JPH11511334A - 蛋白質の高レベル発現 - Google Patents

蛋白質の高レベル発現

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物細胞または真核生物細胞で通常発現する蛋白質をコードする合成遺伝子であって、哺乳動物の蛋白質をコードする天然の遺伝子では好ましくないかまたは比較的好ましくない少なくとも1個のコドンが、同じアミノ酸をコードする好ましいコドンで置換されている合成遺伝子を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 蛋白質の高レベル発現 発明の分野 本発明は、真核生物の細胞において、真核生物及びウイルスの蛋白質を高レベ ルで発現させるための遺伝子及び方法に関する。 発明の背景 原核生物における真核生物の遺伝子産物の発現は、大腸菌(E.coli)ではあま り使われないコドンが存在することによって制約されることがある。このような 遺伝子の発現は、遺伝子の中にあるコドンを、原核生物で高度に発現する遺伝子 に多く出現するコドンで体系的に置換することによって上昇させることができる (Robinsonら、1984)。稀なコドンはリボソームの停止の原因となり、新生ポリ ペプチド鎖が完成されるのを妨げ、転写及び翻訳の連動を失わせることになると 、一般には考えられている。停止したリボソームが結合しているmRNAの3'末端側 は細胞内のリボヌクレアーゼに曝されるため、転写物の安定性が減少する。 発明の概要 本発明は、哺乳動物細胞またはその他の真核細胞で通常発現する蛋白質をコー ドする合成遺伝子であって、蛋白質をコードする天然の遺伝子中の好ましくない 、または比較的好ましくない少なくとも1個のコドンを、同じアミノ酸をコード する好ましいコドンで置換したものを特徴とする。 好ましいコドンは、Ala(gcc)、Arg(cgc)、Asn(aac)、Asp(gac)、Cys (tgc)、Gln(cag)、Gly(ggc)、His(cac)、Ile(atc)、Leu(ctg)、Lys (aag)、Pro(ccc)、Phe(ttc)、Ser(agc)、Thr(acc)、Tyr(tac)、及 びVal(gtc)である。比較的好ましくないコドンは、Gly(ggg)、Ile(att)、 Leu(ctc)、Ser(tcc)、Val(gtg)である。好ましいコドンの記載になく、比 較的好ましくないコドンの記載にもないコドンはすべて好ましくないコドンであ る。一般に、あるコドンの選択性の程度は、表1の「高」という標題で示されて いるように、高度に発現されるヒト遺伝子における、そのコドンの出現頻度によ って示される。例えば、「atc」は、高度に発現される哺乳動物の遺伝子のIleコ ドンの77%を示しているため、選択されやすいIleコドンであるが、「att」は、 高度 に発現される哺乳動物の遺伝子のIleコドンの18%を示しており、選択されにく いIleコドンである。「ata」という配列は、高度に発現されるヒト遺伝子のIle コドンの5%だけであり、選択されないイソロイシン(Ile)コドンである。高度 に発現されるヒト遺伝子の中により多く存在する別のコドンに置き換えると、一 般的には、哺乳動物の細胞における遺伝子発現が増加する。したがって、本発明 は、選択されないコドンを、選択されやすいコドンまたは選択されにくいコドン で置換することだけでなく、選択されにくいコドンを選択されやすいコドンで置 換することも含む。 「哺乳動物細胞で通常発現する蛋白質」とは、自然条件下で、哺乳動物細胞に おいて発現する蛋白質を意味する。この語には、第VIII因子、第IX因子、インタ ーロイキン、及びその他の蛋白質など、哺乳動物のゲノム中にある遺伝子が含ま れる。また、この語には、癌遺伝子、ならびに感染後に哺乳動物細胞で発現する ウイルス(レトロウイルスを含む)によってコードされる遺伝子など、疾病条件 下の哺乳動物細胞で発現する遺伝子も含まれる。「真核生物細胞で通常発現され る遺伝子」とは、自然の状態で、真核生物で発現される蛋白質を意味する。また 、この語には、疾病状態にある哺乳動物細胞において発現される遺伝子も含まれ る。 好ましい態様において、合成遺伝子は、同一条件下(すなわち、同一細胞型、 同一培養条件、同一発現ベクター)のインビトロの哺乳動物細胞培養系において 、該当する天然の遺伝子によって発現される哺乳動物蛋白質または真核生物蛋白 質のレベルの少なくとも110%、150%、200%、500%、1,000%、5,000%または 10,000%のレベルで、該哺乳動物蛋白質を発現させることができる。 合成遺伝子、及びそれに対応する天然の遺伝子の発現を測定するのに適した細 胞培養系については後述する。哺乳動物細胞を用いる他の適当な発現系は、当業 者には周知であり、例えば、後記の標準的な分子生物学の参考文献に記載されて いる。合成遺伝子及び天然の遺伝子を発現させるのに適したベクターは、後述し ており、また、後記の参考文献にも記載されている。「発現」とは、蛋白質の発 現のことである。目的の蛋白質に特異的な抗体を用いて、発現を測定することが できる。このような抗体及び測定技術は、当業者に周知である。「天然の遺伝子 」とは、蛋白質を本来、コードしている遺伝子の配列(天然に生じる対立遺伝子 変異体を含む)を意味する。 別の好ましい態様において、天然の遺伝子におけるコドンは、10%、20%、30 %、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以上が好ましくないコドンであ る。 好ましい態様において、蛋白質はレトロウイルスの蛋白質である。より好まし い態様において、蛋白質はレンチウイルスの蛋白質である。さらに好ましい態様 において、蛋白質はHIV蛋白質である。他の好ましい態様において、蛋白質はgag 、pol、env、gp120、またはgp160である。別の好ましい態様において、蛋白質は ヒトの蛋白質である。 本発明はまた、通常哺乳動物細胞またはその他の真核細胞で発現される蛋白質 をコードする合成遺伝子を調製する方法を特徴とする。この方法には、蛋白質を コードする天然の遺伝子中の好ましくないコドンまたは比較的好ましくないコド ンを同定し、好ましくないコドン及び比較的好ましくないコドンを、置換コドン として同じアミノ酸をコードする好ましいコドンに置き換えることが含まれる。 ある条件の下(例えば、制限酵素部位を導入するため)では、好ましくないコ ドンを、好ましいコドンよりもむしろ比較的好ましくないコドンで置き換える方 が望ましいこともある。 すべての比較的好ましくないコドンまたは好ましくないコドンを、好ましいコ ドンで置き換える必要はない。一部を置き換えても、発現の増加を達成すること ができる。ある環境の下では、中程度の発現レベルを得るために、選択されない コドンを、選択されやすいコドンまたは選択されにくいコドンで部分的にのみ置 き換えることが望ましい場合がある。 別の好ましい態様において、本発明は、一つまたは複数の合成遺伝子を含むベ クター(発現ベクターを含む)を特徴とする。 「ベクター」とは、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、または哺乳動 物もしくは昆虫のウイルスに由来するDNA分子で、その中にDNA断片を挿入ないし クローニングしうるものを意味する。ベクターには、1個またはそれ以上の、特 有の制限酵素部位が含まれ、クローン化された配列を複製できるよう、一定の宿 主ないし媒介生物の中で自律複製をする能力がある。したがって、「発現ベクタ ー」とは、蛋白質の合成を指令することができる自律的な要素を意味する。この ようなDNA発現ベクターには、哺乳動物のプラスミド及びウイルスが含まれる。 本発明は、また、蛋白質の所望の部位をコードする合成遺伝子断片を特徴とす る。このような合成遺伝子断片は、それらが蛋白質の一部のみをコードしている ことを除けば、本発明の合成遺伝子と同様である。このような遺伝子断片は、好 ましくは、蛋白質の50個、100個、150個、または500個以上の連続的なアミノ酸 をコードしている。 本発明の合成遺伝子を構築する際、CpG配列があると遺伝子が不活性状態(サ イレンシング)になる可能性があるので、これを避けることが望ましい。 HIVのgp120エンベロープ遺伝子に存在するコドンの偏りは、gag蛋白質及びpol 蛋白質にも存在する。したがって、これらの遺伝子に見られる、好ましくないコ ドン及び比較的好ましくないコドンの部分を好ましいコドンで置換することによ り、高レベルで発現できる遺伝子を作出できる。第VII因子及び第IX因子をコー ドしているヒトの遺伝子の大部分のコドンは、好ましくないコドンかまたは比較 的好ましくないコドンである。これらのコドンの一部を好ましいコドンで置換す ることにより、哺乳動物の培養細胞において高レベルの発現をすることができる 遺伝子を得られるはずである。 本発明の合成遺伝子を、生きている生物の細胞の中に導入することができる。 例えば、ベクター(ウイルスまたは非ウイルスの)を用いて、遺伝子治療のため に、生きている生物の細胞の中に、合成遺伝子を導入することができる。 逆に、発現を低下させるための方法としては、天然の遺伝子の中の好ましいコ ドンを比較的好ましくないコドンに置き換えることが望ましい。 組換えDNA技術の一般原則を開示している標準的な参考文献は、「ワトソン(W atson),J.D.ら、遺伝子の分子生物学(Molecular Biology of the Gene)、第 1及び2巻、ベンジャミン/カミングス出版社(Benjamin/Cummings Publishin g Company,Inc)発行、カリフォルニア州メンロパーク」、「ダーネル(Darnell ),J.E.ら、分子細胞生物学(Moleccular Cell Biology)、サイエンティフック アメリカンブック社(Scientific American Books,Inc)発行、ニューヨーク州 ニュ ーヨーク」、「オールド(Old),R.W.ら、遺伝子操作の原理:遺伝子工学への手 引き(Principles of Gene Mnipulation:An Introduction to Genetic Engineer ing)、第2版、カリフォルニア大学出版(University of California Press) 発行、カリフォルニア州バークレイ(1981)」、「マニアティス(Maniatis),T .ら、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Mannual)、第2版、コールドスプリングハーバーラボラトリー(Cold Spring H arbor Laboatory)発行、ニューヨーク州ニューヨーク(1989)」及び、「分子 生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、オー スベル(Ausubel)ら、ウイリー出版(Wiley Press)、ニューヨーク州ニューヨ ーク(1992)」である。 詳細な説明 図面の説明 図1は、高レベルで発現するヒト遺伝子に見られるコドンで置換されたコドン を有する、合成gp120遺伝子および合成gp160遺伝子の配列を示す。 図2は、合成gp120(HIV-1 MN)遺伝子の概略図である。v1からv5の影を付け た部分は、超可変領域を示す。黒塗りの部分はCD4結合部位を示す。特有の制限 酵素部位の一部、すなわちH(Hind3)、Nh(Nhe1)、P(Pst1)、Na(Nae1)、M (Mlu1)、R(EcoR1)、A(Age1)、及びNo(Not1)が示されている。