JPH1149708A - 多価アルコールの製造法 - Google Patents

多価アルコールの製造法

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JPH1149708A
JPH1149708A JP9213480A JP21348097A JPH1149708A JP H1149708 A JPH1149708 A JP H1149708A JP 9213480 A JP9213480 A JP 9213480A JP 21348097 A JP21348097 A JP 21348097A JP H1149708 A JPH1149708 A JP H1149708A
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    • C07C45/72Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms by reaction of compounds containing >C = O groups with the same or other compounds containing >C = O groups
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとのアル
ドール縮合反応を行い、続いて交叉カニッツァロー反応
を行うことにより多価アルコールを製造するに際して、
脂肪族アルデヒドの理論モル量に対して僅かに過剰なホ
ルムアルデヒド量で、目的とする多価アルコールを高選
択率で得る方法を提供する。 【解決手段】アルドール縮合反応中に副生した2−アル
ケナールを交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離
し、該2−アルケナールを炭酸塩を主成分とする塩基触
媒存在下にホルムアルデヒドと反応させた後、脂肪族ア
ルデヒドを反応させてアルドール縮合反応と交叉カニッ
ツァロー反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脂肪族アルデヒドと
ホルムアルデヒドとを反応させて、ポリエステル樹脂、
アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、可塑剤、潤滑油、界面活性剤、化粧品の基剤、反
応性モノマーなどの原料として有用な多価アルコールの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多価アルコールを製造する方法として、
塩基触媒存在下 (I)式で示される脂肪族アルデヒドとホ
ルムアルデヒドとのアルドール縮合反応、引き続き交叉
カニッツァロー反応の二段反応で行う方法が、特開昭6
3−139141号、特開昭58−162538号など
に記載されている。
【化5】 (Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖
の脂肪族基) この二段反応で行う方法は多価アルコールとギ酸塩の併
産を前提としたプロセスである。この方法での塩基触媒
には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物
および炭酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸カルシウムなど、および第3級アミン、例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ンなどが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】脂肪族アルデヒドとホ
ルムアルデヒドとの反応による多価アルコールの製造方
法において、一般的には水酸化ナトリウムや水酸化カル
シウムからなる塩基触媒が用いられている。しかしなが
ら水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムの存在下では、
目的とする多価アルコールを高選択率で得るために、脂
肪族アルデヒドに対して大過剰のホルムアルデヒドを用
いる必要がある。しかもこのように大過剰のホルムアル
デヒドを用いる場合には、水で希釈した系で反応を行わ
ないと副生物の生成が多くなり、目的とする多価アルコ
ールを高選択率で得ることができない。
【0004】また炭酸塩を触媒に用いてアルドール縮合
反応、引き続いて交叉カニッツァロー反応を行い多価ア
ルコールを製造する方法も知られているが、この方法で
は脂肪族アルデヒドに対して10モル%近くの付加価値
の低い2−アルケナールが副生する。この副生を抑える
ためにもやはり大過剰のホルムアルデヒドを用いる必要
がある。このような大過剰のホルムアルデヒドを用いる
製造法においては、経済的観点および廃棄物等の環境に
及ぼす影響の観点より、余剰分のホルムアルデヒドの回
収が求められ、プロセスが複雑になる等の問題がある。
本発明の目的は、脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
とのアルドール縮合反応を行い、続いて交叉カニッツァ
ロー反応を行うことにより多価アルコールを製造するに
際して、脂肪族アルデヒドの理論モル量に対して僅かに
過剰なホルムアルデヒド量で、しかも水で希釈せずに、
目的とする多価アルコールを高選択率で得る方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き課題を有する多価アルコールの製造方法について鋭意
検討した結果、炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用い
て、アルドール縮合反応中に副生した2−アルケナール
を交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離し、続い
て交叉カニッツァロー反応を行い、また塩基触媒を用い
て分離された2−アルケナールとホルムアルデヒドを先
ず反応させ、続いて該反応液に脂肪族アルデヒドを添加
してホルムアルデヒドと反応させるようにすることによ
り、目的とする多価アルコールが高選択率で得られるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、炭酸塩を主成分とする
塩基触媒存在下に (I)式で示される脂肪族アルデヒドと
ホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応を行い、引き
続いて交叉カニッツァロー反応を行うことにより多価ア
ルコールを製造するに際して、アルドール縮合反応中に
副生した(II)式で示される2−アルケナールを交叉カニ
ッツァロー反応が完結する前に分離することを特徴とす
る多価アルコールの製造法、および炭酸塩を主成分とす
る塩基触媒存在下に(II)式で示される2−アルケナール
を塩基触媒存在下にホルムアルデヒドと反応させた後、
(I)式で示される脂肪族アルデヒドを反応させてアルド
ール縮合反応を行い、引き続いて交叉カニッツァロー反
応を行うことを特徴とする多価アルコールの製造法であ
る。
【化6】
【化7】 (以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または
分岐鎖の脂肪族基)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における多価アルコールを
製造するための脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドの
反応は、アルドール縮合反応と交叉カニッツァロー反応
の2段の反応であり、塩基触媒として炭酸塩を主成分と
した触媒を用いる反応を主反応および副反応式を含めて
次の反応式で示される。なお下記反応式は、本発明の代
表的反応例として、n−ブチルアルデヒド(以下、NB
ALと称す)からトリメチロールプロパン(以下、TM
Pと称す)を製造する場合である。
【0008】
【化8】
【0009】本発明において (I)式で示される脂肪族ア
ルデヒドはα位に2つ以上の水素を有する化合物で、例
えばプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、ア
セトアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナールなどが挙
げられる。これらの化合物は2種以上の混合物として原
料に使用することもできる。
【0010】本発明で使用されるホルムアルデヒドはホ
ルムアルデヒド水溶液でも固形のパラホルムアルデヒド
でも良く、目的とする多価アルコールによって適切なも
のが使用される。ホルムアルデヒドの使用量は、目的と
する多価アルコールによって理論モル量的にも異なる。
例えば、(I) 式のRがエチル基(CH3 CH2 )である
NBALとホルムアルデヒドとの反応させてTMPを製
造する場合(理論モル比=3.0)には、NBALに対
するホルムアルデヒドのモル量比は 3〜6 モルである。
【0011】本発明においてアルドール縮合反応及び交
叉カニッツァロー反応における塩基触媒は炭酸塩を主成
分とするもので、 (V)式で示す如く交叉カニッツァロー
反応で消費されるのは炭酸塩であり、(VI)式により交叉
カニッツァロー反応で生成した炭酸水素塩は炭酸塩に変
わる。この塩基触媒は、一般的に工業薬品として出廻っ
ている炭酸塩もしくは炭酸水素塩との混合物でも良い。
またギ酸塩を酸化または加水分解して生成された炭酸水
素塩から出発したものでも良い。この塩は、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、およびアンモニ
ウム塩の何れでも良いが、工業的に実施するにはナトリ
ウム塩が一般的である。
