JPH1148961A - 自走式搬送車 - Google Patents

自走式搬送車

Info

Publication number
JPH1148961A
JPH1148961A JP9207896A JP20789697A JPH1148961A JP H1148961 A JPH1148961 A JP H1148961A JP 9207896 A JP9207896 A JP 9207896A JP 20789697 A JP20789697 A JP 20789697A JP H1148961 A JPH1148961 A JP H1148961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caster
bogie
traveling
lock
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9207896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3222809B2 (ja
Inventor
Kenji Mizoguchi
賢治 溝口
Kenji Kataoka
謙二 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikyo Nishikawa Corp
Original Assignee
Nishikawa Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishikawa Kasei Co Ltd filed Critical Nishikawa Kasei Co Ltd
Priority to JP20789697A priority Critical patent/JP3222809B2/ja
Publication of JPH1148961A publication Critical patent/JPH1148961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3222809B2 publication Critical patent/JP3222809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handcart (AREA)
  • Platform Screen Doors And Railroad Systems (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 台車1の前後左右部にそれぞれ鉛直方向の揺
動軸5回りに揺動自在なキャスタ3,3,…が取り付け
られ、駆動ユニット11の駆動輪14,14の駆動によ
り路面に設置した誘導帯に沿って走行する自走式搬送車
について、より一層の構造の簡略化やコストダウンを図
る。 【解決手段】 台車1下面の略中央部に、車幅方向に配
列された複数の検知部15a〜15cにより誘導帯を検
知する1つの走行センサ15を設け、搬送車が前進又は
後進の一方の走行状態から他方の走行状態に切り換えら
れたとき、一方の走行状態で走行センサ15の左側にあ
った検知部を右側の検知部に、また右側にあった検知部
を左側の検知部にそれぞれ切り換え、走行センサ15の
数を減らしてコストダウン及びセンサ15の構造の簡易
化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面に設置した誘
導帯に沿って自走して各種の部品や物品等を搬送するよ
うにした自走式搬送車に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】この種の自走式搬送車は、任意の進行方
向に操舵できるように台車の前後左右部にそれぞれ鉛直
方向の揺動軸回りに揺動自在なキャスタが取り付けられ
ているとともに、台車を駆動する駆動輪を有する駆動ユ
ニットが設けられ、この駆動ユニットの作動により路面
に設置した誘導帯に沿って走行するようになされたもの
である。
【0003】その一例として、例えば実開平5―796
04号公報に示されるように、台車下部の中央部に左右
の駆動輪を有する駆動ユニットを揺動可能に取り付ける
とともに、前後左右の隅角部に非駆動輪を取り付け、駆
動ユニットをばねにより台車の直進方向に付勢して、こ
の駆動ユニットが台車直進方向に向いたときに、駆動ユ
ニットをばねの付勢力によって直進方向の位置に係止ロ
ックするようにしたものが知られている。
【0004】また、特開平4―11585号公報に開示
されるものでは、台車下部の駆動ユニットにおける左右
の駆動輪をそれぞれ2つとし、各側の駆動輪にスプロケ
ットを取り付けて両スプロケットにチェーンを掛け、こ
の左右の各チェーンを各々の側のモータにより駆動する
ことにより、駆動輪の接地性を高めて台車の走行性を向
上させるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
自走式搬送車を前進だけでなくて後進もできるようにす
る場合、2台の駆動ユニットを台車の前後にそれぞれ取
り付け、この両駆動ユニットの作動を選択的に切り換え
ることで、台車の進行方向を前後進に切り換えることが
できる。
【0006】しかし、このように台車の前後にそれぞれ
駆動ユニットを取り付けたものでは、台車の旋回半径が
大きくなり、狭いスペースでの使用が困難となるととも
に、2台の駆動ユニットの分だけコストアップするとい
う欠点がある。
【0007】そこで、本出願人は、台車においてその前
後左右に取り付けられる、鉛直方向の軸心回りに揺動可
能な自在キャスタを台車の進行方向に応じて揺動不能に
ロック固定することにより、簡単かつ低コストの構造で
台車の前後進を容易に行わせ得るようにした自走式搬送
車を既に提案している(特願平8―165876号明細
書及び図面参照)。
【0008】しかし、この提案のものでは、構造の簡略
化やコストダウンを図る上でさらに改良の余地がある。
【0009】本発明の目的は、上記の自走式搬送車にさ
らに改良を加えることにより、その搬送車についてより
一層の構造の簡略化及びコストダウンを実現しようとす
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、路面に設置した誘導帯を検
知する走行センサを1つとし、その走行センサの左右検
知部を搬送車の前進状態及び後進状態で切り換えて共用
するようにした。
【0011】具体的には、この発明では、任意の進行方
向に操舵できるように台車の前後左右部にそれぞれ略鉛
直方向の揺動軸回りに揺動自在なキャスタが取り付けら
れているとともに、台車を駆動する駆動輪を有する駆動
ユニットが設けられ、路面に設置した誘導帯に沿って走
行するように構成された自走式搬送車が前提である。
【0012】そして、上記台車の略中央部に、車幅方向
に配列された複数の検知部により上記誘導帯を検知する
走行センサを設けるとともに、搬送車が前進又は後進の
一方の走行状態から他方の走行状態に切り換えられたと
き、上記走行センサの検知部のうち、上記一方の走行状
態で左側にあった検知部を右側の検知部に、また右側に
あった検知部を左側の検知部にそれぞれ切り換えるセン
