JP7461758B2 - 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法 - Google Patents

高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7461758B2
JP7461758B2 JP2020030779A JP2020030779A JP7461758B2 JP 7461758 B2 JP7461758 B2 JP 7461758B2 JP 2020030779 A JP2020030779 A JP 2020030779A JP 2020030779 A JP2020030779 A JP 2020030779A JP 7461758 B2 JP7461758 B2 JP 7461758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
value
hue
polarization
deterioration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020030779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021135366A (ja
Inventor
史枝 片山
政和 望月
祥明 麻野井
章典 伊▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2020030779A priority Critical patent/JP7461758B2/ja
Priority to PCT/JP2021/005655 priority patent/WO2021172091A1/ja
Priority to KR1020227027808A priority patent/KR20220140735A/ko
Priority to CN202180015693.XA priority patent/CN115136043A/zh
Priority to TW110106339A priority patent/TW202134026A/zh
Publication of JP2021135366A publication Critical patent/JP2021135366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7461758B2 publication Critical patent/JP7461758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/133528Polarisers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/868Arrangements for polarized light emission

Description

本発明は、高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法に関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置等の画像表示装置には、画像表示を実現し、および/または当該画像表示の性能を高めるために、偏光板が広く使用されている。偏光板は、特定の目的のために加熱処理される場合、実使用において高温環境下に曝される場合および/または高温環境下で所定形状に成形される場合がある。これらのほとんどの場合、偏光板の光学特性(代表的には、偏光度、単体透過率、色相)は顕著に劣化し得る。したがって、高温環境下で劣化した偏光板の光学特性を回復させる技術が求められている。
特開平8-136731号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、高温環境下で劣化した偏光板の光学特性を良好に回復させ得る方法を提供することにある。
本発明の実施形態による偏光板の光学特性の回復方法は、高温環境下で光学特性が劣化した偏光板を、40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上処理することを含む。
1つの実施形態においては、上記偏光板は下記の関係を満足する:
-P=ΔP≦-0.005(%)
-P=ΔP≧+0.005(%)
-b=Δb≧+0.3
-b=Δb≦-0.3
ここで、Pは劣化前の偏光度であり、Pは劣化後かつ上記処理前の偏光度であり、Pは該処理後の偏光度であり;bは劣化前の色相b値であり、bは劣化後かつ該処理前の色相b値であり、bは該処理後の色相b値である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は下記の関係をさらに満足する:
Ts-Ts=ΔTs≧+0.3(%)
Ts-Ts=ΔTs≦-0.3(%)
ここで、Tsは劣化前の単体透過率であり、Tsは劣化後かつ上記処理前の単体透過率であり、Tsは該処理後の単体透過率である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、100℃以上の環境下に置かれた偏光板である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、所定形状に成形された偏光板である。
本発明の実施形態によれば、高温環境下で光学特性が劣化した偏光板を所定条件の加熱・加湿環境下で所定時間以上処理することにより、当該劣化した光学特性を良好に回復させることができる。
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