PCRの鋳型 に用いた、化学合成されたDNA断片を、増幅のために用いられたプライマーの位 置とともに、gp120配列の下部に示す。 図3は、gp120の発現を測定するために用いられた一過性形質転換解析の結果 を示した写真である。HIV-1のIIIB株によってコードされるgp120(gp120IIIb) 、MN株によってコードされるgp120(gp120mn)、内因性リーダーペプチドを、CD 5抗原のリーダーペプチドで置換して改変したMN株によってコードされるgp120( gp120mnCD5L)、または、ヒトCD5リーダーを有するMN変異体をコードする化学合 成遺伝子によってコードされるgp120(snygp120mn)を発現するプラスミドで形 質転換した293T細胞の培養上清を免疫沈降したものをゲル電気泳動したものであ る。標識して12時間後、形質転換して60時間後に上清を回収して、CD4:IgG1融合 蛋白質及びプロテインAセファロースで免疫沈降した。 図4は、一過性形質転換された293T細胞の上清における蛋白質のレベルを測定 するために用いられたELISA解析の結果を示すグラフである。HIV-1のIIIB株によ ってコードされるgp120(gp120IIIb)、MN株によってコードされるgp120(gp120 mn)、内因性リーダーペプチドをCD5抗原のリーダーペプチドで置換して改変し たMN株によってコードされるgp120(gp120mnCD5L)、または、ヒトCD5リーダー を有するMN変異体をコードする化学合成遺伝子によってコードされるgp120(sny gp120mn)を発現するプラスミドで形質転換した293T細胞の培養上清を4日後に 回収して、gp120/CD4 ELISAで検査した。gp120のレベルはng/mlで表されてい る。 図5のパネルAは、トランス因子rev及びシス因子RREの存在下で、天然及び合 成gp120の発現を測定するために用いられた免疫沈降解析の結果を示すゲルの写 真である。この実験では、rev発現の存在下または非存在下で、(A)合成gp120M N配列及びRREシス因子、(B)HIV-1のIIIBのgp120部位、(C)HIV-1のIIIBのgp1 20部位及びRREシス因子を発現するプラスミド10μgで293T細胞をリン酸カルシウ ム共沈澱法によって一過性形質転換させた。HIV-1 HXB2プロウイルスクローンか らPCRによってクローニングしたEag1/Hpa1 RRE断片を用いて、RRE構築物gp120I IIbRRE及びsyngp120mnRREを作製した。各gp120発現プラスミドは、10μgのpCMVr evプラスミドDNAまたはCDM7プラスミドDNAのいずれかと共に形質転換させた。形 質転換して60時間後に上清を回収して、CD4:IgG1融合蛋白質及びプロテインAア ガロースで免疫沈降し、7%の還元SDS-PAGEを行なった。ゲルの感光時間は、rev によるgp120IIIbrreの誘導発現が示されるまで延長した。 図5のパネルBは、syngp120mnrreをpCMVrevと同時形質転換するか、またはpCM Vrevなしで形質転換した同様の実験で、感光時間を短縮したものである。図5の パネルCは、パネルAで用いられた構築物の概略図である。 図6は、野生型ラットのTHY-1遺伝子(wt)の配列、及び化学的に合成され、H IV-1 env遺伝子に見られるコドンで最も優勢なコドンを有するように構築された 、ラットのTHY-1合成遺伝子(env)の配列を比較したものである。 図7は、ラットTHY-1合成遺伝子の概略図である。黒四角は、シグナルペプチ ドを示す。斜線部は、ホファチジル−イノシトール・グリカンアンカーの付着を 指令する、前駆体の配列を示す。THY-1構築物を作製するために用いた特有の制 限酵 素部位を、H(Hind3)、M(Mlu1)、S(Sac1)、及びNo(Not1)と示した。構築に 用いられた合成オリゴヌクレオチドの位置を、図の下部に示してある。 図8は、フローサイトメトリー解析の結果を示したグラフである。この実験で は、293T細胞を野生型のラットTHY-1(太線)、エンベロープコドンを有するラ ットTHY-1(細線)、または、ベクターのみ(点線)のいずれかを用いて一過性 形質転換させた。293T細胞を、リン酸カルシウム共沈澱法によって、異なる発現 プラスミドで形質転換し、形質転換後3日目に、抗ラットTHY-1モノクローナル 抗体OX7と、続いてポリクローナルFITC-結合抗マウスIgG抗体で染色した。 図9のパネルAは、syngp120mn(A)、または、syngp120mn遺伝子の3'側非翻訳 領域にrTHY-1env遺伝子を有するsyngp120mn.rTHY-1env構築物(B)のいずれかを 用いて形質転換したヒト293T細胞の上清の免疫沈降解析の結果を示すゲルの写真 である。syngp120mn.rTHY-1env構築物は、rTHY-1envプラスミドの平滑末端化さ れたHind3部位にNot1アダプターを挿入して作製した。さらに、rTHY-1env遺伝子 を含む0.5kbのNot1断片を、syngp120mnプラスミドのNot1部位にクローニングし て、正しい方向にクローニングされているかを調べた。形質転換後72時間目に、35 Sで標識した細胞の上清を回収し、CD4:IgG1融合蛋白質及びプロテインAアガロ ースで免疫沈降し、7%の還元SDS-PAGEを行なった。 図9のパネルBは、この図のパネルAに示した実験で用いた構築物の概略図であ る。 図10のパネルAは、GFP蛍光を示さないベクターだけで形質転換したCOS細胞 の写真である。図10のパネルBは、コンセンサスな翻訳開始配列が含まれるよ うに設計された天然のGFPをコードしているCDM7発現プラスミドでトランスフェ クションしたCOS細胞の写真である。図10のパネルCは、図10のパネルBと 同じ隣接配列と開始コンセンサスとを持つが、コドンを最適化した遺伝子配列を 有する発現プラスミドでトランスフェクションしたCOS細胞の写真である。図1 0のパネルDは、図10のパネルCと同じであるが、65残基のセリン(Ser)の 代わりにトレオニン(Thr)を有する発現プラスミドでトランスフェクションし たCOS細胞の写真である。 好ましい態様の説明 高度に発現するヒト遺伝子に見られるコドンを有する合成gp120遺伝子の構築 HIV-1のLAVサブタイプのエンベロープ前駆体に関するコドン頻度表を、ウィス コンシン大学のジェネティクス・コンピューター・グループ(Genetics Compute r Group)によって開発されたソフトウエアを用いて作製した。この表作成の結 果を、高度に発現するヒト遺伝子の集団におけるコドン使用のパターンと対比し て、表1に示した。縮重コドンによってコードされるアミノ酸のいずれにおいて も、高度に発現する遺伝子で最も好ましいコドンと、HIVのエンベロープ前駆体 で最も好ましいコドンとは異なっている。その上、エンベロープの好ましいコド ンのパターンは、適用されるすべての場面において、簡単な原則で説明できる。 すなわち、好ましいコドンは、ウイルスRNAのアデニン残基の数を最大にするコ ドンである。このことは、1つの場合を除くすべての場合において、3番目の位 置がAであるコドンが最も頻繁に使用されるコドンであることを意味している。 例外であるセリンでは、3種のコドンがmRNAの一つのA残基に対して同等の寄与 をしており、これら3つを合わせると、実際にエンベロープ転写物で用いられて いるセリンコドンの85%を含むことになる。Aに対する偏向を示す特に顕著な例 は、すべてのコドンの選択に見ることができ、そこではAGAトリプレットがすべ てのコドンの88%を占める。A残基が優勢である上、3番目の残基がピリミジン でなければならない縮重コドンの場合には、ウリジンに対する顕著な選択性が見 られる。最後に、より低い頻度で用いられる変異コドンの間の不一致は、ジヌク レオチドCpGの比率が少なく見えるという観察から説明することができる。すな わち、アラニン、プロリン、セリン、及びトレオニンに対するコドンのように、 2番目の位置がCであるときはいつも、3番目がGである可能性は低いと考えられ る。また、アルギニンに対するCGXトリプレットは、ほとんど全く使用されない 。 哺乳動物細胞で高レベルで発現することができるgp120遺伝子を作出するため に 、もっとも普遍的な北米サブタイプHIV-1 MNの配列(Shawら、Science 226:1165 ,1984;Galloら、Nature 321:119,1986)に基づいて、HIV-1のgp120部分をコ ードする合成遺伝子(syngp120mn)を構築した。この合成gp120遺伝子において は、ほとんどすべての本来のコドンが、大量に発現するヒトの遺伝子で最も高い 頻度で用いられるコドンによって体系的に置換されていた(図1)。この合成遺 伝子は、化学的に合成された150から200塩基長のオリゴヌクレオチドから組み立 てたものである。120から150塩基を超える長さのオリゴヌクレオチドを化学的に 合成すると、全長の産物の比率が下がる可能性があり、ほとんどの物質が、短い オリゴヌクレオチドから構成されることになる。これらの短い断片は、クローニ ング及びPCR処理を阻害するため、一定の長さを超えるオリゴヌクレオチドを用 いることは極めて困難である。前精製なしに粗合成材料を用いるために、クロー ニングする前に、一本鎖オリゴヌクレオチドプールをPCR増幅した。PCR産物をア ガロースゲルで精製し、次のPCR処理のための鋳型に用いた。重複する配列が、 隣接する2つの断片のいずれかの末端にあるため、両方の断片を同時に増幅する ことができた。これらの断片は350から400 bpの大きさであったが、これらを、C D5表面分子のリーダー配列と、その後ろにNhe1/Pst1/Mlu1/EcoR1/BamH1ポリ リンカーを含む、pCDM由来のプラスミドにサブクローニングした。このポリリン カーの各制限酵素部位は、PCRによって作製された断片の5'側または3'側のいず れかの末端にある。そして、4個の長い各断片を連続してサブクローニングする ことにより全長gp120遺伝子を組み立てた。組立てを行う前に、断片3から断片 6の異なる各クローンをサブクローニングして配列を決定した。合成gp120を構 築するために用いられた方法の概略図を図2に示す。合成gp120遺伝子(及び、 同じ方法によって作出した合成gp160)の配列を図1に示す。 変異率はかなり高かった。もっともよく見られる変異は、短い(1ヌクレオチ ド)欠失及び長い(30ヌクレオチドまで)欠失であった。いくつかの場合におい ては、特定の領域について、合成アダプターか、または変異を含まない他のサブ クローンの断片で部分交換する必要があった。さまざまな部分の置換を容易にす るため、作出された遺伝子に制限酵素部位を導入できるよう、最適なコドン使用 を厳守することからは幾分外れた(図2)。これらの特有の制限酵素部位を約10 0塩基間隔で遺伝子に導入した。分泌を促すために、天然のHIVのリーダー配列を 、ヒトのCD5抗原の高効率のリーダーペプチドと交換した(アルフォ(Aruffo)ら 、Cell.61:1303,1990)。構築に用いられたプラスミドは、ヒトCMVの強力な前 初期プロモーターの制御を受けて、挿入遺伝子を転写する哺乳動物用発現ベクタ ーpCDM7の誘導体である。 野生型及び合成gp120をコードする配列を比較するために、合成gp120をコード する配列を哺乳動物用発現ベクターに挿入して、一過性形質転換解析で調べた。 異なるウイルス株の間における発現レベルの変異、及び異なるリーダー列によっ て誘導される人工産物を除外するために、いくつかの異なる天然gp120遺伝子を 対照として用いた。