JP4003018B2 - 多価アルコールの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとを反応させて、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、可塑剤、潤滑油、界面活性剤、化粧品の基剤、反応性モノマーなどの原料として有用な多価アルコールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多価アルコールを製造する方法として、塩基触媒存在下 (I)式で示される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応、引き続き交叉カニッツァロー反応の二段反応で行う方法が、特開昭63−139141号、特開昭58−162538号などに記載されている。
【化5】
Figure 0004003018
(Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖の脂肪族基)
この二段反応で行う方法は多価アルコールとギ酸塩の併産を前提としたプロセスである。この方法での塩基触媒には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物および炭酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなど、および第3級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとの反応による多価アルコールの製造方法において、一般的には水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムからなる塩基触媒が用いられている。しかしながら水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムの存在下では、目的とする多価アルコールを高選択率で得るために、脂肪族アルデヒドに対して大過剰のホルムアルデヒドを用いる必要がある。しかもこのように大過剰のホルムアルデヒドを用いる場合には、水で希釈した系で反応を行わないと副生物の生成が多くなり、目的とする多価アルコールを高選択率で得ることができない。
【0004】
また炭酸塩を触媒に用いてアルドール縮合反応、引き続いて交叉カニッツァロー反応を行い多価アルコールを製造する方法も知られているが、この方法では脂肪族アルデヒドに対して10モル%近くの付加価値の低い2−アルケナールが副生する。この副生を抑えるためにもやはり大過剰のホルムアルデヒドを用いる必要がある。
このような大過剰のホルムアルデヒドを用いる製造法においては、経済的観点および廃棄物等の環境に及ぼす影響の観点より、余剰分のホルムアルデヒドの回収が求められ、プロセスが複雑になる等の問題がある。
本発明の目的は、脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応を行い、続いて交叉カニッツァロー反応を行うことにより多価アルコールを製造するに際して、脂肪族アルデヒドの理論モル量に対して僅かに過剰なホルムアルデヒド量で、しかも水で希釈せずに、目的とする多価アルコールを高選択率で得る方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の如き課題を有する多価アルコールの製造方法について鋭意検討した結果、炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用いて、アルドール縮合反応中に副生した2−アルケナールを交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離し、続いて交叉カニッツァロー反応を行い、また塩基触媒を用いて分離された2−アルケナールとホルムアルデヒドを先ず反応させ、続いて該反応液に脂肪族アルデヒドを添加してホルムアルデヒドと反応させるようにすることにより、目的とする多価アルコールが高選択率で得られることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に (I)式で示される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応を行い、引き続いて交叉カニッツァロー反応を行うことにより多価アルコールを製造するに際して、アルドール縮合反応中に副生した(II)式で示される2−アルケナールを交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離することを特徴とする多価アルコールの製造法、および炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に(II)式で示される2−アルケナールを塩基触媒存在下にホルムアルデヒドと反応させた後、 (I)式で示される脂肪族アルデヒドを反応させてアルドール縮合反応を行い、引き続いて交叉カニッツァロー反応を行うことを特徴とする多価アルコールの製造法である。
【化6】
Figure 0004003018
【化7】
Figure 0004003018
(以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖の脂肪族基)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における多価アルコールを製造するための脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドの反応は、アルドール縮合反応と交叉カニッツァロー反応の2段の反応であり、塩基触媒として炭酸塩を主成分とした触媒を用いる反応を主反応および副反応式を含めて次の反応式で示される。
なお下記反応式は、本発明の代表的反応例として、n−ブチルアルデヒド(以下、NBALと称す)からトリメチロールプロパン(以下、TMPと称す)を製造する場合である。
【0008】
