JPS582209B2 - 多価アルコ−ルの製造法 - Google Patents

多価アルコ−ルの製造法

Info

Publication number
JPS582209B2
JPS582209B2 JP15697679A JP15697679A JPS582209B2 JP S582209 B2 JPS582209 B2 JP S582209B2 JP 15697679 A JP15697679 A JP 15697679A JP 15697679 A JP15697679 A JP 15697679A JP S582209 B2 JPS582209 B2 JP S582209B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formaldehyde
reaction
formate
polyhydric alcohol
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP15697679A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5679632A (en
Inventor
守安智恵子
竹本政男
二宮暎之
馬場実
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP15697679A priority Critical patent/JPS582209B2/ja
Publication of JPS5679632A publication Critical patent/JPS5679632A/ja
Publication of JPS582209B2 publication Critical patent/JPS582209B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、多価アルコールの製造方法、とくに脂肪族ア
ルデヒドとホルムアルデヒドとを塩基性物質の存在下に
反応させて多価アルコールを製造する改良法に関する。
たとえば、ノルマルブチルアルデヒドとホルムアルデヒ
ドとを反応させると2−エチル−2(オキシメチル)1
・3−プロパンジオールが生成するが、これを反応式で
示すとつぎの如くである。
(ここに、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属などを
表わす。
)一般に、これらの反応は収率を向上させ、またとくに
精製が困難である熱に不安定な副生物の生成を抑制する
ために、過剰のホルムアルデヒドを用いて行われること
が多い。
これらの関係を代表的な反応例で示すと第1表のとおり
である。
このようにホルムアルデヒドを過剰に使用して反応を行
なえば、当然に反応生成液中にはホルムアルデヒドが残
存するが、ホルムアルデヒドの存在は以後の分離工程に
於て種々の弊害をもたらす。
すなわちこの交叉カニツアロ反応を経由する多価アルコ
ールの製造は一方ではギ酸塩の製造でもあり、多価アル
コールとギ酸塩の双方を高純度に分離することが要求さ
れる。
多価アルコールとギ酸塩とを分離するには多価アルコー
ルの性質によって異なった方法がとられているが、一般
的には次のような方法が提唱されている。
(1)反応生成液より水を殆んど完全に蒸発し去ったの
ち、水溶性の溶媒例えばエチルアルコール、イソまたは
ノルマル−プロピルアルコール等の脂肪族アルコールや
アセトン、ジオキサン、または酢酸エチルなどを加え、
これらの溶媒中に多価アルコールを溶解せしめ、熱時遠
心分離により、ギ酸塩と分離する方法 (2)反応生成液をそのまゝあるいは程度濃縮したのち
、水に不溶の溶媒たとえば酢酸エチル、ノルマルブチル
アルコール、または一部水に可溶なアルコールたとえば
ノルマルおよびイソ−プロピルアルコールなどと混合し
、多価アルコールをこの溶媒中に選択的に溶解せしめ、
有機相とギ酸塩を含んだ水相とに分液する方法 (3)水に対する溶解度が比較的小さい多価アルコール
たとえば2・2−ビス(オキシメチル)−1・3−プロ
パンジオールや2−メチル−2−(オキシメチル)−1
・3−プロパンジオールでは反応生成液を蒸発濃縮して
固体含量を飽和濃度以上に高めた後、20℃以下に冷却
して析出した多価アルコールを結晶としてろ過または遠
心分離し、ギ酸塩はろ液水中に残す方法(4)上記1と
3との併用法、すなわち半量を濃縮法によって結晶とし
て得、残りを溶媒で抽出する方法 (5)その物性上2−エチル−2−(オキシメチル:−
1・3−プロパンジオールにのみ用いられる方法である
が、反応液を濃縮して完全に水を蒸発し、熱時にギ酸塩
をろ過分離する方法 これらの分離方法を、ホルムアルデヒドが残存する反応
生成液について適用した場合、(1)、(4)および(
5)の方法では直接的に多価アルコールおよびギ酸塩の
両方の品質の低下に結びつき、一方(2)および(3)
の方法では残存ホルムアルデヒドの多くが水相に分配さ
れるため、残存ホルムアルデヒド量があまり多くない限
り多価アルコールの品質への影響はあまりないが、水相
中からギ酸塩を回収する際に無視し得ない問題を生じる
すなわちホルムアルデヒドはギ酸塩基との共存系で80
℃以上の熱履歴を受けると短時間に茶褐色に着色し、不
快臭を発するようになる。
この現象はpHの高いアルカリ性の系で促進されるため
、交叉カニツアロ反応後たゞちに鉱酸、または有機酸、
ことに硫酸、リン酸、ギ酸、あるいは酢酸によってpH
7.0以下5.5程度の範囲まで中和するのが一般であ
る。
しかし、pH7.0以下であっても、ホルムアルデヒド
およびギ酸塩濃度の高い系では着色の程度は緩和される
ものゝ時間の経過とともに着色がみられpH7.0以上
の場合と本質的には変らない。
水相からのギ酸塩の回収工程は必然的にこのギ酸塩濃度
の高い系をつくるわけであり、ホルムアルデヒドの共存
は好ましくない。
以上の様なことから、反応生成液中の残存ホルムアルデ
ヒドを少なくともギ酸塩の回収工程以前の何れかの段階
で回収分離することが必要である。
従来、多価アルコール製造の中でのホルムアルデヒドの
回収には一交叉カニツアロ反応後、まず鉱酸または有機
酸によって反応生成液のpHを5.5〜7.0に調整し
た後、加圧下で蒸留する方法がとられてきた。
たとえば2−メチル−2−(オキシメチル)−1・3−
プロパンジオールの製造において、米国特許第2790
837号に記載されている方法では、交叉力ニツアロ反
応後、酢酸によってpH6,0に調整したのち、温度1
25℃、ゲージ圧力1 0. 5kg/cm2(15p
sig)で連続的に蒸留を行ない、塔頂より15.6%
(重量%、以下同じ)のホルムアルデヒド水溶液として
回収し、缶出液中のホルムアルデヒド濃度を0.7%と
している。
また、同様に2−エチル−2−(オキシメチル)−1・
3−プロパンジオールの製造において、英国特許第81
6210号に記載されている方法ではゲージ圧力10.
