JP2022075143A - 曲面加工された偏光板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲面加工されているにもかかわらず、優れた光学特性を有し、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る偏光板およびその簡便な製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の実施形態による偏光板は、偏光子と偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含み、曲面加工されており、偏光子の単位厚みあたりの破断伸度Eが0.25(%/μm)以上である。本発明の実施形態による偏光板の製造方法は、偏光子と偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含む偏光板を準備すること;偏光板を、所定の局面形状を有する型に貼り合わせること;型に貼り合わせた偏光板を加熱して曲面加工すること;および、曲面加工された偏光板を、40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理すること;を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、曲面加工された偏光板およびその製造方法に関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置等の画像表示装置には、画像表示を実現し、および/または当該画像表示の性能を高めるために、偏光板が広く使用されている。偏光板は、用途に応じて曲面加工が求められる場合がある。曲面加工は、代表的には、偏光板を高温環境下で所定形状に成形することを含む。しかし、曲面加工した偏光板は、光学特性が劣化する、および、クラック、破断および/または黄変が発生しやすいという問題がある。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、曲面加工されているにもかかわらず、優れた光学特性を有し、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る偏光板およびその簡便な製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態による偏光板は、偏光子と該偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含み、曲面加工されており、該偏光子の単位厚みあたりの破断伸度Eが0.25(%/μm)以上である。
1つの実施形態においては、上記破断伸度E(%/μm)と前記曲面加工の曲率半径R(mm)の積E×Rは20以上である。1つの実施形態においては、上記曲率半径Rは70mm以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、曲面加工後に40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理されている。
本発明の別の局面によれば、曲面加工された偏光板の製造方法が提供される。この製造方法は、偏光子と該偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含む偏光板を準備すること;該偏光板を、所定の局面形状を有する型とともに加熱して曲面加工すること;および、該曲面加工された偏光板を、40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理すること;を含む。
1つの実施形態においては、上記曲面加工における加熱温度は100℃以上である。
1つの実施形態においては、上記破断伸度E(%/μm)と前記曲面加工の曲率半径R(mm)の積E×Rは20以上である。1つの実施形態においては、上記曲率半径Rは70mm以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、曲面加工後に40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理されている。
本発明の別の局面によれば、曲面加工された偏光板の製造方法が提供される。この製造方法は、偏光子と該偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含む偏光板を準備すること;該偏光板を、所定の局面形状を有する型とともに加熱して曲面加工すること;および、該曲面加工された偏光板を、40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理すること;を含む。
1つの実施形態においては、上記曲面加工における加熱温度は100℃以上である。
本発明の実施形態によれば、曲面加工された偏光板において、偏光子の単位厚みあたりの破断伸度を0.25(%/μm)以上とすることにより、優れた光学特性を有し、かつ、クラック、破断および黄変の発生を抑制することができる。このような破断伸度を有する偏光子(結果として、偏光板)は、曲面加工後の偏光板を所定の加湿処理に供することにより実現され得る。
以下、図面を参照して本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、図面は見やすくするための模式的に描かれており、形状、厚み、曲率半径等は実際とは異なっており、また、図面間でも異なっている。