【化8】
Figure 0004003018
【0009】
本発明において (I)式で示される脂肪族アルデヒドはα位に2つ以上の水素を有する化合物で、例えばプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、アセトアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナールなどが挙げられる。これらの化合物は2種以上の混合物として原料に使用することもできる。
【0010】
本発明で使用されるホルムアルデヒドはホルムアルデヒド水溶液でも固形のパラホルムアルデヒドでも良く、目的とする多価アルコールによって適切なものが使用される。
ホルムアルデヒドの使用量は、目的とする多価アルコールによって理論モル量的にも異なる。例えば、(I) 式のRがエチル基(CH3 CH2 )であるNBALとホルムアルデヒドとの反応させてTMPを製造する場合(理論モル比=3.0)には、NBALに対するホルムアルデヒドのモル量比は 3〜6 モルである。
【0011】
本発明においてアルドール縮合反応及び交叉カニッツァロー反応における塩基触媒は炭酸塩を主成分とするもので、 (V)式で示す如く交叉カニッツァロー反応で消費されるのは炭酸塩であり、(VI)式により交叉カニッツァロー反応で生成した炭酸水素塩は炭酸塩に変わる。
この塩基触媒は、一般的に工業薬品として出廻っている炭酸塩もしくは炭酸水素塩との混合物でも良い。またギ酸塩を酸化または加水分解して生成された炭酸水素塩から出発したものでも良い。
この塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、およびアンモニウム塩の何れでも良いが、工業的に実施するにはナトリウム塩が一般的である。
【0012】
塩基触媒の使用量は、(I) 式で示される脂肪族アルデヒドに対するモル比で、炭酸水素塩換算量で 1〜2 倍モル量である。副生物を抑えて高選択率に目的の多価アルコールを得るためには、脂肪族アルデヒドの種類に合わせて調整する必要がある。
例えば、脂肪族アルデヒドがNBALの場合、炭酸水素塩換算量で 1.0〜1.5 倍モルであり、またアセトアルデヒドの場合には 1〜1.6 倍モルである。
【0013】
本発明で脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドの反応温度は45〜120℃、好ましくは60〜110℃であり、脂肪族アルデヒドの種類によってその最適温度は異なる。
例えば (I)式でRが水素基であるアセトアルデヒドからペンタエリスリトール(以下、PEと称す)を製造する場合には、反応温度が50〜105℃である。またNBALからTMPを製造する場合は、65〜110℃で、反応系から2−エチルアクロレインを留去した後95〜110℃で10〜30分間ほど熟成し、交叉カニッツァロー反応を完結させることが好ましい。
またこの場合、系内を所定の反応温度に保つため、系内を窒素ガス等の不活性ガスで加圧することが好ましい。
【0014】
本発明の多価アルコールの製造法は、触媒として炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用い、反応途中に主反応と並行させながら又は単独に反応系外に、アルドール縮合反応で副生した2−アルケナールを分離回収した後、交叉カニッツァロー反応を完結させる方法である。
本発明において、反応第1段階のアルドール縮合反応と第2段階の交叉カニッツァロー反応を、区分した反応条件で行なっても、また区別することなく同一反応器内で逐次的に行なってもよい。
【0015】
(II)式で示される2−アルケナールは、(III) 式のアルドール縮合段階で脂肪族アルデヒドに1モル量のホルムアルデヒドが付加したアルカナールからの脱水反応により生成する。該2−アルケナールは脂肪族アルデヒドの添加後に反応系から交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離回収することが好ましい。
すなわち2−アルケナールの分離は、脂肪族アルデヒドに対する塩基触媒の消費モル比が0.50から0.95の間に行うことが好ましい。この分離回収は、減圧、常圧または加圧条件での蒸留により容易に行える。交叉カニッツァロー反応が完了しない、このような条件で副生した2−アルケナールを反応系外に除去することにより2−アルケナールの副反応による損失を防ぐことができる。
なお炭酸塩を主成分とする塩基触媒はカニッツァロー反応においてギ酸塩となるので、塩基触媒の消費モル比はギ酸塩の生成モル比に相当する。
【0016】
本発明において使用する塩基触媒が炭酸塩を主成分とする触媒であり、(VI)式の炭酸水素塩が炭酸塩となる反応が同時に起こるため、反応第2段階の交叉カニッツァロー反応時に炭酸ガスの発生を伴う。従って低沸点物である(II)式で示される2−アルケナールと炭酸ガスとを系外に放出させながら非連続的または連続的に行うことが好ましい。
例えばNBALとホルムアルデヒドとの反応でTMPを製造する場合には、先ずホルムアルデヒド水溶液と炭酸塩を主成分とする塩基触媒の水溶液とを混合し、この中にNBALを一定の速度で滴下する方法や、ホルムアルデヒド水溶液中にNBALと塩基触媒を添加する方法が用いられる。
【0017】
回収した2−アルケナールは、反応形式が多段連続反応では2〜3段目反応缶から回収した後1段目反応缶へ循環し、また回分式の場合は次回の反応系へ循環させることができる。2−アルケナールの添加方法は、原料の脂肪族アルデヒドを添加する前に、前回の反応で回収した2−アルケナールを塩基触媒およびホルムアルデヒドと共にアルドール縮合反応器に添加する。このような添加方法とすることにより、脂肪族アルデヒドに比べて反応性の劣る2−アルケナールが大過剰の塩基触媒およびホルムアルデヒドと反応することになるので、2−アルケナールが選択性よく反応させることができる。
即ち2−アルケナールを、原料の脂肪族アルデヒドを添加する前に反応させるようにして、アルドール縮合反応系に循環使用することによって、多価アルコールが高選択率で製造される。
