JPH11503162A - 環状エステルを製造かつ精製する方法 - Google Patents

環状エステルを製造かつ精製する方法

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JPH11503162A JP8530411A JP53041196A JPH11503162A JP H11503162 A JPH11503162 A JP H11503162A JP 8530411 A JP8530411 A JP 8530411A JP 53041196 A JP53041196 A JP 53041196A JP H11503162 A JPH11503162 A JP H11503162A
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Abstract

(57)【要約】 環状エステルの製造および精製の方法を提供するが、この精製は組成物を含有する環状エステルへの水性溶媒の導入および二相を形成させることを包含する。第一相は環状エステルおよびいかなる有機溶媒をも含み、第二相は水性溶媒および不純物を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 環状エステルを製造かつ精製する方法 発明の分野 本発明は、環状エステルの製造、回収および精製の方法、ならびに環状エステ ル組成物に関する。特定の実施態様では、本発明は、ラクチドおよびラクチド組 成物の製造、回収および精製に関する。 発明の背景 環状エステルは様々な用途に役立つ。例えば、ヒドロキシカルボン酸から誘導 された環状エステルは、環境により生物分解され得るプラスチック材料の調製の 際に、また医学的用途に用いたときに再吸収するプラスチック材料に役立つ。特 に役立つのは、α−ヒドロキシカルボン酸、例えば乳酸から誘導される重合体で あるが、それは、最も環境的な条件下で、それらが加水分解によって経時的に分 解され得るからである。その結果生じるヒドロキシ酸単位(例えば乳酸)または そのオリゴマーは、次いで、環境中の微生物に容易に吸収され、好気的に二酸化 炭素と水とにか、または嫌気的に二酸化炭素とメタンとに転換される。 環状エステル、例えばヒドロキシカルボン酸の環状エステルは、多数の機序を 通じて製造することができる;しかし、そのような環状エステル生成物は、代表 的には、多種類の望ましくない不純物を含有する。そのような不純物は、生成物 中の環状エステルを分解して、生成された環状エステルの短い貯蔵寿命を招くこ とがある。例えば、環状エステル組成物中の遊離酸と水とは、環状エステル結合 の加水分解を伝搬して、環状エステルを元のヒドロキシカルボン酸その他の分解 産物へと分解することがある。加えて、環状エステル組成物中の不純物は、環状 エステルの重合速度と分子量との双方に干渉し、そのため、望ましい、より高分 子量の重合生成物の形成を阻害することがある。したがって、化合物を分解する か、またはその後の化学反応、例えば高分子量重合体への環状エステルの重合に 干渉する不純物を実質的に含まない、実質的に純粋な環状エステルを得る必要性 が存在する。 合成された環状エステル組成物を精製するためのいくつかの方法が公知である 。そのような方法は、溶媒結晶化、溶媒スクラビング、溶媒抽出、蒸留、溶融結 晶化および昇華を包含する。制御された研究室条件では十分な結果が得られるも のの、多くの方法は、複雑であるか、操作のパラメータが非実用的であるため、 商業的規模で操作するのが困難である。加えて、そのような方法は、高いエネル ギーコスト、高い装置コストまたは高い試薬コストを要することがある。その上 、これらの方法を商業的規模で実施するための機械類が入手できない可能性があ る。 その他の方法は、それが滞留時間や温度に方法の制約があるため、精製しよう とする環状エステルが分解して、低劣な純度を招く可能性があるために商業的に 許容され得ない。さらに、低い収率を与えて、経済的に不適切にする方法もある 。 したがって、環状エステルを精製するための、廉価で、信頼できる方法に対す る必要性が存在する。特に、高分子量重合体を製造するのに十分な純度の環状エ ステルを得る方法に対する必要性が存在する。その上、環状エステルのすべての 異性体型の回収を可能にする、環状エステルの精製方法に対する必要性が存在す る。 発明の概要 本発明は、(a)有機溶媒と、単一のヒドロキシカルボン酸、またはそのエス テル、塩もしくはアミド、およびそれらのオリゴマー種よりなる群から選ばれる 化合物とを含む原料流を与える工程と;(b)該原料流から水を除去して、環状 エステルを含む生成物流を形成し、ここで、該生成物流中の五量体、およびより 高重合度のオリゴマーの濃度が、工程中の反応混合物の約20重量%未満である 工程と;(c)該生成物流に水性溶媒を導入し、該生成物流を、環状エステルを 含む第一相と、該水性溶媒および不純物を含む第二相とに分離させる工程とによ って、環状エステルを生成する方法に関する。 別の実施態様では、本発明は、環状エステル、有機溶媒および不純物を含む組 成物中の環状エステルの精製の方法に関する。該方法は、水性溶媒を該組成物に 導入し、その後、該組成物を、該環状エステルおよび有機溶媒を含む第一相と、 該水性溶媒および不純物を含む第二相とに分離させる工程を包含する。一実施態 様では、組成物に導入する水性溶媒の量は、有機溶媒中の水の相互溶解度の限界 を、組成物の重量に対して約3%未満上回る。別の実施態様では、組成物に導入 する水性溶媒の量は、組成物中のXAのオリゴマー種の加水分解を実施するのに 必要な量未満である。 本発明のさらに一つの実施態様は、環状エステル、有機溶媒および不純物を含 む組成物中の環状エステルを精製する方法を包含する。この方法は、水性溶媒を 該組成物に導入し、組成物を、該環状エステルおよび有機溶媒を含む第一相と、 該水性溶媒および不純物を含む第二相とに分離させる工程を包含する。さらに、 該方法は、第一相に不純物を除去するための第一吸着剤と接触させる工程を包含 する。 本発明の様々な実施態様は、効率的に統合できる方法を与えることによって、 環状エステルの効果的な製造、回収および精製を可能にする。例えば、水を援用 する分離精製工程は、環状エステル製造溶媒の、より幅広い選択を上流で用いる のを可能にするばかりでなく、その後の精製工程での除去すべき不純物の負担量 を軽減する。 図面の簡単な説明 図1は、統合された環状エステル製造および精製法の一実施態様の流れ図であ り;そして 図2は、統合された環状エステル製造および精製法の別の実施態様の流れ図で ある。 好適な実施態様の詳細な説明 本発明は、環状エステルの製造および精製に役立つ。そのような化合物は、重 合体の製造に役立つ。例えば、ラクチドのような環状エステルは、ポリ乳酸の製 造に役立つ。特に、本発明は、環状エステルを分解するか、または高分子量重合 体への環状エステルの重合に干渉することがある不純物を実質的に含まない、環 状エステルの製造および精製に関する。 本発明の方法は、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒ ドロキシカルボン酸塩またはヒドロキシカルボン酸アミドから誘導される環状エ ステルの製造および精製を含む。用語「誘導される」は、これらの成分、または これらの成分の生成物が反応物である反応によって製造される環状エステルを意 味する。環状エステルは、いかなる2種類のヒドロキシカルボン酸、それらのエ ステル、塩またはアミドから形成されるエステルの、環状ジエステルへの転換に よっても形成することができる。環状エステルは、分子内エステルまたは環状モ ノエステル、例えばラクトンであることもできる。本明細書では、環状エステル をXDと呼ぶ。X1Aは、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸エステ ル、ヒドロキシカルボン酸塩またはヒドロキシカルボン酸アミドを表す。X2A は、X1A分子の直鎖二量体分子を表す。X3AはX1A分子の直鎖三量体分子を 表し、XnAはX1A分子の直鎖n量体分子を表す。下付き文字なしのXAは、X1 A、X2A、X3AおよびX4Aのうち1種類もしくはそれ以上、またはこれらの 種を含有する溶液を意味する。XがLで置換されているときは、乳酸に基づく対 応する化合物の意味であることが理解されるものと思われる。例えば、LAは、 L1A、L2A、L3AおよびL4Aを包含する、乳酸に基づく混合物を表し、LD は、乳酸の環状二量体、例えばラクチドを表す。 本発明の環状エステルは、上記のこれらの化合物を包含する。環状エステルの 製造に好適なX1A種は、下記の酸、および対応するそれらのエステル、塩また はアミドを包含するが、それらに限られない:乳酸、グリコール酸、酒石酸、マ ンデル酸、リンゴ酸、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸、2−ヒ ドロキシ−2−(2−テトラヒドロフラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2− (2−フラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン酸、2− ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、 2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシカプロン 酸、2−ヒドロキシオクタン酸、およびそれらの混合物。 本発明の特定の環状エステル製造法を、より詳細に下記に説明する。しかし、 そのような製造法は、米国特許第5,319,107号明細書に記載されたような、X2A 種からの環状エステルの直接的形成による環状エステルの製造であることができ る。これに代えて、環状エステルの製造は、他の公知の方法、例えば、低分子量 の直鎖エステルの解重合、またはカルボン酸のα−ハロゲン塩の反応による合成 によることもできる。環状エステルの精製 吸着処理 本発明は、環状エステルを含有する原材料からの不純物の除去を包含する。そ のような不純物は、例えば:水、XA(例えば遊離酸)、金属イオン、鉱酸、環 状エステル合成の触媒および付随する触媒分解産物、ならびにギ酸、酢酸、プロ ピオン酸、酪酸、エタノールおよびブタノールのような、代表的な発酵の酸およ びアルコールを包含するが、それらはすべて、環状エステルの分解に寄与するか 、または有用な高分子量重合体への環状エステルのその後の重合に干渉すること がある。 原材料は、環状エステルが良好な溶解度を有するが、例えば環状エステルに反 応性であることによって、環状エステルを分解することのない溶媒を含むことも できる。そのような溶媒は、下記の環状エステル製造および回収に用いられる溶 媒を包含する。そのような溶媒の例は、キシレン、トルエン、ベンゼン、アニソ ール、メチルイソブチルケトン(MI BK)、イソプロピルエーテル、およびそ れらの混合物を包含するが、それらに限られず、好適な溶媒はキシレンを含む。 環状エステルに反応性であるために好適でない溶媒は、アルコール、有機酸、ア ルコールを含むエステルやエーテル、過酸化物および/または酸の不純物、安定 的なエノール形を有するケトンおよびアルデヒド、ならびにアミンを包含する。 環状エステルの原材料、不純物および溶媒の相対的濃度は、環状エステルの製 造に用いられる方法に依存する。X2Aからの環状エステルの直接的合成につい て代表的には、原材料は、約0.5〜約10重量%の環状エステル、約10重量 %未満の不純物、および約80〜約99重量%の溶媒を含有することになる。一 般 に、不純物は、約1重量%未満の水、および約10重量%未満のヒドロキシカル ボン酸、ならびにそのエステル、塩およびアミドを含む。 