
Description
し、詳しくはヨウ素染色されたヨウ素系偏光フィルムに
関する。
系樹脂フィルムからなる偏光フィルムは、染料系の偏光
板と比較して高い透過率と高い偏光度とを兼ね備えてい
ることから、その片面または両面にトリアセチルセルロ
ースフィルムなどの保護フィルムが貼合された偏光板と
して、液晶表示装置、円偏光板などに用いられている。
かかる偏光フィルムは、例えばポリビニルアルコール系
樹脂フィルムを一軸延伸し、ヨウ素を吸着配向させ、ほ
う酸含有水溶液中に浸漬することにより製造されてい
る。
合せて、高温下で長期間に亙り使用される場合も多く、
その場合に色相の変化の少ない液晶表示装置が求められ
ている。それに伴い偏光フィルムには、高温下において
も透過率変化が少なく耐久性に優れ、しかも透過率およ
び偏光度の高いものが要求されるようになってきた。
は、高温下においても十分な耐久性、すなわち透過率変
化の少ない偏光フィルムを開発するべく鋭意検討した結
果、偏光フィルムの亜鉛の含有量を所定の範囲に規定す
ることにより、高温下における耐久性に優れた偏光フィ
ルムを得ることができることを見出し、本発明に至っ
た。
ウ素染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムで
あって、亜鉛を0.04重量%〜0.5重量%含有する
ことを特徴とする偏光フィルムを提供するものである。
されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常の
偏光フィルムと同様に、ポリビニルアルコール系樹脂フ
ィルムを一軸延伸し、ヨウ素を吸着配向させ、ほう酸含
有水溶液中に浸漬することにより製造されるものであ
る。
常、ポリビニルアルコールが使用され、その重合度は1
000〜10000の範囲、好ましくは1500〜50
00の範囲である。ポリビニルアルコール系樹脂は通
常、ケン化されたものが使用され、そのケン化度は通常
85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%の
範囲である。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜することによ
り製造される。製膜は公知の方法により行うことができ
る。一軸延伸前のポリビニルアルコール系樹脂フィルム
の厚みは通常50μm〜150μm程度である。
ムを一軸延伸し、ヨウ素を吸着配向させ、ほう酸含有水
溶液中に浸漬することにより偏光フィルムが得られる。
一軸延伸は、ヨウ素染色の前、ヨウ素染色中、ヨウ素染
色の後の何れで行ってもよい。また、ほう酸含有水溶液
中に浸漬する際に一軸延伸されてもよい。ヨウ素染色の
前に一軸延伸するには、熱ロールによる方法、周速の異
なる二のロールの間で一軸延伸する方法などの乾式延伸
が採用できる。
カリウムを含有する水溶液などのヨウ素溶液に浸漬する
ことにより行われる。水溶液を用いる場合、該水溶液に
おけるヨウ素、ヨウ化カリウムの使用量は、通常、水1
00重量部に対してヨウ素が0.01〜0.5重量部、
ヨウ化カリウムが0.5〜10重量部である。ヨウ素溶
液の温度は、通常20〜50℃程度である。浸漬時間は
通常10〜300秒程度の範囲である。かかるヨウ素染
色によって、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨ
ウ素が染色される。
処理が行われる。ほう酸水溶液としては通常、ヨウ化カ
リウムが含有するほう酸水溶液が使用される。ヨウ化カ
リウムを含有するほう酸水溶液を用いることにより、着
色の少ない偏光フィルム、即ち可視光のほぼ全波長域に
亘って吸光度がほぼ一定の、いわゆるニュートラルグレ
ーの偏光フィルムを得ることができる。ほう酸の使用量
は、水100重量部当り、通常2〜15重量部、好まし
くは5〜12重量部であり、ヨウ化カリウムの使用量は
水100重量部当り、通常2〜20重量部、好ましくは
5〜15重量部の範囲である。ほう酸水溶液の温度は例
えば50℃以上であり、好ましくは50〜85℃の範囲
である。浸漬時間は、例えば100〜1200秒、好ま
しくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜5
00秒程度である。
得られるヨウ素染色されたポリビニルアルコール系樹脂
フィルムに亜鉛が特定量含有されているものである。亜
鉛を含有させるには、例えば上記ヨウ素染色の前に亜鉛
塩溶液に浸漬してもよいし、ヨウ素染色に使用するヨウ
素溶液に亜鉛イオンを共存させておいてもよいし、ヨウ
素染色後ほう酸水溶液への浸漬処理の前に亜鉛塩溶液に
浸漬してもよいし、ほう酸水溶液への浸漬処理の後に亜
鉛塩溶液に浸漬してもよいが、本願発明で規定する亜鉛
の含有量を満足する偏光フィルムが容易に製造し得る点
で、ほう酸水溶液への浸漬処理の際に用いるほう酸水溶
液に亜鉛イオンを含ませておくことにより行われること
が好ましい。亜鉛イオンを含ませるには、ほう酸水溶液
に亜鉛塩を溶解しておけばよい。ほう酸水溶液としてヨ
ウ化カリウムを含有するほう酸水溶液を用いる場合に
は、ヨウ化カリウムおよび亜鉛イオンを含有するほう酸
水溶液を用いればよい。
どのハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛などが挙げら
れる。亜鉛塩の使用量は、得られる偏光フィルムにおけ
る亜鉛含有量が本発明で規定する量となるように、ヨウ
素濃度、ヨウ化カリウム濃度、浸漬時間、浸漬温度など
を勘案して適宜選択すればよく、例えばほう酸の使用量
が水100重量部当り2〜15重量部であり、ヨウ化カ
リウムの使用量が水100重量部当り2〜20重量部で
あり、ほう酸水溶液の温度が50〜85℃の範囲であ
り、浸漬時間が100〜1200秒である場合には、亜
鉛塩の使用量は水100重量部当り1〜5重量部、好ま
しくは2〜3.5重量部の範囲とすることにより、偏光
フィルム中の亜鉛含有量を0.1重量%〜0.4重量%
とすることができる。通常は、ほう酸水溶液中の亜鉛濃
度を大きくすると、得られる偏光フィルムにおける亜鉛
含有量も大きくなる傾向にあるが、かかる亜鉛含有量
は、ほう酸水溶液中のほう酸やヨウ化カリウムの使用
量、浸漬時間、浸漬温度によっても変化する。
ール系樹脂フィルムをほう酸水溶液へ浸漬処理するに際
しては、該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの片面
に予め後述の保護フィルムを貼合した状態で浸漬処理す
ることもあるが、亜鉛イオンを含有するほう酸水溶液へ
ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルム
を浸漬処理することにより本発明の偏光フィルムを製造
するには、かかる保護フィルムを貼合することなく、ヨ
ウ素染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムの
両面が亜鉛イオンを含有するほう酸水溶液に接触するよ
うにして浸漬処理することが好ましい。
とにより、本発明の偏光フィルムを得ることができる。
かくして得られる偏光フィルムの厚みは通常10〜40
μmである。
は、亜鉛の含有量は0.04重量%〜0.5重量%の範
囲、好ましくは0.04重量%〜0.3重量%程度の範
囲であることが必要である。0.04重量%未満である
か、0.5重量%を越えると高温下での耐久性が低下
し、透過率変化が大きくなる傾向にある。また、透過率
の変化に加えて、クロスニコルとした際の色相の変化が
少なくなる点で0.1重量%〜0.4重量%、さらには
0.15重量%〜0.35重量%程度の範囲が好まし
い。0.1重量%未満であるか、0.4重量%を越える
と高温下色相の変化が大きくなる傾向にある。なお、偏
光フィルムにおける亜鉛含有量は、偏光フィルム100
重量部に含まれる亜鉛の重量を%で示した数値である。
光フィルムと同様に、その片面または両面に保護フィル
ムが貼合されて偏光板として使用される。保護フィルム
としては、例えばトリアセチルセルロースフィルムなど
のセルロースアセテート系フィルム、アクリル系樹脂フ
ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポ
リエステル系樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルムなどのオレフィン系樹脂フィル
ム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリアリレート
系樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン系樹脂フィルム
などが挙げられ、その厚みは通常10〜200μm、好
ましくは40〜100μm程度である。
発明の偏光フィルムに貼合される。接着剤としては通
常、光学的に等方性の接着剤が使用され、ポリビニルア
ルコール系接着剤などが好ましく使用される。
度下においても透過率の変化が少なく耐久性に優れ、し
かも偏光度が高い。そのため、これまでの偏光フィルム
と比較して、より厳しい条件下で使用される液晶表示装
置などに適用することができる。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
は、以下の方法により高温、低湿度下における耐久性を
評価した。 (1)耐久性の評価方法 得られた偏光フィルムの分光透過率τ(λ)をλ=40
0nm〜700nmの波長領域で10nmごとに測定
し、計算式(1) 〔式中、P(λ)は標準光(C光源)の分光分布を示
し、y(λ)は2度視野等色関数を示す。〕により求め
た透過率(T)を求め、これを透過率の初期値(T0)
とした。なお、分光透過率τ(λ)は分光光度計(島津
製作所製、UV−2200)を用いて測定した。また、
得られた偏光フィルムの分光透過率τ(λ)から、偏光
フィルムをクロスニコルにしたときの色相(L*、a*、
b*)を求め、これを色相の初期値(L* 0、a* 0、
b* 0)とした。
0℃オーブンに入れて96時間放置したのち、上記と同
様にして透過率(T)および色相(L*、a*、b*)を
測定し、試験後の透過率(T1)および試験後の色相
(L* 1、a* 1、b* 1)とした。これらの値(T1、T0、
b* 1、b* 0)を用いて、計算式(2) ΔT =T1 −T0 (2) および計算式(3) Δb* =b* 1−b* 0 (3) から透過率変化(ΔT)および色相変化(Δb*)を求
め、その大きさから耐久性を判断した。
2400、ケン化度99.9%以上〕を乾式で一軸延伸
(延伸倍率5倍)し、緊張状態を保ったままヨウ素およ
びヨウ化カリウムの水溶液〔水100重量部当りヨウ素
0.05重量部、ヨウ化カリウム5重量部〕に28℃で
60秒間浸漬した。次いでほう酸水溶液〔水100重量
部当りほう酸7.5重量部、ヨウ化カリウム6重量部お
よび塩化亜鉛2.5重量部を含有する水溶液〕に76℃
で300秒間浸漬した。その後、15℃の純水を用いて
10秒間水洗し、50℃で乾燥して偏光フィルム〔厚み
約20μm、ニュートラルグレー〕を得た。この偏光フ
ィルムにおける亜鉛の含有量は0.25重量%であっ
た。この偏光フィルムの評価結果を表1に示す。
コールを用いて保護板〔トリアセチルセルロースフィル
ム〕を貼合すれば、偏光板を得る。
部当り1.25重量部とした以外は、実施例1と同様に
操作して偏光フィルム〔厚み約20μm、ニュートラル
グレー〕を得た。この偏光フィルムにおける亜鉛の含有
量は0.13重量%であった。この偏光フィルムの評価
結果を表1に示す。
コールを用いて保護板〔トリアセチルセルロースフィル
ム〕を貼合すれば、偏光板を得る。
以外は、実施例1と同様に操作して偏光フィルム〔厚み
約20μm、ニュートラルグレー〕を得た。この偏光フ
ィルムには亜鉛は含まれていない。この偏光フィルムの
評価結果を表1に示す。
部当り0.5重量部とした以外は、実施例1と同様に操
作して偏光フィルム〔厚み約20μm、ニュートラルグ
レー〕を得た。この偏光フィルムにおける亜鉛の含有量
は0.05重量%であった。この偏光フィルムの評価結
果を表1に示す。
部当り5重量部とした以外は、実施例1と同様に操作し
て偏光フィルム〔厚み約20μm、ニュートラルグレ