5〜21.0kg/cm(15〜30psig)で連続
蒸留を行ない、塔頂より20%のホルムアルデヒド水溶
液として回収し、缶出液中のホルムアルデヒド濃度を0
.1%としている。
また同様に2−エチル−2−(オキシメチル)1・3−
プロパンジオールの製造において、本発明者らの一部ら
が先に出願した特開昭48−61411号の方法では、
交叉カニツアロ反応生成物をリン酸でpH5.5〜7.
0に調整した後、反応生成液中のギ酸塩の溶液濃度およ
び缶出液中の2−エチル−2−(オキシメチル)−1・
3−プロパンジオールの濃度をいずれも50%以下に保
ちつゝ、0.5〜5. 0 kg/cm2の加圧下に水
蒸気を供給しつゝ塔頂よりホルムアルデヒドを回収して
いる。
その他、同様に加圧下での蒸留回収法として英国特許第
868421号や特公昭42−20521号に記載され
た方法などがある。
また、加圧蒸留以外のホルムアルデヒドの除去法として
は、(1)アルカリ存在下で加熱しホルムアルデヒドの
自己カニツアロ反応によって消滅させる方法、(2)水
蒸気蒸留によって除去する方法、(3)有機溶媒抽出に
よる方法、または(4)アンモニアを加えてヘキサメチ
レンテトラミンとして消滅させる方法、等が提唱されて
いるが、これらの方法はどれも一長一短あり工業的に実
施されているケースは少ない。
すなわち、(1)の方法では反応生成液着色の問題また
は副反応生成物の増大による製品品質の低下、(2)の
方法では回収ホルムアルデヒドの希薄水溶液化によるバ
ランスの不合性、(3)の方法では有機溶媒による製品
歩留の低下および公害負荷の増大、(4)の方法では生
成へキサメチレンテトラミンの分離等による製品品質の
低下へ等のそれぞれ問題を有している。
これらのことから、加圧蒸留による方法がホルムアルデ
ヒド回収の主なる方法である。
しかし、これら加圧蒸留法においてもなお多くの問題点
を有している。
例えば、2・2−ビス(オキシメチル)−1・3−プロ
パンジオール反応生成液中におよそ10%のホルムアル
デヒドが含有しているケースについて一例を示すと、蒸
留塔缶出液中のホルムアルデヒド濃度を0.2%程度に
低下させるためには1.0〜2.5kg/cm2の加圧
下で、30〜50の回収段を有した蒸留塔を用いしかも
仕込反応生成液量の70%以上を塔頂より留出させる必
要がある。
このような方法でのホルムアルデヒド回収には大型の蒸
留塔と高いエネルギーを必要とする。
しかもそのかわりには完全な除去は達成されておらず減
少しているとは言え缶出液中にはなおもホルムアルデヒ
ドは残存している。
このことは後処理工程、特に熱履歴を受けるギ酸塩回収
工程で着色・臭気あるいは製品ギ酸塩の品質の問題を再
発する危険があり、工業的な見地からして解決されてい
ないといえる。
また、多価アルコール製造装置の一部にこのような高段
数を有する大型の回収装置を設置することは装置が複雑
化し、特にギ酸塩共存系で100℃以上、特に120〜
130℃もの高い濃度としながら、なおかつ反応生成液
を着色、または変質させないためには温度、pHあるい
は濃度等の厳密な運転管埋が要求され予想以上に作業負
担が犬となる欠点も合せて有している。
本発明者らは、これら従来法の欠点に鑑みホルムアルデ
ヒドを有効に回収再使用すると共に、多価アルコールお
よびギ酸塩を高純度な形で分離する方法を鋭意研究した
結果、反応生成液から多価アルコールを除去した後の、
ホルムアルデヒド及びギ酸塩を含む残液に脂肪族アルデ
ヒド及び無機塩基を添加して、通常のアルドール縮合反
応とほぼ同様の処理をした後相分離すると、ギ酸塩を含
む水相にはホルムアルデヒドは痕跡程度しか残らないこ
とを見出し本発明に到達した。
わされる脂肪族アルデヒドと該脂肪族アルデヒドに対し
て理論量以上のホルムアルデヒドとを無機塩基の存在下
にアルドール縮合反応および交叉カ表わされる多価アル
コールを生成させた反応生成液より該多価アルコール及
びギ酸塩を分離する方法において反応生成液から多価ア
ルコールを分離した後のギ酸塩およびホルムアルデヒド
を含有する残液に該ホルムアルデヒドに対し等モル以上
の肪族族アルデヒドおよび無機塩基を添加して、ホルム
アルデヒドを脂肪族アルデヒドとアルドール縮合反応さ
せ、次いで相分離してアルドール縮合物を含有する有機
相とギ酸塩を含有する水相とを得、該有機相には更にホ
ルムアルデヒドおよび無機塩基を添加してアルドール縮
合反応および交叉カニツアロ反応を順次行わしめ、一方
該水相からはギ酸塩を分離することを特徴とする多価ア
ルコールの製造法である。
たゞしここで、R1およびR2の組合せは下記Aおよび
Bの組み合せ群より、R3およびR4の組み合せは下記
CおよびDの組み合せ群よりそれぞれ選択されるものを
示す。
以下更に詳細に説明する。
本発明に於いて多価アルコールは、脂肪族アルデヒドと
ホルムアルデヒドとがナルドール縮合反応および交叉カ
ニツアロ反応を順次行うことにより生成されるものであ
り、その反応を前記脂肪族アルデヒドに於けるR1、R
2の意味するところに従って反応式で示すと次の如くに
なる。
これら反応の内、各々最後の反応が交叉カニツアロ反応
であり、それ以前の反応はいずれもアルドール縮合反応
である。
(I)R1、R2が共に水素原子であるとき(■)Rl
が水素原子で、R2が炭素数1〜6のアルキル基である
とき (■)R1がメチル基で、R2が炭素数1〜4のアルキ
ル基であるとき 前記の如く、本発明においては、アルドール縮合反応は
2段階で行われるが、明確に区別された反応が各々の段
階で起るわけではない。
すなわち前段のギ酸存在下での反応は、ホルムアルデヒ
ドに対して等モル以上の脂肪族アルデヒド、実際的には
最終的に得るべき多価アルコールの量に対する量の脂肪
族アルデヒドを添加する故、大過剰の脂肪族アルデヒド