本発明の精製法では、原材料を吸着工程に付すが、ここでは、原材料中の少な くとも1種類の不純物を吸着剤によって原材料から吸着し、それによって原材料 の環状エステル成分を濃縮かつ精製する。用語「吸着」は、原材料中の不純物と 吸着剤との間の引力または相互作用を意味する。好ましくは、不純物と吸着剤と の間のこの引力または相互作用は、可逆的である非共有結合引力である。そのよ うな引力は、例えば、イオン交換樹脂による分子種の捕捉の際のような、吸着剤 と不純物との間の電荷の相違、または電荷分布の相違に基づくことができる。こ の定義に包含されるのは、吸着剤の表面上または構造内で、荷電種が可逆的に交 換されるイオン交換の概念である。下記にさらに詳細に考察するとおり、本発明 の方法では、精製環状エステルを含有する得られた精製溶液を、次いで吸着後処 理によって処理して、例えば環状エステルを固体形態で回収するか、または、例 えば重合によって環状エステルを直接用いる。 本発明に用いるのに適した吸着剤は、イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ、 アルミナ、シリカゲル、活性炭、粘土その他の、当技術に公知の吸着剤を包含す る。好適な吸着剤は、イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ、シリカゲル、活性 炭および粘土であり、特に好適な吸着剤は、イオン交換樹脂およびモレキュラー シーブを包含する。 特定の方法に特異的な吸着剤の選択は、原材料から除去しようとする不純物の 種類に依存する。例えば、不純物がXAの酸ならば、一般に、強弱いずれかの陰 イオン交換樹脂と接触させることによって、不純物を原材料から除去するのが望 ましい。しかし、好ましくは、XAのような酸の不純物を原材料から除去するに は、弱い陰イオン交換樹脂を用いるのが望ましい。弱い陰イオン交換樹脂は、樹 脂の比較的容易な再生も許しつつ、許容され得る不純物除去率を達成することが できる。例えば、商業的に入手できる適切な弱い陰イオン交換樹脂は、Reilly I ndustrics,Inc.,Indianapolis,IndianaがREILLEX(登録商標)425という製品 名 で、また Rohm and Haas,Philadelphia,PennsylvaniaがAMBERLYST(登録商標 )A-21という製品名で販売している。REILLEX(登録商標)425は、マクロレティ キュラービーズ形態の架橋結合させたポリ4−ビニルピリジンである。AMBERLYS T(登録商標)A-21は、第三級アミンの官能基を有するジビニルベンゼン−スチ レン基材の樹脂である。 不純物としての水を原材料から除去するには、モレキュラーシーブ、アルミナ およびシリカゲルよりなる群から選ばれる吸着剤に、最も好ましくはモレキュラ ーシーブに、原材料を接触させることができる。本明細書で用いられる限りで、 用語「モレキュラーシーブ」は、不純物の吸着を促進し、環状エステルの吸着を 除外する構造的特徴を有する吸着剤を意味する。 不純物としてのXAのアミドの除去には、一般に、錯化樹脂を用いるのが望ま しい。不純物としてのXAの塩の除去には、一般に、強い陰イオン交換樹脂を用 いるのが望ましい。 不純物としてのアルコールの除去には、一般に、モレキュラーシーブまたはイ オン交換樹脂を用いるのが望ましい。これらの吸着剤は、原料中のXAおよびH2 Oのようなより極性である不純物に対してより強い親和性を有するため、一般 に、アルコール吸着処理以前にこれらのより極性である不純物を原料から除去す るのが望ましい。これらのより極性である不純物の除去は、より低い親和性のア ルコールが、原料中のより極性である高親和性不純物と競合する必要もなく、こ れらの材料に吸着するのを可能にし、こうして、これらのアルコール吸着剤の容 量を増大させる。 原料流を吸着剤に接触させる工程は、許容され得る吸着率が生じるような適切 ないかなる温度でも実施することができる。好ましくは、原料流の温度は、約0 〜約100℃、より好ましくは約25〜約45℃である。 本発明の吸着工程の好適な実施態様では、原材料を第一の吸着に付して第一不 純物を除去し、次いで、第二の吸着に付して第二不純物を除去する。場合により 、追加の吸着工程を実施することができる。次いで、精製された環状エステル含 有 原材料を、吸着後処理に付して、下記のとおり環状エステルを回収する。そのよ うな多工程の吸着工程の利用は、原材料からの多種類の不純物の除去を与えるた め、本発明に特に役立つ。例えば、第一の吸着を、XAのような不純物を原材料 から除去するために実施し、第二の吸着を、水を原材料から除去するために実施 することができ、またはその逆も可能である。第三の吸着は、例えば、存在する ならばアルコールを除去するために、場合により実施することができる。さらに 、第四の吸着を、例えば、存在するならば有色体を除去するために、場合により 実施することができる。多工程吸着の場合、工程は、望ましいいかなる順序でで も実施することができる。 好適な実施態様では、本発明に用いるのに適した吸着剤は、約100℃以上、 より好ましくは約130℃以上の温度で熱安定性である。用語「熱安定性」は、 吸着剤が、高温に晒されたときに、正常な吸着操作温度への復帰に際して不純物 を吸着するその容量を保持できる能力を意味する。例えば、REILLEX(登録商標 )425は、約100℃未満の温度で不純物を吸着するのに用いてよいが、約26 0℃までの温度で熱的に安定である。したがって、そのような樹脂は、正常な操 作温度での吸着後に、上昇させた温度で樹脂を再生する精製工程に特に役立つ。 本発明の好適な吸着剤は、原材料中の環状エステルを分解しない吸着剤を包含 する。例えば、本発明の方法は、好ましくは環状エステルの約25重量%未満、 より好ましくは約10重量%未満、最も好ましくは約5重量%未満の吸着剤との 接触によって分解されるような吸着剤を用い、かつそのような条件下で実施する 。この点で、イオン交換樹脂のような吸着剤は、環状エステルを分解し得るアル ミナのような吸着剤より好ましい。 本発明の吸着工程は、当技術に公知のとおりの充填カラムまたは層を用いる固 定化吸着剤のような、様々な装置を用いて実施することができる。これらの形式 の反応系のいくつかの例は:移動層、模倣移動層、二カラム配置および三カラム 配置である。加えて、吸着剤の材料と原材料とから形成したスラリーであるよう な、原材料中に散在する吸着剤を用いることも可能である。 本発明の精製法の吸着操作は、回分または連続のいずれの方式でも実施できる 。しかし、そのような吸着方法は、連続的に操作するのが好ましい。 本発明のさらなる実施態様では、吸着処理は、主たる結晶化精製工程以前の蒸 発によって生成された蒸発溶媒流の吸着処理を包含できる。例えば、溶媒結晶化 をはじめとする、様々な結晶法によって、環状エステルを精製できることが公知 である。慣用の溶媒結晶法の前に、不純物および溶媒を追加的に含む環状エステ ル含有生成物流を、溶媒の一部を蒸発させることによって濃縮することができる 。そのような場合、形成された蒸発溶媒は、そのために、少量の環状エステルお よび不純物を含む。こうして、蒸発溶媒流を、本明細書で幅広く説明したとおり の吸着処理によって、他の単位操作における蒸発溶媒流の再利用以前に精製する ことができる。例えば、蒸発溶媒流を一つまたはそれ以上の吸着工程、例えば酸 吸着工程や水吸着工程に付して、酸や水の不純物を除去することができる。得ら れる溶媒流は、吸着工程によって除去されない溶媒、および残留環状エステルを 含むと思われる。次いで、そのような流れは、回収工程全体におけるその他の操 作で再利用することができる。例えば、そのような溶媒流は、溶媒の最初の蒸発 から得られる濃縮環状エステル組成物の溶媒結晶化法の溶媒として用いることが できる。そのような結晶化は、多工程再結晶法であることができる。 溶媒結晶化から得られる溶媒は、環状エステルの回収および精製工程全体での 他の点へとさらに再循環させることができる。例えば、不純物および環状エステ ルを含むと思われるそのような溶媒流は、環状エステル含有生成物流の濃縮以前 の液−液相分離工程へと再循環させることができる。吸着後処理 上記のとおり、吸着による精製に続いて、様々な吸着後処理を用いて、環状エ ステルを何らかの固体形態で回収するか、または環状エステルを直接合成するか のいずれかができる。回収工程は、当技術に公知のその他のものの中でもとりわ け、濃縮工程、乾燥工程、およびさらに精製することを包含する。 回収の一実施態様では、環状エステルを粉末形態で回収するための精製原材料 のスプレー乾燥によって、環状エステルを回収することができる。スプレー乾燥 は、好ましくは乾燥した不活性の、乾燥気体を用いる向流流れに精製原材料を噴 霧して、精製原材料から溶媒を留去することを含む。代表的には、スプレー乾燥 は高温で実施する。スプレー乾燥は、包装して販売することができ、かつ重合体 材料の製造などに用いるのに適した粉末の製造に帰着する。 別の吸着後処理では、精製された原材料を、例えば蒸発装置を用いて、濃縮す ることができる。例えば、精製原材料を、溶媒が留去される蒸発装置ユニットに 最初に通過させることができる。好適実施態様では、十分な溶媒が留去される結 果、残留環状エステル混合物は、約1〜約80重量%、より好ましくは約5〜約 50重量%、はるかに好ましくは約15〜約30重量%の溶媒を含む。濃縮の際 に除去された溶媒は、例えば、例えば環状エステルの製造以前のX1Aの回収を はじめとする、工程全体での他の工程へと戻すか、酸吸着ユニットのために流体 を再生するか、または下記にさらに詳細に説明するような環状エステル製造操作 へと直接戻すように、再循環させ得ることに留意しなければならない。そのよう な溶媒は、その後の回収または精製操作、例えば溶媒結晶化に用いるために送り 出すこともできる。蒸発装置ユニットから出た後、環状エステルを含有する流れ は、追加の回収または精製操作の前に冷却することができる。 濃縮後は、濃縮、精製した原材料を、直接重合させるか、または最終生成物と して乾燥することができる。濃縮環状エステル材料の乾燥のこの実施態様では、 濃縮原材料は、場合により、乾燥以前にさらに精製することができる。乾燥は、 多数の方法、例えば、上記に考察した濃縮された精製原材料のスプレー乾燥によ って達成できる。さらに、濃縮環状エステルを噴射造粒することができる。噴射 造粒(prilling)とは、固体材料をペレット化する方法であって、材料を融解し、 溶融した材料を噴霧し、それによって材料の小滴が固化する方法を意味する。 噴射造粒は、基本的に溶媒を含まない溶融した精製原材料を、好ましくは乾燥 した不活性の冷却気体を用いる向流流れに噴霧して、精製原材料を冷却かつ固化 することを含む。代表的には、噴射造粒は環境温度付近で実施する。噴射造粒に より、包装して販売することができる重合体材料の製造などに用いるのに適した ビーズの製造が行われる。 特筆したとおり、乾燥する前に、例えば溶媒冷却結晶化、溶媒蒸発結晶化、溶 融結晶化、蒸留、またはそれらの併用によって、回収環状エステルの精製をさら に実施することができる。これらの方法はすべて、望みの環状エステル種が優先 的に相変化を受け、不純な原料から取り出されるため、正の精製工程として分類 される。逆に、上記に考察した吸着に基づく精製は、不純な原料から特定の不純 物を除去するため、負の精製工程として分類される。負の精製工程は、不純物、 例えば酸、水およびアルコールのレベルを非常に低いレベルにまで到達させ得る が、正の精製工程を用いないならば、他の望ましくない種が吸着工程を通過し、 環状エステル製品中に結局残り得る可能性がある。例えば、工業規格の溶媒、例 えばキシレン中に普通に見出されるろうのような残渣は、吸着処理によっては除 去されないと思われる。