JP2922303B2 - ヒドロキシ酸及びその誘導体からの環状エステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシ酸及びその誘導体からの環状エステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
発明の分野 本発明は、本明細書中ではヒドロキシ酸またはヒドロ
キシカルボン酸と称されるヒドロキシカルボン酸及びそ
の誘導体のそれぞれの環状エステル、好ましくは同一環
中に2個のエステルを有する環状化合物への転換による
環状エステルの製造方法に関する。本発明はヒドロキシ
酸のそれぞれの環状エステルへの液相転換及び蒸気相転
換をともに意図する。本発明はさらに、環状エステルを
回収するための新規の技術をも包んでいる。 発明の背景 一般式: (式中、R1、R2、R3及びR4は水素、又は1〜約10個の炭
素原子を有する脂肪族又は置換若しくは非置換脂肪族又
はアリール炭化水素である)を含む環状エステルは、高
分子物質に重合可能な有用な種類の化合物である。この
ような高分子物質は、生分解性プラスチック素材及び医
療用用途に用いた場合に溶解するプラスチック素材の製
造に特に有用である。ほとんどの環境条件下で加水分解
により経時的に分解され得るため、ラクチドのような環
状エステルの重合にて生成されるポリマーは特に有用で
ある。その結果生じる乳酸の単体又は乳酸のオリゴマー
は、その後大気中の生物により容易に取り込まれて、二
酸化炭素と水に転化される。環状エステルは可塑剤とし
て、並びに界面活性剤及び可塑剤の製造のための中間生
成物質としても有用である。 従来の慣用手段によれば、所望の環状エステルは、先
ずヒドロキシ酸、典型的にはα−ヒドロキシ酸を比較的
高分子量のオリゴマー性プレポリマーに縮合することに
より調製されていた。次に、プレポリマーは排気反応器
中で高温低圧で粗製環状エステルに解重合されていた。
所望の分子量のポリマーを提供するのに十分な必要純度
の環状エステルを生成するには、大規模な精製工程を要
していた。 オリゴマー性α−ヒドロキシ酸プレポリマーからの環
状エステルの製造は、乳酸ポリマーに関して以下に説明
するように、それがポリマーの末端からα−ヒドロキシ
酸成分の漸次除去を伴って環状エステルを生成すること
から、時としてバックバイティング(back biting)反
応と呼ばれる。 ベリス(Bellis)へ付与された米国特許第4,727,163
号は、α−ヒドロキシ酸又はコア上に重合されるそのエ
ステルによる熱安定性ポリエーテルコアを含有するブロ
ックポリマーを有してなるプレポリマーを先ず作ること
を含む方法に関する。真空条件下で加熱する場合、α−
ヒドロキシ酸の鎖末端は熱分解されて真空下で縮合され
得る環状エステルを生成する。 バーティア(Bhatia)へ付与された米国特許第4,835,
293号は、大気圧で又はそれ以上の圧力で工程が操作さ
れ得る不活性ガス掃引の使用を含むバックバイティング
法に関する。プレポリマーと不活性ガスとの間に大きな
界面域を作って環状エステルを気化させ、その後の回収
及び精製のために蒸気を反応器から一掃するために、不
活性ガスは液相状態にあるプレポリマーに直接接触す
る。 上記のように、そして引用したBellis及びBhatiaの特
許で検討されているように、α−ヒドロキシ酸のバック
バイティング解重合によれば環状エステルの生成が可能
である。しかしながら、バックバイティング反応は一般
的にゆっくりした反応であり、長時間に及ぶとともに、
取り除かなければならない望ましくない高分子両の副生
成残物を生じるバッチ操作であって、しかも環状エステ
ル生成物を有害変色熱分解物質から分離しなければなら
ない。 発明の概要 本発明は、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボ
ン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸塩又はヒドロキシ
カルボン酸アミドから誘導される環状エステルの製造方
法に関する。本方法は、上記成分を有する供給流を提供
し、供給流を処理して上記成分のいずれか2つの間での
単一エステル化反応により生成される2員オリゴマーか
ら環状エステルを直接生成することから成る。 本発明の別の態様においては、上記成分及び有機溶媒
を含有する供給流から水を除去することによりこのよう
な供給流を処理するが、この場合、供給流中の反応成分
の濃度を希釈する。好ましくは、溶媒は水と共沸混合物
を形成し、そして水を共沸混合物として除去するべく供
給流を加熱することにより水は除去される。 本発明のさらに別の態様においては、混合物の重合度
がHPLCで測定して約4未満又は約4になるまで、水の除
去により反応の供給流を処理することを含んでいる。 本発明のさらに別の態様においては、供給流の少なく
とも一部をその蒸気相に保持し、かつ、反応域で環状エ
ステルを生成するべく十分な圧力及び温度条件下での処
理のために、供給流をその蒸気相に転換する。好ましく
は、本態様は、窒素のような非反応性熱キャリヤーガス
の助けを借りて、供給流蒸気を反応域中に通過させるこ
とを含む。 本発明はさらに、上記の方法により生成される環状エ
ステルの回収を包んでいる。このような回収工程は、結
晶化、溶媒抽出、蒸留、膜仕切り、溶媒による洗浄、ク
ロマドラフィー、昇華及びそれらの組み合わせから成
る。 本発明は、連続的な方法でα−ヒドロキシ酸を高純度
の環状エステルに直接転換する能力を含む多くの優位性
を提供する。本方法は、特に従来技術のバックバイティ
ング法と比較して、簡単且つ迅速である。もうひとつの
利点は、環状エステル中に存在するあらゆる不斉炭素原
子が、それが作られるα−ヒドロキシ酸の供給流源にお
けると同様に同一の絶対配置において優勢を占めること
である。あるいは、本発明の別の態様では、キラリティ
ーは触媒及び条件の選択により制御し得る。別の利点
は、あらゆる未反応α−ヒドロキシ酸を再循環するのに
適合し得る方法であるということである。さらに別の利
点は、望ましくない副生物をほとんど生じない方法であ
るということである。これらのそしてその他の利点は、
本明細書に含まれる開示を基礎にして、当業者に容易に
明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、水が、有機溶媒により供給流から共沸混合物
として除去される環状エステルの製造方法を示す流れ図
である。 図2は、本発明に従ってα−ヒドロキシ酸の供給流か
ら直接環状エステルを製造する方法を示す流れ図であ
る。 図3は、本発明に従ってα−ヒドロキシ酸の供給流か
ら直接環状エステルを製造する方法の別の態様を示す流
れ図である。 図4は、実施例2に開示されるように、共沸混合物と
しての水の除去により経時的に生成されるラクチドの生
成を示す。 図5は、本発明の方法において有用な反応器の模式図
である。 発明の詳細な説明 本発明は、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボ
ン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸塩又はヒドロキシ
カルボン酸アミドから誘導される環状エステルの製造方
法を提供する。本明細書中で用いる場合、誘導されると
いう用語はこれらの成分又はこれらの成分の生成物が反
応体であった反応により、環状エステルが生成されるこ
とを示す。好ましくは、環状エステルはいずれか2つの
ヒドロキシ酸、そのエステル、塩又はアミドから生成さ
れるエステルを環状エステルに転換することにより生成
する。環状エステルはラクトンとしても公知である。こ
のような好ましい環状エステルを本明細書中ではXDと称
する。本明細書で用いる場合、X1Aはヒドロキシカルボ
ン酸、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシカル
ボン酸塩又はヒドロキシカルボン酸アミドを意味する。
X2Aは、ヒドロキシ酸又はその誘導体の直鎖2員分子を
生成するためのいずれか2つのX1A分子間の単一反応、
例えばエステル化により生成される分子を示す。X3A
は、ヒドロキシ酸又はその誘導体の直鎖3員分子を示
し、XnAはヒドロキシ酸又はその誘導体の直鎖n員分子
を示す。本明細書で用いる場合、下付の文字を伴わない
XAは一酸種、あるいは二又はそれ以上の酸X1A、X2A、X3
A及びX4Aの混合物、あるいはそれらの種を含有する溶液
を示す。XがL、G又はTに置換される場合、それぞれ
乳酸、グリコール酸及び酒石酸を基礎にした対応する化
合物を意味すると理解されるであろう。例えば、LAはL1
A、L2A、L3A及びL4Aを示し、LDはラクチドを示す。 本発明の一態様によれば、X1Aから誘導される環状エ
ステルはXAに限定されるわけではないが、それを含む成
分を含有する供給流を提供し、環状エステルを生成すべ
く供給流を処理することにより、製造される。理論に縛
られたくはないが、環状エステルは主としてX2Aから直
接生成されると考えられている。ある触媒条件下では、
X3A及びX4Aは環状エステル生成に関与すると考えられ
る。本明細書で用いる場合、主にX2Aから環状エステル
を直接的に生成することは、X2Aが供給流中にすでに存
在していることか、あるいは2個のX1A分子間のエステ
ル化反応により生成されるX2Aがエステル化により環状
エステルに転換される反応が関連している。即ち、環状
エステルは、それがX5A又はそれ以上のXnAから生成され
る場合は、従来技術に記載されているようにポリエステ
ル鎖のバックバイティングによっては生成されないと思
われる。 本方法において水が作用する役割は、以下の平衡反応
を参照することにより理解し得る: 2X1A X2A + H2O X2A 環状エステル + H2O X1A + X2A X3A + H2O したがって、X1AはX1Aの高オリゴマーと、環状エステ
ルと、水と平衡していると言える。水を除去することに
より、反応は右に進み、逆に水を加えると反応は左に進
む。 本発明によれば、X1Aは好ましくはα−ヒドロキシカ
ルボン酸、あるいはそのエステル、塩又はアミドであ
る。広範囲のα−ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体
は、本発明に従って環状エステルに転換され得る。この
ような酸は、式R1R2C(OH)−COOH(式中、R1及びR2
それぞれ独立に水素、あるいは1〜10個の炭素原子を有
する置換若しくは非置換脂肪族又はアリール炭化水素で
ある)の酸及びこのような酸の水溶性塩を含む。単一の
X1A又はその混合物を用いてもよい。好適なX1A化合物と
しては以下の酸及びその対応するエステル、塩又はアミ
ドが挙げられるが、これらに限定されるものではない:
乳酸(L1A)、グリコール酸(G1A)、酒石酸(T1A)、
マンデル酸、ベンジル酸、1−ヒドロキシ 1−シクロ
ヘキサンカルボン酸、2−ヒドロキシ−2−(2−テト
ラヒドロフラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−
(2−フラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−フェ
ニルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
オン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2−ヒ
ドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸及びその
混合物。L1A、G1A及びT1Aという用語は、特定の酸だけ
でなく対応するエステル、塩又はアミドをも含む。理論
に縛られたくはないが、α−ヒドロキシカルボン酸又は
その誘導体はXD環状エステルの生成に特に適していると
考えられる。 好ましい酸は乳酸、グリコール酸及び酒石酸で、乳酸
がより好ましい。好ましい塩はXAのアルキル又はアリー
ルアミン塩、さらに好ましくはXAのアンモニウム塩、例
えば有機アンモニウム乳酸塩であって、乳酸アンモニウ
ムがさらに一層好ましい。さらに好ましい塩としては、
他の乳酸塩、グリコール酸塩及び酒石酸塩が挙げられ
る。好適なエステルとしては、短鎖アルキルエステル、
例えばメチル、エチル又はブチル鎖を有するもの、並び
に長鎖を有するもの、例えば乳酸オクタデシルが挙げら
れる。好ましいエステルとしては、乳酸メチル、乳酸エ
チル及び乳酸オクタデシルが挙げられる。X1Aのエステ
ルを考慮した場合、X1Aのオリゴマーエステルや、ポリ
エステルは含まれない。X1Aはいずれかの立体異性体、
即ちL−又はD−である。 好ましいX2A成分は、L1A-L1A(又はL2A、これはラク
トイル乳酸又は乳酸ダイマーとしても公知である)、L1
A-G1A、L1A-T1A、G1A-G1A(又はG2A)、G1A-T1A、及びT
1A-T1A(又はT2A)エステルを含むヒドロキシ酸、塩、
エステル、アミド又はそれらの混合物のいずれか2つの
間のエステルである。例えばL2Aは以下のように表すこ
とができる: 好ましいX2A成分はL2A、L1A-G1A及びG2Aエステルであ
る。X2Aは2個のL−異性体、2個のD−異例体又はD
−及びL−両方の異性体を含有し得る。さらに、好まし
いX2A型のエステルは、ラクトイル乳酸メチル、ラクト
イル乳酸エチル、ラクトイル乳酸ブチル、ラクトイル乳
酸オクタデシル及びラクトイル乳酸アンモニウムであ
る。 本方法の供給流はXAに加えて、X1Aのオリゴマー、例
えばX5A又はX6A及び他の物質を含む成分を含有し得る。
好ましくは、XAの量はXnA(ここでnは5又はそれ以上
である)の量を超える。好ましくはXA成分は総XnA種の
少なくとも約70重量%、より好ましくは85重量%、さら
に好ましくは90重量%を構成する。例えば市販の乳酸は
好適な供給流であって、それは一般的に約60重量%〜約
70重量%のL1A、約15重量%〜約20重量%のL2A、約3重
量%〜約6重量%のL3A、約0.5重量%〜約2重量%のL4
A、及び約12重量%〜約16重量%の水を含んでなる。 あるいは、供給流は、発酵反応から部分的に精製され
たXAを含有する発酵ブロスのような相当量の不純物を含
有し得る。例えば乳酸又は乳酸塩、例えば、乳酸アンモ
ニウムは、発酵ブロスから直接、一部精製される。乳酸
アンモニウムはラクチド、水及びアンモニアガスに転換
される可能性を有し、これらは生成物流から容易に分離
されるという利点がある。 あるいは、供給流は精製成分、例えば高純度L1A又は
高純度L2Aを含有し得る。供給流中の反応成分の濃度
は、以下に記載するような一定の環状エステル製造方法
に対して環状エステルが高生成収率(反応成分の環状エ
ステルへのモル転換率)及び高容量生産性を達成するよ
う調整されうる。本明細書で用いる場合、反応成分とい
う用語は、XnA成分、好ましくはX1A及びX2A成分を意味
する。 あるいは、供給流は熱安定性成分、例えば熱安定性LA
を含む。本明細書で用いる場合、熱安定性LAという用語
は、種々のLA種を含み得るが、加熱時に変色を引き起こ
す可能性のある不純物の除去されてなる乳酸混合物を意
味する。 本発明の好ましい態様では、供給流は、高分子物質が
本発明に従って作られた、例えば、環状エステルから製
造される高分子物質の再循環から誘導される反応成分を
含有し得る。例えば、ラクチドのような環状エステルの
場合は、ポリ乳酸の製造に適している。ポリ乳酸はそれ
を乳酸及び乳酸のオリゴマーに加水分解することにより
再循環し得る。このような加水分解生成物は、本明細書
での供給流に用いるのに適している。 供給流中の反応成分の濃度は、約0.5重量/容量%〜
約99+重量/容量%の範囲である。液相反応を用いる本
発明の好ましい態様によれば、供給流は低濃度の反応成
分を有する。反応成分の環状エステルへのモル転換率の
増大はこの方法で達成できることが見出された。本発明
のある態様では、供給流中の反応成分の好ましい濃度
は、供給流の約75重量/容量%未満、より好ましくは約
50重量/容量%未満、さらに好ましくは約25重量/容量
%未満である。理論に縛られたくはないが、低濃度で
は、1つのX2A分子がX1A又は別のX2A分子に十分近くに
存在してそこで一緒に反応してXnAオリゴマーを生成す
る機会は、X2Aがそれ自身と反応して環状エステルを生
成する機会よりも比較的小さいと思われる。 ある態様では、供給流中の反応成分は任意の溶媒中に
希釈されて供給流中に好適な濃度が達成され、このよう
な溶媒はヒドロキシル基を含有しなのいが好ましい。水
が環状エステルをX2AにそしてX2AをX1Aに加水分解する
ため、水性溶媒は用いないのが好ましい。概して、好ま
しい溶媒は、本発明の方法による環状エステルの有効な
生成に好適な有機溶媒である。溶媒は、水よりも高温で
揮発性であるか、及び/又は水と共沸混合物を形成する
のが好ましい。 反応成分を処理容器中に入れる前に溶媒で反応成分を
希釈することができる。反応成分と溶媒のこのような混
合物は供給流と呼ばれる。あるいは、供給流は処理容器
に別々に加えた反応成分と溶媒とから構成することもで
きる。ある態様では、反応成分を溶媒に徐々に加え、こ
の溶媒は処理容器中で予め暖めておくのが好ましい。 本発明によれば、XAを含む供給流が処理されて環状エ
ステルが生成される。このような処理は、液相供給流又
は蒸気相供給流の処理である。液相供給流の場合、処理
は一般的に供給流から水を除去して環状エステルの生成
を促すことを包んでいる。いかなる理論にも縛られたく
はないが、除去される水は、考察中の特定の態様に依存
する少なくとも3つの原因に由来すると思われる:即
ち、(1)当初供給流中に存在する遊離水;(2)2つ
のXA分子間に直鎖エステル(XnA)(ここでnは少なく
とも2である)を生成するためのエステル化反応由来の
水;及び(3)X2Aから環状エステルを生成するための
エステル化反応由来の水である。水は供給流の処理が進
行するにつれて、逐次的にこれら3つの原因から生じる
と思われる。即ち、供給流は、一般的には最初に除去さ
れる遊離水を有する。供給流がこのように脱水されれ
ば、さらに水を生成するX1AのX2Aへのエステル化が望ま
れる。その水に除去されるに従ってX2Aの環状エステル
へのエステル化が次いで望まれる。遊離水は処理中に除
去されるため、供給流中の水の初期濃度は限定する必要
はない。一般的に、供給流中の最初の遊離水の量は約50
重量/容量%未満であり、好ましくは約30重量/容量%
未満である。 好ましくは、処理中に水がの除去される場合、供給流
中の遊離水が迅速に除去され、約2重量%未満の水濃度
しかない、本質的に脱水された供給流となる。エステル
化反応により生成される水は、本質的に生成される場合
と同様に早く除去することが好ましい。特に、水は一般
的に処理された供給流中の水の濃度が約2重量%未満、
より好ましくは約1重量%未満、さらに好ましくは約0.
5重量%未満であるような速度で除去される。 水は、反応成分が共沸溶媒中に希釈されてな供給流か
ら共沸混合物として除去し、非共沸性有機溶媒の不在下
又は存在下で適切な圧力でX1Aの気化温度以下の温度に
加熱により上げて、水と優先的に反応するウォーターゲ
ッターを加えて、モレキュラーシーブや仕切(例えば浸
透性)膜を用いて、水と水和結晶を形成する無水塩を用
いて、供給流を例えば多糖類(例えばFicoll)又はシリ
カのような水吸収性物質と接触させることを含む種々の
方法により液相供給流から除去することができるが、こ
れらに限定されるものではない。 共沸溶媒の例としては、水不混和性芳香族溶媒、水不
混和性脂肪族又は環式炭化水素溶媒及び均質溶媒が含ま
れる。特定例については後述されている非共沸溶媒の例
としては、芳香族化合物、例えばハロゲン化芳香族、例
えば塩素化芳香族類及びフッ素化芳香族類、ナフタレン
及びアニリンが挙げられる。ウォーターゲッターの例と
しては、無水物、例えば無水酢酸;ケタール、例えばア
セトンのジメチルケタール;アセタール、例えばアセト
アルデヒドのジエチルアセタール;及びカルボジイミド
が挙げられる。モレキュラーシーブの例としてはゼオラ
イトが挙げられる。無水塩の例としては、無水硫酸ナト
リウム及び無水硫酸マグネシウムが挙げられる。 水除去の好ましい方法は、有機溶媒を伴う共沸混合物
として水を除去し、減圧下で供給流を加熱することを含
む。さらに好ましい方法は共沸混合物として水を除去す
ることであるが、これについては以下で考察する。 環状エステルを生成するためのXAを含有する供給流の
処理は、温度、圧力、反応時間、触媒の存在及びブロッ
キング剤の存在をはじめとするいくつかのパラメーター
の影響を受ける。 供給流処理の温度は、遊離水を除去する速度とエステ
ル化の速度とを制御する。エステル化及び水除去のため
の供給流処理の温度は、一定の一組の他の処理パラメー
ターに関しては、有効な環状エステル生成には十分に高
いが、XA成分をアルデヒド類、一酸化炭素又は他の分解
生成物に転換する程には高くない温度である。好ましく
は、環状エステル生成温度は約55℃〜約250℃の範囲で
ある。より好ましい温度は約60℃〜約225℃の範囲であ
る。溶媒を使用する場合、特に反応が溶媒の沸点で実施
される場合には、その選択が反応の温度に影響を及ぼ
す。 供給流処理の圧力も環状エステルの生成に影響を及ぼ
す。例えば、高圧では、特に蒸気相処理において、反応
速度をより速くする一定の溶媒に対してはより高い反応
温度を採用することができる。しかしながら、圧力は大
気圧、大気圧より高い圧力又は大気圧未満の圧力も採用
されうる。本発明の好ましい圧力は大気圧である。 供給流処理は種々の時間で実施することができるが、
一般的には環状エステルの生成が適切な分析技法で測定
して実質的に最大になるまで行う。反応時間は、他のパ
ラメーター、例えば温度及び触媒の存在によって変わる
ことは当然である。例えば、室温から加熱することによ
りトルエンとの共沸混合物として水を除去することによ
ってトルエン中に希釈した市販の乳酸からのラクチドの
ような環状エステルを生成するには、約2〜約5時間以
内に実質的に最大となる。環状エステル分解及びラセミ
化を最小限にするにはもっと短時間であることが好まし
い。 本発明の全態様において、エステル化の速度を増大す
るために触媒を用いることができる。触媒は本発明には
必要でないが、反応で分解しない安定触媒の使用が好ま
しい。液相生成法に関しては、閉環エステル化触媒を含
む多数のエステル化触があり、その例としてはイオン交
換酸性触媒、例えばNafion及びDowex 50;可溶性酸性触
媒、例えば硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸及びトルエンスルホン酸;シリカ系の触
媒、例えばアルミナ−珪酸塩;他の固体不均質酸性触
媒、例えばアルミナ、エータ、テータ、デルタ及びガン
マアルミナ、シリカ、硫酸アルミニウム、酸化鉛、三酸
化アンチモン、三フッ化ホウ素、ベリリア、イットリ
ア;金属エステル触媒、例えばオクチル酸第一スズ及び
チタンテトラ(イソプロポキシド);酵素、例えばヒド
ロラーゼ;ゼオライト;いわゆる鋳型触媒、例えば酸化
ジ−n−ブチルスズ;ミセル触媒、例えば極性触媒、例
えばスルホコハク酸塩、例えばPfizerからAerosol OTと
して販売されているナトリウムジ(2−エチルヘキシ
ル)スルホコハク酸塩、非極性触媒、例えばポリオキシ
ルエチレンノニルフェノール、及びリン酸塩が挙げられ
るが、これらに限定されない。好ましい触媒としては、
ゼオライト及び酸性触媒、例えばDowex 50、ガンマアル
ミナ及びトルエンスルホン酸が挙げられる。本発明の蒸
気相の態様に関しては、不均質触媒、例えばアルミナ、
シリカ、シリカアルミナ、チタニア、無水ホウ酸、アル
ミノチタネート、酸化バナジウム、酸化ジルコニウム、
アルミナ−酸化マグネシウム及びアルミナ−酸化亜鉛を
用いることができる。均質触媒、例えば第一スズオクチ
ル酸塩及びチタンテトラ(イソプロポキシド)を用いて
もよい。蒸気相法のための好ましい触媒は、ガンマアル
ミナ、シリカ及びアルミナ−シリカである。液相反応の
場合、触媒は一般的に供給流及び蒸気相反応に含まれ、
触媒床は反応域に含まれる。 触媒の使用量は、温度及び圧力のような処理パラメー
ター、触媒の反応性並びに所望の反応速度の増大によっ
て変わる。さらに、一定の系に関するいずれかの特定の
触媒の量は、とりわけ、X2Aから環状エステルを生成す
るためのエステル化とX2Aから高オリゴマーを生成する
ためのエステル化との間の競合を説明しなければならな
いと認識される。したがって、反応速度論及び供給流の
処理に依存して、環状エステルの生成のための触媒の最
適量が存在しうる。それより高い又は低い量の触媒で
は、転換速度は低減する可能性がある。 ある種の触媒及び他の反応パラメーターを用いると、
所望のメソ−環状エステル生成物の生成を制御すること
ができる。例えば、ラクチドのような環状エステルに関
しては、ラクチドは2個の不斉炭素原子を有し、それは
3つの立体異性体の形態で得られる:即ち、両方の不斉
炭素原子がL(又はS)配座を有するL−ラクチド;両
方の不斉炭素原子がD(又はR)配座を有するD−ラク
チド;及び一方の不斉炭素原子がL−配座を、他方がD
−配座を有するメソ−ラクチドである。L−ラクチド及
びD−ラクチドはエナンチオマーであるが、メソ−ラク
チドは、L−ラクチド及びD−ラクチドのジアステレオ
マーであって、メチル基がジオキサンジオン環中で互い
にトランス形である。L−乳酸におけるキラリティーを
保持することはもっぱら、分解ポリマーの生成に有用な
L−ラクチドの生成をもたらす。しかしながら、元来、
L−乳酸におけるキラリティーのラセミ化は、分解ポリ
マーの生成におけるL−ラクチドとのコモノマーとして
の主要な有用性を有するメソ−ラクチドの生成を引き起
こす。本発明に記載した各態様に用いる条件及び触媒が
変化すると、L−乳酸の供給材料又は供給流から得られ
るラクチドはほぼ唯一L−ラクチドであるか、あるいは
L−ラクチドに加えて制御された量のメソ−ラクチドが
含まれる。例えば、ラクチドの生成に酸性触媒を用いる
と、メソ−ラクチドの生成が増大されることが見出され
ている。 本発明の別の態様では、X2Aよりサイズの大きいヒド
ロキシカルボン酸オリゴマーの生成を妨げるためにブロ
ッキング剤又は末端基剤を用いることができる。無水
物、ケトン及びアルデヒドのようなブロッキング剤が有
用である。特に、このようなブロッキング剤はヒドロキ
シ酸上のアルコール基を妨害し、それによりエステル生
成を妨げる。好ましくは、ブロッキング剤の使用によ
り、X3A又はそれより高オリゴマーの有意の生成を伴わ
ずにX1AからX2Aを生成するために供給流を濃縮すること
ができる。その後、ブロッキング剤が除去されて、X2A
から環状エステルが生成される。 環状エステル生成のための上記の方法はXDである環状
エステルの生成に特に適しているが、しかしこれに限定
されない。このようなXDとしては好ましくはラクチド、
グリコリド、並びに酒石酸、マンデル酸又は1−ヒドロ
キシ 1−シクロヘキサンカルボン酸の環状エステルが
挙げられるが、これらに限定されない。本発明の環状エ
ステルは、2個の異なるX1A分子を含有する混合物であ
ってもよい。環状エステルは2個のL-X1A、2個のD-X
1A、又は1個のL-X1A及び1個のD-X1Aを含有し得る。環
状エステルは染料、酵素又は他の蛋白質のようなその他
の官能基を付加するために誘導され得るX1A分子で構成
される。環状エステル、例えば乳酸と酒石酸との間の環
状エステルは二重環を形成して、分枝鎖又は架橋ポリマ
ーを生成させる。多数の環状エステルは6員環で構成さ
れるが、いくつかの環状エステルはカプロラクトンの場
合のように大きな環を形成してもよい。本発明の上記の
方法及び以下に開示する特定の態様は、モノエステルの
脱水生成物であるラクトンの製造にも好適である。 上記の、そして以下により具体的に記載するような一
般的工程バラメーターによる環状エステルの製造は、反
応成分の環状エステルへの高い転換を起こすことができ
る。本明細書で用いる場合、特に記載しない限り、転換
という用語はX1A 1当量当りの環状エステルの総理論的
生成のモルパーセントを示す。したがって、100モルのX
1Aを含有して他の反応成分を含有しない供給流では、50
モルの環状エステルが生成されたということは、X1Aが
環状エステルへ100%転換したことを表す。50モルのX2A
を含有して他の反応成分を含有しない供給流では、50モ
ルの環状エステルが生成されたということはX2Aが環状
エステルへ100%転換したことを表す。 3つの好ましい環状エステル製造方法を一般的に以下
で考察する。各節で考察する種々の限定及びパラメータ
ーは一般的な応用可能性を有することに留意すべきであ
る。 希釈有機溶媒中の環状エステル生成 本発明の好ましい態様では、有機溶媒中にXAを含有す
る供給流から水を除去して環状エステルを生成するが、
この場合、反応成分の濃度は希釈されている。この態様
は、驚くべきことに、XAの環状エステルへの高転換、特
にLAのLDへの転換を引き起こす。適切な溶媒は、XAが可
溶性で適切な沸点を有するものである。このような溶媒
は、好ましくは反応性ヒドロキシル基を有さないもので
ある。好ましくは、溶媒は水と共沸混合物を形成し、供
給流から共沸混合物として水を除去するために供給流を
加熱して水を除去する。溶媒が水と共沸混合物を形成し
ない場合、溶媒の沸点は水の沸点より高い必要がある。
本方法のこの態様のための好ましい供給流は、LAを含
む。好ましくは、エステル化触媒が用いられることによ
り環状エステルの生成速度は増大する。好ましい触媒と
してはゼオライト及び酸性触媒、例えばDowex 50及びト
ルエンスルホン酸が挙げられる。 上記のように、反応成分の好ましい濃度は約25重量/
容量%未満である。約50%の環状エステルへの高いモル
転換は1重量/容量%という低い濃度で達成できること
が見出された。さらに、このような転換は約1重量/容
量%〜約20重量/容量%、さらに好ましくは約1重量/
容量%〜約5重量/容量%の濃度範囲で得られることが
見出された。したがって、これらの範囲の上端で処理す
ることにより、高転換率での容量製造を最大にすること
ができる。 環状エステル生成の工程中においては溶液中に残存す
る供給流中の反応成分が十分に溶解する共沸溶媒が選択
される。好ましくは、沸点温度で許容可能な割合のエス
テル化が達成されるのには十分高いが、溶媒が水と有効
な共沸混合物を形成できないほどには又は沸点温度でア
ルデヒド又は他の分解生成物に転換されるほどには高く
ない沸点を有する共沸溶媒が選択される。 共沸溶媒としては、水不混和性芳香族溶媒、水不混和
性脂肪族又は環式炭化水素溶媒、水溶性溶媒あるいはそ
れらの混合物が挙げられる。好ましい溶媒は水不混和性
芳香族共沸溶媒である。このような溶媒としてはベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメン、ト
リメチルベンゼン及びアルキルベンゼンが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。さらに好ましい
水不混和性芳香族共沸溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン及びキシレンが挙げられる。トルエンはより好ましい
水不混和性芳香族共沸溶媒である。蒸留後、再循環され
る溶媒にて容易に分離できて、水が系の外に取り出され
ることから、水不混和性共沸溶媒が好ましい。 アルカン及びアルケンのような炭化水素を溶媒として
用いることができる。アルカン、例えばペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタンは溶媒と
して用いることができるが、X1A及び環状エステルはし
ばしばこのような溶媒に可溶性でない。アルケン、例え
ばシクロヘキセンも本発明に好適である。 水溶性共沸溶媒、例えばアセトニトリルを用いて水を
除去し、それによりエステル化を促してもよい。 本発明のこの態様に好ましい温度範囲は約60℃〜約14
0℃であり、さらに好ましい範囲は約80℃〜約115℃であ
る。これらの温度範囲は、あらゆる一定の共沸系に関し
て、共沸混合物の沸点及び共沸混合物の有機部分の沸点
を含むことに留意すべきである。即ち、水が供給流中に
最初に存在し、共沸混合物を形成するのに用いられるの
で、反応温度は共沸混合物の沸点にある。最初に存在す
る水は実質的に完全に除かれるので、反応温度は共沸混
合物の有機部分の沸点に上がる。本方法のこの態様は、
より低温で実施することができるため、熱的に不安定な
ヒドロキシ酸と一緒に用いるのに特に適しており、しか
もエネルギーコストの低減を伴う。 水を希釈溶液から除去して環状エステルを生成する場
合、温度のいく何らかの変動は環状エステル生成率に影
響を及ぼすが、温度のこのような変動は反応成分の環状
エステルへ転換全体に影響を及ぼすとは思えない。例え
ば、市販の乳酸を含有する供給流中の溶媒のベンゼン
(ベンゼン/水の共沸混合物の沸点:約69.25℃、ベン
ゼンの沸点:80.2℃)、トルエン(トルエン/水の共沸
混合物の沸点:約84.6℃、トルエンの沸点:約110.7
℃)、及びキシレン(キシレン/水の共沸混合物の沸
点:94.5℃、キシレンの沸点:139.1℃)を使用する工程
を比較すると、水の除去率はキシレンで最大で、ベンゼ
ンで最小であるが、乳酸のラクチドへの全体的モル転換
は各溶媒でほぼ同等であることが示された。 本発明に従って環状エステルを生成するためにXAを含
有する供給流から共沸混合物として水を除去すると、少
なくとも約5%のXAが環状エステルへのモル転換を達成
する。好ましい態様では、モル転換は少なくとも約10
%、より好ましくは少なくとも約25%、さらに好ましく
は少なくとも約50%である。特に、環状エステルに変換
されない反応成分の再循環により、より高い転換率が得
られ、そして100%に近い転換率も達成可能であること
を認識すべきである。 XAの水性溶液からの環状エステル生成 本出願の対象事項の発見以前には、ラクチドのような
環状エステルは熱水性XA溶液中では不安定であると一般
に考えられていた。驚くべきことに、混合物の重合度
が、HPLCで測定して約4未満又は約4になるまで、水性
XAから水を除去する初期段階中に、安定に回収可能な濃
度の環状エステル、特にXD、例えばLDが水性液体反応混
合物中に生成されるということが発見された。 本明細書で用いる場合、反復モノマー部分を有するポ
リマー又はオリゴマーの重合度(DP)とは、分析される
試料中に存在する分子当りのX1A部分の数の数平均測定
値である。乳酸ポリマー及びオリゴマーの重合度は伝統
的に、Holten(Lactic Acid,Property and Chemistry o
f Lactic Acid and Derivatives,Verlag Chemie,1971,I
SBN 3-52725344-0)が開示したように、滴定により測定
している。 滴定法は、主にX1A及びX2Aからなる試料の分析には有
効であると思われる。X3A、X4A及びそれより大きいオリ
ゴマーが任意の有意量で存在する場合は、滴定法は正確
でないことが判明している。高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)は試料中の各オリゴマーの直接的な測定値を
提示し、したがってDPを得るためには各オリゴマーの個
々の寄与分を合計することだけが必要であることが確認
されている。X2Aより大きいオリゴマーが存在する場
合、HPLCによるDP測定値は一般に滴定による数値より高
い。特に示さない限り、本明細書に記載するDP測定値は
HPLC法によるものである。LnA(ここでn=1〜13)の
L−ラクチド、メソ−ラクチド及び全種を分離する好適
なHPLC法を以下に示す。リン酸緩衝液を用いてpHを2.3
に緩衝剤で処理しながらアセトニトリル/水の種々の混
合比率を用いて逆相カラムを使用する。UV検出器を用い
て195及び210nmの波長をモニタリングする。真正L-L1A
及びL、L-L2A基準を調製し、純粋なLDと一緒に用いてL
1A、L2A及びL−ラクチドに関する反応曲線を決定す
る。L3A〜L13A種に関する反応因子は同一であると仮定
し、低DP及び高DP LnA混合物を分析することにより確定する。L3A〜L13A
反応因子は、L1A及びL2Aの反応因子と大きさが同じであ
ることが分かる。 上記のように、処理された供給流のDPが約4未満又は
約4になるまで、さらに好ましくはDPが約3.5未満又は
約3.5になるまで、もっと好ましくはDPが約3.0未満又は
約3.0になるまで、供給流から水を除去する。さらに、
処理された供給流のDPが少なくとも約1.2、より好まし
くは少なくとも約1.5になるまで水を除去する。 DPが約4を超えるまで、例えばDP約5及びそれ以上ま
で脱水し続けた場合、環状エステル含量が許容不可能な
ほど低いレベルに急速に低下する。さらに、約4又はそ
れ以下のDPを有する脱水された水性XA溶液を平衡させる
と、本明細書に開示する平衡反応は一部の環状エステル
を非環状エステル種と少なくとも部分的に反応させて、
それにより回収可能な環状エステルの量を低減させる。
しかしながら、例えば連続工程で生じる即時分離のよう
に、部分的に脱水された水性XAが迅速に処理されて環状
エステルを分離した場合は、XAの重量の約5%又はそれ
以上の許容可能な収率の環状エステルが容易に得られ
る。 本態様の好ましい供給流は、HPLCによる約1.2のDPを
有する市販の乳酸(LA約85%と水15%)である。ラクチ
ド生成は、市販の乳酸の脱水時に実質的にすぐに開始す
る。しかしながら、HPLCによるDPが約1.4〜約1.5になる
までは、回収を保証するには通常不十分なラクチドしか
存在しない。例えば、85%乳酸を100〜118トルの圧力で
86分間に亘って122℃に加熱すると、HPLCによるDPは1.2
9となり、脱水乳酸溶液を分析するとラクチド含量が1.1
重量%であることを示した。しかしながら、109〜150℃
で88〜83トルでさらに64分間脱水を続けた場合、分析に
よりHPLCによるDPが2.02でラクチド含量が6.9重量%で
あることが示された。 乳酸の脱水を通じて本発明の本方法のこの態様を用い
るラクチドの製造に適した乳酸の供給流は、以下の乳酸
種を以下の範囲(重量%)で含有する:L1A 約10%〜
約70%;L2A 約10%〜約30%;L3A 約3%〜約20%;
L4A 約0.2%〜約15%;ラクチド 約2%〜約45%;及び水 約0.2%〜約15%。 有意量のオリゴマーXnA(ここでnは4より大きい)
を有するXAの供給流は、好ましくは供給流中のX1A及びX
2Aの量を多くするために、加水分解する必要がある。供
給流は環状エステルそれ自体も含有することができる。
供給流中の環状エステルの存在はX1A及びX2Aの環状エス
テルへの転換に悪い結果をもたらさないと思われる。 水の除去のために水性XAの供給流を処理するには、種
々の反応器及び反応計画を用いることがてきる。好まし
い態様では、HPLCによるDPが約4又はそれ以下になるま
で、水性乳酸の供給流を約150トル〜約10トルの圧力で
約100℃〜約220℃の温度で加熱してそこから水を除去す
る。環状エステルは液相に残留するか、又は温度及び圧
力が適切である場合には、少なくとも一部の環状エステ
ルが気化し、反応液から蒸留される。LD環状エステルの
有意の気化は、LAが高温で、例えば85トルで180℃以
上、好ましくは195℃以上と等価の条件で脱水される場
合に得られる。 別の態様では、HPLCによるDPが約4又はそれ以下にな
るまで水性XAの供給流を加熱してそこから水を除去し
て、溶液中に環状エステルを生成する。次に、環状エス
テル含有溶液を、溶媒、例えばアルキルベンゼン、好ま
しくはC10〜C22アルキルベンゼンを気化させて反応のた
めの及び環状エステルの同時蒸留のための熱伝達を提供
する同時蒸留反応液に入れる。環状エステル含有溶液を
気化溶媒と混合するために、温度及び圧力といった反応
条件が設定され、環状エステル含有溶液中の未反応成分
からさらなる環状エステルが生成される。反応における
条件は、同時蒸留反応混合物中の環状エステルを蒸留し
て水、未反応XA及びオリゴマーから環状エステルを回収
するのにも適している。 蒸気相法における環状エステル形成 本発明の別の好ましい態様では、その蒸気相における
供給流の上記部分を保持し、反応域で環状エステルを生
成するのに十分な圧力及び温度条件で処理するために、
XAの供給流の一部、その全部か又は小部分をその蒸気相
に転換する。本明細書で用いる場合、蒸気という用語は
気化物質、並びに微細ミスト又はエアロゾルとして提供
される物質を指す。気化される液体XAの供給流の一部は
反応域で気化されるが、好ましくは反応域に導入される
前に気化される。高転換率はこの方法を用いて達成する
ことができるし、望ましくない副生物、例えばCO及びア
セトアルデヒドは許容限度以下であることが見出され
た。本方法の本態様からの好ましい生成物質はXDであ
り、さらに好ましくはLDである。 概して、本発明の蒸気相法で気化される供給流中のXA
の濃度は、1つ又はそれ以上の種X1A、X2A、X3A及びX4A
及びその混合物を含有する約50重量%〜約100重量%のX
A、そして約0重量%〜約50重量%の水を包含する。種X
1A〜X4Aの各々は、総XA含量が50%又はそれ以上である
限りは、0重量%〜約100重量%の量で存在しうる。 蒸気相法は、好ましくは非反応性熱キャリヤーガスの
助けによってXAの供給流蒸気を反応域に通すことにより
実施される。キャリヤーガスは窒素又はアルゴンのよう
な不活性ガスであるか、あるいは反応器操作条件で気体
であるC10〜C20アルキルベンゼンのような凝縮性ガスで
ある。キャリヤーガスは不活性ガスと気化された供給流
との混合物の約0重量%〜約99重量%の量で反応域中に
存在することができる。キャリヤーガスは気化された供
給流を反応器に入れてそこから粗製の気化環状エステル
含有物質を一掃するのを促す。反応域における気化され
た供給流の平均滞留時間は約0.5〜約12秒である。 供給流の少なくとも一部が蒸気相に保持される温度及
び圧力条件が、好適に選択される。温度及びガス流動条
件としては、X1A及び水が、ある温度、キャリヤーガス
流量及び圧力条件下で優先的に気化する条件が選択され
る。高分子X2A及び高オリゴマー種は、XAの供給流がX
2A、X3A及びX4Aオリゴマーを含有する場合は、減少規模
で気化し、それによりおそらくは非気化残渣を生じると
予測される。しかしながら、これらの高オリゴマー種は
直接ラクチドに環化するか又はその後気化される低分子
種に加水分解し得る。さらに反応工程で生成した環状エ
ステルは、優先的にX2A、X3A及びX4Aオリゴマーよりも
容易に気化すると考えられる。そうでなければ非気化残
渣を生じうるLAの供給流(総計24%のL2A、L3A及びL4A
を含有する)の実質的に完全な気化は容易に得られるこ
とが分かっている。温度は約150℃〜約250℃、圧力は約
10トル〜約800トル、そして、不活性キャリヤーガス中
の有機物重量%は約10重量%〜約50重量%であることが
好ましい。 環状エステルの収量は、エステル化及び閉環触媒(こ
れは同一であっても異なってもよい)の使用により約3
倍又はそれ以上まで改良し得る。触媒は、固定担持体上
に又は流動床のいずれかとして反応域に存在する。理論
に縛られたくはないが、XAの反応成分は触媒に吸着し、
反応し、その後気化する環状エステルを生成すると考え
られる。好ましい触媒としては、イータ、テータ、デル
タ及びガンマアルミナが挙げられ、ガンマアルミナが好
ましいが、これらは環状エステル収量を改良する一方で
CO副生物の生成を最小にする。その他の好適な触媒は、
シリカ、混合アルミナ−シリカ、無水ホウ酸、酸化バナ
ジウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム及びそ
の他の金属酸化物、混合金属酸化物、例えば酸化アルミ
ナ/マグネシウム、酸化アルミナ/亜鉛、及びチタンテ
トラ(イソプロポキシド)、酸化ジブチルスズである。
約2〜6mmの範囲の触媒粒子の大きさが好適であって、
それより小さいサイズは供給流の不完全な気化が生じる
場合に有用であることが判明した。 触媒を本態様に用いる場合は、反応域に導入される前
に供給流が完全に気化されるのが好ましい。触媒含有反
応域に液相XAが存在すると、反応域に導入される前にXA
の供給流をより完全に気化させた場合と比較して、環状
エステル収量が低下し、一酸化炭素及びアセトアルデヒ
ドのような不純な副生物の量が多くなる。 蒸気相法の好ましい態様では、供給流は時として85%
乳酸と呼ばれる市販の乳酸を含有する。別の態様では、
供給流はL1Aに富んだLA供給源を含有する。L1Aが高度に
濃縮した、即ち約70重量/容量%を超えるL1A、より好
ましくは約90重量/容量%のL1Aを含むLA含有の供給流
は、簡単な方法で調製できることが認定されている。こ
の方法では、市販の乳酸を水で希釈して約10〜30重量/
容量%の乳酸種を含有し残量は水である水性溶液を調製
することにより、85%乳酸をL1Aに富んだものに転換す
る。この混合物を、平衡に達するまで、一般に大気圧で
6〜8時間、又は圧力及び温度を上げて(1気圧以上)
それより短時間、還流下で平衡させる。得られた平衡溶
液は、乳酸種として、本質的にすべてのL1Aと約0.5%の
L2Aを有し、L3A、L4A及びより大きいオリゴマーは事実
上ゼロである。その後、約2%未満の水及び約7重量/
容量%未満のL2Aを含有する本質的に純粋な無水L1Aを生
成する温度及び圧力の条件下で、平衡混合物から水を迅
速に蒸留する。次に、無水L1Aを稀釈して、種々のレベ
ルの水を有する乳酸の供給流が得られる。 別の好ましい態様では、供給流はほとんど無水のLAを
含有する。ラクチド収量は、主にL1A含有供給流中の含
水量が低減されると着実に増大することが認定されてい
る。別の好ましい態様では、供給流はL2A、L3A及びL4A
に富んだほぼ無水のLAから成る。主としてL1Aを84.9%
含有する供給流と比較して、85%市販乳酸により生成さ
れるラクチドの収量が高いのは、そこに含まれるL2A、L
3A及びL4Aのパーセンテージが高い(24%)ことによる
ものと思われる。総量約10〜50%のL2A、L3A及びL4Aを
含有するほぼ無水の乳酸供給流が好適な供給流であると
考えられる。 本発明の好ましい一態様では、アルファ−ヒドロキシ
カルボン酸又はエステルの二量体の環状エステルへの転
換のための連続触媒処理蒸気相法であって、 (i)ヒドロキシカルボン酸物質を連続的に気化させ、
それを、カルボン酸物質を環状エステルにオリゴマー化
及び環化するのに有効な固体触媒を含有する反応域に供
給し; (ii)環状エステルの生成を引き起こしそれを蒸気相中
に保持するのに有効な温度及び圧力で反応域を維持し;
そして (iii)蒸気相から環状エステルを回収する 工程から成る方法が提供される。 供給流の一部を本方法で気化させる場合、非気化部分
は一般にX1Aのオリゴマーを含む。このような非気化部
分はXA成分に加水分解され、供給流で用いるために回収
されうる。 環状エステルの回収 本発明に従って生成した環状エステルは一般的には、
それらが生成された供給流(即ち生成物含有流)から回
収する。上記のように、このような回収された環状エス
テルは、特に生分解性のポリマーを生成する場合のモノ
マーとして用いるのに適している。本明細書で用いる場
合、回収という用語は処理済の供給流からの環状エステ
ルの分離、そしてその後、場合により精製を行うことを
意味する。 本発明によって生成した環状エステルを生成物含有流
から回収するのに用いられる数多くの方法として、結晶
化、溶媒抽出、溶媒による洗浄、蒸留、膜分配、クロマ
トグラフィー、昇華及びそれらの組み合わせがあるがこ
れらに限定されない。種々の回収方法は、揮発性、溶解
性及び種々のクロマトグラフィー適用時の親和性に関し
て生成物含有流の中の環状エステルと他の種との差異を
基礎にしているということに留意すべきである。 本発明の好ましい回収方法は結晶化であり、これは環
状エステルを生成するために用いられる方法が何である
かにかかわらず用いることができる。結晶化の利点は、
本質的にX1A、X2A、X3A、X4A及びヒドロキシ酸エステル
オリゴマーを含有しない環状エステルを結晶化すること
ができ、即ち、結晶化環状エステルが一般的に少なくと
も約90%の純度であって、少なくとも約99%、より好ま
しくは少なくとも約99.9%の純度を達成できるという点
である。 環状エステルを結晶化するためには、環状エステル、
未反応成分及びオリゴマーを含む生成物含有流の成分を
一般的には、生成物含有流中にすでに存在し得る適切な
溶媒と接触させるが、この場合、環状エステルは生成物
流中では他の成分より少ししか溶解せず、環状エステル
の結晶が生成されるまで徐々に冷却される。好ましい態
様では、生成物含有流を最初に加熱して全成分が溶液中
に確実に存在するようにして、及び/又はその後、結晶
形成を最大にするのに有効な時間、約0℃〜約10℃の温
度で冷却後に温置する。環状エステル結晶は、遠心分離
及び濾過を含む種々の技法により回収することができ
る。例えば、真空蒸発によって結晶を洗浄し、その後乾
燥するか、あるいは重合のために適切な溶媒中に保持す
る。高純度の結晶を得るためには、蒸留及び結晶化の異
なる工程を環状エステル結晶に施してもよい。一般的に
は、結晶化により少なくとも約50%、好ましくは少なく
とも約80%、より好ましくは少なくとも約95%の環状エ
ステルを回収することができる。 溶媒を含む生成物含有流からの環状エステルの結晶化
は、同一溶媒又は二次溶媒を用いて実施することができ
る。一次溶媒を除去し、そして二次溶媒を付加する必要
がないため、同一溶媒から直接環状エステルを結晶化す
る方法が好ましい。さらに、環状エステルの結晶化の後
に溶液中に残留するあらゆる未反応成分及び/又はオリ
ゴマーを直接供給流に再循環することができる。 オリゴマーを供給流に再循環させる前に溶媒に水を加
えることにより、すべてのこのような再循環流中のオリ
ゴマーを加水分解することができる。このような水はそ
の後、環状エステル生成工程の一部として除去される。
環状エステルの生成のための及び環状エステルの結晶化
のための好ましい溶媒としては、芳香族非水溶性共沸溶
媒が挙げられる。特に好ましい溶媒は、トルエン、ベン
ゼン及びキシレンである。 環状エステルがかなり可溶性である希釈溶液から環状
エステルを結晶化するためには、蒸発工程を用いて溶媒
のほとんどを除去する。好ましくは蒸発させて溶媒を十
分に除去し、少なくとも約30重量/容量%、より好まし
くは少なくとも約50重量/容量%、最も好ましくは少な
くとも約60重量/容量%の環状エステルを含有する溶液
を作る。蒸発は一般的には加熱しながら真空下で実施す
る。 別の態様では、一般的には蒸発により生成物含有流か
ら溶媒を除去して残渣を生成し、残渣を二次溶媒に溶解
し、これから環状エステルを結晶化する。この方法は、
環状エステルが一次溶媒に溶解しすぎて結晶化できない
場合に特に有利である。環状エステル、例えばラクチド
が溶解しすぎる一次溶媒の例は、アセトン及びアセトニ
トリルである。二次溶媒は、環状エステルが溶解され、
そして結晶化され得る溶媒である。ラクチドのような環
状エステルに関しては、このような溶媒としては、例え
ばメチルイソブチルケトン及びジエチルエーテルが挙げ
られる。結晶化後、二次溶媒中に残留する未反応成分及
びオリゴマーを回収し、必要な場合は加水分解し、そし
て供給流に循環させる。 さらに別の態様では、環状エステルを結晶化させる二
次溶媒を生成物含有流に加えることにより、生成物含有
流中に存在する環状エステルを結晶化することができ
る。このような二次溶媒は、例えば一次溶媒と混合した
場合に溶媒混合物から環状エステルを結晶化できるもの
である。例えば、ペンタンのようなある種のアルカン溶
媒の付加により、トルエンのような芳香族共沸溶媒中の
ラクチドのような環状エステルを沈殿させる。 本発明の別の態様によれば、環状エステルの気化温度
以下の低温、好ましくは約5℃以下の温度のサイクロン
又は遠心分離器のような収集装置中に蒸気相生成物含有
流を導入することにより、蒸気相反応で生成された環状
エステルを蒸気相生成物含有流から直接結晶化又は凝縮
することができる。環状エステルを凝縮後、冷水で環状
エステルを洗浄する。それにより生成された結晶を収集
装置から掻き取り、洗浄し、濾過して、乾燥する。さら
に、熱気化生成物流を冷水スプレー及び/又は冷不活性
ガス流と混合し、急速に冷却させて生成物を沈殿させる
ことにより、蒸気相法で生成した環状エステルを回収す
ることができる。 本発明はさらに、生成物含有流から環状エステルを回
収するための溶媒抽出の使用を包含する。例えば、環状
エステルが一次溶媒中よりよく溶解し、未反応成分及び
オリゴマーが一次溶媒中よりも溶解しない二次溶媒と生
成物含有物を接触させることにより環状エステルを回収
してもよい。このような溶媒としては、キシレン、メチ
ルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メ
チレン又は他のハロゲン化溶媒が挙げられる。 別の態様では、好ましくは液相と気相との接触を最大
にするような方法で、アルゴン又は窒素のような不活性
ガスを液相中で発泡させることにより、液相反応で生成
した環状エステルを液相から回収することができる。環
状エステル、水及び未反応成分をガスにより液相から移
し、ガスはその後凝縮させる。冷水洗浄及び塩化メチレ
ン/重炭酸ナトリウム抽出を含む種々の方法により、水
及び未反応成分を環状エステルから抽出する。 さらに好ましい態様では、生成物含有流を水溶性溶
媒、例えばアセトニトリル及び/又はテトラヒドロフラ
ンと接触させ、その後水と接触させて、環状エステルを
沈殿させることができる。 本発明の環状エステル回収のさらに好ましい態様で
は、環状エステルを加水分解しない程度に十分に低い温
度で生成物含有流を水性溶媒と接触させる。水性相、好
ましくは水又は希塩基は、生成物含有流の溶媒中より水
性相でよく溶解する未反応成分及びあらゆるオリゴマー
を環状エステル含有流から抽出する。ある態様では、希
塩基は重炭酸ナトリウムの稀薄溶液である。その結果生
じる環状エステル含有流は、一般的にトルエンのような
有機溶媒を含有するが、重合反応のための供給流として
又は環状エステルの結晶化のための供給源として完全に
乾燥した後に用いることができる。未反応成分及びオリ
ゴマーを含有する水性相を供給流に直接再循環させるこ
とができるが、水性相は好ましくはあらゆるオリゴマー
を加水分解するために加温する。 生成物含有流からの環状エステルの回収は、膜分配を
用いて達成することもできる。例えば、環状エステルは
通過できるが未反応成分及びオリゴマーは通り抜けられ
ない疎水性膜に生成物含有流を接触させる。例えば、好
適な膜としては気体透過性膜が挙げられる。膜分配の一
利点は、生成中の環状エステルを回収できることであ
る。 回収のさらに別の態様では、昇華により環状エステル
を回収することである。オリゴマー及び非環状エステル
成分も含む生成物含有流中のすべての溶媒を、例えば蒸
発により先ず除去して残渣を生成する。冷却トラップの
存在下で環状エステルが気化し、次いで冷却トラップに
集められるように十分な熱及び真空の条件を残渣に適用
する。残渣中のオリゴマーが気化せず、気化したXA成分
が凝縮しないような条件である。 本発明の別の態様によれば、分別蒸留又は同時蒸留と
いった蒸留により環状エステルを回収することができ
る。便利な環状エステル回収方法は有機溶媒を用いて環
状エステルの気化を促す抽出蒸留を包含する。回収反応
に熱伝達を提供し、且つ環状エステルと溶媒との同時蒸
留を促すために、溶媒を気化させる。初めに記載したよ
うに、このような同時蒸留法は環状エステル含有溶液中
の未反応成分からさらに環状エステルを生成させる。環
状エステル及びオリゴマー(XnA)種と非混和性である
溶媒が特に有用である。好ましい要件に適合する同時蒸
留溶媒の一種に、アルキルベンゼン、中でも環状エステ
ルの沸点と等しいか又はそれよりわずかに高い沸点を有
するものがある。例えば、環状エステルがラクチドであ
る場合、同時蒸留溶媒の好ましい沸点は60トルで約215
℃〜約220℃である。代表的な好ましいアルキルベンゼ
ン同時蒸留溶媒としては、高アルキルベンゼン、例えば
C10〜C22アルキルベンゼン、好ましくはC11〜C14アルキ
ルベンゼン、より好ましくはドデシルベンゼン又はトリ
デシルベンゼンが挙げられる。ドデシルベンゼンを平均
的組成物とする蒸留溶媒も本発明に用いるのに非常に適
している。これらの混合溶媒は必要な熱伝達を供給し、
無毒性で、且つ市販されている。環状エステルの除去後
に残留する副生物の残渣は、加水分解されてX1A及びX2A
を高めるオリゴマーを含有する。蒸留が分離処理として
選択される場合は、工程に再び入れるために蒸留器の缶
出液も処理し得る;非常にしばしば、X1A及びX2Aの濃度
を高める加水分解が一般的に推奨される。 本発明は、バッチ、半連続及び連続を含む種々の方式
で実施することができる。未反応成分、オリゴマー及び
溶媒は、特に連続法において再循環させることができる
が、それらに限定されるものではない。未反応成分、加
水分解オリゴマー及び溶媒が再循環される連続法の一つ
の利点は、XAの環状エステルへの高モル転換を得る能力
である。 生成物含有流は、例えば50重量%までの高レベルのX1
Aを含有することができるため、環状エステル製造方法
は補充XAと混合して本方法の供給流の成分を生成するこ
とができる未反応X1Aを含有する再循環流の使用を特に
受け入れ易い。さらに環状エステル非含有留分を供給流
に再循環させる前に水をその留分に加えることにより、
オリゴマーを加水分解してもよい。再循環は、環状エス
テルの全収量を実質的に増大する;このような再循環技
術を用いる場合は、90%を超える環状エステルへの全モ
ル転換率を予測することができる。 図1について説明する。主要成分が再循環される環状
エステル生成のための連続法が示されている。図示され
た方法では、水と溶媒(例えばトルエン)との不均質共
沸混合物として水を除去する。 供給流成分の容器4からのXAを含む供給流の反応成分
2を、溶媒容器10からの不均質共沸溶媒8とともに処理
容器6に加える。供給流の反応成分2及び溶媒8を適切
な割合で連続的に容器6に加える。供給流の反応成分2
の中の遊離水は、供給流の反応成分2を処理容器6に加
える前に除去することができ、あるいは遊離水は容器6
での処理中に除去することができる。固体触媒12を処理
容器6に加えるか、又は混和性触媒を供給流の反応成分
2と一緒に加えることができる。 処理容器6を熱源14で十分な温度に加熱して、環状エ
ステル生成を促し、溶媒との共沸混合物として水を除去
する。蒸気状の共沸混合物16を冷却器18に通して不均質
共沸混合物が凝縮して有機及び水性相を生成する。有機
溶媒含有相22のすべてを処理容器6に戻す(全還流)。
水含有相24を廃棄物26として除去する。あるいは水含有
相の少なくとも一部28を用いて生成廃棄物流中のオリゴ
マー、又は供給流成分容器4に再循環される濾液30を加
水分解することができる。 環状エステル、未反応成分、オリゴマー及び有機溶媒
を含有する生成物含有流32を、処理容器6中の供給流の
平均滞留時間が約3〜約4時間となるような速度で処理
容器6から除去する。生成物含有流32は好ましくは、溶
媒8と供給流の反応成分2との組み合わせを容器6中の
一定容量を維持するために処理容器6に加えるのとほぼ
同一速度で除去する。 生成物含有流32を濃縮器34に導入して、熱源36で加熱
し、好ましくは適切な圧力(例えば真空下)で蒸発させ
て、生成物含有流からの溶媒の大部分を除去する。蒸発
溶媒38を冷却器40に通して溶媒を凝縮する。次いで、凝
縮した溶媒を溶媒収集装置42に収集した後、溶媒容器10
に再循環44させる。必要ならば、溶媒収集装置42中の溶
媒を清浄にして不純物を除去する。 濃縮生成物含有流46を濃縮生成物含有流収集器48中に
入れて、結晶化の前に熱源50で加熱する。結晶化により
環状エステルを回収するためには、濃縮加熱した生成物
含有流51を結晶化フラスコ54に移して、冷却源56で冷却
して環状エステルの結晶化をさらに促進するようにす
る。結晶化フラスコ54は一般的には、結晶化に必要な冷
却温度を維持するために絶縁される。結晶化後、結晶含
有スラリー58をフィルター60を通して濾過して、未反応
成分及びオリゴマーを含有する溶媒から環状エステル結
晶を分離する。例えば、結晶を集めるためにブフナー漏
斗を用いることができる。次に結晶を冷却溶媒洗浄液62
で洗浄し、オーブン64で、好ましくは真空中66で乾燥し
てもよい。次いで、環状エステル結晶68をさらに精製す
るか又はヒドロキシ酸ポリエステルを製造するのに直接
用いてもよい。 未反応成分、オリゴマー及び溶媒を含有する濾液30を
収集容器70に収集する。好ましい方法では、水72を収集
容器70に加えて熱源74で加熱することにより、濾液30中
のオリゴマーを加水分解して実質的にX1A又はX2Aとす
る。収集容器70に加える水72は、共沸蒸留により処理容
器6から除去された廃水28を含む。好ましくは加水分解
された濾液30を次に供給流成分容器4に再循環76させ
る。 本発明の蒸気相のための流れ図を図2に示す。補充用
の水性LAの供給流90及び再循環LA流92を蒸留器である加
熱域94に導入する。4又はそれ以下のDPを有し、L1A及
びL2Aが主要素を成す供給流98を提供するために、蒸留
器94中の内容物から水を蒸留してライン96を介して取出
す。再循環流の成分構成によって、ラクチドを蒸留して
もよいし、存在する場合には溶媒抽出により蒸留水から
回収することができる。 加熱乳酸供給流98をLAの供給流の一部を気化させるの
に十分な温度に加熱した熱窒素キャリヤーガス流100と
混合し、前記のような触媒、好ましくはガンマアルミナ
のベッドを含有する反応器102に通す。 反応器中で生成される気化LAの供給流及びラクチドが
蒸気状態であるのを確保するために、反応器102中の反
応条件を選択する。約150℃〜約250℃の温度、10%〜50
%の不活性ガス中の有機物重量%、及び約10トル〜約90
0トルの圧力が適していることが見出された。 気化した粗製ラクチド生成物流104を反応域102から取
り出して、好適には冷却サイクロン、遠心分離器又は同
様の装置である収集器106に導入する。実験室条件下
で、−78℃に保持したサイクロンを用いて、入口管の直
下に収集した結晶塊はラクチドに富んでいた。サイクロ
ン106の内面を掻き取り、冷水108で洗浄して、内容物を
ライン110を介して分離器112に通してここで冷却し、撹
拌し、濾過してライン114を経由して濾液からラクチド
生成物を除去した。ラクチドは一般的には五酸化リンの
存在下で真空中で乾燥して密結合した水を除去する。そ
こに含有される凝縮性物質を凝縮するために、排出キャ
リヤーガスをライン116を介して収集し、種々のトラッ
プ(図示せず)に通す。分離器112からの濾液を再循環
流92として加熱域34に導入して循環工程を完了する。ラ
クチド生成物の分離に関しては種々の収集/分離計画を
思料できると理解される。 本発明の蒸気相法の別の態様を図3に示す。この態様
においては、乳酸補充流132、窒素キャリヤーガス流134
及び再循環流136を連続的に蒸発器138に導入する。蒸発
器138に導入する前に、2つ又はそれ以上のこれらの流
れを一緒に混合することが意図される。蒸発器138に入
る流れを所望のように予熱し、又は窒素をある量で供給
し、乳酸の供給流及び再循環流を気化するのに十分な温
度に予熱する。十分な熱を蒸発器138に供給してそこに
存在するL1A及び水を完全に気化させる。少量のL2A及び
高分子量オリゴマーを、蒸気圧要件によって気化させて
もよい。 キャリヤーガス及び気化乳酸を触媒、好ましくはガン
マアルミナ触媒のベッドを含有する反応器140に移す。
蒸発器138の底部に沈み、循環されたり又は気化性乳酸
種に加水分解されたりしないそれらの未気化の高乳酸オ
リゴマーを加水分解器142に移して、それらを加水分解
して、L1A及びL2Aに富んだ再循環成分を提供する。 反応器140からの粗製生成物流を冷却器144に導入して
未反応L1Aラクチド及び水をキャリヤーガスから凝縮さ
せる。例えばスクラバー146中での水スクラビングによ
りキャリヤーガスを処理して、工程に再循環させる。冷
却器を出る凝縮した粗製の蒸気生成物流は一般的に約20
重量%〜約40重量%のラクチド、約10〜約50重量%のL1
A、約10〜30重量%の水を含有する。粗製生成物流の中
にはL2A及び高分子量オリゴマーはほとんど又はまった
く認められない。反応器140よりも後段で生成された可
能性のある水、未反応L1A及び他の乳酸種から分離器148
中で好適な方法、例えば冷水中でのラクチドの結晶化に
よりラクチドを回収する。回収したラクチドを精製器15
0中で洗浄して精製ラクチド152を回収する。 未反応LAを、好ましくはL1A及びL2Aを最大にするよう
に、調整器154中で乳酸種及びDPで調整する。調整した
乳酸流を加水分解器142からの産出物と一緒にして再循
環流136が得られる。 以下の実施例は本発明の実施方法を示すが、それに限
定されると解釈すべきでない。実施例8〜55において、
パーセンテージ及び割合はすべて、特別に指示しない限
り重量によるものであり、単位は特に記載しない限りす
べてメートル法で示す。 実施例 実施例1 本実施例は、L−、D−乳酸を供給流として用いてラ
クチドを形成することができる可能性を立証する。 約85〜88%のL−、D−乳酸(コダック社より入手)
を10:190の乳酸とトルエンの比(容量/容量)でトルエ
ンと混合して合計200mlとし、約5重量%の乳酸を含有
する供給流を形成した。触媒のドウェックス(Dowex)-50
H+(商品名)イオン交換樹脂1グラムをこの混合物に加
え、加熱マントルを用いて加熱した。混合物の温度が約
85℃に達するにつれて、トルエンとの共沸混合物として
のこの混合物から遊離水が除去された(水18%/トルエ
ン82%の共沸混合物の沸点は84.6℃である)。遊離水の
大部分が除去された後(約20〜約30分以内)、混合物の
温度は約110.7℃、すなわちトルエンの沸点まで上昇し
続けた。混合物を約110℃で約72時間保持して、ラクチ
ド生成を最大化した。次いで、ロータリーエバポレータ
ーを用いて約40℃〜約50℃の温度での蒸発によって、混
合物からトルエンを除去した。ラクチド、乳酸及びオリ
ゴマーの乾燥残渣を、ジエチルエーテルの沸点に近い温
度で残渣を溶解するのに要する最小量(約40ml〜約50m
l)のジエチルエーテルに溶解した。次いで、溶液を約
4℃で温置することによって、溶液からラクチドを晶出
させた。ラクチドの回収率(モル%収率、すなわち理論
上の総ラクチド形成1モルあたりの回収されたラクチド
のモル数)は約13%であった。生成物の純度は、結晶の
融点が示すとおり、90%を、おそらくは95%をさえ上回
った(D−及びL−ラクチドの混合物は、一般的には、
約120℃で融解する)。その上、生成物のHPLC分析は単
一のピークを示した。 実施例2 本実施例では、約5重量%のL−乳酸を含有する溶液
中でラクチドを形成した。 約85%の熱安定性L−乳酸(ファンスティール(Pfha
nstiehl)社より入手)を10:190の乳酸とトルエンの比
(容量/容量)でトルエンと混合して合計200mlとし、
約5重量%の乳酸を含有する供給流を形成した。触媒の
ドウェックス-50H+イオン交換樹脂1グラムをこの混合
物に加え、加熱マントルを用いて加熱した。混合物の温
度が約85℃に達するにつれて、トルエンとの共沸混合物
としてのこの混合物から遊離水が除去された(水18%/
トルエン82%の共沸混合物の沸点は84.6℃である)。遊
離水の大部分が除去された後(約20〜約30分以内)、混
合物の温度は約110.7℃、すなわちトルエンの沸点まで
上昇し続けた。混合物を約110℃で約24時間保持して、
ラクチド生成を最大化した。重合の間のいくつかの時点
で試料約2mlを取り出して、反応の間に生成されたラク
チド及び乳酸オリゴマーの量を測定した。 次いで、ロータリーエバポレーターを用いて約40℃〜
約50℃の温度での蒸発によって、混合物からトルエン溶
媒を除去した。ラクチド、乳酸及びオリゴマーの乾燥残
渣を、ジエチルエーテルの沸点に近い温度で残渣を溶解
するのに要する最小量(約40ml〜約50ml)のジエチルエ
ーテルに溶解した。次いで、約4℃で溶液を温置するこ
とによって、溶液からラクチドを晶出させた。結晶の融
点及びHPLC分析によって測定した限りで、回収された結
晶は少なくとも約90%の純度であった。L−ラクチドは
約97℃〜約98℃で融解する。 反応の間に取り出した試料の分析の結果を図4及び表
1に示す。これは、HPLC分析によって測定して、約24時
間という反応時間の間に生成されたラクチド(LD)及び
LnAの量を比較している。
【表1】 この表は、溶媒1mlあたりに生成されたラクチド又はL
nAのmgとしてデータを示しているが、図4は、反応中に
形成されたラクチド又はLnAのモル留分として示した同
じデータを表している。より遅い時点では、(例えば24
時間では)、形成されたラクチド及びLnAのモル留分の
合計は1をやや上回る。この不正確さは、24時間の反応
の間の溶媒の蒸発によるか、又はHPLCのデータからLnA
を算出するのに用いた応答因子が、ラクチドについての
応答因子と僅かに異なり得るかのいずれかに起因する可
能性がある。 生成されたラクチドの最大量は、反応開始の約3時間
後と約6時間後との間に生じ、少なくとも反応開始の24
時間後まで一定に存続した。反応開始の約3〜約6時間
後の乳酸の化学種は、主としてL3A、L4A及びL5Aであっ
た。サイズが大きくなるオリゴマーは、少なくとも反応
開始の24時間後まで形成され続けた。 乳酸からラクチドへのモル転換率は約50%であった。
100%のモル転換率は、当初の供給流中の乳酸(L1A)2
分子ごとにラクチド1分子が形成されることを仮定して
いる。実施例2〜7については、ファンスティール社に
乳酸中のすべての乳酸種がL1Aであると仮定されてい
る。ラクチドの回収収率は約25%であった。 実施例3 本実施例は、ラクチドがトルエンから晶出され得る可
能性を試験した。 約85%の熱安定性L−乳酸(ファンスティール社製)
を10:190の乳酸とトルエンの比(容量/容量)でトルエ
ンと混合して合計200mlとし、約5重量%の乳酸を含有
する供給流を形成した。実施例2に記載したとおり、触
媒のドウェックス-50H+イオン交換樹脂1グラムをこの
混合物に加え、加熱マントルを用いて加熱した。ラクチ
ド生成を最大化するために反応を約24時間継続したが、
最高のラクチド合成は約3〜約6時間までに達成され
た。 次いで、ロータリーエバポレーターを用いて約40℃〜
約50℃の温度での蒸発によって、混合物からトルエン溶
媒を除去した。ラクチド、乳酸及びオリゴマーの乾燥残
渣を、トルエンの沸点に近い温度で残渣を溶解するのに
要する最小量(約20ml)のトルエンに溶解した。次い
で、約4℃で溶液を温置することによって、溶液からラ
クチドを晶出させた。結晶の融点及びHPLC分析によって
測定したところ、回収された結晶は少なくとも約90%の
純度であり、おそらくは、少なくとも約95%の純度であ
った。 乳酸からラクチドへのモル転換率は約50%であった。
ラクチドの回収収率は約25%であった。本実施例は、ジ
エチルエーテルと少なくとも同程度にトルエンからもラ
クチドを晶出かつ回収できることを示している。本実施
例では、当初のトルエン溶媒を完全に除去したが、ラク
チドの晶出に適切である容量が達成されるまで充分なト
ルエンを除去することは、本発明の範囲内にある。 実施例4 本実施例では、約1重量%のL−乳酸を含有する希薄
溶液中でラクチドを形成した。 約85%の熱安定性L−乳酸(ファンスティール社製)
を2:198の乳酸とトルエンの比(容量/容量)でトルエ
ンと混合して200mlの全容量とし、約1重量%の乳酸を
含有する供給流を形成した。実施例2に記載したとお
り、触媒のドウェックス-50H+イオン交換樹脂1グラム
をこの混合物に加え、加熱マントルを用いて加熱した。
ラクチド生成を最大化するために反応を約24時間継続し
たが、最高のラクチド合成は約3〜約6時間までに達成
された。 次いで、ロータリーエバポレーターを用いて約40℃〜
約50℃の温度での蒸発によって、混合物からトルエンを
除去した。ラクチド、乳酸及びオリゴマーの乾燥残渣
を、トルエンの沸点に近い温度で残渣を溶解するのに要
する最小量(約4ml〜5ml)のトルエンに溶解した。次い
で、約4℃で溶液を温置することによって、溶液からラ
クチドを晶出させた。結晶の融点及びHPLC分析によって
測定したところ、回収された結晶は、少なくとも約90%
の純度であり、おそらくは、少なくとも約95%の純度で
あった。 乳酸からラクチドへのモル転換率は約50%であった。
ラクチドの回収収率は約25%であった。したがって、乳
酸からラクチドへの転換は、約1%の乳酸を含有する溶
液中では、約5%の乳酸を含有する溶液中における場合
と少なくとも同程度に効果的である。 実施例5 本実施例では、約25重量%のL−乳酸を含有する溶液
中でラクチドを形成した。 約85%の熱安定性L−乳酸(ファンスティール社製)
を50:150の乳酸とトルエンの比(容量/容量)でトルエ
ンと混合して、200mlの全体積とし、約25重量%の乳酸
を含有する供給流を形成した。実施例2に記載したとお
り、触媒のドウェックス-50H+イオン交換樹脂1グラム
をこの混合物に加え、加熱マントルを用いて加熱した。
ラクチド生成を最大化するために反応を約24時間継続し
たが、最大のラクチド合成は約3〜約6時間までに達成
された。 次いで、ロータリーエバポレーターを用いて約40℃〜
約50℃の温度での蒸発によって、混合物からトルエンを
除去した。ラクチド、乳酸及びオリゴマーの乾燥残渣
を、トルエンの沸点に近い温度で残渣を溶解するのに要
する最小量(約50ml)のトルエンに溶解した。次いで、
約4℃で溶液を温置することによって、溶液からラクチ
ドを晶出させた。 乳酸からラクチドへのモル転換率は約25%であった。
この試験では、結晶化は、おそらく試料中のオリゴマー
の高濃度に起因して乏しかった。本実施例は、実施例
2、3及び4と結び付けると、オリゴマー形成は、より
濃縮された溶液(例えば25%の乳酸)中の方が有利であ
るのに対して、環状エステル形成は、より希薄な溶液
(例えば約1%又は約5%の乳酸)中の方が有利である
という考えを裏づける。 実施例6 本実施例は、ベンゼン溶媒中でラクチドを生成するこ
とができる可能性を立証する。 約85%の熱安定性L−乳酸(ファンスティール社製)
を10:190の乳酸とベンゼンの比(容量/容量)でベンゼ
ンと混合して合計200mlとし、約5重量%の乳酸を含有
する供給流を形成した。触媒のドウェックス-50H+イオ
ン交換樹脂1グラムをこの混合物に加え、加熱マントル
を用いて加熱した。混合物の温度が約69℃に達するにつ
れて、ベンゼンとの共沸混合物としてのこの混合物から
遊離水が除去された(水8.8%/ベンゼン91.2%の共沸
混合物の沸点は約69.25℃である)。遊離水の大部分が
除去された後(約20〜約30分以内)、混合物の温度は約
80.2℃、すなわちベンゼンの沸点まで上昇し続けた。ラ
クチド生成を最大化するために、混合物を約80℃で約24
時間保持したが、最大のラクチド合成は約3〜約6時間
までに達成された。 次いで、ロータリーエバポレーターを用いて約40℃〜
約50℃の温度での蒸発によって、混合物からベンゼン溶
媒を除去した。ラクチド、乳酸及びオリゴマーの乾燥残
渣を、ベンゼンの沸点に近い温度で残渣を溶解するのに
要する最小量(約20ml)のベンゼンに溶解した。次い
で、約4℃で溶液を温置することによって、溶液からラ
クチドを晶出させた。結晶の融点及びHPLC分析によって
測定したところ、回収された結晶は少なくとも約90%の
純度であり、おそらくは、少なくとも約95%の純度であ
った。 乳酸からラクチドへのモル転換率は約50%であった。
ラクチドの回収収率は約25%であった。本実施例は、ベ
ンゼンは、ラクチドに対する共沸溶媒及び結晶化溶媒と
して少なくともトルエンと同程度に作用することを示し
ている。 実施例7 本実施例は、キシレン溶媒中でラクチドを生成するこ
とができる可能性を立証する。 約85%の熱安定性L−乳酸(ファンスティール社製)
を10:190の乳酸とキシレンの比(容量/容量)でキシレ
ンと混合して合計200mlとし、約5重量%の乳酸を含有
する供給流を形成した。触媒のドウェックス-50H+イオ
ン交換樹脂1グラムをこの混合物に加え、加熱マントル
を用いて加熱した。混合物の温度が約94℃に達すると、
キシレンとの共沸混合物としてのこの混合物から遊離水
が除去された(水40%/キシレン60%の共沸混合物の沸
点は約94.5℃である)。遊離水の大部分が除去された後
(約20〜約30分以内)、混合物の温度は約139.1℃、す
なわちキシレンの沸点まで上昇し続けた。ラクチド生成
を最大化するために、混合物を約139℃で約24時間保持
したが、最大のラクチド合成は約3〜約6時間までに達
成された。反応の間に、おそらくキシレンがドウェック
スから着色化合物を抽出したために、溶液は黄色に変色
した。 次いで、ロータリーエバポレーターを用いて約40℃〜
約50℃の温度での蒸発によって、混合物からキシレン溶
媒を除去した。ラクチド、乳酸及びオリゴマーの乾燥残
渣を、トルエンの沸点に近い温度で残渣を溶解するのに
要する最小量(約20ml)のトルエンに溶解した。次い
で、約4℃で溶液を温置することによって、溶液からラ
クチドを晶出させた。結晶の融点及びHPLC分析によって
測定したところ、回収された結晶は少なくとも約90%の
純度であり、おそらくは、少なくとも約95%の純度であ
った。しかし、結晶の色は薄黄色であった。 乳酸からラクチドへのモル転換率は約50%であった。
ラクチドの回収収率は約25%であった。本実施例は、キ
シレンは、乳酸からラクチドへの高い転換率を得るため
の効果的な溶媒であるが、キシレン又は反応温度のいず
れかが触媒の部分劣化へと導き得ることを示している。 ラクチドの結晶から黄色の着色を除去するために、回
収した結晶0.25gを昇華に付した。具体的には、結晶を
真空(約1mm〜約10mmHg)下で冷却器を内蔵する容器中
で乾燥した。容器の底を暖めて、ラクチドを約90℃で気
化させた。気化したラクチドを冷却器で凝縮させて、ラ
クチドの白色結晶0.16gの回収へと導いた。 実施例8 研究室規模の反応器を図5に模式的に示す。反応器17
0は、約5cmの幅及び約31cmの高さを有するステンレス鋼
製の円筒である。反応器170には、連続スクリーンであ
ってもよい下部スクリーン172、及びこれも2以上のス
クリーンであってもよい上部スクリーン174を取付け
た。スクリーン174の頂上には触媒ベッド176を配置し
た。スクリーン174の下方の下部空室は、LA供給原料
(又はLA含有供給流)が触媒ベッドと接触する前に充分
に気化されるのを確実にするための余分な時間を与え
た。反応器170には、下部T継手178、及び粗製ラクチド
含有蒸気を引き出すための上部加熱生成物ライン180を
取付けた。LA供給原料は、ライン182を通じてT継手178
内に供給した。窒素キャリヤーガスは、ライン184を通
じてT継手178内に供給した。この組立品全体を砂浴内
に設置し、これを加熱して、所望の反応器温度を維持し
た。大まかに、反応温度は約150℃より高く、ほぼ大気
圧で約250℃という高温にまでの範囲にわたることがで
きる。205℃前後の公称反応温度が許容され得ると判明
した。約0.5〜約12秒の平均滞留時間が許容され得るこ
とが判明した。 実施例9 図5の実験反応器を変更した結果、スクリーン172
は、16メッシュスクリーンに隣接して設置した100メッ
シュスクリーンとなり、スクリーン174は、16メッシュ
スクリーンに重ねた45メッシュスクリーンとなった。触
媒176には、10〜20メッシュのシリカゲル/アルミナ触
媒(Akzo-LA-30-5P触媒)を含ませた。窒素の流量を1,6
00ml/分に調整し、これに乳酸供給原料(又は供給物)
を加えたものを0.12フィート/秒(約3.66cm/秒)の見
かけ蒸気速度で反応器170を通過させた。内容物の滞留
時間は2.8秒であった。試験の直前にも11重量%の水で
希釈しておいた市販の85%乳酸(L1A61%、L2A18%、L3
A5%、L4A1%及び水15%)を36.6ml/時間の流量で、
窒素との混合のためにT継手178に通した。ラクチド
は、ドライアイスで冷却したサイクロン捕集器内に捕集
し、冷水で洗浄し、そして濾過した。このラクチドを五
酸化リンの存在下で大気温度で乾燥した。残留LA種をメ
チルエステルへ転換するためのジアゾメタン処理の後、
ガスクロマトグラフィーによってラクチド試料を分析し
た。記録された結果を下記に示す。
【表2】 反応器の下部の室は空であると分り、取り出した紛状
触媒は完全に乾燥していた。LDは、第1段階では89%、
第2段階では92%の純度を有することが判明し、白色粉
末であった。一酸化炭素の生成は2.5時間後に2,750ppm
であった。これは、3.3モル%のLAの分解に相当する。
第2段階で得られたLDの収率の分解LAのモル%に対する
比は7.8:1である。L-LD:メソ−LDの重量比は、第1段階
については51.8:1であり、第2段階については34.1:1で
あった。 実施例10 実施例9に関して述べた方法を、供給原料の85%乳酸
を用い、水を加えずに32.9ml/時で、かつ同じ窒素流量
でくり返して、3.0秒の滞留時間及び0.11フィート/秒
(約3.35cm/秒)の見かけ速度を得た。記録された結果
を下記に示す。
【表3】 上記に作表したデータが示すとおり、第2段階で得ら
れたラクチドの収率(34%)は、実施例9で得られたも
のより高い。ラクチドの回収百分率は、各段階の間に着
実に増加することが判明した。供給材料の89.4%という
総括回収率は、実施例9で得られたものより低い。追試
験では、供給材料の総括回収率は94.1%であったが、よ
り低いLD/CO比が認められた。 一酸化炭素の濃度は、3.2時間後には3,200ppm、5.1時
間後には2,750ppm、そして8.0時間後には2,800ppmであ
った。操作の3.2時間目と8時間目との間の平均CO濃度
は、3.2モル%のLAの分解に相当する。第2段階の間に
得られたLD収率の分解LAのモル%に対する比は10.7:1で
ある。 第1及び第2段階から得られた生成物のラクチドは白
色粉末であった。L-LD:メソ−LDの重量比は、第1段階
については44.0、第2段階については38.6であった。 第1段階からの濾液を塩化メチレンで抽出して、未だ
加水分解されていなかった全ての可溶化ラクチドを回収
した。黄色液体がロータリーエバポレーターから得られ
た(5.4g)が、これは、塩化メチレンを除去した後も52
℃で固化しなかった。しかし、室温まで冷却したとこ
ろ、この物質は微量の黄色液体を含む白色の結晶性塊体
へと固化した。この混合物を冷水で洗浄して白色固体1.
9gを得たが、これを検査し、87.4%のL−ラクチド及び
12.6%のメソ−ラクチドを含むことが見出された。 実施例11 本試験は、実施例10で用いた10〜20メッシュの触媒で
はなく、5mmの触媒ペレットの効力を測定するために実
施した。実施例10で用いた同じ条件を維持したが、85%
乳酸の流量は34.6ml/時とし、100メッシュの下部スクリ
ーンを取り外しておいた。下記の結果が記録された。
【表4】 約205℃で得られたラクチド収率は、第1段階と第2
段階との間で経時的に減少するものと思われる。この挙
動は、実施例9及び10での、より小さい触媒粒径を用い
て観察された挙動とは正反対であり、触媒粒径が小さい
方が利点となる可能性を示している。 一酸化炭素の生成は、1.5時間後に6,000ppm、4.8時間
後に3,650ppm、6.3時間後に3,550ppm、10.8時間後には
9.000ppmとして記録された。そして、一酸化炭素濃度
は、平衡形成段階の後では、205℃の公称ベッド温度で
かなり一定の値へと低下する様子を示した。分解LAの算
定モル%は、第1及び第2段階では3.9%であった。第
2段階の間に得られたLD収率の分解乳酸のモル%に対す
る比は6.7:1であった。 約205℃での操作の7.7時間後には、触媒ベッドの温度
はほぼ220℃まで上昇し、3.3時間の間この温度に保たれ
た。この時間にわたって捕集された材料の総重量は、こ
の同じ時間の間に供給された材料の104%であった。同
様に、この時間について観察された44.6%というLD収率
は、捕集されたLDの一部が、おそらく、205℃で実施さ
れた試験の初期の部分、すなわち触媒ベッドに早期に沈
積した残留材料から生成されたラクチドから生じたこと
によって水増しされたものである。しかし、この温度で
得られた見かけ上上昇したラクチド収率は、乳酸の分解
の証拠である一酸化炭素の生成増によって平衡される。
L-LD:メソ−LDの重量比は、第1及び第2段階について
はほぼ42であったが、第3段階については25.3にすぎな
かった。 試験完了後には、16メッシュの下部スクリーンの部分
的閉塞が注目された。取り出した触媒ベッドは、乾燥し
切っていることが判明したのであるから、完全な加水分
解/気化が達成されたことは明らかである。この閉塞
は、気体の背圧が試験全体の間上昇しなかったことか
ら、おそらくクールダウンの際に生じたものと思われ
る。 実施例12 3mmガラスビーズと実施例9で述べたシリカアルミナ
触媒との交互層を下記のとおりに、すなわち、頂部から
底部に向かって、ガラス125ml;触媒23ml;ガラス160ml;
触媒22ml;ガラス70ml;触媒22ml;ガラス70mlとして反応
器に充填した。供給原料の85%乳酸を16.5ml/時の流量
で、800ml/分の窒素掃気とともに反応器内に通したが、
これは触媒ベッドにおける約2.7秒の滞留時間及び0.04
フィート/秒(約1.22cm/秒)の見かけ速度を確立す
る。反応器温度は203±3℃に維持した。生成物を冷水
で洗浄し、析出したラクチドを濾取した。次いで、真空
下で、P2O5の存在下で僅かに加熱することによって、ラ
クチドを乾燥した。濾液を捕集し、蒸留に付して、本来
の85%乳酸供給物に近い乳酸の濃度を再確立するのに充
分なだけ水を除去した。次いで、この蒸留した濾液を補
充用の85%乳酸と一緒にし、反応器へと再循環させた。
この順序を反応の3段階について反復したが、始動段階
は、装置の漏れに災いされた結果、これを計算から除外
した。 合計して、537.7gの乳酸水溶液が供給され、512.9gの
生成物が95.4%の質量回収率のもとに捕集された。この
回収率は、下層のガラスビーズに沈積した材料17.3gを
含むが、この材料を分析したところ、主としてL3Aであ
ると判明した。 ラクチドの収率は、(ガラスビーズ上の材料について
補正したとき)約78%であった。L−ラクチド:メソ−
ラクチド重量比は、この複合ラクチド生成物については
約95:5であると判明した。洗浄したLDは約98%の純度で
あり、約2%未満のL2Aを含有した。D−ラクチドの濃
度は、最後の再循環から単離されたLD生成物の検出限度
を下回ることが判明した。 本実施例は、再循環の工程によって、LDのラセミ化の
大幅な増大を避けつつ、ラクチドの収率を顕著に向上で
きることを示している。 実施例13 本試験では、215℃の公称ベッド温度に保たれたアン
バーリスト(Amberlyst)‐15(商品名)という酸性イ
オン交換樹脂を内蔵する反応器内に、85%乳酸を通した
(39.3ml/時)。窒素流量は1,580ml/分、滞留時間は2.9
秒であり、供給原料乳酸は総供給物の26.3重量%を構成
し、反応器(実施例11のスクリーンの組み立て)を通過
する見かけ速度はほぼ0.11フィート/秒(約3.35cm/
秒)であった。記録された結果を下記に示す。
【表5】 この強酸性のイオン交換樹脂は、無視し得る程度のラ
クチド及び少量の乳酸を一酸化炭素(及びおそらくアセ
トアルデヒド)に分解した。触媒ベッドは、当初は、非
常に多大な発熱(25℃)があった。これらの結果は、乳
酸からラクチドを生成する性向をほとんど示さないブレ
ーンステッド(Bronsted)というもう一つの触媒(珪藻
土に担持されたリン酸)を用いて得られた結果と一致す
る。 実施例14 本試験では、203℃の公称ベッド温度に保たれた、ガ
ンマアルミナ(10〜20メッシュ)に担持された10〜12%
酸化モリブデン(VI)を内蔵する反応器に85%乳酸を供
給した(36.8ml/時)。1,580ml/分の窒素流量、3.0秒の
滞留時間、25.2重量%の供給原料中の有機物重量%、及
び0.11フィート/秒(約3.35cm/秒)の見かけ速度を試
験中に維持した。記録された結果を下記に示す。
【表6】 当初の9℃という発熱は試験の終点では1℃に低下し
た。観察されたラクチド収率及びLD/CO比は、上記に報
告したシリカ/アルミナ触媒について観察されたそれよ
り低かった。 実施例15 本試験では、実施例11のスクリーンの組み立て及び20
5℃の公称ベッド温度に保たれた10〜20メッシュのガン
マアルミナ/シリカ(それぞれ93:7)を有する反応器に
85%乳酸を供給した(36.7ml/時)。窒素流量は1,596ml
/分、滞留時間は3秒、供給原料中の有機物重量%は25
%、そして見かけ速度は約0.11フィート/秒(約3.35cm
/秒)であった。下記の結果が記録された。
【表7】 当初の15℃という発熱は低下し、試験の終点では、反
応は2℃の吸熱反応であった。LD収率は第2段階の間に
低下したものの、COの顕著な低下の結果、高いLD/CO比
が得られた。 実施例16 下部の16メッシュスクリーン及び上部の42メッシュス
クリーンのみを有する反応器を用いた本試験では、204
℃の公称ベッド温度に保たれた、10〜20メッシュの99%
ガンマアルミナ(アルファ、90m2g)を内蔵する反応器
内に85%乳酸を通した(35.0ml/時)。本試験では、窒
素流量は1,580ml/分、滞留時間は3.03秒、供給原料中の
有機物重量%は24.3%、そして見かけ速度はやはり約0.
11フィート/秒(約3.35cm/秒)であった。下記の結果
が記録された。
【表8】 形成後1時間以内に、第1及び第2段階の濾液を塩化
メチレンで抽出して、下記の量のラクチドを生成した。
【表9】 当初の12℃という発熱は、2.5時間後に1℃まで低下
し、5時間後には存在しなかった。この触媒は、酸化モ
リブデン(VI)と実施例14のアルミナとの相対的効果を
判別するのに役立つ。重要であるのは、相対的に高いラ
クチド収率、及び特に他のいかなる触媒を用いて以前に
観察されたよりも1桁上の高率のLD/CO比が得られたこ
とである。これら及び実施例15の結果は、少量のシリカ
は、アルミナ/シリカ触媒を用いたときにはLD/CO比を
著しく低下させることを示している。単独でのアルミナ
触媒は、アルミナ/シリカ混合物と比較すると優れた触
媒であると思われる。 ラクチド洗浄の操作を完了した直後に、第1及び第2
段階で得られた濾液を塩化メチレンとともに抽出して、
溶液中に残存するラクチドを回収した。両段階からの総
ラクチド収率(当初の洗浄/濾過及びそれに続く濾液の
抽出から得られた)は同じ(34.1%)であり、全体的な
L-LD:メソ−LD比も同じ(第1段階プラス抽出物につい
て95.5:4.5、及び第2段階プラス抽出物について95.6:
4.4)である。 実施例17 本実施例では、実施例16の反応器の配置を用いて、20
3℃の公称ベッド温度に保たれた、3mmのホウケイ酸塩ガ
ラスビーズ(水及びアセトンで洗浄)を内蔵する反応器
内に85%乳酸を通した(35.3ml/時)。本試験の際は、
窒素流量は1,580ml/分、ガラスビーズ中の空隙容積内で
の滞留時間は1.15秒、供給原料中の有機物重量%は20.4
4%、そして見かけ速度はほぼ0.11フィート/秒(約3.3
5cm/秒)であった。下記の結果が記録された。
【表10】 試験全体の間、ほぼ2℃の吸熱が存在した。いくつか
のビーズは粘着性の被覆を有し、乳酸のオリゴマー化が
ガラス表面で発生したことを示した。 いかなる触媒も使用せずにガラスビーズを用いた結
果、LD収率はより低いが、試験した他の触媒と比較して
はるかに高いL-LD:メソ−LD比及びLD/CO比が得られた。 実施例18 本実施例では、約201℃の温度に保たれた空反応器
(ガラスビーズ又は触媒を内蔵せず)内に85%乳酸を通
した(35.1ml/時)。本試験の際は、窒素流量は1,540ml
/分、滞留時間は10.4秒、供給原料中の有機物重量%は2
4.8%、そして見かけ速度は約0.11フィート/秒(約3.3
5cm/秒)であった。この実験では平衡形成期間は用いな
かった。下記の結果が記録された。
【表11】 本試験の際は、明らかな発熱は皆無であった。ラクチ
ド収率は、実施例17のガラスビーズでの試験について報
告されたのとほぼ同じであったが、LD/CO比は実質的に
上昇した。相対的少量のラクチドが得られたことから通
常より低い比率の冷洗浄水を用いたことに起因して、7
4.5%というより低いラクチドの純度を招いた。 しかしながら、重要なことに、LD供給原料が高い温度
で蒸気相に保たれることを条件として、反応器内に触媒
又は固体の充填材料を全く用いずに、水性LAをLDへと転
換できることの証明が存在する。LD収率は低いが、副生
物形成よりもLD形成を選択すること(非常に高いLD/CO
比によって判定されるとおり)、及びラセミ化の欠如
(高いL-LD/メソ−LD比によって判定されるとおり)は
最大化されるものと思われる。触媒、例えばアルミナの
効果は、LD収率を向上させるはずであるが、COという副
生物の形成及びLDのラセミ化も増大するという犠牲のも
とにである。シリカゲル及びその他の触媒もLD収率を向
上させるが、それらはCOという副生物の形成をより増大
させる可能性がある。LD収率の最大化又はLDの選択的転
換の最大化、及びLDのラセミ化の制御は、触媒の存在及
び種類並びに温度を選択することによって得ることがで
きる。 実施例19 本試験は、実施例16の反応器のスクリーン配置を用い
る以外は実施例18の空の反応器での試験と同様の試験を
実施する。本試験では、約204℃に保たれた空の反応器
に85%乳酸(34.0ml/時)を供給した。窒素流量は1,580
ml/秒、滞留時間は10.2秒、供給原料中の有機物重量%
は23.7%、そして見掛け速度は約0.11フィート/秒(約
3.35cm/秒)であった。下記の結果が記録された。
【表12】 発熱は全く観察されなかった。これらの結果は、実施
例18と同様の非常に高いLD/CO比及びL-LD:メソ−LD比を
再び示すが、経時的なラクチド収率の増加も示してい
る。段階2から得られた濾液の抽出物からは更に2.47g
の固体が生成され、分析の結果これは90.5重量%のLDで
あることが判明した。このLDの増分により、この段階に
おけるLDの総収率が15.5%まで高められた。このLDの前
駆体は、主として水性乳酸供給物中のL2Aであって、反
応条件下で環化し、また容易に気化する(又は気化/環
化する)と推定される。触媒を用いたときに生成される
追加的なラクチドは、気化したL1Aに由来し、これが化
学吸着された状態で化学吸着されたL2Aへと転換され、
触媒表面でLDへと転換されると推定される。L2Aのそれ
と比較して高いLDの蒸気圧に起因して、触媒表面で形成
されたLDは、加熱されたキャリヤーガスによって急速か
つ選択的に除去される。 メソ:LDの濃度が較正のために用いた濃度範囲を下回
ることから、非常に高いL-LD:メソ−LD比は近似値とい
える。しかし、これらのL-LD:メソ−LD比は、本試験で
はラセミ比はほとんど又は全く生じなかったことを示し
ているが、これは低いメソ百分率が、市販の85%L-L1A
中に存在する約0.3%のD-L1Aの反応から予測される範囲
内にあるからである。抽出を施した段階2のL-LD:メソ
−LD比は約285:1であると判明したが、これは、メソ濃
度が余りにも低いために、メソ−ラクチドの選択的可溶
化がほとんど起らないことを示している。 これらの結果は、L1Aの再循環を用いた場合、触媒な
しにLDを高い全体的収率で製造できることを示してい
る。その上、それからLDが誘導される水性乳酸の構造を
ほぼ完全に維持したままで、LDを触媒なしに製造するこ
とができる。 試験の終了後に反応器を分解したときに、反応器は基
本的に空であることが判明した。過去の試験段階の際に
3.98gの材料が揮発したという事実は、この量の材料
は、おそらく、連続操作の際の反応器内のLAの定常状態
の体積を表すのであることを示している。本試験の際に
は乳酸244.8gが供給されていた。この比較的少量の材料
が追試験中に捕集器へと容易に伝達されたことは、反応
器の操作条件下で、85%乳酸及びこの材料が容易に揮発
したことを示している。 実施例20 1リットル入りの三つ口丸底フラスコに、機械的攪拌
機、窒素スパージャー、冷却器への直線的留出物送達装
置、並びに真空送達装置及びマノメーターに対する受け
器を取付けた。供給物である市販の85%L−乳酸650ml
(770.4g)をフラスコ内に注入し、攪拌するとともに窒
素で泡立てながら120℃〜130℃に加熱した。最初にウォ
ーター・アスピレーター(Water Aspirator)を用いて
水を留出し、圧力が30トル以下の場合には真空ポンプを
使用した。加熱中にアリコートが分離され、DPについて
滴定による特徴付けを行なった。ジアゾメタンを用いて
メチル化を実施した後、ガスクロマトグラフィー(GC)
によってアリコートを特徴付け、L1A、L2A、L3A、L4A及
びLDの百分率を求めた。記録された結果を下記の表13に
示す。
【表13】 上記の表のデータが示すように、LD生成は約2のDPで
ピークに達した。このLD生成のピークは、比較的穏やか
な蒸留条件下で簡便な方式で達成された。フラスコの内
容物が、より高いDPへと更に脱水された場合、LDが留出
し始めることになる。 実施例21 表14に記載した蒸留による蒸留実験を更に実施するた
めに、約2のDP(HPLCによる測定値)を有する乳酸の貯
留槽を作成した。これは、蒸留のパラメーターを系統的
な方式でそこから変化させることのできる共通の出発点
を提供する。 表15に示したとおり、約200℃という高い温度を選ん
だが、それは、より高い活性化エネルギーは環閉鎖を生
起することが予測されることから、この温度は環閉鎖に
有利に働いて、競合するオリゴマー化反応より優勢にラ
クチドを生成することが予測されるからである。175℃
及び30mmという条件(DP2.07で溶液としてLDを得るため
に表13に記載した)を、この混合物を再沸騰させるのに
200℃で必要とされる圧力(約85mm)へと換算するため
に、一般的な蒸留のノモグラフを用いた。 本実験では、冷却器及び蒸留ヘッドに付着する全ての
ラクチドを捕集フラスコ内の材料と一緒にして、混合試
料としてラクチド及びその他の成分について分析した。 表15の結果は、液相中のラクチド濃度が液相中の7.5
%(2.54〜3.54というHPLCによるDP)で急速にピークに
達し、次いで、蒸留が継続されるにつれて低下したこと
を示している。 適用した条件の下では、形成されたラクチドの約60%
が、反応ポット内に残留することなく、最初の30分以内
に留出した。DPの急速な増加は、増加したラクチドの生
成と関連すると考えられる。また、増加したラクチドは
LnAによって表示される化学種との急速な反応によりL
n+2Aという化学種を形成した。 この蒸留の際に、留出物中に捕集され、また冷却器に
沈積したラクチドの総量は約36.7gであった。このラク
チドのほとんど全ては蒸留の最初の30分間に形成される
ものと思われ、この間に約40mlの留出物が捕集された。
これは比較的高純度のラクチドが蒸留されたことを示し
ている。 この結果は、これらの条件下では大量のラクチドが生
成可能なことを示している。蒸留によって生成されたラ
クチド(36.7g)と、試料第46051-21-27番の形成後にポ
ット内に存在するラクチド(約24g)との総量は約61gで
ある。このラクチド量は、試料第46051-15-14番から得
られるラクチドの理論上の生成量の約19%に相当する。
この量は、実施例20で報告された結果と比較して優ると
も劣らないものである。 実施例22〜31 約50〜60トルの圧力を維持するために、ポットを蒸留
ヘッド及び冷却した受け器、供給漏斗、並びにマノスタ
ットに接続した。実施例20の各種のDPの材料のアリコー
トを、加熱した漏斗(145℃)からポット内に急速な攪
拌のもとで滴加することによって、増量させつつ蒸留し
た。内部の熱電対を用いて融成物のポット温度を監視
し、外部の油浴を用いてポットを加熱した。ポット温度
を変化させ、留出速度を記録した。急速に、すなわち毎
秒数滴で留出する材料を秤量し、ポットに残存する量と
比較した。概して、蒸留は、各試験の開始時での急速な
蒸留が目立ち、結局は、当初の速度の約5分の1、すな
わち2〜3秒ごとに1滴へと減速した。結果を下表に記
録する。DPは滴定によって測定した。
【表16、17】 表16に示した結果は、DP及び融成物の粘度が増大する
につれて、より高い温度がLDの留出に必要なことを示し
ている。留出する材料の量は、より低いDPで急速に増加
するが、最良の収率及び純度は、滴定によって測定した
限りで約2というDPで見いだされる。このことは、表16
のデータを、生成物を検定した表17のそれと比較するこ
とにより理解できる。これらの実施例から、LDが更に低
いDPの材料から急速に留出させることができることと、
この速度が5及びそれ以上の更に高いDPを有するオリゴ
マーの従来の技術によるクラッキングよりはるかに速い
ことを立証している。LDの最良の濃縮は、約2というDP
で生じるが、ここでは急速な留出も起る。蒸留後のLDの
量は蒸留前のLDの量を超過することから、LDは、おそら
く環閉鎖のメカニズムによって、蒸留の間に形成され
る。 実施例32〜34 1重量%のオクト酸第一スズという触媒を原材料に加
えたことを除いて、実施例28、30及び31の試験と同一の
操作を繰り返した。記録された結果を下記に示す。
【表18】 上記の表のデータから、ラクチドの留出速度は、DPが
2(滴定による測定値)を上回るときにのみこの触媒の
使用によって加速された。このことは、化学的メカニズ
ムに基づき理解することができる。オクト酸第一スズ
は、より高いDPのオリゴマー性乳酸をより小さい乳酸形
成断片へと開裂することによって作用し、それゆえ、こ
のDPの状況で効果的なのであると考えられる。約2とい
うDPでは、このメカニズムは、おそらく主として、触媒
なしの急速な環閉鎖であって、それは、このDPでの留出
速度に対して認め得る効果をほとんど保有しない。した
がって、慣用の触媒は、本発明の液相でのラクチド生成
工程には不要である。 実施例35 実験的装置を用いて、DP2.02(滴定による測定値)の
乳酸供給物を蒸留塔に連続的に添加して、生成物のLDを
形成、蒸留かつ精製するためのユニット操作を立証し
た。塔の熱は、5段のオルダーショウ塔まで還流するリ
ボイラー液によって供給した。供給物は、LDがリボイラ
ー蒸気とともに同時留出する塔頂に供給した。供給物が
塔内を浸透降下するにつれて、更にLDが形成される。よ
り高分子のLnAオリゴマー(nは3より大)は、結局は
缶出液へのそれらの経路を見いだす。水は、いかなる乳
酸も受けつけずに塔へと復帰させる熱間冷却器を経由し
て除去される。LDが蒸留されるポートは、それの下方に
位置し、ここから水が取り出される。LDは、冷却した留
分捕集器に捕集される。 用いたリボイラー液はアルキルベンゼン(AB)であっ
たが、ここで、アルキル部分はC11〜C14の異性体の混合
物である。アルキルベンゼンは、少量の前駆カットが取
り出された後では、56トルの沸騰範囲が220〜230℃であ
った。アルキルベンゼンは、高温又は低温にかかわら
ず、LD若しくはLnAとの非混和性を呈示する。供給物が
約17〜75g/時の率で滴加されるにつれてアルキルベンゼ
ンが蒸留されるように、熱流束を維持した。 アルキルベンゼン1部あたり約3〜4重量部の粗製LD
が留出する。アルキルベンゼンは、単独では、58トルで
215〜220℃で留出するが、同じ条件下でLDは189℃で留
出する。アルキルベンゼンとラクチドは、56トルでは16
5〜177℃で同時留出する。供給物であるDP2の材料を約8
0〜120℃に加熱し、小型のテフロン管を介してシステム
内へと輸送した。供給物は、真空ポンプ又はペリスタポ
ンプを用いた圧送によってシステム内に吸引される。そ
の率は、供給物の温度、供給物の流速及び管の内径、又
はポンプの速度によって制御した。 供給物であるDP2の乳酸(146.22g)を2時間にわたっ
て塔に供給した。リボイラーは222〜224℃の温度及び94
トルの圧力に保った。塔のトッププレートは約174〜178
℃に維持され、LDの取り出し点は約167℃の温度であ
り、供給物の供給ポットは約80〜90℃に保ち、そしてテ
フロン製の原料ラインは44℃の温度に維持され、そして
圧力は、マノスタット、マノメーター、コールドトラッ
プ及び真空ポンプを用いて、塔全体にわたって94トルに
制御した。2時間後、圧力を53トルまで低下させ、更に
51.82gの供給材料を95分間にわたって塔に供給した。生
成物は、2つの異なる圧力条件下で別々の留分(Fracti
on)から捕集した。 より高圧の第1の留分からは66.05gの留出物が得ら
れ、溶媒のアルキルベンゼンを静かに別の容器に移し
た。このデカンテーション(Decantation procedure)
よって得られた下相側からは粗製の白色結晶状のLDが得
られ、これを低沸点石油エーテルで洗浄し、そして真空
乾燥してLD生成物49.53gを得た。同様にして、第二の、
より低圧の留分からは62.45gの留出物、及び溶媒のアル
キルベンゼンを除去するために石油エーテルで洗浄した
後で50.48gの粗製LDが得られた。缶出液を冷却し、アル
キルベンゼン(AB)を静かに別の容器に移してオリゴマ
ー性乳酸94.33gを得た。水コンデンサーは4.8mlの水を
除去した。物質の差し引きは100.6%と算出された。 粗製ラクチドの収率は、理論値の88.9%におけるL2A
からLDへの転換に基づく。これを基に、粗製LDの合計収
率は56.8%であった。アリコートをジアゾメタンで処理
し、標準試料と比較した後で、2つの留分についてのGC
検定を実施した。GC分析を下記に示す。
【表19】 精製前のLDの総括収率は34.6%と算出された。これら
の結果は、DP2(滴定によって測定された場合)の原料
から得られた生成物の粗製LDは、生成物LDを捕集するた
めの適切な溶媒との連続同時蒸留に付すことができるこ
とを立証している。 実施例36 DP2.13(滴定による)の供給物116.87gを53トルの定
圧で3.0時間にわたって供給したことを除いて、実施例3
5の操作と同じ操作を実施した。洗浄及び乾燥後に捕集
された粗製LDは73.43gと秤量された。添加を停止した後
に、蒸留は更に1.0時間継続されたことから、第二の留
分を採取した。第二の留分は、洗浄及び乾燥後に粗製LD
14.83gを与えた。連続添加の間の第一留分は、不純物を
無視して理論値の70.7%として算出され、第二留分は理
論値の14.3%として算出された。103%という物質のバ
ランスがLA及びアルキルベンゼン(AB)という材料に関
して判明した。2つの留分をGCを用いて検定して、下記
の結果を得た。
【表20】 缶出液の検定は、2.9%のLDの存在を示し、L1A、L2A
及びL3Aについては0%であった。 実施例37 実施例36の第一留分からのLDを乾燥メチルイソブチル
ケトン(MIBK)中で再結晶させ、濾過によってLDを分離
し、そして濾液のMIBKをロータリーエバポレーターで分
離した。濾液残渣を、120〜140℃に暫時加熱して混合す
ることによって実施例36からの缶出液との混合を実施し
た。この混合物のDPは滴定から2.37と判明した。高温に
加熱された市販の85%乳酸2.96mlを混合物に添加するこ
とにより、約2.0〜2.1のDPを再び生成した。この生成さ
れた混合物をガスクロマトグラフィーを用いて調べた結
果、5.1%のL1Aと、4.9%のL2Aと、35.4%のLDとが含ま
れていた。残りの成分については、より高分子のLnAオ
リゴマー(nは3より大)と推定される。 前記の再び生成された材料を、実施例36で述べた方法
で再循環させた。供給物の質量は94.19gであった。この
工程後に回収した生成物を洗浄かつ乾燥して、粗製の白
色結晶状のLD44.34gが得られたが、これは65〜71%のLD
として検定された。本実験は、LD収率を高めるために、
LnAを含有する缶出液を再循環させ得る可能性を立証し
ている。 実施例38〜41 実施例37の缶出液及び精製不合格物を、更に市販の85
%L1Aとともに再構成して2.0〜2.1のDP(滴定によって
測定)とし、第二の再循環に再使用した。同様にして、
第二の再循環の終了時にその缶出液及び精製不合格物を
用いて、第三の再循環を実施した。記録された結果を下
記に示す。
【表21】 上記の表の結果は、本発明の液相法がLD収率の低下及
び材料の明らかな損失を殆ど伴うことなく連続再循環方
式(Continuous recycle manner)で実施できることを
立証している。この方法は連続的実施により、90%を超
えるLD収率が提供される。 実施例42 蒸気相法を用いてラクチドを生成するためにL1Aを豊
富に含む材料の生成能力に関する調査を実施した。 1:3の比率で市販の85%乳酸(L1A61%、L2A18%、L3A
5%、L4A1%及び水15%を水で)を希釈し、希釈溶液
を平衡化してL1Aを形成し、そして減圧/低温条件下で
水を留去することによって、L1Aの濃度の高い原料を調
製した。希釈した市販の乳酸(LA750g;水2,438g)を8
時間還流し、次いで、真空下で蒸留して、90.6%のL1A
と、7.4%のL2Aと、0.4%のL3Aと、0%のL4Aと、1.6%
の水とを含有するL1Aに富んだ乳酸生成物が生成され
た。 次いで、このL1Aの濃度の高い生成物、及び同様の方
法を用いて得られた他のL1Aの濃度の高い生成物を様々
な濃度の水で希釈して、表22に示す原料を得た。
【表22】 表22に示すそれぞれの原料を、実施例8〜19に記載し
た蒸気相法を用いて処理した。様々な留分から得られた
ラクチド生成物を冷水で洗浄及び濾過した後、濾液を塩
化メチレンで抽出して溶解ラクチドを回収した。得られ
たラクチド生成物を下記の表23〜27に記載する。
【表23〜27】 L1Aに富んだ供給原料は、水の濃度が低下するにつれ
て、より高濃度のラクチドを生成することが理解でき
る。市販の85%乳酸から生成されたラクチド(主として
L1Aを84.9%含有する供給原料第2番との比較)が高濃
度であったことに起因し、平衡状態においてその中に含
まれるL2A、L3A及びL4Aの比較的高い百分率(24.0%)
に表れたと推定される。この結果から、約10〜50%の量
のL2A、L3A及びL4Aを含有するほぼ無水の乳酸供給物は
理想的な供給粗製物とすることが可能なことが分かる。 洗浄/単離の工程の際に失われたラクチドについて補
正した後では、供給原料第3番及び第5番から得られた
ラクチド収率は45%であると推定される。 実施例43 下記の実施例44〜48は、充填ベッド蒸留装置を用い、
これにLA供給原料を滴下漏斗から一滴ずつ重力によって
供給する本発明の液相実施態様を例示している。この装
置は、最上部の直立蒸留ヘッド、中間部の充填ベッド部
分、及び最下部の丸底フラスコ受け器を備えている。 充填ベッド部分は、末端同士を連結した長さ20cm、直
径2.0cmの2本のユニットで構成された。各ユニットに
は、約48gの6mmガラスビーズを充填した。上部ユニット
内のビーズはチタン酸テトライソプロピルで軽く処理
し、下部ユニット内のビーズは未処理とした。 蒸留ヘッドは水蒸気及び未反応の気化LAを捕集するた
めに水冷コンデンサーに取付けた上部側腕送達装置を有
する。また、塔は充填ベッド部分の直下に下部側腕送達
装置を有するとともに、下部側腕送達装置と底部の受け
器との間にキャリヤーガスのための入口ポートを備えて
いた。 蒸留塔に適切な加熱テープ及び断熱材を巻き付け、温
度監視装置を配置することにより、蒸留ヘッドで90℃、
上部充填ベッドで200〜210℃、及び下部充填ベッドで20
0℃の温度を確立した。塔内の圧力は、真空ポンプ、及
び側腕送達捕集容器に連結したマノスタットを用いて50
トルに維持した。 実施例44 実施例43に記載した塔に、40gの市販の85%溶液LAを
約3時間にわたって徐々に滴加した(1滴あたり3〜6
秒)。液体LAは、ガラスビーズの表面と接触して液流体
反応相を形成して塔内を徐々に浸透降下した。反応全体
にわたって、塔の底部に隣接するキャリヤーガスのポー
トからアルゴンのパージ気体(Argon Purge Gas)を塔
内に流入させた。アルゴンのパージ気体は、塔内を上方
に流れて、2基の側腕送達装置から流出したが、主とし
て下部送達装置からであった。 LA反応相が塔内を降下する際に次第に加熱されるにつ
れて、乳酸は、ここに述べる等式に従ってオリゴマー化
を開始し、L2A、L3A、LD等を形成した。蒸気化したLDを
反応相から一掃するアルゴンガスを、オリゴマーを有す
る反応相と接触させた。僅かに帯灰白色の急速に晶出す
る液体9.8gが、下部側腕送達装置に取付けた捕集器中に
得られた。上部側腕送達装置に接続した水冷コンデンサ
ーからは、純白の結晶0.8gが捕集された。理論上の生成
量が27.9gであるのに対し10.6g(38%)の粗製LDが得ら
れた。下部側腕捕集器から回収された精製結晶から得ら
れた生成物を、水冷したイソプロピルアルコールで洗浄
し、真空乾燥して白色結晶を得た。上部側腕冷却器及び
下部側腕捕集器から得た結晶試料のIR分析は、L−ラク
チドと同一のIRスペクトルを示した。 本実験では、アルゴンの実際の流量の測定を実施して
いないが、ガラスビーズの表面に沿って流下する液体反
応相と接触することにより気化したラクチドを一掃し
て、下部側腕送達装置を通じて塔から取り出されるアル
ゴン及びラクチドの気体の生成流を形成するために充分
なアルゴン流量が存在すると断定した。アルゴンは、水
蒸気及び蒸気化した乳酸も同様に上部側腕送達装置を通
じて塔から一掃した。 実施例45 本実験は、実施例44に関連して記載した装置を僅かに
変更して実施した。直立蒸留ヘッドを、頂部に滴下漏斗
を有するクライゼン蒸留ヘッドと交換した。底部の側腕
送達装置を上向きに僅かに傾けて、LD捕集器への液体オ
リゴマーの流入を防止した。最後に、キャリヤーガスの
取り入れポートを塔底に接続した丸底受け器に移動した
結果、アルゴンのパージ気体が、内部に捕集されて全て
の液体オリゴマー内を流れ、その後塔内を上方に流れる
ことができるようにした。 60トルで3回の試験を実施した。最初の試験では、3
7.5gの市販されている85%LAを190分間にわたって加え
た(0.2g/分)。蒸留ヘッド、充填塔の頂部及び充填塔
の底部の温度は、それぞれ、85℃、160℃及び200℃であ
った。合計32.4gの材料が回収された(収率85.5%)。
このうち6.4gの水/LAが上部側腕において回収され、25.
1gの粗製LD/LAが下部側腕において回収され、0.9gのオ
リゴマーが底部受け器において回収された。 粗製LD/LAを、氷水とともに激しくシェイクした結
果、LAが溶解し、LDが沈澱物として残留したので、これ
を濾過によって分離した。LD1.2gが得られ、26.6gの理
論上の生成量に対し4%の収率を示した。氷水による分
離手法は存在するラクチドの88%を回収できるのみであ
るため、5.1%の補正された収率が得られた。 第二の試験では、装置を洗浄することなく、105分間
にわたり85%のLAを30.1g供給した(0.29g/分)。塔の
3箇所における温度は、それぞれ110℃、170℃及び215
℃に維持された。合計29.5g(収率98.3%)が捕集され
た。このうち8.4gは水/LAであり、14.0gは粗製LD/LAで
あり、そして5.8gはオリゴマーであった。 氷水での洗浄によってLDを分離し、3.0gが捕集され、
21.3gの理論上の生成量に対し14.1%の収率及び16%の
補正された収率が示された。第三の試験を、装置の洗浄
又は変更を伴うことなく実施した。36.9gの市販されて
いる85%LAを180分間にわたって供給し(0.2g/分)、塔
の3箇所における温度をそれぞれ105℃、190℃及び240
℃に維持した。合計36.8gの生成物が回収され、このう
ち9.7gは水/LAであり、24.3gは粗製LD/LAであり、そし
て2.8gはオリゴマーであった。氷水での洗浄によるラク
チドの回収により4.4gの収量が提供され、26gの理論上
の生成量に対し16.9%の収率及び19.2gの補正収率を得
た。 実施例46 116.2gの未処理の3mmガラスビーズを充填した塔を用
いて、実施例45と同様の試験を実施した。連続的にアル
ゴンパージを用いることにより、塔を60トルに維持し
た。45.6gの市販されている85%LAを7.5時間にわたって
加え(0.1g/分)、温度をそれぞれ57℃、175℃及び220
℃に維持した。合計43gの生成物が回収され、このうち1
1.2gは水/LAであり、17.8gは粗製LD/LAであり、そして1
4.0gはオリゴマーであった。 氷水での洗浄によるラクチドの分離は、LD4.2gの収量
を提供し、32.2gの理論的収量に対し13%の収率及び14.