の存在下で行なわれるため、ホルムアルデヒドは脂肪族
アルデヒドとアルドール縮合反応するが、未反応の脂肪
族アルデヒドが多く残存しており、しかもそのアルドー
ル縮合反応も、前記(1)及び(2)の反応の場合にお
いては、2種あるアルドール縮合反応の前段の方に相当
する反応の段階に留ると考えられる。
そして以上の如き反応の後に相分離し、得られた有機相
にホルムアルデヒドを添加して行なう後段の反応に於て
所期のアルドール縮合反応をすべて完了させ、次段の交
叉カニツアロ反応に供するのである。
本明細書においては、便宜的にこの前段のギ酸塩存在下
でのアルドール縮合反応を予備アルドール縮合反応と称
し、後段の周期のアルドール縮合反応を完了させる為の
反応を本アルドール縮合反応と称する。
なお、ホルムアルデヒドと脂肪族アルデヒドとのアルド
ール縮合反応においては、脂肪族アルデヒドを過剰に使
用しても、反応平衡の関係から完全に反応が起らず、ホ
ルムアルデヒドの一部が未反応で残存することは良く知
られているが、本発明者らの研究によれば、前記予備ア
ルドール縮合反応においても同様であり、ホルムアルデ
ヒドの一部は未反応で残るものの、アルドール縮合によ
り生成した3−オキシグロパナール−1と共に脂肪族ア
ルデヒド相に転溶し、水相であるギ酸塩溶液には残存せ
ず、その結果本発明の著しい効果が得られるものと思わ
れる。
而して本発明に於て脂肪族アルデヒドとは、更に具体的
にはアゼトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブ
チルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イソバレルア
ルデヒド、n−へキサアルデヒド、イソヘキサアルデヒ
ド、n−ヘプトアルデヒド、n−オクトアルデヒド、イ
ソプチルアルデヒド等であり、従って多価アルコールと
は、2・2−ジメチル−1・3−プロパンジオール、2
メチル−2−(オキシメチル)−1・3−プロパンジオ
ール、2−エチル−2−(オキシメチル)−1・3−プ
ロパンジオール、2・2−ビス(オキシメチル)−1・
3−プロパンジオール、2−プロピル−2(オキシメチ
ル)−1・3−プロパンジオール、2−(1−メチルエ
チル)−2−(オキシメチル)−1・3−プロパンジオ
ール、2−ブチル−2(オキシメチル)−1・3−プロ
パンシオール、2−ペンチル−2(オキシメチル)−1
・3−プロパンジオール、2−へキシル−2(オキシメ
チル)−1・3−プロパンジオール等である。
また、無機塩基とは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム
、水酸化タリウム等を意味する。
従って、ギ酸塩とはそれら無機性塩基に対応して、ギ酸
ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バリ
ウム、ギ酸リチウム、荊酸タリウム等を意味する。
本発明に於て、反応生成液から多価アルコールを分離し
た後の残液とは、 ■ 反応生成液を鉱酸または有機酸によってpH5.5
〜7.0まで中和、弱酸性化したのち多価アルコール、
ギ酸塩等の固体含有量が飽和濃度以上、具体的には55
〜70%程度まで減圧濃縮した後、20℃以下に冷却し
て析出した多価アルコールの結晶をろ過または遠心分離
によって除去した後の分離ろ液 ■ 上記■と同様に中和、弱酸性化した後、後処理工程
でホルムアルデヒドの存在によって製品品質に悪影響を
およぼさない程度の濃度まで加圧蒸留法によってホルム
アルデヒドを除去した後に、上記■同様の方法により多
価アルコール、ギ酸塩等の固体含有量が飽和濃度以上、
具体的には55〜70%程度まで減圧濃縮し、20℃下
に冷却して析出した多価アルコールの結晶をろ過または
遠心分離によって除去した後の分離ろ液 および ■ 上記■と同様に中和、弱酸性化した後、水に不溶性
の溶剤例えば酢酸エチル、炭素数5〜10のエーテル類
、メチルイソブチルケトンまたは一部水に可溶性のアル
コールたとえばノルマルおよびイソプロピルアルコール
、ノルマル、イソおよびセカンダリープチルアルコール
、アミルアルコールなどと混合し、多価アルコールをこ
れら溶媒中に選択的に溶解させ有機相とギ酸塩含有の水
相とを分液した下相にくる分液水相 である。
なお■は、特に残存ホルムアルデヒト量が多いい場合の
態様である。
すなわち、前記第1表で示した連続化反応の場合の如く
、ホルムアルデヒドのモル比を比較的大きくとる必要の
ある場合、例えば2−2−ビス(ヒトロキシメチル)−
1・3−プロパンジオールの製造においてホルムアルデ
ヒドを大過剰含ませたまゝ反応生成液を濃縮分離工程に
入れると、2・2−ビス(オキシメチル)−1・3−プ
ロパンジオールが次式のようなホルマールを生成し、ホ
ルムアルデヒドを含む母液中に溶存して析出しがたくな
り、また収量や製品品質の低下の原因となるからである
ただし、本発明においては、残液中にホルムアルデヒド
が残存しても、それは予備アルドール反応において除去
されるため、何ら差支えなく、■での加圧蒸留は製品多
価アルコールに悪影響を及ぼさない程度の濃度にまでホ
ルムアルデヒドを除去する為のものである。
そして具体的にはその加圧蒸留はホルムアルデヒド濃度
を3%程度にまで低下させるものであって、ホルムアル
デヒドの回収とギ酸塩品質への悪影響を防止することを
目的とした従来法における加圧蒸留の如く、ホルムアル
デヒド濃度を0.1〜1.0%程度まで低下させるもの
ではなく、従って蒸留塔の段数も後者従来法の場合の1
/5〜1/10で十分である。
また■の場合においても、例えば2−エチル−2(オキ
シメチル)−1・3−プロパンジオール製造の如く、高
純度、高収率を得る為に脂肪族アルデヒドに対するホル