本発明の実施形態による偏光板の光学特性の回復方法は、高温環境下で光学特性が劣化した偏光板を、加熱・加湿処理することを含む。加熱・加湿処理は、通常、偏光板の耐久性試験として行われる。通常の偏光板を加熱・加湿処理に供するということは、偏光板の光学特性が劣化する(劣化度合いを耐久性の指標とする)ことが前提となっている。言い換えれば、加熱・加湿処理により偏光板の光学特性が劣化することは、当業界の技術常識である。一方、本発明者らは、高温環境下で光学特性が劣化した偏光板を加熱・加湿処理に供することにより、当該劣化した光学特性を回復させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は当業界の技術常識と逆方向の技術的思想に基づいてなされたものであり、その効果は予期せぬ優れた効果である。加熱・加湿処理における加熱温度は、40℃~65℃であり、例えば55℃~65℃であり、好ましくは57℃~63℃であり、より好ましくは58℃~62℃であり、さらに好ましくは約60℃である。加熱温度が高すぎても低すぎても、光学特性を十分に回復させることができない場合がある。加熱・加湿処理における湿度は、85%RH~95%RHであり、好ましくは87%RH~93%RHであり、より好ましくは88%RH~92%RHであり、さらに好ましくは約90%RHである。湿度が高すぎても低すぎても、光学特性を十分に回復させることができない場合がある。処理時間は、40分以上であり、好ましくは50分以上であり、より好ましくは1時間以上であり、さらに好ましくは2時間以上である。処理時間の上限は、例えば5時間であり得る。処理時間が短すぎると、光学特性を十分に回復させることができない場合がある。一方、処理時間を過剰に長くしても得られる効果は実質的に変わらないので、過剰に長い処理時間は効率的ではない場合がある。
偏光板は、代表的には、偏光子と偏光子の片側または両側に配置された保護層とを含む。
偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素、二色性染料)を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの特許文献の記載は、本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みとしては、目的に応じて任意の適切な厚みが採用され得る。偏光子の厚みは、例えば35μm以下であり、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下であり、特に好ましくは10μm以下であり、さらに特に好ましくは8μm以下であり、とりわけ好ましくは6μm以下であり、最も好ましくは5μm以下である。偏光子の厚みの下限は、好ましくは2μmであり、より好ましくは1μmである。
保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
偏光板が画像表示装置に適用された場合に表示セル側に配置される保護層(内側保護層)は、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。ここで、「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。nzは厚み方向の屈折率である。
偏光板が画像表示装置の視認側に配置される場合、内側保護層と反対側に配置される保護層(外側保護層)には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、外側保護層には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。
保護層の厚みは、任意の適切な厚みが採用され得る。保護層の厚みは、例えば10μm~90μmであり、好ましくは20μm~80μmであり、より好ましくは20μm~60μmであり、さらに好ましくは20μm~40μmである。なお、表面処理が施されている場合、保護層の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
偏光板は、視認側偏光板として用いられてもよく、背面側偏光板として用いられてもよい。さらに、偏光板は、目的に応じて任意の適切な光学機能層をさらに有していてもよい。光学機能層としては、例えば、位相差層、タッチパネル用導電層、反射型偏光子が挙げられる。実用的には、偏光板には表示セル側の最外層として粘着剤層が設けられ、偏光板は表示セルに貼り合わせ可能とされている。
本発明の実施形態においては、偏光板は、高温環境下で光学特性が劣化した偏光板である。このような偏光板としては、例えば、特定の目的のために加熱処理された偏光板、高温環境下で実使用された偏光板が挙げられる。高温環境の具体的な温度は、1つの実施形態においては100℃以上であり、別の実施形態においては120℃以上であり、さらに別の実施形態においては140℃以上であり、さらに別の実施形態においては160℃以上である。当該温度の上限は、例えば200℃であり得る。
1つの実施形態においては、偏光板は、所定形状に成形された偏光板である。このような偏光板は、成形される際に上記のような高温環境下に置かれることとなる。所定形状に成形された偏光板としては、例えば、湾曲した画像表示装置に適用される偏光板が挙げられる。湾曲した画像表示装置としては、例えば、ヴァーチャルリアリティ(VR)ゴーグル、湾曲した壁面や柱に設けられるデジタルサイネージが挙げられる。
以下、偏光板(実質的には、偏光子)の光学特性の劣化および回復について、代表例として偏光度、単体透過率、ならびに色相a値およびb値について説明する。
本発明の実施形態によれば、偏光板は、偏光度に関して好ましくは下記の関係を満足する:
-P=ΔP≦-0.005(%)
-P=ΔP≧+0.005(%)
ここで、Pは劣化前の偏光度(高温環境下に置かれる前の偏光度:初期偏光度)であり、Pは劣化後かつ加熱・加湿処理前の偏光度であり、Pは加熱・加湿処理後の偏光度(回復後の偏光度)である。すなわち、本発明の実施形態によれば、高温環境下で偏光度が-0.005%以下(すなわち、マイナス側に絶対値で0.005%以上)低下した偏光板について、その偏光度を初期偏光度と実質的に同じ値あるいはそれに近い値まで回復させることができる。より詳細には、ΔPの絶対値は、ΔPの絶対値と同じまたはそれよりも少し小さい程度である。1つの実施形態においては、単体透過率が41%~41.5%程度の偏光板は、100℃~130℃の環境下では、偏光度が例えば最大で0.05%程度低下し得るところ、加熱・加湿処理を行うことにより、偏光度を初期偏光度と実質的に同じ値まで回復させることができる。別の実施形態においては、単体透過率が41%~41.5%程度の偏光板は、150℃近傍の環境下では、偏光度が例えば最大で55%程度低下し得るところ、加熱・加湿処理を行うことにより、偏光度を初期偏光度との差が0.01%~0.02%程度まで回復させることができる。さらに別の実施形態においては、単体透過率が42.5%~43%程度の偏光板は、100℃~130℃の環境下では、偏光度が例えば最大で10%程度低下し得るところ、加熱・加湿処理を行うことにより、偏光度を初期偏光度と実質的に同じ値または初期偏光度を超える値まで回復させることができる。さらに別の実施形態においては、単体透過率が42.5%~43%程度の偏光板は、150℃近傍の環境下では、偏光度が例えば最大で94%程度(すなわち、偏光性能が実質的に消失する程度まで)低下し得るところ、加熱・加湿処理を行うことにより、このような場合であっても偏光度を初期偏光度との差が0.1%以下まで回復させることができる。