A.偏光板
A-1.偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略斜視図であり;図2は、図1の偏光板の概略断面図である。図示例の偏光板100は、曲面加工されている。言い換えれば、偏光板は、曲面加工により(すなわち、高温環境下で)特性(代表的には、光学特性、化学特性、機械的特性)が一旦劣化した偏光板である。本発明の実施形態によれば、特性が一旦劣化した偏光板を後述の加湿処理に供することにより、当該特性を回復させることができる。その結果、曲面加工後の偏光板において、優れた光学特性が維持され、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る。曲面加工温度は、例えば100℃以上であってもよく、また例えば120℃以上であってもよく、また例えば140℃以上であってもよく、また例えば160℃以上であってもよい。曲面加工温度の上限は、例えば200℃であり得る。曲面加工時間は、例えば15秒~5分であり得る。
A-1.偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略斜視図であり;図2は、図1の偏光板の概略断面図である。図示例の偏光板100は、曲面加工されている。言い換えれば、偏光板は、曲面加工により(すなわち、高温環境下で)特性(代表的には、光学特性、化学特性、機械的特性)が一旦劣化した偏光板である。本発明の実施形態によれば、特性が一旦劣化した偏光板を後述の加湿処理に供することにより、当該特性を回復させることができる。その結果、曲面加工後の偏光板において、優れた光学特性が維持され、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る。曲面加工温度は、例えば100℃以上であってもよく、また例えば120℃以上であってもよく、また例えば140℃以上であってもよく、また例えば160℃以上であってもよい。曲面加工温度の上限は、例えば200℃であり得る。曲面加工時間は、例えば15秒~5分であり得る。
曲面加工の形状としては、目的に応じた任意の適切な形状が採用され得る。曲面加工の形状の具体例としては、図1のようなドーム形状、かまぼこ状が挙げられる。このような曲面加工された偏光板としては、例えば、湾曲した画像表示装置に適用される偏光板が挙げられる。湾曲した画像表示装置としては、例えば、ヴァーチャルリアリティ(VR)ゴーグル、湾曲した壁面や柱に設けられるデジタルサイネージが挙げられる。なお、図示例の偏光板は視認側に凸となっているが、偏光板は目的に応じて視認側と反対側に凸であってもよい。
偏光板100は、代表的には、偏光子10と偏光子の一方の側(図示例では視認側)に配置された保護層20と、もう一方の側に配置された保護層30と、を含む。目的に応じて、保護層20または保護層30のいずれかは省略されてもよい。なお、本明細書においては、保護層20を視認側保護層、保護層30を内側保護層と称する場合がある。
本発明の実施形態においては、偏光子の単位厚みあたりの破断伸度Eは0.25(%/μm)以上であり、好ましくは0.30(%/μm)以上であり、より好ましくは0.50(%/μm)以上であり、さらに好ましくは0.60(%/μm)以上であり、特に好ましくは0.70(%/μm)以上である。破断伸度Eの上限は、例えば5.0(%/μm)であり得る。このような範囲の破断伸度Eは、曲面加工により固くなった偏光子(結果として、偏光板)が後述の加湿処理により回復し、柔らかくなったことを意味している。その結果、このような破断伸度Eを有する偏光子を含む偏光板は、曲面加工後であっても優れた光学特性を有し、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る。なお、破断伸度Eは、JIS K 7161に準拠して測定された偏光子の破断伸度を偏光子厚みで除することにより得られ得る。より詳細には、曲面加工と同じ温度で加熱した後さらに加湿処理に供して特性を回復させた偏光子(実際には偏光板)から所定形状の試験サンプルを作製し、当該試験サンプルを引張試験に供することにより破断強度を測定することができる。
1つの実施形態においては、破断伸度E(%/μm)と曲面加工の曲率半径R(mm)の積E×Rは、好ましくは20以上であり、より好ましくは25以上であり、さらに好ましくは30以上であり、特に好ましくは35以上である。積E×Rは、例えば50以上であってもよく、また例えば70以上であってもよく、また例えば80以上であってもよく、また例えば90以上であってもよい。積E×Rの上限は、例えば1000であり得る。積E×Rがこのような範囲であれば、曲率半径が小さい(きつい)曲面加工された偏光板であっても、優れた光学特性を有し、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る。曲率半径Rは、例えば70mm以下であってもよく、また例えば60mm以下であってもよく、また例えば50mm以下であってもよく、また例えば40mm以下であってもよく、また例えば30mm以下であってもよい。曲率半径Rの下限は、例えば10mmであり得る。