ムアルデヒドのモル比を可成り過剰とし、且つ希薄濃度
のホルムアルデヒド水溶液を原料とした場合、従って反
応生成液中のギ酸塩濃度が低い場合には、抽出効率を高
め、且つ残液中のギ酸塩濃度を予備アルドール縮合反応
に供するに適した濃度とする為、抽出に先だって、予め
減圧蒸留によってギ酸塩濃度が25〜30%程度になる
まで反応生成液を濃縮しておくのが好ましい。
予備アルドール縮合反応は、ギ酸塩を含有しない通常の
アルドール縮合反応条件と比べて本質的に異なることは
なく、同等又は若干穏和となる。
すなわち、反応系の水素イオン濃度指数をpH7.0〜
12.0、好ましくは10.0〜11.5に保ち、また
反応温度は55℃以下、好ましくは10〜45℃で強制
攪拌下で行わしめる。
こゝで、反応系のpHが7.0より酸性側にある場合に
は反応は実質的に進行せず、また、反応温度が10℃以
下では反応速度が極度に低下する。
また、pHが12以上、反応温度が55℃以上の場合に
は、副反応生成物量が増大し収量低下の原因となる。
また、反応系のギ酸塩濃度は反応中に結晶が析出しない
範囲の出来るだけ濃厚溶液系で実施されることが好まし
く、15〜45重量%、好ましくは25〜43重量%が
適当である。
すなわち、ギ酸塩の濃度によって予備アルドール縮合反
応はいさゝかも影響されるものではないが、反応後の分
液に際して、ギ酸塩濃度が余り希薄すぎると、当該脂肪
族アルデヒド、ホルムアルデヒドとの反応によって生成
したアルドール縮合物および残存していた未ろ過または
未抽出の多価アルコール等の有効成分が分液水相中に溶
解損失するおそれがある。
こうした場合にあっては有効成分の歩留を悪くするとい
うこと一同時に後工程で系外に排水される廃水中の公害
負荷値を高めてしまう原因にもなる。
また、ギ酸塩濃度が45重量%以上になるとギ酸塩自身
または多価アルコールの結晶析出により配管詰りなどの
トラブル粉ひきおこす原因となる。
予備アルドール縮合反応の終了後の反応液は有機相水相
とに相分離する。
原料残液に含有されていたホルムアルデヒドは前記の如
くアルドール縮合物である3−オキシプロパナール−1
として、また一部はそのまゝの形で有機相である脂肪族
アルデヒド中に溶解し、ギ酸塩を含む水相にはホルムア
ルデヒドは殆んど残存しない。
分液した水相については濃縮等の処理を施してギ酸塩の
回収を計り、一方有機相については、新たにホルムアル
デヒドおよび無機塩基を添加してアルドール縮合反応(
本アルドール縮合反応)および交叉カニツアロ反応を順
次行わしめる。
ホルムアルデヒドの添加量は、予備アルドール縮合反応
工程と本アルドール縮合反応工程と併せ考えた場合の脂
肪族アルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比、更
に具体的には、予備アルドール縮合反応の原料である残
液中に存在していたホルムアルデヒドと本工程で加える
ホルムアルデヒドの合計モル数が、予備アルドール縮合
反応工程で添加した脂肪族アルデヒドのモル数に対して
所定の比率になる量とすれば良い。
そしてこの比率は前記第1表に示した如く、原料系、反
応形式、即ち連続か回分かによって適宜選択する。
無機塩基の添加量は本アルドール縮合反応と交叉カニツ
アロ反応のpHにより定まり、従って本アルドール縮合
反応後に更に添加する態様も含まれる。
本アルドール縮合反応の条件はpHが7.5〜l2.0
、好ましくは10.2〜11.5、温度が60・℃以下
、好ましくは25〜55℃である範囲が適当である。
交叉カニツアロ反応の条件はpHが10.0〜13.0
、好ましくは10.5〜12.5、温度が50〜80
℃、好ましくは55〜75℃となる範囲が適当である。
以上の反応により得られた反応生成液からの多価アルコ
ールの分離方法は前記した残液の種類■〜■の説明にお
いて記した態様の範囲において公知の方法で良い。
また予備アルドール縮合反応後の分液水相からのギ酸塩
の分離も公知方法で行なえば良い。
本発明方法は必要に応じてくり反し、または連続的に実
施すれば良い。
本発明の方法は連続法、半連続法もしくは回分法のいず
れでも行なうことができる。
次に添付した図面によって本発明をさらに詳しく説明す
る。
第1図、第2図および第3図は本発明の方法によって連
続的または半連続的に多価アルコールを製造する際の装
置の系統図の一例をそれぞれ示す。
第1図は例えば2・2−ジメチル1・3−プロパンジオ
ール製造のように高純度、高収量を得るために脂肪族ア
ルデヒドすなわちイソ−ブチルアルデヒドに対するホル
ムアルデヒドのモル比率が埋論モル比率に等しいか若干
過剰とし、且つ高濃度のホルムアルデヒドを原料とする
場合に適している装置の系統図である。
第1図において、経路1を経て、脂肪族アルデヒド、経
路2を経て無機塩基、そして経路20を経て抽出後の抽
残液をそれぞれ予備アルドール縮合反応槽3に供給する
こゝで、抽残液中に含有されるホルムアルデヒドと脂肪
族アルデヒドとが無機塩基の存在下で、アルドール縮合
反応を起して、目的とする多価アルコールの中間体物質
である3−オキシ−プロパナールが生成する。
反応生成液は経路4より分液槽5に送られ、ここで有機
相と水相とに分液し、有機相は経路6より本アルドール
縮合反応槽8へ送られる。
水相は経路7より低沸点留分カット塔32へ送られる。
本アルドール縮合反応槽8では経路9よりホルムアルデ
ヒド水溶液および経路10より無機塩基を追加供給し、
アルドール縮合反応を完結させる。
反応生成液は経路11より交叉カニツアロ反応槽12に
送られる。
交叉カニツアロ反応槽12では経路13より無機塩基を
追加供給しながら厳重なpHおよび温度管理のもとで交
叉カニツアロ反応を行なわせる。
反応生成液は経路14より中和槽15へ送られ、こゝに