【0012】塩基触媒の使用量は、(I) 式で示される脂
肪族アルデヒドに対するモル比で、炭酸水素塩換算量で
1〜2 倍モル量である。副生物を抑えて高選択率に目的
の多価アルコールを得るためには、脂肪族アルデヒドの
種類に合わせて調整する必要がある。例えば、脂肪族ア
ルデヒドがNBALの場合、炭酸水素塩換算量で 1.0〜
1.5倍モルであり、またアセトアルデヒドの場合には 1
〜1.6 倍モルである。
【0013】本発明で脂肪族アルデヒドとホルムアルデ
ヒドの反応温度は45〜120℃、好ましくは60〜1
10℃であり、脂肪族アルデヒドの種類によってその最
適温度は異なる。例えば (I)式でRが水素基であるアセ
トアルデヒドからペンタエリスリトール(以下、PEと
称す)を製造する場合には、反応温度が50〜105℃
である。またNBALからTMPを製造する場合は、6
5〜110℃で、反応系から2−エチルアクロレインを
留去した後95〜110℃で10〜30分間ほど熟成
し、交叉カニッツァロー反応を完結させることが好まし
い。またこの場合、系内を所定の反応温度に保つため、
系内を窒素ガス等の不活性ガスで加圧することが好まし
い。
【0014】本発明の多価アルコールの製造法は、触媒
として炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用い、反応途中
に主反応と並行させながら又は単独に反応系外に、アル
ドール縮合反応で副生した2−アルケナールを分離回収
した後、交叉カニッツァロー反応を完結させる方法であ
る。本発明において、反応第1段階のアルドール縮合反
応と第2段階の交叉カニッツァロー反応を、区分した反
応条件で行なっても、また区別することなく同一反応器
内で逐次的に行なってもよい。
【0015】(II)式で示される2−アルケナールは、(I
II) 式のアルドール縮合段階で脂肪族アルデヒドに1モ
ル量のホルムアルデヒドが付加したアルカナールからの
脱水反応により生成する。該2−アルケナールは脂肪族
アルデヒドの添加後に反応系から交叉カニッツァロー反
応が完結する前に分離回収することが好ましい。すなわ
ち2−アルケナールの分離は、脂肪族アルデヒドに対す
る塩基触媒の消費モル比が0.50から0.95の間に
行うことが好ましい。この分離回収は、減圧、常圧また
は加圧条件での蒸留により容易に行える。交叉カニッツ
ァロー反応が完了しない、このような条件で副生した2
−アルケナールを反応系外に除去することにより2−ア
ルケナールの副反応による損失を防ぐことができる。な
お炭酸塩を主成分とする塩基触媒はカニッツァロー反応
においてギ酸塩となるので、塩基触媒の消費モル比はギ
酸塩の生成モル比に相当する。
【0016】本発明において使用する塩基触媒が炭酸塩
を主成分とする触媒であり、(VI)式の炭酸水素塩が炭酸
塩となる反応が同時に起こるため、反応第2段階の交叉
カニッツァロー反応時に炭酸ガスの発生を伴う。従って
低沸点物である(II)式で示される2−アルケナールと炭
酸ガスとを系外に放出させながら非連続的または連続的
に行うことが好ましい。例えばNBALとホルムアルデ
ヒドとの反応でTMPを製造する場合には、先ずホルム
アルデヒド水溶液と炭酸塩を主成分とする塩基触媒の水
溶液とを混合し、この中にNBALを一定の速度で滴下
する方法や、ホルムアルデヒド水溶液中にNBALと塩
基触媒を添加する方法が用いられる。
【0017】回収した2−アルケナールは、反応形式が
多段連続反応では2〜3段目反応缶から回収した後1段
目反応缶へ循環し、また回分式の場合は次回の反応系へ
循環させることができる。2−アルケナールの添加方法
は、原料の脂肪族アルデヒドを添加する前に、前回の反
応で回収した2−アルケナールを塩基触媒およびホルム
アルデヒドと共にアルドール縮合反応器に添加する。こ
のような添加方法とすることにより、脂肪族アルデヒド
に比べて反応性の劣る2−アルケナールが大過剰の塩基
触媒およびホルムアルデヒドと反応することになるの
で、2−アルケナールが選択性よく反応させることがで
きる。即ち2−アルケナールを、原料の脂肪族アルデヒ
ドを添加する前に反応させるようにして、アルドール縮
合反応系に循環使用することによって、多価アルコール
が高選択率で製造される。なおこのような反応に用いら
れる2−アルケナールには、上記のアルドール縮合反応
の過程で分離回収される2−アルケナールの他に、製品
の多価アルコールの蒸留精製工程で回収される2−アル
ケナールを用いることもできる。
【0018】得られた反応生成液から目的の多価アルコ
ールを得るには幾つかの方法があるが、先ずは反応液中
に残存する過剰のアルカリをギ酸を用いて中和し、次に
残存するホルムアルデヒドを 0.5〜2.5kg/cm2 G の加圧
下で蒸留して留去した後、一般的には溶媒で抽出する方
法または再結晶法で多価アルコールを得る。但しこの多
価アルコールを得る方法は、目的の多価アルコールの物
理的性質、とりわけ水に対する溶解度の差などによっ
て、その処理法が異なる。
【0019】例えば、TMPを製造する場合には、溶媒
抽出によって目的のTMPとギ酸塩とが分離される。こ
こで使用する溶媒は、反応原料でもあるNBALでもよ
く、または、異種、例えば、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン類、イソブチルアルコ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、更
には酢酸ブチルエステルなどのエステル類の単品、また
はこれらの混合物を用いるのが有効である。また (I)式
で示されるRが水素基であるアセトアルデヒドからペン
タエリスリトール (以下、PEと称す) を製造する場合
では、反応生成液を濃縮、冷却し、晶析、分離を繰り返
してPEと水溶液中のギ酸塩とを固液分離する。ケーキ
として分離したPEは、水洗した後、乾燥して製品とす
る。
【0020】一方、水相中に分離したギ酸塩は、そのま
ま又は前処理として活性炭処理をして、ギ酸塩以外の有
機不純物を除去した後、濃縮し常法によってギ酸塩を副
製品として回収するか、または酸素分子存在下または不
存在下に貴金属触媒またはニッケル触媒下で、このギ酸
塩を炭酸水素塩を主成分とした塩基化合物に転換した後
に回収する。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお以下の実施例および比較例において、目的
とする多価アルコールの選択率(消費アルデヒド基準)
は、脂肪族アルデヒドおよび2−アルケナールの消費量
に対する目的とする多価アルコール生成量のモル比率で
ある。
【0022】実施例1 〔n−ブチルアルデヒド(NBAL)とホルムアルデヒ
ドからトリメチロールプロパン(TMP)を製造〕 (初回反応)容量積30L反応槽に40重量%ホルムア
ルデヒド水溶液8200g(109.2モル)と炭酸水
素ナトリウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭
酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/9
8)9548g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで
1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃ま
で昇温した。この中にNBAL2464g(34.1モ
ル)を一定速度45分間かけて添加した。この間の温度
は80℃から徐々に上昇させ最高温度90℃に制御し
た。その後圧力 1 kg/cm2 G 、温度98℃に昇温して1
5分間反応を継続した。反応によって発生するCO2
随時系外に放出させた。次に温度、圧力を徐々に降温、
降圧させ、反応槽上部から発生するCO2 ガスと共に低
沸留分である2−エチルアクロレイン(以下、ECRと
称す)と一部共沸する水を蒸留法でNBALに対する塩
基触媒の消費モル比で0.5から0.95の間に回収し
ながら、反応を10分間継続した。その留出量は620
gで、この内ECRは水中の溶解分を含めて495.6
g(5.90モル)であった。ECR回収後98〜10
0℃で30分間反応を継続した。また反応を通して放出
されたCO2 ガス量は820g(18.63モル)であ
った。残存した反応生成液18772gを分析した結
果、TMPを17.07重量%含んでおり、TMP選択
率(消費アルデヒド基準)は84.7モル%であった。
【0023】(2回目反応)40重量%ホルムアルデヒ
ド水溶液6775g(90.24モル)と33重量%
(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液789
6g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm
2 G まで昇圧した後、撹拌下に80℃に昇温した。この
中に、初回反応で回収したECR相と水相の全量620
gを添加した後に、NBAL2035g(28.2モ
ル)を一定速度45分間掛けて添加した。この間の温度
は80℃から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させ
た。NBAL添加後、圧力 1 kg/cm2 G 、温度98℃を
保ちながら10分間反応を継続した。この間、反応によ
って発生するCO2 ガスは随時系外に放出した。次に圧
力を徐々に降圧させながら反応槽上部から発生するCO
2 ガスと共にECRおよび共沸する水をNBALに対す
る塩基触媒の消費モル比で0.5から0.95の間に留
出させながら30分間反応を継続した。この留出量は6
54gでこの内ECRは水中に溶解した分を含めて49
8.8g(5.94モル)であった。ECR回収後更に
98〜100℃で30分間反応を継続した。残存した反
応生成液16003gを分析した結果、TMPを20.