Sal1/Xho1 HIV-1 HXB2エンベロープの断片を鋳型として用 いたPCRによって、対照として用いるgp120 HIV IIIb構築物を作製した。PCRによ って誘発される突然変異体を除くために、遺伝子の約1.2 kbを含むKpn1/Ear1断 片を、プロウイルスのクローンのそれぞれの配列と交換した。対照として用いた 野生型gp120mn構築物を、HIV-1 MNに感染したC8166細胞(AIDS貯蔵機関(AIDS R epository)、メリーランド州ロックビル)からPCRによってクローニングし、天 然のエンベロープまたはCD5リーダー配列のいずれかとともにgp120を発現させた 。この場合、プロウイルスのクローンを利用することができなかったため、PCR による人工産物を回避するために、各構築物ごとに2個のクローンを調べた。分 泌gp120の量を半定量的に測定するために、リン酸カルシウム共沈澱法によって 一過性形質転換された293T細胞の上清を、可溶性CD4:免疫グロブリン融合蛋白 質及びプロテインAセファロースと共に免疫沈降した。 この解析結果(図3)により、合成遺伝子産物が、対照の天然gp120遺伝子産 物に比べて非常に高いレベルで発現されることが分かる。合成gp120遺伝子の分 子量は対照の蛋白質に匹敵し(図3)、100 kdから110 kdの範囲にあると考えら れる。僅かに速く泳動されるのは、293Tのような腫瘍細胞系によっては、グリコ シル化が完全でないか、またはある程度変化するという事実によって説明するこ とができる。 より正確に発現を比較するために、固定相にCD4を用いたgp120 ELISAを用いて gp120蛋白質のレベルを定量した。この解析により、合成gp120遺伝子ではgp120 が およそ125 ng/mlの濃度であり、また、天然のgp120遺伝子ではすべてバックグ ラウンドのカットオフ値(5 ng/ml)より低い濃度となり、ELISAのデータが免 疫沈降のデータと一致することが示される(図4)。このことから、合成gp120 遺伝子の発現は、野生型gp120遺伝子よりも少なくとも1桁高いと考えられる。 図に示されている実験では、少なくとも25倍増加していた。gp120 発現におけるrevの役割 revは、ウイルスの転写物の発現におけるいくつかの段階においてその効果を 発揮すると考えられるため、合成gp120遺伝子での発現の改善において非翻訳的 な役割を果たしている可能性について調べた。まず、ヌクレオチド配列を変える ことによって、mRNAの分解の促進または核への滞留をもたらすような負のシグナ ル要素が除去されたという可能性を排除するために、細胞質のmRNAのレベルを調 べた。一過性形質転換された293T細胞をNP40溶解し、その後、遠心分離によって 核を除去することにより細胞質RNAを調製した。さらに、フェノール抽出及び沈 澱を何回も繰り返して、溶解物から細胞質RNAを調製し、スロットブロット装置 を用いてニトロセルロース上に移し、最後に、エンベロープ特異的なプローブと ハイブリダイズさせた。 要約すると、CDM、gp120 IIIB、またはsyngp120で形質転換した293細胞の細胞 質mRNAを、形質転換後36時間目に分離した。野生型ワクシニアウイルス、または 、gp120 IIIbを発現する組換えウイルス、または、7.5プロモーターの制御下に ある合成gp120遺伝子を発現する組換えウイルスを感染させたヒーラ(HeLa)細 胞の細胞質RNAを感染後16時間目に分離した。スロットブロット装置を用いて、 等量をニトロセルロースに配置し、ランダム標識した1.5 kbのgp120IIIb及びsyn gp120断片またはヒトのベーターアクチンとハイブリダイズさせた。ハイブリダ イズさせた膜をホスフォイメージャーでスキャンして、RNAの発現レベルを定量 した。この実験で用いた方法については、後に詳述する。 この実験によって、天然のgp120遺伝子で形質転換した細胞も、合成gp120遺伝 子で形質転換した細胞も、mRNAのレベルに有意な差はないことが明らかになった 。実際、いくつかの実験において、合成gp120遺伝子の細胞質mRNAのレベルは、 天然のgp120遺伝子のmRNAレベルよりも低いことさえあった。 これらのデータは、組換えワクシニアウイルスからの発現を測定することによ って確認された。ヒト293細胞またはヒーラ細胞に、野生型gp120 IIIbまたはsyn gp120mnを発現するワクシニアウイルスを、感染多重度10以上で感染させた。感 染後24時間で上清を回収し、CD4:免疫グロブリン融合蛋白質及びプロテインAセ ファロースを用いて免疫沈降した。この実験で用いた方法については、後に詳述 する。 この実験から、強力な混合された初期及び後期の7.5kプロモーターの制御下で ワクシニアウイルスの組換え体から、内因性遺伝子産物及び合成遺伝子産物が発 現されるときにも、合成遺伝子の発現増加が依然として観察されることが明らか になった。ワクシニアウイルスのmRNAは、細胞質で転写され、翻訳されるため、 本実験の合成エンベロープ遺伝子の発現増加は、核からの移行が促進されるのが 原因ではありえない。さらに、腎臓癌細胞系293及びヒーラ細胞の2つのヒトの 細胞型で本実験を反復した。形質転換した293T細胞の場合と同様に、どちらの組 換えワクシニアウイルスを感染させても、293細胞におけるmRNAのレベルは類似 していた。レンチウイルスにおけるコドン使用 コドン使用は哺乳動物細胞における発現に重要な影響を与えると考えられるた め、他のレトロウイルスのエンベロープ遺伝子におけるコドン頻度を調べた。こ の実験から一般に、レトロウイルスの間に、コドンの選択性の明確なパターンは 見られなかった。しかし、HIV-1が属するレンチウイルス属のウイルスだけを別 個に分析したところ、HIV-1のコドン使用の偏りとほとんど同じ偏りが見られた 。レンチウイルスを除く、さまざまなレトロウイルス(主にC型)のエンベロー プの糖蛋白質のコドン頻度表を作成し、HIV-1とは密接には関係しない4種のレ ンチウイルス(ヤギ関節炎脳炎ウイルス(caprine arthritis encephalitis vir us)、ウマ伝染性貧血ウイルス(equine infectious anemia virus)、ネコ免疫 不全ウイルス(feline immunodeficiency virus)及びビスナウイルス(visna v irus))のエンベロープの配列から作成したコドン頻度表と比較した(表2)。 レンチウイルスのコドン使用パターンは、一つを除くすべての場合において、HI V-1のパターンと非常によく似ており、HIV-1にとって好ましいコドンは、他のレ ンチウイル スにとって好ましいコドンと同じであった。例外はプロリンで、HIV-1以外のレ ンチウイルスのエンベロープの残基は、41%がCCTによってコードされ、40%はC CAによってコードされており、この状況も、明らかにAで終わるトリプレットに 対する有意な選択性を反映している。レンチウイルス以外のレトロウイルスのエ ンベロープ蛋白質によるコドン使用パターンは、同じようなA残基の優勢を示さ ず、また、高度に発現されるヒトの遺伝子のコドン使用のように、3番目の位置 におけるC及びG残基に対する偏りもない。一般的に、レンチウイルス以外のレト ロウイルスは、あまり高度には発現しないヒトの遺伝子と共通するパターンをも ち、異なるコドンをもっと平等に利用するようである。 レンチウイルスのコドンは、Aを含むコドンが優勢なのに加えて、CpGが非常に 現れにくいというHIVのパターンを厳しく守っているため、アラニン、プロリン 、セリン及びトレオニンのトリプレットの3番目の塩基がGであることはほとん どない。レトロウイルスのエンベロープのトリプレットも、あまり明確ではない が、同様にCpGは少ししか使われない。レンチウイルスと他のレトロウイルスの 間にある、CpGの優勢さに関する最も顕著な違いは、アルギニントリプレットがC GX変異コドンを使用する点にある。このコドンは、レトロウイルスのエンベロー プをコードする配列に適当な頻度で出現するが、これに相当するレンチウイルス の配列には殆ど全く出現しない。天然gp120と合成gp120の間のrev依存性の違い revによる制御が、HIV-1のコドン使用に関係するかを調べるため、天然の遺伝 子及び合成遺伝子の両方の発現に対するrevの影響を調査した。revによる制御に は、rev結合部位RREをシスに有することが必要であるため、この結合部位を、天 然の遺伝子及び合成遺伝子の両方の3'非翻訳領域にクローニングした構築物を作 成した。これらのプラスミドを、revまたは対照用プラスミドとともに、293T細 胞にトランスで同時感染させ、免疫沈降によって、上清におけるgp120の発現レ ベルを半定量的に測定した。この実験で用いた方法については、後に詳述する。 図5のパネルA及び図5のパネルBに示されているように、revは、天然のgp120 遺伝子を制御するが、合成gp120遺伝子の発現には作用しない。したがって、内 因性ウイルスエンベロープのコード配列を欠く基質に対するrevの作用は明らか でない。HIV-1 エンベロープのコドンを有する合成ラットTHY-1遺伝子の発現 前記の実験から、rev制御が行われるためには、事実上「エンベロープ配列」 が存在する必要があることが示唆される。この仮説を調べるために、小さいが典 型的に高度発現される細胞表面蛋白質であるラットTHY-1抗原をコードする遺伝 子の合成遺伝子を調製した。HIV-1 gp120と同じようなコドン使用を有するラッ トTHY-1遺伝子を合成したものを設計した。この合成遺伝子を設計するにあって は、mRNAの不安定性に関係するAUUUA配列を避けた。さらに、構築が終わった遺 伝子(図6)の操作を簡単にするために、2つの制限酵素部位を導入した。150 から170マーのオリゴヌクレオチドを3つ用いて、このHIVエンベロープのコドン 使用を有する合成遺伝子(rTHY-1env)を作製した(図7)。syngp120mn遺伝子 とは対照的に、PCR産物をpCU12に直接クローニングして組み立て、さらに、pCDM 7にクローニングした。 天然のrTHY-1及びHIVエンベロープのコドンを有するrTHY-1の発現レベルを、 一過性形質転換した293T細胞で、免疫蛍光法によって定量した。図8は、天然の THY-1遺伝子の発現が、対照の形質転換細胞(pCDM7)のバックグラウンドのレベ ルよりもほぼ2桁高いことを示している。これに対し、合成したラットTHY-1の 発現は、天然の遺伝子の発現よりも実質的に低くなっている(ピークが横軸の小 さな数字の方に移動していることからわかる)。 mRNAの分解を促すような負の配列要素が偶然に導入されていないことを確かめ るため、合成gp120遺伝子の3'端にrTHY-1env遺伝子をクローニングした構築物を 作製した(図9、パネルB)。この実験では、syngp120mn遺伝子、または、syngp 120/rat THY-1env融合蛋白質遺伝子(syngp120mn.rTHY-1env)のいずれかを用 いて、293Tを形質転換した。CD4:IgG1融合蛋白質及びプロテインAアガロースで 免疫沈降することにより発現を測定した。この実験で用いられた方法については 、後に詳述する。 合成gp120遺伝子がUAG終止コドンを有するため、rTHY-1envは、この転写物か らは翻訳されない。分解を促進するような負の要素が配列に存在していると、こ の構築物から発現されるgp120蛋白質のレベルは、rTHY-1envをもたないsyngp120 mn構築物に比べて減少しているはずである。図9のパネルAから、両者の構築物 の発現が同じになることが示されているため、発現の低さは翻訳に関連したもの に違 いない。