JPH1158440A - 射出成形装置および射出成形品並びにその成形方法 - Google Patents

射出成形装置および射出成形品並びにその成形方法

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JPH1158440A
JPH1158440A JP22859897A JP22859897A JPH1158440A JP H1158440 A JPH1158440 A JP H1158440A JP 22859897 A JP22859897 A JP 22859897A JP 22859897 A JP22859897 A JP 22859897A JP H1158440 A JPH1158440 A JP H1158440A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インサート部材を内包して成形することの容
易化。 【解決手段】 一方の金型8と他方の金型9,10との
間に形成されるキャビティ25にインサート部材26を
配設し、キャビティ25に溶融した合成樹脂を充填して
成形する。インサート部材26をキャビティ25内で支
持すると共にキャビティ25へ向けて型締方向に前進お
よび後退自在な支持部32を配設し、支持部32がキャ
ビティ25へ突出した状態でキャビティ25に合成樹脂
を充填して成形した後に、支持部32を後退させて支持
部32とインサート部材26との間に合成樹脂を充填し
て成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、インサー
ト部材を内包する際に用いて好適な射出成形装置および
射出成形品並びにその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、合成樹脂部材と金属等の
異材質部材とを接合する手段としては、金型内に上記異
材質部材であるインサート部材をセットして射出成形を
行う、いわゆるインサート成形が広く行われている。こ
の種のインサート成形としては、一般に、型締・型開が
上下方向に行われる竪型式射出成形機と、この成形機の
上盤に取り付けられた上型および下盤に取り付けられた
下型からなる金型と、下型のキャビティにセットされる
インサート部材とを用いて行われている。
【0003】これらを用いてのインサート成形は、まず
下型の所定位置にインサート部材を載置してセットし、
次に上下方向に移動自在な上盤が下方に移動することに
よって、上型と下型とが型締される。そして、上型に設
けられたゲートから溶融状態の合成樹脂をキャビティ内
に射出して充填した後に、冷却、離型工程を経て、合成
樹脂部材とインサート部材とが一体的に接合された射出
成形品を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の射出成形方法および射出成形品には、以
下のような問題が存在する。インサート部材は、金型の
キャビティにセットした際に、このキャビティに当接し
て支持される。この当接部には、射出された合成樹脂が
充填されないため、成形品としてはインサート部材が直
接、または開口する孔によって外部に露出するものであ
った。
【0005】そのため、例えば、図6に示すような部材
1、即ち、インサート部材としての基板2と、この基板
2を内包する合成樹脂部材3とからなり、基板2の防水
性、耐衝撃性および耐腐食性を向上させた部材1を射出
成形で得ることは容易ではなかった。
【0006】一方、このような部材1を得る方法として
は、例えば、合成樹脂部材構成体3a,3bからなる二
つ割り構造を有し、接合面4で接合される合成樹脂部材
3を予め製造しておき、その内部に、基板2を配設した
後に接合面4を接着または溶着して組み立てるようなこ
とが考えられるが、この場合、部品数が増加することに
よるコストアップや接着、溶着作業による生産効率の低
下等の不都合が発生してしまう。
【0007】また、部材1に関しては、接着剤との接触
による劣化や、組立の際に基板2と合成樹脂部材3との
間に生じる隙間により、基板2が合成樹部材3に対して
固定されず、部材1を搬送したときに基板2が合成樹脂
部材3にぶつかってしまう等の不具合が想定されるた
め、射出成形の代替としてこの方法を採用するには到っ
