JPH1174132A - 電磁装置 - Google Patents

電磁装置

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JPH1174132A
JPH1174132A JP9233162A JP23316297A JPH1174132A JP H1174132 A JPH1174132 A JP H1174132A JP 9233162 A JP9233162 A JP 9233162A JP 23316297 A JP23316297 A JP 23316297A JP H1174132 A JPH1174132 A JP H1174132A
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英毅 濱田
Yoshihiko Shimizu
義彦 清水
Kazuhiko Kinutani
和彦 絹谷
Noriyuki Satou
規幸 佐藤
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイルの両端と端子の位置合わせの作業性を
向上させる。また、コイルの端子との溶接による接続部
の引っ張り強度の低下を抑制する。 【解決手段】 平角銅線4をその幅広の面が互いに対向
するように筒状に巻回してなるコイル1と、このコイル
1を保持するボビン2と、コイル1の両端近傍でボビン
2に保持されコイル1の両端の平角銅線4が接続される
端子3とを備えてなる電磁装置において、端子3に、コ
イル1の両端の平角銅線4がスプリングバックするのを
受け止める方向に銅線受け部3cを設けた。また、この
銅線受け部3cは、平角銅線4の幅広の面の表裏両側に
それぞれ対向する一対の対向片3dを備え、その一方に
は平角銅線4に当接して溶接部とされる突起状部3eを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁装置に関し、
特に平角銅線を巻回したコイルを備えてなる電磁装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、厚さの薄い箔状の平角銅線
を、その幅広の面が対向するように筒状に巻回してコイ
ルを形成する技術が開発されており、このような平角銅
線にて形成されたコイルはエッジワイズコイルと呼ばれ
ている。このエッジワイズコイルは、例えば特開平4−
75303号公報に記載されているように特殊な治具を
用いて巻回され、例えば放電灯点灯装置のイグナイタ回
路などに用いられるトランスのような電磁装置に用いら
れるようになってきている。
【0003】図5及び図6は、このような従来の電磁装
置を示すもので、この電磁装置は、トランスであって、
コイル1と、ボビン2、及び端子3とを備えて構成され
ている。
【0004】コイル1は、断面が円形のマグネットワイ
ヤを巻回してなる一次コイル(図示せず)と、厚さの薄
い箔状の平角銅線4をその幅広の面が対向するように巻
回してなる二次コイル1aとから構成されている。二次
コイル1aは、エッジワイズコイルであって、特殊な治
具によって略筒状に巻回されている。
【0005】ボビン2は、二次コイル1aが装着される
二次ボビン2aと、一次コイルが巻回されるとともに、
二次ボビン2aの一端側に装着される一次ボビン2bと
から構成されている。そして、ボビン2を構成する二次
ボビン2aと一次ボビン2bの両端近傍には、それぞれ
一対の端子3が設けられ、各コイル1の両端が電気的に
接続されるようにされている。二次ボビン2aに設けら
れた端子3である二次側端子3aは、二次コイル1aの
平角銅線4との接続部3bが平板状とされ、この接続部
3bに平角銅線4を当接させて、この接続部3bで平角
銅線4と端子3の間を溶接することにより電気的接続が
されるようにされている。
【0006】このような電磁装置は、エッジワイズ巻き
された二次コイル1aを、ボビン2を構成する二次ボビ
ン2aに挿入し、その後から一次コイルが巻回された一
次ボビン2bを組み付けてる。そして、二次コイル1a
の両端である巻始めと巻終わりの平角銅線4を、治具を
用いて、その幅広の面が接続部3bに当接するように略
90度よじって重ね合わせるように二次側端子3aの接