エンベロープのコドンを有する合成ラットTHY-1遺伝子のrev依存的発現 revが、envコドンを有するラットTHY-1遺伝子の発現を制御できるか否かを調 べるために、rTHY-1envのオープンリーディングフレームの3'末端にrev結合部位 をもつ構築物を作出した。3'RREを有するラットTHY-1env構築物のrev反応性を測 定するために、ヒト293T細胞をratTHY-1envrre、及びCDM7もしくはpCMVrevのい ずれかで同時形質転換した。形質転換後60時間目に、1 mM EDTAを含むPBSで細胞 を剥離して、OX-7抗rTHY-1マウスモノクローナル抗体及びFITCを結合した二次抗 体で染色した。EPICS XL細胞蛍光測定器によって蛍光強度を測定した。この実験 に用いた方法については、後に詳述する。 反復実験において、revがrTHY-1env遺伝子とともに同時形質転換されると、rT HY-1envの発現が僅かに増加するのが検出された。解析系の感度をさらに高める ために、rTHY-1envの分泌型を発現する構築物を作製した。その時点での産生率 をより忠実に反映すると考えられる表面発現蛋白質とは対照的に、上清に蓄積さ れる分泌蛋白質の量は長期間にわたる蛋白質産生の結果を反映するので、この構 築物は、より信頼度の高いデータを生み出すはずである。分泌型を発現できる遺 伝子を、内因性リーダー配列の3'末端、及びホスファチジルイノシトール・グリ カンを固定するのに必要な配列モチーフの5'末端をそれぞれアニール化する、順 方向プライマーと逆方向プライマーを用いたPCRによって調製した。CD5のリーダ ー配列を既にもっているプラスミドに、PCR産物をクローニングして、膜アンカ ー部分を取り除き、リーダー配列を異種の(そして恐らくより有効な)リーダー ペプチドで置き換えた構築物を作製した。 ratTHY-1envの分泌型及びRRE配列をシスに発現するプラスミド(rTHY-1envPI- rre)、ならびにCDM7またはpCMVrevのいずれかを用いて同時形質転換したヒト29 3T細胞の上清の免疫沈降によって、分泌型ratTHY-1envのrev反応性を測定した。 オリゴヌクレオチドcgcggggctagcgcaaagagtaataagtttaac(配列番号:38)を順 方向プライマーに、cgcggatcccttgtattttgtactaata(配列番号:39)を逆方向プ ライマーに、合成rTHY-1env構築物を鋳型に用いたPCRによって、rTHY-1envPI-RR E構築物を作製した。Nhe1及びNot1で制限酵素消化した後、このPCR断片を、CD5 のリ ーダー配列及びRRE配列を含むプラスミドにクローニングした。35S標識した細胞 の上清を形質転換後72時間目に回収し、rTHY-1に対するマウスモノクローナル抗 体OX7及び抗マウスIgGセファロースで沈澱させ、12%の還元SDS-PAGEで電気泳動 した。 この実験で、rTHY-1envがrevによって誘導されることが、前記の実験よりも、 はるかに顕著にかつ明確になり、revによって、使用頻度の低いコドンによる抑 制を受ける転写物が、翻訳段階で制御されうることを強く示唆している。rTHY-1env :免疫グロブリン融合蛋白質のrev依存的発現 rev反応性を付与するには、コード配列全域にわたって使用頻度の低いコドン が存在しなければならないのか、それとも、短い領域だけで充分なのかを調べる ために、rTHY-1env:免疫グロブリン融合蛋白質を作製した。この構築物では、 (ホスファチジルイノシトール・グリカンの固定に関係する配列モチーフを持た ない)rTHY-1env遺伝子が、ヒトのIgG1のヒンジ、CH2及びCH3のドメインに結合 している。この構築物は、Nhe1制限酵素部位及びBamHI制限酵素部位を有するプ ライマー、ならびにrTHY-1envを鋳型に用いたアンカーPCRによって作出された。 PCR断片を、CD5の表面分子のリーダー配列及びヒトのIgG1免疫グロブリンのヒン ジ、CH2及びCH3部分を含むプラスミドにクローニングした。次に、rTHY-1enveg1 挿入部位を有するHind3/Eag1断片を、RRE配列とともにpCDM7由来のプラスミド にクローニングした。 rTHY-1env/免疫グロブリン融合遺伝子(rTHY-1enveg1rre)のrevに対する反 応性を測定するために、rTHY-1enveg1rre、及びpCDM7またはpCMVrevのいずれか でヒト293T細胞を同時形質転換した。Nhe1制限酵素部位及びBamHI制限酵素部位 をそれぞれに含む、順方向プライマー及び逆方向プライマーを用いたアンカーPC RによってrTHY-1enveg1rre構築物を作製した。CD5のリーダー、ならびにヒトのI gG1のヒンジ、CH2及びCH3ドメインを含むプラスミドの中に、このPCR断片をクロ ーニングした。35S標識した細胞の上清を形質転換後72時間目に回収し、rTHY-1 に対するマウスモノクローナル抗体OX7及び抗マウスIgGセファロースを用いて沈 澱させ、12%の還元SDS-PAGEで電気泳動した。この実験で用いられた方法につい ては、後に詳述する。 rTHY-1envPI-遺伝子産物と同じように、このrTHY-1env/免疫グロブリン融合 蛋白質は、上清に分泌される。したがって、この遺伝子は、rev誘導に反応する はずである。しかし、rTHY-1envPI-とは対照的に、revをトランスで同時形質転 換させても、rTHY-1enveg1発現の増加は、全く誘導されないか、または、ごく僅 かにしか誘導されなかった。 天然のrTHY-1またはHIVエンベロープのコドンを有する、rTHY-1:免疫グロブ リン融合蛋白質の発現を、免疫沈降法によって測定した。要約すると、rTHY-1en veg1(envコドン)またはrTHY-1wteg1(天然のコドン)のいずれかによって、ヒ ト293T細胞を形質転換した。天然のrTHY-1遺伝子を含むプラスミドを鋳型に用い たこと以外は、rTHY-1enveg1構築物に用いたのと同じ方法で、rTHY-1wteg1構築 物を作製した。35S標識した細胞の上清を、形質転換後72時間目に回収し、rTHY- 1に対するマウスモノクローナル抗体OX7及び抗マウスIgGセファロースを用いて 沈澱させ、12%の還元SDS-PAGEで電気泳動した。この実験で用いられた方法につ いては、後に詳述する。 融合の相手として野生型のrTHY-1を用いた同じ構築物に比べて、rTHY-1enveg1 の発現レベルは減少したが、rTHY-1envよりは、依然としてかなり高かった。し たがって、融合蛋白質のいずれの部分も、発現レベルに効果があった。rTHY-1en vを添加しても、rTHY-1envのみに見られたのと同じ発現レベルに制限されること はなかった。このように、revによる制御は、蛋白質発現がほとんど完全に抑制 されない限り、効果がないように思われる。HIV-1 エンベロープ遺伝子におけるコドンの選択性 HIVエンベロープのコドン使用頻度と、高度に発現するヒト遺伝子のコドン使 用頻度とを直接に比較すると、20アミノ酸すべてについて、著しい違いがあるこ とが明らかになる。このコドンの選択性の統計学的有意性を単純に計算すると、 2倍のコドン縮重を含む9種のアミノ酸において、好まれる3番目のコドンは、 9種すべてでAまたはUである。9種すべてが、2つの同等の選択肢から、同じ選 択をする確率は約0.004であるので、従来のいかなる計算法を用いても、この3 番目の残基の選択が任意であるとは考えられない。さらに、コドンの選択性に偏 りがあることは、アデニンを含むトリプレットに対する強い選択性が見られる、 より 縮重度の高いコドンにおいて証明される。これは、3倍以上の縮重を有するコド ンの3番目の位置に、C、またはよりまれにはGを含むコドンが選択されやすい、 高度発現遺伝子におけるパターンとは対照的である。 高度に発現するヒトの遺伝子のコドンを、本来のコドンで体系的に交換すると 、gp120の発現が劇的に上昇する。ELISAによる定量解析から、ヒト293細胞を一 過性形質転換すると、天然のgp120に比べて、合成遺伝子の発現が少なくとも25 倍高くなることが明らかになった。ELISA実験において示された濃度のレベルは 、むしろ低かった。ELISAは、CD4に結合しているgp120に基づいて定量に用いら れたため、天然の、非変性物質しか検出されなかった。これにより、明白な低い 発現が説明されうる。細胞質中のmRNAレベルを測定したところ、蛋白質発現の違 いは、mRNAの安定性ではなく、翻訳における違いによるものであることが明らか になった。 レトロウイルスは一般に、HIVに見られるような、A及びTに対する選択性を示 さない。しかし、この科のウイルスをレンチウイルス及びレンチウイルス以外の レトロウイルスの2つのサブグループに分けると、レンチウイルスの第3コドン の位置に、A、及び、より頻度は低いがTに対する、同様な選択性が検出された。 このように、有用な証拠からは、このような残基の逆転写ないし複製について本 質的な利点があるからというのではなく、むしろ、この分類のウイルスの生理学 に特有の何らかの理由によって、レンチウイルスがエンベロープコドンに特徴的 なパターンを保持していることが示唆されている。レンチウイルス及び非複合レ トロウイルスの間の大きな違いは、既に述べられているように、レンチウイルス には付加的な制御遺伝子及び必須でない補助遺伝子があるという点である。した がって、エンベロープ発現が制限されることに対する簡単な理由は、これらの付 加的な分子の一つが有する、重要な制御機構に基づくものであるかもしれない。 実際、これらの蛋白質の一つであるrevが、すべてのレンチウイルスにおいて相 同物を有する可能性が最も高いことが知られている。このように、revの刺激作 用に感応するような種類の転写物を作出するには、ウイルスmRNAにおけるコドン 使用が用いられる。コドン使用を逆方向に変えたこと以外は前述した同じ方法を 用いて、この仮説が証明された。高度に発現する細胞遺伝子のコドン使用を、HI Vエンベ ロープでもっとも頻繁に用いられるコドンで置換した。推測通り、天然の分子に 比べて、発現レベルはかなり低く、細胞表面に発現する分子の免疫蛍光によって 解析すると、ほぼ2桁低くなった(4.7参照)。revをトランスに同時発現させ、 RRE要素をシスに置くと、表面分子はほんの僅かしか誘導されないことが分かっ た。しかし、分泌分子としてTHY-1を発現させると、revによる誘導ははるかに顕 著になるため、前記の仮説が裏付けられる。これは、恐らく、分泌蛋白質が上清 に蓄積され、それによってrevの効果がかなり増幅されることによって説明され よう。もし、一般的に、revのみが表面分子の僅かな増加を誘導するとしたら、r evによるHIVエンベロープの誘導は、表面における増加を目的としたものではな く、むしろ、細胞内のgp160レベルを増加させることが目的であろう。目下のと ころ、なぜこのようになるのかは全く分からない。 発現を制限し、rev依存的にするために、遺伝子の小さな部分をまとめた要素 が十分であるか否かを調べるために、遺伝子全体の約3分の1がエンベロープのコ ドン使用を有するrTHY-1env:免疫グロブリン融合蛋白質を作製した。この構築 物の発現レベルは、中程度のレベルであり、rTHY-1envの負の配列要素が免疫グ ロブリン部分に対して優勢でないことを示している。この融合蛋白質は、rev反 応性がないか、僅かにしかなく、ほとんど完全に抑制された遺伝子のみがrevに 反応しうることを示している。 コドン頻度表に見られた、もう一つの特徴的な性質は、CpGトリプレットの出 現が著しく少ないことである。