ていなかった。
【0008】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、インサート部材を内包して成形することが
容易な射出成形装置および射出成形品並びにその成形方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記
載の射出成形方法は、一方の金型と他方の金型との間に
形成されるキャビティにインサート部材を配設し、該キ
ャビティに溶融した合成樹脂を充填して成形する射出成
形方法において、前記インサート部材を前記キャビティ
内で支持すると共に該キャビティへ向けて型締方向に前
進および後退自在な支持部を配設し、該支持部が前記キ
ャビティへ突出した状態で該キャビティに前記合成樹脂
を充填して成形した後に、該支持部を後退させて該支持
部と前記インサート部材との間に前記合成樹脂を充填し
て成形することを特徴とするものである。
【0010】従って、本発明の射出成形方法によれば、
一方の金型と第一の他方の金型とが形成するキャビティ
に溶融した合成樹脂を充填して成形することができる。
このとき、支持部を前進させてキャビティ内に突出させ
ることにより、支持部材に支持されるインサート部材
を、一方の金型または他方の金型の少なくともどちらか
一方と離間させた状態で合成樹脂を充填させることがで
きる。次に、支持部を後退させると、支持部がインサー
ト部材を支持していた所に空間が形成される。そして、
この空間、即ち、支持部とインサート部材との間に合成
樹脂を射出して充填させることができる。
【0011】請求項2記載の射出成形装置は、一方の金
型と他方の金型との間に形成されるキャビティにインサ
ート部材が配設された射出成形装置において、前記イン
サート部材を前記キャビティ内で支持すると共に該キャ
ビティへ向けて型締方向に前進および後退自在な支持部
と、前記一方および他方の金型の開閉動作に連動して前
記支持部を前記方向に前進および後退させる連動機構と
を備えるを特徴とするものである。
【0012】従って、本発明の射出成形装置によれば、
一方の金型および他方の金型の開閉動作に連動する連動
機構により、キャビティ内でインサート部材を支持する
支持部を、キャビティへ向けて型締方向に前進および後
退させることができる。
【0013】請求項3記載の射出成形品は、インサート
部材と、該インサート部材を内包する合成樹脂部材とを
備え、該合成樹脂部材は、第一の充填部材により形成さ
れた第一の領域と、第二の充填部材により形成された第
二の領域とに分断され、前記第一の領域の輪郭に、前記
第二の領域と連設する前記第二の充填部材により凹部ま
たは突部が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0014】従って、本発明の射出成形品によれば、第
一の充填部材により第一の領域を形成する際に、例え
ば、第一の領域と第二の領域を連通する部材を配設し
て、この部分に第一の充填部材を充填させないようにし
ておき、第二の領域に第二の充填部材を充填させる際
に、この部材を後退させることにより、第一の領域の輪
郭に第二の充填部材からなる凹部または突部を形成する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の射出成形方法およ
び射出成形品の実施の形態を、図1ないし図5を参照し
て説明する。ここでは、例えば、型締方向を上下方向と
する場合の例を用いて説明する。図1において、符号5
0は、射出成形装置である。射出成形装置50は、射出
成形金型5と、該射出成形金型5に配設された連動機構
33とを備えた構成とされている。
【0016】射出成形金型5は、竪型成形機の下盤6
と、該下盤6に対向配置された上盤7との間に配設され
たものであって、下盤6に固定された下型(一方の金
型)8と、上盤7に固定された第一の上型(他方の金
型)9および図2に示すように、第二の上型(他方の金
型)10から構成されている。この下盤6は、型締方向
を軸線とする軸線回りに回転可能とされており、上盤7
は、上下方向に移動自在、かつ複数種類の合成樹脂を射
出可能とされるものである。
【0017】下型8は、該下型8と第一の上型9および
第二の上型10とが接合されるパーティング面11から