ー〕を得た。この偏光フィルムにおける亜鉛の含有量は
0.55重量%であった。この偏光フィルムの評価結果
を表1に示す。
nCl2・4H2O)を用いた水溶液〔水100重量部当
りMnCl2・4H2Oを7.3重量部添加した。〕を用
いた以外は、実施例1と同様に操作して偏光フィルム
〔厚み約20μm、ニュートラルグレー〕を得た。この
偏光フィルムにおけるマンガンの含有量は0.25重量
%であった。この偏光フィルムの評価結果を表1に示
す。
iCl2)を用いた水溶液〔水100重量部当りNiC
l2を8.7重量部添加した。〕を用いた以外は、実施
例1と同様に操作して偏光フィルム〔厚み約20μm、
ニュートラルグレー〕を得た。この偏光フィルムにおけ
るニッケルの含有量は0.18重量%であった。この偏
光フィルムの評価結果を表1に示す。
2・4H2O)を用いた水溶液〔水100重量部当りFe
Cl2・4H2Oを7.3重量部添加した。〕を用いた以
外は、実施例1と同様に操作して偏光フィルム〔厚み約
20μm、ニュートラルグレー〕を得た。この偏光フィ
ルムにおけるニッケルの含有量は0.21重量%であっ
た。この偏光フィルムの評価結果を表1に示す。
oCl2・4H2O)を用いた水溶液〔水100重量部当
りCoCl2・4H2Oを8.7重量部添加した。〕を用
いた以外は、実施例1と同様に操作して偏光フィルム
〔厚み約20μm、ニュートラルグレー〕を得た。この
偏光フィルムにおけるコバルトの含有量は0.19重量
%であった。この偏光フィルムの評価結果を表1に示
す。
(AlCl3・6H2O)を用いた水溶液〔水100重量
部当りAlCl3・6H2Oを8.8重量部添加した。〕
を用いた以外は、実施例1と同様に操作して偏光フィル
ム〔厚み約20μm、ニュートラルグレー〕を得た。こ
の偏光フィルムにおけるアルミニウムの含有量は0.0
7重量%であった。この偏光フィルムの評価結果を表1
に示す。
示す。
た各偏光フィルムについて亜鉛含有量(重量%)と色相
変化(Δb*)の絶対値との関係を図1に、亜鉛含有量
(重量%)と透過率変化(ΔT)の絶対値との関係を図
2にそれぞれ示した。
ィルムにおける亜鉛含有量と色相変化(Δb*)の絶対
値との関係を示す図である。
ィルムにおける亜鉛含有量と透過率変化(ΔT)の絶対
値との関係を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系
樹脂フィルムであって、亜鉛を0.04重量%〜0.5
重量%含有することを特徴とする偏光フィルム。 - 【請求項2】ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が1
000〜10000である請求項1に記載の偏光フィル
ム。 - 【請求項3】ポリビニルアルコールのケン化度が85〜
100モル%である請求項1に記載の偏光フィルム。 - 【請求項4】請求項1に記載の偏光フィルムの片面また
は両面に保護フィルムが貼合されてなる偏光板。 - 【請求項5】ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系
樹脂フィルムを、亜鉛イオンおよびヨウ化カリウムを含
有するほう酸水溶液に、得られる偏光フィルムにおける
亜鉛含有量が0.04重量%〜0.5重量%となるよう
に浸漬処理することを特徴とする請求項1に記載の偏光
フィルムの製造方法。 - 【請求項6】ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系
樹脂フィルムの両面に亜鉛イオンおよびヨウ化カリウム
を含有するほう酸水溶液が接触するように浸漬処理する
請求項5に記載の製造方法。
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JP10203365A JP2000035512A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 偏光フィルム |
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