大腸菌、酵母、ショウジョウバエ、及び霊長類に おけるコドン使用を比較して調べると、解析された霊長類の多数の遺伝子の中で 、最も使用されにくい8種のコドンは、すべてCpGジヌクレオチド配列を有する コドンを含んでいることが分かった。このジヌクレオチドモチーフを含むコドン の回避は、他のレトロウイルスの配列でも見られた。CpGを有するトリプレット の出現が少ない理由は、CpGのシトシンのメチル化による、遺伝子のサイレンシ ングを回避することと何らかの関係がある可能性が高い。HIV全体でのCpGジヌク レオチドの予想数は、塩基組成を基に予想される数の約5分の1である。これは、 高発現を回復させる可能性、及びその遺伝子が実際にウイルス病発生のある時点 で高度に発現しなければならないことを示しているのかもしれない。 本明細書に提示された結果により、コドンの選択性が、蛋白質のレベルに対し て重要な効果を有していることが明らかとなり、翻訳の伸長が哺乳動物の遺伝子 発現を制御していることが示唆される。しかし、他の因子も一定の役割を果たす かもしれない。まず、真核細胞の中で最大限には存在していないmRNA量が、少な くともいくつかの場合においては、翻訳開始が律速であることを示している。さ もなければ、すべての転写物は、リボソームによって完全に覆われるであろう。 さらに、リボソームの停止及びそれに続くmRNAの分解が、この機構であるならば 、本明細書に示されているような制御機構によって、稀なコドンによる抑制が逆 転するとは全く考えられない。開始及び伸長の両者が翻訳活性に及ぼす影響につ いての一つの説明としては、開始率またはリボソームへの結合が、RNA全体にわ たって分布しているシグナルによって部分的に制御され、それによって、レンチ ウイルスのコドンが、RNAが少ししか開始されないRNAのプールに蓄積される原因 となるいうことが考えられる。しかし、この制限は熱力学的である必要はない。 例えば、コドンの選択は、ある特定の翻訳産物が、開始後、適切に完成される確 率に影響するであろう。この機構の下では、比較的好ましくないコドンが多いと 、新生ポリペプチド鎖が完成されない確率を有意に累積させる結果となろう。そ して、revの作用によって、隔離されたRNAの開始率が高められることになろう。 rev反応性転写物においては、アデニン残基が多いため、RNAのアデニンのメチル 化が、この翻訳抑制を仲介することになろう。 詳細な方法 以下の方法は、前述の実験において用いられた。配列解析 配列解析では、ウィスコンシン大学のコンピュータ・グループによって開発さ れたソフトウエアを用いた。プラスミド構築 プラスミド構築には、以下の方法を用いた。ベクター及び挿入断片DNAは、0.5 μl/10μlの濃度で、適当な制限酵素緩衝液中で1時間から4時間消化した(反 応液の総量は30μl)。ゲル電気泳動の前に、消化されたベクターを、10%(v /v)の1μg/ml子ウシ小腸アルカリホスファターゼで30分間処理した。ベクタ ー及 び挿入断片の消化物(それぞれ5から10μl)を、TAE緩衝液と共に1.5%低融点ア ガロースゲルで泳動した。目的のバンドを含むゲル切片を、1.5 mlの反応チュー ブに移し、65℃で溶解し、アガロースを除去することなく、直接にライゲーショ ン液に加えた。ライゲーションは、一般的には、1×ロー(Low)緩衝液、200〜4 00Uのリガーゼを含む1×ライゲーション添加液(Ligation Addition)、1μlの ベクター及び挿入断片4μlの総量25μlで行われた。必要であれば、加熱して不 活性化するかまたはフェノール抽出した消化物に、1/10容量の250μM dNTP及び 2〜5 Uのクレノウ(Klenow)ポリメラーゼを加え、室温で約20分間インキュベー トして、5'突出末端を充填した。必要であれば、加熱して不活性化するかまたは フェノール抽出した消化物に、1/10容量の2.5m M dNTP及び5〜10 UのT4DNAポリ メラーゼを加えて、37℃で30分間インキュベートして、3'突出末端を充填した。 次の緩衝液を、これらの反応に用いた。10×ロー緩衝液(60 mM トリスHCl,pH7 .5,60 mM MgCl2,50 mM NaCl,4 mg/ml BSA,70 mM β-メルカプトエタノール ,0.02% NaN3);10×メディウム(Medium)緩衝液(60 mM トリスHCl,pH 7.5 ,60 mM MgCl2,50 mM NaCl,4 mg/ml BSA,70 mM β-メルカプトエタノール, 0.02% NaN3);10×ハイ(High)緩衝液(60 mM トリスHCl,pH 7.5,60 mM Mg Cl2,50 mM NaCl,4 mg/ml BSA,70 mM β-メルカプトエタノール,0.02% NaN3 );10×ライゲーション添加液(1 mM ATP,20 mM DTT,1 mg/ml BSA,10 mM スペルミジン);50×TAE(2 Mトリス酢酸,50 mM EDTA)。オリゴヌクレオチドの合成及び精製 オリゴヌクレオチドは、ミリガン(Milligen)8750合成機(ミリポア社)で作 製した。カラムを1 mlの30%水酸化アンモニウムで溶出し、溶出されたオリゴヌ クレオチドを55℃で6時間から12時間置いて脱保護した。脱保護した後、1.5 ml の反応チューブの中で、150μlのオリゴヌクレオチドを10×容量の不飽和n-ブタ ノールで沈澱させてから、微量遠心機で15,000 rpmで遠心した。沈殿物を70%エ タノールで洗浄し、50μlのH2Oに再懸濁した。濃度は、1:333に希釈して260 nm の光学濃度(10D260=30μg/ml)を測定して決定した。 以下のオリゴヌクレオチドを合成gp120遺伝子の構築に用いた(これに関して 、配列はすべて5'から3'の方向に示されている)。 オリゴ1順方向(Nhe1):cgc ggg cta gcc acc gag aag ctg(配列番号:1 ) オリゴ1:acc gag aag ctg tgg gtg acc gtg tac tac ggc gtg ccc gtg tgg aag ag ag gcc acc acc acc ctg ttc tgc gcc agc gac gcc aag gcg tac gac ac c gag gtg cac aac gtg tgg gcc acc cag gcg tgc gtg ccc acc gac ccc aac cc c cag gag gtg gag ctc gtg aac gtg acc gag aac ttc aac at(配列番号:2) オリゴ1逆方向:cca cca tgt tgt tct tcc aca tgt tga agt tct c(配列番 号:3) オリゴ2順方向:gac cga gaa ctt caa cat gtg gaa gaa caa cat(配列番号 :4) オリゴ2:tgg aag aac aac atg gtg gag cag atg cat gag gac atc atc agc ctg tgg gac cag agc ctg aag ccc tgc gtg aag ctg acc cc ctg tgc gtg acc t g aac tgc acc gac ctg agg aac acc acc aac acc aac ac agc acc gcc aac aac aac agc aac agc gag ggc acc atc aag ggc ggc gag atg(配列番号:5) オリゴ2逆方向(pst1):gtt gaa gct gca gtt ctt cat ctc gcc gcc ctt( 配列番号:6) オリゴ3順方向(Pst1):gaa gaa ctg cag ctt caa cat cac cac cag c(配 列番号:7) オリゴ3:aac atc acc acc agc atc cgc gac aag atg cag aag gag tac gcc ctg ctg tac aag ctg gat atc gtg agc atc gac aac gac agc acc agc tac cgc ctg atc tcc tgc aac acc agc gtg atc acc cag gcc tgc ccc aag atc agc ttc gag ccc atc ccc atc cac tac tgc gcc ccc gcc ggc ttc gcc(配列番号:8) オリゴ3逆方向:gaa ctt ctt gtc ggc ggc gaa gcc ggc ggg(配列番号:9 ) オリゴ4順方向:gcg ccc ccg ccg gct tcg cca tcc tga agt gca acg aca ag a agt tc(配列番号:10) オリゴ4:gcc gac aag aag ttc agc ggc aag ggc agc tgc aag aac gtg agc acc gtg cag tgc acc cac ggc atc cgg ccg gtg gtg agc acc cag ctc ctg ctg aac ggc agc ctg gcc gag gag gag gtg gtg atc cgc agc gag aac ttc acc gac aac gcc aag acc atc atc gtg cac ctg aat gag agc gtg cag atc(配列番号:1 1) オリゴ4逆方向(Mlu1):agt tgg gac gcg tgc agt tga tct gca cgc tct c (配列番号:12) オリゴ5順方向(Mlu1):gag agc gtg cag atc aac tgc acg cgt ccc(配列 番号:13) オリゴ5:aac tgc acg cgt ccc aac tac aac aag cgc aag cgc atc cac atc ggc ccc ggg cgc gcc ttc tac acc acc aag aac atc atc ggc acc atc ctc cag gcc cac tgc aac atc tct aga(配列番号:14) オリゴ5逆方向:gtc gtt cca ctt ggc tct aga gat gtt gca(配列番号:15 ) オリゴ6順方向:gca aca tct cta gag cca agt gga acg ac(配列番号:16) オリゴ6:gcc aag tgg aac gac acc ctg cgc cag atc gtg agc aag ctg aag gag cag ttc aag aac aag acc atc gtg ttc ac cag agc agc ggc ggc gac ccc g ag atc gtg atg cac agc ttc aac tgc ggc ggc(配列番号:17) オリゴ6逆方向(EcoR1):gca gta gaa gaa ttc gcc gcc gca gtt ga(配列 番号:18) オリゴ7順方向(EcoR1):tca act gcg gcg gcg aat tct tct act gc(配列 番号:19) オリゴ7:ggc gaa ttc ttc tac tgc aac acc agc ccc ctg ttc aac agc acc tgg aac ggc aac aac acc tgg aac aac acc acc ggc agc aac aac aat att acc ctc cag tgc aag atc aag cag atc atc aac atg tgg cag gag gtg ggc aag gcc atg tac gcc ccc ccc atc gag ggc cag atc cgg tgc agc agc(配列番号:20) オリゴ7逆方向:gca gac cgg tga tgt tgc tgc tgc acc gga tct ggc cct c (配列番号:21) オリゴ8順方向:cga ggg cca gat ccg gtg cag cag caa cat cac cgg tct g (配列番号:22) オリゴ8:aac atc acc ggt ctg ctg ctg acc cgc gac ggc ggc aag gac acc gac acc aac gac acc gaa atc ttc cgc ccc ggc ggc ggc gac atg cgc gac aac tgg aga tct gag ctg tac aag tac aag gtg gtg acg atc gag ccc ctg ggc gtg gcc ccc acc aag gcc aag cgc cgc gtg gtg cag cgc gag aag cgc(配列番号:2 3) オリゴ8逆方向(Not1):cgc ggg cgg ccg ctt tag cgc ttc tcg cgc tgc ac c ac(配列番号:24) 以下のオリゴヌクレオチドは、ratTHY-1env遺伝子の構築に用いられた。 