続部3bに位置合わせをし、その重ね合わせた部分を当
接させた状態を保って溶接することにより組立てられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された従来の電磁装置においては、コイル1で
ある二次コイル1aの両端の平角銅線4と端子3である
二次側端子3aとを溶接できるように重ね合わせて位置
合わせするには、治具が必要であって作業時間が長くな
り作業性が悪いという問題点があった。
【0008】また、コイル1である二次コイル1aの両
端で平角銅線4と端子3とを面接触させて溶接させてい
るため、溶接時の熱的影響により平角銅線4の引っ張り
強度が低下し、コイル1を樹脂(例えばエポキシ等)で
モ−ルドすると、樹脂の熱膨張、及び熱収縮等により平
角銅線4に加わる力によって平角銅線4が断線してしま
うおそれが生ずるという問題点もあった。そこで、コイ
ル1を樹脂でモ−ルドする際には、その平角銅線4の溶
接部にシリコン等の緩衝材を塗布して平角銅線4のクラ
ックの発生を防止するようにさせていた。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、コイルの両端と端子の
位置合わせの作業性が良い電磁装置を提供することにあ
り、また別の目的とするところは、コイルの端子との溶
接による接続部の引っ張り強度の低下を抑制した電磁装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、請求項1記載の発明にあっては、平角銅線
をその幅広の面が互いに対向するように筒状に巻回して
なるコイルと、このコイルを保持するボビンと、前記コ
イルの両端近傍で前記ボビンに保持され前記コイルの両
端の平角銅線が接続される端子とを備えてなる電磁装置
において、前記端子に、前記コイルの両端の平角銅線が
スプリングバックするのを受け止める方向に銅線受け部
を設けたことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の電磁装置において、前記銅線受け部が、前記平角
銅線の幅広の面の表裏両側にそれぞれ対向する一対の対
向片を備えてなることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明にあっては、請求項2
記載の電磁装置において、前記対向片の少なくとも一方
に、他方の対向片側に向かって突出する突起状部を設
け、この突起状部で前記平角銅線を前記端子に溶接した
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1乃至図5は、本発明の電磁装
置の一実施の形態を示すものであり、この電磁装置は、
例えば放電灯点灯装置のイグナイタ回路などに用いられ
る高圧トランスのような電磁装置であって、コイル1
と、ボビン2、及び端子3とを備えて構成されている。
【0014】コイル1は、断面が円形のマグネットワイ
ヤを巻回してなる一次コイル(図示せず)と、厚さの薄
い箔状の平角銅線4をその幅広の面が対向するように略
当接させて巻回してなる二次コイル1aとから構成され
ている。この二次コイル1aは、いわゆるエッジワイズ
コイルであって、特殊な治具によって略筒状に巻回され
ている。
【0015】ボビン2は、二次コイル1aが装着される
二次ボビン2aと、一次コイルが巻回されるとともに二
次ボビン2aの一端側に装着される一次ボビン2bとか
ら構成されている。二次ボビン2aは、略円筒状の巻胴
2cの一端側に鍔状部2dを備え、巻胴2cの一方の側
面側には巻胴2cの表面から所定距離だけ離隔した隔壁
部2eが鍔状部2dと一体で設けられると共に、巻胴2
cの他端側には一次ボビン2bの装着部2fが設けられ
て構成されている。一次ボビン2bは、巻胴2cを備
え、その巻胴2cの両端に鍔状部2dが設けられて構成
されている。
【0016】端子3は、一対の二次側端子3aと一対の
一次側端子3bであって、それぞれ各コイル1への接続
部と電磁装置の外部への接続部とを備えて構成されてい
る。一対の二次側端子3aは、それぞれ二次ボビン2a
の鍔状部2dと、一次ボビン2bの二次ボビン2a側の
鍔状部2dに設けられ、また、一対の一次側端子3b
は、それぞれ一次ボビン2bの両端の鍔状部2dに設け
られている。そして、二次側端子3aは二次コイル1a
に、一次側端子3bは一次コイルに電気的に接続される
ようにされている。二次側端子3aは、それぞれ、平角
銅線4が巻回されてなる二次コイルがスプリングバック
するのを受ける方向に銅線受け部3cが設けられて構成
されている。
【0017】一方の二次側端子3aは、この形状に限定
されるものではないが、先端が折り曲げられて略U字状
の銅線受け部3cが形成され、平角銅線4を挟み込むよ
うに幅広の面の表裏両側にそれぞれ対向する一対の対向
片3dを備えて構成されている。そして、この一方の二
次側端子3aは、略U字状の銅線受け部3cが、二次コ
イル1aの端部の平角銅線4に、図1及び図2に矢示し
たスプリングバックする方向に、つまり、コイル1を巻
戻す方向に力が加わると、この略U字状の銅線受け部3
cの開口側から折り曲げられた奥側方向に平角銅線4に
力が加わるように、スプリングバックする平角銅線4を
受け止める方向に向けられて二次ボビン2aの鍔状部2
dに保持されるようにされている。また、一方の対向片
3dには、図3に示すように、他方の対向片3d側に向
かって突出し平角銅線4に当接して、図4に示すよう
に、平角銅線4と溶接される突起状部3eが設けられて
いる。
【0018】他方の二次側端子3aは、この形状に限定
されるものではないが、平角銅線4を挟み込むように幅
広の面の表裏両側にそれぞれ対向する一対の対向片3d
を、一端側近傍の側面側で連結した形状の銅線受け部3
cを備えて構成されている。そして、この他方の二次側
端子3aは、その銅線受け部3cが、二次コイル1aの
端部の平角銅線4に、図1及び図2に矢示したスプリン
グバックする方向に、つまり、コイル1を巻戻す方向に
力が加わると、銅線受け部3cの他端側から一端側の連
結された方向に平角銅線4に力が加わるように、スプリ
ングバックする平角銅線4を受け止める方向に向けられ
て、一次ボビン2bの二次ボビン2a側の鍔状部2dに
保持されるようにされている。また、一方の対向片3d
には、他方の対向片3d側に向かって突出し平角銅線4
に当接して、平角銅線4と溶接される突起状部3eが設
けられている。
【0019】つまり、一対の二次側端子3aは、二次コ
イル1aの両端に対応する位置にあって、その銅線受け
部3cがそれぞれ、二次コイル1aがスプリングバック
したとき、巻始めと巻終わりの平角銅線4がその力によ
り挿入される開口側が互いに反対方向を向くようにボビ
ン2に保持されているのである。
【0020】このような電磁装置であるトランスは、エ
ッジワイズ巻きされたコイル1である二次コイル1a
を、ボビン2を構成する二次ボビン2aの巻胴2cに、
鍔状部2dに装着した一方の二次側端子3aの銅線受け
部3cが、二次コイル1aの一端側でスプリングバック
する平角銅線4を受けるように、つまり、平角銅線4が
対向片3dで挟まれるようにして仮固定させ、その後か
ら、一次コイルを巻回した一次ボビン2bを、他方の二
次側端子3aの銅線受け部3cが、同様に二次コイル1
aの他端側でスプリングバックする平角銅線4を受ける
ように仮固定させて、組み付ける。そして、二次コイル
1aの両端である平角銅線4の巻始めと巻終わりを、対
向片3dに設けた突起状部3eで端子3である二次側端
子3aに溶接することにより電気的接続を行い、ボビン
1にフェライトコア(図示せず)を装着して組立てられ
る。
【0021】このように構成されているため、本実施の
形態における電磁装置においては、コイル1である二次
コイル1aの両端の平角銅線4が、そのスプリングバッ
クにより巻き戻る力を利用して、その力の加わる方向を
受け止める方向に銅線受け部3cを設けた二次側端子3
aに仮保持されるため、コイル1の両端と端子3が治具
を用いることなく容易に位置合わせできて仮固定でき、
作業性が向上する。また、コイル1である二次コイル1
aの両端の平角銅線4と端子3である二次側端子3a
が、突起状部3eで溶接されるため、平角銅線4が溶接
の熱により影響を受ける面積が少なくできて、平角銅線
4の引っ張り強度の低下が抑制できる。このため、コイ
ル1を樹脂(例えばエポキシ等)でモ−ルドした場合
に、樹脂の熱膨張、及び熱収縮等により平角銅線4に力
が加わっても平角銅線4が断線するおそれを少なくで
