JP3446302B2 - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents
偏光フィルムの製造方法Info
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Description
に関する。 【0002】 【従来の技術】偏光フィルムは液晶表示装置等に広く用
いられており、その需要は著しく増大している。そして
ポリビニルアルコール系フィルムを用いた染料系偏光フ
ィルムは、従来、耐久性が重視される用途に主として使
用されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】最近はこのような用途
においても、高透過率、高偏光度化が要求されており、
このため工業的に容易に、透過率が高く且つ偏光度の高
い染料系偏光フィルムを製造しうる方法の開発が望まれ
ている。本発明者らは、かかる課題を解決するため鋭意
検討を重ねた結果、本発明に到達した。 【0004】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リビニルアルコール系フィルムを、二色性染料を含有
し、さらに水100重量部に対して1〜10重量部のぼ
う硝を含有する温度50〜80℃の水溶液に浸漬して該
二色性染料を吸着配向させた後、温度60〜80℃のホ
ウ酸含有水溶液で処理し、次いで、温度50〜85℃且
つ相対湿度70〜95%の雰囲気下で1分〜20時間処
理することを特徴とする偏光フィルムの製造方法に関す
るものである。 【0005】以下、本発明を詳細に説明する。偏光フィ
ルムを構成するポリビニルアルコール系フィルムは特に
限定されるものでなく、公知のものを用いることができ
る。例えば、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニ
ルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィル
ム、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体フィルムな
どが挙げられ、不飽和カルボン酸誘導体、オレフィン
類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等を共重合
成分として少量含有していてもよい。これらの中でもポ
リビニルアルコールフィルムが好ましく、ポリビニルア
ルコールの重合度は特に限定されないが、例えば、15
00以上であり、1700〜5000の範囲が好まし
い。ケン化度は、例えば、85〜100モル%程度であ
り、好ましくは98〜100モル%である。 【0006】ポリビニルアルコール系フィルムに二色性
染料を吸着配向させる方法は特に限定されず、公知の方
法を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコ
ール系フィルムを二色性染料水溶液に浸漬してから、一
軸延伸する方法、ポリビニルアルコール系フィルムを
一軸延伸後、二色性染料水溶液に浸漬する方法、ポリ
ビニルアルコール系フィルムを二色性染料水溶液に浸漬
しながら一軸延伸する方法などが挙げられる。 【0007】これらの中でも、ポリビニルアルコール系
フィルムを一軸延伸後、二色性染料水溶液に浸漬する方
法が好ましい。延伸は、ポリビニルアルコール系フィル
ムのガラス転移温度〜160℃の範囲で4〜7倍に乾式
延伸するのが望ましい。二色性染料水溶液における二色
性染料の量は特に限定されないが、例えば、水100重
量部に対して0.001〜10.0重量部程度である。二
色性染料水溶液は、ぼう硝を含有し、ぼう硝の量は、水
100重量部に対して1〜10重量部程度である。二色
性染料水溶液の温度は、50〜80℃の範囲とする。 【0008】二色性染料の種類は特に限定されず、例え
ば、二色性アゾ染料の一種以上を用いることができる。
好ましい二色性アゾ染料としては、例えば、遊離酸とし
て下記一般式(1) 【0009】 【0010】(式中、Meは銅、ニッケル、亜鉛又は鉄
を表し;Rはこれらの金属と錯結合している水酸基の隣
接位置においてアゾ基と結合しており、置換基としてス
ルホン酸基、スルホンアミド基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、アリルアミノ基、若しくはアゾ基に隣接しない水
酸基を有することがある1−ナフトール基又は2−ナフ
トール基を表し; X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、低級アルコキシ基、カルボン酸基、スルホ
ン酸基、スルホンアミド基、スルホンアルキルアミド
基、アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン又はニトロ基
を表し; Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は低級アル
コキシ基を表し; この式はスルホン酸基を合計1〜3個有している。)で
示されるジスアゾ染料や、シー・アイ・ダイレクト・イ
エロー12、シー・アイ・ダイレクト・ブルー202、
シー・アイ・ダイレクト・レッド31、シー・アイ・ダ
イレクト・バイオレット9、シー・アイ・ダイレクト・
イエロー44、シー・アイ・ダイレクト・イエロー2
8、シー・アイ・ダイレクト・オレンジ107、シー・
アイ・ダイレクト・レッド79、シー・アイ・ダイレク
ト・ブルー71、シー・アイ・ダイレクト・ブルー7
8、シー・アイ・ダイレクト・レッド2、シー・アイ・
ダイレクト・レッド81、シー・アイ・ダイレクト・バ
イオレット51、シー・アイ・ダイレクト・オレンジ2
6、シー・アイ・ダイレクト・レッド247、シー・ア
イ・ダイレクト・ブルー168、シー・アイ・ダイレク
ト・グリーン85、シー・アイ・ダイレクト・ブラウン
223、シー・アイ・ダイレクト・ブラウン106、シ
ー・アイ・ダイレクト・イエロー142、シー・アイ・
ダイレクト・ブルー1などが挙げられる。 【0011】二色性染料を吸着配向させたポリビニルア
ルコール系フィルムの厚みは特に限定されないが、例え
ば、5〜50μm 程度である。 【0012】二色性染料を吸着配向させたポリビニルア
ルコール系フィルムは、ホウ酸含有水溶液で処理する。
ホウ酸含有水溶液での処理は、光学特性の点で好まし