なおこのような反応に用いられる2−アルケナールには、上記のアルドール縮合反応の過程で分離回収される2−アルケナールの他に、製品の多価アルコールの蒸留精製工程で回収される2−アルケナールを用いることもできる。
【0018】
得られた反応生成液から目的の多価アルコールを得るには幾つかの方法があるが、先ずは反応液中に残存する過剰のアルカリをギ酸を用いて中和し、次に残存するホルムアルデヒドを 0.5〜2.5kg/cm2 G の加圧下で蒸留して留去した後、一般的には溶媒で抽出する方法または再結晶法で多価アルコールを得る。但しこの多価アルコールを得る方法は、目的の多価アルコールの物理的性質、とりわけ水に対する溶解度の差などによって、その処理法が異なる。
【0019】
例えば、TMPを製造する場合には、溶媒抽出によって目的のTMPとギ酸塩とが分離される。ここで使用する溶媒は、反応原料でもあるNBALでもよく、または、異種、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、更には酢酸ブチルエステルなどのエステル類の単品、またはこれらの混合物を用いるのが有効である。
また (I)式で示されるRが水素基であるアセトアルデヒドからペンタエリスリトール (以下、PEと称す) を製造する場合では、反応生成液を濃縮、冷却し、晶析、分離を繰り返してPEと水溶液中のギ酸塩とを固液分離する。ケーキとして分離したPEは、水洗した後、乾燥して製品とする。
【0020】
一方、水相中に分離したギ酸塩は、そのまま又は前処理として活性炭処理をして、ギ酸塩以外の有機不純物を除去した後、濃縮し常法によってギ酸塩を副製品として回収するか、または酸素分子存在下または不存在下に貴金属触媒またはニッケル触媒下で、このギ酸塩を炭酸水素塩を主成分とした塩基化合物に転換した後に回収する。
【0021】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお以下の実施例および比較例において、目的とする多価アルコールの選択率 (消費アルデヒド基準) は、脂肪族アルデヒドおよび2−アルケナールの消費量に対する目的とする多価アルコール生成量のモル比率である。
【0022】
実施例1
〔n−ブチルアルデヒド(NBAL)とホルムアルデヒドからトリメチロールプロパン(TMP)を製造〕
(初回反応)
容量積30L反応槽に40重量%ホルムアルデヒド水溶液8200g(109.2モル)と炭酸水素ナトリウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)9548g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この中にNBAL2464g(34.1モル)を一定速度45分間かけて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇させ最高温度90℃に制御した。その後圧力 1 kg/cm2 G 、温度98℃に昇温して15分間反応を継続した。反応によって発生するCO2 は随時系外に放出させた。
次に温度、圧力を徐々に降温、降圧させ、反応槽上部から発生するCO2 ガスと共に低沸留分である2−エチルアクロレイン(以下、ECRと称す)と一部共沸する水を蒸留法でNBALに対する塩基触媒の消費モル比で0.5から0.95の間に回収しながら、反応を10分間継続した。その留出量は620gで、この内ECRは水中の溶解分を含めて495.6g(5.90モル)であった。ECR回収後98〜100℃で30分間反応を継続した。また反応を通して放出されたCO2 ガス量は820g(18.63モル)であった。残存した反応生成液18772gを分析した結果、TMPを17.07重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は84.7モル%であった。
【0023】
(2回目反応)
40重量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と33重量%(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液7896g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に80℃に昇温した。
この中に、初回反応で回収したECR相と水相の全量620gを添加した後に、NBAL2035g(28.2モル)を一定速度45分間掛けて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させた。NBAL添加後、圧力 1 kg/cm2 G 、温度98℃を保ちながら10分間反応を継続した。この間、反応によって発生するCO2 ガスは随時系外に放出した。次に圧力を徐々に降圧させながら反応槽上部から発生するCO2 ガスと共にECRおよび共沸する水をNBALに対する塩基触媒の消費モル比で0.5から0.95の間に留出させながら30分間反応を継続した。この留出量は654gでこの内ECRは水中に溶解した分を含めて498.8g(5.94モル)であった。ECR回収後更に98〜100℃で30分間反応を継続した。残存した反応生成液16003gを分析した結果、TMPを20.88重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は88.4モル%であった。
【0024】
(3回目反応)
40重量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と33重量%(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)7896g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この中に、2回目反応で回収したECR相と水相の全量654g(ECR5.94モル)を添加した後に、NBAL2035g(28.2モル)を一定速度45分間かけて添加した。以下2回目反応と同様に行った。この反応で回収したECRは水中の溶解分を含めて496.5g(5.91モル)であった。また反応を通して放出されたCO2 ガス量は675gであった。残存した反応生成液16080gを分析した結果、TMPを21.20重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は90.0モル%であった。
【0025】
比較例1
(2−アルケナールの回収を塩基触媒の消費モル比が0.95以上の段階で行った場合)
実施例1初回反応と同様に40重量%ホルムアルデヒド水溶液8200g(109.2モル)と炭酸水素ナトリウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)9548g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この中にNBAL2464g(34.1モル)を一定速度45分間かけて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させた。NBAL添加後、圧力 1 kg/cm2 G 、温度98℃の条件下で10分間反応を継続した。次に圧力を徐々に降圧させ、常圧下温度98℃で30分間反応を継続した。この間、副生したECRを回収は行わなかった。なお反応によって発生するCO2 は随時系外に放出させた。
塩基触媒の消費モル比が0.95以上となったことを確認した後、ECRを回収したところ、回収量は495.6g(5.90モル)であった。
反応を通して放出されたCO2 ガス量は813gであった。残存した反応生成後19399gを分析した結果、TMPを18.02重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は76.4モル%であった。
【0026】
比較例2
(脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドを反応させた後、2−アルケナールを反応させた場合)
40重量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と炭酸水素ナトリウム換算濃度で33重量%の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)7896g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで 1 kg/cm2 G まで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。
この中にNBAL2034g(28.2モル)を一定速度で添加した後、回収したECR相と水相の全量630g(ECR495.6g:5.90モル)を続けて添加した。以下、実施例1の2回目の反応と同じ条件で行った。
その結果、水を含む留出物の総量は660gで、この内ECRは498.1g(593g)であった。ECRの回収後、更に98〜100℃で30分間反応を継続した。残存した反応液16060gを分析した結果、TMPを20.10重量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は85.4モル%であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、炭酸塩を主成分とする塩基触媒を用いた脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとの反応による多価アルコールの製造方法において、付加価値の低い副生2−アルケナールを原料として循環使用することにより新たに2−アルケナールが実質上副生することなく、目的とする多価アルコールを、高選択率で効率良く、容易に製造することができる。
従って本発明の方法は、従来は副生を避けることのできなかった付加価値の低い2−アルケナールを必要量以外は系外に排出しなくても済み、脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドから多価アルコールが、高収率、且つ高品質で容易に得られるので、工業的に極めて有利である。

Claims (3)

  1. 炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に(I)式で示される脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応を行い、引き続き交叉カニッツァロー反応を行うことにより多価アルコールを製造するに際して、アルドール縮合反応中に副生した(II)式で示される2−アルケナールを交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離し第1段の多価アルコール製造を行い、次段において、炭酸塩を主成分とする塩基触媒存在下に第1段の多価アルコール製造で分離した2−アルケナールをホルムアルデヒドと反応させた後、 (I) 式で示される脂肪族アルデヒドを反応させてアルドール縮合反応を行い、引き続き交叉カニッツァロー反応を行うことを特徴とする多価アルコールの製造法。
    Figure 0004003018
    Figure 0004003018
    (以上、Rは水素基、或いは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖の脂肪族基)
  2. 脂肪族アルデヒドに対する塩基触媒の消費モル比が0.50から0.95の間に、アルドール縮合反応中に副生した(II)式で示される2−アルケナールを分離する請求項1記載の多価アルコールの製造法。
  3. 次段のアルドール縮合反応中に副生した (II) 式で示される2−アルケナールを交叉カニッツァロー反応が完結する前に分離する請求項1記載の多価アルコールの製造法。
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