偏光板は、代表的には、曲面加工後に加湿処理(実質的には、加熱・加湿処理)されている。曲面加工された偏光板を加熱・加湿処理に供することにより、偏光子の光学特性が回復し、かつ、クラック、破断および黄変の発生が抑制され得る。このような加熱・加湿処理による効果は、予期せぬ優れた効果である。詳細は以下のとおりである。加熱・加湿処理は、通常、偏光板の耐久性試験として行われる。通常の偏光板を加熱・加湿処理に供するということは、偏光板の光学特性が劣化する(劣化度合いを耐久性の指標とする)ことが前提となっている。言い換えれば、加熱・加湿処理により偏光板の光学特性が劣化することは、当業界の技術常識である。一方、本発明者らは、高温環境下で(例えば、曲面加工により)特性が一旦劣化した偏光板を加熱・加湿処理に供することにより、当該劣化した特性を回復させることができることを見出した。すなわち、本発明の実施形態における加熱・加湿処理は当業界の技術常識と逆方向の技術的思想に基づいてなされたものであり、その効果は予期せぬ優れた効果である。加熱・加湿処理における加熱温度は、好ましくは40℃~65℃であり、より好ましくは55℃~65℃であり、さらに好ましくは57℃~63℃であり、特に好ましくは58℃~62℃であり、とりわけ好ましくは約60℃である。加熱温度が高すぎても低すぎても、特性を十分に回復させることができない場合がある。加熱・加湿処理における湿度は、好ましくは85%RH~95%RHであり、より好ましくは87%RH~93%RHであり、さらに好ましくは88%RH~92%RHであり、特に好ましくは約90%RHである。湿度が高すぎても低すぎても、特性を十分に回復させることができない場合がある。処理時間は、好ましくは40分以上であり、より好ましくは50分以上であり、さらに好ましくは1時間以上であり、特に好ましくは2時間以上である。処理時間の上限は、例えば5時間であり得る。処理時間が短すぎると、特性を十分に回復させることができない場合がある。一方、処理時間を過剰に長くしても得られる効果は実質的に変わらないので、過剰に長い処理時間は効率的ではない場合がある。
以下、偏光子および保護層について具体的に説明する。
A-2.偏光子
偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素、二色性染料)を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素、二色性染料)を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成することが可能となる。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成することが可能になる。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、ポリビニルアルコール分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得る。これにより、染色処理および水中延伸処理など、積層体を液体に浸漬して行う処理工程を経て得られる偏光子の光学特性を向上し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、光学特性を向上させることができる。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みとしては、目的に応じて任意の適切な厚みが採用され得る。偏光子の厚みは、例えば35μm以下であり、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下であり、特に好ましくは10μm以下であり、さらに特に好ましくは8μm以下であり、とりわけ好ましくは6μm以下であり、最も好ましくは5μm以下である。偏光子の厚みの下限は、好ましくは2μmであり、より好ましくは1μmである。
偏光子の初期偏光度(曲面加工前の偏光度)は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。偏光子の初期単体透過率(曲面加工前の単体透過率)は、好ましくは40.0%~46.0%であり、より好ましくは41.0%~43.5%である。偏光子の曲面加工後の偏光度は、初期偏光度に対して、例えば0.005%以上小さくなる(光学特性としての偏光度が低下する)。偏光子の加湿処理(後述)後の偏光度は、曲面加工後の偏光度に対して、例えば0.005%以上大きくなる(光学特性としての偏光度が回復する)。すなわち、加湿処理により、曲面加工により低下(劣化)した偏光度を初期偏光度程度まで回復させることができる。
A-3.保護層
視認側保護層および内側保護層はそれぞれ、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
視認側保護層および内側保護層はそれぞれ、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
内側保護層は、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。ここで、「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。nzは厚み方向の屈折率である。
偏光板が画像表示装置の視認側に配置される場合、視認側保護層には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、視認側保護層には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。
保護層の厚みは、任意の適切な厚みが採用され得る。保護層の厚みは、例えば10μm~90μmであり、好ましくは20μm~80μmであり、より好ましくは20μm~60μmであり、さらに好ましくは20μm~40μmである。なお、表面処理が施されている場合、保護層の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
B.偏光板の製造方法
上記A項に記載の偏光板は、代表的には、曲面加工後に加湿処理により特性回復された偏光板である。したがって、本発明の実施形態は、曲面加工と加湿処理とを含む偏光板の製造方法も包含する。図3(a)~図3(c)は、本発明の実施形態による曲面加工された偏光板の製造方法の一例を説明する概略図である。
上記A項に記載の偏光板は、代表的には、曲面加工後に加湿処理により特性回復された偏光板である。したがって、本発明の実施形態は、曲面加工と加湿処理とを含む偏光板の製造方法も包含する。図3(a)~図3(c)は、本発明の実施形態による曲面加工された偏光板の製造方法の一例を説明する概略図である。
本発明の実施形態による製造方法においては、最初に、図3(a)に示すように、偏光子と該偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含む偏光板100’を準備する。同時に、図3(a)に示すように、所定の局面形状(図示例ではドーム状)を有する型200も準備する。
次いで、1つの実施形態においては、図3(b)に示すように、偏光板100’を型200に貼り合わせる。偏光板100’の型200への貼り合わせは、任意の適切な様式により行われ得る。図示例においては、偏光板100’は、例えば粘着剤を介して型200に貼り合わせられる。次いで、偏光板100’を型200に貼り合わせた状態で偏光板を加熱し、偏光板を曲面加工(成形)する。図示しない別の実施形態においては、偏光板100’を型200に載置した状態で曲面加工温度まで真空状態で加熱し、曲面加工温度に到達後に系を開放して空気圧(大気圧)で曲面加工(成形)する。曲面加工温度は、上記A項で説明したとおりである。
次いで、曲面加工された偏光板を加湿処理する。加湿処理は、偏光板を型に貼り合わせまたは載置したままで行ってもよく、図3(c)のように偏光板を型から取り外した後に行ってもよい。加湿処理の条件は、上記A項で説明したとおりである。このようにして、曲面加工された偏光板100が得られ得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。実施例における評価項目は以下のとおりである。また、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)弾性率、破断強度および破断伸度
曲面加工前の偏光板を曲面加工と同じ条件(100℃および150秒)で加熱した。これを比較例相当偏光板とした。比較例相当偏光板を加熱・加湿処理(65℃・95%RH、2時間)し、これを実施例相当偏光板とした。比較例相当偏光板または実施例相当偏光板を100mm×10mmのサイズに打ち抜いて試験サンプルを作製し、当該試験サンプルをオートグラフ(島津製作所社製)の引張試験に供した。測定環境は温度23℃および湿度50%RHであり、引張速度は300mm/分であった。当該引張速度で試験サンプルが破断するまで引っ張り、破断強度(破断応力)および破断伸度を求めた。破断強度は、オートグラフにより自動的に測定した。破断伸度は下記式から求めた。なお、測定は独立して3回行い、その平均値を破断強度および破断伸度とした。
破断伸度(%)={破断点までのサンプル長さの変化量(mm)/初期長さ(100mm)}×100
弾性率は、引張応力10N~20Nの範囲で、下記式から算出した。
弾性率={(20N-10N)/サンプル断面積(mm2)}/{ε(20)-ε(10)}
ここで、ε(20)は応力が20Nである場合の単位長さあたりの歪み量(mm/mm:すなわち無名数)であり、ε(10)は応力が10Nである場合の単位長さあたりの歪み量である。
(2)単体透過率および偏光度
実施例および比較例で得られた曲面加工された(ドーム状の)偏光板について、紫外可視分光光度計(大塚電子社製、「LPF-200」)を用いて測定した単体透過率Ts、平行透過率Tp、直交透過率Tcをそれぞれ、偏光子のTs、TpおよびTcとした。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
得られたTpおよびTcから、下記式により偏光度Pを求めた。
偏光度P(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
測定は以下のようにして行った:ドーム状の偏光板の下端部を除いて格子状に9分割した区域を規定し(1つの区域サイズ:15mm×15mm)、それぞれの区域について測定し、その平均値を単体透過率および偏光度とした。また、測定は、ドーム状の偏光板をサンプルホルダーで固定し、それぞれの区域が正確に測定されるよう位置決めして行った。なお、偏光板のTsおよびPは、実質的には偏光子の特性が支配的である。
(3)外観
実施例および比較例で得られた曲面加工された偏光板の外観を目視により観察し、以下の基準で評価した。なお、比較例の偏光板については、通常環境に2時間(実施例の偏光板の加湿処理時間と同じ時間)放置した後、外観を目視により観察した。
○:クラック、破断または黄変のいずれも認められなかった
△:クラック、破断または黄変のいずれか1つが認められた
×:クラック、破断または黄変の2つ以上が認められた
曲面加工前の偏光板を曲面加工と同じ条件(100℃および150秒)で加熱した。これを比較例相当偏光板とした。比較例相当偏光板を加熱・加湿処理(65℃・95%RH、2時間)し、これを実施例相当偏光板とした。比較例相当偏光板または実施例相当偏光板を100mm×10mmのサイズに打ち抜いて試験サンプルを作製し、当該試験サンプルをオートグラフ(島津製作所社製)の引張試験に供した。測定環境は温度23℃および湿度50%RHであり、引張速度は300mm/分であった。当該引張速度で試験サンプルが破断するまで引っ張り、破断強度(破断応力)および破断伸度を求めた。破断強度は、オートグラフにより自動的に測定した。破断伸度は下記式から求めた。なお、測定は独立して3回行い、その平均値を破断強度および破断伸度とした。
破断伸度(%)={破断点までのサンプル長さの変化量(mm)/初期長さ(100mm)}×100
弾性率は、引張応力10N~20Nの範囲で、下記式から算出した。
弾性率={(20N-10N)/サンプル断面積(mm2)}/{ε(20)-ε(10)}
ここで、ε(20)は応力が20Nである場合の単位長さあたりの歪み量(mm/mm:すなわち無名数)であり、ε(10)は応力が10Nである場合の単位長さあたりの歪み量である。
(2)単体透過率および偏光度
実施例および比較例で得られた曲面加工された(ドーム状の)偏光板について、紫外可視分光光度計(大塚電子社製、「LPF-200」)を用いて測定した単体透過率Ts、平行透過率Tp、直交透過率Tcをそれぞれ、偏光子のTs、TpおよびTcとした。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
得られたTpおよびTcから、下記式により偏光度Pを求めた。
偏光度P(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
測定は以下のようにして行った:ドーム状の偏光板の下端部を除いて格子状に9分割した区域を規定し(1つの区域サイズ:15mm×15mm)、それぞれの区域について測定し、その平均値を単体透過率および偏光度とした。また、測定は、ドーム状の偏光板をサンプルホルダーで固定し、それぞれの区域が正確に測定されるよう位置決めして行った。なお、偏光板のTsおよびPは、実質的には偏光子の特性が支配的である。
(3)外観
実施例および比較例で得られた曲面加工された偏光板の外観を目視により観察し、以下の基準で評価した。なお、比較例の偏光板については、通常環境に2時間(実施例の偏光板の加湿処理時間と同じ時間)放置した後、外観を目視により観察した。
○:クラック、破断または黄変のいずれも認められなかった
△:クラック、破断または黄変のいずれか1つが認められた
×:クラック、破断または黄変の2つ以上が認められた
<実施例1>
1.偏光子の作製
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所定の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に偏光子を形成し、樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体を得た。
1.偏光子の作製
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所定の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に偏光子を形成し、樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体を得た。
2.偏光板の作製
上記で得られた積層体の偏光子の表面(樹脂基材とは反対側の面)に、視認側保護層としてアクリル系樹脂フィルム(厚み40μm)を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合せた。具体的には、硬化型接着剤の総厚みが約1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。その後、UV光線をアクリル系樹脂フィルム側から照射して接着剤を硬化させた。次いで、樹脂基材を剥離してアクリル系樹脂フィルム(視認側保護層)/偏光子の構成を有する偏光板を得た。
上記で得られた積層体の偏光子の表面(樹脂基材とは反対側の面)に、視認側保護層としてアクリル系樹脂フィルム(厚み40μm)を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合せた。具体的には、硬化型接着剤の総厚みが約1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。その後、UV光線をアクリル系樹脂フィルム側から照射して接着剤を硬化させた。次いで、樹脂基材を剥離してアクリル系樹脂フィルム(視認側保護層)/偏光子の構成を有する偏光板を得た。
3.偏光板の曲面加工
得られた偏光板を枚葉状に打ち抜き、曲率半径48mm、70mmおよび105mmのドーム形状にそれぞれ曲面加工(成形)した。具体的には、打ち抜いた偏光板を、それぞれの曲率半径を有するドーム状の型に載置した状態で100℃まで真空状態で加熱し、到達後に系を開放して空気圧(大気圧)で曲面加工(成形)した。実質的な加工時間(加圧時間)は150秒であった。次いで、曲面加工した偏光板を65℃・95%RHに設定したチャンバーに2時間投入し、加熱・加湿処理した。このようにして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(2)および(3)の評価に供した。結果を表1に示す。
得られた偏光板を枚葉状に打ち抜き、曲率半径48mm、70mmおよび105mmのドーム形状にそれぞれ曲面加工(成形)した。具体的には、打ち抜いた偏光板を、それぞれの曲率半径を有するドーム状の型に載置した状態で100℃まで真空状態で加熱し、到達後に系を開放して空気圧(大気圧)で曲面加工(成形)した。実質的な加工時間(加圧時間)は150秒であった。次いで、曲面加工した偏光板を65℃・95%RHに設定したチャンバーに2時間投入し、加熱・加湿処理した。このようにして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(2)および(3)の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例2>
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF-PS7500)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で総延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま60℃で3分間乾燥して偏光子(厚み28μm)を得た。
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製:VF-PS7500)を用いて、30℃の純水中に60秒間浸漬しながら延伸倍率2.5倍まで延伸し、30℃のヨウ素水溶液(重量比:純水/ヨウ素(I)/ヨウ化カリウム(KI)=100/0.01/1)中で45秒間染色し、4重量%ホウ酸水溶液中で総延伸倍率が5.8倍になるように延伸し、純水中に10秒間浸漬した後、フィルムの張力を保ったまま60℃で3分間乾燥して偏光子(厚み28μm)を得た。
得られた偏光子の一方の面に視認側保護層としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み47μm)を貼り合わせ、他方の面に内側保護層としてアクリル系樹脂フィルム(厚み30μm)を貼り合わせ、偏光板を得た。
以下の手順は実施例1と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例3および4>
表1に示す構成の偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
表1に示す構成の偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
加熱・加湿処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
加熱・加湿処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例2および3>
表1に示す構成の偏光板を用いたこと以外は比較例1と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
表1に示す構成の偏光板を用いたこと以外は比較例1と同様にして、曲面加工された偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、曲面加工で劣化した偏光板の特性を加熱・加湿処理により回復させることができる。より詳細には、実施例2と比較例1、実施例3と比較例2、および、実施例4と比較例3をそれぞれ比較すると明らかなとおり、実施例の偏光板は、曲面加工により劣化した単体透過率および偏光度ならびに偏光子の破断伸度Eが加熱・加湿処理により劇的に回復している。そのような実施例の偏光板は、クラック、破断および黄変の発生が抑制されていることがわかる。
本発明の実施形態による偏光板は、曲面を有する画像表示装置(例えば、湾曲した画像表示装置)に好適に用いられ得る。
10 偏光子
20 保護層
30 保護層
100 偏光板
20 保護層
30 保護層
100 偏光板
Claims (6)
- 偏光子と該偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含み、
曲面加工されており、
該偏光子の単位厚みあたりの破断伸度Eが0.25(%/μm)以上である、
偏光板。 - 前記破断伸度E(%/μm)と前記曲面加工の曲率半径R(mm)の積E×Rが20以上である、請求項1に記載の偏光板。
- 前記曲率半径Rが70mm以下である、請求項2に記載の偏光板。
- 曲面加工後に40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理されている、請求項1から3のいずれかに記載の偏光板。
- 偏光子と該偏光子の少なくとも一方に配置された保護層とを含む偏光板を準備すること;
該偏光板を、所定の局面形状を有する型とともに加熱して曲面加工すること;および
該曲面加工された偏光板を、40℃~65℃および85%RH~95%RHの環境下で40分以上加湿処理すること;
を含む、曲面加工された偏光板の製造方法。 - 前記曲面加工における加熱温度が100℃以上である、請求項5に記載の製造方法。
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