サ検知部切換制御手段を設ける。
【0013】上記の構成により、搬送車は、路面に設置
した誘導帯を台車の略中央部に配置されている走行セン
サの検知部が検知しながら、駆動ユニットの駆動輪によ
り駆動されて、誘導帯に沿って走行される。また、台車
の前後左右部にそれぞれ略鉛直方向の揺動軸回りに揺動
自在なキャスタが取り付けられているので、これらキャ
スタにより台車が任意の進行方向に操舵される。
【0014】そして、搬送車が前進又は後進の一方の走
行状態(例えば前進状態)から他方の走行状態(同後進
状態)に切り換えられたとき、センサ検知部切換制御手
段により、上記走行センサの検知部のうち、上記一方の
走行状態(同前進状態)で左側にあった検知部が右側の
検知部に、また右側にあった検知部が左側の検知部にそ
れぞれ切り換えられる。このようにして、走行センサの
左右両側の検知部を搬送車の前後進の走行状態に応じて
交互に切り換えることで、1つの走行センサを用いて誘
導帯の検知を行うことができ、走行センサの必要数を減
らしてコストダウンを図ることができるとともに、走行
センサの構造も簡易となる。
【0015】請求項2の発明では、キャスタを台車の直
進状態にロックするための手段を簡略化したものであ
る。すなわち、この発明では、請求項1の発明の前提と
同じ自走式搬送車において、少なくとも台車前部又は台
車後部の一方の左右キャスタにそれぞれ連結された連結
手段と、この各連結手段に所定ストロークだけ相対移動
可能に係合された係合部材と、この各係合部材を移動さ
せる正逆転可能な駆動手段と、この駆動手段の作動によ
り係合部材が移動したときに、上記キャスタの揺動軸回
りの揺動を阻止するロック手段とを備えている。
【0016】そして、上記ロック手段は、上記キャスタ
にそれぞれ固定されてその揺動軸回りに水平方向に揺動
可能に設けられかつ揺動軸の軸心を通る鉛直面上の位置
に該鉛直面に沿って延びる長溝を有するキャスタ側部材
と、上記連結手段に固定され、上記各キャスタ側部材の
長溝に摺動可能に係合して連結手段とキャスタ側部材と
を連結する結合部材と、台車に固定され、上記キャスタ
の揺動軸を中心とする略円弧状でかつ上記結合部材を案
内する案内部、及び該案内部の略中央部に配置され、上
記結合部材を係合するロック溝を有するガイド部材とを
備え、上記駆動手段による係合部材の移動により連結手
段をキャスタの揺動軸から離隔する方向に移動させたと
きに、上記結合部材をガイド部材のロック溝に係合させ
てキャスタを台車の直進方向にセンタリングした状態で
ロック固定する一方、連結手段をキャスタの揺動軸に接
近する方向に移動させたときに、結合部材をガイド部材
のロック溝から離脱させて案内部により案内した状態で
キャスタの揺動軸回りの揺動を許容するように構成され
ているものとする。
【0017】このことで、駆動手段の作動によって係合
部材を移動させることにより、例えば台車進行方向前側
のキャスタをロック解除によって揺動可能に保ち、また
台車進行方向後側のキャスタを揺動不能にロックするこ
とができる。すなわち、例えば台車進行方向前側のキャ
スタを揺動可能にするには、駆動手段により係合部材を
移動させて連結手段をキャスタの揺動軸に接近する方向
に移動させると、この連結手段の接近方向の移動によ
り、その結合部材がガイド部材のロック溝から離脱した
状態となる。この状態では、結合部材が同じガイド部材
の案内部で案内されながらキャスタがその揺動軸回りに
揺動するようになる。尚、このキャスタの揺動に伴い、
上記結合部材がキャスタ側部材の長溝を摺動するととも
に、連結手段が係合部材に対して所定ストロークだけ相
対移動する。
【0018】一方、例えば台車進行方向後側のキャスタ
を揺動不能にするには、駆動手段により係合部材を移動
させて連結手段をキャスタの揺動軸から離隔する方向に
移動させると、この連結手段の離隔方向の移動により、
結合部材がガイド部材のロック溝に係合し、この状態で
は、キャスタが台車の直進方向にセンタリングされた状
態でロック固定される。
【0019】そして、この場合、上記ガイド部材が台車
側に固定され、そのガイド部材の案内部で案内される部
材を、連結手段とキャスタ側部材とを連結する結合部材
により兼用しているので、キャスタを揺動自在又は揺動
不能に切り換えるロック手段の構造を簡略化することが
でき、しかもその組付性やメンテナンスを容易にしてコ
ストダウンを図ることができる。
【0020】請求項3の発明では、上記連結手段と駆動
手段との連結構造を改良したものである。すなわち、こ
の発明では、請求項1の発明の前提と同じ自走式搬送車
において、少なくとも台車前部又は台車後部の一方の左
右キャスタにそれぞれ連結された連結手段と、この各連
結手段に所定ストロークだけ相対移動可能に係合された
係合部材と、台車に回転可能に支持され、外周部に上記
係合部材が固定された回転体と、この回転体を所定角度
範囲だけ正逆転方向に回転駆動する駆動手段と、この駆
動手段の作動により係合部材が移動したときに、上記キ
ャスタの揺動軸回りの揺動を阻止するロック手段とを備
えたことを特徴としている。
【0021】この構成によれば、駆動手段の駆動により
回転体を所定角度範囲だけ正逆転方向に回転させると、
その回転体の外周部に固定された各係合部材が回転体の
軸心回りに回動し、この係合部材の移動に伴いロック手
段が作動してキャスタの揺動軸回りの揺動が阻止され
る。このように回転体の回動によって係合部材を移動さ
せるので、例えば可撓部材により係合部材を移動させる
場合における可撓部材の伸びがなく、駆動ロスを低減し
てストローク管理を容易にできるとともに、可撓部材の
張力調節のためのばね等も不要で、組付性やメンテナン
スを容易化することができる。
【0022】請求項4の発明では、上記請求項2又は3
の自走式搬送車において、連結手段は、一端部がキャス
タに連結された第1リンクと、一端部が該第1リンクの
他端部に揺動可能に連結され、係合部材が係合された第
2リンクとに分割されているものとする。
【0023】こうすれば、連結手段が第1及び第2リン
クによってリンク結合された構造となるので、連結手段
と係合部材との間の相対ストロークが小さくても、キャ
スタの揺動角度を大きくすることができ、搬送車の回転
半径をさらに小さくしてその走行スペースを縮小するこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本発明の実施形態1に係る自走式
搬送車を下面から見た状態を示し、1は矩形状の台車
(AGV:オートガイドビークル)で、上面にはフレー
ム等(図示せず)が立設されており、その上に各種の部
品や製品等が載置される。
【0025】上記台車1下面の前後左右部(尚、台車1
は図1において上下方向に移動するようになっており、
図1の上部が前部に、また下部が後部になる)となる4
つの隅角部にはそれぞれキャスタ3,3,…が取り付け
られている。この各キャスタ3は、図2及び図3に示す
ように、台車1下面にそれぞれ取り付けられる取付板4
と、この取付板4に鉛直方向の揺動軸5を介して回動可
能に支持されたコ字状の軸受部6と、この軸受部6の先
端部(下端部)間に揺動軸5に対しオフセットした位置
にある水平軸部7により支持された車輪8とを備えてい