オリゴ1順方向(BamH1/Hind3):cgc ggg gga tcc aag ctt acc atg att cc a gta ata agt(配列番号:25) オリゴ1:atg aat cca gta ata agt ata aca tta tta tta agt gta tta caa atg agt aga gga caa aga gta ata agt tta aca gca tct tta gta aat caa aat ttg aga tta gat tgt aga cat gaa aat aat aca aat ttg cca ata caa cat gaa ttt tca tta acg(配列番号:26) オリゴ1逆方向(EcoR1/Mlu1):cgc ggg gaa ttc acg cgt taa tga aaa ttc atg ttg(配列番号:27) オリゴ2順方向(BamH1/Mlu1):cgc gga tcc acg cgt gaa aaa aaa aaa cat (配列番号:28) オリゴ2:cgt gaa aaa aaa aaa cat gta tta agt gga aca tta gga gta cca gaa cat aca tat aga agt aga gta aat ttg ttt agt gat aga ttc ata aaa gta tta aca tta gca aat ttt aca aca aaa gat gaa gga gat tat atg tgt gag(配 列番号:29) オリゴ2逆方向(EcoR1/Sac1):cgc gaa ttc gag ctc aca cat ata atc tcc (配列番号:30) オリゴ3順方向(BamH1/Sac1):cgc gga tcc gag ctc aga gta agt gga caa (配列番号:31) オリゴ3:ctc aga gta agt gga caa aat cca aca agt agt aat aaa aca ata aat gta ata aga gat aaa tta gta aaa tgt ga gga ata agt tta tta gta caa a at aca agt tgg tta tta tta tta tta tta agt tta agt ttt tta caa gca aca g at ttt ata agt tta tga(配列番号:32) オリゴ3逆方向(EcoR1/Not1) :cgc gaa ttc gcg gcc gct tca taa act t at aaa atc(配列番号:33)ポリメラーゼ連鎖反応 両末端をアニール化した、短い、重複する15から25マーのオリゴヌクレオチド を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、長いオリゴヌクレオチドを増幅す るために用いた。典型的なPCR条件は、35サイクル、アニーリング温度は55℃、 伸長時間は0.2秒間であった。PCR産物をゲル精製して、フェノール抽出し、その 後、2つの隣り合う短い断片からできた長い断片を生成させるためのPCRに用い た。これらの長い断片を、CD5表面分子のリーダー配列、及びその後ろにNhe1/P st1/Mlu1/EcoR1/BamH1ポリリンカーを含む、CDM7由来のプラスミドにクロー ニングした。 これらの反応には、10×PCR用緩衝液(500 mM KCl,100 mMトリスHCl,pH 7.5 ,8 mM MgCl2,2 mM 各dNTP)を用いた。最終緩衝液には、Taqポリメラーゼの信 頼度を増強するために、10%DMSOを補足した。少量DNA調製 形質転換した細菌は、3 mlのLB培地で6時間以上または一晩培養した。およそ 1.5 mlの各培養液を、1.5 mlの微量遠心用チューブに注入して、細胞を沈澱させ るために20秒間遠心して、200μlの溶液Iに懸濁した。さらに、400μlの溶液II 及び300μlの溶液IIIを加えた。微量遠心用チューブの蓋をして、混合し、30秒 以上遠心した。上清を新しいチューブに移して、フェノール抽出を一回行なった 。このチューブにイソプロパノールを充填して、混合し、微量遠心分離機で2分 間以上遠心した。沈澱を70%エタノールで洗浄して、10μlのRNAse Aを含んだdH2 O 50μl中に再懸濁した。これらの実験において、以下の培地及び溶液を用いた 。LB培地(1.0 % NaCl,0.5 % 酵母抽出物、1.0 % トリプトファン);溶液 I(10 mM EDTA,pH 8.0);溶液II(0.2 M NaOH,1.0 % SDS);溶液III(2.5 M KOAc,2.5 M 氷酢酸);フェノール(pHを6.0に調整してTEで覆う);TE(10 mM トリスHCl,pH 7.5,1 mM EDTA pH 8.0)。大量DNA調製 形質転換した細菌の培養液1リットルを24時間から36時間(pCDM誘導体で形質 転換したMC1061p3)、または、12時間から16時間(pUC誘導体で形質転換したMC1 061)を、37℃で、M9細菌培養培地(pCMD誘導体)またはLB培地(pUC誘導体)の いずれかで培養した。細菌を1リットルのボトルに入れ、ベックマン(Beckman )J6遠心機を用いて、4,200 rpmで20分間遠心した。沈澱を40 mlの溶液Iに再懸 濁 した。さらに、80 mlの溶液II及び40 mlの溶液IIIを加え、塊が2 mmから3 mmの 大きさになるまで、強めに振った。このボトルを4,200 rpmで5分間遠心して、 上消をチーズクロスを通して250 mlのボトルに移した。この上にイソプロパノー ルを加え、4,200 rpmで10分間遠心した。沈澱を、4.1 mlの溶液Iに再懸濁して 、塩化セシウム 4.5 g、10 mg/mlの臭化エチジウム 0.3 ml、及び、1%トライ トン(Triton)X100溶液 0.1 mlに加えた。このチューブをベックマンJ2高速遠 心機にて、10,000 rpmで5分間遠心した。この上清を、ベックマンのクイックシ ール超高速遠心チューブに移し、シールをして、ベックマン超高速遠心機で、NV T90固定アングルローターを用いて、80,000 rpmで2.5時間以上遠心した。1mlの 注射器及び20ゲージの注射針を用いて、可視光によってバンドを抽出した。抽出 した物質に、等量の蒸留水を加えた。DNAは、1 M塩化ナトリウムで飽和したn-ブ タノールで1回抽出し、その後、等量の10 M酢酸アンモニウム/1 mM EDTAを加 えた。この物質を13 mlのスナップ付きチューブに注入して、次に、無水エタノ ールを上から加えて満たし、混合してから、ベックマンJ2遠心機に入れて、10,0 00 rpmで10分間遠心した。沈澱は70 %エタノールで洗浄して、0.5 から1 mlのd H2Oに再懸濁した。DNAの濃度は、200倍希釈で260 nmの光学濃度(10D260=50μg /ml)を測定して決定した。 これらの実験において、以下の培地及び緩衝液を用いた。M9細菌培養用培地( M9塩 10 g、カザミノ酸(水和物)10 g、M9培地添加物 10 ml、テトラサイクリ ン7.5μg/ml(15 mg/mlの保存用溶液を500μl)、アンピシリン 12.5μg/ml (10 mg/mlの保存用溶液を125μl));M9培地添加物(10 mM CaCl2,100 mM M gSO4,200μg/ml チアミン、70%グリセロール);LB培地(1.0 % NaCl,0.5 % 酵母抽出物、1.0 % トリプトン);溶液I(10 mM EDTA,pH 8.0);溶液II (0.2 M NaOH,1.0 % SDS);溶液III(2.5M KOAc,2.5M HOAc)。配列決定 サンガージデオキシヌクレオチド法によって、合成遺伝子の配列を決定した。 簡単にいうと、20から50μgの2本鎖プラスミドDNAを、0.5 M NaOHで5分間変性 させた。その後、DNAを、1/10容量の酢酸ナトリウム(pH 5.2)及び2倍容量の エタノールで沈澱させて、5分間遠心した。沈澱は70 %エタノールで洗浄して 、 1μg/μlの濃度になるように再懸濁した。4μgの鋳型DNA及び40 ngのプライ マーを、1×アニーリング緩衝液の中で、最終容量10μlでアニーリング反応を行 なった。反応液を65℃まで加熱して、37℃までゆっくり下げた。別個のチューブ で、この各反応液に、0.1 M DTTを1μl、標識混合液を2μl、dH2Oを0.75μl、 [35S]dATPを1μl(10 uCi)、及び、シーケナーゼ(Sequenase登録商標)(12 U/μl)を0.25μl加えた。この混合液5μlを、アニール化した各プライマー- 鋳型の入ったチューブに添加して室温で5分間インキュベートした。各標識反応 液について、4つのターミネーション混合液をそれぞれ2.5μlずつ、テラサキプ レートに加え、37℃で予熱した。インキュベート時間の終わりに、3.5μlの標識 反応液を4つの各ターミネーション混合液に加えた。5分後、4μlの反応停止 溶液を各反応液に加え、オーブンの中で、テラサキプレートを80℃で10分間イン キュベートした。配列決定用反応液は、5%変性ポリアクリルアミドゲルで泳動 した。アクリルアミド溶液は、200 mlの10×TBE緩衝液及び957 mlのdH2Oを、100 gのアクリルアミド:ビスアクリルアミド(29:1)に加えて調製した。38 mlの アクリルアミド溶液及び28 gの尿素とを組み合わせて、5%ポリアクリルアミド -46%尿素−1×TBEゲルを調製した。400μlの10%過硫酸アンモニウム(ammoniu m peroxodisulfate)及び60μlのTEMEDを加えて、重合を開始させた。シラン化 したガラス板及びシャークコームを用いてゲルを注入し、1×TBE緩衝液中で、60 から100ワットで2時間から4時間(読むべき領域による)泳動した。ゲルをワ ットマンのブロッティング紙に移して、80℃で約1時間乾燥させ、室温でX線に 感光させた。一般的な感光時間は12時間であった。以下の溶液を、これらの実験 で用いた。5×アニーリング緩衝液(200 mM トリスHCl,pH 7.5,100 mM MgCl2 ,250 mM NaCl);標識用混合液(7.5μM 各dCTP,dGTP,及びdTTP);ターミネ ーション混合液(80μM 各dNTP,50 mM NaCl,8μM ddNTP(各1種ずつ));反 応停止溶液(95%ホルムアミド,20 mM EDTA,0.05% ブロムフェノールブルー ,0.05% キシレンシアノール);5×TBE(0.9 M トリスホウ酸,20 mMEDTA); ポリアクリルアミド溶液(96.7 g ポリアクリルアミド,3.3 g ビスアクリルア ミド,200 ml 1×TBE,957 ml dH2O)。