経路16よりの中和剤のギ酸とよく混合しpH7.0以
下に調整する。
中和調整後の反応生成液は経路17より抽出塔18へ送
られ、経路27より循環移送される転溶抽出溶媒によっ
て、目的とする多価アルコールが抽出分離される。
このとき反応生成液中の残存ホルムアルデヒドはその大
半量が抽残液に分配される。
抽残液は再び経路20を経て、予備アルドール縮合反応
槽3に送られ、再びこゝで予備アルドール縮合反応に供
せられる。
一方、抽出液は経路19より脱抽蒸留塔21に送られ、
塔頂よりの留分は経路22および熱交換器23および経
路24を経て分液槽25へ送られる。
こ〜で、抽出液相中に一部含有されていた水と転溶抽出
溶媒とが分液され、分離された転溶抽出溶媒は必要に応
じ転溶抽出溶媒および水を経路56より補給し組成を調
節したのち経路27を経て再び使用される。
分離された水は経路26より系外に排出される。
脱抽蒸留塔21の塔底から抜き出される粗製多価アルコ
ールは経路28より精製蒸留塔29へ送られ、精製蒸留
塔29の塔頂より経路30を経て製品多価アルコールが
抜き出される。
また、塔底より高沸点留分が経路31より抜き出される
一方、前記の如く経路7より低沸点留分カット塔32に
送られた予備アルドール縮合反応後の分液水相はこゝで
蒸留し、塔頂より経路33を経て低沸点留分を留去する
また、低沸点留分カット塔32の塔底から抜き出される
ギ酸塩水溶液は経路34を経てギ酸塩濃縮晶出缶35へ
送られる。
ギ酸塩濃縮晶出缶35では濃縮脱水によって水を蒸発さ
せ、缶頂より経路36を経て蒸留水を系外に排出する。
ギ酸塩濃縮晶出缶35缶底よりは飽和又は過飽和に濃縮
したギ酸塩水溶液を経路37より抜き出し、遠心分離機
38で晶出したギ酸塩を分離し経路39より湿ギ酸塩と
して抜き出す。
F液であるギ酸塩濃厚水溶液は経路40を経て再びギ酸
塩濃縮晶出缶35へ循環させる。
第2図は例えば2−エチル−2(オキシメチル)1・3
−プロパンジオール製造のように高純度、高収量を得る
ために脂肪族アルデヒド、すなわちノルマル−ブチルア
ルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比率を過剰と
し且つ希薄濃度のホルムアルデヒドを原料とする場合に
適している装置の系統図であり、この装置は第1図に示
した装置における、多価アルコールの分離精製工程以外
の工程を、回分式で行なわせることを可能とする為の措
置として反応生成液保存タンク41および抽残液保存タ
ンク47を設けると共に、反応生成液を濃縮する為の濃
縮缶43を設けた装置である。
第2図において、中和槽15より経路17に抜き出され
た中和調製後の反応生成液は反応生成液保存タンク41
に保存される。
保存タンク41に一旦保存された中和後の反応生成液は
経路42を経て濃縮缶43へ送られ、ここでギ酸塩濃度
が25ゝ30%程度になるまで減圧系で濃縮され、濃縮
缶43缶頂より経路44を経て蒸発水・メチルアルコー
ルなどの低沸点留分およびホルムアルデヒドの一部が抜
き出される。
濃縮缶43缶底より経路45を経て抜き出される濃縮反
応生成液は抽出塔18へ送られる。
こゝで経路27より循環移送される転溶抽出溶媒によっ
て、目的とする多価アルコールが抽出分離される。
抽残液は経路46tt経て抽残液保存タンク47へ一旦
保存される。
次に適時経路20を経て予備アルドール縮合反応槽3に
送られ、こゝで予備アルドール縮合反応を行なう。
その他の部分における操作は第1図に示した装置の場合
と同じである。
第3図は例えば2・2−ビス(ハイドロキシメチル)1
・3−プロパンジオールや2−メチル−2(オキシメチ
ル)l・3−プロパンジオール製造のように高純度、高
収量を得るために脂肪族アルデヒドすなわちアセトアル
デヒドやプロピオンアルデヒドに対するホルムアルデル
ドのモル比率を過剰とし、且つ希薄濃度のホルムアルデ
ヒドを原料とし、しかも生成した目的の多価アルコール
が比較的水に対して溶解度が小さいような場合に適して
いる装置の系統図であり、この装置は第2図に示した装
置の多価アルコールの分離精製工程、即ち抽出塔18か
ら精製蒸留塔29に至る工程を、多価アルコールの晶出
と遠心分離による工程に代えた装置である。
第3図において濃縮缶43の缶底より経路45を経て抜
き出される濃縮反応生成液はクリスタライザー48へ送
られる。
こゝで十分に冷却して結晶析出させたのち、経路49を
経てホールド冷却槽50へ送り、更に冷却を行なうこと
によって結晶析出率を高める。
目的とする多価アルコールの結晶によってスラリー状化
した晶出液は経路51を経て、遠心分離器52へ送り、
結晶化した多価アルコールを分離して、経路53より湿
・多価アルコールとして抜き出し、乾燥工程へ送る。
遠心分離器52でのろ液は経路54を経て、その一部量
は経路55から濃縮缶43へ循環し、再濃縮を行なう。
また、残り一部量は経路46より抽残液保存タンク47
に送る。
その他の部分における操作は第2図に示した装置の場合
と同じである。
たゞし上記の如く第2図に於ける抽残液保存タンクは第
3図ではろ過液保存タンク47となる。
本発明によれば、多価アルコールを分離した後の残液中
に残存するホルムアルデヒドが完全に回収されて原料と
して使用されるため、ホルムアルデヒド原単位を低くし
うると共に、ギ酸塩回収工程でのホルムアルデヒド臭気
対策上極めて顕著な効果が発揮され、作業環境が著しく
改善されしかも高品質のギ酸塩が得られる。
また予備アルドール縮合反応に供した残液中に含まれて
いた未分離の有機物質、特に多価アルコールの大半が予
備アルドール縮合反応後の相分離の際に有機相である脂
肪族アルデヒド相に転溶抽出されるため、多価アルコー
ルの収率が高められると共に、これらの有機物質による
廃水公害の問題も著しく改善される。
また本発明によって得られる多価アルコールの品質は回
収ホルムアルデヒドを原料の一部とするにもかゝわらず
、全量新規なホルムアルデヒドを使用して製造した多価
アルコールの品質と何ら遜色なく、更に従来不可欠であ
った加圧蒸留によるホルムアルデヒドの回収工程が、反
応生成液中のホルムアルデヒド濃度が高い場合を除いて
不要であり、かつ必要とされる場合でも前記の如くホル
ムアルデヒド濃度を3%程度にまで下げる比較的穏やか
なものであるため、装置の簡略化を図れると共に、熱履
歴による品質低下を防止することができる。
以下実施例によって更に詳細に説明するが、実施例中「
部」はいずれも重量部である。
また従来法または品とは、各実施例における予備アルド
ール縮合反応を行なわず、従って原料ホルムアルデヒド
はすべて新規なものを用いて反応を行い、且つ反応生成
液から多価アルコールを分離した残液はそのまゝギ酸塩
回収工程に供した場合のものであり、比較の為に示した
ものである。
実施例 1 第1図に示した装置を用いてイソブチルアルデヒドとホ
ルムアルデヒドとからの2・2−ジメチル−1・3−プ
ロパンジオールの連続製造を25日間連続して実施した
先ず予備アルドール縮合反応槽3においては、抽出塔1
8からの第2表に示した組成の抽残液1704部/時に
純度98.6%のイソブチルアルデヒド607部/時お
よび濃度48.0%の水酸化ナトリウム水溶液8.0部
/時を添加し、温度45〜50℃、pH10.5〜11
.2、滞留時間1.2時間の条件で予備アルドール縮合
反応を行なわせた。
反応液は分液槽5に供給し、静置時間0.4時間、温度
45℃において第3表に示した組成の有機相669部/
時と水相1650部/時とに分離した。
この有機相669部/時は本アルドール縮合反応槽8に
供給して濃度40.0%のホルムアルデヒド水溶液12
83部/時及び48.0%水酸化ナトリウム水溶液14
部を添加して、温度35℃、pH10.5、滞留時間0
.6時間の条件下にアルドール縮合反応を完結させ、更
にカニツアロ反応槽12に供給して、48.0%水酸化
ナトリウム水溶液673部を追加して、温度60〜65
℃、pH11.2〜12、滞留時間1.5時間の条件下
に交叉カニツアロ反応を行なわせた。
反応生成液2639部/時は中和槽15において純度9
9.0%のギ酸4部/時に加えて中和しpH6.9とし
た。
中和後の液の組成は第4表の如くであった。
この中和後の反応生成液2643部/時を抽出塔18に
供給し、純度97.05%のメチルイソブチルケトン1
660部/時を用いて、2・2−ジメチル−1・3−プ
ロパンジオールの連続抽出を行なった。
この際抽出液としては、往復回転式連続抽出塔を用い、
温度45℃、回転数400c.p.m.の条件とした。
得られた抽出液相2599部/時の組成は第5表の如く
であり、抽残液相1704部/時の組成は前記第2表の
如くであった。
抽出液相は脱抽蒸留塔21に供給して温度62℃、圧力
110mgHgの塔頂条件下で連続蒸留し、塔頂よりメ
チルイソブチルケトンと水とを主成分とする留分173
3部/時を、塔底より粗2・2−ジメチル−1・3−プ
ロパンジオール8 66部/時を各々連続的に抜出した
塔頂よりの留分は更に相分離して、純度 97.05%のメチルイソブチルケトン1660部/時
を分離し前記抽出槽に供給した。
塔底よりの粗2・2−ジメチル−1・3−プロパンジオ
ールはスミス式の薄膜式精製蒸留塔29に供給して、温
度142℃、圧力70mmHgの塔頂条件下で連続蒸留
し塔頂より第6表に示す如き品質の2・2−ジメチル−
1・3−プロパンジオール842部/時を得た。
一方前記分液槽5における分液水相1650部/時は低
沸点留分カット塔32に供給し、温度60〜65℃、圧
力7 6 0mmHgの条件下でイソブチルアルデヒド
5. 7%、メチルアルコール75.9%水13.2%
およびその他5.2%からなる低沸点留分21.0部/
時を留去し、次いでギ酸塩濃縮晶出缶35においてライ
ン40からの循環ろ液6136部と共に温度90℃、圧
力300 mmHgの条件下で1065部/時の水を留
去してギ酸ナトリウムを晶出させ、次いで遠心分離機3
8に於てギ酸ナトリウムを分取し、ろ液はギ酸塩濃縮晶
出缶35へ循環した。
得られたギ酸ナトリウム564部/時の品質は第7表に
示す如くであつた。
また、ギ酸塩濃縮晶出缶35の缶頂より蒸発留去した水
のBOD負荷濃度は0.15%であり、従来法の場合の
約1/10であった。
実施例 2 第2図に示した装置を用いノルマルブチルアルデヒドと
ホルムアルデヒドとからの2−エチル−2(オキシメチ
ル)−1・3−プロパンジオールの製造をアルドール縮
合および交叉カニツアロ反応ならびにギ酸ナトリウム分
離工程が回分式で、製品分離工程が連続式からなる形式
で15日間連続的に製造した。
先ず予備アルドール縮合反応槽3に、抽出塔18から抽
残液保存タンク47に供給され保存されていた第8表に
示した組成の抽残液1543部、純度98.3%のノル
マルプチルアルデヒド641部および濃度48.0%の
水酸化ナトリウム水溶液12部を供給し、温度24〜3
0℃、pH10.5〜11.7、反応時間0.5時間の
条件で予備アルドール縮合反応を行なわせた。
反応終了後反応生成液を分液槽5に移送し、30℃で1
時間静置し、第9表に示した組成の有機相711部と水
相1485部とに分離した。
この有機相711部な本アルドール縮合反応槽8に供給
し、これに濃度13.0%のホルムアルデヒド水溶液6
649部および濃度48.0%の水酸化ナトリウム水溶
液15部を添加して温度30〜35℃、pH10.0〜
10.6、反応時間0.3時間の条件でアルドール縮合
反応を完結させ、次に反応液全量を交叉カニツアロ反応