吸着後処理が、蒸発およびスプレー乾燥または噴射造粒 のみよりなるにすぎないならば、これらのろう様残渣は、重合に用いられる環状 エステル製品中に結局残るものと思われる。この特定の混入物は、重合速度や結 果的な分子量に影響することはないとされるが、ともに商業的には重要である環 状エステル製品のアッセイ値や外見には確かに否定的に影響する。別の例として 、発酵に基づく方法から得られるXAは、代表的には、低レベルのあまり明確に 定義されない混入物を含むことになり、それらも吸着精製の工程を通過できると 思われる。これらの理由で、これらの正の精製工程の一つを吸着後処理工程に含 ませるのが望ましいことが多い。 吸着後精製処理の工程以前に吸着工程を用いるについては、いくつかの利点が ある。例えば、吸着後結晶化の場合、通常、低レベルの不純物を有する溶液に対 して結晶化を実施したときに、結晶の大きさが増大するため、より大きい結晶を 形成することができる。大きい結晶は、取扱いがより容易であり、より低い表面 積対体積比を有し、一般に、環状エステル製品の潜在的顧客には、より好ましい とされる。別の例としては、正の精製工程以前の吸着によってXAおよび水を除 去することによって、吸着後処理の際に、環状エステル製品の著しい分解なしに 、より高温での処理を用いることができる。そのため、例えば、噴射造粒や蒸留 のような高温処理工程を、顕著なXAまたは水が存在する場合より少ない分解で 用いることができる。正の精製型の吸着後処理工程に関する下記の考察は、上昇 するレベルの高温処理によって要請される。 一実施態様では、濃縮された原材料を溶媒結晶化して、精製されたケークを形 成し、次いで、さらに乾燥して、残留溶媒を除去する。溶媒冷却と溶媒蒸発結晶 化との双方に用い得る装置の構成は、非常に多い。当技術に精通した者は、与え られた用途に適切である構成を選ぶことができると思われる。 溶媒結晶化で用いられる溶媒は、結晶化工程の際に数多くの機能を果たす。溶 媒の使用によって、溶媒が全く存在しない場合より低い温度で結晶化を実施する ことができる。加えて、溶媒の存在は、系の粘性を低下させ、それによって材料 の取扱いや圧送を容易にし、かつ伝熱を向上させる。さらに、溶媒の存在は、結 晶化の際にX1AやX1Aのオリゴマーのような不純物を含むように媒体を与える ことによって、より純粋な結晶化工程を招くことができる。そのため、結晶化混 合物からの結晶のその後の分離の際に、X1AやX1Aのオリゴマーのような不純 物は、結晶に付着するのではなく、液体流を用いてさらに容易に分離することが できる。 環状エステル結晶の分離から生じる液体流は、液体流からの環状エステルの追 加の回収のためにさらに処理することができる。加えて、この液体流は、液体中 に存在するX1AおよびX1Aのオリゴマーの再循環のために処理することができ る。 ある代替的実施態様では、溶融結晶化によって環状エステルをさらに精製する ことができる。溶融結晶化法では、環状エステル材料を、有意量の溶媒の存在な しに環状エステルを溶融するのに十分な温度に晒す。次いで、溶融した材料を冷 却し、材料の一部を結晶化させる。溶融結晶化には、装置の構成がいくつか存在 する。当技術に精通した者は、与えられた用途に適切である構成を選ぶことがで きると思われる。 溶融結晶化は、溶媒結晶化法に勝る多数の特定の利点を有することに留意しな ければならない。例えば、取扱う材料の体積は、溶媒の不在下で著しく少なく、 同じ製造量を得るのに、より小さい大きさの装置を必要とする。加えて、溶融結 晶化によって、より大きい結晶の大きさが得られることが見出されている。より 大きい結晶は、一般に、より高い体積対表面積比を有し、それによって不純物の 付着に利用できる表面積を減少させるため、より小さい結晶より純粋である。 吸着後処理が結晶化のような追加の精製工程を包含するときの本発明のさらに 一つの実施態様は、環状エステルの一つより多くの異性体種を含む混合物からの 環状エステルの選択的回収である。この方法は、環状エステルの異性体種の一つ を選択的に結晶化し、その異性体種を回収することを包含する。この回収法は、 X1Aがキラル分子であり、そのため異性体型を有するときに適切である。例え ば、乳酸はX1Aのキラル種である。乳酸には2種類の光学異性体、すなわちL −乳酸およびD−乳酸が存在する。その結果、ラクチドは、L−LD(二つのL −乳酸分子から形成されるラクチド分子)、D−LD(二つのD−乳酸分子から 形成されるラクチド分子)、メソLD(例えばM−ラクチド、すなわち一つのL −乳酸分子と一つのD−乳酸分子とから形成されるラクチド分子)またはD,L −LD(一つのL−LD分子、および一つのD−LD分子よりなる分子間種)の いずれかであることができる。ラクチドの異なる種は、異なる融点を有する。メ ソLDは52.8℃という最低の融点を有し、異性体として純粋なD−LDおよ びL−LDは、ともに98.7℃という融点を有し、純粋なD,L−LDは12 8℃という最高の融点を有する。 例えば、他の異性体種より高い融点を有する、与えられたXD分子の異性体種 は、溶融結晶化法で選択的に結晶化することができる。環状エステル全体の融成 物を形成し、より低融点の環状エステル種の融点を超える温度で、より高融点の 種を結晶化することによって、より高融点の種を選択的に結晶化することができ る。これに代えて、他の異性体種より高い融点を有する与えられたXD分子の異 性体種は、通常、与えられたいかなる溶媒に対しても溶解度がより低い。より低 融点の環状エステル種の溶解度の限界を超える温度で溶媒結晶化を実施すること によって、より高融点の種を選択的に結晶化することができる。 続いて、例えば遠心分離によって結晶を回収すると、得られる固体は、より高 融点の異性体種に加えて、より低融点の異性体種の残留量を有することになる。 この結晶化から得られるケークは、XD重合工程への2種類のXD原料の一つと して用い得る可能性がある。XD重合工程への他方の原料は、選択的結晶化の工 程によって生成された液体残渣から、スプレー乾燥、噴射造粒、結晶化、蒸留、 蒸発、またはそれらの併用のような様々な手法を用いて回収できると思われる。 上記に考察したとおり、選択的結晶化は、100%の選択性を達成することは ないと思われることに留意しなければならない。したがって、上記に考察の例で は、第一の結晶化分画は、残留量の低融点種を含む可能性がある。同様に、第二 の回収分画は、有意量の高融点種を含有することになる。しかし、重合操作に望 まれる光学異性体比が2種類のXD産物の異性体含有量の間にある限り、単純な 混合操作を用いて、重合操作のためのXD供給原料中の光学異性体の実際の比を 調整することができる。このことは、それが、XDに基づく重合体の光学異性体 含有量に対する制御の一つの可能な方法であって、XDに基づく多くの重合体の 物理的および分解特性を制御するものであることから、重要である。 吸着後処理の代替的実施態様では、蒸留によって環状エステルをさらに精製す ることができる。代表的には、センターカットを回分蒸留法での生成物とするこ とになると思われる。これに代えて、側流の抜取りを生成物流に利用する標準的 な一カラム法または二カラム法を用いて、センターカットを連続蒸留系で生成す ることができると思われる。 蒸留工程からの生成物は、XD重合で直接用いることができる。これに代えて 、生成物をスプレー乾燥または噴射造粒することができ、次いで、後日の使用に 貯蔵することができる。 吸着後処理が追加の蒸留精製工程を包含するときの本発明のさらに一つの実施 態様は、環状エステルの異性体の選択的回収である。例えば、L−LD、D−L DおよびD,L−LDの沸点は、すべてが非常に近く、これらの種を分離するの に蒸留は用いられないと思われる。しかし、M−LDの沸点は、他の異性体の沸 点より著しく低く、そのため、有意に異なる異性体含有量を有する二つの生成物 分画を生じるように、蒸留系を設定することができると思われる。これは、XD 重合ユニットの原料の異性体含有量を制御して、XDに基づく重合体での異性体 含有量を制御する別の方法を表す。 環状エステル回収法における主要な問題の一つが、重合に用いる環状エステル 生成物の異性体含有量の制御の与え方であることは、前記の考察から明らかなは ずである。吸着処理の主な一つの利点は、それらが非立体特異的精製であり、そ のため、吸着処理工程の生成物の異性体含有量は、吸着処理工程の原料の異性体 含有量と同じであることである。ここで考察した、精製に基づかない吸着後処理 工程もすべて、非立体特異的処理工程である。したがって、例えば、吸着後処理 工程に濃縮、およびその後のスプレー乾燥を用いようとするならば、製品環状エ ステルの異性体含有量は、吸着精製工程への原料の異性体含有量によって決定さ れることになる。この帰結は、異性体の制御が、合成反応器への原料XAの異性 体比を制御するか、または反応器に加えるラセミ化剤の温度、滞留時間、レベル 等々を変えることによってXD合成反応器内で生じるラセミ化の程度を制御する か、または原料XA異性体の制御とXD合成器の条件とを組合せるかのいずれか によって、容易に実施できることから、重要である。 ここで考察した、精製に基づく吸着後処理工程は、様々な程度の立体特異性を 有する。結晶化に基づく方法は、一般に、環状エステルの1または2種類の立体 異性体のみを含有するにすぎない精製生成物を生じる。前記のとおり、他方の異 性体は、結晶化工程の液体残渣から回収できる。これに代えて、XD合成と回収 操作との全体を製品環状エステルの望みの様々な異性体の生成の間で時分割する 、結晶化に基づく方法で遮断された操作様式を用いることができると思われる。 蒸留に基づく方法は、一般に、結晶化法ほどには立体特異的ではない。例えば、 M −LDの沸点は、他の異性体に十分近いので、一生成物系または二生成物系のい ずれかに向けて設定できると思われる。一生成物系の異性体含有量は、本質的に は、吸着ユニットへの原料の異性体含有量と同じであると思われる。前記の二生 成物蒸留系は、平行して作動する多重重合ラインの異性体含有量を個別に制御す ることを可能にすると思われる。吸着剤の再生 本発明の精製法は、消費された吸着剤の再生も包含し、ここで、使用済み吸着 剤を処理して、吸着された不純物の少なくとも一部を除去または「脱着」させ、 その後、再生された吸着剤を吸着に再利用する。数多くの再生手法が適切であり 、用いようとする吸着剤の種類に依存する。一般に、再生は、吸着された不純物 を吸着剤から流体(気体、液体または超臨界体)へと脱着させる条件下で吸着剤 を流体に接触させることを要する。 吸着剤から脱着しようとする不純物が、例えば、モレキュラーシーブから脱着 しようとする水である場合は、脱着工程は乾燥法である。そのような乾燥法は、 公知の手法を用いて吸着剤を乾燥することによって達成できる。例えば、代表的 な乾燥法は、熱した、好ましくは不活性の気体に吸着剤を接触させて、捕捉され た水を除去することを包含する。乾燥は、適切ないかなる温度ででも実施するこ とができ、好ましくは、用いようとするモレキュラーシーブの種類に応じて約1 75〜約300℃の温度で実施する。乾燥は、場合により、水の放散を加速する 減圧環境で実施することができる。 吸着剤から脱着させようとする不純物がXA種および/またはXAのオリゴマ ーを含む場合は、脱着流体は有機溶媒、水溶液または熱した不活性気体であるこ とができる。例えば、本来は原材料中の溶媒だった溶媒を、樹脂からの不純物の 脱着に用いることができる。これに代えて、不純物が可溶性である別の溶媒も、 脱着に許容されることができ、吸着処理に関する考察で上記に特定されたものを 包含するが、それらに限られない。好適な脱着溶媒はキシレンである。 選択的な実施態様では、脱着流体は、吸着剤との接触以前に加熱して、その効 率を向上させることができる。吸着剤との加熱脱着流体の接触は、吸着剤の温度 を上昇させる。次いで、これが吸着平衡を降下させるため、吸着されたXA種の 一部が吸着剤から脱着されることになる。加熱によって脱着されるXAの量は、 吸着剤の温度上昇の量、および与えられた吸着剤と溶媒との組合せについての吸 着平衡の温度感受性に依存することになる。代表的には、弱い陰イオン交換樹脂 のような弱い吸着剤についての吸着平衡は、強い吸着剤と比較したとき、温度変 化により鋭敏である。 その他の手段も吸着剤を加熱するのに用いることができる。例えば、吸着剤を 多管式熱交換器の管内に通すならば、吸着剤は、水蒸気その他の伝熱媒体を胴側 に適用することによって、加熱することができる。この構成では、XA種を樹脂 から運び去るのに、やはり脱着流体を用いなければならないが、必要とされる脱 着流体の量は、一般に、前記段落で説明した断熱型加熱周期より少ない。 吸着剤を再生するための温度は、一般に、約100〜約260℃の範囲内であ る。吸着容量の実質的低下または喪失を生じることなく許容され得る脱着率を達 成するように、適切な温度を選ぶことができる。脱着温度が脱着流体の沸点を超 える場合は、加圧下で脱着を実施することができる。 熱的再生法の主な利点は、選んだ溶媒中に、XA種以外には廃棄生成物が形成 されないことである。そのため、環状エステルの合成工程で追加の処理を僅かし か、または全く伴わずに、再生排液流をいくつかの部所に容易に再循環させるこ とができる。しかし、熱的再生法は、かなり穏やかであり、強く吸着された種は 樹脂から脱着させない。これらの強く吸着された種は、代表的には、金属イオン 、鉱酸、およびスルホン化キシレンのような触媒分解生成物を包含すると思われ る。経時的には、これらの強く吸着された種は、樹脂のXA容量を、より強力な 脱着手法が必要とされる点まで低下させる可能性がある。 XA種を樹脂から脱着させるのに、化学的再生法を用いることもできる。これ らの方法は、熱的方法と比較して、より強力な脱着剤を用いる。化学的再生では 、 苛性溶液を用いて、XAその他の強く吸着された種を樹脂から脱着させる。苛性 溶液は、水を基材とするか、またはこれに代えて、苛性物をメタノールのような 極性有機溶媒に溶解することができる。化学的方法は、より強力であるが、それ らの利用は、いくつかの追加的問題点を生じる。第一に、脱着周期の終点で、樹 脂は、次の吸着周期の前に樹脂から除去しなければならない苛性溶液を含有する ことになる。これらの溶液は、苛性物、水および/またはアルコールを含有し、 そのすべてが環状エステル回収または重合工程のいずれかに不都合であるため、 これらの種のかなり厳格な除去が必要とされる。第二に、苛性再生からの排液は 、一般に、再循環または廃棄の前に処理しなければならない塩類を含有すること になる。この処理装置は、XDの製造および精製ユニット内に置かれる別個の一 組みの装置であることができる。これに代えて、合成反応器への供給原料XAを 発酵ブイヨンの酸性化によって誘導するならば、再生排液は、XAおよびXDの 統合製造施設に向けての発酵回収の際の酸性化工程へと送ることができる。 熱的および化学的再生法を併用することもできると思われる。例えば、樹脂の 吸着容量が望みの最小値を下回るまでは、熱的再生を多数の再生周期に用い得る と思われる。そうして、1種類またはそれ以上の化学品に基づく再生周期を用い て、樹脂の容量を回復させることになる。そうして、吸着容量が望みの性能を下 回るまで、熱的再生周期を再び用いることができると思われる。 本発明の別の態様では、様々な保護カラムの構成を、熱的に再生できるXA吸 着ユニットの上流で用いることができる。保護カラムの目的は、強く吸着する種 を原料から選択的に吸着し、熱的に再生できるXA吸着カラムへとXA種を通過 させることである。これは、XA吸着カラムが化学的再生法を用いなければなら なくなる頻度を大幅に減少させると思われる。これの別の利点は、保護カラムは 、いずれは化学的に再生しなければならなくなるため、保護カラムに用いた樹脂 の熱安定性は問題にならないことである。そのため、熱安定性が低い、廉価で大 容量の樹脂を保護カラムに用い得ると思われる。保護カラム樹脂の優れた候補の 例として、前記のAMBERLYST(登録商標)A-21は、廉価であり、REILLEX(登 録商標)425の6倍の容量を有するが、約75℃という熱安定性の上限を有する にすぎない。一方、REILLEX(登録商標)425は、より高価であり、容量が低いが 、260℃までの温度で熱的再生が可能であり、そのため、この樹脂を、XA吸 着の用途に用いる合理的な選択肢にさせる。 脱着した不純物を含有する脱着流体は、環状エステル製造および回収工程全体 のその他の工程で用いるために、再循環させることができる。そのような再循環 流の行く先は、脱着流体、およびその中の不純物の性質に依存することになる。 例えば、脱着流体がキシレンのような有機溶媒であり、不純物がXA種であるな らば、再循環工程の際に、少量の環状エステルが生成されることになる。そのた め、再循環流を、吸着の前の環状エステル製造後の工程へと仕向けることができ る。例えば、下記にさらに詳細に説明するとおり、環状エステル製造工程は、環 状エステルの製造後で吸着の前の工程の相分割または抽出を包含することができ る。そのような分割/抽出工程へと再生流を再循環させることによって、(1) 生成された環状エステルが吸着精製の際に回収され、(2)オリゴマーおよびX Aの酸の種が分離され、例えば、環状エステル製造工程の前に加水分解ユニット へと送ることができる。 脱着流体が、例えば水である場合、脱着再循環流は、環状エステル製造工程の 前に加水分解ユニットへと直接再循環させることができる。このようにして、再 循環流中のオリゴマーの加水分解を水によって開始し、それによって、加水分解 ユニットの要求される容量を減らすことができる。 吸着剤の再生を要する連続工程では、二つまたはそれ以上の吸着剤カラムもし くは層を用いて、工程の連続操作を可能にするようそれらの使用を交代させるこ とができる。一方の吸着カラムまたは層が容量に達したとき、そのカラムまたは 層をラインから外し、再生された新たなカラムまたは層を吸着の役目に向けて切 り換える。精製環状エステル組成物 本発明のさらに別の態様として、高精製環状エステル組成物が挙げられる。こ のような組成物は、本発明の方法により生成し得る。ラクチドのような環状エス テル組成物は、水および酸の存在下では不安定である。水の存在下で、ラクチド はL2Aに加水分解され、これはL1Aに加水分解され得る。さらに、遊離酸が加 水分解反応を触媒する。したがって、低レベルの水および遊離酸を有する本発明 の環状エステル組成物は、その結果生じる、輸送、貯蔵中の安定性ならびに長期 保存寿命のために、非常に有益である。 加水分解反応により消費されるラクチド製品中の水10ppmにつき、0.56m eq遊離酸/kgLDの遊離酸増大を生じる。市販のラクチドの典型的規格は、水最 大200ppmおよび最大1meq遊離酸/kgLDである。したがって、最初は製品規 格を満たすラクチド製品でも、十分量以上の水が存在して、その後の貯蔵および 加工処理中に許容可能レベルを超える遊離酸レベルを生じ得る。したがって、一 般市販製品は、このような高レベルの水によって、加水分解反応が相対的に短時 間で遊離酸レベルを規格レベル以上に上昇させるため、長期保存寿命を有してい ないことは明らかであろう。 本発明によれば、100万あたり約200部(約200ppm)未満、さらに好 ましくは約60ppm未満、最も好ましくは約20ppm未満の含水量を有する環状組 成物が提供される。さらに本発明によれば、約1ミリ等量/環状エステル1kg( meq/kg)未満、さらに好ましくは約0.10meq/kg未満、最も好ましくは約0. 04meq/kg未満の遊離酸含量を有する環状組成物が提供される。上記のように、 環状エステル組成物中の水および遊離酸は相互作用して環状エステルを分解する 。したがって、本発明は上記のような低水レベルおよび低酸レベルを有する環状 エステル組成物を含む。 本発明の環状エステル組成物のさらに別の態様として、含有環状エステル製品 の極めて高い水感受性のために高防水性である容器入り環状エステル製品が挙げ られる。このような製品は、水および酸含量が低く、有意量の水が環状エステル 組成物を入れた包装の内部にしみ込むのを防ぐ包装材料で包装される。特に、本 発明の環状エステル組成物は、100°F(37.8°C)および相対湿度90 %で約0.1g/(100in2)(24hr)未満、さらに好ましくは約0.01g /(100in2)(24hr)未満、最も好ましくは約0.001g/(100in2)( 24hr)未満の水蒸気透過率を有する包装材料中に包装される。 上記の要件を満たす適切な包装材料および包装方法は、当業者には公知である 。例えば、上質LDPE箔ラミネートは100°F(37.8°C)、相対湿度9 0%で0.006g/(100in2)(24hr)という低い水蒸気透過率を有する 。蒸着フィルムも低水蒸気透過率を有することが公知である。袋の間に乾燥剤を 入れた二重袋詰めを用いる包装系か、あるいはさらに高い水蒸気遮断袋詰め系、 例えば金属容器またはガラス容器をも用い得る。さらに、例えば包装材料が曝露 される外部空気の相対湿度を下げる、あるいは貯蔵温度を下げるといったような 貯蔵方法は、環状エステル製品の分解をさらに低減し得る。ポリマー組成物 本発明のさらに別の態様として、許容可能な重合条件下での環状エステルから の高分子ポリマーの生成が挙げられる。低重合温度および長期重合時間という極 限条件下では、高分子の環状エステルポリマー、例えば多乳酸に達し得ることが 公知である。しかし、短い時間枠内で高温で重合を試みると、低分子ポリマーが 生じる。環状エステル出発物質中の不純物は、商業的に望ましい重合条件での分 子量限定の問題を悪化させると認識される。さらに、環状エステル出発物質中の 不純物は、重合速度を低減し、したがって一定の転換を成し遂げるのに必要な反 応時間を増大すると認識される。さらに、重合中に起こる混合の程度が反応速度 に劇的に作用し、混合度が高いほど、重合速度が有意に速くなると認識される。 例えば、本発明の高精製環状エステル組成物を用いて、商業的に許容可能な条件 で高分子ポリマーを生成し得ることが確かめられている。 上記の点から見て、本発明のさらに別の態様は、約150℃を超える温度で約 30時間未満環状エステルを重合し、それによりその結果生じるポリマー組成物 の重合度が約1,700を超える(XDが重合度を明示するためのモノマーベー スである)であるポリマーの生成方法を含む。本方法のさらに別の実施態様では 、 温度は約160℃より高く、最も好ましくは約170℃より高い。さらに別の実 施態様では、重合時間は約15時間未満、好ましくは約5時間未満、最も好まし くは約15分未満である。本発明のさらに別の実施態様では、その結果生じる高 分子組成物の重合度は、約2,100より大で、さらに好ましくは約2,800 を超える。 本発明の重合方法の好ましい実施態様において、重合される環状エステルとし ては、本明細書中に記載される精製方法により生成される上記の環状エステル組 成物が挙げられる。 本発明の重合方法を用いて高分子ポリマーを調製し得る。例えば、XDがラク チドである場合、Mw=250,000を超える分子量、さらに好ましくはMw =300,000を超え、最も好ましくはMw=400,000を超える分子量 を有するポリマーを生成し得る。XDがテトラメチルグリコリドである場合、M w=300,000を超え、さらに好ましくはMw=360,000を超え、最 も好ましくはMw=480,000を超える分子量を有するポリマーを生成し得 る。環状エステル生成 2Aを環状エステルに直接転換する方法 上記の環状エステル精製方法は、環状エステルを含有するあらゆる組成物の精 製に適している。その方法の主な用途は環状エステルのための生成方法による環 状エステル含有組成物の精製にあるが、その精製方法は市販供給源からの環状エ ステル含有組成物の精製にも用い得る。 適切な環状エステル製造方法は、例えば米国特許第5,319,107 号および同時係 属中の米国特許出願第08/128,797号(これらの記載内容は、参照により本明細書 中に含まれる)に開示されている。これらの開示は一般に、環状エステルの製造 を提供する。好ましい一実施態様としては、XAを含む原料流を提供し、原料流 を処理してXAのX2A成分から環状エステルを直接生成することによる環状エ ステルの製造方法が挙げられる。別の好ましい実施態様では、環状エステル製造 方 法は、(1)溶媒中にXAを含む原料流を提供し、そして(2)原料流から水を 除去して上記の環状エステルを含む生成物流を生成する工程であって、生成物流 中のX5Aおよびより高分子のオリゴマーの濃度が工程中は反応混合物の約20 重量%未満である工程からなる。環状エステルのさらに好ましい製造方法は、( a)有機溶媒中で希釈されたXAを含む原料流を提供し;そして(b)上記の原 料流から水を除去して上記の環状エステルをX2Aから直接生成する工程からな る。予備吸着処理方法 種々の環状エステル製造方法は、上記のような吸着精製前に一つまたはそれ以 上の初期精製工程を含むこともある。第一のこのような初期精製工程は、生成後 に反応混合物が平衡した2つの液相を形成してXDと不純物とを実質的に分離す るような方法で環状エステル製造方法を実施する工程を含む。このような一相は XDおよび溶媒を主に含有し、第二相はX1AおよびX1Aのオリゴマーを主に含 有する。この方法は環状エステル生成混合物に回収溶媒を提供する工程を含み、 回収溶媒は環状エステルの製造に用いられる溶媒となる。第二相は第二相溶媒を 含むが、または主にX1Aからなるということに留意すべきである。次に、上記 のような吸着処理により、環状エステルを第一相から回収する。環状エステル生 成混合物はさらに、好ましくは第二相中に分配する可溶性エステル化触媒、例え ば硫酸を含み得る。このように、触媒は環状エステルから容易に分離される。 回収溶媒に関する上記の機能性パラメーターによる適切な特性を有するあらゆ る溶媒が、本発明に用いるのに適している。より具体的には、適切な回収溶媒と しては、キシレン、トルエン、アニソール、ベンゼン、MI BKおよびイソプロ ピルエーテルが挙げられ、さらに好ましい回収溶媒としては、キシレンおよびト ルエンが挙げられる。キシレンがはるかに好ましい。 環状エステル生成混合物を第一および第二相に相分離させる工程は、典型的に は混合物を冷却させて、あらゆる混合またはその他の攪拌を停止することにより 、簡単に達成される。あるいは、多孔性媒質または電場を利用する特殊装置を凝 集に用い得る。これらの方法は、当業者に公知の標準相分離装置を回分式でまた は 連続的に用いて実行し得る。 代替的実施態様のように、相分離を可能にすることによりX1AおよびX1Aの オリゴマーから環状エステルおよび溶媒を分離することの他に、X1AおよびX1 Aのオリゴマーが豊富な第二相で、さらに別の溶媒抽出工程を実行し得る。例え ば、典型的には回収溶媒である溶媒および第二相を抽出ユニットに導入して、第 二相中の残留環状エステルおよび溶媒を回収する。 上記の吸着後処理と一緒にまたは別々に用い得る本発明の別の実施態様として は、環状エステルおよび不純物を有する混合物に水性溶媒を導入して、この混合 物をXDを含む第一相と水性溶媒ならびに不純物、例えばXAおよびその他の極 性不純物、例えば水を含む第二相に分離させる相分離が挙げられる。この実施態 様では、加える水性溶媒の量は、混合物中の有機溶媒における水の相互溶解度限 界より多い約3%未満(混合物または組成物の重量を基礎にして)である。極性 物質である相対的に少量の水性溶媒の添加は、(1)そうでなければ起こらない 、XD反応混合物が溶媒、例えばアニソールを含有するような相分離が起こるの を助け、そして(2)水性溶媒が存在しない場合でも別々の相を形成するキシレ ンのような溶媒に対する第一および第二相中のXDと不純物との間のより望まし い分配係数を提供することが分かった。 XD精製のための精製技法としての上記の水促進性相分離の使用は、統合され たXD製造および回収工程に多数の有意の利点を提供する。このような利点の一 つは、非水性溶媒中でのXDの製造およびXDの回収のための方法において、X D製造に利用し得る溶媒の範囲が大いに広げられることである。例として、アニ ソールのように高XD選択性、転換および/または生産性のために、または2− オクタノンのようにより大きな環境許容可能性および/または消費者適用に対す る許容可能性のために、許容できないほど低いXDおよびXA種間の分配係数を 有するか、あるいはそうでなければ望ましい相分離工程で相分離しない溶媒をこ こでは用い得る。 水促進性相分離法の別の利点は、その後の回収工程が簡単になることである。 例えば、その後の吸着回収工程の場合、相分離工程における水性溶媒の添加はX D混合物からの遊離酸種の分離を増強し、それにより吸着による遊離酸の除去の 必要を低減する。このような低減は、吸着ユニットの大きさまたは吸着剤再生サ イクルの必要頻度を小さくし、したがって操作および資本経費を有意に低減する 。水性溶媒添加工程が存在しない場合には、XD含有相中のXAレベルは相対的 に高く、頻繁に再生されねばならない許容できないほど大きな吸着ユニットを要 する。上記の吸着再生工程は、経費的に、特に吸着再生のための熱エネルギー消 費に頼るものである。水性溶媒の添加により達成されるXD含有相中のXAおよ びその他の不純物の有意の低減は、吸着再生サイクルの頻度を低くするだけでな く、使用する吸着剤の量を(したがって、吸着剤を含有するために必要な装置の 大きさを)有意に低減する。 水性溶媒は、水性添加および相分離工程において所望の操作温度および濃度で XDに対して非反応性であるあらゆる水ベースの溶媒である。非反応性という用 語は、水性溶媒が有意量のXDを開環させないことを意味する。好ましくは、約 10%未満の、さらに好ましくは約5%未満、最も好ましくは約1%未満のXD が添加水性溶媒との反応により分解される。適切な水性溶媒としては、水および 0%〜88%のXAを含有する溶液が挙げられる。さらに好ましい水性溶媒とし ては、水および希釈XA溶液(約0%〜約5%のXAを含有)が挙げられ、水が さらに好ましい。水促進性相分離の一実施態様では、水性溶媒は環状エステル製 造ユニットへの原料流のスリップストリーム部分を含む。この実施態様では、相 分離後、水性溶媒および、例えばXA種を含む第二相は加水分解工程を経て環状 エステル製造ユニットに向けられる。 一実施態様において、水性溶媒は実質的には水以外のXD不純物を含まない。 このような不純物は、XDおよびその高分子誘導体のその後の処理、および/ま たは高分子誘導体の使用および/または廃棄に問題を生じ得る。不純物としては 、一本鎖または直鎖ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル、塩またはアミ ド、およびXA供給原料からのその他の不純物、およびまたはXD合成反応工程 から の副生成物が挙げられる。あるいは、不純物には、多数の金属含有ヒドロキシド 、カーボネートおよび塩(例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属のヒドロ キシド、カーボネートおよび塩)が含まれる。さらに好ましくは、水性溶媒は約 14重量%以下の一本鎖または直鎖ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル 、塩またはアミドを含む。水性溶媒はさらに、約1重量%以下のXA供給原料か らのその他の不純物、および/またはXD合成反応工程からの副生成物を含む。 水性溶媒はそれ自体、XDの安定性およびその後のXDの使用、例えば重合に 好ましくない不純物であり、水性溶媒の残留量は好ましくは水吸着工程で上記の ように除去される、ということに留意すべきである。したがって、反応混合物と 接触して組成物を生成する水性溶媒の量は、好ましくは所望の相分離実行を生じ るための最小レベルに維持される。反応混合物と接触する水性溶媒の量は、好ま しくは、水性溶媒付加後の組成物の重量を基礎にして有機溶媒中の水の相互溶解 度限界より高い約3重量%未満(水性溶媒添加後の全反応混合物の容量を基礎に して)(即ち、反応混合物中の水および有機溶媒が混和性である最大水濃度より 高い約3%未満)、さらに好ましくは約1.5重量%未満、最も好ましくは約1 重量%未満である。水促進性相分離は連続的にまたは回分式で実行し得ることに 留意すべきである。連続工程の場合、使用する水性溶媒の量に関する上記の値は 、連続工程の操作中のあらゆる既定時間部分の間のXD含有組成物の全量に添加 する水性溶媒の全量を示す。 別の態様では、反応混合物に加える水性溶媒の量は、その後の加水分解操作中 に反応混合物中でオリゴマーXA種の加水分解を実行するのに必要な量と等しい かそれより少ない。したがって、本発明のこの態様では、反応混合物に加える水 性溶媒の量は、オリゴマーXA種におけるエステル結合の加水分解に必要な化学 量論的量の水を提供する量に等しいかそれより少ない。 水促進性相分離工程における環状エステル含有組成物の温度は、水性溶媒によ るXDの有意の加水分解を妨げるのに、そしてXDを有する有機溶媒中の酸不純 物の溶解度を許容可能レベルに下げるのに十分な低さでなければならず、さらに 水性溶媒の添加時にXDの沈殿を阻止するのに十分な高さでなければならない。 好ましくは、水促進性相分離工程における温度は約80℃未満、さらに好ましく は約0℃〜約60℃の範囲、最も好ましくは約25℃〜約50℃である。 環状エステルと不純物とを含む環状エステル含有組成物はさらに、有機溶媒を 含有する。このような溶媒としてはキシレン、トルエン、ベンゼン、メチルイソ ブチルケトン、イソプロピルエーテル、アニソールおよび2−オクタノンが挙げ られ、さらに好ましくはこのような溶媒としてはキシレンおよび2−オクタノン 、最も好ましくはキシレンが挙げられるが、これらに限定されない。 上記のパラメータを用いると、組成物中のXDは第一相に、そして不純物は第 二相に属する。好ましくは、第一相に属するXDの量は、組成物の重量に対して 少なくとも約80重量%、さらに好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ま しくは少なくとも約95重量%である。第二相に属する不純物の量は、不純物を 含む組成物の重量に対して少なくとも約60重量%、さらに好ましくは少なくと も約80重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%である。 水促進性抽出工程の使用の前に、上記のように、水の助けを借りずに一次抽出 工程を実行し得る。このような2工程法は、1工程抽出法より高純度を達成し得 る。 抽出工程に用い得る装置は、抽出に普通に用いられるあらゆるもの、例えばミ キサー−沈降タンク、ミキサー−凝集器、多工程抽出カラム(平板、回転および 往復円板)ならびに膜ベースの液体−液体抽出ユニットである。 上記の技法により第一相を第二相から分離後、上記の方法により第一相を処理 して含有されるXDを精製し、加水分解後に環状エステル製造工程で第二相を原 料流に再循環させる。上記のように、吸着、結晶化および蒸留法により第一相中 のXDをさらに精製し得るが、吸着が最も好ましい方法である。 上記の水促進性相分離後、第一相は好ましくは不純物を実質的に含有しない。 特に、第一相は約100meq遊離酸/kg溶液未満、さらに好ましくは約50meq遊 離酸/kg溶液未満、最も好ましくは約10meq遊離酸/kg溶液未満を含 有する。さらに、第一相は約2000ppm未満の、さらに好ましくは約500ppm 未満、最も好ましくは約250ppm未満の水を含有する。 上記のように、水促進性相分離の使用は有意の利点を提供するが、その工程は XD生成物流中への水の導入を伴う。水は不純物と考えられるが、例えば他に記 載されているようなその後の水の吸着工程が実行される場合には、水の導入は十 分耐容され得る。水促進性相分離工程を用いる場合でも、水吸着工程をその後に 使用すると、本明細書中の他の部分に記載されているように低含水量の環状エス テル組成物が生成される。その他の環状エステル製造方法 その他の環状エステル製造方法は公知であって、本発明の環状エステルの製造 に適している。例えば、環状エステルの別の製造方法としては、XAを含む原料 流の一部を気化させて、気化部分を気化状態に保持するのに十分な圧力および温 度条件に維持した反応帯で原料流の気化部分を反応させて、環状エステルを生成 する方法がある。環状エステルは、例えばα−ハロ塩を用いた解重合反応および 縮合反応の使用によっても製造し得る。例えば、「バック−バイティング」機序 を用いて環状エステルを得るために、多乳酸を含有する組成物を解重合し得る。 α−ハロ塩反応では、α−ハロ塩分子の反応により、環状エステルを生成する。統合された環状エステル製造および精製 本発明はさらに、環状エステルの製造および上記の概説のような吸着処理の使 用による精製のための連続方法を含む。種々のこのような環状エステル製造方法 も、上記されている。好ましい実施態様では、このような統合された方法は、( 1)溶媒中にXAを含む原料流を提供し;(2)原料流から水を除去して環状エ ステルを含有する生成物流を生成し(この場合、生成物流中のX3Aおよびより 高次のオリゴマーは工程中の反応混合物の約20重量%未満である);(3)生 成物流を一次吸着剤と接触させて生成物流から遊離酸、水およびその混合物から 選択される少なくとも一つの不純物を除去して、精製生成物流を生じさせる工程 を含む。 図1を参照すると、環状エステルラクチドに関する本発明の統合された製造お よび精製方法を説明する本発明の一実施態様の流れ図が示されている。図1では 、乳酸100を加水分解ユニット102に供給し、水104および異性体制御剤 106を併合してこれも加水分解ユニット102に供給する。LD反応器110 への主にL1AおよびL2A供給路108を生成するために、L3Aとして示され る乳酸および高次オリゴマーを加水分解ユニット102中で加水分解する。加水 分解ユニット102からの使用済水112を系からパージする。LD反応器11 0への乳酸供給路108中の乳酸を溶媒114と、そして必要な場合には触媒1 16と併合し、その両方もLD反応器110に供給する。例えば前記の方法によ り、ラクチドがLD反応器110中で生成される。ラクチド生成反応で除去され た水を再循環させて、前記のように加水分解ユニット102中の水104として 用い得る。LD反応器110中で生成されたラクチド、不純物および溶媒混合物 118を次に、ラクチドおよび溶媒混合物から不純物(例えばXAおよびXAオ リゴマー)を最初に除去するために、相分離または抽出工程120に供給する。 ラクチド、不純物および溶媒混合物から除去されたXA不純物122を加水分解 ユニット102に戻して再循環させる。精製ラクチドおよび溶媒混合物124に 一次吸着処理126を施して、酸不純物を含むXA不純物の少なくとも一部分を 、例えば陰イオン交換樹脂を用いて、除去する。一次吸着処理からの精製ラクチ ドおよび溶媒混合物128を次に二次吸着処理130に供給して、精製ラクチド および溶媒混合物128中に依然として存在する可能性のある水を除去する。二 次吸着処理からの精製ラクチドおよび溶媒混合物132を次に、例えば蒸発ユニ ット134を用いて濃縮し、ここで溶媒136は蒸発して再循環されるか、また は別のさらなる溶媒138と併合されてラクチド反応器110に溶媒流114と して供給される。蒸発ユニット134から得られた濃縮され、かつ精製されたラ クチドおよび溶媒溶液140をさらに上記と同様に精製するか、またはラクチド の重合のために多乳酸中に用い得る。 図1に示した実施態様はさらに、一次吸着126および二次吸着130におけ る吸着剤の再生を示す。吸着物質上で不純物を脱着させるために、LD反応器1 10に関して供給原料として用いたような溶媒142を一次吸着装置126中で 吸着剤と接触させる。その結果生じた、不純物144を含有する溶媒を、ラクチ ドおよび溶媒混合物118の初期精製のために相分離/抽出装置120中で利用 し得る。二次吸着130で用いた吸着剤も、吸着剤を乾燥させて水および溶媒混 合物146を生成し、これを前記のように加水分解ユニット102に戻して再循 環させることにより、再生し得る。 ここで図2を参照すると、環状エステルラクチドに関する本発明の統合された 製造および精製法の関連における水性溶媒の添加を説明する本発明の別の実施態 様の流れ図が示されている。乳酸200を再循環乳酸202と併合してラクチド 反応器204に供給する。溶媒206、および必要な場合には触媒208を、ラ クチド反応器204中で乳酸と併合する。例えば上記の技法によって、ラクチド 反応器204中でラクチドが生成される。ラクチド生成反応で除去された水21 0は再循環しうる。ラクチド反応器204中で生成されたラクチド、不純物およ び溶媒混合物212を次に相分離または抽出工程214に供給して、最初に不純 物、例えばXAおよび水をラクチドおよび溶媒混合物から除去する。水性溶媒2 16を工程214の間に混合物に加える。水性溶媒216は、他の処理ユニット からの乳酸200の一部217、水210、清浄水218および/または希釈乳 酸である。混合物212から除去された不純物220を加水分解ユニット222 に送り、水210で加水分解して、再循環乳酸202を生成する。ラクチド反応 器204中で所望の溶媒およびXAレベルを保持するために、溶媒パージ223 およびXAパージ224を加水分解ユニット222から除去する。精製ラクチド および溶媒混合物226を一次吸着工程228で処理して、例えば陰イオン交換 樹脂を用いて、XA不純物の少なくとも一部を除去する。一次吸着工程228か らの精製ラクチドおよび溶媒混合物230を次に二次吸着工程232に供給して 、精製ラクチドおよび溶媒混合物228中に依然として存在し得る水および水性 溶媒を除去する。二次吸着工程からの精製ラクチドおよび溶媒混合物234を次 に、 例えば蒸発ユニット236を用いて濃縮し、ここで溶媒238を留去して、別の 溶媒240と併合して、溶媒流206としてラクチド反応器204に供給する。 蒸発ユニット236から得られた濃縮精製ラクチドおよび溶媒溶液242を上記 と同様にさらに精製するか、またはラクチドの重合のために多乳酸中に用い得る 。 図2の実施態様はさらに、一次吸着228および二次吸着232における吸着 剤の再生を示す。溶媒244を一次吸着装置228中で吸着剤と接触させて、吸 着物質上にXAを脱着する。その結果生じた脱着化XAを含有する溶媒246を 不純物220と併合して加水分解ユニット222に送る。二次吸着に用いた吸着 剤を上記と同様に再生して、水248を得て、これを溶媒246および不純物2 20と一緒に加水分解ユニット222に戻して再循環させる。 本発明の説明のために以下の実施例および試験結果を示すが、本発明の範囲は これらに限定されない。 実施例 実施例1 以下の実施例は、ヒドロキシカルボン酸の精製環状エステルを生成するための 本発明の精製方法の一実施態様の有効性を説明する。 環状エステル生成 ラセミ2−ヒドロキシオクタン酸の試料5g、酸性形態の(反応触媒としての )Dowex-50陽イオン交換樹脂0.22gおよびトルエン195mlを、加熱マント ル、ポット温度計、磁気攪拌機、Dean-Stark管、還流冷却器およびゴム隔膜を装 備した三首フラスコに加えた。混合物を加熱して、約116℃の温度で還流し、 約48時間そこに保持した。 反応混合物のアリコートをジアゾメタンで誘導して、ガスクロマトグラフィー −質量分析法(GC−MS)で分析した。以下のものに関して、別々のピークを 同定した:2−ヒドロキシオクタン酸、2分子の2−ヒドロキシオクタン酸から 生成される直鎖エステル;2−ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルのメソ異 性体;2−ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルのDおよびL異性体;ならび に一つまたはそれ以上の高級直鎖エステル化物質であると考えられる未知の化合 物に関するより長い保持時間ピーク。 環状エステル精製 AMBERLYST(登録商標)A-21イオン交換樹脂の試料300mlを吸着剤として用 いた。樹脂を先ずアセトンで数回洗浄した。樹脂を直径1インチのカラムに入れ 、次いでトルエン:アセトン溶液の1:1混合物で洗浄して保持されたあらゆる 初期水を樹脂に置き換えた。環状エステル反応混合物をアセトンで希釈して1: 1 トルエン:アセトン混合物とし、予め調製しておいたAMBERLYST(登録商標 )A-21イオン交換樹脂層上を通した。流出液を収集し、蒸発乾燥した。固体生成 物をガスクロマトグラフィーで分析した。2つのピークが見出された:即ち2− ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルのメソ異性体、ならびに2−ヒドロキシ オクタン酸の環状エステルのDおよびL異性体であった。したがって、環状エス テルの精製は、非立体特異的方法で達成され、それにより吸着工程への供給の異 性体的組成に対応する環状エステルの混合異性体集団の回収が可能になった。ヒ ドロキシカルボン酸の酸および直鎖エステル化生成物は認められなかった。計0 .6629gの固体生成物を得たが、これはモルを基礎にして算出した理論的収 量の34%の単離収率を示した。 実施例2 以下の実施例は、本発明の一実施態様による環状エステルの生成および精製を 、そしてその後のポリマーの生成を説明し、重合時の2つの比較精製方法および 試みを提供する。 環状エステル生成 溶媒としてm−キシレンを、触媒としてp−トルエンスルホン酸を用いて、2 −ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸から直接液相合成により、粗製テトラメ チルグリコリドを調製した。水を除去するためにDean-Stark管を用いて、混合物 を還流した。 2.1 環状エステルの精製および重合 粗製テトラメチルグリコリドを炭酸ナトリウムで洗浄し、中和し、乾燥して、 アセトンに溶解した。粗製テトラメチルグリコリド/アセトン溶液を吸着剤とし てAMBERLYST(登録商標)A-21イオン交換樹脂を含有するカラムに通して、酸不 純物を除去した。カラム流出物を蒸発、乾燥した。その結果生じた固体を、石油 エーテルを用いて再結晶化し、乾燥した。得られたテトラメチルグリコリドの試 料を示差走査熱量計により分析し、80.9℃で開始する鮮明な融点を有するこ とが判明した。 リチウムtert−ブトキシド触媒を用いて、130℃で約8時間、精製テトラメ チルグリコリドを重合した。その結果生じたポリマーの分子量を、ゲル透過クロ マトグラフィーを用いて測定し、Mw=520,000およびMn=354,0 00という値を得た。 2.2 一次比較環状エステル精製および重合 粗製テトラメチルグリコリドを炭酸ナトリウムで洗浄し、中和し、乾燥した。 粗製テトラメチルグリコリドを溶解し、溶媒としてイソプロパノールを用いて再 結晶化した。再結晶化物質の試料を示差走査熱量計により分析し、79.0℃で 開始する広範な融点を有することが分かった。 触媒としてオクタン酸第一錫を用いた精製物質の重合時の最初の試験は失敗し た。検出可能な重合は起きず、未反応テトラメチルグリコリドが長期反応時間後 に回収された。 精製物質の重合時の第二の試験は、部分的に成功した。触媒としてリチウムte rt−ブトキシドを用いて、130℃で重合を実施した。その結果生じたポリマー の分子量をゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定し、Mw=17,200お よびMn=14,525という値を得た。出発モノマーの42%だけがポリマー に転換された。 この比較例における低分子量および不十分な転換は、溶媒再結晶化テトラメチ ルグリコリドが高分子ポリマーを生成するのに十分な純度を有していなかったこ とを示す。これに対して、実施例2.1に記載した吸着に基づく精製では、高分 子ポリマーの生成に適した高純度テトラメチルグリコリドを生成できた。 2.3 二次比較環状エステルの精製および重合 粗製テトラメチルグリコリドを炭酸ナトリウムで洗浄し、中和し、乾燥して、 アセトンに溶解した。粗製テトラメチルグリコリド/アセトン溶液をAMBERLYST (登録商標)A-21イオン交換樹脂を含有する樹脂層に通して、あらゆる残留の酸 種を除去した。カラム流出物を蒸発、乾燥した。その結果生じた固体を、イソプ ロパノールから再結晶化し、乾燥した。得られたテトラメチルグリコリドの試料 を示差走査熱量計により分析し、81.0℃で開始する鮮明な融点を有すること が判明した。 リチウムtert−ブトキシド触媒を用いて、130℃で精製テトラメチルグリコ リドを重合する試験は失敗した。8時間後、重合の証拠はほとんど認められなか った。精製テトラメチルグリコリド中にイソプロパノールが残留する痕跡は、重 合の失敗を引き起こしたことを確信させた。精製テトラメチルグリコリドの乾燥 は結晶の外側に付着した溶媒を除去したが、結晶の吸蔵内側に閉じ込められた溶 媒を除去しなかったと思われる。したがって、精製物質中に微量レベルのアルコ ールが認められたものと考えられた。 本実施例の鮮明な融点は、テトラメチルグリコリドの純度が実施例2.1のテ トラメチルグリコリドの純度に匹敵したことを示す。本実施例は、吸着に基づく 方法の後に溶媒再結晶化のような陽性(正の)精製工程を実施した場合でも、結 晶化のためのアルコール溶媒の使用は環状エステル組成物中にアルコール不純物 を導入し、これが重合失敗を引き起こしたことを示す。 実施例3 以下の実施例は、本発明の精製および回収方法の一実施態様としての混合異性 体ラクチド生成物の回収を説明する。 環状エステル生成 混合キシレンの試料1025g、硫酸50μlおよびいくつかの煮沸チップを 、Dean-Stark管、冷却器および加熱マントルを装備した2000ml三首フラスコ に入れた。内容物を加熱、還流して、乳酸溶液50mlを加えた。出発物質中の全 体のL:D比を95:5にするために、乳酸溶液は、88%L−乳酸9部と88 %ラセミ乳酸1部から作られた。反応混合物を大気圧で約4.5時間沸騰させ、 その間、全体で15mlの水をDean-Stark管に収集した。混合物を室温に冷却し、 相分離させた。 環状エステル精製 ラクチドを含有する上部相物質の試料977gを、酸吸着剤として予め共沸蒸 留したREILLEX(登録商標)425イオン交換樹脂214g、水吸着剤として3Aモ レキュラーシーブ144gおよび着色体用吸着剤として活性炭50gを含有する ジャーに加えた。この混合物を約4時間攪拌し、溶液の試料を採集して、0.4 5μmフィルターを通して濾過した後、分析した。 溶液の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、検出可能な遊離酸を示さ なかった。この適用におけるHPLCの低検出限界は、2meq遊離酸/kg溶液で あった。HPLC結果はさらに、物質のL:D:M異性体比が吸着処理によって 変化しなかったことを示した。Karl-Fisher滴定は、処理溶液が16.6ppmの水 を含有したことを示した。 混合異性体ラクチド生成物の回収 次に、処理溶液を回転蒸発させて乾燥し、スプレー乾燥機の操作をシミュレー トした。ケーク残渣は白色雪様粉末であった。ケークの分析は、L:D:M異性 体比が96.70:1.04:2.26であることを示したが、これはM−ラク チドの一部が蒸発中に失われたことを示す。これは意外なことではなく、他の異 性体と比較して、M−ラクチドのより高い蒸発圧を示す。簡易なストリッピング 部分を使用して工業装置にM−ラクチドを保持することができた。本粉末の高速 液体クロマトグラフィーは、検出可能な遊離酸を示さなかった。この適用におけ るHPLCの低検出限界は、9meq遊離酸/ラクチド1kgであった。 実施例4 以下の実施例は、本発明の吸着剤に関する再生方法の一実施態様を説明する。 各々約5フィート(約152.4cm)の長さの直径1mmの4つの絶縁ステン レススチール管からなる吸着装置をカートに垂直に載せ、一列に接続した。試料 口を、供給ライン、各カラム間、および流出ラインに設置した。REILLEX(登録 商標)425樹脂を調製して、キシレンとの共沸蒸留によりあらゆる水分を除去し た。4つのカラムを311.6g、356.4g、370.1gおよび352. 3gの湿潤樹脂で充填して、全床長さを約16フィート(約487.68cm) とした。新鮮なキシレンをポンプで装置に入れ、空気を系から流出させた。 一次吸着 キシレン、乳酸、直鎖乳酸エステルおよびラクチドを含有する室温供給溶液を 吸着装置を通して上流方向に約45g/分でポンプ輸送して、0.39フィート /分の上流表面速度を得た。5つの試料口で30分毎に試料を採集し、高速液体 クロマトグラフィー(HPLC)分析にかけた。最初のキシレンが系から追い出 された後、第4カラム流出物の試料は、カラムの漏出まで、検出可能なレベルの 遊離酸は示さなかった。第4カラムの漏出は、供給溶液開始後約270分で起き た。この適用におけるHPLCの低検出限界は、2meq遊離酸/kg溶液であった 。精製流の保持試料807gを漏出前に第4カラムから採集した。3Aモレキュ ラーシーブの試料178gを保持試料に加えた。次に保持試料を攪拌し、後に使 用するまで保存した。 約270分でおよびそれを超えると、酸成分が、逆分子量順に第4カラムを漏 出した。この観察は、直鎖乳酸エステルの鎖長が増大すると樹脂容量が低減する ことを示す。供給溶液を、それが開始してから約480分後に停止したが、この 時、樹脂のほぼ完全な飽和が観察された。 吸着剤再生 一次カラムからの樹脂を取り出し、加熱マントルおよび冷却器を装備した三首 フラスコ中に入れた。十分量のキシレンを加えて樹脂を覆い、混合物を約133 ℃で沸騰するまで加熱した。沸騰後約2〜3分で、樹脂を熱い間に濾過した。樹 脂を、同様の方法でキシレン中でもう一度沸騰させて、濾過し、次いでカラムに 戻した。この熱再生操作を第2、第3および第4カラムに関して反復した。次に 新鮮なキシレンを装置中にポンプ輸送して、空気を系から流出させた。 二次吸着 一次吸着サイクルで用いたのと同一のキシレン/乳酸/ラクチド溶液を用いて 、二次室温吸着サイクルを実施した。二次吸着サイクルに関する流速は約47g /分で、0.41フィート/分の上流表面速度を得た。30分毎に試料を採集し 、HPLC分析にかけた。最初のキシレンが系から追い出された後、第4カラム 流出物の試料は、カラムの漏出まで、検出可能なレベルの遊離酸は示さなかった 。第4カラムの漏出は、供給溶液開始後約240分で起きた。一次吸着サイクル と同様に、この適用におけるHPLCの低検出限界は、2meq遊離酸/kg溶液で あった。精製流の保持試料2580gを漏出前に第4カラムから採集した。3A モレキュラーシーブの試料570gを保持試料に加えた。次に保持試料を攪拌し 、後に使用するまで保存した。 (1)樹脂がほぼ完全に飽和状態になるまで一次吸着サイクルを実施し、 (2)漏出前の二次吸着サイクルの長さが一次吸着サイクルの長さとほぼ同じ であったため、樹脂の熱再生は実質的に完全であったと考えられた。 一次吸着および二次吸着からの2つの保持試料を併合し、70℃で、部分真空 で物質を回転蒸発させてキシレンの一部を除去した。回転蒸発後、残渣を室温に 冷却したが、この間にL−ラクチドの針状結晶が残渣フラスコ中に生じた。結晶 を濾過し、3Aモレキュラーシーブを用いて乾燥させておいた新鮮なキシレンで 洗浄した後、真空オーブン中で35℃で乾燥した。結晶生成物の遊離酸レベルは 、カリウムメトキシド滴定法の検出限界以下であった。この適用におけるカリウ ムメトキシド滴定法の検出限界は、0.02meq遊離酸/ラクチド1kgであった 。 実施例5 以下の比較実施例は、本発明の生成および精製法の一実施態様により得られる 精製環状エステルを用いて生成し得る高分子ポリマーを、市販の環状エステルを 用いて得られる分子量のポリマーに対して説明する。 吸着剤調製 実施例4に記載した吸着装置の最初の2つの管にREILLEX(登録商標)425を充 填した。REILLEX(登録商標)425は、キシレンとの共沸蒸留により予め調製して おいた。第3および4管には3Aモレキュラーシーブビーズを充填した。キシレ ンを系中にポンプ輸送し、モレキュラーシーブを脱気させて、カラムから空気を パージした。 環状エステル精製 L−ラクチド85gの試料をキシレン4リットルに溶解させた。Lラクチドは 解重合に基づく反応から作られると考えられる商業等級であった。溶解前に、ラ クチドを長時間空気に曝露して、水を出させ、遊離酸を生成した。出発ラクチド は、カリウムメトキシドを用いた滴定により測定した場合、91meq遊離酸/ラ クチド1gを含有した。出発ラクチド、出発キシレンおよびラクチド−キシレン 溶液のKarl-Fisher滴定は、それぞれ260、78ppmおよび84ppmの水を示し た。 粗製ラクチド−キシレン溶液を、46g/分でポンプで吸着装置を通した。最 初のキシレンが系から追い出された後、4リットルの保持試料を第4カラム流出 物から採取した。保持試料の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は、 検出可能な遊離酸を示さなかった。この適用におけるHPLC法の低い方の検出 限界は、2meq遊離酸/kg溶液であった。保持試料のKarl-Fisher滴定は、7.7 ppmの水を示した。 環状エステルの回収 部分真空下で65℃で物質を回転蒸発することにより、保持試料からキシレン の一部を除去した。回転蒸発後、残渣を室温に冷却し、その間にL−ラクチドの 針状結晶が残渣フラスコ中に生じた。結晶を濾過し、3Aモレキュラーシーブを 用いて乾燥させておいた新鮮なキシレンで洗浄した後、真空オーブン中で35℃で 乾燥した。結晶生成物の遊離酸レベルは、カリウムメトキシド滴定法により0. 04meq遊離酸/ラクチド1kgと測定された。結晶生成物のKarl-Fisher滴定は、 49ppmの水を示した。 環状エステルの重合 6本のガラス管の各々に10gの吸着精製ラクチド、市販ラクチドまたは出発 ラクチド材料を充填した。市販ラクチドは、カリウムメトキシド滴定法およびKa rl-Fisher滴定により測定した場合、1.1meq遊離酸/ラクチド1kgおよび59 ppm水を含有した。キシレン溶液中のオクタン酸第一錫の10重量%溶液の試料 24μlを各管に加えたが、これは80ppmモルまたは12500:1モノマー対 触媒比に相当した。管を加熱し、内容物を重合させた。ゲル透過クロマトグラフ ィー分析により、下記の分子量が確定された: 精製ラクチドから得られたポリマーの分子量は出発ラクチドから得られたポリ マーより約2000%高かったため、精製工程は成功であった。精製ラクチドか らのポリマーは、市販ラクチドからのポリマーと比較した場合、分子量が50〜 125%高かった。重合条件は同一であったため、分子量の差はモノマー(ラク チド)純度の差によるものである。 実施例6 以下の実施例は、本発明の精製方法の別の実施態様を説明する。 吸着剤調製 乾燥AMBERLYST(登録商標)A-21樹脂100mlを直径1インチの清浄ガラ スカラムに入れた。それをアセトンの100ml部分で2回、50%水/50%ア セトン100mlで1回洗浄した。最初のアセトン洗浄液はpH9で、黄色であり、 この処理により除去された樹脂中の不純物を示した。硫酸マグネシウム(15g )および3Aモレキュラーシーブ40mlをカラムの上部に加えた。 不純物の吸着 L−ラクチドの試料10g、無水乳酸5g、多乳酸2gおよび蒸留水約0.5 gをアセトン約20mlと混合し、上記で調製したような吸着剤を含有するカラム に加えた。ラクチド調製物をカラムから溶離した。カラムからの溶離分画を回転 蒸発器に載せて、徐々に加熱しながら溶媒を除去した。五酸化リン上のオーブン 中に分画を置いて、残留アセトンをさらに蒸発させた。残りのアセトンを留去す ると、真っ白の、軽いフレーク状物質が残渣として残った。生成したラクチドの 収率は、約93.5%であった。 実施例7 以下の実施例は、本発明の包装環状エステル製品の保存寿命および安定性の改 良を説明する。 ラクチド試料5kgを、約0.39g/(100in2・24hr)の水蒸気透過率を 有する4ミル厚の低密度ポリエチレン(LDPE)袋に入れ、別のラクチド試料 5kgを、約0.0006g/(100in2・24hr)の水蒸気透過率を有するLD PE箔ラミネート袋に入れた。どちらの袋も表面積が418平方インチであった 。次に、ラクチドの袋を100°F(37.8°C)、相対湿度90%で6カ月間 保存した。4ミル厚LDPE袋中のラクチドの遊離酸レベルを測定し、LDPE 袋を透過した水により3332meq遊離酸/ラクチド1kgだけ上昇したことが判 明した。これに対して、LDPE箔ラミネート袋中のラクチドの遊離酸レベルを 測定すると、透過水蒸気により5.4meq遊離酸/ラクチド1kgだけしか上昇し なかったことが判明した。 実施例8 以下の実施例は、溶媒およびラクチドから別々の相に乳酸およびそのオリゴマ ーならびに水を除去する場合の水性溶媒の有効性を説明する。 1.139重量%のラクチドならびに0.728重量%の乳酸および乳酸オリ ゴマー(残りはキシレンである)を含有するラクチド反応器からの流れを、0. 6重量%の水と接触させた。混合物を2つの別々の相に分けると、一方の相はラ クチドおよびキシレンを含有し、他方の相は乳酸、乳酸オリゴマーおよび水を含 有した。前者の相をサンプリングすると、1.127重量%のラクチドならびに 0.05重量%の乳酸および乳酸オリゴマーを含有することが、そして後者の相 は0.626重量%のラクチドならびに55.1重量%の乳酸および乳酸オリゴ マーを含有することが分った。これらの濃度および2相の相対容量を基礎にして 、前者の相は99%のラクチドならびに7%の乳酸および乳酸オリゴマーを含有 した。 本発明の種々の実施態様を詳細に述べていたが、それらの実施態様の変更およ び修正が生じることは当業者には明らかである。しかし、このような変更および 修正は、添付の請求の範囲に記載したように本発明の範囲内であると明白に理解 されるべきである。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.環状エステル、有機溶媒および不純物を含む組成物中の環状エステルを精製 する方法であって、該組成物に水性溶媒を導入し、その後、該環状エステルおよ び有機溶媒を含む第一相と、該水性溶媒および不純物を含む第二相とに該組成物 を分離させる工程を含み、ここで、該組成物に導入する水性溶媒の量が、有機溶 媒中の水の相互溶解度の限界を組成物の重量に対して約3%未満上回る方法。 2.該不純物が、単一のヒドロキシカルボン酸、またはそのエステル、塩もしく はアミド(X1A);X1Aの直鎖二員分子(X2A);X1Aの直鎖三員分子(X3 A);X1Aの直鎖四員分子(X4A);X1Aの直鎖五員分子(X5A);およ びそれらの混合物よりなる群から選択される化合物を含む請求項1記載の方法。 3.該組成物中の該不純物の少なくとも約60重量%が該第二相へと分離する請 求項1記載の方法。 4.該組成物中の該不純物の少なくとも約80重量%が該第二相へと分離する請 求項1記載の方法。 5.該組成物中の該不純物の少なくとも約95重量%が該第二相へと分離する請 求項1記載の方法。 6.該組成物が回収溶媒を含む請求項1記載の方法。 7.該回収溶媒が、キシレン、トルエン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、 アニソール、2−オクタノンおよびイソプロピルエーテルよりなる群から選択さ れる請求項7記載の方法。 8.該組成物の温度が、約0〜約80℃の範囲にわたる請求項1記載の方法。 9.導入工程以前の該組成物が、約1重量%以下の水性溶媒を含む請求項1記載 の方法。 10.該組成物からの環状エステルの回収率が、少なくとも約80%である請求 項1記載の方法。 11.該組成物からの環状エステルの回収率が、少なくとも約90%である請求 項1記載の方法。 12.該組成物からの環状エステルの回収率が、少なくとも約95%である請求 項1記載の方法。 13.該水性溶媒が、水、0〜88%のXAを含有する溶液、およびそれらの混 合物よりなる群から選択される請求項1記載の方法。 14.該組成物に導入する水性溶媒の量が、有機溶媒中の水の相互溶解度の限界 を組成物の重量に対して約1.5重量%未満上回る請求項1記載の方法。 15.該組成物に導入する水性溶媒の量が、有機溶媒中の水の相互溶解度の限界 を組成物の重量に対して約1重量%未満上回る請求項1記載の方法。 16.該水性溶媒が、ヒドロキシカルボン酸、およびそのエステル、塩もしくは アミドよりなる群から選択される約1重量%以下の不純物を含む請求項1記載の 方法。 17.該水性溶媒が、供給原料XAに由来する不純物、および/またはXD合成 反応工程からの副生成物よりなる群から選択される約1重量%以下の不純物を含 む請求項1記載の方法。 18.該環状エステルが、ヒドロキシカルボン酸、またはそのエステル、アミド もしくは塩を含む原料流から生成され;該水性溶媒が、該原料流の一部を含む請 求項1記載の方法。 19.該第一相で該環状エステルをさらに精製する工程を含む請求項1記載の方 法。 20.該さらに精製する工程が、吸着、結晶化、蒸留、およびそれらの組合せよ りなる群から選択される請求項19記載の方法。 21.該さらに精製する工程が、該第一相を第一吸着剤に接触させて、不純物を 除去する工程を含む請求項19記載の方法。 22.該さらに精製する工程が、該第一相を、該第一吸着剤に接触させる該工程 後に第二吸着剤に接触させて、不純物を除去する工程を含む請求項21記載の方 法。 23.該第二吸着剤によって除去された該不純物が、水を含む請求項22記載の 方法。 24.環状エステル、有機溶媒および不純物を含む組成物中の環状エステルを精 製する方法であって: (a)該組成物に水性溶媒を導入し、該環状エステルおよび有機溶媒を含む第 一相と、該水性溶媒および不純物を含む第二相とに該組成物を分離させる工程と ; (b)該第一相を第一吸着剤に接触させて、不純物を除去する工程と を含む方法。 25.該不純物が遊離酸を含み、該第一吸着剤が陰イオン交換樹脂を含む請求項 24記載の方法。 26.さらに: (c)該第一相を、該第一吸着剤に接触させる該工程後に第二吸着剤に接触さ せて、不純物を除去する工程を含む請求項24記載の方法。 27.該不純物が水を含み、該第二吸着剤が、モレキュラーシーブ、ならびにア ルミナおよびシリカゲルよりなる群から選択される請求項26記載の方法。 28.導入する工程以前の該組成物が、約1重量%以下の水性溶媒を含む請求項 24記載の方法。 29.該組成物に導入する水性溶媒の量が、有機溶媒中の水の相互溶解度の限界 を組成物の重量に対して約3.0重量%未満上回る請求項24記載の方法。 30.該第一相中の該環状エステルの量が、該組成物中の環状エステルの少なく とも約80%である請求項24記載の方法。 31.該組成物中の該不純物の少なくとも約60重量%が該第二相へと分離する 請求項24記載の方法。 32.環状エステルを製造する方法であって: (a)単一のヒドロキシカルボン酸、またはそのエステル、塩もしくはアミド (X1A);X1Aの直鎖二員分子(X2A);X1Aの直鎖三員分子(X3A); X1Aの直鎖四員分子(X4A);X1Aの直鎖五員分子(X5A);およびそれら の 混合物よりなる群から選択される化合物を含むXAを含む原料流を有機溶媒中に 与える工程と; (b)該原料流から水を除去して、該環状エステルを含む生成物流を形成し、 ここで、該生成物流中のX3A、およびより高重合度のオリゴマーの濃度が、該 方法の際の反応混合物の約20重量%未満である工程と; (c)該生成物流に水性溶媒を導入し、環状エステルを含む第一相と、該水性 溶媒および不純物を含む第二相とに該生成物流を分離させる工程と を含む方法。 33.さらに: (c)該第一相を、吸着剤に接触させて、遊離酸、水、およびそれらの混合物 よりなる群から選択される該第一相から少なくとも1種類の不純物を除去して、 精製された第一相を形成する工程を含む請求項32記載の方法。 34.導入工程以前の該生成物流が、約1重量%以下の水性溶媒を含む請求項3 2記載の方法。 35.該生成物流に導入する水性溶媒の量が、有機溶媒中の水の相互溶解度の限 界を生成物流の重量に対して約3.0重量%未満上回る請求項32記載の方法。 36.水性溶媒が該原料流の一部を含む請求項32記載の方法。 37.該第一相中の環状エステルの量が、該生成物流中の環状エステルの少なく とも約80%である請求項32記載の方法。 38.該生成物流中の該不純物の少なくとも約60重量%が該第二相へと分離す る請求項32記載の方法。 39.環状エステル、およびXAを含む不純物を含む組成物中の環状エステルを 精製する方法であって、該組成物に水性溶媒を導入し、その後、該環状エステル を含む第一相と、該水性溶媒および不純物を含む第二相とに該組成物を分離させ る工程を含み、ここで、該組成物に導入する水性溶媒の量が、組成物中のXAの オリゴマー種の加水分解を実施するのに必要な量より少ない方法。 40.該組成物に導入する水性溶媒の量が、組成物中のXAのオリゴマー種のエ ステル結合を加水分解するのに必要な化学量論量の水を与える量に等しいか、ま たはそれより少ない請求項39記載の方法。 41.該不純物が、単一のヒドロキシカルボン酸、またはそのエステル、塩もし くはアミド(X1A);X1Aの直鎖二員分子(X2A);X1Aの直鎖三員分子( X3A);X1Aの直鎖四員分子(X4A);X1Aの直鎖五員分子(X5A);お よびそれらの混合物よりなる群から選択される化合物を含む請求項39記載の方 法。 42.該組成物が、キシレン、トルエン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、 アニソール、2−オクタノンおよびイソプロピルエーテルよりなる群から選択さ れる溶媒を含む請求項39記載の方法。 43.該組成物の温度が約0〜約80℃の範囲にわたる請求項39記載の方法。 44.該組成物からの環状エステルの回収率が、少なくとも約80%である請求 項39記載の方法。 45.該水性溶媒が、水、0〜88%のXAを含有する溶液、およびそれらの混 合物よりなる群から選択される請求項39記載の方法。 46.該第一相中の該環状エステルをさらに精製する工程を含む請求項39記載 の方法。 47.該さらに精製する工程が、吸着、結晶化、蒸留、およびそれらの組合せよ りなる群から選択される請求項46記載の方法。 48.該さらに精製する工程が、該第一相を第一吸着剤に接触させて、不純物を 除去する工程を含む請求項46記載の方法。 49.該さらに精製する工程が、該第一相を、該第一吸着剤に接触させる該工程 後に第二吸着剤に接触させて、不純物を除去する工程を含む請求項48記載の方 法。 50.該第二吸着剤によって除去された該不純物が、水を含む請求項49記載の 方法。
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