JP2940588B2 - ボイスコイルの構造 - Google Patents

ボイスコイルの構造

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JP2940588B2
JP2940588B2 JP5091300A JP9130093A JP2940588B2 JP 2940588 B2 JP2940588 B2 JP 2940588B2 JP 5091300 A JP5091300 A JP 5091300A JP 9130093 A JP9130093 A JP 9130093A JP 2940588 B2 JP2940588 B2 JP 2940588B2
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    • H04R9/00Transducers of moving-coil, moving-strip, or moving-wire type
    • H04R9/02Details
    • H04R9/04Construction, mounting, or centering of coil
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    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はボイスコイルの構造に
係り、特に、ボイスコイルの導体占積率を高め磁気効率
を向上させたボイスコイル構造に関する。
【0002】
【従来技術】図15乃至図20は「実願平4−2656
6号」として先に提案したスピーカの構造を示したもの
である。図15はスピーカの半断面図、図16はボイス
コイルの巻始め端子及び巻終り端子とをダンパーに設け
た入力信号用のリード線に接続した状態を示した斜視
図、図17は平角線を使用したボイスコイルを示した拡
大側面断面図、図18はスリット線を使用したボイスコ
イルを示した拡大側面断面図、図19は従来の一般的な
スピーカの半断面図、図20は図19に示すスピーカの
ボイスコイル部の斜視図である。
【0003】図15乃至図18において、3は磁気回路
であり、この磁気回路3は2個のリング状に形成したマ
グネット3a,3bの同極を対向させて配置し、このマ
グネット3a,3bに挟持されたリング状の磁性材から
成るセンタープレート3cより構成されている。4は上
記磁気回路3のセンタープレート3cの外周部とボイス
コイルとの間に設けた間隙である。
【0004】5は非磁性材から成るホルダーであり、こ
のホルダー5は中心に底部から上方に向って円筒状のセ
ンターガイド5aを有し、センターガイド5aの下端部
の外側に向かって伸びた取付部5dに取付穴5eが形成
されている。6は取付ビス、7はスピーカフレーム、8
はスピーカの振動板、即ち、コーン紙である。
【0005】9はスピーカの入力端子、10はダンパー
であり、このダンパー10は図16に示すように、綿布
等にフェノール樹脂を含浸させ熱成型加工を施しコルゲ
ーション10aを形成したものである。11は2本の平
編錦糸線をコルゲーション10aを横断するように平行
に縫い付けて形成した入力信号用のリード線である。2
4は半田である。
【0006】40はボイスコイルであり、このボイスコ
イル40は断面が円形の丸線のコイル線材を使用して巻
き幅Aに形成したものであり、このボイスコイル40の
巻終部40aと巻始部40bとがボイスコイル40の上
端部に引き出されている。41はボイスコイル40の外
周部を覆った絶縁用テープ又は補強紙、42は上記巻終
部40aが接続配線された巻終り端子、43は上記巻始
部40bが接続配線された巻始め端子である。
【0007】45は他の従来例の平角線のコイル線材を
使用したボイスコイル、46は、更に、他の従来例の通
称スリット線と呼ばれるコイル線材を使用したボイスコ
イルである。
【0008】この様に構成したボイスコイル40及びス
ピーカは、厚み方向に着磁された上記マグネット3a,
3bの同極側を対向させたことにより反発磁気を発生さ
せ、このマグネット3a,3bの対向面の間に挟み込ん
だセンタープレート3cに前記反発磁気を収束させ、こ
の反発磁気をセンタープレート3cの外周部から外側に
磁束にして放出させる。
【0009】一方、センタープレート3cの外周部に一
定の間隙4を置いて配置したボイスコイル40を前記磁
束にて駆動せしめ、このボイスコイル40の外周部にコ
ーン紙8のネック部やダンパー10等のサスペンション
の内径部を直接配置して直接駆動型スピーカを形成して
いた。
【0010】一般に、コイル線材は丸線を使用する場合
が多く、例えば、コイル線材の導電材直径が0.4mm
以下の丸線を使用して所定の巻き幅A、及び巻数及び層
数を設定してボイスコイル40を形成する場合、一般的
には2層、若しくは4層に設定される。
【0011】このボイスコイル40の巻終部40a及び
巻始部40bが、上記ボイスコイル40の外周面に沿っ
て上端部近傍まで這わせるようにして引き出され、この
引き出された巻終部40aと巻始部40bの端部を絶縁
用テープ41にて覆ってボイスコイル40の外周部に固
定している。
【0012】この様にして引き出された巻終部40aと