槽12に供給し、これに新しく濃度48.0%の水酸化
ナトリウム水溶液840部を添加し、温度50〜65℃
、pH11.0〜12.3、反応時間1.0時間の条件
で交叉カニツアロ反応を行なわせ、目的とする2−エチ
ル−2−(オキシメチル)−1・3−プロパンジオール
を生成させた。
反応生成液は中和槽15に移送して純度99.0%のギ
酸10部を添加してpH6.5になるまで中和したのち
反応生成液保存タンク41に移送し、保存した。
一方前記した分液槽5よりの分液水相l485部は低沸
点留分カット塔32に供給し、温度65〜68℃、圧力
760mmHgの条件下で少量のノルマルブチルアルデ
ヒド、メチルエチルケトンおよびその他の低沸点留分な
合計量として5.0部塔頂より留去した。
残液1480部は遠心分離機38から循環されたろ液6
830部と共にギ酸塩濃縮晶出缶35に供給し、温度9
0℃、圧力3 0 0 mmHgの条件下で810部の
水を缶頂より留去した。
晶出したギ酸ナトリウムを含む残留分は遠心分離機38
に供給してギ酸ナトリウムを分取し、ろ液6830部は
前記ギ酸塩濃縮晶出缶35に循環した。
得られたギ酸ナトリウム670部の品質は第10表に示
す如くであった。
またギ酸塩濃縮晶出缶35の缶頂より蒸発留去した水の
BOD負荷濃度は0.20%であり、従来法の場合の約
1/15であった。
以上の操作はいずれも回分式で、1時間にそれぞれ1回
ずつ実施した。
一方前記の如く反応生成液保存タンク41に保存した中
和後の反応生成液からの目的物質の分離操作は連続式で
実施した。
先ず中和後の反応液8225部/時を反応生成液保存タ
ンク41より濃縮缶43に連続的に供給し、温度50℃
、圧力3 .O immHgの条件下にギ酸ナトリウム
の濃度が26.0%になるまで連続的に濃縮を行ない、
缶頂よりホルムアルデヒド0.12%を含有する留出液
5494部/時を、缶底より第11表に示した組成の濃
縮液2731部/時をそれぞれ得た。
濃縮液2731部/時は抽出塔18に供給し、別途供給
したメチルエチルケトン88.6%と水11.4%とか
らなる混合溶媒(以下飽水メチルエチルケトンと称す)
3820部/時を用いて連続的に転溶抽出を行なった。
この際抽出塔としては往復回転式連続抽出塔を用い、温
度、回転数および連続相はそれぞれ40.0℃、5 0
0 c.m. p.および重液連続相とした。
この結果第12表に示した組成の抽出液相5008部/
時と前記第8表に示した組成の抽残液相1543部/時
とを得た。
抽残液相は抽残液保存タンク47に供給保存して前記予
備アルドール縮合反応での使用に備え、一方抽出液相は
脱抽蒸留塔21に供給して温度65℃、圧力5 0 0
mmHgの条件下に蒸留し、塔頂よリメチルエチルケ
トンおよび水を主とする留分を、塔底より粗製2−エチ
ル−2−(オキシメチル)−1・3−プロパンジオール
1264部/時をそれぞれ抜き出した。
留分は更に分液槽25により水10部を下相液として分
離し、上相液にはメチルエチルケトンおよび水を添加し
、メチルエチルケトン88.6%、水11.4%からな
る液3820部/時として抽出塔18に循環供給した。
粗製2−エチル−2−(オキシメチル)−1・3−プロ
パンジオールは更に強制薄膜式の精製蒸留塔29に連続
的に供給して、壁面温度85℃、圧力0.4〜0.5m
mHgおよびワイパー回転数200r.p.m.の条件
下に処理し、蒸発留分として第13表に示した品質の2
−エチル−2−(オキシメチル)−1・3−プロパンジ
オール1063部を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は本発明の方法によって多
価アルコールを連続または半連続的に製造する際の装置
の系統の一例をそれぞれ示す。 第1図、第2図および第3図において、3は、予備アル
ドール縮合反応槽、5は、分液槽、8は、本アルドール
縮合反応槽、12は、交叉カニツアロ反応槽、15は、
中和槽、18は、抽出塔、21は、脱抽蒸留塔、23は
、熱交換器、25は、分液相、29は、精製蒸留塔、3
2は、低沸点留分カット塔、35は、ギ酸塩濃縮晶出缶
、38は、遠心分離機、41は、反応生成液保存タンク
、43は、濃縮缶、47は、抽残液またはろ過液保存タ
ンク、48は、クリスタライザー、50は、ホールド冷
却槽、52は、遠心分離機をそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 と該脂肪族アルデヒドに対して理論量以上のホルムアル
    デヒドとを無機塩基の存在下にアルトール縮合反応系及
    び交叉カニツアロ反応させて一ルコールを生成させた反
    応生成液より該多価アルコール及びギ酸塩を分離する方
    法において、反応生成液から多価アルコールを分離した
    後のギ酸塩およびホルムアルデヒドを含有する残液に該
    ホルムアルデヒドに対し等モル以上の脂肪族アルデヒド
    および無機塩基を添加して、ホルムアルデヒドを脂肪族
    アルデヒドとアルドール縮合反応させ、次いで相分離し
    てアルドール縮合物を含有する有機相とギ酸塩を含有す
    る水相とを得、該有機相には更にホルムアルデヒドおよ
    び無機塩基を添加してアルドール縮合反応および交叉カ
    ニツアロ反応を順次行なわしめ、一方該水相からはギ酸
    塩を分離することを特徴とする多価アルコールの製造法
    だゞしここで、R1 およびR2の組合せは下記Aおよ
    びBの組み合せ群より、R3 およびR4の組み合せは
    下記CおよびDの組み合せ群よりそれぞれ選択されるも
    のを示す。
JP15697679A 1979-12-04 1979-12-04 多価アルコ−ルの製造法 Expired JPS582209B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15697679A JPS582209B2 (ja) 1979-12-04 1979-12-04 多価アルコ−ルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15697679A JPS582209B2 (ja) 1979-12-04 1979-12-04 多価アルコ−ルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5679632A JPS5679632A (en) 1981-06-30
JPS582209B2 true JPS582209B2 (ja) 1983-01-14

Family

ID=15639438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15697679A Expired JPS582209B2 (ja) 1979-12-04 1979-12-04 多価アルコ−ルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS582209B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4003018B2 (ja) * 1997-08-07 2007-11-07 三菱瓦斯化学株式会社 多価アルコールの製造法
US6080896A (en) * 1997-08-07 2000-06-27 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing polyhydric alcohol
JP4635300B2 (ja) * 2000-06-27 2011-02-23 三菱瓦斯化学株式会社 ポリオールの製造方法
JP4691756B2 (ja) * 2000-06-27 2011-06-01 三菱瓦斯化学株式会社 ポリオールの製造法
JP4326479B2 (ja) 2005-01-20 2009-09-09 本田技研工業株式会社 エンジン駆動式作業機

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5679632A (en) 1981-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4209646A (en) Process for crystallizing an adduct of 2,2-di(4-hydroxyphenyl) propane and phenol
US2292926A (en) Preparation of methyltrimethylolmethane
US2462031A (en) Condensation of ketones with formaldehyde
US4665219A (en) Isolation of neopentyl glycol hydroxypivalate
US2223421A (en) Process for purifying pentaerythritol
RU2160730C2 (ru) Способ получения 2-гидрокси-4-метилтиомасляной кислоты (гам)
TWI343370B (en) Method for producing ditrimethylolpropane
EP1178030A2 (en) Process for recovering ditrimethylolpropane
JPS582209B2 (ja) 多価アルコ−ルの製造法
US2895996A (en) Purification of neopentylglycol by steam sublimation
US4294766A (en) Preparation of pure potassium ribonate and ribonolactone
US4416734A (en) Separation of nitroalkanol by azeotropic distillation
US2413249A (en) 1,5-bis-(1-nitro-3,5-dioxacyclohexyl)-2,4 dioxapentane
US3076854A (en) Recovery of trimethylolpropane
US4083931A (en) Process for treating aldol-condensation polyol waste liquor
US2790837A (en) Continuous production of trimethylolethane
US3993651A (en) Triethylenediamine recovery
DE19919203A1 (de) Verfahren zur Herstellung von L-Ascorbinsäure
JPH0782192A (ja) ネオペンチルグリコールの製造法
CN101139248B (zh) 萃取结晶分离康尼扎罗法生成的多元醇和甲酸盐的方法
CN114181044A (zh) 高纯度双三羟甲基丙烷的制备方法
US4654124A (en) Purifying cumene hydroperoxide
US3259662A (en) Purification of trimethylolpropane
US2806892A (en) Recovering trimethylolethane by ethyl acetate extraction
JP4662686B2 (ja) Tmp/蒸気圧濾過