本発明の実施形態によれば、偏光板は、単体透過率に関して好ましくは下記の関係を満足する:
Ts-Ts=ΔTs≧+0.3(%)
Ts-Ts=ΔTs≦-0.3(%)
ここで、Tsは劣化前の単体透過率(高温環境下に置かれる前の単体透過率:初期単体透過率)であり、Tsは劣化後かつ加熱・加湿処理前の単体透過率であり、Tsは加熱・加湿処理後の単体透過率(回復後の単体透過率)である。本発明の実施形態によれば、偏光度の場合と同様に、高温環境下で単体透過率が0.3%以上大きくなった偏光板について、その単体透過率を初期単体透過率と実質的に同じ値あるいはそれ以下の値まで回復させることができる。より詳細には、ΔTsの絶対値は、ΔTsの絶対値と同じまたはそれ以上である。
偏光板(実質的には、偏光子)の初期偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。偏光板(実質的には、偏光子)の単体透過率は、好ましくは40.0%~46.0%であり、より好ましくは41.0%~43.5%である。
本発明の実施形態によれば、偏光板は、色相b値に関して好ましくは下記の関係を満足する:
-b=Δb≧+0.3
-b=Δb≦-0.3
は劣化前の色相b値(高温環境下に置かれる前の色相b値:初期b値)であり、bは劣化後かつ加熱・加湿処理前の色相b値であり、bは加熱・加湿処理後の色相b値(回復後の色相b値)である。本発明の実施形態によれば、高温環境下で色相b値が0.3以上大きくなった偏光板について、その色相b値を初期b値と実質的に同じ値あるいはそれ以下の値まで回復させることができる。言い換えれば、色相がニュートラルから色味がかったものに劣化した偏光板を、初期と同等のニュートラルな色相あるいは初期よりもニュートラルな色相に回復させることができる。より詳細には、Δbの絶対値は、Δbの絶対値と同じまたはそれ以上である。同様に、偏光板は、色相a値に関して好ましくは下記の関係を満足する:
-a=Δa<0
-a=Δa≧+0.3
は劣化前の色相a値(高温環境下に置かれる前の色相a値:初期a値)であり、aは劣化後かつ加熱・加湿処理前の色相a値であり、aは加熱・加湿処理後の色相a値(回復後の色相a値)である。本発明の実施形態によれば、高温環境下で色相a値が小さくなった偏光板について、その色相a値を初期a値よりも大きい値まで回復させることができる。言い換えれば、色相がニュートラルから色味がかったものに劣化した偏光板を、初期よりもニュートラルな色相に回復させることができる。より詳細には、Δaの絶対値は、Δaの絶対値と同じまたはそれ以上である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。実施例における評価項目は以下のとおりである。また、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
<実施例1>
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF-PS7500)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で総延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま60℃で3分間乾燥して偏光子(厚み28μm)を得た。
得られた偏光子の一方の面に内側保護層としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み80μm)を貼り合わせ、他方の面に外側保護層としてHC-TACフィルムを貼り合わせ、偏光板を得た。なお、HC-TACフィルムは、上記TACフィルムにハードコート(HC)層(厚み7μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。
得られた偏光板を40mm×40mmのサイズに打ち抜き、そのTACフィルム側を、アクリル系粘着剤を介してアルカリガラス板に貼り合わせ、測定サンプルとした。測定サンプルは2つ用意し、1つは100℃に設定したオーブンに5分間投入し、もう1つは100℃に設定したホットプレート(アズワン社製、製品名「シャマルホットプレート HHP-401」)にHC面を接触させて5分間載置した。このようにして、それぞれの測定サンプル(偏光板)の光学特性を劣化させた。光学特性を劣化させた測定サンプルを、65℃・95%RHに設定したチャンバーに2時間投入し、加熱・加湿処理した。初期(加熱前)、劣化後(加熱後)かつ加熱・加湿処理前(以下、単に劣化後)、および、加熱・加湿処理後(回復後)の測定サンプルの偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を、日本分光社製「V7100」を用いて測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を130℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<実施例3>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を150℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<参考例1>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、加熱温度を40℃としたこと、および、ホットプレートのみで加熱したこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<参考例2>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を60℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