8%の補正収率を達成した。 実施例47 上部アルゴンガス取入口を底部受け器のそれに加えて
備えることによって、実施例34の装置を変更した。両方
のアルゴン供給管には流量計も取付けた。 第一の試験では、第二のアルゴン取入口は、充填ベッ
ドを含む2つの部分の間、すなわち蒸留塔の中間に配置
した。54.5gの85%LAを4時間にわたって加えた(0.23g
/分)。塔を60トルに維持し、両取入口では21.4cc/分の
アルゴン流量を維持した(約0.32:1の総アルゴン:LA供
給物のモル比)。温度をそれぞれ135℃、170℃及び195
℃に維持し、44.7g(82%)の生成物を回収し、このう
ち16.1gは水/LA、6.0gは粗製LD/LA、そして22.6gはオリ
ゴマーであった。 LDの粗製試料を約10℃に冷却された塩化メチレン中に
溶解し、これをCO2の生成が停止し、水相のpHが約8.0を
上回った状態に維持されるまで、5%重炭酸ナトリウム
(NaHCO3)水溶液で抽出することによって、下部側腕受
け器に捕集した粗製LD/LA生成物からラクチドを回収し
た。次いで、精製したLDの塩化メチレン溶液を、粉末化
した硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾燥し、濾過し、そ
してロータリーエバポレーターでCH2Cl2を除去した。こ
れによって約100%のLDを回収することができた。 この手順によって、LD2.4g(収率6%)が回収され
た。 ラクチド収率を向上させることを意図して、第二のア
ルゴン取入口を充填ベッドとクライゼン蒸留ヘッドとの
間に移し、第二の試験を実施した。25.3gの市販されて
いる85%乳酸を80分間にわたって供給した(0.316g/
分)。塔を60トルに維持し、各取入口でのアルゴン流量
を21.4cc/分に維持した(約0.62:1の総アルゴン:LA供給
物のモル比)。塔内の温度をそれぞれ80℃、185℃及び2
05℃に維持し、28.02g(収率111%)の生成物が回収さ
れた。このうち6.4gは水/LAであり、20.4gは粗製LD/LA
であり、そして1.2gはオリゴマーであった。過剰な収率
は、第一の試験の際に塔内に保持された材料に起因し
た。 第一の試験に関連して記載した方式で、粗製LD/LAか
らLDを回収し、LD3.9gが回収されたが、これは、17.9g
の論理上の生成量に対し21.8%の収率に達した。 第三の試験では、第二の試験と同様に、市販の85%LA
を150分間にわたって供給した(0.219g/分)。塔圧及び
アルゴン流量は、第二の試験と同じ(0.89:1のアルゴ
ン:LA供給物のモル比)であり、温度はそれぞれ90℃、1
95℃及び205℃であった。36.7g(収率112%)の総生成
物が得られ、このうち5.7gは水/LAであり、27.6gは粗製
LD/LAであり、そして3.4gはオリゴマーであった。この
試験の過剰な収率も、第一の試験の際に塔内に保持され
た材料に起因した。 第一の試験に関連して記載した方法を用いて、粗製LD
/LAからLD4.93gを回収した。これは、23.2gというLDの
理論上の生成量に対し21.2%のLD収率を示す。 実施例48 本実施例は、供給材料としての純粋なL2Aの使用を例
示する。 実施例46、47において使用したものと同様の蒸留塔を
設置した。清浄な3mmガラスビーズからなる更に小型の
充填ベッド(67.5cc)を用い、装置の残りの部分につい
ては、塔への注入の前にアルゴンを200℃に予熱するこ
と以外は同一とした。 155分間にわたって19.7g(0.122モル)の99%L2Aを塔
に供給した(0.127g/分)。21.4cc/分のアルゴン流量
(1.22:1のアルゴン:L2A供給物のモル比)を底部受け
部に供給するとともに、塔を65トルに維持した。温度は
それぞれ140℃、190℃及び215℃に維持した。 結晶化した粗製LD生成物を、上部及び下部の側腕送達
装置の双方に捕集した。LDは、前記の塩化メチレン/重
炭酸ナトリウム法を用いて両方の生成物から分離した。
白色結晶状のLD(融点:94〜95℃)を10g(収率57%)得
た。 実施例49 本実施例は、ラクトイル乳酸メチル(MeLLA)からラ
クチドへの高温での触媒による転換を示す。 使用された装置は触媒又はガラスビーズを有するとと
もに、長さ18インチ(約45.7cm)、直径0.9インチ(約
2.3cm)の加熱したガラス管の頂部に等圧滴下漏斗を備
えている。このガラス管の底部には、ドライアイスで冷
却した丸底フラスコ受け器を配置した。加熱した窒素を
塔の下方に向けて流した。窒素の流量は、窒素が装置か
ら排出される際に泡流量計で監視した。MeLLAは管の頂
部内に一滴ずつ供給し、冷却した捕集器内で得られた材
料を、プロトン核磁気共鳴(NMR)分光法によって分析
した。 一つの実験では、チタンテトラ(イソプロポキシド)
で被覆したガラスビーズを約1フィート(約30.5cm)の
高さまで塔内に充填しており、これは約55mlの空隙容積
を有する。塔の外部温度は、約340〜約480℃の範囲にわ
たり、窒素流量(加熱していない)は約44ml/分であっ
た。捕集した材料は、NMR分光法によって検査し、主と
してMeLLAであると判明した。この生成物のNMR分析によ
り、MeLLAの約20%に相当するラクチドが存在すること
が判明した。 触媒を全く使用せず、加熱した窒素を使用した別の同
様な試験では、ラクチドはほとんど又は全く生成されな
かった。これらの比較結果は、チタンテトラ(イソプロ
ポキシド)がMeLLAをラクチドへ転換する触媒に役立っ
たことを示している。 実施例50 本実施例では、鋳型触媒(Template Catalyst)であ
る酸化ジ−n−ブチルスズのラクチド生成に対する効果
を試験した。前提とされる「鋳型」メカニズム(Templa
te mechanism)は、スズとの一時的な結合によってヒド
ロキシアルカンカルボン酸の両端を結び付け、環状エス
テル形成を促進することを含む。2種類の実験(A及び
Bと称する)を実施して、鋳型触媒の酸化ジ−n−ブチ
ルスズを試験した。いずれの実験でも、メシチレン(1,
3,5−トリメチルベンゼン)との共沸混合物として、水
を反応から除去した。 それぞれの実験で、蒸留された水を分離し、かつ捕集
するためのバレット管を備えたフラスコ内で還流中のメ
シチレン(400ml)に、85%L−乳酸を50.0g滴加した。
実験Aでは、乳酸溶液を1.5時間にわたって加えたのに
対し、実験Bでは、乳酸溶液を50分間にわたって加え
た。実験Bでは、還流を開始する前に酸化ジ−n−ブチ
ルスズ24.97gを加えた。 実験Aは、水及び乳酸29mlが留出した後の5時間後に
中止した。溶液の上相を静かに別の容器に注いで下相
(約12g)を分離し、上相にペンタン450mlを加えてラク
チドを析出させた。冷却後、この混合物を濾取して、白
色結晶状の物質を含有する半固体を得た(真空下での乾
燥後に4.92g)。この物質を塩化メチレンに溶解し、5
%重炭酸ナトリウムで抽出(ラクチド/乳酸混合物から
のラクチドの100%の回収を与えるために示した手順)
して、ラクチドに富むと考えられる物質1.9gを得た。 実験Bは、水及び乳酸約10.5mlが留出した後の3時間
の還流の後に停止した。この場合は、冷却に際して第二
の相は注目されなかった。触媒を濾去し、ペンタン450m
lを濾液に加えた。濾過によって、褐色無定形の物質が
得られた(乾燥後に20.9g)。塩化メチレン/水性重炭
酸ナトリウムによる分配によって、ラクチドに富む可能
性のある物質4.1gが得られた。メシチレン/ペンタン濾
液はもう一層の帯褐色の層を生じるが、これは顕著な白
色結晶性物質(21g)を有していた。塩化メチレン/水
性重炭酸ナトリウムによる分配により、この物質から清
澄な粘稠物質17.3gを生成しており、これは大量のラク
チドを含有していた。 実験Bでの塩化メチレン/水性重炭酸ナトリウムによ
る分配から得られた著しく増大した量の生成物、及び実
験Bで下層が存在しないこと(おそらく、実験Aでの相
対的に無水の乳酸)から、乳酸の縮合と同様にラクチド
の形成も実験Bでは補強されたことが示唆される。これ
らの結果から、酸化ジ−n−ブチルスズは、乳酸の縮合
と同様にラクチドの形成にも触媒効果を発揮したことが
示唆される。 実施例51 本試験は、10〜20メッシュのシリカゲル/アルミナ触
媒(Akzo LA-30-5P触媒、87%シリカ/13%アルミナ、Ak
zo Chemicals B.V.)からなるベッド内に蒸気化した乳
酸L−メチルを通過させたときに得られる生成物の分布
を測定するために実施した。 本実験では、実施例8〜19に記載された実験で使用さ
れたものと同じ反応器を使用した。窒素流量は1,580ml/
分であった。蒸気化した乳酸メチル及び窒素を約0.10フ
ィート/秒(約3.0cm/秒)の見掛け速度で、触媒ベッド
内での滞留時間が3.2秒となるよう反応器内を通過させ
た。供給物中の有機物の重量%は27.3%であった。ドラ
イアイスで冷却したサイクロン捕集器内での縮合可能な
LD/LAの分離後に、一酸化炭素濃度を測定した。縮合し
た生成物全体をガスクロマトグラフィーを用いて分析し
た。得られた結果を下表に示す。
【表28】 総括質量回収率は95%であった。LD/CO比は、反応に
加わった乳酸メチルの38〜48%がLDを形成するのではな
く、一酸化炭素に転換されたことを示している。 実施例52 本試験は、蒸気化したラクトイル乳酸L−メチル(Me
LLA)を10〜20メッシュのシリカ/アルミナ触媒ベッド
(Akzo LA-30-5P触媒、87%シリカ/13%アルミナ、Akzo
Chemicals B.V.)を通過させることによって実施し
た。直径0.5インチ(約1.3cm)のステンレス鋼の管材か
ら構成された管状反応器をこの試験に用いた。この反応
器を加熱された砂浴中に懸垂し、その結果、窒素気流
(500ml/分)は、触媒ベッドに接触する前に、約50イン
チ(約127cm)の加熱されたステンレス鋼管内を上方に
向かって最初に通過した。MeLLAをガラスビーズベッド
の真上に向かって流下する加熱された窒素気流内に流入
させ、MeLLAの蒸気化を助長した。次いで、蒸気化したM
eLLA/窒素気流を触媒ベッドへと上向きに導いて、触媒
ベッドと接触する前のMeLLAの完全な蒸気化を保証し
た。下記の2種類の実験について、供給物中の有機物の
重量%は16.8%であり、触媒ベッド内の滞留時間は1.0
秒であった。ドライアイスで冷却したフラスコ内で冷却
することによって、生成物を捕集した。凝縮した生成物
全体をガスクロマトグラフィーによって分析した。下記
の定義は下記に記録された結果を説明する。
【表29】 結果は、MeLLAの転換が触媒ベッドの温度上昇に伴っ
て増大することを示している。総合的なLD選択性は、よ
り低い触媒ベッド温度における方が高いことが判明し
た。総合的なLD選択性が36.8〜43.3%の範囲であったこ
とは、反応したMeLLAの大部分がラクチド以外の生成物
を形成したことを示している。一酸化炭素の濃度は、反
応器内の生成物流では測定しなかったが、かなりの量の
MeLLAが一酸化炭素及びアセトアルデヒドに転換された
可能性が高い。また、シリカ/アルミナ(87:13)で触
媒されたMeLLAの熱分解で得られたラクチドの収率は、
実施例49に記載のとおりのチタンテトラ(イソプロポキ
シド)で触媒されたMeLLAの熱分解で得られたラクチド
の収率と同程度であることも理解できる。 実施例53 LDの合成のための一つの考え方は、試薬又は副生物か
らLDを容易に分離するために、LDを反応混合物中で最も
揮発しやすい成分にすることである。n−オクタデカノ
ールの乳酸エステルを製造して、下記の平衡の際に析出
させた: これらの平衡では、LD(200トルで240℃の沸点)は、
n−オクタデカノール(200トルで300℃の沸点)、乳酸
オクタデシル(200トルで365℃の沸点)及びラクトイル
乳酸オクタデシル(沸点:>365℃/200トル)と比較し
て最も低い沸点を有する。LDの蒸留によって、これらの
平衡をLDの方に移行させ、オクタデカノールを蒸留フラ
スコ中に残すことが予期される。 等モル量のLA及びn−オクタデカノールを加熱し、形
成された水をバレット管を用いて除去することによっ
て、乳酸オクタデシル(OdLA)をほとんど定量的収率で
製造した。ラクトイル乳酸オクタデシル(OdLLA)は、
硫酸の存在下、ベンゼン中でLDとn−オクタデカノール
を反応させることによって製造した。OdLLAは、n−オ
クタデカノールとのMeLLAのエステル交換反応によって
も製造できる。 LDの合成を目的とする実験を実施する前に、重量損失
(主としてLDであると考えられる)を促進する触媒の効
率を測定するために、OdLAを2%の触媒と混合して熱重
量分析(TGA)を実施することにより触媒評価を行っ
た。下記の触媒を用いて200℃で45分後に、下記の重量
損失が認められた:酸化亜鉛(33%)、チタンテトラ
(イソプロポキシド)(25%)、オクト酸第一スズ(24
%)、乳酸亜鉛(23%)及びp−トルエンスルホン酸
(19%)。 最初の実験を実施したが、これは、小型の攪拌式昇華
装置中でOdLA1.50g及びオクト酸第一スズ0.027gを用い
た。この混合物を、初めに、約148℃及び1〜3トルの
圧力、すなわちLDの沸点よりやや高く、OdLA及びオクタ
デカノールの沸点より30〜40℃低い温度及び圧力で加熱
した。2.5時間にわたって、当初の試料0.64gを捕集した
が、これは約20モル%のLD及び約40モル%のOdLA及びn
−オクタデカノールを含有した(NMR分光法による)。 第二の実験では、外部から徐々に加熱される蒸留塔を
備えた100mlフラスコ(油浴中で加熱)からの蒸留によ
って、酸化亜鉛6.94g(20%)の存在下でOdLA34.7gから
もLDを製造した。システム圧力を約1トルに調整し、油
浴温度を200〜215℃に上げた。蒸留中における蒸留塔の
外部温度は、塔底では約130〜150℃の範囲であり、塔頂
では約45〜150℃に範囲であった。蒸留の間に2つの留
分を捕集した。この際の留分、及び下記に考察するその
後の留出物を、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて
分析し、ピーク部域の比率化し成分百分率を提供した。 第一の留分は、LDのそれを超えるほとんど一定の沸点
(1.1トルで約160℃)を有した。この第一留分の重量は
実験開始時におけるOdLAの重量の17%であった。GC分析
によれば、この留分は、L-LD約25%、n−オクタデカノ
ール18%、及び、ガスクロマトグラフィー/質量分光分
析法を用いて測定した場合、約102ダルトンの分子量を
有する化合物57%からなっていた。この実験でのこのLD
の収率は約20%であった。観察された一定の沸点から、
LD及びn−オクタデカノールは、最高沸騰共沸混合物を
形成したことが示唆される。 捕集された第二の留分の重量は、実験開始時における
重量の44%であった。第二の留分は、主としてこの102
ダルトンの成分及びn−オクタデカノールを有してい
た。この低分子量の生成物は、LD又はOdLAの減成物であ
る可能性がある。 第三の実験では、OdLAについて記載したのと同様の蒸
留法によって、酸化亜鉛4.03g(10%)の存在下でOdLLA
40.3gからLDを製造した。この蒸留は、約2トルのシス
テム圧力及び約180〜190℃の油浴温度で実施した。蒸留
中における蒸留塔の外部温度は、塔底では150〜230℃の
範囲の温度を示し、塔頂では91〜140℃の範囲の温度を
示した。生成物を分別することは全く試みず、実験開始
時におけるOdLLAの重量の約91%に相当する重量を有す
る単一の留分が捕集された。GC分析は、この留分がLD約
19%、n−オクタデカノール56%及びOdLA25%で構成さ
れることを示した。L-LD:メソ−LD比はほぼ3:1であっ
た。LD収率は約50%であった。 第四の実験は、酸化亜鉛3.16g(10%)の存在下でOdL
LA31.6gを用いて実施した。蒸留中における蒸留塔の外
部温度は、塔底では106〜155℃の範囲であり、塔頂では
90〜104℃の範囲であった。蒸留は、約1.5トルのシステ
ム圧力及び約190〜210℃の油浴温度で実施した。LDの沸
点近くで、実験開始時におけるOdLLAの重量の約13%に
相当する重量を有する留分を捕集した。GC分析から、こ
の留分がLD約48%、l−オクタデカノール43%及びOdLA
12%を含有してることが判明した。L-LD:メソ−LD比は
ほぼ15:1であった。LD収率は約18%であった。ポット内
の残渣のGC分析は、約2%のLD、約17%のn−オクタデ
カノール、約80%のOdLA及び約1%のOdLLAを含有する
ことを示した。これらの結果は、OdLLAからLDを製造し
得ること、そしてn−オクタデカノール及びLDは互いに
同時留出する傾向にあることを示している。また、これ
らの結果は、OdLLAは、この反応条件下では、n−オク
タデカノールによって内部エステル部位で開裂されてOd
LAを形成することも示している。 実施例54 本実施例は、DP2.02(滴定によって測定)において実
験を開始したときに得られる効率と改善された収率を比
較した。本実験の原材料のDPが約DP2.9であったことを
除けば、DP2.02で実施した実施例35の操作と同じ操作を
繰り返した。アルキルベンゼン(AB)を54トルの圧力で
228〜232℃に加熱した。ABは、蒸留されて塔内を徐々に
上昇し、塔頂にDP=2.95(二重滴定からの2.98及び2.91
の平均)の原料LAを供給した。供給原料は、毎秒約1滴
の速度で滴加した。最上段の温度は168℃であった。原
料ラインの温度は74℃〜84℃であり、供給ポットの温度
は195℃〜207℃であった。20分後に、AB及び粗製LDは徐
々に留出を開始した。1時間にわたりDP=2.95のLA含有
供給原料を61.3g供給し、留出物9.6gを得た。ABを静か
に別の容器に移し、粗製LDを低沸点石油エーテルで洗浄
し、そして真空乾燥した後、6.85という収率の粗製LDが
得られた。これをGC分析によって分析した結果、64.3重
量%のLDが確認された。この実験でのLDの収率は12.1%
であった。缶出液中のLAは、ABを静かに別の容器に移す
ことによって得られたが、55.2gの重量であった。反応
に関する物質の収支は101%であった。 この操作はDPが高い場合、LD生成の収量及び割合がDP
=2.02の場合よりも低いことを示す。 実施例55 LAを含有する供給原料がDP約1.5を含んでいたことを
除き、実施例35の操作と同様の操作を繰り返した。急速
な蒸留を得た。供給原料47.39gを1.0時間にわたって加
え、その後に洗浄及び乾燥を行って粗製LD21.28gを得た
(理論的生成量の56%)。しかし、留出物は、GCで検定
したところ、20.1%のLDを含有したにすぎなかった。 この操作は、2より低いDPでは、粗製LDの急速な蒸留
を生起することが可能であるか、LDは、DP=2.02で生成
されたそれよりはるかに低純度のものであることを立証
している。 本発明の様々な実施態様を詳細に記載してきたが、当
業者には、これらの実施態様の変更及び適合が生じるで
あろうことは明白である。しかしながら、そのような変
更及び適合は、下記の請求項に記載された限りで、本発
明の範囲内にあることが明示的に理解されなければなら
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クレメンス,ジョージ イー. アメリカ合衆国 43125 オハイオ州 コロンバス ビックスバイ ロード 5036 (72)発明者 ヒルマン,メルビル イー.ディー. アメリカ合衆国 43026 オハイオ州 ヒリアード ダーバイシャイアー ドラ イブ 3317 (72)発明者 リピンスキー,エドワード エス. アメリカ合衆国 43085 オハイオ州 ワーシングトン ベルブルック プレイ ス 6481 (72)発明者 マークル,リチャード エー. アメリカ合衆国 43221 オハイオ州 コロンバス ノルウェー ドライブ 1083 (72)発明者 シンクレアー,リチャード ジー. アメリカ合衆国 43220 オハイオ州 コロンバス ケンウェー コート 985 (56)参考文献 特表 平6−504762(JP,A) 特表 平3−516063(JP,A) 国際公開92/292(WO,A1) 国際公開91/17155(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 319/12 CA(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状エステルの製造方法であって、 (a)有機溶媒中に希釈された濃度のXA、ここでXAは、
    単一のヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル、塩
    又はアミド(X1A)、X1Aの直鎖2員分子(X2A)、X1Aの
    直鎖3員分子(X3A)、X1Aの直鎖4員分子(X4A)、及
    びそれらの混合物から成る群から選択された化合物を含
    有する溶液であり、かつ前記XAはX2Aを含む;を含む供
    給流を供給する工程と、 (b)前記供給流から水を除去してX2Aから前記環状エ
    ステルを生成する工程とを含む環状エステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記XAの濃度が25重量/容量%未満である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記有機溶媒の沸点が、55℃から250℃で
    ある請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】環状エステルの製造方法であって、 (a)有機溶媒中に希釈された濃度のXA、ここでXAは、
    単一のヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル、塩
    又はアミド(X1A)、X1Aの直鎖2員分子(X2A)、X1Aの
    直鎖3員分子(X3A)、X1Aの直鎖4員分子(X4A)、及
    びそれらの混合物から成る群から選択された化合物を含
    有する溶液であり、かつ前記XAはX2Aを含む;を含有す
    る供給流を供給する工程と、 (b)前記供給流から水を除去することにより前記供給
    流を処理して、XAの組成物X2Aから前記環状エステルを
    直接生成する工程とを含む環状エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】XAの濃度が25重量/容量%未満である請求
    項4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、エ
    チルベンゼン、キシレン、クメン、トリメチルベンゼ
    ン、アセトニトリル、ハロゲン化芳香族溶媒、炭化水素
    及びそれらの混合物から成る群から選択される化合物を
    含有する請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記処理工程が前記供給流から水を除去す
    ることを含み、水が除去された前記供給流は、2重量%
    未満の濃度の水を含有する請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】前記処理工程は、55℃から250℃の温度で
    前記供給流を処理することを含む請求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】環状エステル含有留分及び環状エステル非
    含有留分を生成するために、前記環状エステルを回収す
    る工程を更に含む請求項4記載の方法。
  10. 【請求項10】X1Aは、乳酸、グリコール酸、酒石酸、
    乳酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩及びそれらの混合物
    からなる群より選択される請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】X1Aは乳酸である請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】前記XAの少なくとも5%は環状エステル
    に変換される請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】前記方法は連続的に行われる請求項1記
    載の方法。
  14. 【請求項14】前記回収工程は結晶化を含む請求項9記
    載の方法。
  15. 【請求項15】前記環状エステル非含有留分は前記供給
    流に再循環される請求項9記載の方法。
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