巻始部40bは、例えばボイスコイル40の外周部に銅
箔等を貼り付けた一対の巻終り端子42及び巻始め端子
43に半田24付けされ接続配線される。
【0013】更に、この巻終り端子42と巻始め端子4
3には、先に、「実開平1−42696号」で開示され
ているように、前記ダンパー10上に装着された平編状
錦糸線で形成した入力信号用のリード線11の内周側の
端部が半田24付けされ、スピーカの入力端子9に供給
された入力信号がリード線11を介してボイスコイル4
0に供給され、このボイスコイル40に装着したコーン
紙8を駆動していた。
【0014】この様に、コイル線材に丸線を使用したボ
イスコイル40の巻き幅Aにおける導電材の導体占積率
は約50% 程度であった。この導体占積率を向上させ
るとスピーカの磁気効率が向上することは周知の所であ
って、この導体占積率を向上させるためにはコイル線材
の導電材の断面形状と、コイル線材の外皮を構成した絶
縁層や接着層が大きな要素となることから、この導電材
の断面に対する絶縁層や接着層の占める比率が極力少な
いことが好ましい。このため、上記導電材の断面形状を
長方形、又は正方形などの断面にすることによって導体
占積率の向上を図っていた。
【0015】図17はコイル線材として丸線を圧延した
平角線を用いたボイスコイル45であり、図18は銅又
はアルミ等の導電材からなる箔等をスリッタ等で任意の
幅に切断してなるスリット線をコイル線材として用いた
ボイスコイル46であり、共に前記ボイスコイルの導体
占積率を改善するために考えられたものである。
【0016】上記、ボイスコイルの平角線及びスリット
線は、一般には1層のみ巻き付けて巻終部及び巻始部を
ボイスコイル45,46の上下に配置し、この巻終部及
び巻始部が前記ボイスコイル45,46の外周部に設け
た銅箔等を貼り付けた巻終り端子及び巻始め端子に半田
付けされて、ボイスコイル45,46 の巻終部及び巻
始部を外周部に配置するようにしていた。
【0017】この様に、平角線で形成したボイスコイル
45の導体占積率は約60%程度であって、前記丸線の
ボイスコイル40に比べて約10%の導体占積率の改善
を図ることが可能であり、また、前記スリット線で形成
したボイスコイル46の導体占積率は約65%と、更
に、前記平角線のボイスコイル45より約5%改善され
る。
【0018】図19及び図20は従来の一般的な磁気回
路を有したスピーカの半断面図とボイスコイルの斜視図
であり、図15と同一部分には同一符合を付して、その
説明を省略する。図19及び図20において、50は入
力端子9からコーン紙8に設けた中継端子8aとを配線
するリード線であり、51はヨークである。
【0019】52はコイル線材を丸線で巻き幅Aに形成
したボイスコイルであり、このボイスコイル52の巻終
部52aと巻始部52bとはボイスコイル52の上端部
に引き出されている。53はボイスコイルボビン、54
はボイスコイルボビン53の外周部上に装着された絶縁
用テープ又は補強紙である。
【0020】上記、ボイスコイル52のコイル線材は一
般に使用される丸線であり、この丸線のボイスコイル5
2は、前述したように所定の巻き幅A、及び巻数を一般
には2層又は4層に設定し、上記ボイスコイルボビン5
3の下端部近傍に巻き付けて形成され、巻終部52a及
び巻始部52bはボイスコイル52の上端部で、尚且
つ、ボイスコイルボビン53の外周部に配置される。
【0021】即ち、ボイスコイルボビン53に外周部に
配置されたボイスコイル52の巻終部52a及び巻始部
52bの延長線は、ボイスコイルボビン53に外周部に
密着した状態で絶縁用テープ54で覆われて固定され、
更に、コーン紙8上を介して中継端子8aに接続配線さ
れる。
【0022】この様に、形成された一般的なスピーカの
ボイスコイル52の導体占積率は、ボイスコイル52を
丸線で形成したので、前記、図15で説明した直接駆動
型スピーカとほぼ同等の導体占積率になり、平角線やス
リット線に比べて少ない導体占積率になる。また、上記
ボイスコイルボビン53に平角線やスリット線を用いた
ボイスコイルを形成することも可能である。
【0023】また、別の従来例として、磁気効率を向上
させるため鉄等の磁性材をコア材とし、このコア材の周
りに銅等の導電材を溶融付着させてなる線材(一般に、
鉄コア線などという)や、銅等の導電材をコア材とし、
このコア材の周りに鉄材等の磁性材をメッキ付着させて
なる線材(一般に、銅コア線などという)等を使用した
ボイスコイルを用いるスピーカもあった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のボイスコイルの構造はコイル線材に一般的な丸線を使
用すると、導体占積率が少なくボイスコイル40の磁気
効率が小さいという欠点があり、前述したように、導体
占積率の改善のため平角線を使用しても平角線が丸線の
圧延加工のため、平角線の断面形状において端部に円弧
状のR部が生じてしまい、このR部によって導体占積率
を損なうという欠点があった。
【0025】また、上記R部の欠点に対応するためのス
リット線では、R部を無くすことができるが、導体占積
率は約5%程度向上するのみである。しかも、導電材の
径が小さくなるほど、又は導電材の厚さが薄くなるほど
外皮の絶縁層や接着層の占める比率が大きくなり導電材
