JP2019521187A - 水をデカンテーションで回収するラクチドの単一段階製造方法 - Google Patents

水をデカンテーションで回収するラクチドの単一段階製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019521187A
JP2019521187A JP2019518143A JP2019518143A JP2019521187A JP 2019521187 A JP2019521187 A JP 2019521187A JP 2019518143 A JP2019518143 A JP 2019518143A JP 2019518143 A JP2019518143 A JP 2019518143A JP 2019521187 A JP2019521187 A JP 2019521187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactide
lactic acid
water
solvent
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019518143A
Other languages
English (en)
Inventor
ヤズダンパナァ,マハデ
シャオウキ,ジャマル
ヴァウヴェ,ピーター ヴァン
ヴァウヴェ,ピーター ヴァン
セルス,ベルツ
Original Assignee
トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ
トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ, トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ filed Critical トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ
Publication of JP2019521187A publication Critical patent/JP2019521187A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D319/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D319/101,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes
    • C07D319/121,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes not condensed with other rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

本発明はラクチドの合成方法に関し、以下の(1)〜(4):(1)少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸と溶媒とを含み、(2)乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換し、(3)ラクチドの少なくとも一部を回収し、(4)水の少なくとも一部を回収しする、工程を含み、上記の乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程は一工程で行い、上記の水の少なくとも一部を回収する工程はデカンテーション工程を含み、この水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まないことを特徴とする。

Description

本発明は乳酸からラクチドを単一工程(single step)で製造する工業的プロセスに関するものである。
ポリ乳酸(PLA)は主としてトウモロコシデンプンやサトウキビから得られる再生可能な資源であり、最も重要なバイオベースの生分解性プラスチックの一つであり、多くの分野で石油系プラスチックに取って代わることになるものである。PLAの生産では一般に最初に乳酸(LA)を環状二量体のラクチド(LD)に変換し、次いでこのラクチドを開環重合してPLAに変換する。最もコストのかかる工程は乳酸をラクチドに変換する工程である。
現在の工業用ラクチドの合成方法は主として2段階の工程を経て行われる。この2段階プロセスの最初の工程は低品質の乳酸ポリマーの合成工程であり、第2工程はこのポリマーを解重合すなわちバックバイティング(backbiting)してラクチドに変換する工程である。この2段階プロセスは典型的なエネルギー消費プロセスであり、選択性が低く、望ましくないラクチドであるメソ−ラクチドが多量に生成する。別の方法としては充填固体触媒床上でラクチドを気相法合成する方法がある。この方法は2段階プロセスよりもコストが低いが、その工業プロセスは収率が悪く、および/または、容量生産性(volumetric productivity)が低い。
The Atlas of Zeolite Framework Types (C Baerlocher, LB McCusker, DH Olson, 6th ed. Elsevier, Amsterdam, 2007)
上記の観点から、乳酸からラクチドを製造するための工業的代替方法を提供するという技術上のニーズがある。すなわち、当該技術分野には乳酸からラクチドを安価に製造する工業プロセスを提供するというニーズがある。また、当該技術分野にはエネルギー消費量が最適化され且つ熱的に統合された工業プロセスを提供するというニーズがある。当該技術分野には少ないエネルギー消費量で乳酸からラクチドを製造するための工業的方法を提供するというニーズがある。当該技術分野にはさらに、乳酸からラクチドをフレキシブルに製造する工業的方法を提供するというニーズがある。乳酸からラクチドをより選択的に製造する工業的方法を提供するというニーズもある。乳酸からラクチドを高い収率で製造する工業的方法を提供するというニーズもある。また、乳酸からラクチドを高い容積生産性で製造する工業的方法を提供するというニーズもある。
当該技術分野にはフィード(供給)組成に対して柔軟または無関係に乳酸からラクチドを単一段階で製造する工業的プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野にはヒータ数を少なくしてフレキシブルに乳酸からラクチドを製造する単一段階の工業的プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野にはフード組成に対して柔軟または無関係に乳酸からラクチドを単一段階で製造する工業的プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野には簡単な反応装置設計で乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野には小さなスラリーポンプで乳酸からラクチドを製造する単一段階の工業的プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野には生成物の改良された収率を有する乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズがある。当該技術分野には改善された全体変換率で乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野には反応器の設定を独立制御して乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズがある。
当該技術分野には技術的な故障の場合に触媒を用いる、または、触媒用いないに転可して、乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には最小量の溶剤で乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には改善された滞留時間で乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはフィードの組成に関して柔軟にまたは無関係に乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には残留オリゴマーを利用して乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には供給物中のオリゴマーの濃度に関して柔軟にまたは無関係である乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には単数または複数の反応器に入る水の量を制御して乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には単数または複数の反応器に入る水の濃度を制御して乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはフィード中の水の濃度に関して柔軟または無関係である乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはフィード中の乳酸の濃度に関して柔軟または無関係に乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には、乳酸から触媒を分離するための困難および/またはコストのかかる分離工程、例えばコストのかかる濾過および/または遠心分離などの技術を無くすか、少なくして乳酸からラクチドを調製するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはエネルギー効率の良い乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には外部供給源からの水の添加を回避または少なくして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には外部供給源からの触媒の添加を回避または少なくして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には触媒再生工程のコストを低下させて乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には、触媒を用いたおよび触媒を用いない、の両方の運転で追加の労力やコストをかけずに乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはエネルギー効率に優れた乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはエネルギー供給(入力)量を最小にして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはエネルギーの損失を最小にして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には水の分離工程数をより少なくして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には水の分離をより簡単および/またはより安価にして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には水の分離に追加の加熱を必要としない酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野にはラクチドの分解をより少なくして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には溶剤の分解をより少なくして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
当該技術分野には水の分離を使用する触媒に合わせて(compatible)にして乳酸からラクチドを製造するための単一段階の工業プロセスを提供するというニーズもある。
上記ニーズの一つまたは複数を解決することができる。以下で説明する本発明の好ましい実施形態で上記ニーズの一つまたは複数を解決することができる
一般的に、本発明は、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分(components)を供給し、この成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程を含むラクチドの合成方法を提供する。
本発明の第一の態様では、本発明は少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える工程と、乳酸と、少なくとも1種の溶剤とを含む1種または複数の成分を少なくとも1つの反応器に供給する工程と、上記乳酸の少なくとも一部をラクチドと水とに変換する工程と、上記ラクチドの少なくとも一部を回収する工程とを有し、上記の少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える工程は、上記の乳酸と少なくとも1種の溶剤とを反応器に供給する工程より前に実施し、上記の少なくとも1種の溶剤は乳酸とは独立して上記の少なくとも1つの反応器に供給し、上記乳酸の少なくとも一部をラクチドと水とに変換する工程を単一段階で行うことを特徴とするラクチドの合成方法、好ましくは工業合成プロセスを提供する。
本発明の第二の態様では、本発明は下記を特徴とするラクチドの合成方法、好ましくは工業合成プロセスを提供する:少なくとも一つの反応器へ1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部をラクチドと水と乳酸オリゴマーに、好ましくは一段階で変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部と乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収し、回収した水と回収した乳酸オリゴマーとをフィード(このフィードには乳酸オリゴマーが含れていてもよく、水が含まれていてもよい)に加えて、フィードと回収した水および回収した乳酸オリゴマーとを混合して回収した水と回収した乳酸オリゴマーとの混合物を形成し、混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を、好ましくは一段階で、乳酸と乳酸ダイマーに変換し、混合物から水の少なくとも一部を除去し、混合物の残りの少なくとも一部は少なくとも一つの反応器に供給される上記の1種または複数の成分の一つとしての提供する。
第三の態様では、本発明は下記を特徴とするラクチドの合成方法、好ましくは工業合成プロセスを提供する:1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加え、1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドと水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、熱エネルギーの少なくとも一部を回収し、回収した熱エネルギーを上記の1種または複数の成分の少なくとも1つに加える。
第四の態様では、本発明は下記を特徴とするラクチドの合成方法、好ましくは工業合成プロセスを提供する:1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器への供給し、1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、この水の少なくとも一部を回収する工程はデカンテーション工程を含み、ただし、好ましくは水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まない。
[図1]は[図1A][図1B][図1C]および[図D]からなり、本発明のいくつかの好ましい実施形態を組み合わせたプロセスの流れを表しており、[図1]の参照番号は下記を表す: オリジナルフィード(100): ポンプ(101、102、103、104)、例えば真空ポンプ(104)、 乳酸、LA(110)、 乳酸ダイマー、L2A(120)、 酸オリゴマー、L3A、L4A、LXA(130)、 水(140)、 溶剤(150)、 触媒系(160)、 ラクチド(200)、 ラクチドフィルタ(210)、 ラクチド精製用弁(215) ラクチド精製装置(220)、 ラクチド結晶用冷凍サイクル(300) 第1結晶化反応装置(301)、 第2結晶化反応装置(302)、 圧縮機(310)、 冷凍サイクルの熱交換器(311、312) 冷凍サイクルの弁(315)、 高品質水(400)、 反応器間の水分離(410)、 デカンテーション(420)。 水分離膜(430)、 蒸気発生器(500)、 蒸気/フィード用熱交換器(510)(任意)、 フィード用加熱水蒸気(511)、 フィードからの冷却蒸気(512)、 蒸気/溶剤用熱交換器(520)、 溶剤加熱蒸気(521)、 溶剤からの冷却蒸気(522)、 第一熱回収工程(610)、 第一熱回収工程の熱交換器の低温流側(611、612)、 第二熱回収工程(620)、 第二熱回収工程の熱交換器の冷却流側と高温流側(621、622)、 第3熱回収工程(630)、 第3熱回収工程用熱交換器(632)、 第1反応器(710)、 第2反応器(720)、 再循環反応器(任意)または再生反応器(任意)(730)。
(1)遠心分離機から再生された触媒スラリーの入口と、(2)反応器への触媒スラリーの出口と、(3)圧力を発赤させるためのガス入口と、弁(21、22)とを有する本発明で使用できる半バッチ触媒注入システムを示す図。 は[図3A][図3B]および[図3C]からなり、インサイチューでの水分離と熱回収を含む反応器構成を示す図で、[図3B]は2つの凝縮工程すなわち沸点以下の温度(ただし、水の沸点より高い)で運転される第一タンクと、大部分の溶剤を回収するために水の沸点以下の温度で運転される、水と残りの痕跡量の溶剤を回収して反応器へ戻すための第二タンクの使用を示す図であり、[図3C]はいくつかの蒸留工程を追加して溶剤を分離し、それを反応器に戻すための反応器内で行なれる溶剤のインサイチュー分離を示す図。
本発明のいくつかの好ましい実施形態を組み合わせたプロセスの流れ図を表す図。 精製工程で蒸留を使用してラクチドを製造するのに適したプロセスの流れを表す図。 本発明のいくつかの実施形態でラクチドの形成に使用するのに適した固体触媒の45℃の水での再生を示す図。
本発明のプロセスを説明する前に、プロセスは当然、変化し得るので、本発明は以下に記載する特定の方法に限定されるものではないということを理解すべきである。また、本明細書で使用する用語は特許請求の範囲によってのみ限定されもので、限定を意図するものではないことを理解すべきである。
本発明を説明するのに使用する用語は、文脈が別途指示しない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。本明細書で使用され単数形「a」、「an」は、文脈が明確に指示しない限り単数形と複数形の両方を含む。例えば「樹脂」とは一つの樹脂または複数の樹脂を意味する。本明細書で「一つの実施形態」または「実施形態」とは実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通して様々な箇所で「一つの実施形態では」または「いくつかの実施形態では」とは、必ずしも全て同じ実施形態を参照しなくてもよい。一つまたは複数の実施態様において、明細書の開示から当業者に明らかである限り、特定の特徴、構造または特性は任意の適切な方法で組み合わせることができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、他の実施形態に含まれる他の特徴を含み、本発明の範囲内であり、当業者によって理解される限り、異なる実施形態の特徴を組合せて異なる実施形態を形成することができる。例えば、以下に記載の特許請求の範囲に記載の実施形態の任意の組み合わせを使用することができる。
本明細書で使用する「成る」「含む」「構成される」という用語は「含む」「含まれる」と同義であり、「含まれている」「含む」は包括的またはオープンエンドな意味を有し、追加の構成、部材、要素、工程または方法を排除するものではない。「含む」という用語は、当然のことながら「のみを含む」「のみから成る」を含む。
端点で数値範囲を記載した場合には、その範囲内に包括される全ての整数を含み、例えば、1〜5には1、2、3、4、5を含み、適切な場合、例えば測定値を参照する場合には小数点以下の1.5、2、2.7および3.80を含む。終点を記載した場合には終点値自体も含まれる(1.0〜5.0には1.0と5.0の両方を含む)。本明細書に記載の任意の数値範囲はその中に包含される全ての下位範囲を含む。
本明細書で引用する全ての参考文献は本明細書にその全体が参考として援用される。特に、本明細書に具体的に言及した全ての参考文献の教示は参考として援用される。
以下に、本発明の方法および使用の好ましいステートメント(statements)(特徴)および実施例を示す。以下に定義する本発明の各ステートメントおよび実施形態は明確に逆に示されない限り他のステートメントおよび/または実施形態と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利であると示した任意の特徴は好ましいまたは有利であると示した他の任意の特徴または特徴またはステートメントと組み合わせることができる。本発明は以下の番号1〜139で示すステートメントおよび/または実施例を他の一つまたは複数の任意のステートメントおよび/または実施例と組み合わせて把握することができる。
1.
少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給する工程を含み、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収するラクチドの合成方法、好ましくは工業的合成方法。
2.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくは工業的合成方法:少なくとも1つの溶剤に熱エネルギーを加え、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える上記工程は少なくとも1つの反応器の少なくとも1つの溶剤を添加する工程の前に行い、少なくとも1つの溶剤は、少なくとも一つの反応器への乳酸の供給とは独立して行い、好ましくは、乳酸の少なくとも一部をラクチドおよび水に変換する工程を単一段階で行う。
3.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し,この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは、一段階で、ラクチドと水と乳酸オリゴマーに変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部と乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収し、回収した水と回収した乳酸オリゴマーを必要に応じて乳酸オリゴマーを含み、必要に応じて水を含むフィードに加えて、回収水および回収乳酸オリゴマーとフィードとの混合物を形成し、この混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を、好ましくは一段階で、乳酸と乳酸ダイマーに変換し、混合物から水の少なくとも一部を除去し、混合物の残りの少なくとも一部は上記の1種または複数の成分の一つとして少なくとも一つの反応器に供給し、好ましくは、乳酸の少なくとも一部をラクチドおよび水に変換する工程は一段階で行う。
4.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法::1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加え、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1つの溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、好ましくは、少なくとも1つの溶剤の少なくとも一部を回収し、回収された溶剤から回収された熱エネルギーの少なくとも一部を回収し、好ましくは、熱エネルギーの少なくとも一部を回収し、好ましくは、第一および/または第二の工程で上記の1種または複数の成分の少なくとも一つに回収熱エネルギーを加える。
5.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも一つの反応器に1種つまたは複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および好ましくは溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、好ましくは、乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程を一段階で行い、水の少なくとも一部を回収し、この水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まないデカンテーション工程を含む。
6.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、少なくとも一つの反応器への少なくとも1つの溶剤の供給は少なくとも一つの反応器への乳酸の供給とは独立して別個に行う。
7.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも1つの溶剤に熱エネルギーを加え、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える工程を少なくとも一つの反応器に少なくとも1種の溶剤を添加する工程の前に実行する。
8.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収する。
9.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分と少なくとも一つの溶剤を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、前記の少なくとも1つの溶剤は少なくとも2つの溶剤の画分に分割され、各溶剤画分を少なくとも2つの反応器の各反応器に別々に供給する。
10.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸と少なくとも1種の触媒系を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を回収し、回収された触媒系は水の少なくとも一部に含み、回収した触媒系の少なくとも一部を再生し、この回収された触媒系の少なくとも一部を再生する工程の少なくとも一部は回収された水の加水分解を介して行う。
11.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程は第一結晶化工程および第2の結晶化工程を含む。
12.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、好ましくは、水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まないデカンテーション工程を含む。
13.
以下の工程を含むラクチドの合成方法、好ましくはラクチドの工業的合成方法:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、回収したラクチドを精製し、好ましくは、回収されたラクチドの精製工程は真空と加熱の組み合わせを含み、および/または、回収されたラクチドの精製工程は精製、結晶化工程を含む。
14.
乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程を一段階で行う上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
15.
上記の1種または複数の成分が少なくとも1種の溶剤を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
16.
上記の1種または複数の成分が少なくとも一種の触媒系を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
17.
水の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収された水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
18.
少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を回収工程を含み、場合によっては回収された触媒系は水の少なくとも一部に含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
19.
水の少なくとも一部および少なくとも一つの触媒系の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収水が少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
20.
少なくとも1つの溶剤の少なくとも一部を回収する工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
21.
乳酸の少なくとも一部をラクチドおよび水と乳酸オリゴマーに、好ましくは一段階で、変換する工程を含み、乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
22.
上記の1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
23.
1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程を少なくとも一つの反応器に上記の1種または複数の成分を加える工程の前に行う上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
24.
一つまたは複数の回収された成分の少なくとも1つから熱エネルギーを回収する工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
25.
上記の1種または複数の成分を少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に供給する工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
26.
少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加え、1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し、この1種または複数の成分が乳酸および少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える工程を少なくとも1つの反応器に少なくとも1つの溶剤を加える工程の前に行い、少なくとも1つの溶剤は乳酸とは独立して少なくとも一つの反応器に供給される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
27.
少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドと水に乳酸オリゴマーに変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部と乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収し、回収した水および回収した乳酸オリゴマーをフィード(このフィードは必要に応じて水を含み、必要に応じて乳酸オリゴマーを含む)と混合して、回収水と回収乳酸オリゴマーの混合物を形成し、混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を、好ましくは一段階で、乳酸と乳酸ダイマーに変換し、混合物から水の少なくとも一部を除去し、混合物の残りの少なくとも一部は上記の1種または複数の成分の一つとして少なくとも一つの反応器に供給する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
28.
1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加え、1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、熱エネルギーの少なくとも一部を回収し、上記の1種または複数の成分の少なくとも1つに回収熱エネルギーを加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
29.
少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収する工程はデカンテーション工程を含み、好ましくは、水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まない上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。:
30.
少なくとも1つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、上記の少なくとも1つの溶剤は少なくとも一つの反応器に入る乳酸の供給とは独立して少なくとも一つの反応器に別個に行う上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
31.
少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加え、1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し、この1種または複数の成分は乳酸と少なくとも1種の溶剤とを含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える工程を少なくとも一つの反応器に少なくとも1種の溶剤を加える工程の前に実行する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
32.
少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
33.
少なくとも2つの反応器、好ましくは、直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、上記の少なくとも1つの溶剤は少なくとも2つの溶剤の画分に分割され、各溶剤画分を少なくとも2つの反応器の各反応器に別々に供給する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
34.
1種または複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し、上記の1種または複数の成分は乳酸および少なくとも1種の触媒系を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、好ましくは、回収された水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含み、少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を回収し、回収した触媒系は水の少なくとも一部を含み、回収した触媒系の少なくとも一部を再生し、回収された触媒系の少なくとも一部を再生する工程は回収した水による加水分解を介して行われる上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
35.
少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程は第1結晶化工程および第2結晶化工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
36.
少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、この水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まない条件でデカンテーション工程を含みます。
37.
少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含むお、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、回収したラクチドを精製し、ラクチドを精製する工程は真空と加熱の組み合わせを含み、回収されたおよび/または回収されたラクチドを精製する工程は精製および結晶化工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
38.
少なくとも一つの反応器に少なくとも1種の溶剤を添加する工程を有し、溶剤は少なくとも140℃かつ最大で300℃、好ましくは少なくとも150℃かつ最大で250℃、好ましくは少なくとも160℃かつ最大で220℃の温度を有する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
39.
少なくとも一つの反応器に少なくとも1種の溶剤を添加する工程を有し、溶剤は乳酸の温度よりも少なくとも5℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも10℃、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも20℃、好ましくは、乳酸の温度よりも少なくとも30℃、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも40℃高く、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも50℃高く、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも60℃、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも70℃、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも80℃高い上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
40.
少なくとも一つの反応器に少なくとも1種の溶剤を添加する工程を有し、溶剤が乳酸の温度よりも少なくとも5℃かつ最大で100℃高く、好ましくは少なくとも10℃かつ最大で80℃高く、好ましくは少なくとも15℃かつ最大で50℃高い上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
41.
少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
42.
水の少なくとも一部を回収する工程を含み、その水の少なくとも一部は少なくとも2つの反応器の間で回収する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
43.
少なくとも2つの反応器の最初の反応器を出る水の総量に対して、水の少なくとも50%を少なくとも2つの反応器の間で回収するス上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
44.
少なくとも1つの溶剤が少なくとも2つの溶剤の画分に分割され、各溶剤画分を少なくとも2つの反応器の各反応器に別々に供給する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
45.
少なくとも2つの溶剤画分が第一の溶剤画分と第二の溶剤の画分とから成り、上記の熱エネルギーの少なくとも一部が第一の溶剤画分に加えられる上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
46.
少なくとも2つの溶剤画分が第一の溶剤画分と第二の溶剤の画分から成り、上記の熱エネルギーの少なくとも一部が第二の溶剤画分に加えられる上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
47.
第一の溶剤の画分と第二の溶剤分画の合計重量に対して、少なくとも1種の溶剤の少なくとも50%かつ最大で100%、好ましくは少なくとも60%かつ最大で85%の少なくとも1種の溶剤を含む第一の溶剤画分を少なくとも2つの反応器の第1反応器に供給し、少なくとも1種の溶剤の少なくとも0%かつ最大で50%、好ましくは少なくとも15%かつ最大で40%の少なくとも一つの溶剤を含む第二の溶剤の画分を少なくともかつ2つの反応器の第2反応器に供給するステートメントのいずれか一項に記載の方法。
48.
少なくとも1つの溶剤に加える熱エネルギーが少なくとも部分的に回収熱エネルギーであり、好ましくは、この回収された熱エネルギーが回収された溶剤および/または回収された水から回収される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
49.
少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分が、1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも1重量%かつ最大で100重量%、好ましくは少なくとも5重量%かつ最大で95重量%、好ましくは少なくとも15重量%かつ最大で90重量%の乳酸を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
50.
混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を乳酸と乳酸ダイマーに変換する工程が、存在する水によって、および/または、加水分解を介して回収された水による加水分解を介して実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
51.
1種または複数の成分が少なくとも1種の触媒系を含み、この少なくとも1種の触媒系は少なくとも一つの反応器に供給し、少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を回収し、回収した触媒系の少なくとも一部を再生する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
52.
回収された触媒系の少なくとも一部を再生する工程が回収された水による加水分解を介して実行されるか、および/または、フィード中に存在する水による加水分解を介して実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
53.
少なくとも1種の触媒系が少なくとも一つの反応器とインラインで再生される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
54.
少なくとも一つの触媒系が酸性ゼオライト、好ましくは、H−BEAを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
55.
混合物から水の少なくとも一部を除去する工程が膜を用いて実施される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
56.
フィードが乳酸オリゴマーを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
57.
フィードが、乳酸、乳酸二量体および乳酸オリゴマーを合せた総重量に対して少なくとも1重量%かつ最大で20重量%の乳酸オリゴマー、好ましくは少なくとも5重量%かつ最大で15重量%の乳酸オリゴマー、好ましくは約10重量%の乳酸オリゴマーを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
58.
混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を乳酸と乳酸二量体に変換する工程を含み、好ましくは、回収された触媒系の少なくとも一部を一つまたは複数のリサイクルパイプで行う再生工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
59.
水の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収水から回収する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
60.
1種または複数の成分が少なくとも1種の溶剤を含み、少なくとも1つの溶剤の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収された溶剤から回収される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
61.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収ラクチドから回収する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
62.
ラクチドの少なくとも一部を回収する工程が第1結晶化工程および第2の結晶化工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
63.
第1結晶化工程および第2結晶化工程がそれぞれ独立して冷却される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
64.
熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程が第1結晶化工程中に実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
65.
熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程が第2結晶化工程中に実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
66.
回収された熱エネルギーの少なくとも一部を乳酸に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
67.
1種または複数の成分が少なくとも1種の溶剤を含み、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
68.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収水から回収され、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を乳酸に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
69.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収水から回収され、回収熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
70.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収された溶剤から回収し、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を乳酸に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
71.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤回収から回収し、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
72.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収ラクチドから回収し、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を乳酸に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
73.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収ラクチドから回収し、回収熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
74.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収された溶剤から回収され、回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収水から回収され、回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収ラクチドから回収され、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
75.
回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収された溶剤から回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程と、1種または複数の成分の少なくとも一方に回収された熱エネルギーを加える工程を熱交換器を用いて行う上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
76.
水の少なくとも一部を回収する工程が液体/液体抽出工程を含まない上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
77.
上記の少なくともの1種または複数の成分が少なくとも1種の触媒系を含み、水の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収された水の少なくとも一部が一つの触媒系を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
78.
少なくとも一つの触媒系が少なくとも1つの酸性ゼオライト、好ましくは、H−BEAを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
79.
少なくとも2つの反応器、好ましくは、直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給する工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
80.
水の少なくとも一部が少なくとも2つの反応器の間で回収される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
81.
ラクチドの少なくとも一部を回収する工程を結晶化で行い、好ましくは、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程が第1結晶化工程と第2の結晶化工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
82.
回収されたラクチドを精製する工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
83.
回収されたラクチドを精製する工程が真空と加熱の組み合わせを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
84.
回収されたラクチドを精製する工程が最大で200ミリバール、好ましくは最大で100ミリバールの圧力で実施され、例えば少なくとも20ミリバールかつ最大で40ミリバール、好ましくは約30ミリバールの圧力で実施される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
85.
回収されたラクチドを精製する工程がラクチドの融点以下の温度、好ましくは最大で90℃で行われ、例えば少なくとも25℃かつ最大で90℃で行われる上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
86.
回収されたラクチドを精製する精製工程が結晶化工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
87.
1種または複数の成分が水と非混和性の溶剤を含み、好ましくは、溶剤はイソブチルベンゼンまたはデカン、好ましくはイソブチルベンゼンである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
88.
乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程が一段階で行われる上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
89.
ラクチドを合成するための工業的方法である上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
90.
ラクチドを合成するための工業的プロセスであり、乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程を一段階で行う上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
91.
少なくとも一つの反応器が混合反応器であり、好ましくは、少なくとも一つの反応器が機械的に混合されるか、および/または、内部または外部の流体流で混合される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
92.
少なくとも2つの反応器が混合反応器であり、好ましく、少なくとも2つの反応器が機械的に混合されるか、および/または、内部または外部の流体流で混合される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
93.
1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程が少なくとも1種または複数の成分を少なくとも1つの反応器に加する工程の後に、例えば内部交換器またはジャケット付き壁によって実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
94.
1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程が少なくとも1種または複数の成分を少なくとも1つの反応器に加える工程の後に、例えば2つの反応器の内部交換器またはジャケット付き壁によって実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
95.
熱エネルギーを回収する工程が少なくとも一つの反応器の最後の反応器の後または少なくとも2つの反応器の最後の反応器の後に実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
96.
熱エネルギーを回収する工程が少なくとも一つの反応器の反応器の間または少なくとも2つの反応器の最後の反応器の後に実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
97.
熱エネルギーを回収する工程を熱交換器を用いて実施する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
98.
単一の反応器で乳酸をラクチドに変換する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
99.
乳酸を少なくとも2つの反応器の各反応器で独立してラクチドに変換する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
100.
少なくとも1種の溶剤を回収する工程を含み、好ましくは少なくとも1つの溶剤をリサイクルする工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
101.
少なくとも1種の溶剤がC5〜C24アルカンである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
工程。
102.
少なくとも1種の溶剤がデカンである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
103.
少なくとも1つの溶剤が芳香族溶剤、好ましくは直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキル基で置換された芳香族溶剤、好ましくはベンゼンである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
104.
少なくとも1つの溶剤がクメン、o−キシレンまたはイソブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、p−キシレンまたはトルエンであり、好ましくは、少なくとも1つの溶剤がクメン、o−キシレンまたはイソブチルベンゼンであり、好ましくは少なくとも1種の溶剤がイソブチルベンゼンである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
105.
少なくとも1種の触媒系がスラリーの形で少なくとも一つの反応器中に分散される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
106.
少なくとも1種の触媒系を回収する工程を含み、好ましくは、少なくとも一つの触媒系を再循環する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
107.
少なくとも1種の触媒系を溶剤によって再生する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
108.
少なくとも1種の触媒系を焼成(仮焼)で再生する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
109.
触媒系の非存在下で実施する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
110.
ある期間は少なくとも1種の触媒系の存在下で実施し、ある期間は触媒系の非存在下で実施する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
111.
少なくとも一つの触媒系が少なくとも1つの酸性ゼオライトを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
112.
少なくとも一つの触媒系が少なくとも1つの酸性ゼオライトを含み、この酸性ゼオライトは少なくとも一つのチャネルシステムがNMRで測定した骨格のSi/X2比が少なくとも24である10環員以上から成る2つまたは3つの相互接続と非並列チャネルシステムを有するか、3つの相互接続と非並列チャネルシステムを有し、このチャネルシステムの少なくとも2つのチャネルシステムは10環員以上チャネルを有し、NMRで測定した骨格のSi/X2比が少なくとも6であり、各XはAlまたはBである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
113.
相互接続した平行チャネルシステムの少なくとも1つが12環員以上のチャネルを有する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
114.
酸性ゼオライトのブレンステッド酸密度が0.05〜6.5ミリモル/g乾燥重量である上上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
115.
XがAlである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
116.
酸性ゼオライトが少なくとも3つの相互接続と非平行チャネルシステムを有する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
す。
117.
酸性ゼオライトがBEA、MFI、FAU、MEL、FER、MWWを含む群から選択されるトポロジーを有し、好ましくはBEAである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
118.
少なくとも1種の触媒系が酸性ゼオライトを含み、好ましくは少なくとも一つの触媒系がH−BEAゼオライトを含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
119.
水の少なくとも一部を回収する工程を含み、必要に応じて水が少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
120.
水の少なくとも一部を回収する工程が蒸留工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
121.
水の少なくとも一部を回収する工程が濾過工程、好ましくは膜濾過、例えば逆浸透を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
122.
熱エネルギーを回収する工程が水の少なくとも一部を回収する工程の後に実行される上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
123.
乳酸はグルコースまたはスクロースの細菌発酵により得られたものである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
124.
乳酸がトリオース、ヘキソース、セルロースまたはグリセロールの化学触媒変換で得られたものである上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
125.
乳酸がL−乳酸を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
126.
乳酸がD−乳酸を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
127.
少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分が、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも3重量%かつ最大で95重量%の水を含み、好ましくは少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも5重量%かつ最大50重量%、好ましくは少なくとも10重量%かつ最大30重量%の水を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
128.
少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分が、反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも90重量%の溶剤を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
129.
全ての反応器に供給される溶剤の総重量の質量流量が全ての反応器に供給される乳酸の質量の少なくとも4倍かつ最大で30倍、好ましくは少なくとも25倍、好ましくは少なくとも9倍かつ最大で20倍である上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
130.
少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分が、1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも1重量%かつ最大で25重量%の触媒系を含み、好ましくは、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも3重量%且つ最大で10重量%の触媒系を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
131.
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分が、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して、乳酸以外の有機酸を最大で1.00重量%、好ましくは最大で0.10重量%、好ましくは最大で0.01重量%を含む。
132.
熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程の前に回収したラクチドの精製工程を実行する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
133.
熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程の前に精製、結晶化工程を実行する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
134.
熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程を回収したラクチドの精製工程で実行する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
134の方法。
135.
熱エネルギーの少なくとも一部を回収する精製工程を結晶化工程で実行する上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
135の方法。
136.
回収したラクチドの精製工程が溶剤−溶剤抽出工程を含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
137.
回収したラクチドを精製する工程が濾過工程を含み、好ましくは膜を通る上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
138.
ラクチドの収率が少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも65重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%である上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
139.
ポリ乳酸中に回収されたラクチドの少なくとも一部を変換する工程をさらに含む上記ステートメントのいずれか一項に記載の方法。
以下、本発明をより詳細に説明する。以下で一つの実施態様および/または好ましい実施形態として明示的に例示したものは、以下で説明する他の実施態様および/または好ましい実施形態でもあると見なされるべきである。
本発明は、ラクチドを合成する方法、好ましくはラクチドを工業的に合成するための方法に関するものである。本発明方法は以下の工程を含む:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、好ましくは乳酸の少なくとも一部をラクチドおよび水に変換する工程は一段階で行われる。
いくつかの実施形態では、1種または複数の成分は少なくとも1種の溶剤を含む。いくつかの実施形態では、1種または複数の成分は少なくとも1種の触媒系を含む。いくつかの実施形態では、1種または複数の成分は少なくとも1種の溶剤と少なくとも1種の触媒系とを含む。
いくつかの実施形態では、本発明方法は水の少なくとも一部を回収する工程を含み、必要に応じて、回収された水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態では、本発明方法は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収された触媒系は水の少なくとも一部に含まれる。いくつかの実施形態では、本発明方法は水の少なくとも一部と少なくとも一つの触媒系の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む。
いくつかの実施形態では、本発明方法は少なくとも1種の溶剤の少なくとも一部を回収する工程を含む。
いくつかの実施形態では、本発明方法は乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドと水に乳酸オリゴマーに変換する工程を含み、乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収する。
いくつかの実施形態では、本発明方法は1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程を含む。いくつかの実施形態では、1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程は、少なくとも一つの反応器へ1種または複数の成分を加える工程の前に行われる。いくつかの実施形態では、本発明方法は回収された一種または複数の成分の少なくとも1つから熱エネルギーを回収する工程を含む。
いくつかの実施形態では、本発明方法は少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給する。
特に好ましいいくつかの実施形態では、本発明は以下の工程を含むラクチドを合成方法を提供する:少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加え、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸と少なくとも1種の溶剤を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、上記の少なくとも1種の溶剤に熱エネルギーを加える工程は少なくとも一つの反応器に少なくとも1種の溶剤を添加する工程の前に行う。
上記のような各プロセスは溶剤すなわち反応器(単数または複数)を(部分的に)加熱するのに使用される溶剤に熱が加えれるという利点を有する。溶剤の量と溶剤の温度は乳酸フィードに合わせて変更できる。これによってより柔軟な方法が提供できる。このプロセスは反応器(単数または複数)の加熱要素を少なくでき、または、加熱要素を全く必要としないという利点を有する。これによって安価でシンプルな反応器の設計が可能になり、フィードおよび触媒ライン上に熱交換器を無くして必要な熱エネルギーの全てを溶剤の流れに加えることができる。それによってプロセスCAPEXが減り、フィード流が固体触媒を含むという事実に対する信頼性が向上し、ライン上の単位操作を減らすことができる。
このプロセスの別の利点は反応器内の加熱要素、例えば熱交換器のチューブを必要とするプロセスと比較してより生産的であるという点にある。加熱要素がない反応器中で行なうプロセスは、反応器中は障害物があまりないのでより良好な混合を可能にする。発熱要素のような反応器中の障害物は反応器内の流体またはスラリーの動きを妨げ、反応器中に流体が静止しているゾーンを作成し、反応器内で流体は狭い場所よりゆっくりと移動する。これらのゾーンでは反応物がゾーンに十分な速度で供給されず、反応生成物がそうしたゾーン内に蓄積し、固体触媒(存在する場合)は沈殿し、および/または、熱が反応器内の他の場所と同様に送らなくなる。これらは全て反応速度および反応の熱力学に影響を与え、収率および反応生産性に負の効果を与える。
加熱要素を使用した場合には、加熱要素の周りの直接ゾーンの温度は反応器の残りの部分の温度より高くなることが多く、反応の最適温度より高くなることが多い。そうしたホットゾーンでは副反応が起こる可能性がある。高温は乳酸オリゴマーの形成を促進し、ラクチド形成反応の全体的な収率を低下させる。特に、上記の混合不足の問題と組み合わされて、加熱要素は熱が適切に送られない領域が生じさせ、その結果、有意量の乳酸オリゴマーを生成させる可能性がある。
本発明の別の利点は、予熱された溶剤が反応器内に対流を生じさせるので混合に必要なエネルギーが少ない点にある。
他の利点は、反応混合物中に固体が存在する場合、例えば、固体支持体上の触媒が存在する場合に顕著になる。すなわち、固体は反応器内で物体として加熱要素と衝突するため、そうした衝突は物体の寿命を短くし、反応器内での物体を侵食する。固体が触媒粒子の場合、粒子は物体との衝突によって損傷を受け、触媒寿命を低下させる。反応器内での物体との衝突を避けて触媒寿命を延するというニーズがある。これによってさらに機器の腐食を防止することもできる
2つの反応器を直列に使用することで、特に2つの反応器の間に追加の中間水分離工程を追加する場合、プロセス全体の変換率を増加させることができる。
溶剤とフィードとを個別に入れることによって、溶剤流を使用して反応器を加熱することが可能になり、フィードを高い温度に加熱することを回避することができル。フィードのエントリ(供給)での熱交換器を完全に無くすことができる。その代わりに、その影響を補償するために溶剤を高い温度に加熱する。典型的にはスラリー相中に分散触媒を含有しているフィードラインで使用する単位操作数が減るので、プロセスCAPEXが下がり、プロセスライアビリティーを下げることができる。
溶剤は第1反応器のみに注入するか、各反応器に別々に分けて供給することができる。後者の場合には各反応器中への溶剤の流入流量を調整することによって各反応器を独立して加熱できる。これは温度の点でプロセスの柔軟性を上げるという利点がある。また、第1反応器での全体的な溶剤量は単一供給(エントリ)の場合に比べて少なくなる。反応器容積は一定であるので、フィードが利用可能な反応器容積を増加させることができる。従って、反応物の滞留時間を長くすることができ、全体変換率を向上させることができる。溶剤の量は生成ラクチドの全てを溶解するのに必要な最低限溶剤量以上にするのが好ましい。
フィードおよび溶剤を単一エントリ(供給)にする場合には一般に全流体を入れるために大きなスラリーポンプが使用されるが、2つの流体に分離することによってフィードおよび触媒のエントリに小さなスラリーポンプを使用でき、溶剤のエントリに別の従来ポンプを使用できる。さらに、溶剤ラインと比較してフィードラインの圧力は低という事実から、単一エントリの場合に比べて溶剤のポンプ圧縮を小さくできる。これによってOPEXが節約される。
少なくとも1種の溶剤を少なくとも一つの反応器に少なくとも一つの反応器への乳酸のエントリとは独立して行う。このプロセスは加熱された溶剤を乳酸フィードとは独立して反応器に加えることができるという利点がある。このプロセスでは大きなスラリーポンプの代わりにより小さなスラリーポンプが使用できるという利点がある。それによって安価、単純で信頼性の高いポンプ設計にすることが可能になる。
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の溶剤を少なくとも一つの反応器に添加する工程の前に、溶剤を少なくとも140℃かつ最大で300℃、好ましくは少なくとも150℃かつ最大で250℃、好ましくは少なくとも160℃かつ最大で210℃の温度にする。この溶剤は反応器を加熱するために使用できる。溶剤は反応器に供給された他の成分の加熱に使用することもできる。
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の溶剤を少なくとも一つの反応器に添加する工程の前に、溶剤を乳酸の温度よりも少なくとも5℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも10℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも20℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも30℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも40℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも50℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも60℃高い温度、、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも70℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも80℃高い温度を有している。溶剤は乳酸を加熱するために使用できる。
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の溶剤を少なくとも一つの反応器に添加する工程の前に、溶剤は乳酸の温度よりも少なくとも5℃かつ最大で100℃高い温度、好ましくは、乳酸の温度よりも少なくとも10℃かつ最大で80℃高い温度、好ましくは乳酸の温度よりも少なくとも15℃かつ最大で50℃高い温度を有している。
いくつかの好ましい実施形態では、1種または複数の成分は少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に供給される。このプロセスは反応器の一つが故障した場合にバイパスができるという利点がある。直列な反応器を使用することで全体の反応転化率を増加できる。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明方法は水の少なくとも一部を回収する工程を含み、その水の少なくとも一部は少なくとも2つの反応器の間で回収される。このプロセスは水の分離を可能にし、第2反応器での変換を増加させる。この方法はさらに、ラクチドの加水分解のリスクを減らす。いくつかの好ましい実施形態では、2つの反応器の最初の反応器を出る水の総量に対して水の少なくとも50%を少なくとも2つの反応器の間で回収し、好ましくは蒸留、デカンテーションおよび/または濾過で回収する。
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の溶剤を少なくとも2つの溶剤の画分に分割し、溶剤の各画分を少なくとも2つの反応器の各反応器に別々に供給する。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも2つの溶剤の画分が第一の溶剤画分と第二の溶剤の画分とからなり、熱エネルギーの少なくとも一部が第一の溶剤画分に加えられる。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも2つの溶剤の画分が第一の溶剤画分と第二の溶剤の画分とからなり、熱エネルギーの少なくとも一部が第二の溶剤画分に加えられる。このプロセスは反応器に加える溶剤の量をより良く制御でき、各溶剤に加える熱の量をより良く制御できる。これによって各反応器の反応器設定の独立制御が可能になる。また、第1反応器中の溶剤含有量が減り、反応に利用可能な反応器容量を増加できる。従って、反応物の滞留時間が増加し、その結果、反応転化率が向上する。
好ましくは、第一反応器にある程度の量の溶剤を添加し、第2反応器にそれより少ない量の溶剤を添加する。このプロセスは生成物の収率および全体変換率を改善する。このプロセスはさらに、同じ反応器容積に対して第1反応器中の成分の滞留時間を改善させる。このプロセスは全体的な変換率を向上させる。いくつかの好ましい実施形態では、本発明プロセスは以下の工程を含む:第一の溶剤の画分と第二の溶剤分画の合計重量に対して、少なくとも2つの反応器の最初の反応器に少なくとも1種の溶剤の少なくとも50%かつ最大で100%、好ましくは少なくとも60%かつ最大で85%を含む第一の溶剤の画分を供給し、少なくとも2つの反応器の第2反応器に少なくとも1種の溶剤の第二の溶剤の画分の少なくとも0%かつ最大で50%、好ましくは少なくとも15%かつ最大で40%を供給する。典型的にはパーセンテージで100%まで加える。溶剤の添加量は溶剤中のラクチドの溶解度に依存する。好ましくは、フィード中の乳酸含有量の重量比で最大で20倍、好ましくは最大で15倍、好ましくは最大で10倍、好ましくは最大で8倍にする。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の溶剤に加えた熱エネルギーは少なくとも部分的に回収された熱エネルギーである。好ましくは、部分的に回収された熱エネルギーは回収された溶剤および/または回収された水から回収されたものである。これによって、本明細書の他の箇所で説明するように、エネルギー最適化が可能になる。
いくつかの特に好ましい実施形態では、本発明は、以下の工程を含むラクチドの合成方法を提供する:少なくとも一つの反応器への1種または複数の成分を供給し、1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドと水に乳酸オリゴマーに変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部と乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収する。必要に応じて乳酸オリゴマーを含み、必要に応じて水を含むフィードを回収した水と回収した乳酸オリゴマーに加えて、回収水および回収乳酸オリゴマーをフィードに混合した混合物を形成し、混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を、好ましくは一段階で、乳酸と乳酸ダイマーに変換し、混合物から水の少なくとも一部を除去し、混合物の残りの少なくとも一部は少なくとも一つの反応器に供給される上記の1種または複数の成分の一つとして供給する。
乳酸ダイマーはL2A、ラクチル乳酸またはラクトイル乳酸として知られ、下記の式(I)で示される:
Figure 2019521187
本発明プロセスでは、反応後に得られる水を乳酸オリジナルフィードに加えることができる。その後、好ましくは一定量の水を除去し、一定量の水を含んだフィードとし、それを反応器に入る。実際の反応器に追加されるフィード中の水分含有量はオリジナルフィード中の水分含有量とは無関係である。このプロセスではフィードに入る水分含有量は別途制御できるので、反応器に入る水の量を個別に制御できるという利点がある。オリジナルフィードの乳酸は広範囲の濃度にすることができ、典型的にはオリジナルフィードの総量の1重量%〜100%の範囲、典型的には5重量%〜95重量%、典型的には15重量%〜90重量%にすることができる。このプロセスは同一または類似の生産能力に対してオリジナルフィードに応じてプロセスの柔軟性が増加する。このプロセスはさらに、水から乳酸(場合によってはさらに触媒)を分離するのに蒸留を必要としないという利点がある。例えば膜分離で十分である。このプロセスはさらに、水が圧力下にあり、効率的に分離できるという利点がある。また、この場合の水はホットであり、これはフィードオリゴマーの乳酸および乳酸ダイマーへの加水分解を加速し、ラクチド生成反応の反応物の生成を増強する。さらに、外部ソースからの水を追加する必要はない。さらに、水の高い温度は水と触媒の再生に有利である。
デカンテーション工程後にフィードに水ラインを混合することでフィードの温度およびその水濃度が増加し、オリゴマーの加水分解がより容易になる。加水分解が容易になることでオリゴマーを出発物質に変換するための別のオリゴマー分解工程を無くすことができ、従って、分離工程を避けることができ、分解工程のために別個の機器を設ける必要はなく、別個分解工程に試薬を供給する必要もなく、および/または、分解工程に全くエネルギーを使用する必要もない。フィードにデカンテーション工程からの水を含むラインを混合することによってこの流れの含量熱を加熱によって回収することができる。従って、追加の熱交換器を使用せずにフィードを加熱することができる。さらに、水分離工程への流れの温度を下げることができる。これによって水の分離が容易になり、分離水を介した熱損失を少なくすることができる。このプロセスでは単一の水分離工程、好ましくは単一の水分離器を使用することでき、フィードを少なくとも部分的に脱水し、少なくとも部分的に乳酸オリゴマーの少なくとも一部を含む回収水を脱水することができる。
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分は、一つの又は複数の成分の全重量に対して重量%で少なくとも1重量%かつ最大で100%、好ましくは少なくとも5重量%かつ最大で95重量%、好ましくは少なくとも15重量%かつ最大で90重量%の乳酸を含む。水の量は反応器に入る前に制御されるので、オリジナルフィード中の乳酸の量は変動する。
いくつかの好ましい実施形態では、混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を乳酸と乳酸ダイマーに変換する工程は、回収された水による加水分解によって、および/または、フィード中に存在する水による加水分解によってわれる。この反応中にL3A、L4A等とよばれるオリゴマーが形成される。これらのオリゴマーは一般に乳酸の存在下でラクチドに変換されない。このオリゴマーはゼオライト触媒の細孔を詰まらせることになる。蓄積されたオリゴマーはキャリア溶剤として水を使用することで除去できる。さらに、同じ水で加水分解されて本明細書ではLAと記載される乳酸または本明細書ではL2Aと記載する乳酸の二量体に戻る。この再生戦略を用いることで、原材料からの全ての炭素を損失なしにシステムに再導入することができる。本発明者らは、原料に由来するすべての炭素を比較的短い反応時間で除去、変換できるということを見出した。一般に、オリゴマーは抽出の15分後に除去された。これによってオリゴマーの分離は不必要になり、オリゴマーを別個に加水分解する必要がなくなり、オリゴマーからのラクチドの形成を別個に行う必要もなくなり、効率的なプロセスになる。オリゴマーは加水分解でオンザフライで(on-the-fly、処理中に)LAとL2Aに戻すことができる。
いくつかの好ましい実施形態では、1種または複数の成分は少なくとも1種の触媒系を含み、本発明方法で少なくとも1種の触媒系を少なくとも一つの反応器に供給し、少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を回収し、回収した触媒系の少なくとも一部を再生する。
いくつかの好ましい実施形態では、回収された触媒系の少なくとも一部を再生する工程は、フィード中に存在する水によって、および/または、加水分解を介して回収された水による加水分解を介して行われる。例えば、ゼオライト触媒を使用する場合にはゼオライトは水によって再生できる。ゼオライトは一般的にこのプロセスの後にその初期活性を取り戻す。このプロセスの利点は水が一般にホットで(しかも加圧下にあり)、従って、反応が効率的である点にある。しかも、外部ソースからの水を追加は必要ない。
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の触媒系は少なくとも一つの反応器と一緒にインラインで再生できる。従って、触媒を分離し、触媒を別に再生する必要はなく、効率的なプロセスにすることができる。触媒はその場(on the fly)で再生できる。このプロセスは触媒サイクルが閉じられるという利点を有する。従って、外部の触媒源なし、あるいは触媒なしで運転することができる。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の触媒系は酸性ゼオライト、好ましくはH−BEAを含む。酸性ゼオライト、特にH−BEAは特に高温で存在する水で加水分解によって再生するのに適している。いくつかの好ましい実施形態では、混合物から水の少なくとも一部を除去する工程は膜を用いて行う。
いくつかの好ましい実施形態では、フィードは乳酸オリゴマー(LXA、ここで、xは3以上)を含む。このプロセスの利点は、フィード中の乳酸オリゴマーを反応器に供給する前に、乳酸オリゴマーが高温の水で乳酸および乳酸の二量体に変換される点にある。さらに、ゼオライト触媒はゼオライト自体がオリゴマー中で加水分解を触媒でき、自己触媒(autocatalyzed)再生を提供する。いくつかの好ましい実施形態では、フィードは乳酸、乳酸の二量体および乳酸オリゴマーを合わせた総重量に対して最大で50重量%、好ましくは最大で15重量%、好ましくは約10重量%の乳酸オリゴマーを含む。初期100%LAの溶液の場合、オリゴマー濃度は55%まで上げることができる(L2、L3、LX...を含む)。最適なケースは30重量%が水で、60重量%がLA、9重量%がL2A、1.0重量%がLXAの場合である。
いくつかの好ましい実施形態では、混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を乳酸と乳酸ダイマーに変換する工程、場合によってはさらに、回収された触媒系の少なくとも一部を再生する工程は、1つまたは複数のリサイクル(再循環)パイプ中で行われる。このプロセスは別個の再生反応器を必要としないという利点がある。このリサイクルパイプを追加的に加熱することもできる。
デカンテーション工程後にフィードに水ラインを混合することによってフィードの温度および水濃度が上がり、オリゴマーの加水分解が容易になる。デカンテーション工程からの水を含むラインをフィードに混合することで、この流れに含まれる熱を回収し、加熱に使うことかできる。従って、フィードの加熱に追加の熱交換器を使用する必要はない。さらに、水分離工程への流れの温度が下がる。それによって水の分離が容易になり、分離水を介した熱損失が少なくなる。
いくつかの特に好ましい実施形態では、本発明は以下の工程を含むラクチドの合成方法を提供する:少なくとも一つの1種または複数の成分に熱エネルギーを加え、少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、熱エネルギーの少なくとも一部を回収し、上記の1種または複数の成分の少なくとも1つに回収した熱エネルギーを加える。このプロセスには大きなエネルギー消費がないという利点がある。
「1段階(または1工程)の反応」という用語は、分離される中間体を形成せず、残りの反応混合物から分離せずに、一つまたは複数の遷移状態を通って所望の反応生成物に転換される反応を意味する。典型的には、一段階の反応は単一セットの反応条件下で一つの反応器中で行われる。
「2段階の反応」という用語は、少なくとも1つの第1の遷移状態を通って中間体を形成し、それに続いて、所望の生成物が生じる前に少なくとも1つの第2の遷移状態を通って所望の反応生成物に転換される反応を意味する。少なくとも第一遷移状態に到達する反応条件と少なくとも1つの第2の遷移状態に達する反応条件を異なるものにすることができる。中間体を単離して残りの反応混合物から分離することもできる。典型的には、2段階反応は反応条件セットがそれぞれ独立した2つ以上の(シーケンシャル)反応器で実行される。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明プロセスは水の少なくとも一部を回収し、この回収された水から回収された熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程をさらに含む。
いくつかの好ましい実施形態では、1種または複数の成分が少なくとも1種の溶剤を含み、少なくとも1種の溶剤の少なくとも一部を回収し、この少なくとも一部が回収された溶剤から熱エネルギーを回収する工程をさらに含む。
溶剤から熱を直接回収することで、溶剤の種類および溶剤中の例えばデカンの溶解度に応じて、80℃〜130℃の範囲の最低温度に制限することができる。溶剤をこの温度限界より下に冷却すると、熱交換器内部でラクチドが結晶化する。結晶化工程からの熱は回収して反応器に入る流体の加熱に利用する。熱回収を容易にするために結晶化は複数の工程で行うのが好ましい。
デカンテーション工程で分離された水を含むラインのエネルギーを回収して、水分離器からの出る水を介した熱損失を最小限にすることができる。このエネルギー回収は、フィードとデカンテーションからの水を含むラインとを混合してフィードを加熱することによって行うことができる。このエネルギー回収はこのライン上の熱交換器を使用することで行うことができる。追加の熱交換器が必要な場合にはCAPEXが増加する。
いくつかの好ましい実施形態では、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収したラクチドから回収する。いくつかの好ましい実施形態では、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程が第1結晶化工程と第2の結晶化工程とを含む。いくつかの好ましい実施形態では、第1結晶化工程と第2の結晶化工程はそれぞれ独立して冷却される。いくつかの好ましい実施形態では、熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程は第1の結晶化工程中に行われる。いくつかの好ましい実施形態では、熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程は、第2の結晶化工程中に行われる。このプロセスの利点はラクチドの結晶化に必要な熱抽出が反応器に供給される成分の加熱に使用できる点にある。いくつかの好ましい実施形態では、回収された熱エネルギーの少なくとも一部が乳酸に加えられる。いくつかの好ましい実施形態では、1種または複数の成分が少なくとも1種の溶剤を含み、回収された熱エネルギーの少なくとも一部が溶剤に加えられる。
いくつかの好ましい実施形態では、回収される熱エネルギーの少なくとも一部が回収された水から回収され、回収された熱エネルギーの少なくとも一部が乳酸に加えられる。これはフィードとデカンテーションからの分離水を直接混合することによって行うのが好ましい。従って、熱交換器は必要なく、これでCAPEXが小さくなる。
いくつかの好ましい実施形態では、回収される熱エネルギーの少なくとも一部を回収した水から回収し、回収した熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える。いくつかの好ましい実施形態では、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収した溶剤から回収し、回収された熱エネルギーの少なくとも一部を乳酸に加える。いくつかの好ましい実施形態では、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収した溶剤から回収し、回収した熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える。いくつかの好ましい実施形態では、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収ラクチドから回収し、回収した熱エネルギーの少なくとも一部を乳酸に加える。いくつかの好ましい実施形態では、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収ラクチドから回収し、回収した熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える。
いくつかの好ましい実施形態では、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収水から回収し、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収した溶剤から回収し、回収する熱エネルギーの少なくとも一部を回収ラクチドから回収し、回収した熱エネルギーの少なくとも一部を溶剤に加える。この熱回収で溶剤を加熱する。溶剤加熱の利点は上記で記載した。
上記のようなプロセスを単独および/または組み合わせて用いることによって、各プロセスのエネルギーが最適化され、および/または、プロセス全体のエネルギーが最適化されるという利点が得られる。
熱エネルギーの少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%は反応器を出る流れから回収するのが好ましい。それには熱交換器を使用することができる。従来の熱交換器が使用できるが、チューブ熱交換器、シェル熱交換器、プレート式熱交換器、プレート・シェル熱交換器、断熱イール熱交換器、プレートフィン熱交換器、流体熱交換器、廃熱回収ユニット、動的表面掻取式熱交換器、相変化熱交換器、直接接触熱交換器またはマイクロチャネル熱交換器からなる群から選択するのが好ましい。好ましいのは向流熱交換器であり、最も好ましいのはチューブ・シェル向流熱交換器またはプレート熱交換器である。
いくつかの特に好ましい実施形態では、本発明は以下の工程を含むラクチドの合成方法を提供する:少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、乳酸の少なくとも一部を、好ましくは一段階で、ラクチドおよび水に変換し、ラクチドの少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収し、水の少なくとも一部を回収する工程はデカンテーション工程を含み、ただし、水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まない。
このプロセスには水の多段階の回収を必要としないという利点がある。このプロセスは加熱を必要としないという利点がある。このプロセスはラクチドを熱的に劣化させないという利点がある。このプロセスには溶剤を劣化させないという利点がある。触媒は一般に親水性の性質をもっているので、デカンテーションで水分離に加えて、触媒の分離を行うこともできる。このセクションで触媒は高温にあり、水相中にあるので、触媒の再生を開始させることもできる。
好ましくは、水と触媒の両方を溶剤流から一緒に分離する。水と触媒の分離を一体化することでエネルギー消費量とプロセスコストを削減することができる。オリゴマーおよび未反応物は水流によって溶剤から分離できる。
デカンター内部で水と分離された触媒とが接触することで、触媒内部のオリゴマーを加水分解され、デカンターの内部で触媒の再生が開始される。これはこのユニットの水温が高く、オリゴマーの加水分解が促進されるという点で特に重要である。
いくつかの好ましい実施形態では、1種または複数の成分が少なくとも1種の触媒系を含む。この場合のプロセスは水の少なくとも一部を回収する工程を含み、回収された水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の触媒系は少なくとも一種の酸性ゼオライト、好ましくは、H−BEAを含む。好ましいゼオライトについては以下で説明する。デカンテーション工程はゼオライトのような親水性触媒に特に効果的である。
デカンテーションの代りに水分離用反応器に蒸留をインサイチュー(in situ)で直接使用することもできる。この場合、様々の種類の反応蒸留を使用することができる。[図3]はその可能な構成のいくつかを示している。溶剤の種類に応じて他の設計を使用することができる。分割壁カラムのようないくつかの高度な蒸留システムは、反応器内に濃縮ラクチド出口流が生成させる系で下流の分離工程を容易にするために使用することができる。蒸留に固有な蒸発エネルギーを回収するために熱統合を利用することでエネルギー消費量を低減させることができる。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明のプロセスは少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に1種または複数の成分を供給する工程を含む。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも2つの反応器の間で水の少なくとも一部が回収される。
いくつかの好ましい実施形態では、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程が結晶化で行われ、好ましくは、このラクチドの少なくとも一部を回収する工程が第1結晶化工程と第2の結晶化工程とを含む。第2結晶化工程では利用可能な冷却水によって部分的または完全に冷却することができる。
いくつかの実施形態では、結晶化装置の設計によって調整可能な特定の粒径の固体結晶の形の固体が形成される(砂糖粒を生成するのに使用される技術)。この設計では固体の分離工程、特に濾過、遠心分離が必要になる。いくつかの実施形態では、分離された粒子を連続的に分離回収する必要があるため、比較的難しい濾過技術になる場合もある。自動濾過システムまたは遠心分離にすることで解決することができる。遠心分離には連続モードで運転できるという利点がある。難しいのはLD粒子の凝集と凝集ケーキの形成にある。これは遠心分離ユニットの出口圧力と温度を制御することでユニット壁に分離された固体LDを流動化させることで解決できる。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明プロセスは、水の少なくとも一部を回収する工程が液体/液体抽出工程を含まない。
いくつかの実施形態では、本発明プロセスは回収されたラクチドの精製工程を含む。この回収されたラクチドを精製する工程はラクチドの回収工程の後に行われる。いくつかの実施形態では、回収されたラクチドを精製する工程が真空と加熱との組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、回収されたラクチドの精製工程が最大で200ミリバール、例えば最大で100ミリバール、例えば少なくとも20ミリバールかつ最大で40ミリバール、好ましくは約30ミリバールの圧力で行われる。
いくつかの実施形態では、回収されたラクチドを精製する工程がラクチドの融点以下の温度、例えば最大で90℃、好ましくは少なくとも25℃かつ最大で90℃の温度で行われる。このプロセスは失われる溶剤が少ないという利点がある。このプロセスにはさらに、エネルギーの最適化ができるという利点もある。このプロセスには溶剤フレアリング(flaring)が必要ないという利点もある。精製はデカンからラクチドを濾過分離した後に行うのが好ましい。分離したラクチドケーキは溶剤を含むので、それを分離して高純度ラクチドを製造する。別の方法では、濾過工程なしに、静的晶析装置でラクチドを最後に結晶分離することもできる。
いくつかの実施形態では、回収したラクチドを精製する工程が結晶化精製工程を含む。ラクチドの分離および精製を濾過せずに静的または動的な単一の晶析装置で行うこともできる。ラクチドの最終純度は少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.5%、少なくとも98.0%、好ましくは少なくとも99.0%であるのが好ましい。
いくつかの好ましい実施形態では、1種または複数の成分が水に非混和性の溶剤を含む。この溶剤はイソブチルベンゼンであるのが好ましい。このプロセスは水−溶剤分離が簡単になるという利点を有する。
乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程は一段階で行うのが好ましい。乳酸に1工程でラクチドに変換するプロセスは従来の2段階の合成プロセスとは異なって、閉環反応の間に水の除去が起こり、ラクチドはエステル交換反応ではない縮合によって水性乳酸から直接合成される。いくつかの好ましい実施形態では、乳酸の少なくとも一部をクチドと水に変換する工程は閉環反応を含む。乳酸のラクチドへの変換は単一の反応器中で行うのが好ましい。複数の反応器を使用する場合には、例えば直列に接続された少なくとも2つの反応器を用い、各反応器で乳酸のラクチドへの一段階変換を個別に行うのが好ましい。
乳酸のラクチドへの一段階変換には副生成物、例えばL3AおよびL4AのようなオリゴマーLXAオリゴマーの形成が少ないという利点がある。本明細書で使用する「LXA」という用語はxの基本乳酸単位含むオリゴマーを意味する。一般に、LXAという用語は全てオリゴマーの集合を表すために使用され、xは3以上である。LXAオリゴマーはラクチドに直接変換されないので本発明プロセスではLXAオリゴマーは望ましくないものである。乳酸のラクチドへの一段階変換にはラクチドが乳酸へ戻る加水分解が少ないという利点もある。
本発明プロセスはラクチドの工業的合成のプロセスであるのが好ましい。好ましくは、本発明プロセスは年間少なくとも10,000トン、好ましくは年間少なくとも30,000トン、好ましくは年間少なくとも40,000トン、好ましくは年間少なくとも50,000トン、好ましくは年間少なくとも60,000トン、好ましくは年間少なくとも70,000トン、好ましくは年間少なくとも80,000トンのラクチドを生産するのが好ましい。
反応器の運転温度は少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃、好ましくは少なくとも140℃、好ましくは少なくとも150℃、好ましくは少なくとも160℃、好ましくは少なくとも170℃にすることができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの反応器は混合反応器であり、好ましくは少なくとも一つの反応器は機械的混合機、および/または、内部または外部の流体流混合機にすることができる。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも2つの反応器が混合反応器で、この少なくとも2つの反応器が機械的混合機、および/または、内部または外部流体流混合機であるのが好ましい。
いくつかの実施形態では、1種または複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを加える工程を、例えば内部交換器またはジャケット付きの壁によって、1種または複数の成分の少なくとも1つを少なくとも一つの反応器へ添加する工程の後に行う。いくつかの実施形態では、1種または複数の成分の少なくとも一方に熱エネルギーを加える工程は、例えば内部交換器またはジャケット付きの壁を用いて、1種または複数の成分の少なくとも1つを少なくとも2つの反応器へ添加する工程の後に行われる。内部熱交換器を使用することができる。反応器は反応器に入る溶剤を加熱することによって加熱することができる。熱交換器は2つの反応器の間に設置することができる。
いくつかの実施形態では、熱エネルギーを回収する工程を、少なくとも1つの反応器の最後の反応器の後、または、少なくとも2つの反応器の最後の反応器の後に行う。いくつかの実施形態では、熱エネルギーを回収する工程は、少なくとも1つの反応器の反応器の間、または、少なくとも2つの反応器の最後の反応器の後に行う。いくつかの実施形態では、熱エネルギーを回収する工程は熱交換器を用いて行う。好ましくは熱交換器を使用して出力流からの熱を反応器に入る冷たい入力流に熱を伝達する。
いくつかの実施形態では、乳酸は単一の反応器内でラクチドに変換される。いくつかの実施形態では、乳酸は少なくとも2つの反応器の各反応器でラクチドに独立して変換される。
いくつかの実施形態では、1種または複数の成分は少なくとも1種の溶剤を含む。溶剤の使用は、ラクチドが溶剤に溶解し、水による加水分解でラクチドが乳酸に戻されるのを減らすことができるという利点を有している。ラクチドを有機相、例えば芳香族溶剤中に溶解する。いくつかの実施形態では、本発明プロセスは少なくとも1種の溶剤を回収する工程を含む。本発明プロセスは少なくとも1種の溶剤をリサイクルする工程を含むのが好ましい。
適した溶剤は、本明細書に記載の反応生成物が可溶なもので、適切な沸点を有するものである。より具体的には、沸点は沸点温度で十分な反応速度が達成できるような高さで、しかも、分解生成物の形成を回避または最小化することが可能な十分な低さである。いくつかの実施形態では、溶剤は水と非共沸混合物を形成して蒸留によって水を除去することが可能なものであるのが好ましい。非共沸溶剤には水非混和性の芳香族溶剤、水非混和性脂肪族または環式炭化水素溶剤、水溶性溶剤またはこれらの混合物が含まれる。水不混和性の非共沸溶剤は蒸留後に水をシステムから分離し、溶剤を容易にリサイクルできるので好ましい。反応工程中に生じる可能性のある副生成物(例えば、水溶性の短いヒドロキシカルボン酸および/またはアミノカルボン酸オリゴマー)は一般に水相に溶解し、環状エステルおよび/または環状アミドは溶剤相に残る。これによって抽出による目的製品からの副生成物の分離と、(加水分解後の)水溶性製品のその後の反応工程への再供給が容易になる。
環状エステルと反応性があるために好ましくない溶剤としてはアルコール、有機酸、アルコールを含むエステルおよびエーテル、過酸化物および/または酸不純物、ケトンおよび安定エノール形のアルデヒドおよびアミンが挙げられる。
適した溶剤にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン(例えば、1,3,5−トリメチルベンゼン)、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、1,4−ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノンおよびフェンコン等のケトン系溶剤が含まれる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の溶剤はC5−C24アルカンまたはC5−C24アルカンの混合物である。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の溶剤はデカンである。アルカン、特にデカンは水から容易に沈降分離できるという利点がある。さらに、比較的高い沸点を有し、HSEリスクも低い。さらに、沸点での運転条件が安定しており、は比較的安価である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶剤はベンゼンであり、好ましくは1つまたは複数の直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基で置換されたベンゼンか、その混合物である。例えば、少なくとも1つの溶剤はイソブチルベンゼン、トルエン、オルト−キシレン、メタ−キシレン、パラ−キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼンおよびこれらの混合物を含む群から選択できる。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の溶剤はイソブチルベンゼン、クメン、o−キシレンまたはトルエン、好ましくはイソブチルベンゼンである。置換ベンゼン、特にイソブチルベンゼンは水と良好なエマルジョンを形成し、必要な撹拌反応器の数が少なくなるという利点を有する。さらに、比較的高い沸点を有し、ラクチドの収率が高くなり、さらに、ラクチドの溶解度が高い。
いくつかの実施形態では、溶剤は少なくとも50℃〜最大で250℃、好ましくは少なくとも100℃〜最大でも200℃、より好ましくは少なくとも160℃〜最大で180℃の標準沸点を有する。イソブチルベンゼンおよびデカンは約175℃の沸点を有する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の触媒系は少なくとも一つの反応器中にスラリーの形で分散される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の反応器に触媒が別々に供給される。触媒のエントリは50重量%、好ましくは70重量%、好ましくは80重量%である。
水分離器の入口流は一般に高含有量(30重量%まで)の触媒を含む。こうした高い含有量の触媒は水分離部に使用される膜またはフィルターに有害である。いくつかの実施形態では、フィルター/膜を保護するためにこのユニットの上流に触媒分離ユニットを設置できる。この場合にはハイドロサイクロンまたは遠心分離器を用いて触媒を分離してから反応器の入口流に入れるか、反応器に直接再注入することができる。反応器への直接触媒注入には通常のポンプを使用することができるという利点がある。好ましくは、[図2]に示すものと同様な半バッチ触媒注入システムを使用することができる。プロセス構成に応じて各反応器に2つまたは3つの触媒注入システムを設置できる。
いくつかの実施形態では、本発明方法は少なくとも1種の触媒系を回収する工程を含み、好ましくは少なくとも1種の触媒系を再循環する。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の触媒系は溶剤によって再生される。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の触媒系は水によって再生される。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1種の触媒系は焼成によって再生される。
触媒系はゼオライト触媒を含むのが好ましい。本明細書に記載のゼオライト触媒は本プロセスで再生して再利用できる。従って、本明細書に記載の方法の特定実施形態はゼオライト触媒を再生する工程を含む。ゼオライト触媒の再生は洗浄や焼成で行うことができる。好ましくは、ゼオライト触媒の再生は少なくとも150℃の温度での焼成で行うことができる。特定実施形態では、焼成温度は少なくとも200℃、例えば少なくとも300℃、例えば少なくとも400℃、例えば約450℃である。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の触媒系は少なくとも一つの酸性ゼオライトを含む。本明細書で使用する「ゼオライト」という用語はX線回折によって決定されるような明確な結晶構造を有する天然および合成の微孔質結晶性アルミノシリケート材料を意味する。ゼオライトは他のチャネルシステムまたはサイドポケットまたはケージのような空洞と相互接続可能なチャネルのシステムを含む。チャネルシステムは三次元、二次元または一次元であってよい。ゼオライトはSiO4およびXO4の四面体を含む。ここで、XはAl(アルミニウム)またはB(ボロン)である。ゼオライトはAlO4およびBO4とを組み合わせた四面体を含むことができる。好ましい実施形態ではXはAlで、BO4を含まない。SiO4とXO4の四面体はコーナーの共通酸素原子を介して連結されている。ゼオライト中に存在する環構造の種類および各リングタイプによって定義されるチャネルの寸法を含むゼオライトの骨格、トポロジーおよび構造の詳細の概論は[非特許文献1](The Atlas of Zeolite Framework Types、C Baerlocher, LB McCusker, DH Olson, 6th ed. Elsevier, Amsterdam, 2007)およびそのネット版(http://www.iza-structure.org/databases/)に記載されている。ゼオライト合成のための実績の特定レシピおよび優れた実験室での操作は「Verified synthesis of zeolitic materials」 2nd Edition 2001に記載されている。これにはBO44面体の合成するための様々な実績のあるレシピが記載されている。例えば、MFIトポロジーを有するホウ素系ゼオライトの合成および特徴は「Cichocki and Parasiewicz-Kaczmarska (Zeolites 1990, 10, 577-582)」に記載されている。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の触媒系は2つまたは3つの相互接続と非並列チャネルシステムを含み、少なくとも一つのチャネルシステムは10環員以上チャネルを含み、NMRで測定した骨格Si/X2比が少なくとも24であるか、3つの相互接続および非並列チャネルシステムを有し、少なくとも2つのチャネルシステムは10環員以上チャネルを含み、NMRで測定した骨格のSi/X2比が少なくとも6である少なくとも一つの酸性ゼオライトを含む。ここで、各XはAlまたはBである。本明細書で使用する「チャネルシステム」という用語は平行かつ結晶学的に等価なチャネルシステムの一部である8環員以上のチャネル、例えば10環員チャネルまたは12環員チャネルである。従って、「チャネル」という用語は平行かつ結晶学的に等価なチャネルシステムの一部である8環員以上のチャネルを意味する。
本発明の方法で使用する好ましいゼオライトは10環員チャネル(10MR)、12環員チャネル(12MR)またはそれ以上のチャネルを有する。公知のゼオライト骨格タイプのリングサイズは[非特許文献1](The Atlas of Zeolite Framework Types、C Baerlocher, LB McCusker, DH Olson, 6th ed. Elsevier, Amsterdam, 2007)に記載されている。その内容は本明細書の一部を成す。
本明細書で使用する「8環員チャネル」または「8MR」という用語は非閉塞の8環員からなるチャネルを指し、8環員チャネルが最小直径を規定する。8環員は8T原子と8つの酸素原子を交互に有し(環を形成)、各TはSi、AlまたはBである。本明細書で使用する「10環員チャネル」または「10MR」という用語は非閉塞の10環員からなるチャネルを指し、10環員チャネルが最小直径を規定する。10環員チャネルは10T原子と10の酸素原子を交互に有し(環を形成)、各TはSi、AlまたはBである。本明細書で使用する「12環員チャネル」または「12MR」という用語は非閉塞の12環員からなるチャネルを指し、12環員チャネルが最小直径を規定する。12環員チャネルは12T原子と12の酸素原子を交互に有し(環を形成)、各TはSi、AlまたはBである。本明細書で使用する「10環員以上のチャネル」という用語は10環員以上のチャネルを指し、従って、例えば10環員チャネルと12環員チャネルの両方を含む。
骨格のSi/X2比は核磁気共鳴(NMR)測定、具体的には29Siと27AlのNMR測定で求める。いくつかの実施形態でのXはAlである。一つの好ましい実施形態では骨格にBがなく、Si/X2比はSi/Al2比である。このSi/X2比はKlinowski (Ann. Rev. Mater. Sci. 1988, 18, 189-218); または「G. Engelhardt and D. Michel (High-Resolution Solid-State NMR of Silicates and Zeolites. John Wiley & Sons, Chichester 1987. xiv, 485 pp)に記載の方法で測定できる。また、NMRによる。Si/B比の決定をD. Trong On et al. (Studies in Surface Science and Catalysis 1995, 97, 535-541 ; Journal of Catalysis, November 1995, Volume 157, Issue 1 , Pages 235-243)に記載の方法で行うこともできる。
本明細書に記載の方法で使用するのに好適なゼオライトはAlO44面体、BO44四面体またはその両方を含むことができる。従って、いくつかの実施形態でのX2は(Al2+B2)である。従って、所定ゼオライトの骨格Si/X2比は骨格のAlをBで置換しても同じままである。しかし、特定実施形態では、ゼオライトがBO44面体を含まないか、その量はわずかである(例えばAl/B比が100以上)。従って、特定の実施形態ではX2はAl2である。その場合のSi/X2比はSiO2/X23モル比に等しいということは当業者には理解できよう。ここで、X23は(Al23および/またはB23である)。さらに、Si/X2比を2で割ることでSi/X比が得られることも理解できよう。ここで、Xは(Alおよび/またはB)である。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法で使用する骨格Si/X2は少なくとも24である。例えば、ゼオライトは骨格Si/X2が少なくとも24で、さらに相互接続され、非平行チャネルシステムの少なくとも一つが10環員以上チャネルを有する。すなわち、チャネルシステムの少なくとも一つが10環員以上を含む少なくとも2つの相互接続と非平行チャネルシステムを含み、少なくとも1つの他のチャネルシステムは8環員以上のチャネルを含む。そうしたゼオライトの例はFER、MFIおよびMWWを含む群から選択されるトポロジーを有するゼオライトである。
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのチャネルシステムの各々が10環員以上のチャネルを有する。いくつかの実施形態では、チャネルシステムの少なくとも一つは12環員以上のチャネルを含む。
いくつかの実施形態にでは、本明細書に記載の方法で使用するゼオライトは骨格のSi/X2比が少なくとも6である。例えば、ゼオライトは骨格のSi/X2比が少なくとも6で、さらに、相互接続された非平行チャネルシステムの少なくとも2つが10環員以上のチャネルを含む。すなわち、相互接続かつ非平行チャネルシステムはチャネルシステムの少なくとも2つが10環員以上のチャネルを含むみ、他のチャネルシステムが8環員以上のチャネルを含む。このようなゼオライトの例としてはBEA、FAUおよびMELを含む群から選択されるトポロジーを有するゼオライトがあるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、3つのチャネルシステムの全てが10環員以上のチャネルを有する。特定の実施形態では、チャネルシステムの少なくとも一つが12環員以上のチャネルを含む。いくつかの実施形態では、チャネルシステムの少なくとも2つは12環員以上のチャネルを含む。そのようなゼオライトの例にはBEAおよびFAUを含む群から選択されるトポロジーを有するゼオライトがあるが、これらに限定されるものではない。
トポロジーで定義されるゼオライトのチャネルは乳酸モノマーがアクセスするのに十分な小さで且つ三量体またはより高次のオリゴマーの形成および/または拡散を防止するのに十分な大きさであるのが好ましい。いくつかの実施形態では、ゼオライトは最大で18、好ましくは最大で14、最大で12の環サイズを有するチャネルのみを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用するゼオライトはBEA、MFI、FAU、MEL、FERおよびMWWを含む群から選択されるトポロジーを有する。これらのゼオライトはラクチドに対して特に高い選択性を示す。特定の実施形態では、ゼオライトはBEA、MFI、FAUおよびMWWからなる群から選択されるトポロジーを有する。特定の実施形態では、ゼオライトはBEAトポロジーを有するゼオライトを含む。いくつかの実施形態では、酸性ゼオライトがBEA、MFI、FAU、MEL、FERおよびMWWを含む群から選択されたトポロジー、好ましくはBEAを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の触媒系は上記の酸性ゼオライトを含み、好ましくは、少なくとも1種の触媒系はH−BEAゼオライトを含む。本明細書に記載の方法で使用するのに適した市販のゼオライトの例はベータ多形体A(BEAトポロジー)、ZSM−5(Mobil;MFIトポロジー)、Y型ゼオライト(FAUトポロジー)およびMCM−22(Mobil;MWWトポロジー)であるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ゼオライトは少なくとも4.5Åの平均(等価)直径を有するチャネルを含む。より具体的には、ゼオライトは少なくとも4.5Åの平均直径を有する2つ以上の非平行チャネルを含むことができる。チャネルの直径は理論的にはゼオライト骨格型の知識によって決定されるか、X線回折(XRD)測定で決定されるということを当業者は知っている。好ましくは、ゼオライトは平均(等価)直径が4.5〜13.0Åの間、より。好ましくは4.5〜8.50Åの間にある2つ以上の非平行かつ相互接続されたチャネルを含む。好ましくは、適したトポロジ直径は上記の国際標準文献:the Atlas of Zeolite structuresまたはそのオンラインデータベース(http://www.iza-structure.org/databases/)で得られる。さらに、Groen達(Microporous and Mesoporous Materials 2003, 60, 1-17), Storck 達(Applied Catalysis A: General 1998, 174, 137-146)およびRouquerol達(Rouquerol F, Rouquerol J and Sing K, Adsorption by powders and porous solids: principles, methodology and applications, Academic Press, London, 1999)に記載のように、チャネルの平均(等価)直径はN2吸着を利用して実験的に決定することもできる。
いくつかの実施形態では、ゼオライトはメソ細孔をさらに含むことができる。メソ細孔の存在で微細孔への乳酸のアクセシビリティを増大させ、反応速度を増加させることができる。しかし、ゼオライトがメソ孔を有していなくてもよい。本明細書で用いられる「メソ細孔」という用語は50nm〜2.0nmの平均直径を有するゼオライト結晶孔を意味する。円筒から外れた細孔形状の場合のメソ細孔の直径の範囲は等価な筒状細孔を意味する。メソ細孔の平均直径はN2吸着等のガス吸着技術で決定ができる。
ゼオライトはそのままで、例えば粉末で使用できる。特定の実施形態では、ゼオライトは最終触媒生成物に追加の硬度または触媒活性を与えるために他の材料と組み合わせた配合触媒にすることができる。ゼオライトとブレンドできる材料は種々の触媒不活性または活性材料でも、種々の結合剤材料でもよい。これらの材料としてはカオリン、その他の粘土、リン酸塩、アルミナまたはアルミナゾル、チタニア、ジルコニア、石英、シリカまたはシリカゾル、金属ケイ酸塩のような金属酸化物などの組成物とその混合物が挙げられる。これらの成分は触媒を緻密化し、製剤化触媒の強度を増加させるのに有効である。種々の形態の希土類金属を触媒処方に添加することができる。触媒はペレット、球、他の形状に押し出しまたは噴霧乾燥粒子の形にフォームレーションすることがでる。最終触媒生成物中に含まれるゼオライトの量は全触媒の0.5〜99.9重量%、好ましく、2.5〜95重量%、好ましくは2.5〜90重量%、好ましくは2.5〜99.5重量%の範囲、例えば、全触媒の20〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、好ましくは2.5〜80重量%、最も好ましくは20〜80重量%にすることができる。重量%は触媒生成物の総重量に対する比率である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用するゼオライトを(合成後に)処理してSi/X2骨格比を増加させることができる。Si/X2比を増加させる方法には当該技術分野で公知であり、(ヒドロ)熱処理、酸による骨格アルミニウムの抽出、ハロゲン化珪素またはヘキサフルオロシリケートとの反応による骨格アルミニウムの珪素への置換による骨格の脱アルミニウムが含まれる。脱アルミニウム化の例示的な方法はRemy et al. (J. Phys. Chem. 1996, 100, 12440-12447)に記載されている。この文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載の方法で使用するためのゼオライトはブレンステッド酸性ゼオライトすなわち微細孔内にプロトン供与サイトを有するゼオライトであるのが好ましい。いくつかの実施形態では、ゼオライトのブレンステッド酸密度は0.05〜6.5ミリモル/乾燥重量gである。全てのAl T−サイトが酸性プロトン(カチオンに対向)である場合には、レンステッド酸密度はSi/Al2比から直接の誘導することができる。これに関しては例えばHandbook of Heterogeneous Catalysis, second edition, edited by G. Ertl, H. Knozinger, F. Schiith and J. Weitkamp, Wiley 2008に記載されている。
本明細書に記載の方法で使用するゼオライトは酸性形態(酸性H型ゼオライト)または(部分的に)H+以外のカチオンで交換したものにすることができる。いくつかの実施形態では、酸性H型ゼオライトはそのままで使用できる。他のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用するゼオライトは(合成後に)処理してブレンステッド酸密度を増加させることができる。ゼオライト中のブレンステッド酸サイトはアンモニウム塩との水性イオン交換と、それに続くゼオライト内部のアンモニウムイオンの熱分解によって容易に生成することができる。あるいは、酸サイトは、多価金属カチオン(Mg2+、Ca2+、La3+または希土類カチオンの混合物)の塩を用いた水性イオン交換と、それに続く熱脱水によって形成することもできる(J. Weitkamp, Solid State Ionics 2000, 131 , 175-188; hereby incorporated by reference)。この文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、酸性ゼオライトは0.05〜6.5ミリモル/乾燥重量gのブレンステッド酸密度を有する。
いくつかの実施形態では、本発明プロセスは触媒系の非存在下で行われる。このプロセスの転化率は最大で25〜40%低くなり、収率も下がる。しかし、このプロセスは低容量かつ低コストで運転できるという利点がある。このプロセスには高い再循環で運転できるという利点もある。このプロセスには分離が容易という利点もある。
いくつかの実施形態では、本発明プロセスはある時は少なくとも1種の触媒系の存在下で運転され、ある時に触媒系の不存在下で運転される。その選択はフィードの組成を含む種々の要因に依存する。このプロセスは高い汎用性を有する
いくつかの実施形態では、触媒系の少なくとも一部が、好ましくは水の少なくとも一部と一緒に、好ましくはデカンテーション工程で回収される。その代わりに、触媒系を濾過、遠心分離またはハイドロサイクロンで回収することもできる。
いくつかの実施形態では、触媒系の少なくとも一部が回収された溶剤中に存在する。この。触媒系は上記の方法で溶剤から分離できる。いくつかの実施形態では、本発明プロセスは水の少なくとも一部を回収する工程を含む。場合によっては、この水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む、
いくつかの実施形態では、水の少なくとも一部を回収する工程は濾過工程を含み、好ましくは、膜濾過、例えば逆浸透による濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、水の少なくとも一部を回収する工程は蒸留工程を含む。いくつかの実施形態では、水の少なくとも一部を回収する工程は反応蒸留を含む。いくつかの実施形態では、水の少なくとも一部を回収する工程は分割壁カラムの蒸留を含む。蒸留プレートは反応器の上部に設けられる。流体の加熱は好ましくは反応器の底部に配置されたリボイラーによって行われる。
いくつかの実施形態では、熱エネルギーを回収する工程は水の少なくとも一部を回収する工程の後に行われる。
乳酸はグルコースまたはスクロースの細菌発酵によって工業的に製造できる。微生物発酵では一般にL−乳酸が得られ、優れたステレオコンプレックスPLLA/PDLAはD−乳酸の供給源を必要とするので、これによってPLAのポテンシャルが制限される。いくつかの実施形態では、乳酸はグルコースまたはスクロースの細菌発酵により得られる。
あるいは、トリオース、ヘキソース、セルロースまたはグリセロールの化学触媒変換によって乳酸をラセミ混合物として得る。いくつかの好ましい実施形態では、乳酸はトリオース、ヘキソース、セルロースまたはグリセロールの化学触媒変換によって得られる。
いくつかの実施形態では、乳酸はL−乳酸を含む。いくつかの好ましい実施形態では、乳酸はD−乳酸を含む。いくつかの実施形態では、乳酸は少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも98重量%、例えば少なくとも99重量%のL−乳酸を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分は、1種または複数の成分の総重量に対して、少なくとも3重量%かつ最大で95重量%の水を含み、好ましくは、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも5重量%かつ最大で50重量%、好ましくは、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも10重量%かつ最大で30重量%の水を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分は、1種または複数の成分の総重量に対して、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%の溶剤を含む。
いくつかの実施形態では、全ての反応器に供給される溶剤の総量の質量流量は全ての反応器に供給される乳酸の少なくとも4倍かつ最大で30質量倍、好ましくは少なくとも6倍〜最大で25倍、好ましくは少なくとも9倍でかつ最大で20倍である。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分は、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の総重量に対して、少なくとも1重量%かつ最大で25重量%の触媒系を含み、好ましくは1種または複数の成分の総重量に対して少なくとも3重量%かつ最大で10重量%の触媒系を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分が、少なくとも一つの反応器に供給される1種または複数の成分の全重量に対して、最大で1.00重量%、好ましくは最大で0.10重量%、好ましくは最大で0.01重量%の乳酸以外の有機酸を含む。
ラクチドは2つの不斉炭素原子を有するので3つの立体異性体の形態が得られる。LLラクチドでは両方の不斉炭素原子がL(またはS)立体配置をしており、DD−ラクチドでは両方の不斉炭素原子がD(またはR)立体配置をしており、メソ−ラクチド(DL−ラクチド)では一つの不斉炭素原子がL−配置をし、他方はD−配置をする。
本明細書に記載のプロセスのいくつかの実施形態では、ヒドロキシカルボン酸はL−乳酸(エナンチオマー過剰率が少なくとも90%の、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%)であり、対応する環状エステルはLL−ラクチドである。
本明細書に記載のプロセスのいくつかの実施形態では、ヒドロキシカルボン酸はD−乳酸(エナンチオマー過剰率は少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%)であり、対応する環状エステルはDDラクチドである。
いくつかの実施形態では、熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程は回収したラクチドを精製する工程の前に行われる。いくつかの実施形態では、熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程は結晶精製工程の前に行われる。いくつかの実施形態では、熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程は回収したラクチドの精製工程中に行われる。いくつかの実施形態では、熱エネルギーの少なくとも一部を回収する工程は結晶精製工程中に行われる。
いくつかの実施形態では、回収したラクチドを精製する工程が溶剤−溶剤抽出工程を含む。いくつかの実施形態では、回収されたラクチドを精製する工程は濾過工程を含み、好ましくは膜濾過を含む。このプロセスには高品質の水が生成されるという利点がある。濾過は結晶化工程からの固体ラクチドの分離のためであるのが好ましい。この濾過の代わりに濾過なしに固形分を分離する結晶化システムを用いて、晶析装置の壁上にラクチドが結晶化する静的晶析装置にすることもできる。精製工程は一般に濾過工程の後に行う(濾過を使用しない場合には結晶化後)。
その目的は分離したラクチド中に存在する痕跡量の溶剤を除去して高純度のラクチド、好ましくは少なくとも99%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.99%のラクチドを生成することにある。この工程では溶剤/溶剤抽出が使用できるが、好ましくはない。その代わりに真空フラッシュを使用して、前のセクションで記載したように、ラクチドの融点以下で低圧力且つ低温で溶剤を蒸発させることができる。
いくつかの実施形態では、本発明方法のラクチドの収率は少なくとも60%好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%である。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明方法は回収されたラクチドの少なくとも一部をポリ乳酸(PLA)、好ましくはPLLAに変換する工程をさらに含む。
本発明の利点は以下の実施例に示される。
実施例1
この実施例は本発明の具体例の組み合わせにより乳酸からラクチドを合成するプロセスを示している。
[図1]は[図1A][図1B][図1C]および[図D]から成り、実施例1のプロセスの流れを示している。
オリジナルフィード(供給原材料)(100)が供給される。このオリジナルフィード(100)は乳酸(110)を含む。乳酸がバイオベース原料から得られる場合には、オリジナルフィード(100)には一般に乳酸のダイマー(120)、乳酸のオリゴマー(130)および水(140)が含まれる。
各成分の流れの循環は一つまたは複数のポンプ(101、102、103、104)によって行うことができる。
溶剤のメイクアップ(補充)(150)は別に設けられている。触媒系(160)は閉サイクル中に存在する。失活した触媒を交換するために触媒のメイクアップ(補充)を設けることもできる。この触媒のメイクアップは第1反応器に直接注入するか、フレッシュなフードに注入することができる。
フィード(110、120、130、140)の各成分(必要な場合にはさらに触媒系(160))は一段階ラクチド形成に適した第1反応器(710)に供給される。溶剤(150)は第1反応器(710)に別に供給される。第1反応器を出た混合物は1段階ラクチド形成に適した第2反応器(720)に供給される。
フィード(110、120、130、140)の各成分は必要に応じて蒸気発生器(500)によって加熱される。蒸気発生器(500)は加熱蒸気(スチーム)(511)を発生し、その熱を熱交換器(510)を介してフィード(110、120、130、140)の各成分に渡す。その結果生じる冷却した蒸気または凝縮水(512)は蒸気発生器(500)で再び加熱することができる。
溶剤は例えば蒸気発生器(500)によって加熱される。蒸気発生器(500)は加熱蒸気(521)を発生し、この加熱蒸気は熱交換器(520)を介して溶剤(150)の各成分に熱を渡す。その結果生じる冷却した蒸気または凝縮水(522)を蒸気発生器(500)で再加熱することもできる。
オリジナルフィード(100)を第1反応器(710)および第2反応器(720)から出る混合物から回収された水(140)、さらには、必要に応じて乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)と組み合わせて混合物を得ることができる。
この水(140)とフィード(100)からの水(140)は乳酸オリゴマー(130)(これは反応器(710、720)から得られか、オリジナルフィード(100)中に既に存在している)をリサイクルパイプ中で乳酸(100)および乳酸二量体(120)へ加水分解するのに使用することができる。この水(140)およびオリジナルフィード(100)からの水(140)はリサイクルパイプ中で触媒系(160)(閉サイクル中に存在する)を再生するのに使用することもできる。必要に応じてリサイクル反応器(730)を別に設けることもできる。
水(140)の分離(この水(140)が乳酸オリゴマー(130)および/触媒系(160)を含む場合もある)は第2反応器(720)の後にデカンテーション工程(420)として(あるいは蒸留または遠心分離によって)各反応器(410)の間で行なう。その後、混合物はオリジナルフィード(100)と混合された後に水分離膜(430)に送られる。この工程によって高品質の水(400)と、調整された水濃度を有する混合物とが得られ。後者は反応器に送られる。デカンター内部でオリゴマーが加水分解するので、水を含むデカンテーション工程からの出口流にはある程度のLAとL2Aとが含まれる。
第二反応器(720)から出る混合物から、デカンテーション工程(420)で水(140)をラクチド(200)および溶剤(150)から分離する。この水(140)には乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)が含まれることがある。
上記のラクチド(200)および溶剤(150)は冷却分離される。オプションとして冷凍サイクルを使用してラクチド結晶(300)にする。この冷却はこの実施例のように冷凍によって行うか、水を単に冷却して行うことができる。ラクチド結晶(300)用の冷凍サイクルは圧縮機(310)、冷凍サイクル用熱交換器(311、312)および冷凍サイクル用弁(315)を含むのが好ましい。ラクチドの結晶化は2つの工程すなわち、第1結晶化反応装置(301)中でのラクチド(200)結晶化(必要に応じて熱回収も行う)と、最終結晶化のための第2結晶化反応装置(302)中でのラクチド(200)結晶化の2つの工程で行うのが好ましい。
その後、ラクチド(200)はラクチドフィルタ(210)を使用して溶剤(150)から分離される。ラクチド精製弁(215)とラクチド精製装置(220)とを用いてラクチド(200)をさらに精製することができる。
エネルギーの最適化は複数の熱回収工程で行われる(選択した温度は[図1]に示してある)。第1熱回収工程(610)は熱交換器(611)を介して第2反応器から出たラクチド(200)と溶剤(150)から熱エネルギーを回収し、交換器(612)を介して溶剤(150)に熱エネルギーを与える。第2熱回収工程(620)は熱交換器(621)を介して第1反応および/または第2反応器から出た水(140)(この水には乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)が含まれていることがある)から熱エネルギーを回収し、その熱エネルギーを熱交換器(622)を介して溶剤(150)に与える。第3熱回収工程(630)は結晶化工程(301)中にラクチド(200)およびに溶剤(150)から熱エネルギーを回収し、熱交換器(632)を介して溶剤(150)に熱エネルギーを与える。
この実施例を用いることで、10.12トン/時のエントリー(入口)供給流量で、7.29トン/時のラクチドと、2.84トン/時の水とが生成できる。
入口流は90重量%の乳酸等価物(lactic acid equivalents)と、10重量%の見かけ(apparent)水とを含む。この乳酸等価物自体は約70重量%の乳酸と、23重量%の乳酸二量体と、7重量%の乳酸トリマーとから成る。これらの重量%は乳酸等価物の全重量に対する比率である。プロセスに追加される、または処理中に放出される熱の量は、それが該当する場合、[図3]で(Q=・・・等)で記載してある。これらの熱量に使用される単位はキロジュール/秒である。2つの結晶化工程の間で2200キロワット時を回収できる。これはプロセス中に回収された総エネルギーの約20%に相当する。これによって冷凍サイクルの必要冷却能力も50%少なくなる。
実施例2
[図2]は本発明で使用可能な半バッチ式の触媒注入システムを示している。
水分離器の入口流には一般に(30重量%に達する)多量の触媒が入っている。この高含有量の触媒は水分離セクションで使用される膜またはフィルターに有害になる。その場合にはフィルター/膜を保護するためにこのユニットの上流に触媒分離ユニットを設置することができる。すなわち、ハイドロサイクロンまたは遠心分離器を使用し、分離した触媒を反応器入口流に再注するか、反応器に直接再注入することもできる。反応器へ触媒を直接注入する方法には反応器入口流に通常必要なポンプが不要になるという利点がある。
特に加圧反応器の場合には、反応器への触媒の注入に専用のシステムが必要になる。半バッチ触媒注入システムで使用可能な方法は[図2]に示したものと同様な構成にすることができる。このシステムは下記の3つのフェーズで運転される。すなわち、貯蔵フェーズ:この期間では弁(22)が閉じられ、システムは遠心分離機の流れ(1)から触媒を受ける。加圧フェーズ:この期間中は入口弁(21)を閉じて触媒の流入を停止させ、ガス導入ライン(3)を介して圧力下に置く。放出フェーズ:この期間には弁(22)を部分的に開くことによって触媒を反応器中に放出する。
システムプロセスの構成に応じて、各反応器に2つまたは3つの触媒注入システムを設置することができる。
実施例3
溶剤の役割は水と生産されたラクチドとが直接接触するのを避けることにある。しかし、オリゴマーの加水分解によって水の存在はプラスの影響を与えることになる。溶剤がラクチドに良好な溶解性を有し、水にはほとんど溶解しない場合には、溶剤は反応器中のラクチドにほとんど害を与えない。しかし、生成したラクチドが溶剤中に良く溶解しない場合には、水の存在でラクチドが加水分解する可能性がある。これは全体的な反応と溶解メカニズムに依存する
この実施例には、インサイチュー(in situ)水分離の場合に反応器に直接蒸留を追加するオプションを追加するためにいくつかの代替設計をすることができる。その場合には種々の種類は反応蒸留式反応器を使用することができる。[図3]はその可能な構成の一つを示している。溶剤の種類に応じ他の種類のデザインを使用することもできる。分割壁カラムのようないくつかの高度な蒸留システムを使用することによって反応器内で濃縮されたラクチド出口流を生成することかでき、下流の分離工程を容易にすることができる。熱統合(heat integration)を利用することによってエネルギー消費量を低減させることができ、蒸留に固有な蒸発エネルギーの少なくとも一部を回収することができる。
実施例4
この実施例は本発明の実施形態の組み合わせに従って乳酸からラクチドを合成するプロセスを示している。[図4]を参照すると、この図は実施例4のプロセスの流れダイヤグラムを示し、このプロセスでは全ての熱エネルギーが溶剤流を介して与えられ、実施例1に比べてCAPEXをさらに低減できる。
オリジナルフィード(100)は乳酸(110)を含む。バイオベース原料から得られた場合、オリジナルフィード(100)は通常、乳酸と、乳酸ダイマー(120)と、乳酸オリゴマー(130)と、水(140)を含む。各成分の流れの循環は一つまたは複数のポンプ(101、102、103、104)によって行うことができる。
溶剤のメイクアップ(補充)(150)が別途設けられている。触媒系(160)は閉サイクル中に存在する。失活した触媒を交換するために触媒のメイクアップ(補充)を設けることもできる。この触媒のメイクアップは第1反応器に直接添加するか、供給ライン中に注入するか、新鮮なフィード(供給材料)中に注入してもよい。
フィード(110、120、130、140)の成分は、必要に応じて触媒系(160)と一緒に、一段階ラクチド形成に適した第1反応器(710)に供給される。この第1反応器(710)には溶剤(150)が別途供給される。第1反応器を出た混合物は1段階ラクチド形成に適した第2の反応器(720)に供給される。
溶剤は例えば蒸気発生器(500)によって加熱される。この蒸気発生器(500)は熱交換器(520)を介して溶剤(150)の成分に熱を与える加熱蒸気(521)を発生する。生じた冷却された蒸気または凝縮水(522)はその後に蒸気発生器(500)で再加熱できる。
オリジナルフィード(100)は水(140)(これには第2反応器(720)を出る混合物から回収された乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)の混合物が含まれることがある)と合わせることかできる。この水(140)はオリジナルフィード(100)からの水(140)と一緒に、リサイクルパイプ中で、乳酸オリゴマー(130)(これは反応器(710、720)から得られるか、オリジナルフィード)中に既に存在している)を乳酸(100)および乳酸二量体(120)へ加水分解するのに使用できる。この水(140)とオリジナルフィード(100)からの水(140)とを利用してリサイクルパイプ中で(密閉サイクル中に存在する)触媒系(160)の再生に使用することもできる。必要に応じて、リサイクル反応器(730)を別途設けることもできる。
水(140)の分離は第2反応器(720)後にデカンテーション工程(420)として(あるいは蒸留または遠心分離によって)実施することができる。この水(140)には乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)が含まれることがある。次いで、混合物はオリジナルフィード(100)と混合され、必要な場合にはリサイクル反応器(730)を通った後に水分離膜(430)に送られる。これらの工程によって、反応器に送られる高品質の水(400)と調整された水濃度を有する混合物とが得られる。デカンター内部でオリゴマーが加水分解する可能があるため、水を含むデカンテーション工程からの出口流にはある程度のLAとL2Aとが含まれる。
第二反応器(720)から出る混合物から、デカンテーション工程(420)で、ラクチド(200)および溶剤(150)から水(140)と場合によっては含まれる乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)とを分離する。
ラクチド(200)および溶剤(150)はオプションのラクチド結晶(300)用の冷凍サイクルを使用して分離される。冷却はこの実施例のように冷凍で行うか、単に水で冷却して行うこともできる。ラクチド結晶(300)用の冷凍サイクルは圧縮機(310)、冷凍サイクルの熱交換器(311、312)および冷凍サイクル用弁(315)を含むのが好ましい。ラクチドの結晶化は2段階で行うのが好ましい。すなわち、第1結晶化反応装置(301)中でのラクチド(200)の結晶化(必要に応じて熱回収も行うと、最終結晶化用の第2結晶化反応装置(302)でのラクチド(200)結晶化で行う。
その後、ラクチド(200)はラクチドフィルタ(210)を使用して溶剤(150)から分離される。ラクチド(200)はラクチド精製用弁(215)とラクチド精製装置(220)と用いてさらに精製できる。
エネルギーの最適化は複数の熱回収工程(選択した温度は[図4]に示してある)で行われる。第1熱回収工程(610)では熱交換器(611)を介して第2反応器を出るラクチド(200)と溶剤(150)から熱エネルギーを回収し、交換器(612)を介して熱エネルギーを溶剤(150)に与える。第2熱回収工程(620)は水(140)、場合によっては第1反応器および/または第2反応器から出て熱交換器(621)を通った乳酸オリゴマー(130)および/または触媒系(160)から熱エネルギーを回収し、熱交換器(622)を介して溶剤(150)に熱エネルギーを与える。
実施例5と比べた場合、上記のフィード(100)はデカンテーション工程(420)で分離された水の流れに注入される。従って、フィード(100)は直接混合によって熱交換器を使用せずに96℃まで加熱される。これによって供給物中に存在する乳酸オリゴマーはLAとL2Aに加水分解される。また、フィードは水分離膜(430)を通して水分量を低減させてから反応器に供給しなければならない。従って、再循環率は約20%に低減される。エネルギー集約型の蒸留ユニットの置換したことで加熱レートは大幅に低減される。熱統合と蒸留ユニットの置換によってこの実施例に必要な総熱量は実施例5で必要な量の約25%である。しかも、この実施例ではラクチド(200)を含む流れの最大温度は168℃に制限され、LDの熱劣化を回避できる。
実施例5
この実施例は乳酸からラクチドを合成するプロセスを示している。[図5]を参照して実施例5のプロセスの流れを示す。
オリジナルフィード(1100)は約10重量%の水(1140)と、約90重量%の乳酸等価物(lactic acid equivalents)とを含む。この乳酸等価物は乳酸(1110)と、乳酸ダイマー(1120)と、乳酸オリゴマー(1130)とから成る。各成分の流れの循環は一つまたは複数のポンプ(1101、1102、1103、1104)によって実行できる。触媒系(1160)は閉サイクル中に存在する。
これらのフィード(1110、1120、1130、1140)の各成分と、触媒系(1160)と、溶剤(1150)とを混合し、第1熱交換器(1691)で加熱してから一段階ラクチド形成に適した反応器(1740)に入れる。反応器(1740)中に1時間滞留した後、反応生成物は反応器(1740を離れ、反応混合物の残りから触媒(1160)を含む固形物を遠心分離機(1440)で分離する。固形物はリサイクル反応器(1730)に送られる。液体画分は蒸留塔(1450)に供給されて軽質留分から重質留分が分離される。軽質留分(ここではデカン)は溶剤(1150)から成り、水(1140)と共沸混合物を形成する。この軽質留分は熱交換器(1693)を介して送られて冷却され、水(1400)が軽質留分から分離される。重質留分にラクチド(1200)と、乳酸酸ダイマー(1120)と、乳酸オリゴマー(1130)とが含まれる。