き、熱膨張率が平角銅線4とより大きく異なる樹脂も使
用でき、樹脂の選定の自由度が高まると共に、平角銅線
4のクラック等を防止するために溶接部に緩衝材を塗布
する必要もなくなる。
【0022】なお、前記実施の形態においては、コイル
1を構成する2つのコイルのうち、二次コイル1aのみ
を平角銅線4を巻回してなるエッジワイズコイルとした
ものを例示したが、本発明はこれに限らず、2つのコイ
ルともエッジワイズコイルとしたものであってもよい。
また、前記実施の形態においては電磁装置として、2つ
のコイルを備えてなるトランスを例示したが、本発明は
これに限らず、コイルを1つ備えた電磁装置や、3つ以
上備えた電磁装置であってもよい。また、前記実施の形
態においては、ボビン2を一次ボビン2bと二次ボビン
2aに組み付けて構成したものを例示したが、本発明は
これに限らず、1つのボビンに複数のコイルを装着でき
るようにさせたものであってもよい。
【0023】
【発明の効果】このように構成されているため本発明
は、請求項1、及び請求項2記載の発明にあっては、コ
イルの両端の平角銅線が、そのスプリングバックにより
巻き戻る力を利用して、その力の加わる方向を受け止め
る方向に銅線受け部を設けた端子に仮保持されるため、
コイルの両端と端子が治具を用いることなく容易に位置
合わせできて仮固定でき、作業性が向上する。
【0024】請求項3記載の発明にあっては、請求項2
記載の発明の効果に加えて、コイルの両端の平角銅線と
端子が突起状部で溶接されるため、平角銅線が溶接の熱
により影響を受ける面積が少なくできて、平角銅線の引
っ張り強度の低下が抑制できる。このため、コイルを樹
脂でモ−ルドした場合に、樹脂の熱膨張、及び熱収縮等
により平角銅線に力が加わっても平角銅線が断線するお
それを少なくでき、熱膨張率が平角銅線とより大きく異
なる樹脂も使用できて、樹脂の選定の自由度が高まると
共に、平角銅線のクラック等を防止するために溶接部に
緩衝材を塗布する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁装置の一実施の形態の要部を示す
分解斜視図である。
【図2】同上の端子と平角銅線の係合状態を示す斜視図
で、(a) は端子である一方の二次側端子の斜視図、(b)
は端子である他方の二次側端子の斜視図である。
【図3】同上の端子である一方の二次側端子と平角銅線
の係合状態の拡大図で、(a) はは平面図、(b) は側面図
である。
【図4】同上の端子である一方の二次側端子と平角銅線
の溶接状態を説明するもので、(a) は斜視図、(b) は側
面図である。
【図5】従来の電磁装置を示す斜視図である。
【図6】同上の端子と平角銅線の溶接状態を説明する斜
視図である。
【符号の説明】
1 コイル 2 ボビン 3 端子 3c 銅線受け部 3d 対向片 3e 突起状部 4 平角銅線
フロントページの続き (72)発明者 絹谷 和彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 佐藤 規幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平角銅線を、その幅広の面が互いに対向
    するように筒状に巻回してなるコイルと、このコイルを
    保持するボビンと、前記コイルの両端近傍で前記ボビン
    に保持され前記コイルの両端の平角銅線が接続される端
    子とを備えてなる電磁装置において、前記端子に、前記
    コイルの両端の平角銅線がスプリングバックするのを受
    け止める方向に銅線受け部を設けたことを特徴とする電
    磁装置。
  2. 【請求項2】 前記銅線受け部が、前記平角銅線の幅広
    の面の表裏両側にそれぞれ対向する一対の対向片を備え
    てなることを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
  3. 【請求項3】 前記対向片の少なくとも一方に、他方の
    対向片側に向かって突出する突起状部を設け、この突起
    状部で前記平角銅線を前記端子に溶接したことを特徴と
    する請求項2記載の電磁装置。
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