JPH117809A - 車輌用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 灯具空間内に配設されるインナー部材の灯具
への取付を簡単にし、また、灯具の見栄えが悪くなるこ
とも防止する。 【解決手段】 前面レンズ３をランプボディ２に固定す
る際に、灯具空間４内に配置されたエクステンション１
３の覆い部１３ａの上端部に立設された取付片１３ｂを
前面レンズ３の上側周壁部９ａの内側面に他の小突条１
１、１１、・・・よりも長く突出させて形成した挟持片
１１ａ、１１ａ、・・・の後端とランプボディ２のレン
ズ据付溝７ａを形成している上下２つの壁部のうちの下
側の壁部７ｂの前端面の数箇所に形成した押え突部７
ｃ、７ｃ、・・・とで、前後方向から挟みつけることに
よって、エクステンション１３をランプボデイ２と前面
レンズ３とに取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は新規な車輌用灯具に
関する。詳しくは、ランプボディとその開口を覆う前面
レンズとによって画成される灯具空間内に、エクステン
ションやインナーレンズ等のようなインナー部材が配設
される車輌用灯具において、灯具の部品点数を削減しイ
ンナー部材を組み付けるための工数を減少させ、また、
灯具の見栄えを向上させる技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】灯具空間内にインナー部材が配設されて
いる従来の車輌用灯具の一例ａを図５に示す。

【０００３】ｂは前方に開口した合成樹脂製のランプボ
ディである。

【０００４】ｃは前面レンズであり、その後端部がラン
プボディの前端開口縁に形成された据付溝ｄ内に嵌合さ
れ、その状態で接着剤ｅにより固定されている。ランプ
ボディｂと前面レンズｃとによって画成される灯具空間
ｆ内には、前方に開口した反射鏡ｇが配置されている。

【０００５】ｈはその全体形状が略短い筒状をしたエク
ステンションであり反射鏡ｇの開口縁の前方に配置され
ている。

【０００６】エクステンションｈはその上端部と下端部
がそれぞれボルトｉ、ｉによって前面レンズｃの上側周
壁部と下側周壁部に形成され厚肉にされた取付ボス部
ｊ、ｊの後面に固定されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にエクステンションｈがボルトｉ、ｉによって前面レン
ズｃの取付ボス部ｊ、ｊの後面に固定されていると、エ
クステンションｈの組み付けのために別部材であるボル
トｉ、ｉが必要となり、部品点数が多くなって組付工数
も増えるという問題がある。また、車輌用灯具ａを見た
場合に前面レンズのボルトｉ、ｉによる取付箇所が見え
てしまうと、灯具の見栄えが悪くなるという問題もあ
る。

【０００８】そこで、本発明車輌用灯具は、上記した問
題点を克服し、部品点数を減らしてエクステンションな
どのようなインナー部材を簡単に組み付けられるように
し、また、灯具の見栄えを良くすることを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明車輌用灯具は、上
記した課題を解決するために、インナー部材の少なくと
も一部をランプボディの前端部と前面レンズの周壁部の
後端との間で挟持したものである。

【００１０】従って、本発明車輌用灯具にあっては、灯
具の部品点数を削減してインナー部材を組み付ける工数
を減少させることができ、また、灯具の見栄えを悪くす
ることもない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本発明車輌用灯具の実施
の形態を添付図面を参照して説明する。尚、以下に示す
実施の形態は、本発明車輌用灯具を自動車用前照灯に適
用したものである。

【００１２】１は自動車用前照灯であり、前方に向けて
開口したランプボディ２と、該ランプボディ２の開口を
前方から覆う前面レンズ３とによって灯具空間４が画成
されている。

【００１３】灯具空間４内には前方に開口した反射鏡５
が配置され、電球６が反射鏡５のほぼ中央部に取着され
ている。

【００１４】ランプボディ２は合成樹脂で形成されてお
り、その前面開口縁には前面レンズ３を取り付けるため
のレンズ据付部７が形成され、該レンズ据付部７には前
方に向かって開口したレンズ据付溝７ａが形成されてい
る。

【００１５】ランプボディ２の上側のレンズ据付部７に
おいてはレンズ据付溝７ａを形成している上下２つの壁
部のうちの下側の壁部７ｂの前端面の数箇所に前方へ向
かって突出した押え突部７ｃ、７ｃ、・・・（図１及び
図２には１つのみを示す。）が形成されている。

【００１６】前面レンズ３は透明なガラス又は合成樹脂
で形成され、ランプボディ２の前面開口を覆う前面部８
と該前面部８の周縁から後方へ向かって延びる周壁部９
とが一体に形成されて成る。そして、周壁部９の後端部
には後方に突出した突片１０が一体に形成されている。

【００１７】周壁部９のうち、上側周壁部９ａは、その
前半部が前面部８の周縁から略水平に後方へ向かって延
び、段差部を介して前半部より高くなっている後半部も
略水平に後方へ向かって延びている。

【００１８】上側周壁部９ａの内側面には前後方向に延
びる一つ一つがカマボコ状をした小突条１１、１１、・
・・が多数連続して形成されており、これらカマボコ状
の小突条１１、１１、・・・によって灯室内を見えにく
くしている。そして、これら小突条１１、１１、・・・
のうちのいくつかを下方へ向け他の小突条１１、１１、
・・・よりも長く突出させて挟持片１１ａ、１１ａ、・
・・としている（図３参照）。

【００１９】なお、挟持片１１ａの先端部１１ｂの形状
は、小突条１１と同じカマボコ状をしているので、挟持
片１１ａの存在が特に目立つこともなく、したがって灯
具の見栄えに影響はない。

【００２０】下側周壁部９ｂは、その前半部が前面部８
の周縁から略水平に後方へ向かって延び、段差部を介し
て前半部より低くなっている後半部も略水平に後方へ向
かって延びている。なお、段差部分は厚肉にされてボル
ト取付用のボス部１２になっている。

【００２１】エクステンション１３は銀色か金色、又は
それに近い色をしていて、ランプボディ２の内面と反射
鏡５との間にできてしまう隙間を隠すためのものであ
り、その全体形状は略短い筒状に形成されている。

【００２２】エクステンション１３はＰＣ（ポリカーボ
ネイト）等の樹脂にアルミ蒸着等の処理を施したもので
形成されており、ランプボディ２の内面と反射鏡５との
間の隙間を覆う略筒状の覆い部１３ａと、該覆い部１３
ａの外側面に突設された左右方向に長い取付片１３ｂ、
１３ｃが一体に形成されて成る。

【００２３】取付片１３ｂは覆い部１３ａの上端部の外
側面に突設され、取付片１３ｃは覆い部１３ａの下端部
の外側面に突設されている。

【００２４】上記した自動車用前照灯１は以下のように
して組み立てられる。

【００２５】先ず、エクステンション１３の覆い部１３
ａの下端部に形成された取付片１１ｃを前面レンズ３の
下側周壁部９ｂに形成された取付ボス部１２の後面にボ
ルト１４で固定する。

【００２６】それから、エクステンション１３の覆い部
１３ａの上端部の取付片１３ｂを前面レンズ３の上側周
壁部９ａの内側面に形成された挟持片１１ａ、１１ａ、
・・・の後端に当接させた状態にしておいてから、前面
レンズ３の周壁部９の後端部に形成された突片１０をラ
ンプボディ２のレンズ据付溝７ａ内に接着剤１５を介し
て嵌合させる。

【００２７】このようにして、前面レンズ３をランプボ
ディ２に固定すると、覆い部１３ａの上端部に形成され
た取付片１３ｂが、前面レンズ３の上側周壁部９ａの内
側面に形成された挟持片１１ａ、１１ａ、・・・の後端
とランプボデイ２のレンズ据付溝７を形成している上下
２つの壁部のうちの下側の壁部の前端面の数箇所に形成
された押え突部とによって、前後方向から挟みつけられ
る。このようにして、エクステンション１３はランプボ
デイ２と前面レンズ３とに組み付けられる。尚、取付片
１３ｂの後方から複数の押え突部７ｃ、７ｃ、・・・が
取付片１３ｂの後面に接するようにしたのは、面接触よ
りも点接触にしておいた方が各部材間における少々の寸
法誤差や振動を吸収することができるので、エクステン
ション１３をランプボデイ２と前面レンズ３とにしっか
りと動かないように組み付けることができるからであ
る。

【００２８】しかして、上記した自動車用前照灯１にあ
っては、エクステンション１３の上端部の取付にボルト
を用いていないので、例えば、自動車のボンネットを開
けた際に、透明な前面レンズ３の上端部のボルトによる
取付箇所がそのまま外から見えてしまうことがない。そ
して、当然のことであるが、エクステンション１３の上
端部の組付には別部材であるボルトを用いていないの
で、ボルトを用いている場合と比べ部品点数や組付工数
が減少する。

【００２９】尚、エクステンション１３の下端部の取付
にボルト１４を用いることにしたのは、例えば、自動車
のボンネットを開けた際でも、前面レンズ３の下端部は
ほとんど見えないことが多いので、取付のためにボルト
を用いてもそのために灯具の見栄えが悪化することは少
ないからである。

【００３０】尚、上記実施例においては、前面レンズ３
の上側周壁部９ａが、途中に段差部があって前半部も後
半部も略水平に後方へ向かって延びているものを示した
が、本発明はこれに限らず、例えば、図４に示すよう
に、前面レンズの上側周壁部が前面レンズ３の周縁から
後方へ行くにしたがって次第に上方へ変位するように真
直ぐ延びているもの９′ａであってもよい。そして、こ
のような場合にあっては、上側周壁部９′ａの内側面に
形成したカマボコ状の小突条１１′、１１′、・・・の
うちのいくつかを後方へ行くにしたがって他の小突条よ
りも下方へ向けて長く突出させ挟持片１１′ａ、１１′
ａ、・・・とする（図４参照）。そして、このように特
別に下方へ向け長く突出させている挟持片１１′ａ、１
１′ａ、・・・の後端をエクステンション１３の上端部
に形成された取付片１３ｂの前面に当接させる。

【００３１】また、上記実施例においては、エクステン
ション１３の下端部の取付にボルト１４を用いたが、エ
クステンション１３の下端部も上端部と同じようなやり
方でボルトを用いないで取り付けるようにしてもよい。

【００３２】また、上記実施例においては、インナー部
材がエクステンションである場合を示したが、本発明に
あっては、インナー部材が配光を制御するために配置さ
れるインナーレンズであってもよく、また、インナー部
材としてエクステンションとインナーレンズの両方があ
ってもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本発明車輌用灯具は、ランプボディとランプボディ
の開口を覆った前面レンズとの間にインナー部材が配設
される車輌用灯具において、インナー部材の少なくとも
一部をランプボディの前端部と前面レンズの周壁部の後
端との間で挟持したことを特徴とする。

【００３４】従って、本発明車輌用灯具にあっては、イ
ンナー部材の少なくとも一部を組み付けるためにボルト
を用いていないので、インナー部材の取付に別部材であ
るボルトを用いている場合と比較すると、灯具の部品点
数を削減してインナー部材を取り付ける工数を減少させ
ることができる。

【００３５】また、請求項２に記載した発明にあって
は、インナー部材の上端部をランプボディの前端部と前
面レンズの周壁部の後端との間で挟持するようにしたの
で、透明な前面レンズの上端部からボルトによる取付箇
所がなくなるので、上方から灯具を見た場合でも灯具の
見栄えが悪化しない。

【００３６】更に、請求項３に記載した発明にあって
は、前面レンズの周壁部の内側面に形成した多数の小突
条のうちのいくつかをさらに突出させて挟持片にしたの
で、挟持片の形成が簡単である。

【００３７】尚、上記した実施の形態において示した各
部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する
に際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、
これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈され
ることがあってはならないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２乃至図４と共に本発明車輌用灯具の実施の
形態を示すものであり、本図は縦断側面図である。

【図２】要部の拡大縦断側面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う拡大断面図であ
る。

【図４】前面レンズの別の例を示す要部の拡大縦断側面
図である。

【図５】従来の車輌用灯具の一例を示す縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

１…車輌用灯具、 ２・・・ランプボディ、 ３・・・
前面レンズ、 ７ｃ・・・ランプボディの前端部、 ９
ａ、９′ａ・・・前面レンズの周壁部、 １１、１１′
・・・小突条、 １１ａ、１１′ａ・・・挟持片、 １
３・・インナー部材、 １３ｂ・・・上端部、 １３ｃ
・・・下端部、 １４・・・ボルト

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランプボディとランプボディの開口を覆
   う前面レンズとランプボディと前面レンズとの間に配設
   されるインナー部材とを備えた車輌用灯具において、 インナー部材の少なくとも一部がランプボディの前端部
   と前面レンズの周壁部の後端との間で挟持されたことを
   特徴とする車輌用灯具。
2. 【請求項２】 インナー部材の上端部がランプボディの
   前端部と前面レンズの周壁部の後端との間で挟持され、
   インナー部材の下端部がボルトで前面レンズ又はランプ
   ボディに固定されたことを特徴とする請求項１に記載の
   車輌用灯具。
3. 【請求項３】 前面レンズの周壁部の内側面に多数の小
   突条を形成し、該小突条のうちの一部を他の小突条より
   も突出させて挟持片とし、インナー部材が上記挟持片の
   後端とランプボディの前端部との間で挟持されたことを
   特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車輌用灯具。