の導体占積率が悪くなる。
【0026】更に、丸線や平角線、スリット線を使用し
たボイスコイルでボビンレス構造にすると、コイル線を
保持するための線材同士の接触面積が極端に少なくな
り、大入力時においてコイル線を固着している接着剤が
熱による性能劣化と、ボイスコイル自身の加速度でコイ
ル線が剥離、即ち、バラケを起こし易く、特に、丸線の
場合はボイスコイルの1層目の上端部、又は下端部から
コイル線がバラケ易く、結果的に断線となる重大な欠点
があった。
【0027】また、鉄コア線等の磁性材を含んだボイス
コイル等においても、導体占積率が向上した形態が好ま
しいことは当然であるが、この鉄コア線や銅コア線など
を生成するための導電材と磁性材との量及び材質などの
基本的なコントロールが容易にできないという欠点があ
った。
【0028】図19に示した一般的なスピーカにおいて
は、ボイスコイルの外側にも磁気ギャップを形成する為
のプレートが配置されているので、ボイスコイルの外径
寸法が大きくなると磁気ギャップに入らないなどの問題
が発生し、磁気ギャップを広げねばならず磁気効率を低
減させる結果になるという欠点があった。
【0029】この発明は上記した点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは従来例の欠点を解消
するため、テープ状に形成したテープ線を巻き幅を揃え
てボイスコイルボビンに巻き付けてなるボイスコイルに
よって導体占積率を向上させ、尚且つ、コイル線材の導
電材と磁性材との量及び材質等をコントロールして磁気
効率を高め、より高性能のスピーカを構築するボイスコ
イルの構造を提供するところにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】この発明に係るボイスコ
イルの構造は、予め決められた幅のテープ状に形成せし
めた導電部材の外側に絶縁層と接着層とを付着してなる
テープ線をボイスコイルボビンに巻き幅を揃えて巻き付
けて形成し、上記テープ線を構成する導電部材は少なく
とも一方の面に磁性部材を付着し、予め決められた方向
に着磁したものである。
【0031】また、導電材から成り一部に巻幅方向に突
出する突起部を有するボイスコイルボビンと、1層目を
前記ボイスコイルボビンに電気的に接続したボイスコイ
ルとを有し、前記ボイスコイルボビンの突起部をボイス
コイルの外側に折り曲げることによって、ボイスコイル
ボビンをボイスコイルの一方の端子としたボイスコイル
の構造において、上記ボイスコイルボビンの繋ぎ目に所
定の間隙を設け、この間隙より流し込んだ半田によって
上記ボイスコイルボビンと上記ボイスコイルの1層目と
が電気的に接続されるよう構成したものである。
【0032】上記ボイスコイルボビンの一部に穴を設
け、この穴より半田を流し込むことによって、ボイスコ
イルの1層目と上記ボイスコイルが電気的に接続される
よう構成してもよい。
【0033】上記ボイスコイルボビンの一部に切欠部を
設け、この切欠部より半田を流し込むことによって、ボ
イスコイルの1層目と上記ボイスコイルが電気的に接続
されるよう構成してもよい。
【0034】また、この発明に係るボイスコイルの構造
は、予め決められた幅のテープ状に形成せしめた導電部
材の外側に絶縁層と接着層とを付着して成るテープ線を
巻き幅を揃えて巻き付けて形成したボイスコイルにおい
て、ボイスコイルの第1層と第2層の間にコイルの巻幅
方向に突起を有する導電性の薄板を介在させ、前記突起
をコイル外側に折り曲げてボイスコイルの巻始め端子と
したボビンレスのスピーカ用としたものである。
【0035】
【作用】この発明による実施例では、ボイスコイルの構
造はボイスコイルボビンに巻き付けられるコイル線材と
して、予め決められた幅、即ち、スピーカを駆動するた
めに必要な巻き幅と同寸法の幅に設定したテープ状のテ
ープ線を用い、このテープ線をボイスコイルボビンに巻
き幅を揃えて巻き付けたものを用いる。
【0036】上記テープ線は、例えば、アルミ箔の導電
層の表面にアルマイト処理した絶縁層と耐熱ワニスをコ
ーティングした接着層とを形成し、一方、ボイスコイル
ボビンは、例えば、短冊状に形成したアルミ箔からなる
導電材の表面に接着層を設けたものを用いる。このボイ
スコイルボビンは巻幅方向に突出する突起部を設け、更
に、上記端部の接着層を剥離して導電材が露出した剥離
部を設けてある。
【0037】この様に構成した導電材を円筒状に形成し
てボイスコイルボビンとし、ワニスが塗布されたボイス
コイルボビンの表面にメタノールを塗布し、更に、導電
材の上記剥離部にクリーム半田を塗布してボビンの外周
部に前記テープ線の裏面、即ち、導電層側を接触させ
て、ワニスにメタノールを塗布しながら、例えば130
ターン巻き付ける。
【0038】従って、ボイスコイルボビンにテープ線を
巻き付けたボイスコイルは、テープ線の接着層のワニス
がメタノールで再活性化されてテープ線の層間を堅固に
接着することができる。
【0039】上記ボイスコイルの最終巻終部は折り曲げ
られテープ線の導電層が表面に露出した状態で190度
のオーブン内に30分間放置することによって、この折
曲部のワニスは剥離される。この折曲部を更に半田コー
トすることによって巻終り端子を形成する。また、同時
に、前記クリーム半田を塗布したボイスコイルボビン端
部とテープ線の巻始部とを半田付けして接続する。
【0040】即ち、ボイスコイルボビンの導電材はボイ
スコイルの巻始部となり、突起部をボイスコイルの外周
部に沿って絶縁用テープを挟み込んで折り曲げ、この突
起部を半田コート処理することによってボイスコイルの
巻始め端子として形成することができる。即ち、ボイス
コイルボビンが端子として機能することになる。
【0041】上記、ボイスコイルの巻始め端子と巻終り
端子とが、ボイスコイルに直接接着されたダンパーに設
けた入力信号のリード線と接続配線されることにより、
スピーカの入力端子に供給された入力信号がボイスコイ
ルに供給されることとなる。上記ダンパーに設けたリー
ド線は平編状に編んだ錦糸線をダンパーコルゲーション
に沿った状態で巻終り端子と巻始め端子との間隔で平行
に2本縫い付けて装着したものである。
【0042】一方、磁気回路は2個のネオジウム系マグ
ネットをリング状に形成し、この2個のマグネットでセ
ンタープレートを挟持するようにしてホルダーに接着剤
などで固定する。上記、2個のマグネットは各々厚さ方
向に着磁され、ホルダーに固定した2個のマグネットの
同極側を対向させ、反発磁気をセンタープレートから外
側に磁束にして放出させるようにしてある。
【0043】これにより、上記センタープレートの外周
部に一定の間隙で配置した前記ボイスコイルを、上記磁
束にて駆動することができる。
【0044】また、他のボイスコイルの構成として、上
記テープ線の導電層に同じ幅のテープ状の磁性材又は強
磁性材を接合し、特に、上記強磁性材にはヨークの反発
磁気と磁束方向を合わせて着磁させてコイル線材として
磁性テープ線を使用することにより、より磁気効率の良
いボイスコイルを形成することができる。
【0045】また、他のボイスコイルの巻始め端子とし
て、ボイスコイルボビンの繋ぎ目に間隙を設け、ボイス
コイルの巻始部とボイスコイルボビンとが上記間隙より
流し込んだ半田によって接続され、上記ボイスコイルボ
ビンの突起部が巻始め端子となるようにしても良い。
【0046】更に、ボイスコイルボビンの繋ぎ目の近傍
に穴又は切欠部を設け、この穴又は切欠部より半田を流
し込んでボイスコイルボビンとボイスコイルの巻始部と
を接続し、ボイスコイルボビンの突起部を巻始め端子に
することも可能である。
【0047】
【実施例】この発明に係るボイスコイルの構造と、この
ボイスコイルを有したスピーカの構造の実施例を図1乃
至図14に基づいて説明する。尚、従来例と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略する。
【0048】図1はスピーカの半断面図、図2はコイル
線材であるテープ線の拡大斜視図、図3はボイスコイル
ボビンの斜視図、図4はボイスコイルボビンにテープ線
の巻き付け始めの状態を示した斜視図、図5はテープ線
の巻き終り部を示した拡大斜視図、図6はボイスコイル
ボビンにテープ線を組み立てた状態を示した斜視図、図
7はボイスコイルボビンにテープ線を巻き付けた状態を
示した拡大断面図、図8はボイスコイルと入力信号用リ
ード線の接続配線を示した斜視図、図9は磁気回路を固
定するホルダ−の断面図である。
【0049】図10は他の実施例の磁性テープ線の拡大
斜視図、図11乃至図13はさらに他の実施例のボイス
コイルボビンにテープ線の巻き始め部を半田付けした状
態を示した拡大斜視図、図14は参考例のボイスコイル
ボビンにテープ線を巻き付けた状態を示した斜視図であ
る。
【0050】図において、1はボイスコイル、1wはコ
イル用線材であるテープ線であり、ボイスコイル1はテ
ープ線1wを巻回することによって形成される。上記、
テープ線1wは、例えば、厚さD1≒10μのアルミ箔
の導電層1aと、このアルミ箔の表面にアルマイト処理
を施して厚さD2≒1μの酸化皮膜層を形成せしめ、こ
の酸化皮膜層を絶縁層1bとし、この絶縁層1bの上に
耐熱性ワニスをコーティングして厚さD3≒2μ〜2.
5μの接着層1cを設け、幅A=10mmに設定してス
リッタにてカットしてテープ状に加工したものであり、
このテープ線1wの総厚さD4≒12μ〜12.5μに
なる。
【0051】また、例えば、上記テープ線1wが耐熱性
を要求されない場合は、酸化皮膜層の代わりに、一般的
に使用されているポリウレタン等からなる絶縁層1bと
接着層1cを設けて構成することもできる。
【0052】2はボイスコイルボビンであり、このボイ
スコイルボビン2はアルミ製のボビン材を加工したもの
である。例えば、図3に示すように、厚さD5=0.0
9mmのアルミ箔2aの表面に厚さD6≒10μの接着
層2bを設け、更に幅B=11mm、長さC=110m
m の短冊状に形成したものである。
【0053】上記、短冊状の長さCの端部近傍に幅E=
8mm、長さF≒10mmの舌辺状の突起部2cを設
け、この突起部2cの付根近傍に幅G≒1.8mm、長
さH≒2mmの切欠部2dを両側2カ所に形成し、ま
た、ボイスコイルボビン2の長さC方向の端部のいずれ
かの1端部、若しくは両端部に剥離部2eを設ける。こ
の剥離部2eは前記接着層2bの端部の幅I≒1mm
程度を剥離して形成したものである。
【0054】図5乃至図7において、20はテープ線1
wの最終層の端部を矢印J方向に折り曲げて形成した折
曲部、21は上記折曲部20の表面処理を施して形成し
た巻終り端子、22は前記ボイスコイルボビン2の突起
部2cを折り曲げて形成した巻始め端子、23は絶縁用
テープである。
【0055】図9において、ヨーク3とホルダー5は従
来例と同様のものであり、5bはセンターガイド5aの
下端部にマグネット3a,3b及びセンタープレート3
cの高さ方向の位置出しを行う段部、5cはホルダー5
の外側に設けたフランジ部、5dは上記フランジ部5c
に90度振り分けて4カ所に形成された取付部、5eは
上記取付部5dにタップ加工して設けた取付穴である。
【0056】この様に構成したボイスコイルボビン2
は、上記接着層2bが表側になるようカールさせ、図4
に示すように円筒状に形成し、例えば、直径35.55
mmのコイル巻き治具(図示せず)にセットする。この
様にセットしたボイスコイルボビン2の表面に適量のメ
タノールを塗布し、更に、前記剥離部2eにクリーム半
田を塗布し、前記テープ線1wの裏面、即ち、導電層1
a側を上記ボイスコイルボビン2の外周部に接触させ、
テープ線1wの表面、即ち、接着層1c側にメタノール
を必要量塗布しながら約130ターン巻き付けてボイス
コイル1を形成する。
【0057】上記、メタノールはテープ線1wの表面の
接着層1cのワニスを再活性化させるためのものであ
り、この再活性化されたワニスでテープ線1wの層間を
接着することができる。
【0058】上記、テープ線1wをボイスコイルボビン
2に巻き付けた後、テープ線1wの最終層端部を矢印J
方向に折り曲げて折曲部20を形成し、この折曲部20
をボイスコイル1の外周部に密着させることによって、
この折曲部20のアルマイト絶縁層1bが内側になり、
導電層1aが表側に配置される。
【0059】この様に、テープ線1wの最終層の端部を
折り曲げ加工した状態のボイスコイル1を約190度の
オーブン内に約30分間放置してワニスを硬化させた
後、前記折曲部20のワニスを剥離すると導電層1aが
露出し、ボイスコイル1の外周部に導電層1aの折曲部
20が配置されることになり、この折曲部20を半田コ
ート処理してボイスコイル1の巻終端子21を形成する
ことができる。
【0060】また、他の実施例として、上記ボイスコイ
ル1の最終端部を折り曲げなくとも、最外周部の所定長
の部分の絶縁層1bと接着層1cを剥離し、この剥離部
分を半田コート処理してそのまま巻終端子21としても
良い。また、他の実施例として、前記テープ線1wの接
着層1cにワニスを片面のみに塗布したが、ワニスコー
ト層の厚みD3を半分にしてテープ線1wの両面に接着
層1cを設けて構成しても良い。
【0061】前記ボイスコイル1をオーブン内に放置中
に前述したクリーム半田が溶融してボイスコイルボビン
2の端部外周部の剥離部2eと、テープ線1wの裏面
側、即ち、1層目の導電層1aとが半田付けされ、更
に、ボイスコイルボビン2に設けた突起部2cに対応し
て絶縁用テープ23を貼り付け、この絶縁用テープ23
に沿って上記突起部2cをボイスコイル1の外側の外周
部方向に、しかも外周部に密着させるよう折り曲げる。
【0062】上記、突起部2cは付根に切欠部2dが設
けられているので、この突起部2cは簡単に折り曲げ加
工することができ、この折り曲げた突起部2cをボイス
コイル1の外周に密着する形状を容易に保持することが
可能であり、この折り曲げた突起部2cがボイスコイル
1の1層目と接続配線されたボイスコイルボビン2の一
部であるため、この突起部2cの外側部分に半田コート
を施すことによって巻始め端子22を形成することがで
きる。
【0063】この様にして形成したボイスコイル1の上
記折曲部20の巻終り端子21をスピーカ入力信号の正
端子とし、上記突起部2cの巻始め端子22を負端子と
してボイスコイル1を測定すると、内径φ2=35.5
5mm、外径φ3=39mm、巻き幅A=10mm、ボ
イスコイルボビン2の幅B=11mm、直流抵抗R≒
5.4Ωの数値を得ることができる。このボイスコイル
1の導体占積率を計算すると約72%であって、従来例
に比べて大きな導体占積率を得ることができる。
【0064】また、上記巻終り端子21及び巻始め端子
22はボイスコイル1の最内周部及び最外周部の任意の
1カ所のワニスを剥離した導電部が電気的に接続される
ことによって形成させることも可能である。
【0065】スピーカの磁気回路はマグネット3a,3
bをホルダー5に固定して磁気回路を形成するが、上記
マグネット3a,3bがネオジウム系のマグネット3
a,3bであり、形状は外径34mm、内径12mm、
厚さ9mmのリング状のものを2個使用し、このマグネ
ット3a,3bを各々厚さ方向に着磁する。
【0066】上記マグネット3a,3bとセンタープレ
ート3cとを支持するため、上記ホルダー5をアルミ材
で作製し、このホルダー5の底部の中央に底部から上方
に向った円筒状のセンターガイド5aを設け、このセン
ターガイド5aの下端部にマグネット3a,3b及びセ
ンタープレート3cの高さ方向の位置出し機能を有した
段部5bにアクリル系の接着剤を塗布した後、上記マグ
ネット3bのN極を上方に向けてマグネット3bの内径
部をセンターガイド5aに挿入する。このセンターガイ
ド5aの外径φ6は、φ6=11.95mmに加工され
ているため前記マグネット3bの挿入は簡単に可能であ
る。
【0067】この様に、センターガイド5aに挿入した
マグネット3bの上面に接着剤を塗布した後、外径3
5.55mm、内径11.95mm、厚さ6mmのリン
グ状で内径及び内径の稜線部にC0.4の面取り加工を
施した鉄製のセンタープレート3cの内径部をセンター
ガイド5aに圧入する。このセンタープレート3cの下
面が、先に挿入したマグネット3bのN極側に密着する
位置まで押し込んで固定する。
【0068】更に、圧入後のセンタープレート3cの上
面に接着剤を塗布し、マグネット3aのN極を下方に向
けてマグネット3a内径部をセンターガイド5aに挿入
し、センタープレート3cの上面に密着する位置まで押
し込んで固定する。
【0069】この様に、マグネット3a,3bとセンタ
ープレート3cとをホルダー5に固定した状態で、マグ
ネット3a,3bのN極同志が向かい合い、尚且つ、セ
ンタープレート3cを挟持した状態でセンタープレート
3cの外周部がマグネット3a,3bの外周部より約
0.775mm外側に飛び出た状態で設置される。
【0070】この様にして形成した磁気回路のホルダー
5をフレーム7に取り付けるが、上記ホルダー5には外
側に幅2mm、厚さ2.5mmのフランジ部5cが設け
られている。
【0071】一方、ホルダー5を取り付ける位置に対応
したフレーム7の底部には4個の穴径4.5mmの取付
穴(図示せず)が設けられている。上記ホルダー5のフ
ランジ部5cにゴム系の接着剤を塗布した後、上記フレ
ーム7の取付穴に上記ホルダー5の4個の取付穴5eの
位置を合わせ、直径4mmの取付ビス6でフレーム7に
固定する。
【0072】この様に、マグネット3a,3bとセンタ
ープレート3cとを固定した磁気回路に設置されたボイ
スコイル1にダンパー10を接着する。ダンパー10は
フエノール等の熱硬化樹脂を含浸させ熱成型加工を施し
コルゲーション10a等を成型したものであり、このダ
ンパー10に平編状に編んだ錦糸線をダンパーコルゲー
ションに沿った状態で巻終り端子21と巻始め端子22
との間隔で平行に2本縫い付けて装着した。
【0073】図8に示すように、ボイスコイル1の外周
部にダンパー10の内周部を取り付ける場合、ボイスコ
イル1の外周部に設けられた巻終り端子21と巻始め端
子22と、ダンパー10の内周部まで及んだ2本の平編
状錦糸線のリード線11の端部との位置を合わせてダン
パー10を所定の位置に設置した後、ボイスコイル1の
外周部の巻終り端子21と巻始め端子22にダンパー1
0の内周部の2本のリード線11を半田24付けして接
続配線する。
【0074】更に、上記ボイスコイル1の外周部とダン
パー10の内周部の接触部に接着剤を塗布した後、コー
ン紙8のネック部を挿入し、このコーン紙8のネック部
に接着剤を塗布し、ボイスコイル1とコーン紙8及びダ
ンパー10を接着し、この接着剤で前記半田24付けし
た接続部分を覆って直接駆動型スピーカとして完成させ
ることができる。
【0075】以上、ボイスコイルボビン2に導電材2a
を使用してボイスコイル1を形成するよう説明したが、
導電材2aを使用せず絶縁部材からなるボイスコイルボ
ビン、例えば、耐熱フィルム等からなるボイスコイルボ
ビンの表面の全部、又は一部必要箇所に銅箔等の導電層
を設けて構成しても同様の効果を出すことができる。
【0076】図10乃至図14は本発明のテープ線1w
の他の実施例を示したものであり、図10において、1
xは磁性テープ線、1dは磁性材であり、上記磁性テー
プ線1xはワニスに強磁性材又は軟磁性材等からなる磁
性材1dの粉末を混入させ、この粉末をテープ線1wの
導電層1aの表面にコートして装着したものである。
【0077】前述したボイスコイル1のテープ線1wの
代わりに、上記磁性テープ線1xを使用することがで
き、この磁性テープ線1xを使用することによって、よ
り磁気効率を高めたボイスコイルを形成することが可能
である。
【0078】また、上記磁性テープ線1xを銅等の導電
材と鉄等の磁性材1dを圧接して形成することもでき、
また、銅箔等の導電材に鉄等の磁性材1dを鍍金又は蒸
着などの手段で磁性材1dを装着し、磁性テープ線1x
として使用することも可能であり、また、鉄等の磁性材
1dのテープに銅等の導電材を鍍金又は蒸着などの手段
で装着して磁性テープ線1xを形成しても良い。更に、
導電材に強磁性材を装着した場合、ボイスコイル1の強
磁性材をラジアル方向、即ち、磁気回路3のセンタープ
レート3cに収束した反発磁気の放出磁束と同方向に着
磁することにより、導電層1aを通過する磁束密度を上
げることができ、より磁気効率を向上させることが可能
である。
【0079】図11乃至図13はボイスコイル1の巻始
端部とボイスコイルボビン2の端部とを接続配線するさ
らに他の実施例を示したものであり、図において、24
は半田、25はボイスコイルボビン2を円筒状に形成し
た時の繋ぎ目の間隙、26はボイスコイルボビン2の繋
ぎ目の近傍に設けた穴、27はボイスコイルボビン2の
繋ぎ目の近傍に設けた切欠部である。
【0080】ボイスコイルボビン2の繋ぎ目に設けた間
隙25に半田24を流し込み、ボイスコイルボビン2の
導電層2aとボイスコイル1の巻始部、即ち、1層目の
導電層1aとを半田24付けして接続配線することがで
きる。同様に、上記繋ぎ目の近傍に設けた上記穴26及
び切欠部27から半田24を流し込んでボイスコイルボ
ビン2の導電層2aとボイスコイル1の巻始部の導電層
1aとを半田24付けして接続配線することができる。
【0081】この様に、ボイスコイルボビン2とボイス
コイル1とを接続配線することにより、ボイスコイルボ
ビン2の突起部2cを前述したように、ボイスコイル1
の巻始め端子22とすることが可能になる。
【0082】また、ボイスコイルボビン2を使用しない
場合、即ち、ボビンレス構造のボイスコイルの構造(図
示せず)では、ボイスコイル1の1層目と2層目との間
にクリーム半田を塗布した銅箔等からなる導電材の薄板
を挟み込んで巻き付け、ボイスコイル1の上端部から飛
び出た、上記銅箔をボイスコイル1の外周部に折り曲げ
て、前述した突起部2cと同様にボイスコイル1の巻始
め端子22を形成することができる。
【0083】図14は、一般的に使用されている従来型
スピーカ(従来例を示した図19のスピーカ)に使用可
能な本発明のテープ線1wを用いた場合の他の実施例で
あり、図において、30はボイスコイルボビン、31は
絶縁テープ又は補強紙であり、32はテープ線1wの巻
終端部を折り曲げて構成した巻終端子、33はテープ線
1wの巻始め端子である。
【0084】ボイスコイルボビン30を絶縁テープ31
で覆って、ボイスコイルボビン30の下部近傍にテープ
幅Aのテープ線1wを巻き付けてボイスコイル1を形成
し、このテープ線1wの巻終端部及び巻始端部は所定の
間隔を保持してボイスコイルボビン30の上部方向に折
り曲げて延長して接着剤等で固定する。
【0085】上記、折り曲げた巻始端部は上記絶縁テー
プ31の内側に配置され、絶縁テープ31の所定位置に
設けた切欠部から巻始端部が露出して巻始め端子33を
形成し、一方、巻終端部は絶縁テープ31の外側に配置
して巻終り端子32を形成する。即ち、巻始めこの巻始
め端子33と巻終り端子32の設定位置はボイスコイル
ボビン30の絶縁テープ31の接着されるコーン紙8か
らのリード線と合致する位置に設定されている。端子3
3と巻終り端子32はコーン紙8に配線されたリード線
と半田付けされて接続配線される。
【0086】この様にして組み立てた一般的なスピーカ
の構造であっても、ボイスコイル1をテープ線1w又は
磁性テープ線1xなどで構成して導体占積率を高めるこ
とが可能となる。但し、上記一般的なスピーカの磁気回
路用のギャップ、即ち、間隙4にボイスコイルボビン3
0に巻き付けたボイスコイル1を納めるためには、上記
テープ線1wの導電部層1aの厚さD1が5μ以下のも
のが要求される。
【0087】
【発明の効果】この発明に係るボイスコイルの構造は前
述のように、コイル線材をテープ状に形成したテープ線
又は磁性テープ線を使用することによって、ボイスコイ
ルの導体占積率を約70%と大きくすることができ、従
来の丸線や平角線、スリット線に比べて7%〜22%以
上向上する数値を得ることが可能となった。
【0088】また、ボイスコイルの巻始端子をボイスコ
イルの外周部に容易に導き出して配置し、巻終端子をボ
イスコイルの外周部に配置する構造としたので、反発磁
気回路のスピーカで、特にボイスコイルの外側に磁極を
持たず磁気ギャップを持たないスピーカに極めて有効な
ボイスコイルの構造を実現することができるという効果
がある。
【0089】スピーカへの入力信号用のリード線をボイ
スコイルの外周部に設けた巻始め端子及び巻終り端子に
半田付けして接続配線することができるので、配線工程
が容易にでき、生産性を損なうこと無くスピーカの組み
立てができるという効果もある。
【0090】また、ボイスコイルのコイル線材をテープ
状にしたので、コイル線材の接触面積が大きくなり、ボ
イスコイルの振幅方向の加速度に強い構造となり、コイ
ル線材のバラケは基本的には起こらない構造である。即
ち、ボビンレス構造のボイスコイルであっても信頼性が
向上する。
【0091】更に、テープ状のテープ線に磁性材を付着
させたものにおいてはボイスコイルのコイル間に磁性材
が介在することになり、スピーカの磁気効率を向上させ
ることができる。また、磁性材の量をコントロールし易
いので目的用途に応じたスピーカ構造を容易に作製する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るボイスコイルの構造の実施例を
示したスピーカの反面図である。
【図2】コイル線材であるテープ線の構造を示した拡大
斜視図である。
【図3】ボイスコイルボビンの構造を示した斜視図であ
る。
【図4】ボイスコイルボビンにテープ線の巻始端部を巻
き付けた状態を示した斜視図である。
【図5】テープ線の巻終端部の折出部を示した拡大斜視
図である。
【図6】ボイスコイルボビンにテープ線を組み立てた状
態を示した斜視図である。
【図7】ボイスコイルボビンにテープ線を巻き付けた状
態を示した拡大側面断面図である。
【図8】ボイスコイルの巻始め端子及び巻終り端子と入
力信号用リード線との接続配線を示した斜視図である。
【図9】磁気回路のヨークとヨークを固定するホルダー
とを組み立てた状態を示した断面図である。
【図10】他の実施例の磁性テープ線の構造を示した拡
大斜視図である。