い。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の濃度は、例え
ば、水100重量部に対して、ホウ酸2〜15重量部で
あり、好ましくは7〜10重量部である。ホウ酸処理の
方法は特に限定されず、公知の方法を用いることがで
き、例えば、ホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が挙げら
れる。ホウ酸含有水溶液の温度は、60〜80℃とす
る。ホウ酸含有水溶液で処理する時間は特に限定されな
いが、例えば、100〜1200秒であり、好ましくは
150〜600秒である。ホウ酸含有水溶液で処理した
後、水洗、乾燥などを行ってもよい。 【0013】二色性染料を吸着配向させたポリビニルア
ルコール系フィルムは、温度50〜85℃且つ相対湿度
(RH)70〜95%の雰囲気下で処理する。その処理
温度が50℃未満であったり処理雰囲気の相対湿度が7
0%未満であったりすると、光学特性の向上が十分でな
く、また温度が85℃を越えたり相対湿度が95%を越
えたりすると、変色が生じたり光学特性が低下したりす
ることがある。処理時間は1分〜20時間であり、1分
未満では光学特性の向上が十分でなく、20時間を越え
ると、変色が生じたり光学特性が低下したりすることが
ある。処理時間は、好ましくは20分〜10時間であ
る。 【0014】こうして得られた偏光フィルムは、透過率
及び偏光度特性に優れている。そして、そのまま又はそ
の少なくとも片面に保護膜を貼合した後、液晶表示装置
の部材として使用することができる。保護膜の種類は特
に限定されず、例えば、セルロースアセテート系フィル
ム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポ
リオレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィル
ム、ポリアリレート系フィルム、ポリエーテルサルホン
系フィルムなどを用いることができる。 【0015】 【発明の効果】本発明によれば、高透過率で且つ高偏光
度の偏光フィルムを、工業的に容易に製造することがで
きる。 【0016】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0017】実施例1 重合度1700、ケン化度99モル%で厚さ75μm の
ポリビニルアルコールフィルムを、延伸温度105℃、
延伸倍率約5倍で乾式一軸延伸し、偏光基材とした。こ
の偏光基材を緊張状態に保ったまま60℃の水に60秒
間浸漬した後、水が100重量部、シー・アイ・ダイレ
クト・レッド79が0.025重量部及びぼう硝が2重
量部からなる65℃の水溶液に240秒間浸漬して、二
色性染料を吸着配向させた。次に、水100重量部とホ
ウ酸7.5重量部からなる65℃の水溶液に300秒間
浸漬し、水洗、乾燥した。こうして得られた偏光フィル
ムを緊張状態に保ったまま、温度60℃、相対湿度90
%の恒温恒湿下に60分間おいた後、極大吸収波長にお
ける光学特性を測定した。その結果、単体透過率(T)
は41.3%、偏光度(V)は99.7%であった。 【0018】なお偏光度(V)は、2枚の偏光板をそれ
ぞれの吸収軸方向が同一になるように重ねた場合の透過
率(平行位透過率)をTP とし、2枚の偏光板をそれぞ
れの吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率(直交
位透過率)をTC とし、次式により算出した。 V=〔(TP−TC)/(TP+TC)〕1/2 【0019】比較例1 温度60℃、相対湿度90%での処理を行わない以外
は、実施例1と同様の実験を行い、極大吸収波長におけ
る光学特性を測定した。この偏光フィルムの単体透過率
(T)は39.9%、偏光度(V)は99.7%であっ
た。 【0020】比較例2 恒温恒湿処理における温度を90℃に、相対湿度を95
%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の実験を
行ったところ、偏光フィルムに変色現象が発生した。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ポリビニルアルコール系フィルムを、二色
性染料を含有し、さらに水100重量部に対して1〜1
0重量部のぼう硝を含有する温度50〜80℃の水溶液
に浸漬して該二色性染料を吸着配向させた後、温度60
〜80℃のホウ酸含有水溶液で処理し、次いで、温度5
0〜85℃且つ相対湿度70〜95%の雰囲気下で1分
〜20時間処理することを特徴とする偏光フィルムの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11881194A JP3446302B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 偏光フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11881194A JP3446302B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 偏光フィルムの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07325215A JPH07325215A (ja) | 1995-12-12 |
JP3446302B2 true JP3446302B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=14745723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11881194A Expired - Fee Related JP3446302B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 偏光フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1994
- 1994-05-31 JP JP11881194A patent/JP3446302B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07325215A (ja) | 1995-12-12 |
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