順に、型板12と、突出空間13を隔てて配置される一
対のスペーサブロック14と、下盤6に取付ネジ(図示
せず)によって取り付けられる取付板15と、突出空間
13に配置され上下方向に移動自在な突出保持板16お
よび突出板17から構成されており、これら型板12、
スペーサブロック14、取付板15は、取付ネジ(図示
せず)によって一体的に固定されている。また、突出保
持板16と突出板17との間には、突出ピン18が配設
されている。
【0018】第一の上型9は、パーティング面11から
順に、型板19と、ランナー突出板20と、上盤7に取
付ネジ(図示せず)によって取り付けられる取付板21
とから構成されている。第二の上型10は、パーティン
グ面11から順に、型板22と、ランナー突出板23
と、上盤7に取付ネジ(図示せず)によって取り付けら
れる取付板24とから構成されている。
【0019】図3に示すように、型板12,19間に
は、第一のキャビティ(キャビティ)25が形成されて
おり、この第一のキャビティ25にはインサート部材2
6が配設されている。型板19には、パーティング面1
1から突出する突部27が形成されており、突部27に
は第一のキャビティ25に臨ませてインサート部材26
が該突部27と面一に嵌合する凹部28が形成されてい
る。
【0020】また、型板19には、凹部28に開口する
吸引路29および第一のキャビティ25に臨ませてピン
ポイントゲート30が形成されている。吸引路29は、
インサート部材26が凹部28に嵌合したときに、イン
サート部材26と型板19との間の空気を負圧吸引源
(図示せず)によって負圧吸引する際の流路となるもの
である。
【0021】一方、型板12には、第一のキャビティ2
5に臨ませて複数の支持孔31が型締方向に向けて形成
されており、この支持孔31には、それぞれ支持ピン
(支持部)32の一端側が型締方向に移動自在に嵌合し
て配置されている。また、図1に示すように、下型8に
は、支持ピン32を射出成形金型5の開閉動作に連動さ
せて定位置に位置決めする連動機構33が設けられてい
る。
【0022】連動機構33は、位置決めピン34と、位
置決めピン35と、該位置決めピン35の他端側および
支持ピン32の他端側を移動不能に保持する保持部36
と、揺動部37とを備えた構成とされている。
【0023】位置決めピン34,35は、その一端側が
型板12に型締方向に向けて形成された貫通孔38,3
9に、それぞれ型締方向に移動自在に嵌合しており、位
置決めピン34の他端側は揺動部37の一端部40に支
持されている。また、保持部36の型締方向他端側は、
揺動部37の他端部41に支持されている。
【0024】揺動部37の中間部42には、型締方向と
直交する方向に軸線を有して、スペーサブロック14に
固定された揺動軸43が配設されており、揺動部37は
この揺動軸43の軸線回りに揺動自在とされている。ま
た、位置決めピン34は、下型8と第一の上型9とが型
締されたときに、その一端側が型板19に当接すること
によりパーティング面11と面一になり、揺動部37お
よび保持部36を介して、図3に示すように、支持ピン
32の一端側がインサート部材26を型板12と離間さ
せるように支持する、かつ、型板19の突部27に当接
する位置Aに位置するように、その長さが設定されてい
る。
【0025】位置決めピン35は、支持ピン32の一端
側が位置Aに位置したときに、その一端側が型板12か
ら突出するようにその長さが設定されており、型板19
には位置決めピン35に対応する位置に、該型板19と
位置決めピン35とが当接しないように逃げ孔44が形
成されている。
【0026】また、図2に示すように、位置決めピン3
5は、下型8と第二の上型10とが型締されたときに、
その一端側が型板22に当接して保持部36を介して、
図4に示すように、支持ピン32の一端側を位置Aに対
して型板12側の位置Bに位置させるように、その長さ
が設定されている。
【0027】そして、型板22には、支持ピン32の一
端側が位置Bに位置したときに、保持部36および揺動
部37を介して、その一端側が型板12から突出した位
置決めピン34と型板22とが当接しないように、位置
決めピン34に対応する位置に逃げ孔47が形成されて
いる。
【0028】一方、第二の上型10の型板22と、下型
8の型板12との間には、第二のキャビティ(キャビテ
ィ)45が形成されており、型板22には第二のキャビ
ティ45に連通するサイドゲート46が形成されてい
る。また、この第二のキャビティ45は、インサート部
材26と型板22とを離間させるように、かつ位置Aに
臨むように形成されている。
【0029】上記の構成の射出成形装置50を用いて、
射出成形を行う動作について以下に説明する。まず、支
持ピン32上の所定位置にロボット等によりインサート
部材26をセットする。次に、図1に示すように、下盤
6に固定された下型8に向けて上盤7が下方向に移動す
ることにより、上盤7に固定された第一の上型9と下型
8とが型締される。
【0030】これにより、型板12から突出していた位
置決めピン34は、第一の上型9の型板19に当接する
ことにより、その他端側である下方に移動してその一端
側がパーティング面11と面一となるように位置する。
位置決めピン34の下方への移動により、揺動部37の
一端部40に下方へ移動する力が加わる。
【0031】このとき、揺動部37の中間部42には、
型締方向と直交する方向に軸線を有する揺動軸43が配
設されており、揺動部37はこの揺動軸43の軸線回り
に揺動自在とされているため、一端部40に下方へ移動
する力が加わった揺動部37は、揺動軸43の軸線回り
(図1中、反時計回り)に揺動して、その他端部41に
上方へ移動する力が働く。
【0032】これにより、他端部41に支持されている
保持部36と共に、保持部36に他端側が移動不能に保
持されている位置決めピン35および支持ピン32が上
方へ、即ち、支持ピン32は第一のキャビティ25へ向
けて前進する。そして、図3に示すように、支持ピン3
2に支持されるインサート部材26が、型板19の凹部
28に嵌合すると共に、支持ピン32が型板19の突部
27に当接する位置Aに位置決めされる。
【0033】このとき、インサート部材26は、凹部2
8に開口する吸引路29を通じて、負圧吸引源から負圧
吸引されるため、凹部28への嵌合は支障なく行われ
る。なお、このとき、位置決めピン35の一端側が型板
12から突出するが、型板19には逃げ孔44が形成さ
れているため、型板19と当接することはない。また、
第一の上型9と下型8との型締により、型板12,19
間には、インサート部材26と型板12とが離間した状
態の第一のキャビティ25が形成されている。
【0034】この後、ピンポイントゲート30から、溶
融状態の第一の合成樹脂(第一の充填部材)を第一のキ
ャビティ25に射出して所定の冷却時間を与えて固化さ
せる。このとき、インサート部材26は、支持ピン32
に支持されて型板12と離間しているため、射出された
第一の合成樹脂は支持ピン32を除いて、これらインサ
ート部材26と型板12との間に充填される。また、第
一の合成樹脂とインサート部材26とは、一体的に接合
された状態で成形される。
【0035】そして、負圧吸引源からの負圧吸引が停止
して型開工程に移行すると、まず、第一のキャビティ2
5で固化された第一の合成樹脂とピンポイントゲート3
0とが切断された後に、型板12と型板19とが離間す
る。このとき、型板19の離型抵抗よりも型板12の離
型抵抗が大きいため、固化された第一の合成樹脂はイン
サート部材26と共に型板12に係合して残される。
【0036】次に、下型8が下盤6と共に型締方向を軸
線とする軸線回りに回転して、第二の上型10に対向す
る位置で停止する。そして、図2に示すように、下型8
に向けて上盤7が下方向に移動することにより、上盤7
に固定された第二の上型10と下型8とが型締される。
【0037】このとき、型板12から突出していた位置
決めピン35は、第二の上型10の型板22に当接する
ことにより、その他端側である下方に移動してその一端
側がパーティング面11と面一となるように位置する。
これにより、保持部36および保持部36に他端側を保
持されている支持ピン32も下方に後退して、図4に示
すように、支持ピン32は位置Bに位置決めされる。
【0038】このとき、固化した第一の合成樹脂は型板
12に係合しており、支持ピン32は型板12に対して
相対的に下方へ移動するため、固化された第一の合成樹
脂には一端が位置A、他端が位置Bに位置する孔部48
が形成される。なお、このとき、位置決めピン34の一