【図11】他の実施例のボイスコイルボビンの繋ぎ目間
隙から半田を流し込んでテープ線の巻始端部を接続配線
した状態を示した拡大斜視図である。
【図12】他の実施例のボイスコイルボビンの繋ぎ目近
傍の穴から半田を流し込んでテープ線の巻始端部を接続
配線した状態を示した拡大斜視図である。
【図13】他の実施例のボイスコイルボビンの繋ぎ目近
傍の切欠部から半田を流し込んでテープ線の巻始端部を
接続配線した状態を示した拡大斜視図である。
【図14】参考例のボイスコイルボビンに巻き付けたボ
イスコイルを示した斜視図である。
【図15】従来例を示したスピーカの半断面図である。
【図16】従来のボイスコイルの巻始め端子及び巻終り
端子ど入力信号用リード線との接続配線を示した斜視図
である。
【図17】平角線を使用したボイスコイルの拡大断面図
である。
【図18】スリット線を使用したボイスコイルの拡犬断
面図である。
【図19】従来の一般的磁気回路を有したスピーカの半
断面図である。
【図20】図19のスピーカのボイスコイルを示した斜
視図である。
【符号の説明】
1 ボイスコイル 1a テープ線の導電層 1b テープ線の絶縁層 1c テープ線の接着層 1d 磁性材 1e テープ線 1x 磁性テープ線 2 ボイスコイルボビン 2a ボイスコイルボビンのアルミ箔 2b ボイスコイルボビンの接着層 2c ボイスコイルボビンの突起部 2d ボイスコイルボビンの切欠部 2e ボイスコイルボビンの剥離部 3 ヨーク 3a,3b マグネット 3c センタープレート 4 間隙 5 ホルダー 5a ホルダーのセンターヵイド 5b ホルダーの段部 5c ホルダーのフランジ部 5d ホルダーの取付部 5e ホルダーの取付穴 6 取付ビス 7 フレーム 8 コーン紙 9 入力端子 10 ダンパー 10a ダンパーのコルゲーション 11 リード線 20 折曲部 21 巻終り端子 22 巻始め端子 23 絶縁用テープ 24 半田 25 繋ぎ目の間隙 26 穴 27 切欠部 30 ボイスコイルボビン 31 絶縁用テープ 32 巻終り端子 33 巻始め端子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め決められた幅のテープ状に形成せし
    めた導電部材の外側に絶縁層と接着層とを付着してなる
    テープ線をボイスコイルボビンに巻き幅を揃えて巻き付
    けて形成し、上記テープ線を構成する導電部材は少なく
    とも一方の面に磁性部材を付着し、予め決められた方向
    に着磁されててなることを特徴とするボイスコイルの構
    造。
  2. 【請求項2】 導電材から成り一部に巻幅方向に突出す
    る突起部を有するボイスコイルボビンと、1層目を前記
    ボイスコイルボビンに電気的に接続したボイスコイルと
    を有し、前記ボイスコイルボビンの突起部をボイスコイ
    ルの外側に折り曲げることによって、ボイスコイルボビ
    ンをボイスコイルの一方の端子としたボイスコイルの構
    造において、上記ボイスコイルボビンの繋ぎ目に所定の
    間隙を設け、この間隙より流し込んだ半田によって上記
    ボイスコイルボビンと上記ボイスコイルの1層目とが電
    気的に接続されるよう構成したことを特徴とするボイス
    コイルの構造。
  3. 【請求項3】 導電材から成り一部に巻幅方向に突出す
    る突起部を有するボイスコイルボビンと、1層目を前記
    ボイスコイルボビンに電気的に接続したボイスコイルと
    を有し、前記ボイスコイルボビンの突起部をボイスコイ
    ルの外側に折り曲げることによって、ボイスコイルボビ
    ンをボイスコイルの一方の端子としたボイスコイルの構
    造において、上記ボイスコイルボビンの一部に穴を設
    け、この穴より半田を流し込むことによって、ボイスコ
    イルの1層目と上記ボイスコイルが電気的に接続される
    よう構成したことを特徴とするのボイスコイルの構造。
  4. 【請求項4】 導電材から成り一部に巻幅方向に突出す
    る突起部を有するボイスコイルボビンと、1層目を前記
    ボイスコイルボビンに電気的に接続したボイスコイルと
    を有し、前記ボイスコイルボビンの突起部をボイスコイ
    ルの外側に折り曲げることによって、ボイスコイルボビ
    ンをボイスコイルの一方の端子としたボイスコイルの構
    造において、上記ボイスコイルボビンの一部に切欠部を
    設け、この切欠部より半田を流し込むことによって、ボ
    イスコイルの1層目と上記ボイスコイルが電気的に接続
    されるよう構成したことを特徴とするボイスコイルの構
    造。
  5. 【請求項5】 予め決められた幅のテープ状に形成せし
    めた導電部材の外側に絶縁層と接着層とを付着して成る
    テープ線を巻き幅を揃えて巻き付けて形成したボイスコ
    イルにおいて、ボイスコイルの第1層と第2層の間にコ
    イルの巻幅方向に突起を有する導電性の薄板を介在さ
    せ、前記突起をコイル外側に折り曲げてボイスコイルの
    巻始め端子としたボビンレスのスピーカのボイスコイル
    の構造。
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