RNA 単離 リン酸カルシウム法で形質転換して36時間後の293T細胞、及び感染16時間後の ワクシニアに感染したヒーラ細胞から、本質的にギルマンによって開示されてい るところに従って細胞質RNAを単離した(組織培養細胞からの細胞質RNAのギルマ ン調製法(Gilman Preparation of cytoplasmic DNA from tissue culture cell s)、分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、Ausubelら編、ウィリーアンドサンズ(Wiley & Sons)、ニューヨー ク、1992)。簡潔にいえば、400μlの溶解緩衝液で細胞を溶解し、遠心によって 核を除いて、SDS及びプロテイナーゼKを、それぞれ、0.2%及び0.2 mg/mlにな るよう加えた。細胞質抽出物を37℃で20分間インキュベートし、フェノール/ク ロロフォルムで2回抽出して沈澱させた。RNAを100μlの緩衝液Iに溶解して37 ℃で20分間インキュベートした。反応液に25μlの停止緩衝液を加えて反応を停 止し、再び沈澱させた。 以下の溶液を、これらの実験で用いた。溶解緩衝液(50 mM トリス,pH8.0,1 00 mM NaCl,5 mM MgCl2,0.5% NP40を含むTRUSTEE);緩衝液I(10 mM MgCl2 ,1 mM DTT,0.5 U/μl 胎盤RNAse阻害剤,0.1 U/μl RNAse非含有DNAse Iを 含むTRUSTEE);反応停止緩衝液(50 mM EDTA,1.5M NaOAc,1.0% SDS)。スロットブロット解析 スロットブロット解析のために、10μgの細胞質RNAを50μlのdH2Oに溶解して 、150μlの10×SSC/18% ホルムアルデヒドを加えた。そして、溶解したRNAを6 5℃で15分間インキュベートして、スロットブロット装置で配置した。1.5 Kbのg p120IIIb及びsyngp120mn断片を放射性標識したプローブをハイブリダイゼーショ ンに用いた。10μlの5×オリゴ標識緩衝液、8μlの2.5 mg/ml BSA、4μlの∝[3 2 P]-dCTP(20 uCi/μl;6000 Ci/mmol)、及び5 Uのクレノウ断片を含む50μl の反応液中で、2つの各断片をランダム標識した。37℃で1時間から3時間イン キュベートした後、100μlのTRUSTEEを加えて、G50スピンカラムを用いて、取り 込まれなかった∝[32P]-dCTPを除去した。ベックマンのベータカウンタで活性を 測定し、等価の特異的活性度をハイブリダイゼーションに用いた。膜を2時間プ レハイブリダイゼーションして、ハイブリダイゼーション溶液1 ml当たり0.5×1 06cpmのプローブを用いて、42℃で12時間から24時間ハイブリダイズした。この 膜を室 温下、洗浄用緩衝液Iで2回(5分間)洗浄して、洗浄用緩衝液IIに入れて65℃ で1時間置いてからX線フィルムに感光させた。3'非翻訳領域を含むpCDM7の、1. 1 kbのNot1/Sfi1断片を用いても、同様の結果が得られた。ランダム標識したヒ トのベータ-アクチンプローブを用いた、対照のハイブリダイゼーションを平行 して行なった。マグネティック・ダイナミクス(Magnetic Dynamics)蛍光画像 機で、ハイブリダイズしたニトロセルロース膜をスキャンしてRNA発現を定量し た。 以下の溶液を、これらの実験で用いた: 5×オリゴ標識緩衝液(250 mM トリス塩酸,pH 8.0,25 mM MgCl2,5 mM β-メル カプトエタノール,2 mM dATP,2 mM dGTP,2 mM dTTP,1 M ヘペス(Hepes)pH 6.6,1 mg/ml ヘキサヌクレオチド[dNTP]6);ハイブリダイゼーション溶液( _M リン酸ナトリウム,250 mM NaCl,7% SDS,1 mM EDTA,5% 硫酸デキストラ ン,50% ホルムアミド,100μg 変性サケ精子DNA);洗浄用緩衝液I(2×SSC ,0.1% SDS);洗浄用緩衝液II(0.5× SSC,0.1% SDS);20× SSC(3 M NaCl ,0.3 M クエン酸3ナトリウム,pHを7.0に調整する)。ワクシニア組換え ワクシニア組換えには、ロメオ及びシード(Romeo and Seed,Cell,64: 1037 ,1991)によって記載された方法を改変したものを用いた。簡潔に説明すれば、 70%から90%の集密度のCV1細胞に、1μlから3μlの野生型ワクシニア保存株W R(2×108pfu/ml)を、仔ウシ血清を含まない培養培地の中で1時間感染させた 。24時間後、1枚のプレートにつき25μgのTKGプラスミドDNAを用いて、リン酸 カルシウム法によって細胞を形質転換させた。さらに24時間から48時間後、細胞 をプレートからかき取り、遠心して、1mlの容量に再懸濁した。凍結/融解のサ イクルを3回繰り返した後、トリプシンを0.05 mg/mlになるように加え、溶解 物を20分間インキュベートした。この溶解物の10、1及び0.1μlを段階希釈した ものを、12.5μg/mlのマイコフェノール酸、0.25 mg/mlのキサンチン、及び、 1.36 mg/mlのヒポキサンチンで6時間前処理した小さなプレート(6 cm)中のC V1細胞に感染させるために用いた。感染した細胞を2日から3日培養し、その後 gp120に対するモノクローナル抗体NEA9301、及びアルカリホスファターゼを結合 した二次抗体で染色した。細胞は、0.33 mg/ml NBT及び0.16 mg/ml BCIPとと もにA P-緩衝液中でインキュベートし、最後に、PBS中1%アガロースで覆った。陽性の プラークを採集し、100μlのトリスpH 9.0に再懸濁した。プラーク精製を1回反 復した。高濃度の保存液を作製するために、感染をゆっくりと拡大させた。最後 に、大きなプレート中のヒーラ細胞に、前回のウイスルの半量を感染させた。3 mlのPBS中で感染細胞を剥離し、ダウンス型(Dounce)ホモジナイザーですり潰 し、遠心によって大きな細胞残渣から分離した。VPE-8組換えワクシニア保存株 を、メリーランド州ロックビルにあるAIDS貯蔵機関(AIDS repository)から厚 意によっていただき、7.5初期/後期混合プロモーターの制御下でHIV-1 IIIB gp 120を発現させた(Earlら、J.Virol.,65:31,1991)。組換えワクシニアを用 いたすべての実験において、細胞には、感染多重度10以上で感染させた。 以下の溶液をこの工程で用いた:AP緩衝液(100 mM トリス HCl,pH9.5,100 mM NaCl,5 mM MgCl2)。細胞培養 サル腎臓癌細胞系CV1及びcos7、ヒト腎臓癌細胞系293T、ならびにヒト子宮頸 癌細胞系ヒーラをアメリカンタイプカルチャーコレクションから入手して、補足 IMDM中で維持した。これらは、10 cmの組織培養プレートに保存し、一般的には 、3日から4日置きに1:5から1:20に分けた。以下の培地を、この実験で用いた :補足IMDM(90% イスコブ(Iscove's)改変ダルベッコ培地、10% 仔ウシ血清 、鉄分を補充、30分間56℃で加熱して不活性化、0.3 mg/ml L-グルタミン、25 μg/ml ゲンタマイシン、0.5 mM β-メルカプトエタノール(5 M NaCl,0.5 ml でpHを調整した))。トランスフェクション 250μlの0.25 M CaCl2中10μgのプラスミドDNAを、同量の2×HEBS緩衝液に、 撹拌しながらゆっくりと添加することにより、293T細胞のリン酸カルシウムトラ ンスフェクションを行った。10分間から30分間、室温でインキュベートした後、 小さなプレート中で50〜70%の集密状態の細胞に、DNA沈殿物を加えた。revとの 共トランスフェクション実験において、細胞を、10μgのgp120IIIb、gp120IIIbr re、syngp120mnrreまたはrTHY-1enveg1rre、及び10μgのpCMVrevまたはCDM7プラ スミドDNAを用いてトランスフェクションした。 以下の溶液を、これらの実験で用いた:2×HEBS緩衝液(280 mM NaCl,10 mM KCl,1.5 mM 濾過滅菌);0.25 mM CaCl2(オートクレーブしたもの)。免疫沈降 48時間から60時間後、培地を交換して、200μCiの35Sトランス標識を含む、Cy s/Met除去培地で、さらに12時間細胞をインキュベートした。上清を回収して、 残渣を取り除くために3000 rpmで15分間遠心分離した。プロテアーゼ阻害剤のロ イペプチン、アプロチニン及びPMSFを、それぞれ2.5μg/ml、50μg/ml、100μ g/mlずつ添加した後、1mlの上清を、回転装置上、4℃で12時間、10μlの充填 されたプロテインAセファロースのみとインキュベートする(rTHY-1enveg1rre) か、または、プロテインAセファロース及び3μgの精製CD4/免疫グロブリン融合 蛋白質(ベーリング(Behring)社の厚意により提供された)とインキュベート した(すべてのgp120構築物)。その後、プロテインAビーズを5分から15分間ず つ5回洗浄した。最後の洗浄後、10μlのローディング緩衝液を加え、試料を3 分間煮沸して、7%(すべてのgp120構築物)または10%(rTHY-1enveg1rre)の SDSポリアクリルアミドゲルに載せた(溶解用トリスpH 8.8緩衝液、スタッキン グゲル用トリスpH 6.8緩衝液、トリスーグリシン泳動用緩衝液、Maniatisら、19 89)。10%酢酸及び10%メタノール中でゲルを固定して、アンプリファイ(Ampl ify)とともに20分間インキュベートし、乾燥させてから12時間感光させた。 以下の緩衝液及び溶液を、この実験で用いた:洗浄用緩衝液(100 mM トリス ,pH 7.5,150 mM NaCl,5 mM CaCl2,1% NP-40);5×泳動用緩衝液(125 mM トリス,1.25 M グリシン,0.5% SDS);ローディング緩衝液(10%グリセロー ル、4% SDS,4% β-メルカプトエタノール,0.02% ブロムフェノールブルー )。免疫蛍光法 293T細胞をリン酸カルシウム共沈澱によって形質転換させ、3日後、表面THY- 1発現について解析した。1 mM EDTA/PBSで剥離した後、1:250の希釈率、4℃で 20分間、モノクローナル抗体OX-7で細胞を染色し、PBSで洗浄してから、1:500に 希釈した、FITC結合ヤギ抗マウス免疫グロブリン抗血清とともにインキュベート した。細胞を再び洗浄して、0.5 mlの固定液に再懸濁して、EPICS XL細胞蛍光定 量器(Coulter社)で解析した。 以下の溶液を、この実験で用いた: PBS(137 mM NaCl,2.7 mM KCl,4.3 mM Na2HPO4,1.4 mM KH2PO4,pHを7.4に調 整した);固定液(2%ホルムアルデヒド含有PBS)。ELISA CD4で覆われたELISA用プレート及びヤギ抗gp120抗血清を用いて、培養上清中 のgp120の濃度を可溶相で測定した。リン酸カルシウムで形質転換された293T細 胞の上清を4日後に回収して、残渣を取り除くために3000 rpmで10分間遠心分離 し、プレート上、4℃で12時間インキュベートした。PBSで6回洗浄した後、1:2 00に希釈したヤギ抗gp120抗血清を100μl加えて、2時間置いた。プレートを再 び洗浄して、ペルオキシダーゼを結合したウサギ抗ヤギIgG抗血清1:1000で2時 間インキュベートした。