<参考例3>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<実施例4>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<実施例5>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を130℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<実施例6>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を150℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<参考例4>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、加熱温度を40℃としたこと、および、ホットプレートのみで加熱したこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<参考例5>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を60℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
<実施例7>
偏光子の単体透過率が表1に示す値となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、加熱温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様にして、初期、劣化後および回復後の偏光度、単体透過率、ならびに、色相a値および色相b値を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007461758000001
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、高温環境下で劣化した偏光板の光学特性を回復させることができる。さらに、参考例から明らかなように、低温での加熱ではそもそも光学特性は劣化しないことがわかる。加えて、参考例3と実施例7とから明らかなように、偏光板(実質的には、偏光子)の単体透過率によって、光学特性の劣化が発生する加熱温度が異なることがわかる。
本発明の実施形態による方法は、高温環境下に曝された偏光板の光学特性の回復に好適に用いられ得る。

Claims (2)

  1. 100℃以上の環境下に置かれて光学特性が劣化した偏光板を、58℃~65℃および88%RH~95%RHの環境下で2時間以上処理することを含み、
    該偏光板は、ヨウ素を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成された偏光子と、該偏光子の片側または両側に配置された保護層と、を含み、
    該偏光子の劣化前の単体透過率が41.0%~43.5%であり、劣化前の偏光度が99.9%以上であり、
    該偏光板が下記の関係を満足する、偏光板の光学特性の回復方法
    -P =ΔP ≦-0.005(%)
    -P =ΔP ≧+0.005(%)
    -b =Δb ≧+0.3
    -b =Δb ≦-0.3
    Ts -Ts =ΔTs ≧+0.3(%)
    Ts -Ts =ΔTs ≦-0.3(%)
    ここで、P は劣化前の偏光度であり、P は劣化後かつ前記処理前の偏光度であり、P は該処理後の偏光度であり;b は劣化前の色相b値であり、b は劣化後かつ該処理前の色相b値であり、b は該処理後の色相b値であり;Ts は劣化前の単体透過率であり、Ts は劣化後かつ前記処理前の単体透過率であり、Ts は該処理後の単体透過率である
  2. 前記光学特性が劣化した偏光板が、湾曲した形状に成形された偏光板である、請求項に記載の偏光板の光学特性の回復方法。
JP2020030779A 2020-02-26 2020-02-26 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法 Active JP7461758B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020030779A JP7461758B2 (ja) 2020-02-26 2020-02-26 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法
PCT/JP2021/005655 WO2021172091A1 (ja) 2020-02-26 2021-02-16 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法
KR1020227027808A KR20220140735A (ko) 2020-02-26 2021-02-16 고온환경 하에서 열화된 편광판의 광학특성의 회복 방법
CN202180015693.XA CN115136043A (zh) 2020-02-26 2021-02-16 在高温环境中发生了劣化的偏振片的光学特性的恢复方法
TW110106339A TW202134026A (zh) 2020-02-26 2021-02-23 在高溫環境下劣化之偏光板之光學特性之回復方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020030779A JP7461758B2 (ja) 2020-02-26 2020-02-26 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021135366A JP2021135366A (ja) 2021-09-13
JP7461758B2 true JP7461758B2 (ja) 2024-04-04

Family

ID=77491494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020030779A Active JP7461758B2 (ja) 2020-02-26 2020-02-26 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7461758B2 (ja)
KR (1) KR20220140735A (ja)
CN (1) CN115136043A (ja)
TW (1) TW202134026A (ja)
WO (1) WO2021172091A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022075144A (ja) * 2020-11-06 2022-05-18 日東電工株式会社 曲面加工された偏光板およびその製造方法
JP2022075143A (ja) * 2020-11-06 2022-05-18 日東電工株式会社 曲面加工された偏光板およびその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258042A (ja) 2001-03-02 2002-09-11 Nitto Denko Corp 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置
WO2018179663A1 (ja) 2017-03-30 2018-10-04 日東電工株式会社 画像表示装置
JP7333425B2 (ja) 2013-03-06 2023-08-24 株式会社スリー・ディー・マトリックス 精製された両親媒性ペプチド組成物を用いた、外科的方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07333425A (ja) * 1994-06-02 1995-12-22 Nippon Kayaku Co Ltd 偏光板の製造方法
JP3211590B2 (ja) 1994-11-14 2001-09-25 住友化学工業株式会社 偏光板
JP2004093993A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Nitto Denko Corp 偏光子、それを用いた光学フィルム、およびそれを用いた液晶表示装置ならびにエレクトロルミネッセンス表示装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258042A (ja) 2001-03-02 2002-09-11 Nitto Denko Corp 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置
JP7333425B2 (ja) 2013-03-06 2023-08-24 株式会社スリー・ディー・マトリックス 精製された両親媒性ペプチド組成物を用いた、外科的方法
WO2018179663A1 (ja) 2017-03-30 2018-10-04 日東電工株式会社 画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR20220140735A (ko) 2022-10-18
TW202134026A (zh) 2021-09-16
CN115136043A (zh) 2022-09-30
JP2021135366A (ja) 2021-09-13
WO2021172091A1 (ja) 2021-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI359310B (ja)
JP4355317B2 (ja) 偏光フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
TWI719167B (zh) 附有光學補償層之偏光板及使用其之有機el面板
JP6121091B2 (ja) 偏光子及びその製造方法
JP7461758B2 (ja) 高温環境下で劣化した偏光板の光学特性の回復方法
TWI799158B (zh) 相位差膜、圓偏光板及相位差膜之製造方法
TWI719179B (zh) 附有光學補償層之偏光板及使用其之有機el面板
JP2016501386A (ja) 偏光板及びこれを含む液晶表示装置
US20200292739A1 (en) Image display apparatus and circularly polarizing plate to be used in the image display apparatus
KR20120002411A (ko) 복합구성 편광판 세트 및 이를 포함하는 ips 모드 액정표시장치
TW202107128A (zh) 附相位差層之偏光板及使用其之圖像顯示裝置
TW202237382A (zh) 偏光板及偏光板的製造方法
WO2022097630A1 (ja) 曲面加工された偏光板およびその製造方法
KR101682539B1 (ko) 편광판 및 이를 포함하는 액정표시장치
JP2001083329A (ja) 偏光フィルムの製造方法
JPH0659123A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
WO2022097631A1 (ja) 曲面加工された偏光板およびその製造方法
JP2003075637A (ja) 位相差フィルム及びそれを用いた自発光型表示装置
JP7411520B2 (ja) 偏光板、位相差層付偏光板および有機エレクトロルミネセンス表示装置
TWI838457B (zh) 影像顯示裝置和在該影像顯示裝置中使用的圓偏光板
WO2023047748A1 (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置、ならびに、位相差層付偏光板の評価方法
JP2022106205A (ja) 積層体および位相差層付偏光板の製造方法
JPH0651120A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
CN118056144A (zh) 带相位差层的偏振片及使用了其的图像显示装置、以及带相位差层的偏振片的评价方法
CN115997160A (zh) 偏光板、带相位差层的偏光板和图像显示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7461758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150