て、揺動軸5回りに揺動自在とされており、これらキャ
スタ3,3,…によって台車1(搬送車)は任意の進行
方向に操舵できるようになっている。
【0026】台車1下面の前後部にはそれぞれベースプ
レート53,53が、図3に示す如く台車1下面との間
に円筒状カラー54の介在によって一定間隔をあけた状
態でかつ上記カラー54を挿通するボルト55及びナッ
ト56により取付固定されており、上記各キャスタ3の
取付板4はベースプレート53と共に上記ボルト55及
びナット56によって共締めされて台車1に固定されて
いる。
【0027】台車1下面の前後左右中央部には、台車1
上面に搭載したバッテリ10により作動する1台の駆動
ユニット11が揺動可能に取り付けられている。この駆
動ユニット11は、台車1下面に揺動可能に取付支持さ
れたユニット本体12と、このユニット本体12の左右
両側に位置し、かつユニット本体12にそれぞれ左右方
向に延びる独立した駆動軸13,13を介して支持され
た左右1対の駆動輪14,14と、ユニット本体12下
面の中央部、つまり台車1の略中央部に取り付けられた
1つの走行センサ15とを備えている。この走行センサ
15は車幅方向に配列された3つ(3つに限らず、2つ
以上の複数であればよい)の検知部15a,15b,1
5cを有し、これら検知部15a〜15cにより、路面
に設置した誘導帯(図示せず)を光の反射状態等から検
知する。上記ユニット本体12内には、バッテリ10に
より作動して各駆動輪14を駆動軸13により独立して
駆動する電動モータからなる1対の走行モータ(図示せ
ず)が収容されており、路面上の誘導帯を走行センサ1
5で検出して、その誘導帯を追尾するように左右の駆動
輪14,14を独立的に回転駆動することにより、台車
1を路面の誘導帯に沿って駆動走行させるようにしてい
る。
【0028】台車1には各キャスタ3を揺動可能状態と
揺動不能状態とに切り換えるためのキャスタロックユニ
ット17が設けられている。すなわち、台車1の下面に
は上下方向の回転軸心を有する第1〜第7の7つのワイ
ヤプーリ18〜24が回転可能に支持されている(尚、
図1では台車1を下面より見ているために左右が上面か
ら見たものと逆になる)。すなわち、第1及び第2ワイ
ヤプーリ18,19は互いに同径のもので、第1ワイヤ
プーリ18は台車1の前端部の右側(図1では左側)寄
りに、また第2ワイヤプーリ19は台車1の後端部の右
側(図1左側)寄りにそれぞれ配置されている。一方、
第3〜第7ワイヤプーリ20〜24は、上記第1及び第
2ワイヤプーリ18,19よりも小径のもので、第3及
び第4ワイヤプーリ20,21同士は第1ワイヤプーリ
18の斜め左後側(図1では斜め右後側)に該第1ワイ
ヤプーリ18の外径と略同じ間隔をあけて、また第5及
び第6ワイヤプーリ22,23同士は第2ワイヤプーリ
19の斜め左前側(図1では斜め右前側)に該第2ワイ
ヤプーリ19の外径と略同じ間隔をあけてそれぞれ配置
されている。さらに、第7ワイヤプーリ24は、台車1
下面の前後中間部の左端部(図1では右端側)に配置さ
れ、この第7ワイヤプーリ24の左側(図1では右側)
には上下方向の軸心を持つモータプーリ25が支持さ
れ、このモータプーリ25は上記バッテリ10からの制
御信号により作動する正逆転可能なロック切換モータ2
6(駆動手段)の出力軸に取り付けられている。
【0029】上記第1〜第7ワイヤプーリ18〜24及
びモータプーリ25には可撓部材としての無端ループ状
のワイヤ27が巻き掛けられている。詳しくは、このル
ープ状のワイヤ27は、モータプーリ25から第3ワイ
ヤプーリ20、第1ワイヤプーリ18、第4ワイヤプー
リ21、第7ワイヤプーリ24、第6ワイヤプーリ2
3、第2ワイヤプーリ19及び第5ワイヤプーリ22を
経て元のモータプーリ25に戻るように掛けられ、モー
タプーリ25並びに第1、第2、第3及び第5ワイヤプ
ーリ18,19,20,22ではループの内側で、他の
ワイヤプーリ21,23,24では同外側でそれぞれ巻
き掛けられており、ロック切換モータ26の正逆転によ
りワイヤ27をその長さ方向に移動させるようになって
いる。そして、上記第1ワイヤプーリ18の両側に延び
たワイヤ27は第3及び第4ワイヤプーリ20,21の
間で、また第2ワイヤプーリ19の両側に延びたワイヤ
27は第5及び第6ワイヤプーリ22,23の間でそれ
ぞれ互いに略平行に配置されている。これら4箇所の範
囲のワイヤ27はその駆動部27aとされ、この各駆動
部27aの所定位置にはそれぞれ係合ピン28(係合部
材)が移動一体に取付固定されている。
【0030】尚、モータプーリ25と第5ワイヤプーリ
22との間、及び第4ワイヤプーリ21と第7ワイヤプ
ーリ24との間のワイヤ27にはそれぞればねからなる
テンションアジャスト27b,27bが直列に介設され
ており、この各テンションアジャスト27bにより、ワ
イヤ27がモータプーリ25及び各ワイヤプーリ18〜
24に安定して巻き掛けられるようにその張力を一定以
上に保っている。
【0031】上記ワイヤ27は上記各係合ピン28にて
上記各キャスタ3に対応する駆動側プレート31(連結
手段)に連結され、この駆動側プレート31は各キャス
タ3に取り付けたキャスタ側プレート36(キャスタ側
部材)に連結されている。すなわち、ワイヤ27は駆動
側プレート31及びキャスタ側プレート36を介して各
キャスタ3に連結されている。
【0032】図2及び図3に示すように、上記各駆動側
プレート31は上記ワイヤ27における対応する駆動部
27a(図1参照)に沿って延びる細長い板状のもの
で、一端部がキャスタ側プレート36(キャスタ3側)
に連結された第1リンク31aと、一端部が上記第1リ
ンク31aの他端部にピン31cにより揺動可能に連結
された第2リンク31bとに分割されている。この駆動
側プレート31の第2リンク31bにはその長さ方向に
沿って延びる所定長さの長孔32が開口され、この長孔
32には上記ワイヤ27に固定した係合ピン28が摺動
可能に係合されており(図1参照)、このことで各係合
ピン28はそれぞれ駆動側プレート31の第2リンク3
1bに所定ストロークだけ相対移動可能に係合されてい
る。
【0033】一方、上記キャスタ側プレート36も板状
のもので、その基端部が各キャスタ3の軸受部6と一体
の連結板9(図3参照)にボルト止めにより取付固定さ
れている。
【0034】さらに、上記駆動側プレート31の第1リ
ンク31aの一端部には上下方向に延びるヒンジピン3
8(結合部材)の上端部がかしめ結合等により一体的に
取付固定されている。そして、この第1リンク31aの
一端部とキャスタ側プレート36の先端部とは、第1リ
ンク31a(駆動側プレート31)を上側にしかつ一定
間隔をあけた重ね状態で基本的に上記ヒンジピン38に
より水平面内で揺動可能に連結され、この両プレート3
1,36の連結部分には、上記ロック切換モータ26の
作動によりワイヤ27が長さ方向に移動したときに上記
キャスタ3の揺動軸5回りの揺動を阻止するロック機構
41が設けられている。
【0035】上記ロック機構41は、台車1に固定され
たガイド部材42を備えている。すなわち、このガイド
部材42は図5に示す如く略C字状の板材からなり、そ