次に、プレートを洗浄してから、クエン酸ナトリウム緩 衝液中2mg/mlのo-フェニレンジアミンを含む基質液100μlとともに30分間イン キュベートした。最後に、100μlの4M硫酸で反応を停止させた。コウルター・ マイクロプレート読み取り器(Coulter microplate reader)を用いて490nmでプ レートを読み取った。精製した、組換えgp120IIIbを対照として用いた。以下の 緩衝液及び溶液を、この実験で用いた。洗浄用緩衝液(0.1% NP40含有PBS); 基質溶液(2 mg/mlのo-フェニレンジアミン含有クエン酸ナトリウム緩衝液)。緑色蛍光蛋白質 gp120のコドン置換の効果によって、選択されないコドンを、選択されにくい コドンまたは選択されやすいコドンで置換する(および、選択されにくいコドン を選択されやすいコドンで置換する)と、哺乳動物の細胞の中で、例えば、真核 生物の別の蛋白質など、他の蛋白質の発現が増加することが示唆される。 クラゲ、アエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)の緑色蛍光蛋白質 (GFP)(ウォード(Ward)、Photochem.Photobiol.4:1,1979; プラシャーら (Prasher et al.)Gene 111:229,1992; コーディら(Cody et al.)、Biochem .32:1212,1993)は、トランスフェクションおよび系譜的研究のためのマーカ ーまたはレポーター遺伝子として利用できる可能性があるため(シャルフィーら (Chalfie et al.)、Science 263:802,1994)、最近注目されている。 GFPの本来のコーディング配列から構築されたコドン使用表を調べたところ、G FPのコドンの三番目の位置には、AまたはUのいずれかが選択されやすいことが分 かった。この場合の偏りは、gp120における偏りほど、Aに偏るということはない が、実質的なものである。gp120に対して行われたと同じようにして、天然のGFP 配列を再設計した合成遺伝子を作出した。さらに、GFPの翻訳開始配列は、翻訳 開始コンセンサスに相当する配列で置き換えた。この結果できた蛋白質の発現を 、同じように、最適な翻訳開始コンセンサスを有するように操作された野生型配 列の発現と比較した(図10パネルBおよび図10パネルC)。さらに、490 nm におけるGFPの励起効果を高め、それによって、蛍光顕微鏡には好ましいことが 報告されている(ハイムら(Heim et al.)、Nature 373:663,1995)、Ser65→ Thrの突然変異を包含させることの効果も調べた(図10パネルD)。コドンの 操作は、発現効率を(同時に、トランスフェクションについて明らかに陽性の細 胞の割合も)有意に上昇させ、また、Ser65→Thrの突然変異とコドンの最適化と を組み合わせたところ、非常によく観察できる哺乳動物マーカー蛋白質をコード するDNAセグメント分節が生じた(図10パネルD)。 上記の合成緑色蛍光蛋白質をコードする配列は、gp120を、それぞれ約120塩基 対の断片6個を集めて作ったのと同じように、制限酵素BsaIとBbsIがそれらの認 識配列の外側で切断できることに基づいた組み立て法を用いて組み立てられた。 一方の末端がEcoRIとBsaIをコードし、もう一方の末端がBamHIとBbsIをコードす る隣接配列の間にGFPのコーディング配列の一部を含む、長いオリゴヌクレオチ ドを合成した。したがって、各オリゴヌクレオチドは、EcoRI/BsaI/GFP断片/ BbsI/BamHIという構成になっている。BsaIおよびBbsI部位によって作出される 制限酵素部位末端は、親和的な末端を作り出して、隣り合うGFP断片を結合させ るために用いることができるように設計された。親和性末端は、それぞれユニー クで、自己相補的にならないように設計された。未完成の合成DNAセグメントをP CRによって増幅し、pUC9のEcoRIとBamHIとの間に挿入し、配列を決定した。それ に続いて、BsaIおよびBbsIで調製した挿入断片を用いて、6個の断片をライゲー ションして、完全なコーディング配列を組み立てた。このライケーションの結果 できた6個のプラスミドのうち2個が、正しいサイズの挿入配列を持っており、 1個が所望の全長配列を含んでいた。Ser65からThrの突然変異は、合成GFPに1 個しかな いBssSI部位に重なるプライマーを用いた、PCRに基づく標準的な突然変異誘発法 によって行われた。哺乳動物細胞における発現向上法としてのコドンの最適化 本明細書に示されたデータから、コーディング配列の再操作は、哺乳動物細胞 において、哺乳動物の遺伝子および非哺乳動物の真核生物の遺伝子の発現を増強 するために、一般的に用いることができることが示唆される。本明細書において 、HIVのgp120、ラットの細胞表面抗原Thy-1、およびアエクオレア・ビクトリア (Aequorea victoria)由来の緑色蛍光蛋白質という、3種類の無関係な蛋白質 で得られた結果から、コドンの最適化が、哺乳動物細胞における、真核生物の広 く多様な遺伝子の発現を増強させるための実り多い方法であることが示唆される 。用途 本発明の合成遺伝子は、細胞培養液中の哺乳動物細胞において通常発現する蛋 白質を発現させるのに有用である(例えば、hGH、TPA、第VII因子、及び第IX因 子などのヒト蛋白質の商業的生産のため)。また、本発明の合成遺伝子は、遺伝 子治療にも有用である。 天然のGFP遺伝子またはその他のレポーター遺伝子を用いることができる応用 面において、合成GFP遺伝子を用いることができる。天然のGFP遺伝子のコドンよ りも選択されやすいコドンを用いた合成GFP遺伝子が、非常に感度の高いレポー ターシステムの基礎となりうる。このようなシステムは、例えば、特定のプロモ ーター要素またはトランス作用因子の、遺伝子発現に対する効果を解析するため に用いることができる。したがって、例えば、β-ガラクトシダーゼなど、その 他のレポーター遺伝子が用いられているのとほとんど同じ方法で、合成GFP遺伝 子を用いることができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年4月16日 【補正内容】 ーヨーク」、「オールド(Old),R.W.ら、遺伝子操作の原理:遺伝子工学への手 引き(Principles of Gene Mnipulation:An Introduction to Genetic Engineer ing)、第2版、カリフォルニア大学出版(University of California Press) 発行、カリフォルニア州バークレイ(1981)」、「マニアティス(Maniatis),T .ら、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Mannual)、第2版、コールドスプリングハーバーラボラトリー(Cold Spring H arbor Laboatory)発行、ニューヨーク州ニューヨーク(1989)」及び、「分子 生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、オー スベル(Ausubel)ら、ウイリー出版(Wiley Press)、ニューヨーク州ニューヨ ーク(1992)」である。 詳細な説明 図面の説明 図1A〜Dは、高レベルで発現するヒト遺伝子に見られるコドンで置換されたコ ドンを有する、合成gp120遺伝子および合成gp160遺伝子の配列を示す。 図2は、合成gp120(HIV-1 MN)遺伝子の概略図である。v1からv5の影を付け た部分は、超可変領域を示す。黒塗りの部分はCD4結合部位を示す。特有の制限 酵素部位の一部、すなわちH(Hind3)、Nh(Nhe1)、P(pst1)、Na(Nae1)、M (Mlu1)、R(EcoR1)、A(Age1)、及びNo(Not1)が示されている。PCRの鋳型 に用いた、化学合成されたDNA断片を、増幅のために用いられたプライマーの位 置とともに、gp120配列の下部に示す。 図3は、gp120の発現を測定するために用いられた一過性形質転換解析の結果 を示した写真である。HIV-1のIIIB株によってコードされるgp120(gp120IIIb) 、MN株によってコードされるgp120(gp120mn)、内因性リーダーペプチドを、CD 5抗原のリーダーペプチドで置換して改変したMN株によってコードされるgp120( gp120mnCD5L)、または、ヒトCD5リーダーを有するMN変異体をコードする化学合 成遺伝子によってコードされるgp120(snygp120mn)を発現するプラスミドで形 質転換した293T細胞の培養上清を免疫沈降したものをゲル電気泳動したものであ る。標識して12時間後、形質転換して60時間後に上清を回収して、CD4:IgG1融合 蛋白質及びプロテインAセファロースで免疫沈降した。 【図1】 【図1】 【図1】 【図1】 【図2】 【図4】 【図3】 【図5】 【図6】 【図7】 【図8】 【図9】 【図10】 【図11】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.真核細胞で通常発現する蛋白質をコードする合成遺伝子であって、該蛋白 質をコードする天然の遺伝子中の好ましくないコドンまたは比較的好ましくない コドンの少なくとも1個が、同じアミノ酸をコードする好ましいコドンで置換さ れた合成遺伝子。 2.同一条件下のインビトロ哺乳動物細胞培養系において天然遺伝子によって 発現されるレベルの少なくとも110%のレベルで真核生物蛋白質を発現させるこ とができる、請求項1記載の合成遺伝子。 3.同一条件下のインビトロ細胞培養系において天然遺伝子によって発現され るレベルの少なくとも150%のレベルで真核生物蛋白質を発現させることができ る、請求項1記載の合成遺伝子。 4.同一条件下のインビトロ細胞培養系において天然遺伝子によって発現され るレベルの少なくとも200%のレベルで真核生物蛋白質を発現させることができ る、請求項1記載の合成遺伝子。 5.同一条件下のインビトロ細胞培養系において天然遺伝子によって発現され るレベルの少なくとも500%のレベルで真核生物蛋白質を発現させることができ る、請求項1記載の合成遺伝子。 6.同一条件下のインビトロ細胞培養系において天然遺伝子によって発現され るレベルの少なくとも10倍のレベルで真核生物蛋白質を発現させることができる 、請求項1記載の合成遺伝子。 7.天然遺伝子におけるコドンの少なくとも10%が好ましくないコドンである 、請求項1記載の合成遺伝子。 8.天然遺伝子におけるコドンの少なくとも50%が好ましくないコドンである 、請求項1記載の合成遺伝子。 9.天然遺伝子に存在する好ましくないコドンおよび比較的好ましくないコド ンの少なくとも50%が好ましいコドンで置換されている、請求項1記載の合成遺 伝子。 10.天然遺伝子に存在する好ましくないコドンおよび比較的好ましくないコド ンの少なくとも90%が好ましいコドンで置換されている、請求項1記載の合成遺 伝子。 11.蛋白質が緑色蛍光蛋白質である、請求項1記載の合成遺伝子。 12.通常は真核生物細胞によって発現される蛋白質をコードする合成遺伝子を 調製する方法であって、該蛋白質をコードする天然の遺伝子における好ましくな いコドンおよび比較的好ましくないコドンを同定し、1つ又は複数の該好ましく ないコドンおよび比較的好ましくないコドンを置換コドンとして同じアミノ酸を コードする好ましいコドンで置換することを含む、方法。
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