88重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド
基準)は88.4モル%であった。
【0024】(3回目反応)40重量%ホルムアルデヒ
ド水溶液6775g(90.24モル)と33重量%
(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液(炭酸
水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)
7896g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで 1
kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで
昇温した。この中に、2回目反応で回収したECR相と
水相の全量654g(ECR5.94モル)を添加した
後に、NBAL2035g(28.2モル)を一定速度
45分間かけて添加した。以下2回目反応と同様に行っ
た。この反応で回収したECRは水中の溶解分を含めて
496.5g(5.91モル)であった。また反応を通
して放出されたCO2 ガス量は675gであった。残存
した反応生成液16080gを分析した結果、TMPを
21.20重量%含んでおり、TMP選択率(消費アル
デヒド基準)は90.0モル%であった。
【0025】比較例1 (2−アルケナールの回収を塩基触媒の消費モル比が
0.95以上の段階で行った場合)実施例1初回反応と
同様に40重量%ホルムアルデヒド水溶液8200g
(109.2モル)と炭酸水素ナトリウム換算濃度で3
3重量%の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナ
トリウムのモル比:2/98)9548g(37.5モ
ル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm2 G まで昇圧した
後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この中にNB
AL2464g(34.1モル)を一定速度45分間か
けて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇さ
せ最高温度98℃に制御させた。NBAL添加後、圧力
1 kg/cm2 G 、温度98℃の条件下で10分間反応を継
続した。次に圧力を徐々に降圧させ、常圧下温度98℃
で30分間反応を継続した。この間、副生したECRを
回収は行わなかった。なお反応によって発生するCO2
は随時系外に放出させた。塩基触媒の消費モル比が0.
95以上となったことを確認した後、ECRを回収した
ところ、回収量は495.6g(5.90モル)であっ
た。反応を通して放出されたCO2 ガス量は813gで
あった。残存した反応生成後19399gを分析した結
果、TMPを18.02重量%含んでおり、TMP選択
率(消費アルデヒド基準)は76.4モル%であった。
【0026】比較例2 (脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドを反応させた
後、2−アルケナールを反応させた場合)40重量%ホ
ルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と
炭酸水素ナトリウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶
液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2
/98)7896g(37.5モル)を混合し、窒素ガ
スで 1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80
℃まで昇温した。この中にNBAL2034g(28.
2モル)を一定速度で添加した後、回収したECR相と
水相の全量630g(ECR495.6g:5.90モ
ル)を続けて添加した。以下、実施例1の2回目の反応
と同じ条件で行った。その結果、水を含む留出物の総量
は660gで、この内ECRは498.1g(593
g)であった。ECRの回収後、更に98〜100℃で
30分間反応を継続した。残存した反応液16060g
を分析した結果、TMPを20.10重量%含んでお
り、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は85.4モ
ル%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、炭酸塩を主成分とする
塩基触媒を用いた脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
との反応による多価アルコールの製造方法において、付
加価値の低い副生2−アルケナールを原料として循環使
用することにより新たに2−アルケナールが実質上副生
することなく、目的とする多価アルコールを、高選択率
で効率良く、容易に製造することができる。従って本発
明の方法は、従来は副生を避けることのできなかった付
加価値の低い2−アルケナールを必要量以外は系外に排
出しなくても済み、脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒ
ドから多価アルコールが、高収率、且つ高品質で容易に
得られるので、工業的に極めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 淳 岡山県倉敷市水島海岸通り3丁目10番地 三菱瓦斯化学株式会社水島工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に
    (I)式で示される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒド
    とのアルドール縮合反応を行い、引き続き交叉カニッツ
    ァロー反応を行うことにより多価アルコールを製造する
    に際して、アルドール縮合反応中に副生した(II)式で示
    される2−アルケナールを交叉カニッツァロー反応が完
    結する前に分離することを特徴とする多価アルコールの
    製造法。 【化1】 【化2】 (以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または
    分岐鎖の脂肪族基)
  2. 【請求項2】脂肪族アルデヒドに対する塩基触媒の消費
    モル比が0.50から0.95の間に、アルドール縮合
    反応中に副生した(II)式で示される2−アルケナールを
    分離する請求項1記載の多価アルコールの製造法
  3. 【請求項3】炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に(I
    I)式で示される2−アルケナールを塩基触媒存在下にホ
    ルムアルデヒドと反応させた後、 (I)式で示される脂肪
    族アルデヒドを反応させてアルドール縮合反応を行い、
    引き続き交叉カニッツァロー反応を行うことを特徴とす
    る多価アルコールの製造法 【化3】 【化4】 (以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または
    分岐鎖の脂肪族基)
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