この重質留分は熱交換器(1692)を通って冷却され、結晶化反応器(1303)で結晶化され、フィルタ(1210)で濾過される。濾液は溶剤(1150)として再利用され、乳酸の二量体(1120)と乳酸オリゴマー(1130)は反応器に戻される。固形分はクチド精製装置(1220)でさらに精製され、所望のラクチド(1200)が得られる。必要に応じてこの溶剤と供給流に再生工程を加えて水で加水分解して乳酸オリゴマー(1130)および乳酸ダイマー(1120)を再生してから触媒流に混合することもできる。
この実施例を用いることで10.12トン/時の入口供給流量に対して7.18トン/時のラクチドと、2.83トン/時の水とを生成させることができる。この場合、プロセスに加える熱の量またはプロセス中に放出される熱の量は、[図5]に記載されている((Q=・・・等)。ここで、QCは「冷却熱レート(cooling heat rate)」を表し、QRはリボイラーの熱熱レートの略号である。これらの熱の量に使用される単位はキロジュール/秒である。
この実施例で使用する蒸留塔は多量の熱エネルギーすなわち30MJ/秒を必要とする。全ての乳酸オリゴマーが重質留分から取り除かれるわけではないため、ラクチド精製時に余分な熱を必要とする。従って、ラクチド形成のためにオリゴマーを有用な出発材料へ戻すための軽質留分の再循環するシステムはあまり効果的ではない。さらに、ラクチド(1200)を含む重質留分を約288℃まで温め似るのに必要なリボイラーが必要になる。これによって形成されたラクチド(1200)の一部が分解してプロセス全体的の収率に負の影響を与える。これら全てによって実施例1の方法に比べてエネルギー消費は約20%高くなる。
この設定の別の欠点は、実施例1および実施例4ではフードが水循環ループに添加されるのに対して、この実施例ではフィードが反応器の直前に添加される点にある。実施例1および実施例4でのフィードは反応器(710)に入る前に再循環反応器(730)を通らなければならない。そうする利点はフードが反応器に入る前に、フード中に存在するオリゴマーがLAまたはL2A分解されてから有用な出発物質として反応器(710)に入ることにある。反応器中にフィードを直接添加した場合にはオリゴマーは反応に関与できず、プロセスに関与できるのは分解工程を通過した後でしかない。これによってラクチド形成の全体効率が低下する
実施例6
触媒は触媒表面上に付着した状態で一定量の乳酸オリゴマーと一緒に反応器を出る。[図6]は使用した触媒粒子の再生処理無しの後、45℃の水での再生から15分後および再生から30分後の熱重量分析(TGA)結果を示す。[図6]の最初のグラフ(0時間)は表面上にオリゴマーを含む再生処理無しの場合のTGA結果を示す。この場合、3つのピークが識別でき、最初のピーク(100℃程度)は水の除去に相当し、第二のピーク(200℃と300℃との間)は溶剤の除去に相当し、第3のピーク(300℃と370℃との間)は触媒表面からのオリゴマーの除去に対応する。第2のグラフ(15分)は表面にオリゴマーを含む同じ触媒に関する、45℃の水と15分間接触させてオリゴマーが加水分解し、触媒を再生させた後のTGAの結果を示している。この場合、オリゴマーに関連する第3のピークは現れない。これは水との接触でオリゴマーが完全に除去され、触媒が再生されたことを示している。第三のグラフは45℃の水と30分間接触させた後の表面上にオリゴマーを有する同じ触媒に関するTGAの結果を示している。このTGAの結果は5分間の水に暴露した後は水によって効果的に再生できることを示している。
実施例1および実施例4が示すように、水温を45℃以上に高くすることで接触時間を短縮することができ、分離された水および触媒流はデカンターで高含水率の170℃の温度を利用することが可能になる。
当技術分野で使用されてきた従来技術の多くでは触媒を再生するために触媒表面上に堆積したオリゴマー(コークス化触媒)を燃焼させるもので、付着したオリゴマーを触媒表面から燃焼除去するものである。しかし、この方法では燃焼に余分なエネルギーを必要とし、触媒寿命が短くなる。

Claims (15)

  1. 以下の(1)〜(4):
    (1)少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸と溶媒とを含み、
    (2)乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換し、
    (3)ラクチドの少なくとも一部を回収し、
    (4)水の少なくとも一部を回収しする、
    工程を含み、上記の乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換する工程は一工程で行い、上記の水の少なくとも一部を回収する工程はデカンテーション工程を含み、この水の少なくとも一部を回収する工程は共沸蒸留工程を含まないことを特徴とするラクチドの合成方法。
  2. ラクチドを合成するための工業的方法である請求項1に記載の方法。
  3. 上記の水の少なくとも一部を回収する工程が液体/液体抽出工程を含まない請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記の一つ以上の成分が少なくとも一種の触媒系を含み、さらに、水の少なくとも一部を回収する工程を含み、その回収された水は少なくとも1種の触媒系の少なくとも一部を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 少なくとも1種の触媒系が少なくとも一種の酸性ゼオライト、好ましくはH−BEAを含む請求項4に記載の方法。
  6. 1つまたは複数の成分を少なくとも2つの反応器、好ましくは直列に接続された少なくとも2つの反応器に供給する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 水の少なくとも一部を少なくとも2つの反応器の間で回収する請求項6に記載の方法。
  8. ラクチドの少なくとも一部を回収する工程を結晶化で行い、好ましくは、ラクチドの少なくとも一部を回収する工程は第1結晶化工程および第2結晶化工程を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 回収したラクチドを精製する工程を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 回収されたラクチドを精製する工程が真空と加熱の組み合わせを含む請求項9に記載の方法。
  11. 回収されたラクチドを精製する工程が精製結晶化工程を含む請求項9または10に記載の方法。
  12. 1つまたは複数の成分が水と非混和性である溶媒を含み、好ましくは、この溶媒がイソブチルベンゼンである請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 下記の(1)〜(4):
    (1)少なくとも1種の溶媒に熱エネルギーを加え、
    (2)少なくとも一つの反応器に、1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸と少なくとも1種の溶媒を含み、
    (3)乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に変換し、
    (4)ラクチドの少なくとも一部を回収する、
    工程を含み、上記の少なくとも1種の溶媒に熱エネルギーを加える工程は少なくとも1つの反応器に少なくとも1つの溶媒を添加する工程の前に行い、少なくとも1種の溶媒は、少なくとも一つの反応器に供給(エントリ)する乳酸とは独立して少なくとも一つの反応器に別個に供給される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 以下の(1)〜(7):
    (1)少なくとも一つの反応器に1種または複数の成分を供給し、この1種または複数の成分は乳酸を含み、
    (2)乳酸の少なくとも一部をラクチドと水に乳酸オリゴマーに変換し、
    (3)ラクチドの少なくとも一部を回収し、
    (4)水の少なくとも一部と乳酸オリゴマーの少なくとも一部を回収し、
    (5)回収した水と回収した乳酸オリゴマーニフィードを加え、このフィードは必要に応じて乳酸オリゴマーを含み、また、必要に応じて水を含み、フィードと回収した水および回収した乳酸オリゴマーとを混合して混合物を形成し、この混合物中の乳酸オリゴマーの少なくとも一部を乳酸へと乳酸ダイマーに変換し、
    (6)混合物からの水の少なくとも一部を除去する、
    の工程を含み、混合物の残りの少なくとも一部を、少なくとも一つの反応器に供給される上記の1種または複数の成分の一つとして供給する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 以下の(1)〜(7)の工程を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法:
    (1)1つまたは複数の成分の少なくとも一つに熱エネルギーを与え、
    (2)1つまたは複数の成分を少なくとも一つの反応器に供給し、この1つまたは複数の成分は乳酸を含み、
    (3)酸の少なくとも一部をラクチドと水に乳変換し、
    (4)ラクチドの少なくとも一部を回収し、
    (5)熱エネルギーの少なくとも一部を回収し、
    (6)回収した熱エネルギーを1つまたは複数の成分の少なくとも一つに与える。
JP2019518143A 2016-06-20 2017-06-20 水をデカンテーションで回収するラクチドの単一段階製造方法 Pending JP2019521187A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16175257.1 2016-06-20
EP16175257 2016-06-20
PCT/EP2017/065005 WO2017220524A1 (en) 2016-06-20 2017-06-20 Single step lactide production process with recovering water by decantation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019521187A true JP2019521187A (ja) 2019-07-25

Family

ID=56137246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019518143A Pending JP2019521187A (ja) 2016-06-20 2017-06-20 水をデカンテーションで回収するラクチドの単一段階製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10745374B2 (ja)
EP (1) EP3472143B1 (ja)
JP (1) JP2019521187A (ja)
KR (1) KR20190020067A (ja)
CN (1) CN109563068A (ja)
WO (1) WO2017220524A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10858333B2 (en) * 2016-06-20 2020-12-08 Total Research & Technology Feluy Single step lactide production process with separate entry for solvent
CN111057040B (zh) * 2019-11-05 2024-02-06 浙江工业大学 一种形状选择性沸石负载催化剂催化合成丙交酯的方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06501467A (ja) * 1990-09-18 1994-02-17 バイオパック テクノロジー リミテッド 触媒を用いた乳酸からラクチドを直接製造する方法
JPH07504916A (ja) * 1992-03-19 1995-06-01 バイオパック テクノロジー リミテッド ヒドロキシ酸及びその誘導体からの環状エステルの製造方法
JPH11503162A (ja) * 1995-04-05 1999-03-23 クロノポル インコーポレイテッド 環状エステルを製造かつ精製する方法
WO2013160485A1 (de) * 2012-04-28 2013-10-31 Uhde Inventa-Fischer Gmbh Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von lactid direkt aus konzentrierter milchsäure
JP2016507545A (ja) * 2013-02-08 2016-03-10 トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ 環状エステルおよび環状アミドの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2343046A1 (en) * 2010-01-08 2011-07-13 Nirvana's Tree House B.V. Functionalised triblock copolymers and compositions containing such polymers
US8507640B2 (en) * 2010-08-19 2013-08-13 International Business Machines Corporation Methods of ring opening polymerization and catalysts therefor
US10858333B2 (en) * 2016-06-20 2020-12-08 Total Research & Technology Feluy Single step lactide production process with separate entry for solvent

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06501467A (ja) * 1990-09-18 1994-02-17 バイオパック テクノロジー リミテッド 触媒を用いた乳酸からラクチドを直接製造する方法
JPH07504916A (ja) * 1992-03-19 1995-06-01 バイオパック テクノロジー リミテッド ヒドロキシ酸及びその誘導体からの環状エステルの製造方法
JPH11503162A (ja) * 1995-04-05 1999-03-23 クロノポル インコーポレイテッド 環状エステルを製造かつ精製する方法
WO2013160485A1 (de) * 2012-04-28 2013-10-31 Uhde Inventa-Fischer Gmbh Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von lactid direkt aus konzentrierter milchsäure
JP2016507545A (ja) * 2013-02-08 2016-03-10 トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ 環状エステルおよび環状アミドの製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SCIENCE, vol. 349, JPN6021021725, 2015, pages 78 - 80, ISSN: 0004523227 *

Also Published As

Publication number Publication date
US10745374B2 (en) 2020-08-18
EP3472143B1 (en) 2020-09-16
CN109563068A (zh) 2019-04-02
US20190330174A1 (en) 2019-10-31
EP3472143A1 (en) 2019-04-24
KR20190020067A (ko) 2019-02-27
WO2017220524A1 (en) 2017-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10562877B2 (en) Single step lactide production process with hydrolysis of oligomers and catalyst by recovered water
KR101217984B1 (ko) 비활성 성분의 존재 하에서의 알코올의 탈수
KR101432517B1 (ko) 순수 형태를 포함하는 방향족 카르복실산의 제조 방법 및제조 장치
JP2018511459A (ja) プロピレンのエポキシ化のためのチタンゼオライト触媒の再生方法
JP6422893B2 (ja) 環状エステルおよび環状アミドの製造方法
RU2695221C2 (ru) Находящиеся под давлением сырьевые смеси, содержащие неочищенные ароматические карбоновые кислоты
JP2013512082A (ja) チタンゼオライト触媒の製造方法
BRPI0907446B1 (pt) Processo para desidratação de alcoóis
KR20120019445A (ko) 파라자일렌의 정제 방법
EP3472143B1 (en) Single step lactide production process with recovery of water by decantation
US10858333B2 (en) Single step lactide production process with separate entry for solvent
US10851078B2 (en) Single step lactide production process with heat recovery
CN100390120C (zh) 均三甲苯和均四甲苯的制备方法
JP2016121143A (ja) アンヒドロ糖アルコールの製造方法
JP2003104918A (ja) 2,6‐ジメチルナフタレンの一体的製造方法
TWI753385B (zh) 經由甲基化轉換苯及/或甲苯之方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220125