の内周縁部は略円弧状の案内部43に形成されており、
この案内部43の円弧中心が各キャスタ3の揺動軸5に
一致した状態でガイド部材42が台車1に後述のボルト
46及びナット47により固定される。また、案内部4
3の略中央部には凹陥状に切り欠いてなるロック溝44
が設けられ、このロック溝44近くの案内部43は他の
部分よりも曲率半径の大きい円弧形状(又はテーパ形状
でもよい)に形成されている。そして、ガイド部材42
は、上記駆動側プレート31の第1リンク31aの一端
部とキャスタ側プレート36の先端部との間の高さ位置
に、図6に示す如く台車1下側の上記ベースプレート5
3にカラー45の介在によってベースプレート53下面
と所定間隔をあけた状態でかつ上記カラー45を挿通す
るボルト46及びナット47により取付固定されてい
る。尚、図2及び図4〜図6中、42aはガイド部材4
2に上記ボルト46を挿通するためのボルト孔である。
【0036】さらに、上記駆動側プレート31の第1リ
ンク31aの一端部とキャスタ側プレート36の先端部
とを連結するヒンジピン38の上下中間部にはベアリン
グからなるローラ48が回転自在に支持されており、こ
のローラ48は、上記ガイド部材42の案内部43に転
動状態で案内されかつガイド部材42のロック溝44に
対しては嵌合状態で係合するようになっている。
【0037】また、上記キャスタ側プレート36には、
キャスタ3の揺動軸5の軸心を通る鉛直面上の位置に該
鉛直面に沿って延びる貫通状の長溝49が貫通形成さ
れ、この長溝49には、上記駆動側プレート31の第1
リンク31aにおけるヒンジピン38の下端部が摺動可
能に係合されており、上記ロック切換モータ26の駆動
によるワイヤ27の移動により、そのワイヤ27上の各
係合ピン28をキャスタ3の揺動軸5から離隔する方向
に移動させてその係合ピン28が長孔32の一方の端部
に当接するストロークエンドで駆動側プレート31を同
じ離隔方向に移動させたときに、ヒンジピン38上のロ
ーラ48がガイド部材42のロック溝44に係合してキ
ャスタ3を台車1の直進方向にセンタリングした状態で
ロック固定する。一方、係合ピン28をキャスタ3の揺
動軸5に接近する方向に移動させてその係合ピン28が
長孔32の他方の端部に当接するストロークエンドで駆
動側プレート31を同じ接近方向に移動させたときに、
ヒンジピン38をガイド部材42の案内部43で転動案
内した状態でキャスタ3の揺動軸5回りの揺動を許容す
るようになっている。
【0038】そして、図4に示すように、上記駆動側プ
レート31の第2リンク31bにおける長孔32の長さ
L1と、キャスタ側プレート36の長溝49の長さL2
との和は、上記係合ピン28の移動長さ(ストローク)
に設定されている。また、上記キャスタ側プレート36
の長溝49の長さL2は、上記ヒンジピン38がキャス
タ側プレート36の長溝49におけるキャスタ側端部に
あるときにヒンジピン38上のローラ48がガイド部材
42のロック溝44から離脱するように設定されてい
る。
【0039】再び図1に示すように、台車1上面の右側
部には上記駆動ユニット11の走行モータ及びロック切
換モータ26を駆動制御する制御装置50(制御手段)
が取り付けられている。この制御装置50には、上記駆
動ユニット11における走行センサ15の出力信号と、
台車1の左側面前後端部(下面から見た図1では右側面
前後端部)にそれぞれ取り付けた前後1対の反転信号検
出スイッチ51,51からの反転信号とが入力されてい
る。上記各反転信号検出スイッチ51は、路面上の誘導
帯側方上部に配置されている反転指示手段としてのドグ
(図示せず)と接触したときにその指示を受けて反転信
号を出力する。尚、この各反転信号検出スイッチ51
は、台車1の進行方向の右側部又は左右両側部、或いは
その他の任意の位置に取り付けてもよい。
【0040】上記制御装置50は、上記キャスタロック
ユニット17のロック切換モータ26を駆動して各キャ
スタ3のロック機構41を制御する機能を有する。この
制御装置50において台車1の前後進の切換えのために
行われる処理動作を図7により説明すると、まず、ステ
ップS1で台車1が前進又は後進の走行状態にあると
き、ステップS2で反転信号検出スイッチ51,51の
いずれかから反転信号が入力されたかどうかを判定す
る。この判定がNOのときにはステップS1,S2を繰
り返すが、YESになると、前進状態にある台車1を後
進状態に、又は後進状態にある台車1を前進状態にそれ
ぞれ切り換える反転動作を行わせる。
【0041】すなわち、ステップS3において、駆動ユ
ニット11の走行モータを停止させ、その駆動輪14,
14の駆動を停止させる。次いで、ステップS4で前進
状態かどうかを判定し、この判定が「AGV前進」のY
ESのときには、ステップS5に進み、駆動ユニット1
1の走行センサ15の左右に並んだ検知部15a〜15
cのうち、前進状態で見て左側にある検知部15aをそ
のまま左側の検知部として、また前進状態で見て右側に
ある検知部15cをそのまま右側の検知部としてそれぞ
れセンシングするように設定する。一方、ステップS4
の判定が「AGV後進」のNOのときには、ステップS
6に進み、上記3つの検知部15a〜15cのうち、前
進状態で見て左側にある検知部15aを右側の検知部と
して、また前進状態で見て右側にある検知部15cを左
側の検知部としてそれぞれセンシングするように設定す
る。尚、上記走行センサ15の検知部15a〜15cの
切換えと走行モータの停止とを同時に並行させる、或い
は走行センサ15の検知部15a〜15cの切換えを走
行モータの停止前に切り換えるようにしてもよい。
【0042】これらステップS5,S6の後はステップ
S7に進み、キャスタロックユニット17のロック切換
モータ26を作動させ、台車進行方向の切換後に進行方
向前側となる左右のキャスタ3,3を揺動自在な状態に
ロック解除し、また進行方向後側となる左右のキャスタ
3,3は揺動不能な状態にロックする。
【0043】具体的には、揺動不能にロックされている
各キャスタ3については、その駆動側プレート31の長
孔32に係合されている係合ピン28をワイヤ27の移
動によってキャスタ3に近付く側に移動させ、その係合
ピン28が長孔32のキャスタ側端部まで移動した後に
係合ピン28で駆動側プレート31をキャスタ3側に押
してヒンジピン38がキャスタ側プレート36の長溝4
9で摺動する範囲だけキャスタ3側に相対移動させ、こ
の駆動側プレート31の相対移動によりガイド部材42
のロック溝44に係合していたヒンジピン38上のロー
ラ48を該ロック溝44から離脱させ、このことでキャ
スタ3を揺動可能にロック解除する。一方、逆に、揺動
可能にロック解除されている各キャスタ3については、
その駆動側プレート31の長孔32に係合されている係
合ピン28をワイヤ27の移動によってキャスタ3から
離れる側に移動させ、その係合ピン28が長孔32のキ
ャスタ反対側端部まで移動した後に係合ピン28で駆動
側プレート31をキャスタ3と反対側に押してヒンジピ
ン38が長溝49で摺動する範囲だけキャスタ3と反対
側に相対移動させ、この駆動側プレート31の相対移動
によりガイド部材42のロック溝44にローラ48を係
