JP3294697B2 - 偏光フイルムの製造法 - Google Patents
偏光フイルムの製造法Info
- Publication number
- JP3294697B2 JP3294697B2 JP32964293A JP32964293A JP3294697B2 JP 3294697 B2 JP3294697 B2 JP 3294697B2 JP 32964293 A JP32964293 A JP 32964293A JP 32964293 A JP32964293 A JP 32964293A JP 3294697 B2 JP3294697 B2 JP 3294697B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polarizing
- stretching
- polyvinyl alcohol
- polarizing film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
Description
系樹脂偏光フィルムの製造法に関し、更に詳しくは、染
色性、フィルム外観及び光学耐久性に優れたポリビニル
アルコール系樹脂の偏光フイルムの製造法に関する。
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これに伴い偏光板の需要も増大している。特に、
精度な計器類には高偏光度のフイルムが要請されてい
る。
の一つにポリビニルアルコール系偏光フィルムがある。
該偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系樹脂フイ
ルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させ
たものがあり、これはポリビニルアルコール系樹脂の水
溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色
した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐
久化処理を行うことによって製造されている。そこで、
上記の如き延伸工程において、より高度の偏光性能をも
つフイルムを製造するための本出願人は、ホウ素化合物
処理工程中に4.5倍以下で一軸延伸した後、続いて2
倍以下で一軸延伸する2段延伸法を提案した。(特願平
2−417681号)
方法により得られたポリビニルアルコール系樹脂偏光フ
イルムの場合、偏光性能については十分良好なものが得
られるものの、染色前のフィルムに関しては、十分に検
討はされておらず、染色性の向上やフィルム外観の向上
についてはまだまだ改善の余地があった。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアル
コール系樹脂フイルムを製膜した後、含水率を20〜1
50重量%とし、90〜120℃の雰囲気下で一軸延伸
した該フィルムを染色処理工程に供する場合、偏光性能
に優れ、かつ染色性やフィルム外観に優れた偏光フィル
ムが得られることを見いだし本発明を完成するに到っ
た。
色処理工程より前にポリビニルアルコール系樹脂の製膜
フィルムを含水率20〜150重量%で90〜120℃
の雰囲気下で一軸延伸するという、特定の処理条件を採
用することによって得られるものである。以下、本発明
を具体的に説明する。
コール系樹脂フイルムの一軸延伸フイルムである。ポリ
ビニルアルコール系樹脂は通常、酢酸ビニルを重合した
ポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では
必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和
カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含
む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホ
ン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有してい
ても良い。ポリビニルアルコール系樹脂における平均ケ
ン化度は85〜100モル%、好ましくは98〜100
モル%が実用的である。
が500〜5000のいずれであっても良いが、通常は
1000〜4700が有利である。該ポリビニルアルコ
ール系樹脂は、公知の方法に従って製膜される。ポリビ
ニルアルコール系樹脂を水、有機溶剤、水/有機溶剤混
合溶剤等に溶解し流延する方法が一般的である。溶液の
濃度は5〜20重量%程度が実用的である。その他ポリ
ビニルアルコール系樹脂の溶液を凝固浴中に導入してフ
イルム化するいわゆるゲル製膜法等も実施可能である。
原反フイルムとしてその膜厚は40〜120μが適当で
ある。
要に応じホウ素化合物処理し、かつ染色処理工程或いは
ホウ素化合物処理工程において一軸延伸を施して偏光フ
ィルムとするのであるが、本発明では、上記の如く染色
処理工程の前に特定の条件で一軸延伸することを特徴と
するものである。つまり、製膜された原反フィルムを含
水率20〜150重量%に調湿した後、90〜120℃
の雰囲気下で一軸延伸するのである。尚、本発明におけ
る上記の含水率とは、原反フィルム中の全水分(重量)
/ポリビニルアルコール系樹脂分(重量)より計算され
る重量%を意味する。
反フィルムの製造ラインにおいて連続的に偏光フィルム
を製造する場合には、偏光フィルム製造直前の原反フィ
ルムの含水率は0.5〜10重量%未満であるため、公
知のフィルムライン用の加湿装置により加湿する方法や
水浸漬後加熱乾燥をする方法等により上記の含水率に調
節する方法等が挙げられる。
%未満では、フィルムの可とう性が低下して不適であ
る。該含水率が150重量%を越えるとフィルム表面の
溶解性及び可とう性が高くなり過ぎる傾向にありフィル
ム強度が低下して不適当である。更に、調湿された原反
フィルムは、フローティング乾燥や縦一軸延伸等の公知
の方法によって90〜120℃の雰囲気下で加熱処理さ
れると同時に一軸延伸されるのである。
ある。90℃未満では、加工性が悪く十分な延伸ができ
ず、逆に120℃を越えるとフィルムにカールが発生し
不適である。また、一軸延伸は、ロール延伸、テンター
延伸等の任意の方法が実施され、ロール延伸では一段
式、多段式のいずれも実施可能であり、延伸倍率は、後
工程での延伸の有無や後工程での延伸倍率により一概に
断言できないが、通常2.0〜10倍、好ましくは3.
0〜8倍の延伸倍率で延伸される。かくして得られた一
軸延伸フィルムは、染色処理工程に供されて偏光フィル
ムとされるのである。以下、染色処理工程以後の工程に
ついて説明する。
偏光素子の吸着は、フイルムに偏光素子を含有する液体
を接触させることによって行なわれる。通常はヨウ素−
ヨウ化カリの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1
〜2g/l、ヨウ化カリの濃度は10〜50g/l、ヨ
ウ素/ヨウ化カリの重量比は20〜100が適当であ
る。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。水
溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させて
も差し支えない
布、噴霧等の任意の手段も適用できる。
を逸脱しない範囲において、該一軸延伸フィルムを更に
延伸することも可能である。延伸処理における延伸時の
温度は30〜70℃程度、処理時間は60〜600秒程
度が好ましい。
ンター延伸等の任意の方法がに実施されるが、通常は前
者が行われる。ロール延伸は一段式、多段式のいずれも
実施可能である。
いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化合物と
してはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は
水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モ
ル/l程度で用いられ、液中にはヨウ化カリを共存させ
るのが実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが勿
論塗布法、噴霧法も実施可能である。また、該ホウ素化
合物処理時に染色処理工程と同様に一軸延伸することも
可能であり、そのときの条件は、染色処理工程時の延伸
条件に準ずる。
従って適宜洗浄、乾燥、熱処理後その両面あるいは片面
に光学的透明度と機械的強度に優れた保護膜を貼合、乾
燥して偏光板として使用される。保護膜としては、従来
から知られているセルロ−スアセテ−ト系フイルム、ア
クリル系フイルム、ポリエステル系樹脂フイルム、ポリ
オレフィン系樹脂フイルム、ポリカーボネート系フイル
ム、ポリエーテルエーテルケトン系フイルム、ポリスル
ホン系フイルムが挙げられる。
特別な延伸処理を施しているため、偏光性能に優れ、か
つ染色性やフィルム外観にも優れており、かかる特性を
利用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車両用途、
各種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有用であ
る。
に詳しく説明する。尚、本発明で言う偏光度は次式で示
される。
× 100(%) ここでH11は2枚の偏光フイルムサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フイルムの配向方向が同一方向になる
様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透
過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ時にお
いて、偏光フイルムの配向方向が互いに直交する方向に
なる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)であ
る。
リビニルアルコール系樹脂を水に溶解し、5.0重量%
濃度の水溶液を得た。該液をポリエチレンテレフタレー
トフイルム上に流延後、乾燥して含水率70重量%、膜
厚60μのフイルムを得た。このフイルムを10cm巾
に切断しチャックに装着し、110℃の雰囲気中で5分
間かけて5.0倍に一軸延伸した。該一軸延伸フイルム
をヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ50g/lよりなる
水溶液中に30℃にて2倍に一軸延伸し、ついでホウ酸
60g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の水溶液に浸
漬すると共に、40〜60℃の温度にて2倍に一軸延伸
した。最後に室温にて24時間乾燥させて偏光フィルム
を得た。
光光度計(大塚電子株式会社製、RETS−2000)
で測定したところ、面内透過率の最大値と最小値の差は
1.0(%)であり、該フィルムの膜厚を連続膜厚計で
平滑性を調べたところ、膜厚バラツキのない平滑性の良
好な表面状態であった。更に、該偏光フィルムの耐久性
能を測定するために、該フイルムの両面にアクリル系接
着剤を介して膜厚80μのトリアセチルセルロースフィ
ルムを貼着し70℃で乾燥して偏光板を得た。この偏光
板の単体透過率は41.3%、偏光度は97.7%であ
った。また、該偏光板を90℃の乾燥条件下に20日間
放置した後の偏光度を同様に測定したところ、偏光度は
97.2%であった。
A)よりなる原反フィルムの該樹脂、含水率及び延伸処
理条件をを表1のごとく変化させて、実施例1に準じて
偏光フィルムを作製して同様に評価を行った。評価結果
を表2に示す
(%)を表す。
前に特別な延伸処理を施しているため、偏光性能に優
れ、かつ染色性やフィルム外観にも優れており、かかる
特性を利用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車両
用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有用
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを
製膜した後、含水率を20〜150重量%とし、90〜
120℃の雰囲気下で一軸延伸した該フィルムを染色処
理工程に供することを特徴とする偏光フイルムの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32964293A JP3294697B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 偏光フイルムの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32964293A JP3294697B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 偏光フイルムの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07151912A JPH07151912A (ja) | 1995-06-16 |
JP3294697B2 true JP3294697B2 (ja) | 2002-06-24 |
Family
ID=18223626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32964293A Expired - Fee Related JP3294697B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 偏光フイルムの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3294697B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3269002B2 (ja) * | 1997-04-16 | 2002-03-25 | 日本合成化学工業株式会社 | 偏光フィルムの製造法 |
JP4326010B2 (ja) * | 2006-05-19 | 2009-09-02 | 日本合成化学工業株式会社 | 偏光膜用未延伸ポリビニルアルコール系フィルム及び偏光膜 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP32964293A patent/JP3294697B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07151912A (ja) | 1995-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4789925B2 (ja) | ヨウ素系偏光フィルム、その製造方法及びそれを用いた偏光板 | |
JP2000035512A (ja) | 偏光フィルム | |
JP2631403B2 (ja) | 耐久性の優れた偏光フイルムの製造法 | |
JP3323255B2 (ja) | 偏光膜およびその製造法 | |
JP3327423B2 (ja) | 偏光フイルムの製造法 | |
KR20140015522A (ko) | 편광 필름의 제조 방법 | |
JP2512408B2 (ja) | 偏光性の優れた偏光フイルムの製造法 | |
WO2022004537A1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びそれを用いた偏光フィルム | |
JPH1149878A (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JPH06254958A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂延伸フィルム | |
JP3392196B2 (ja) | 偏光フイルムの製造法 | |
JP3294697B2 (ja) | 偏光フイルムの製造法 | |
JPH0520723B2 (ja) | ||
JPH1152130A (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JP2895435B2 (ja) | 耐久性の優れた偏光フィルムの製造法 | |
WO2019151206A1 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム及びその製造方法 | |
JPH07198939A (ja) | 偏光フィルムの製法 | |
JP3884527B2 (ja) | ポリビニルアルコール系位相差フィルム | |
JP3273627B2 (ja) | 偏光膜 | |
JP2001083329A (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JPH04223404A (ja) | 偏光フイルム | |
JPH0775863B2 (ja) | 偏光フイルムの製造法 | |
WO2022113958A1 (ja) | 偏光フィルムの製造方法及び偏光フィルム | |
JP3031703B2 (ja) | 偏光フィルムの製造方法 | |
JP3264816B2 (ja) | 偏光板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080405 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130405 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130405 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |