JP5403568B2 - メラニンの製造方法および該製造方法により製造されたメラニン - Google Patents
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Description
管理条件下でメラニンを製造するメラニンの製造方法であって、アルカリ水溶液中においてメラニン前駆体と酸化剤とのモル比を一定に維持しながら前記メラニン前駆体を連続酸化する酸化反応工程と、該酸化工程後の反応液を酸性にすることによりメラニンを析出させる析出工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
本発明は、均質なメラニンの製造に適したメラニンの製造方法であって、管理条件下でメラニンを製造し、アルカリ水溶液中においてメラニン前駆体と酸化剤とのモル比を一定に維持しながら前記メラニン前駆体を連続酸化する酸化反応工程と、該酸化工程後の反応液を酸性にすることによりメラニンを析出させる析出工程とを少なくとも含むことを特徴とする。本発明にかかるメラニンは、メラニン前駆体と酸化剤とのモル比を一定に維持することにより、メラニンの不均質さを実質的に無くし、機能性フィルム、好ましくは2色性色素を含有するポリビニルアルコール系樹脂から形成される偏光フィルムに対し、染色性に優れ、かつ再現性および保存安定性に優れている。
(A)外観:目視観察により評価した。
(B)透過率:分光光度計V−550(日本分光株式会社製)により測定した。
(C)偏光度(P:%)以下の式により求めた。
攪拌機およびオーバーフロー口を有する1Lの反応器に、200g/Lのカテコール、および500g/Lの過硫酸ナトリウムを、おのおの2.7mL/minで供給した。100g/Lの水酸化ナトリウムを用いて、pHを9.5±0.2に、反応温度を35℃±0.1℃に管理した。オーバーフローした反応液を、塩酸を用いてpH1とした。析出するメラニンをろ過し、洗浄後のpHが6となるまで50g/Lの硫酸ナトリウムを含む水溶液で洗浄した。洗浄したメラニンは70℃で1日乾燥した。得られたメラニンを、アンモニア水でpH8.3とした水溶液に、1.2g/Lとなるように溶解させた。偏光フィルムを、たるみが生じないよう緊張させた状態で、30℃に調整した該メラニン水溶液に3分間浸漬させた。緊張状態を保ったまま、偏光フィルムを取り出し乾燥した。
実施例1と同じ条件で、本発明にかかるメラニンさらに2回生成し、当該メラニンを用いて偏光フィルムを作成した(実施例2および3)。先の結果と合わせて表1に結果を示すが、良好な再現性であった。
実施例1の反応において、200g/Lのカテコールに変えて139g/Lのドーパミン(4−(2−アミノエチル)−ピロカテコール)を用いた以外は、実施例1と同様に反応し、得られたメラニンを用いて実施例1と同様に偏光フィルムを処理した。
実施例1の反応において、200g/Lのカテコールに変えて179g/Lのドーパ(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−α−アラニン)を用いた以外は、実施例1と同様に反応し、得られたメラニンを用いて実施例1と同様に偏光フィルムを処理した。
攪拌機付の1L反応機に、200g/Lのカテコール500mLを仕込んだ。100g/Lの水酸化ナトリウムでpHを10.0に調整した後、500g/Lの過硫酸ナトリウム500mLを2.7mL/minで供給した。供給終了後の反応液は、pH4となっており、メラニンがすでに析出していた。これをろ過、乾燥して黒色のメラニンを得た。得られたメラニンを用いて、実施例1と同様に偏光フィルムを処理した。得られた偏光フィルムの外観検査では、若干の筋状の色むらが見られた。
偏光度は、94.1%、単板での可視領域、UVA領域およびUVB領域の透過率は、それぞれ23.5%、8.7%および6.8%であった。
比較例1と同じ条件で、当該比較例にかかるメラニンさらに2回生成し、当該メラニンを用いて偏光フィルムを作成した(比較例2および3)。先の結果と合わせて表3に結果を示すが、再現性が得られなかった。
比較例1の反応において、200g/Lのカテコール500mLに変えて139g/Lのドーパミン(4−(2−アミノエチル)−ピロカテコール)500mLを用いた以外は、比較例1と同様に反応し、得られたメラニンを用いて実施例1と同様に偏光フィルムを処理した。
比較例1の反応において、200g/Lのカテコール500mLに変えて179g/Lのドーパ(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−α−アラニン)500mLを用いた以外は、比較例1と同様に反応し、得られたメラニンを用いて実施例1と同様に偏光フィルムを処理した。
実施例1と同様にして得られたメラニンを70℃で減圧乾燥後、遮光および密閉下に保存した。3ヶ月保存後および6ヶ月保存後の各々のメラニンをアンモニア水でpH8.3とした水溶液に1.2g/Lとなるように溶解させた。得られたメラニン水溶液の外観は差がなく、これを用いて実施例1と同様に偏光フィルムを処理した結果にも差がなかった。
Claims (12)
- 管理条件下でメラニンを製造するメラニンの製造方法であって、アルカリ水溶液中においてメラニン前駆体と酸化剤とのモル比を一定に維持しながら前記メラニン前駆体を連続酸化する酸化反応工程と、該酸化反応工程後の反応液を酸性にすることによりメラニンを析出させる析出工程とを少なくとも含むメラニンの製造方法。
- 前記メラニン前駆体が、ユーメラニン前駆体、ファオメラニン前駆体およびアロメラニン前駆体の中から選択される少なくともいずれか1種であることを特徴とする、請求項1に記載のメラニンの製造方法。
- 前記酸化剤が、酸素類、過酸化物、並びにペルオキソ酸およびペルオキソ酸塩の中から選択される少なくともいずれか1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載のメラニンの製造方法。
- 前記酸化反応におけるメラニン前駆体と酸化剤とのモル比が1:0.1〜1:10であることを特徴する、請求項1から3のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
- 前記酸化反応における酸化剤の残存量が供給酸化剤量の1%以下になるまで反応を行うことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
- 前記酸化反応のpHが7〜13であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
- 前記酸化反応の反応温度が10〜60℃であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
- 前記析出工程において、反応液をpH0.5〜4の酸性としてメラニンを析出させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
- 前記析出工程において析出したメラニンを反応液から分離後、無機塩を含有する中性水溶液により洗浄する精製工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
- 前記中性水溶液に含まれる無機塩濃度が1〜20重量%であることを特徴とする、請求項9に記載のメラニンの製造方法。
- 前記精製工程において、前記中性水溶液による洗浄を、洗浄後の該水溶液がpH5以上になるまで行うことを特徴とする、請求項9に記載のメラニンの製造方法。
- 前記精製工程により得られたメラニンを、80℃以下で減圧乾燥する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載のメラニンの製造方法。
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