合させ、このことでキャスタ3を台車1の直進方向にセ
ンタリングして揺動不能にロック固定する。
【0044】このようなキャスタロックユニット17の
作動後、ステップS8でその作動が完了したかどうかの
判定を待ち、この判定がNOの場合にはステップS7,
S8を繰り返すが、作動完了によりYESと判定される
と、ステップS9に移行し、駆動ユニット11の走行モ
ータをそれまでとは逆方向に回転させて台車1の反転走
行を開始させる。
【0045】この実施形態では、上記ステップS4〜S
6により、搬送車が前進又は後進の一方の走行状態から
他方の走行状態に切り換えられたとき、上記走行センサ
15の検知部15a〜15cのうち、上記一方の走行状
態で左側にあった検知部(例えば15a)を右側の検知
部に、また右側にあった検知部(例えば15c)を左側
の検知部にそれぞれ切り換えるセンサ検知部切換制御手
段52が構成される。
【0046】次に、上記実施形態の作用について説明す
る。台車1が前進又は後進の走行状態にあるとき、その
走行センサ15による路面上の誘導帯の追尾検知により
台車1が誘導帯に沿って走行する。
【0047】このとき、キャスタロックユニット17の
作動により台車進行方向前側の左右キャスタ3,3は揺
動可能にロック解除され、台車進行方向後側の左右キャ
スタ3,3は揺動不能にロックされている。すなわち、
台車進行方向前側にある左右の各キャスタ3について
は、図1で下側にて示すように、ワイヤ27の駆動部2
7aに固定されている係合ピン28が駆動側プレート3
1における第1リンク31aの長孔32におけるキャス
タ側端部まで移動した後に駆動側プレート31をキャス
タ3側に押して、駆動側プレート31と一体のヒンジピ
ン38がキャスタ側プレート36の長溝49で摺動する
範囲だけキャスタ3側に相対移動し、そのヒンジピン3
8上のローラ48がガイド部材42のロック溝44から
離脱しており、このことでキャスタ3がロック解除され
ている。そして、このロック解除状態では、係合ピン2
8は駆動側プレート31の長孔32のキャスタ側端部に
位置しているため、台車1が旋回走行する際には、図4
に仮想線にて示すように、キャスタ3の揺動軸5回りの
揺動に伴い、そのキャスタ3と一体に揺動するキャスタ
側プレート36に追従した状態で駆動側プレート31が
その長孔32で係合ピン28を摺動させながら長さ方向
に移動し、このことで、ヒンジピン38上のローラ48
がガイド部材42の案内部43上を転動案内されながら
キャスタ3の自在な揺動が可能となる。
【0048】一方、台車進行方向後側の左右の各キャス
タ3については、図1上側に示すように、ワイヤ27の
駆動部27aに固定されている係合ピン28が駆動側プ
レート31における第1リンク31aの長孔32におけ
るキャスタ反対側端部まで移動した後に駆動側プレート
31をキャスタ3から離れる側に押して、その駆動側プ
レート31のヒンジピン38がキャスタ側プレート36
の長溝49で摺動する範囲だけキャスタ3と反対側に相
対移動し、そのヒンジピン38上のローラ48がガイド
部材42のロック溝44に係合しており、このことでキ
ャスタ3が台車1の直進方向にセンタリングされて揺動
不能にロックされている。
【0049】このキャスタ3のロック状態では、台車1
に固定したガイド部材42のロック溝44に駆動側プレ
ート31のヒンジピン38上のローラ48が係合されて
いるので、そのヒンジピン38は実質的に台車1に係合
固定されることなり、キャスタ3のロック固定が確実に
かつ強固に行われ、キャスタロックの信頼性やロック機
構41の耐久性を向上させることができる。
【0050】このような台車1の走行中、その進行方向
前側の反転信号検出スイッチ51が路面上の誘導帯側方
上部に配置されているドグと接触すると、その反転信号
検出スイッチ51から反転信号が出力されて制御装置5
0に入力され、この反転信号の入力に伴い、台車1の進
行方向が反転され、前進状態にある台車1は後進状態
に、また後進状態にあるときには前進状態にそれぞれ切
り換えられる。
【0051】この反転時、まず、駆動ユニット11の走
行モータが作動停止し、駆動輪14,14の駆動停止に
より台車1の走行が止まる。その後、駆動ユニット11
の前後部にある走行センサ15の3つの検知部15a〜
15cのうち、それまで左側にあった検知部(例えば検
知部15a)が右側の検知部として、また同様に右側に
あった検知部(例えば検知部15c)が左側の検知部と
してそれぞれセンシング状態が切り換えられる。従っ
て、このように、1つの走行センサ15の3つの検知部
15a〜15cのうち左右両側の検知部15a,15c
を搬送車の前後進の走行状態に応じて交互に切り換える
だけで、誘導帯の検知を行うことができ、走行センサ1
5の設置数を減らしてコストダウンを図ることができる
とともに、走行センサ15の構造も簡易となる。
【0052】次いで、ロック切換モータ26の制御によ
りキャスタロックユニット17が作動し、それまでは台
車進行方向後側にあって揺動不能にロックされていた左
右のキャスタ3,3が揺動自在な状態にロック解除さ
れ、また進行方向前側から後側に変化する左右のキャス
タ3,3は揺動不能な状態にロックされる。すなわち、
上記進行方向後側にあって揺動不能にロックされていた
キャスタ3,3については、ワイヤ27の移動により係
合ピン28が駆動側プレート31の長孔32を摺動しな
がらキャスタ3に近付く側に移動し、その係合ピン28
は長孔32のキャスタ側端部まで移動すると、その後は
駆動側プレート31をキャスタ3側に押す。このことで
駆動側プレート31はヒンジピン38がキャスタ側プレ
ート36の長溝49で摺動する範囲だけキャスタ3側に
相対移動し、この駆動側プレート31の相対移動により
ガイド部材42のロック溝44に係合していたローラ4
8が該ロック溝44から離脱し、その結果、キャスタ3
のロックが解除される。
【0053】一方、逆に、それまで進行方向前側にあっ
て揺動可能にロック解除されていたキャスタ3,3につ
いては、ワイヤ27の移動により係合ピン28が駆動側
プレート31の長孔32を摺動しながらキャスタ3から
離れる側に移動し、その係合ピン28は長孔32のキャ
スタ反対側端部まで移動した後に駆動側プレート31を
キャスタ3と反対側に押し、このことで駆動側プレート
31はヒンジピン38が長溝49で摺動する範囲だけキ
ャスタ3と反対側に相対移動する。この駆動側プレート
31の相対移動によりそれと一体の上記ヒンジピン38
上のローラ48がガイド部材42のロック溝44に係合
し、よってキャスタ3が台車1の直進方向にセンタリン
グされて揺動不能にロック固定される。
【0054】このとき、図4に示すように、上記駆動側
プレート31がキャスタ3から離れる方向に移動する
と、ローラ48がガイド部材42内周縁の案内部43に
沿って移動することにより、ヒンジピン38がキャスタ
側プレート36を強制的に回動させる。その結果、ロー
ラ48がガイド部材42のロック溝44に係合した状態
では、キャスタ3が台車1の直進方向にセンタリングさ
れる。
【0055】また、このようにローラ48がガイド部材
42の案内部43に沿って移動してロック解除状態から
ロック状態に移行する際、ワイヤ27の係合ピン28か
らロックピン45に作用する力のうち、係合ピン28と
キャスタ揺動軸5とを通る鉛直面に向かう方向の分力
は、ローラ48がロック溝44に近付いた位置にある状
態の方が、同ロック溝44から離れた位置にある状態よ
りも小さくなるので、ローラ48がロック溝44に近付
いてもスムーズにロック溝44に嵌合し難くなる。しか
し、この実施形態では、上記ロック溝44両側の案内部
43が他の部分よりも大きい曲率半径の円弧形状(又は
テーパ形状)に形成されているので、上記のようにロー
ラ48へ作用する分力が小さくなっても、ローラ48を
案内部43で案内しながらスムーズにロック溝44に嵌
合させることができる。
【0056】このキャスタロックユニット17の作動
後、駆動ユニット11の走行モータがそれまでとは逆方
向に回転して台車1が反転走行を開始する。
【0057】したがって、この実施形態では、上記のよ
うに、本来は揺動自在である4個の自在キャスタ3,
3,…のうち、台車進行方向前側の左右キャスタ3,3
についてはそのまま揺動自在とするが、後側のキャスタ
3,3を揺動不能にロックするので、1台の駆動ユニッ
ト11であっても台車1を安定して前後進させることが
でき、よって前後進可能の自走式搬送車を簡単な構造で
安価に製造することができる。
【0058】また、ロック切換モータ26によるワイヤ
27の移動により係合ピン28を駆動側プレート31の
長孔32で摺動させ、その係合ピン28の長溝49のス
トロークエンドで駆動側プレート31を係合ピン28
(ワイヤ27)と共にキャスタ側プレート36及びガイ
ド部材42に対し相対移動させて、駆動側プレート31
のヒンジピン38上のローラ48をガイド部材42のロ
ック溝44に対し係脱させるので、キャスタ3のロック
又はそのロック解除の切換えを簡単な構造で容易に行う
ことができる。
【0059】さらに、上記駆動側プレート31の長孔3
2の長さL1とキャスタ側プレート36の長溝49の長
さL2との和が上記係合ピン28の移動長さに設定さ
れ、しかも、上記長溝49の長さL2は、ヒンジピン3
8が長溝49におけるキャスタ側端部にあるときにロー
ラ48がガイド部材42のロック溝44から離脱するよ
うに設定されるので、上記のように、ワイヤ27の移動
により駆動側プレート31がキャスタ3の揺動軸5に対
し接近又は離隔する方向に移動したときに、ローラ48
とガイド部材42のロック溝44とを確実に係脱させる
ことができる。
【0060】また、1台の駆動ユニット11が台車1の
略中央部に配置されているので、この駆動ユニット11
を台車1の前後方向の一側に配置する場合に比べ、台車
1の旋回半径を小さくすることができ、狭いスペースで
台車1を走行させることができる。
【0061】さらにまた、反転信号検出スイッチ51が
台車1外のドグと接触して、この反転信号検出スイッチ
51から反転信号が出力されたとき、まず、台車1の走
行が停止されて、走行センサ15の検知部15a〜15
cが切り換えられ、その後、前後キャスタ3,3,…の
ロック及びロック解除が切り換えられるので、台車1の
前後進反転の際に、使用する走行センサ15の検知部1
5a〜15cの作動切換えと、キャスタ3,3,…のロ
ック切換えとをスムーズに行うことができる。
【0062】また、上記キャスタロックユニット17に
おけるロック機構41のガイド部材42を台車1側に固
定し、そのガイド部材42の案内部43で案内されるロ
ーラ48を、駆動側プレート31とキャスタ側プレート
36とを連結するヒンジピン38上に回転自在に支持し
て、ヒンジピン38により案内及び連結の両機能を兼用
しているので、キャスタ3を揺動自在又は揺動不能に切
り換えるロック機構41の構造を簡略化することがで
き、しかもその組付性やメンテナンスを容易にしてコス
トダウンを図ることができる。
【0063】さらにまた、駆動側プレート31が第1及
び第2リンク31a,31bに2分割され、両リンク3
1a,31bがリンク結合されているので、駆動側プレ
ート31と係合ピン28との間の相対ストロークが小さ
くても、キャスタ3の揺動角度を大に確保することがで
き、搬送車の回転半径を小さくしてその走行スペースを
縮小することができる。
【0064】尚、この実施形態1では、ワイヤ27によ
り駆動側プレート31を移動させるようにしているが、
その他、チェーンや紐等の各種の可撓部材を使用するこ
とができる。また、無端の可撓部材に代え、有端の可撓
部材を用いることもできる。
【0065】(実施形態2)図8及び図9は本発明の実
施形態2を示し(尚、図1と同じ部分については同じ符
号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態
1では、台車1に1本のワイヤ27を張り渡し、1つの
ロック切換モータ26により4つのキャスタ3,3,…
のロック又はロック解除を切り換えるようにしている
が、駆動手段をそれぞれ前後に独立して設けたものであ
る。
【0066】すなわち、この実施形態では、台車1下面
の前部及び後部において1対の駆動側プレート31,3
1間にそれぞれ回転体57が配置されている。この各回
転体57は、図9に示す如く、ベースプレート53下面
に取付固定したロック切換モータ26の出力軸に回転一
体に取り付けられていて、台車1に回転可能に支持され
ている。この回転体57の下面外周部において回転軸心
に対し対称な位置に、上記各駆動側プレート31におけ
る第2リンク31bの長孔32に係合する係合ピン2
8,28が配設されている。そして、各ロック切換モー
タ26は制御装置50からの制御信号により回転体57
を所定角度範囲だけ正逆転方向に駆動するものとされて
おり、このロック切換モータ26による回転体57の回
転駆動により係合ピン28を長孔32内で駆動側プレー
ト31に対し相対移動させるとともに、そのストローク
エンドで駆動側プレート31を係止して一体的に移動さ
せるようになっている。その他の構成は上記実施形態1
と同様である。
【0067】したがって、この実施形態においては、キ
ャスタ3をロック又はロック解除状態に切り換えると
き、ロック切換モータ26の駆動により回転体57を所
定角度範囲だけ正逆転方向に回転させる。すなわち、例
えば図8上側に示す回転体57を反時計回り方向に回動
させたときには(図8はその状態を示している)、回転
体57の外周部に固定された各係合ピン28が回転体5
7の軸心回りに回動してキャスタ3の揺動軸5から離れ
る方向に移動し、この係合ピン28が駆動側プレート3
1における長孔32の反キャスタ側端部に係止すると、
その駆動側プレート31がキャスタ3の揺動軸5と反対
側に移動し、このことでロック機構41のヒンジピン3
8上のローラ48がガイド部材42のロック溝44に係
合して、キャスタ3がその揺動軸5回りの揺動を阻止さ
れた状態でセンタリングされる。
【0068】一方、例えば図8上側の回転体57を反時
計回り方向に回動させたときには(図8はその状態を示
している)、回転体57外周部の各係合ピン28がキャ
スタ3の揺動軸5に接近する方向に移動し、この係合ピ
ン28が駆動側プレート31における長孔32のキャス
タ側端部に係止すると、その駆動側プレート31がキャ
スタ3の揺動軸5側に移動し、このことでヒンジピン3
8上のローラ48がガイド部材42のロック溝44から
脱出して、キャスタ3の揺動軸5回りの揺動が許容され
る。
【0069】このように回転体57の回動によって係合
ピン28及び駆動側プレート31を移動させるので、上
記実施形態1の場合のようなワイヤ27の伸びはなく、
駆動ロスを低減してストローク管理が容易になるととも
に、ワイヤ27等の張力調節のためのテンションアジャ
スト27b等も不要で、組付性やメンテナンスを簡単に
できる利点がある。
【0070】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1の発明によ
ると、台車の前後左右部にそれぞれ揺動自在なキャスタ
が取り付けられ、駆動ユニットの駆動輪の駆動により路
面上の誘導帯に沿って走行する自走式搬送車に対し、台
車の略中央部に、車幅方向に配列された複数の検知部に
より誘導帯を検知する走行センサを設け、搬送車が前進
又は後進の一方の走行状態から他方の走行状態に切り換
えられたとき、走行センサにおける一方の走行状態で左
側にあった検知部を右側の検知部に、また右側にあった
検知部を左側の検知部にそれぞれ切り換えるようにした
ことにより、搬送車の前進又は後進のいずれの走行状態
でも1つの走行センサの検知部により誘導帯の検知を行
うことができ、走行センサ数の低減によるコストダウン
及びセンサ構造の簡易化を図ることができる。
【0071】請求項2の発明によると、台車の少なくと
も前部又は後部の一方の左右キャスタにそれぞれ連結手
段を連結し、この各連結手段に係合部材を所定ストロー
クだけ相対移動可能に係合し、この各係合部材を正逆転
可能な駆動手段により移動させてキャスタの揺動軸回り
の揺動を阻止するロック手段を設け、このロック手段
は、キャスタにそれぞれ固定されてその揺動軸回りに水
平方向に揺動可能に設けられかつ長溝を有するキャスタ
側部材と、連結手段に固定され、各キャスタ側部材の長
溝に摺動可能に係合して連結手段及びキャスタ側部材を
連結する結合部材と、台車に固定され、略円弧状の案内
部及びロック溝を有するガイド部材とを備え、係合部材
の移動により連結手段をキャスタの揺動軸から離隔する
方向にさせたときに、結合部材をガイド部材のロック溝
に係合させてキャスタを台車の直進方向にロック固定す
る一方、連結手段をキャスタの揺動軸に接近する方向に
移動させたときに、結合部材をガイド部材のロック溝か
ら離脱させて案内部により案内した状態でキャスタの揺
動軸回りの揺動を許容するものとしたことにより、キャ
スタを揺動自在又は揺動不能に切り換えるロック機構の
簡略化、その組付性やメンテナンスの容易化及びコスト
ダウンを図ることができる。
【0072】請求項3の発明によると、台車の少なくと
も前部又は後部の一方の左右キャスタにそれぞれ連結手
段を連結し、この各連結手段に係合部材を所定ストロー
クだけ相対移動可能に係合し、この各係合部材を、台車
に回転可能に支持された回転体の外周部に固定し、この
回転体を所定角度範囲だけ正逆転方向に回転駆動するよ
うにしたことにより、回転体の回動によって係合部材を
移動させるので、係合部材に対する駆動ロスを低減して
ストローク管理の容易化を図るとともに、組付性やメン
テナンスの簡単化を図ることができる。
【0073】請求項4の発明によると、請求項2又は3
の発明において、連結手段を互いに連結された第1及び
第2リンクに分割したことにより、連結手段と係合部材
との間の相対ストロークが小さくても、キャスタの揺動
角度を大きくすることができ、搬送車の回転半径の減少
により狭いスペースでの台車走行を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1において搬送車の台車下面
に取り付けられた機器の構成を概略的に示す平面図であ
る。
【図2】キャスタ及びその周辺の構造を一部分解して示
す拡大斜視図である。
【図3】キャスタ及びその周辺の構造を示す拡大正面図
である。
【図4】係合ピンの移動位置に応じたキャスタのロック
状態及びロック解除状態を示す説明図である。
【図5】ガイド部材及びヒンジピンの関係を示す拡大平
面図である。
【図6】ガイド部材の取付構造を示す正面図である。
【図7】制御装置で行われる前後進切換えの処理動作を
示すフローチャート図である。
【図8】実施形態2を示す図1相当図である。
【図9】実施形態2における回転体取付構造を示す正面
図である。
【符号の説明】
1 台車 4 キャスタ 5 揺動軸 11 駆動ユニット 15 走行センサ 15a〜15c 検知部 17 キャスタロックユニット 26 ロック切換モータ(駆動手段) 27 ワイヤ 28 係合ピン(係合部材) 31 駆動側プレート(連結手段) 31a 第1リンク 31b 第2リンク 32 長孔(係合部) 36 キャスタ側プレート(キャスタ側部材) 38 ヒンジピン(結合部材) 41 ロック機構(ロック手段) 42 ガイド部材 43 案内部 44 ロック溝 48 ローラ 49 長溝 50 制御装置 51 反転信号検出スイッチ 52 センサ検知部切換手段 57 回転体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の進行方向に操舵できるように台車
    の前後左右部にそれぞれ略鉛直方向の揺動軸回りに揺動
    自在なキャスタが取り付けられているとともに、台車を
    駆動する駆動輪を有する駆動ユニットが設けられ、路面
    に設置した誘導帯に沿って走行するように構成された自
    走式搬送車において、 上記台車の略中央部に、車幅方向に配列された複数の検
    知部により上記誘導帯を検知する走行センサを設け、 搬送車が前進又は後進の一方の走行状態から他方の走行
    状態に切り換えられたとき、上記走行センサの検知部の
    うち、上記一方の走行状態で左側にあった検知部を右側
    の検知部に、また右側にあった検知部を左側の検知部に
    それぞれ切り換えるセンサ検知部切換制御手段を設けた
    ことを特徴とする自走式搬送車。
  2. 【請求項2】 任意の進行方向に操舵できるように台車
    の前後左右部にそれぞれ略鉛直方向の揺動軸回りに揺動
    自在なキャスタが取り付けられているとともに、台車を
    駆動する駆動輪を有する駆動ユニットが設けられ、路面
    に設置した誘導帯に沿って走行するように構成された自
    走式搬送車において、 少なくとも台車前部又は台車後部の一方の左右キャスタ
    にそれぞれ連結された連結手段と、 上記各連結手段に所定ストロークだけ相対移動可能に係
    合された係合部材と、 上記各係合部材を移動させる正逆転可能な駆動手段と、 上記駆動手段の作動により係合部材が移動したときに、
    上記キャスタの揺動軸回りの揺動を阻止するロック手段
    とを備え、 上記ロック手段は、上記キャスタにそれぞれ固定されて
    その揺動軸回りに水平方向に揺動可能に設けられかつ揺
    動軸の軸心を通る鉛直面上の位置に該鉛直面に沿って延
    びる長溝を有するキャスタ側部材と、 上記連結手段に固定され、上記各キャスタ側部材の長溝
    に摺動可能に係合して連結手段とキャスタ側部材とを連
    結する結合部材と、 台車に固定され、上記キャスタの揺動軸を中心とする略