端側が型板12から突出するが、型板22には逃げ孔4
7が形成されているため、型板22と当接することはな
い。
【0039】一方、第二の上型10と下型8との型締に
より、型板12,22間には、インサート部材26と型
板22とが離間した状態の第二のキャビティ45が形成
されている。この後、サイドゲート46から、溶融状態
の第二の合成樹脂(第二の充填部材)を第二のキャビテ
ィ45に射出して所定の冷却時間を与えて固化させる。
【0040】このとき、第二のキャビティ45は位置A
に臨むように形成されており、孔部48は一端側が位置
Aに位置しているため、図5に示すように、サイドゲー
ト46から第二のキャビティ45へ射出された第二の合
成樹脂は、位置Aを通過して孔部48内へも充填され
る。
【0041】また、第二のキャビティ45は、インサー
ト部材26と型板22とを離間させるように形成されて
いるため、これらインサート部材26と型板22との間
は第二の合成樹脂で充填される。かくして、インサート
部材26を内包すると共に、第一のキャビティ25に第
一の合成樹脂を充填して成形される第一の領域51と、
第二のキャビティ45に第二の合成樹脂を充填して成形
される第二の領域52とに分断された合成樹脂部材49
が成形される。この合成樹脂部材49には、第一の領域
51の輪郭に、第二の領域52と連設する第二の合成樹
脂により凹部53が形成される。
【0042】そして、突出保持板16および突出板17
を射出方向一端側へ移動させることにより、突出ピン1
8が合成樹脂部材49を型板12から離型させて、図6
に示すように、インサート部材26と該インサート部材
26を内包する合成樹脂部材49からなる射出成形品1
が得られる。
【0043】本実施の形態の射出成形方法および射出成
形品によれば、生産効率の高い射出成形によって、イン
サート部材が外部に露出することなく、合成樹脂部材に
内包された射出成形品を得ることができる。また、支持
ピンを位置決めする連動機構が金型の開閉だけで作動す
るため、例えば、油圧シリンダーおよび位置センサを用
いるような複雑な構造を採ることなく、簡単な、かつ安
価な構成で済む。さらに、射出成形機も、例えば、汎用
の2色成形機を使用できるため、別途、特別な成形機を
調達する必要もない。
【0044】なお、上記実施の形態において、型締方向
を上下方向とする構成としたが、これに限られることな
く、例えば、型締方向を水平方向とする横型式の射出成
形機を用いてもよい。この場合、支持ピンまたはインサ
ート部材に落下防止手段を設けることにより円滑な成形
が可能になる。
【0045】また、位置Aにて支持ピン32の一端側が
型板19の突部27に当接する構成としたが、支持ピン
32と突部27との間に溶融した合成樹脂が充填しない
隙間であれば、当接することなく、例えば、0.05m
m程度に近接するような構成であってもよい。逆に、逃
げ孔47を形成することにより、位置決めピン34が第
二の上型10の型板22に当接しないような構成とした
が、第二の合成樹脂の射出時に支持ピン32が受ける射
出圧を受けるために型板22に当接するような構成であ
ってもよい。
【0046】さらに、連動機構33を、揺動部37を用
いる構成としたが、例えば、一端側が保持部36に保持
されて、他端側が突出保持板16、突出板17、取付板
15および下盤6を貫通して、下盤6の回転に追従しな
い基盤の上面に当接する支持軸を配設し、基盤の支持軸
が当接する所定位置に凹部を設ける構成として、下型8
が第一の上型9とにより成形を行うときは、支持軸が基
盤の上面に当接することにより支持ピン32が位置Aに
位置して、下型8が第二の上型10とにより成形を行う
ときは、支持軸が基盤の凹部に当接することにより支持
ピン32が位置Bに位置するようなものであってもよ
い。
【0047】さらに、合成樹脂を二種類用いる構成とし
たが、例えば、ポリカーボネイトのように、透明な合成
樹脂のみを用いて、インサート部材として予め印刷が施
されたものを用いて、電話機のボタンを成形すると、何
度ボタンを押しても印刷が剥がれることのないボタンを
得ることができる。そして、合成樹脂部材49に凹部5
3が形成されるような構成としたが、第一の領域51か
ら第二の合成樹脂が突出して突部が形成される構成であ
ってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る射
出成形方法によれば、インサート部材を支持する支持部
をキャビティに突出させた状態で成形した後に、支持部
を後退させて、インサート部材と支持部との間に合成樹
脂を充填して成形する構成となっている。これにより、
生産効率の高い射出成形によって、インサート部材が外
部に露出しない射出成形品を容易に、かつ安価に得るこ
とができるという優れた効果を奏するものである。
【0049】請求項2に係る射出成形装置によれば、一
方および他方の金型の開閉動作に連動して、支持部を型
締方向に前進および後退させる連動機構を備える構成と
なっている。これにより、複雑な構造を有することな
く、簡単な、かつ安価な構成の射出成形装置を得られる
という優れた効果を奏する。
【0050】請求項3に係る射出成形品によれば、イン
サート部材と、これを内包する合成樹脂部材とを備えて
おり、合成樹脂部材は第一、第二の充填部材によって第
一、第二の領域に分断され、第一の領域の輪郭に、第二
の充填部材により凹部または突部が形成される構成とな
っている。これにより、インサート部材を内包する射出
成形品を容易に製造して、かつ安価に得ることができる
という優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、連動
機構が配設された下型と第一の上型とが型締されている
断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示す図であって、下型
と第二の上型とが型締されている断面図である。
【図3】 図1における要部の断面図である。
【図4】 図2における要部の断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態を示す図であって、イン
サート部材を内包する合成樹脂部材が成形される断面図
である。
【図6】 本発明の射出成形方法によって成形される射
出成形品の断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形品 8 下型(一方の金型) 9 第一の上型(他方の金型) 10 第二の上型(他方の金型) 25 第一のキャビティ(キャビティ) 26 インサート部材 32 支持ピン(支持部) 33 連動機構 45 第二のキャビティ(キャビティ) 49 合成樹脂部材 50 射出成形装置 51 第一の領域 52 第二の領域 53 凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の金型と他方の金型との間に形成さ
    れるキャビティにインサート部材を配設し、該キャビテ
    ィに溶融した合成樹脂を充填して成形する射出成形方法
    において、 前記インサート部材を前記キャビティ内で支持すると共
    に該キャビティへ向けて型締方向に前進および後退自在
    な支持部を配設し、 該支持部が前記キャビティへ突出した状態で該キャビテ
    ィに前記合成樹脂を充填して成形した後に、 該支持部を後退させて該支持部と前記インサート部材と
    の間に前記合成樹脂を充填して成形することを特徴とす
    る射出成形方法。
  2. 【請求項2】 一方の金型と他方の金型との間に形成さ
    れるキャビティにインサート部材が配設された射出成形
    装置において、 前記インサート部材を前記キャビティ内で支持すると共
    に該キャビティへ向けて型締方向に前進および後退自在
    な支持部と、 前記一方および他方の金型の開閉動作に連動して前記支
    持部を前記方向に前進および後退させる連動機構とを備
    えることを特徴とする射出成形装置。
  3. 【請求項3】 インサート部材と、 該インサート部材を内包する合成樹脂部材とを備え、 該合成樹脂部材は、第一の充填部材により形成された第
    一の領域と、 第二の充填部材により形成された第二の領域とに分断さ
    れ、 前記第一の領域の輪郭に、前記第二の領域と連設する前
    記第二の充填部材により凹部または突部が形成されてい
    ることを特徴とする射出成形品。
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