    円弧状でかつ上記結合部材を案内する案内部と、該案内
    部の略中央部に配置され、上記結合部材を係合するロッ
    ク溝とを有するガイド部材とを備え、 上記駆動手段による係合部材の移動により、連結手段を
    キャスタの揺動軸から離隔する方向に移動させたとき
    に、上記結合部材をガイド部材のロック溝に係合させて
    キャスタを台車の直進方向にセンタリングした状態でロ
    ック固定する一方、連結手段をキャスタの揺動軸に接近
    する方向に移動させたときに、結合部材をガイド部材の
    ロック溝から離脱させて案内部により案内した状態でキ
    ャスタの揺動軸回りの揺動を許容するように構成されて
    いることを特徴とする自走式搬送車。
  3. 【請求項3】 任意の進行方向に操舵できるように台車
    の前後左右部にそれぞれ略鉛直方向の揺動軸回りに揺動
    自在なキャスタが取り付けられているとともに、台車を
    駆動する駆動輪を有する駆動ユニットが設けられ、路面
    に設置した誘導帯に沿って走行するように構成された自
    走式搬送車において、 少なくとも台車前部又は台車後部の一方の左右キャスタ
    にそれぞれ連結された連結手段と、 上記各連結手段に所定ストロークだけ相対移動可能に係
    合された係合部材と、 台車に回転可能に支持され、外周部に上記係合部材が固
    定された回転体と、 上記回転体を所定角度範囲だけ正逆転方向に回転駆動す
    る駆動手段と、 上記駆動手段の作動により係合部材が移動したときに、
    上記キャスタの揺動軸回りの揺動を阻止するロック手段
    とを備えたことを特徴とする自走式搬送車。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3の自走式搬送車におい
    て、 連結手段は、一端部がキャスタに連結された第1リンク
    と、一端部が該第1リンクの他端部に揺動可能に連結さ
    れ、係合部材が係合された第2リンクとに分割されてい
    ることを特徴とする自走式搬送車。
JP20789697A 1997-08-01 1997-08-01 自走式搬送車 Expired - Fee Related JP3222809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20789697A JP3222809B2 (ja) 1997-08-01 1997-08-01 自走式搬送車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20789697A JP3222809B2 (ja) 1997-08-01 1997-08-01 自走式搬送車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1148961A true JPH1148961A (ja) 1999-02-23
JP3222809B2 JP3222809B2 (ja) 2001-10-29

Family

ID=16547378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20789697A Expired - Fee Related JP3222809B2 (ja) 1997-08-01 1997-08-01 自走式搬送車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3222809B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006069447A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Mitsuba Corp パワーアシスト付き搬送装置
JP2011068294A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Ishikame Kogyo:Kk 搬送台車の車輪装置
JP2016088127A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 トヨタ自動車東日本株式会社 車両搬送装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006069447A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Mitsuba Corp パワーアシスト付き搬送装置
JP2011068294A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Ishikame Kogyo:Kk 搬送台車の車輪装置
JP2016088127A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 トヨタ自動車東日本株式会社 車両搬送装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3222809B2 (ja) 2001-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU722182B2 (en) Car washing machine
JP6105840B2 (ja) 台車搬送システム
KR20010032858A (ko) 단일 화물 이송용 분리 컨베이어
JP3222809B2 (ja) 自走式搬送車
JPH06211129A (ja) 案内線路に沿って案内される床面走行形搬送車両を有する搬送装置
JP3222772B2 (ja) 自走式搬送車
KR102381785B1 (ko) 주행 시스템
JP2000006797A (ja) 有軌道台車システム
JPH09267746A (ja) 搬送車と台車の連結案内装置
JPH1185272A (ja) トンネル内搬送設備
JP3323167B2 (ja) 回転扉の扉支持機構
JP3331820B2 (ja) 搬送装置
JP3331821B2 (ja) 搬送装置
JP2974772B2 (ja) ワークを運搬するための装置
JP2766440B2 (ja) 軌条走行車両
JPS5833143B2 (ja) 複動式トロリ・コンベヤにおけるハンガ−吊下げ装置
JP2547179Y2 (ja) 有軌道台車の従動輪
JP4831881B2 (ja) 台車搬送装置
JP3731701B2 (ja) 物品収納設備
JP4260292B2 (ja) マンコンベア
JPH09221023A (ja) 搬送用電車の走行ガイド装置
KR19990036356A (ko) 입체주차설비
KR930006251Y1 (ko) 소형무인운반차용 조향 및 구동장치
JPH0122730Y2 (ja)
JPS603011Y2 (ja) 進路切換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010731

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees