JPH11335495A - 新規なラテックス及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

新規なラテックス及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH11335495A
JPH11335495A JP10159886A JP15988698A JPH11335495A JP H11335495 A JPH11335495 A JP H11335495A JP 10159886 A JP10159886 A JP 10159886A JP 15988698 A JP15988698 A JP 15988698A JP H11335495 A JPH11335495 A JP H11335495A
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栄一 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、ハロゲン化銀写真感光材料の
圧力カブリを低減させ、同時に保存性やカバーリングパ
ワーの向上を図ること、及びこれを実現するための活性
メチレンラテックスを提供することにある。 【解決手段】活性メチレン基を有するエチレン性不飽和
モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジ
エン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導
される繰り返し単位を有するポリマーが、アニオン性の
水溶性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造される
ことを特徴とするラテックスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアセトアセト
キシ基含有ラテックス及びこれを用いたハロゲン化銀写
真感光材料に関し、詳しくはハロゲン化銀感光材料の保
存性及び圧力カブリ、カバーリングパワーを改良する新
規なアセトアセトキシ基含有ラテックス及びこれを用い
たハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料を構成する親
水性コロイド層は、一般にゼラチンを主として用いられ
ているが、感光材料の表面が異物と擦れたりすると、親
水性コロイド層が破壊されない弱い力であっても、バイ
ンダーであるゼラチンを通じて、ハロゲン化銀に圧力が
かかりカブリを生じる。
【0003】圧力カブリについては、従来より様々な改
良が提案されている。例えば、ハロゲン化銀乳剤層のバ
インダーを増量する方法、特開昭50−56227号に
記載のような乳剤層にポリマーラテックスを添加する方
法、特開昭53−13923号、同53−85421号
に記載のような乳剤層に高沸点有機溶剤を添加する方法
が、また、コロイダルシリカを添加する方法が、特開平
1−177033号では複合ラテックスを添加する方
法、特開平7−295130号、同7−239523号
では活性メチレン基を有するポリマーラテックスを添加
する方法も知られている。しかしながら、ハロゲン化銀
写真感光材料は益々タフネスを要求されるようになり、
これらの技術では、十分な効果が得られないばかりでな
く、保存性の低下や、カバーリングパワー低下を伴う傾
向にあった。
【0004】また、活性メチレンラテックスを感光材料
に含有させる技術については、この他従来よりウェット
時のゼラチン膜の強度を上げる方法としても提案されて
いる。特公昭45−5819号、同46−22507
号、特開昭50−73625号、特開平8−24854
8号、特開平8−201950号には、活性メチレン基
を有するポリマーラテックスを用いてウェット時の膜強
度を向上させることが記載されている。また、水溶性ポ
リマーの存在下で重合した活性メチレンラテックスとし
て特開昭52−22030号にビニルアセテートと活性
メチレン基含有モノマーの共重合ラテックスが記載され
ている。しかしながら、ビニルアセテートと活性メチレ
ン基含有モノマーの共重合ラテックスの感光材料への応
用例はない。
【0005】本発明者らは、擦れによって発生する圧力
によるハロゲン化銀のカブリの発生を、ゼラチンバイン
ダーに活性メチレン基を有するラテックスによって保存
性やカバーリングパワーの低下等の問題が発生せずに改
善することを検討し、水溶性ポリマーの存在下で重合し
た活性メチレンラテックスが圧力カブリの改良効果のみ
ならず、保存性やカバーリングパワーの改良も行えるこ
とを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ハロ
ゲン化銀写真感光材料の圧力カブリを低減させ、同時に
保存性やカバーリングパワーの向上を図ること、及びこ
れを実現するための活性メチレンラテックスを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、 1.活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマー
から誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エステル、
アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジエン類か
ら選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰
り返し単位を有するポリマーが、アニオン性の水溶性ポ
リマーを含む水溶液中の乳化重合で製造されることを特
徴とするラテックス、
【0008】2.アニオン性の水溶性ポリマーがエチレ
ン性不飽和モノマー及び共役ジエンモノマー単位から選
ばれる2種以上のモノマー単位で構成され、アニオン性
のモノマー単位が重量分率で60%以上であることを特
徴とする上記1に記載のラテックス、
【0009】3.アニオン性の水溶性ポリマーが共役ジ
エン系スルホン酸又はそのアルカリ塩を含むことを特徴
とする上記1に記載のラテックス、
【0010】4.アニオン性の水溶性ポリマーがスチレ
ンスルホン酸又はそのアルカリ塩を共重合単位として含
まれることを特徴とする上記1に記載のラテックス、
【0011】5.活性メチレン基を有するエチレン性不
飽和モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル
酸エステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステ
ル、ジエン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーか
ら誘導される繰り返し単位を有するポリマーが、ノニオ
ン性の水溶性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造
されることを特徴とするラテックス、
【0012】6.ノニオン性の水溶性ポリマーがエチレ
ン性不飽和モノマー及び共役ジエンモノマー単位から選
ばれる2種以上のモノマー単位で構成され、ノニオン性
のモノマー単位で構成され、ノニオン性のモノマー単位
が重量分率で60%以上であることを特徴とする上記5
に記載のラテックス、
【0013】7.活性メチレン基を有するエチレン性不
飽和モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル
酸エステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステ
ル、ジエン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーか
ら誘導される繰り返し単位を有するポリマーが、天然物
の水溶性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造され
ることを特徴とするラテックス、
【0014】8.天然物の水溶性ポリマーがデキストラ
ン誘導体であることを特徴とする上記7に記載のラテッ
クス、
【0015】9.水溶性ポリマーがアクリルアミド誘導
体もしくはメタクリルアミド誘導体単位を含むことを特
徴とする上記1、5又は7に記載のラテックス、
【0016】10.水溶性ポリマーがビニルピロリドン
単位を含むことを特徴とする上記1、5又は7に記載の
ラテックス、
【0017】11.ポリマーラテックスが、一般式
[1]で表されることを特徴とする請求項1〜10のい
ずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料、 一般式[1] −(A)x−(B)y−(C)z− 式中、Aは一般式[2]で表される活性メチレン基を有
するエチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り返し
単位を示し、Bは単独重合体のガラス転移温度が35℃
以下であるメタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、マレイン酸エステルから選ばれるエチレン性不飽和
モノマーより誘導される繰り返し単位を表し、CはA、
B以外のエチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り
返し単位を表す。ここでx、y、zはポリマーラテック
ス中の各成分の重量百分率比を表し、それぞれ0.5≦
x≦41、0≦y≦59、x+y+z=100を表す。
【0018】
【化2】 式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は
ハロゲン原子を表し、Lは単結合又は二価の連結基を表
す。Xは活性メチレン基を含む一価の基を表す。
【0019】12.ガラス転移温度が−20℃以上であ
ることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載のラ
テックス、
【0020】13.支持体上の少なくとも一方の側に少
なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層及び/又は親水性コ
ロイド層にラテックスを含有するハロゲン化銀写真感光
材料において、当該ラテックスが、活性メチレン基を有
するエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し
単位と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーから誘導
される繰り返し単位を有するポリマーで、且つ水溶性ポ
リマーを含む水溶液中の乳化重合で製造されたラテック
スを含有し、当該ラテックスの重量がこれを含む層のゼ
ラチン量の重量に比し0.1〜1.5であることを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料、
【0021】14.ラテックスが上記1〜12のいずれ
かに記載のものであることを特徴とする上記13記載の
ハロゲン化銀写真感光材料、の各々により達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。本発明における活性メチレン基を有するポリマー
の構造は、特に前記一般式[1]で表されるものが好ま
しい。一般式[1]中のAは一般式[2]で表される活
性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーより誘
導される繰り返し単位である。
【0023】
【化3】 式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は
ハロゲン原子を表し、Lは単結合又は二価の連結基を表
し、具体的には下式で表わされる。 −(L−(L− Lは−CON(R)−(Rは水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、又は炭素数1〜6の置換アルキル基
を表す)、−COO−、−NHCO−、−OCO−、
【0024】
【化4】 (R、Rはそれぞれ独立に、水素、ヒドロキシル、
ハロゲン原子又は置換もしくは無置換のアルキル、アル
コキシ、アシルオキシもしくはアリールオキシを表す)
を表し、LとLとXを結ぶ連結基を表し、mは0又
は1を表しnは0又は1を表す。Lで表わされる連結
基は具体的には、下記の一般式で表わされる。 −[X−(J−X−(J−X−(J
− 式中、J、J、Jは同じでも異なっていてもよ
く、−CO−、−SO−、−CON(R)−(R
は水素原子、アルキル基(炭素数1〜6)、置換アルキ
ル基(炭素数1〜6)、−SON(R)−(R
上記と同義)、−N(R)−R−(Rは上記と同
義、Rは炭素数1〜約4のアルキレン基)、−N(R
)−R−N(R)−(R、Rは上記と同義、
は水素原子、アルキル基(炭素数1〜6)、置換ア
ルキル基(炭素数1〜6)を表す。)、−O−、−S
−、−N(R)−CO−N(R)−(R、R
上記と同義)、−N(R)−SON(R)−(R
、Rは上記と同義)、−COO−、−OCO−、−
N(R)CO−(Rは上記と同義)、−N
(R)CO−(Rは上記と同義)等を挙げることが
できる。
【0025】p、q、r、sは0又は1を表す。X
、Xは互いに同じでも異なっていてもよく、炭素
数1〜10個の無置換もしくは置換のアルキレン基、ア
ラルキレン基、又はフェニレン基を表し、アルキレン基
は直鎖でも分岐でもよい。アルキレン基としては例えば
メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、ジメチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレ
ン、ヘキサメチレン、デシルメチレン、アラルキレン基
としては例えばベンジリデン、フェニレン基としては例
えばp−フェニレン、m−フェニレン、メチルフェニレ
ンなどがある。
【0026】Xは、活性メチレン基を含む一価の基を表
し、好ましい具体例としては、R−CO−CH−C
OO−、CN−CH−COO−、R−CO−CH
−CO−、R−CO−CH−CON(R)−等を
挙げることができる。ここでRは前記に同じであり、
は炭素数1〜12個の置換又は無置換のアルキル基
(例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
t−ブチル、n−ノニル、2−メトキシエチル、4−フ
ェノキシブチル、ベンジル、2−メタンスルホンアミド
エチル等)、置換又は無置換のアリール基(例えばフェ
ニル、p−メチルフェニル、p−メトキシフェニル、o
−クロロフェニル等)、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、メトキシエトキシ、n−ブトキシ等)、
シクロアルキルオキシ基(例えばシクロヘキシルオキ
シ)、アリロキシ(例えばフェノキシ、p−メチルフェ
ノキシ、o−クロロフェノキシ、p−シアノフェノキシ
等)、アミノ基、置換アミノ基(例えばメチルアミノ、
エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ等)を表
す。
【0027】以下に、本発明の一般式[1]で表される
ポリマーにおいて、Aで表される活性メチレン基を有す
るエチレン性不飽和モノマーを例示するがこれらに限定
されるものではない。
【0028】MN−1 2−アセトアセトキシエチル
メタクリレート MN−2 2−アセトアセトキシエチルアクリレート MN−3 2−アセトアセトキシプロピルメタクリレ
ート MN−4 2−アセトアセトキシプロピルアクリレー
ト MN−5 2−アセトアセトアミドエチルメタクリレ
ート MN−6 2−アセトアセトアミドエチルアクリレー
ト MN−7 2−シアノアセトキシエチルメタクリレー
ト MN−8 2−シアノアセトキシエチルアクリレート MN−9 N−(2−シアノアセトキシエチル)アク
リルアミド MN−10 2−プロピオニルアセトキシエチルアクリ
レート MN−11 N−(2−プロピオニルアセトキシエチ
ル)メタクリルアミド MN−12 N−4−(アセトアセトキシベンジル)フ
ェニルアクリルアミド MN−13 エチルアクリロイルアセテート MN−14 アクリロイルイルメチルアセテート MN−15 N−メタクリロイルオキシメチルアセトア
セトアミド MN−16 エチルメタクリロイルアセトアセテート MN−17 N−アリルシアノアセトアミド MN−18 メチルアクリロイルアセトアセテート MN−19 N−(2−メタクリロイルオキシエチル)
シアノアセトアミド MN−20 p−(2−アセトアセチル)エチルスチレ
ン MN−21 4−アセトアセチル−1−メタクリロイル
ピペラジン MN−22 エチル−α−アセトアセトキシメタクリレ
ート MN−23 N−ブチル−N−アクリロイルオキシエチ
ルアセトアセトアミド MN−24 p−(2−アセトアセトキシ)エチルスチ
レン
【0029】一般式[1]のBで表される繰り返し単位
を与えるエチレン性不飽和モノマーは、その単独重合体
のガラス転移温度が35℃以下となるようなモノマーで
あり、具体的には、アルキルアクリレート(例えば、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、n−ヘキシルアクリレート、ベンジルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、iso−
ノニルアクリレート、n−ドデシルアクリレートな
ど)、アルキルメタクリレート(例えば、n−ブチルメ
タクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、iso−ノニルメタクリレ
ート、n−ドデシルメタクリレートなど)、ジエン類
(例えばブタジエン、イソプレン等)などを挙げること
ができる。
【0030】更に好ましいモノマーとしては単独重合体
のガラス転移温度が10℃以下のモノマーであり、この
ようなモノマーとしては炭素数2以上のアルキル側鎖を
有するアルキルアクリレート(例えば、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、iso−ノニルアクリレート等)、炭素数
6以上のアルキル側鎖を有するアルキルメタクリレート
(例えば、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート等)、ジエン類(例えばブタジエ
ン、イソプレン)を特に好ましい例として挙げることが
できる。
【0031】上記のポリマーのガラス転移温度の値につ
いては、J.Brandrup、E.H.Immerg
ut共編「Polymer Handbook」第3版
(John Wily & Sons,1989年)V
I/209〜VI/277頁に記載されている。
【0032】一般式[1]のCで表される繰り返し単位
は、B以外の繰り返し単位、すなわちその単独重合体の
ガラス転移温度が35℃を超えるようなモノマーより誘
導される繰り返し単位を表す。
【0033】具体的には、アクリル酸エステル類(例え
ば、t−ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、
2−ナフチルアクリレート等)、メタクリル酸エステル
類(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、シクロへキシルメタクリ
レート、クレジルメタクリレート、4−クロロベンジル
メタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート
等)、ビニルエステル類(例えば、安息香酸ビニル、ピ
バロイルオキシエチレン等)、アクリルアミド類(例え
ば、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルア
クリルアミド、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリ
ルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、シクロヘ
キシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒド
ロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリル
アミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、フェニ
ルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチル
アクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(例
えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エ
チルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブ
チルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルア
ミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタ
クリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メ
トキシエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチル
メタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチ
ルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、β−
シアノエチルメタクリルアミド等)、スチレン類(例え
ば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、ト
リメチレンスチレン、エチルスチレン、イソプロピルス
チレン、クロロスチレン、メトキシスチレン、アセトキ
シスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロ
ムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等)、ジビ
ニルベンゼン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリド
ン、塩化ビニリデン、フェニルビニルケトン等を挙げる
ことができる。
【0034】また、本発明の一般式[1]で表されるポ
リマーにおいては、特開昭60−15935号、同45
−3822号、同53−28086号、米国特許第3,
700,456号等に記載されているようなアニオン性
官能基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基)を有
するモノマーをラテックスの安定性を向上させる等の目
的で共重合してもよい。
【0035】このようなモノマーとしては、以下の化合
物を挙げることができる。アクリル酸;メタクリル酸;
イタコン酸、マレイン酸;イタコン酸モノアルキル、例
えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル
等;マレイン酸モノアルキル、例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル等;シトラコン酸;スチ
レンスルホン酸;ビニルベンジルスルホン酸;ビニルス
ルホン酸;アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、例
えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロ
イルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロ
ピルスルホン酸等;メタクリロイルオキシアルキルスル
ホン酸、例えば、メタクリロイルオキシメチルスルホン
酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリ
ロイルオキシプロピルスルホン酸等;アクリルアミドア
ルキルスルホン酸、例えば、2−アクリルアミド−2−
メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルブタンスルホン酸等;メタクリルアミドアルキルス
ルホン酸、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチル
エタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチ
ルブタンスルホン酸等;これらの酸はアルカリ金属(例
えば、Na、K等)又はアンモニウムイオンの塩であっ
てもよい。
【0036】また、上記のアニオン性官能基を有する単
量体は、その単独重合体のガラス転移温度の大小に依ら
ず、ラテックスの安定付与等の必要に応じて用いること
が可能であり、用いた場合の好ましい量は、ポリマーの
全重量に対し、0.5〜20重量%、特に好ましくは1
〜10重量%である。
【0037】一般式[1]のx、y、zはポリマーラテ
ックス中の各成分の重量百分率比を表す。x、y、zは
それぞれ0.5≦x≦41、0≦y≦59、x+y+z
=100である。
【0038】本発明の活性メチレン基を有するポリマー
ラテックスの組成は上記一般式[1]の組成を満たすこ
とが好ましい。一般式[1]のy≧60のとき、ガラス
転移温度が−35℃以下のポリマーがラテックス中に6
0重量%以上となり、ポリマーラテックスのガラス転移
温度が著しく低くなる。それゆえ、ゼラチンバインダー
中にこのようなガラス転移温度が低いポリマーラテック
スを添加すると可塑剤として働きやすくなるため、本発
明の目的は満たされなくなる。本発明の目的を達成する
ためには、本発明のポリマーラテックスがガラス転移温
度は−40℃以上であることが好ましく、さらに好まし
くは−20℃以上である。
【0039】本発明のポリマーラテックスは乳化重合法
によって調製される。その分散粒子径は特に限定されな
いが、好ましい範囲は0.01〜1.0μmである。本
発明における乳化重合法は少なくとも一種類の乳化剤と
して水溶性ポリマーを用いることが特徴である。これに
水あるいは水と水に混和し得る有機溶媒(例えばメタノ
ール、エタノール、アセトン等)の混和溶媒中でモノマ
ーを乳化させラジカル重合開始剤を用いて一般に30℃
〜約100℃、好ましくは40℃〜約90℃の温度で行
われる。水に混和しうる有機溶媒の量は水に対して体積
比で0〜100%、好ましくは0〜50%である。
【0040】重合反応は、通常重合すべき単量体に対し
0.05〜5重量%のラジカル重量開始剤と必要に応じ
て0.1〜10重量%の乳化剤を用いて行われる。重合
開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイド、ハ
イドロパーオキサイド、レドックス溶媒など、例えば過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブチル
パーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプ
ロピル−カーボネイト、2,4−ジクロロベンジルパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、亜硫
酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの組合せなどがあ
る。
【0041】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
両性、ノニオン性の界面活性剤を本発明における水溶性
ポリマーの使用時に併用してもよい。ただし、界面活性
剤の使用量は水溶性ポリマーの使用量に対して0〜25
重量%、好ましくは0〜10重量%の範囲にある。界面
活性剤は、例えばラウリン酸ソーダ、ドデシル硫酸ナト
リウム、1−オクトキシカルボニルメチル−1−オクト
キシカルボニルメタンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルリン酸ナトリウム、セチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメ
チレンアンモニウムクロライド、N−2−エチルヘキシ
ルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウ
リンエステルなどがある。
【0042】本発明のポリマーラテックスを乳化重合す
る際に使用する水溶性ポリマーは、分子構造中に水溶性
のアニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基を有する
水溶性天然ポリマーや水溶性合成ポリマーのほとんどの
ものが使用でき、アニオン性基としてはカルボン酸又は
その塩、スルホン酸又はその塩、リン酸又はその塩、カ
チオン性基としては第3級アミン又はアンモニウム塩、
ノニオン性基としては、水酸基、アミド基、メトキシ
基、アルキレンオキシド基としてはオキシエチレン基、
ヘテロ原子環としてピロリドン基等の基が好ましい。水
溶性合成ポリマーの中では、アニオン性もしくはノニオ
ン性のものが好ましく、アニオン性のポリマーが特に好
ましい。さらに好ましくはスルホン酸塩を有するポリマ
ーが挙げられ、ポリスチレンスルホン酸塩や共役ジエン
系スルホン酸塩を含むポリマーがより好ましい。また、
水溶性ポリマーを2種以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0043】本発明のポリマーラテックスを乳化重合す
る際に使用する乳化剤としての水溶性ポリマーは、天然
ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポリマーなども含
み、これらの例としてアルギン酸又はその塩、デキスト
ラン、デキストラン硫酸塩、グリコーゲン、アラビアゴ
ム、アルブミン、寒天、でんぷん誘導体、カルボキシメ
チルセルロース又はその塩、ヒドロキシセルロース、セ
ルロース硫酸エステル等を挙げることができるが、これ
らの誘導体も使用できる。
【0044】本発明のポリマーラテックスを乳化重合す
る際に使用する水溶性ポリマーを下記に例示するがこれ
らに限定されるものではない。また下記のモノマー単位
の数値はポリマー中の重量比を示す。
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】乳化重合においては、その目的に応じて、
重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、
かつ、容易に変更できることはいうまでもない。また、
乳化重合反応は、モノマー、界面活性剤、水溶性ポリマ
ー、媒体を予め容器に全量入れておき、開始剤を投入し
て行ってもよいし、必要に応じて各成分の一部あるいは
全量を滴下しながら重合を行ってもよい。
【0052】本発明の一般式[1]で表されるポリマー
における、Aで表される活性メチレン基を有するモノマ
ーやポリマーラテックスの種類やその合成法については
上記の米国特許3,459,790号、同3,619,
195号、同3,929,482号、同3,700,4
56号、西独特許2,442,165号、欧州特許1
3,147号、特開昭50−73625号、同50−1
46331号等の記載を参考に行うことができる。
【0053】ポリマーのTgは例えば「J.Brand
rup、E.H.Immergut共著「Polyme
r Handbook,2nd Edition,II
I−139〜III−192(1975)」に詳細に記
載されており、また、共重合体の場合には下式により求
めることができる。
【0054】
【数1】 ここで、Tg:モノマーnの単独重合体のTg a:ポリマー中のモノマーnの重量分率を表し、a
+a+a+・・・・・a=1である。
【0055】本発明の活性メチレンラテックスの化合物
について以下に例示するが、これらに限定されるもので
はない。共重合体における各成分の構成比を以下の表1
に示す。
【0056】
【表1】
【0057】ここで、BAはブチルアクリレート、St
はスチレン、AAはアクリル酸、EAはエチルアクリレ
ート、EMAはエチルメタクリレート、VAcは酢酸ビ
ニル、AINはiso−ノニルアクリレート、CHMA
はシクロヘキシルメタクリレートを表す。
【0058】本発明のポリマーラテックスは、ハロゲン
化銀カラー写真感光材料中の感光性乳剤層又は非感光性
層の1層以上に含有されていることが好ましい。本発明
のポリマーラテックスが感光性ハロゲン化銀乳剤層に含
有する場合、該ポリマーラテックスの量は、含有する層
のゼラチンバインダーに対して10重量%以上150重
量%以下であり、好ましくは15重量%以上100重量
%以下である。
【0059】(感光材料)次に活性メチレン基を有する
ラテックスを含有するハロゲン化銀写真感光材料につい
て説明する。本発明のハロゲン化銀乳剤層及びその他の
親水性コロイド層のバインダーとしては、ゼラチンを用
いるが、それ以外の親水性コロイドを併用することもで
きる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子
とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルロース硫酸エステル等の如きセルロース
誘導体、アルギン酸ソーダ、セルロース硫酸エステル、
デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩等の
糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、
ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単
一或いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子を用い
ることができる。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン
の他、酸処理ゼラチンを併用してもよく、更にゼラチン
の加水分解物、ゼラチンの酵素分解物も用いることもで
きる。
【0060】本発明の活性メチレンラテックス及び水溶
性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造された活性
メチレンラテックスは、これら親水性コロイド層に用い
るが、これらの活性メチレンラテックスは、従来の活性
メチレンラテックスと比べ、ゼラチン等の親水性コロイ
ドバインダー中に添加した場合、膜強度や耐水性の向上
が見られ、更にハロゲン化銀乳剤と共に用いても写真性
能上悪影響がないか極めて少なく、感度やカブリに影響
を与えにくい。一方、写真要素を製造する際、本発明の
ポリマーラテックスを分散させた塗布液のpH依存性が
少なく、イオン強度にも左右されにくいためポリマーラ
テックスの凝集もしくは沈殿が生じにくい。本発明の活
性メチレンラテックスが上記特性を有することは、この
ラテックスが従来の単量体である界面活性剤のみで行う
乳化重合法ではなく、水溶性ポリマーを保護コロイドと
して用いた乳化重合法により合成したことが大きな影響
を与えていると考える。
【0061】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハ
ロゲン化銀粒子としては、臭化銀、沃臭化銀、沃塩化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀及び塩化銀等のハロゲン化銀
粒子が任意に使用できるが、特に沃臭化銀、塩沃臭化
銀、塩化銀であることが好ましい。
【0062】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状はいかなるものでもよい。例えば、立方体、八面体、
十四面体、球、平板状、じゃがいも状等の形状であって
もよい。しかし、特に好ましいのは平板状粒子である。
【0063】以下、本発明で好ましく用いられるハロゲ
ン化銀粒子の典型的例として平板状粒子について説明す
る。本発明で用いられる平板状ハロゲン化銀粒子は、主
平面が(111)面からなり、且つ複数枚の平行な双晶
面を有するもの、又は主平面が(100)面からなるも
のが好ましい。
【0064】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は、粒子直径/厚さ(アスペクト比)の比の平均値
(平均アスペクト比)が2以上である。本発明に用いら
れる平板状ハロゲン化銀粒子の平均アスペクト比として
は2以上12以下が好ましく、更に好ましくは3〜8で
ある。
【0065】本発明に係る上記平板状ハロゲン化銀粒子
の結晶の外壁は、実質的に殆どが(111)面からなる
もの、或いは(100)面からなるものであってもよ
い。また、(111)面と(100)面とを併せもつも
のであってもよい。この場合、粒子表面の50%以上が
(111)面であり、より好ましくは60〜90%が
(111)面であり、特に好ましくは70〜95%が
(111)面である。(111)面以外の面は主として
(100)面であることが好ましい。この面比率が増感
色素の吸着における(111)面と(100)面との吸
着依存性の違いを利用した(T.Tani,J.Ima
ging Sci.29,165(1985年))によ
り求めることができる。
【0066】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子は、
多分散であっても単分散であってもよいが、単分散性で
あることが好ましい。具体的には、 (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって表せる相対標準偏差(変動係数)で分布の広さ
を定義したとき25%以下のものが好ましく、更に好ま
しくは20%以下のものであり、特に好ましくは15%
以下である。
【0067】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は厚さの
分布が小さいことが好ましい。具体的には、 (厚さの標準偏差/平均厚さ)×100=厚さ分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0068】更に本発明の平板状ハロゲン化銀粒子乳剤
中の個々の粒子のハロゲン含有率の分布も小さいことが
好ましい。具体的には、 (ハロゲン含有率の標準偏差/平均ハロゲン含有率)×
100=ハロゲン含有率の広さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0069】本発明において、双晶面を有する平板状ハ
ロゲン化銀粒子を使用する場合には、その主平面の形状
が六角形であることが好ましい。六角形の平板状粒子
(以下、六角平板粒子とも言う。)とは、その主平面
((111)面)の形状が六角形であり、その最大隣接
比率が1.0〜2.0であることを言う。ここで最大隣
接辺比率とは六角形を形成する最小の長さを有する辺の
長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比である。
本発明において、六角平板粒子は最大隣接辺比率が1.
0〜2.0であればその角が丸みを帯びていることも好
ましい。角が丸みを帯びている場合の辺の長さは、その
辺の直線部分を延長し、隣接する辺の直線部分を延長し
た線との交点との間の距離で表される。また、更に角が
とれ、ほぼ円形の平板粒子となっていることも好まし
い。
【0070】本発明において、六角平板粒子の六角形を
形成する各辺は、その1/2以上が実質的に直線からな
ることが好ましい。本発明においては隣接辺比率が1.
0〜1.5であることがより好ましい。
【0071】本発明に係るハロゲン化粒子は転位を有し
ていてもよい。該転位は例えば、J.F.Hamilt
on,Phot.Sci.Eng,57(1967)
や、T.Shiozawa,J.Soc.Phot.S
ci.Japan,35,213(1972)に記載の
低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により
観察することができる。即ち、乳剤から粒子に転位が発
生する程の圧力をかけないよう注意して取り出したハロ
ゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュに載せ、電
子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料
を冷却した状態で透過法により観察を行う。このとき、
粒子の厚みが厚いほど電子線が透過しにくくなるので、
高圧型(0.25μmの厚さの粒子に対して200KV
以上)の電子顕微鏡を用いたほうがより鮮明に観察する
ことができる。
【0072】本発明に係るハロゲン化銀粒子の転位の数
については、1本以上の転位を含む粒子が50%(個
数)以上存在することが望ましく、転位線を有する平板
粒子数の比率(数)が高い程好ましい。
【0073】尚、本発明において、粒径とは粒子の投影
像を同面積の円像に換算したときの直径である。粒子の
投影面積はこの粒子面積の和から求めることができる。
いずれも粒子の重なりが生じない程度に試料台上に分布
されたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕微鏡観察す
ることによって得ることができる。
【0074】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子の
平均投影面積径は、該粒子の投影面積の円相当直径で表
し、好ましくは0.30μm以上であるが、より好まし
くは0.30〜5μm、更に好ましくは0.40〜2μ
mである。粒径は該粒子を電子顕微鏡で1万〜7万倍に
拡大投影して、そのプリント上の投影時の面積を実測す
ることによって得ることができる。
【0075】また平均粒径(φi)は測定粒径個数をn
とし、粒径φiを有する粒子頻度をniとしたときに次
式により求めることができる。 平均粒径(φi)=Σnidi/n(測定粒子個数は無
差別に1000個以上であるとする。) 粒子の厚さは電子顕微鏡によって試料を斜めから観察す
ることによって得ることができる。本発明の平板状粒子
の好ましい厚みは0.03〜1.0μmであり、より好
ましくは0.05〜0.5μmである。
【0076】ハロゲン化銀粒子が平行な2以上の双晶面
を有する場合は、平行な2以上の双晶面間の最も長い距
離(a)と粒子の厚み(b)の比(b/a)が5以上で
あることが好ましく、その比率が50%(数)以上であ
ることが好ましい。本発明においては(a)の平均値が
0.008μm以上であるが好ましく、更に好ましくは
0.010μm以上、0.05μm以下である。また、
本発明においては(a)が上記値範囲にあると同時にそ
の変動係数が35%以下であることが必要であるが、好
ましくは30%以下である。
【0077】更に本発明においては、アスペクト比と粒
子の厚みの因子を加味して次式で表現される平板性:A
=ECD/b2が20以上であることが好ましい。ここ
でECDは平板粒子の平均投影直径(μm)を指し
(b)は粒子の厚みである。ここで平均投影直径とは、
平板粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数
平均を表す。
【0078】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は、均一組成であってもよいが、ハロゲン化銀粒子内
に実質的にハロゲン組成の異なる少なくとも2つの層構
造を持つコア/シェル型構造を有した粒子が感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層中に個数で50%以上、100%含有し
ていることが好ましい。
【0079】コア/シェル型構造粒子は、粒子中心部に
はコアとは異なるハロゲン組成領域を持つこともあり得
る。このような場合の種粒子のハロゲン組成は、臭化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩臭化銀、塩化銀等の任意
の組み合わせであってもよい。
【0080】本発明に係るハロゲン化銀乳剤の平均沃化
銀含有率は、2モル%以下が好ましく、より好ましくは
0.01〜1.0モル%である。該ハロゲン組成の異な
る層構造を有する粒子においては、粒子内部に高沃化銀
層、最表面層に低沃化銀層又は臭化銀層を有する粒子が
好ましい。このとき最高の沃化銀含有率を有する内部層
(コア)の沃化銀率は2.5モル%以上のものが好まし
く、より好ましくは5モル%以上であり、最表面層(シ
ェル)の沃化銀含有率は0〜5モル%で、好ましくは0
〜3モル%であり、且つコアの沃化銀含有率がシェルの
沃化銀含有率より少なくとも3モル%以上であることが
好ましい。
【0081】コアの沃化銀分布は通常は均一であるが分
布を持っていてもよい。例えば、中心部から外部に向か
うにつれ、高濃度となっていても中間領域に極大又は極
小濃度を有していてもよい。
【0082】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
所謂ハロゲン変換型(コンバージョン型)の粒子であっ
ても構わない。ハロゲン変換量は銀量に対して0.2〜
2.0モル%が好ましく、変換の時期は物理熟成中でも
物理熟成終了後でもよい。ハロゲン変換の方法として
は、通常ハロゲン変換前の粒子表面のハロゲン組成より
も銀との溶解度積の小さいハロゲン水溶液又はハロゲン
化銀微粒子を添加する。このときの微粒子サイズとして
は0.2μm以下が好ましく、より好ましくは0.02
〜0.1μmである。
【0083】本発明のハロゲン化銀粒子は、例えば、特
開昭60−138538号の実施例記載の方法のように
種結晶上にハロゲン化銀を析出させる方法にて成長させ
ることが好ましい。
【0084】また、本発明に係る乳剤の調製に当たって
種粒子形成工程及び種粒子の成長時にアンモニア、チオ
エーテル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を存在
させることができる。
【0085】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子を得
るために、製造された種粒子を肥大させる条件として
は、例えば、特開昭51−39027号、同55−14
2329号、同58−113928号、同54−485
21号及び同58−49938号に記載のように、水溶
性銀塩溶液と水溶性ハライド溶液をダブルジェット法に
よって添加し、添加速度を粒子の肥大に応じて新核形成
が起こらず、オストワルド熟成が起こらない範囲で徐々
に変化させる方法を用いてもよい。種粒子を肥大させる
別の条件として、日本写真学会昭和58年年次大会要旨
集88項に見られるように、ハロゲン化銀微粒子を加
え、溶解、再結晶することにより肥大させる方法も用い
得る。
【0086】成長に当たっては硝酸銀水溶液とハロゲン
化物水溶液をダブルジェット法で添加することができる
が、ハロゲン化銀微粒子として系内に供給することもで
きる。添加速度は新しい核が発生しないような速度で、
且つオストワルド熟成によるサイズ分布の広がりがない
速度、即ち、新しい核が発生する速度の30〜100%
の範囲で添加することが好ましい。
【0087】本発明のハロゲン化銀乳剤の製造に当たっ
ては、製造時の攪拌条件が極めて重要である。攪拌装置
としては特開昭62−160128号に示される添加液
ノズルを攪拌機の母液吸入口に近く液中に設置した装置
が特に好ましく用いられる。また、この際、攪拌回転数
は400〜1200rpmにすることが好ましい。
【0088】本発明のハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率
及び平均沃化銀含有率が、EPMA法(Electro
n Probe Micro Analyzer)を用
いることにより求めることが可能である。この方法は乳
剤粒子を互いに接触しないようによく分散したサンプル
を作成し、電子ビームを照射する電子線励起によるX線
分析より極小な部分の元素分析が行える。この方法によ
り、核粒子から放射される銀及び沃度の特性X線強度を
求めることにより個々の粒子のハロゲン組成が決定でき
る。少なくとも100個の粒子についてEPMA法によ
り沃化銀含有率を求めれば、それらの平均から平均沃化
銀含有率が求められる。
【0089】更に本発明に係るハロゲン化銀粒子は、粒
子を形成する過程及び/又は成長する過程で、カドミウ
ム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩
を含む)、ロジウム塩(錯塩を含む)及び鉄塩(錯塩を
含む)から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを添加
し、粒子内部に及び/又は粒子表面層にこれらの金属元
素を含有させることができ、また適当な還元的雰囲気に
おくことにより粒子内部及び/又は粒子表面に還元増感
核を付与できる。また、粒子形成の所望の時点で、過酸
化水素、チオスルフォン酸類のような酸化剤を添加する
ことができる。
【0090】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了時
に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、或いは含有さ
せたままでもよい。該塩類を除去する場合にはリサーチ
・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.17
643号II項に記載の方法に基づいて行うことができ
る。尚、本発明内において、ハロゲン化銀乳剤層は、本
発明の効果を損なわない範囲で種々の形状の粒子を含有
してもよい。
【0091】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀は、各種の方法で増感されていてもよい。分光
増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、
複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロボーラ
ーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及び
ヘミオキソノール色素が用いられる。特に有用な色素は
シアニン色素、メロシアニン色素及び複合メロシアニン
色素に属する色素である。これらの色素類は通常利用さ
れている核のいずれをも適用できる。即ち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核等で、これらの核
に脂肪式炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン
核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキ
サゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール
核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベン
ズイミダゾール核、キノリン核等が適用できる。これら
の核は炭素原子上に置換されてもよい。
【0092】メロシアニン色素又は複合メロシアニン色
素にはケトメチン構造を有する核として、ピラゾリン−
5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリ
ジン−2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジオン
核、ローダニン核、チオバルビツール酸核等の5〜6員
異節環核を適用することができる。
【0093】これらの特許は、例えば、独国特許92
9,080号、米国特許2,231,658号、同2,
493,748号、同2,503,776号、同2,5
19,001号、同2,912,329号、同3,65
5,394号、同3,656,959号、同3,67
2,897号、同3,649,217号、英国特許1,
242,588号、特公昭44−14030号に記載さ
れたものである。
【0094】またこれらの分光増感色素と共にそれ自
身、分光増感性を持たない色素或いは可視光を実質的に
吸収しない物質であって、強色増感作用を示す物質を乳
剤層中に添加してもよい。
【0095】本発明において分光増感色素の添加量は、
色素の種類及びハロゲン化銀の構造、組成、熟成条件、
目的、用途等によって異なるが、ハロゲン化銀乳剤中の
各感光性粒子の表面の単分子層被覆率40%以上90%
以下になるようにすることが好ましく、更に50〜80
%が特に好ましい。
【0096】尚、ここで単分子層被覆率とは、50℃に
て吸着等温線を作成したときの飽和吸着量を被覆率10
0%に相当する量として、その量に対する実際にハロゲ
ン化銀乳剤に添加された分光増感色素の量を相対的に百
分率で表現した値とすることにする。
【0097】ハロゲン化銀1モル当たりでの適量は、乳
剤中のハロゲン化銀粒子の総表面積により変化するが6
00mg未満が好ましい。更に450mg以下が好まし
い。
【0098】増感色素の溶剤としては、従来用いられて
いる水混和性の有機溶剤が使用できる。例えば、アルコ
ール類、ケトン類、ニトリル類、アルコキシアルコール
類等が用いられてきた。具体例として、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、アセトン、アセトニトリ
ル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール
等がある。
【0099】また、分光増感色素の分散剤として、従来
界面活性剤が用いられてきた。界面活性剤には、アニオ
ン型、カチオン型、ノニオン型、両イオン性型の界面活
性剤があるが、本発明においては、これらいずれの界面
活性剤も使用できる。
【0100】しかし本発明においては、有機溶媒の溶液
として添加する場合よりも、分光増感色素を固体微粒子
状の分散物として添加することにより効果が増大する。
特に、分光増感色素の少なくとも1種が実質的に有機溶
媒及び/又は界面活性剤が存在しない水系中に分散させ
た実質的に水に難溶性の固体微粒子分散物の状態で添加
されることが好ましい。
【0101】本発明において、分光増感色素を固体微粒
子状の分散物として添加する場合の分光増感色素の水に
対する溶解度は2×10−4〜4×10−2モル/リッ
トルであることが好ましく、より好ましくは1×10
−3〜4×10−2モル/リットルである。尚、本発明
においては分光増感色素の水に対する溶解度は以下に示
す方法によって測定される。
【0102】即ち、50mlの三角フラスコにイオン交
換水を30ml入れ、これに目視で完溶しない量の色素
を与え、恒温槽で27℃に保ち、マグネティックスター
ラーで10分間攪拌を行った。懸濁液を濾紙No.2
(Toyo社製)で濾過し、濾液をディスポーザブルフ
ィルター(東ソー社製)で濾過し、濾液を適当に希釈し
て、分光光度計U−3410(日立社製)で吸光度を測
定した。次にこの測定結果に基づき、ランバート・ベア
の法則に従って溶解濃度を求め、更に溶解度を求める。
【0103】D=εlc ここで、D:吸光度、ε:分光吸光係数、l:吸光度測
定用セル長さ、c:濃度(モル/リットル)を表す。
【0104】本発明に係る分光増感色素の添加時期は化
学熟成工程時、特に好ましくは化学熟成開始時に行うこ
ともでき、また、本発明に係るハロゲン化銀乳剤の核形
成工程時から脱塩工程終了までに添加することによっ
て、分光増感効率の優れた高感度ハロゲン化銀乳剤が得
られるが、更に脱塩工程終了後から化学熟成工程を経て
塗布工程直前までのいずれかの時期に前記の工程(核形
成工程時から脱塩工程終了まで)に添加した色素と同一
もしくは別種の本発明に係る分光増感色素を追加して添
加してもよい。
【0105】本発明の化学増感に用いられるセレン増感
剤は広範な種類のセレン化合物を含む。例えば、これに
関しては、米国特許1,574,944号、同1,60
2,592号、同1,623,499号、特開昭60−
150046号、特開平4−25832号、同4−10
9240号、同4−147250号等に記載されてい
る。有用なセレン増感剤としては、コロイドセレン金
属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレ
ノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジ
メチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロ
セレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタ
フルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′
−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセ
レノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベン
ズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル
類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セ
レノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例え
ば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナ
イド類(トリフェニルフォスフィンセレナイド、ジエチ
ルセレナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられ
る。特に好ましいセレン増感剤は、セレナイド類、セレ
ノ尿素等、セレノアミド類及びセレンケトン類である。
【0106】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記の特許明細書に開示されている。米国特許1,5
74,944号、同1,602,592号、同1,62
3,499号、同3,297,446号、同3,29
7,447号、同3,320,069号、同3,40
8,196号、同3,408,197号、同3,44
2,653号、同3,420,670号、同3,59
1,385号、フランス特許2,693,038号、同
2,093,209号、特公昭52−34491号、同
52−34492号、同53−295号、同57−22
090号、特開昭59−180536号、同59−18
5330号、同59−181337号、同59−187
338号、同59−192241号、同60−1500
46号、同60−151637号、同61−24673
8号、特開平3−4221号、同3−24537号、同
3−111838号、同3−116132号、同3−1
48648号、同3−237450号、同4−1683
8号、同4−25832号、同4−32831号、同4
−96059号、同4−109240号、同4−140
738号、同4−140739号、同4−147250
号、同4−149437号、同4−184331号、同
4−190225号、同4−191729号、同4−1
95035号、英国特許255,846号、同861,
984号。尚、H.E.Spencer等著Journ
al of Photographic Scienc
e誌、31巻、158〜169頁(1983)等の化学
文献にも開示されている。
【0107】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件などにより変
わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10−8〜1
−4モル程度を用いる。また、添加方法は、使用する
セレン化合物の性質に応じて、水又はメタノール、エタ
ノール等の有機溶媒の単独又は混合溶媒に溶解して添加
する方法でも、或いはゼラチン溶液と予め混合して添加
する方法でも、特開平4−140739号に開示されて
いる方法、即ち、有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液
の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
【0108】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は、
40〜90℃の範囲が好ましい。より好ましくは、45
℃以上80℃以下である。また、pHは4〜9、pAg
は6〜9.5の範囲が好ましい。
【0109】本発明の化学増感において用いられるテル
ル増感剤及び増感法に関しては、米国特許1,623,
499号、同3,320,069号、同3,772,0
31号、同3,531,289号、同3,655,39
4号、英国特許235,211号、同1,121,49
6号、同1,295,462号、同1,396,696
号、カナダ特許800,958号、特開平4−2046
40号、同4−333043号等に開示されている。有
用なテルル増感剤の例としては、テルロ尿素類(例え
ば、N,N−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ
尿素、N−カルボキシエチル−N,N′−ジメチルテル
ロ尿素、N,N′−ジメチル−N′−フェニルテルロ尿
素)、ホスフィンテルリド類(例えば、トリブチルホス
フィンテルリド、トリシクロヘキシルホスフィンテルリ
ド、トリイソプロピルホスフィンテルリド、ブチル−ジ
イソプロピルホスフィンテルリド、ジブチルフェニルホ
スフィンテルリド)、テルロアミド類(例えば、テルロ
アセトアミド、N,N−ジメチルテルロベンズアミ
ド)、テルロケトン類、テルロエステル類、イソテルロ
シアナート類等が挙げられる。テルル増感剤の使用技術
は、セレン増感剤の使用技術に準じる。
【0110】本発明においては、還元増感を併用するこ
とも好ましい。該還元増感は、ハロゲン化銀粒子の成長
途中に施すのが好ましい。成長途中に施す方法として
は、ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感
を施す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断
した状態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハ
ロゲン化銀粒子を成長せしめる方法をも含む。
【0111】本発明においては、セレン化合物やテルル
化合物で増感することができるが、更に硫黄化合物や金
塩の如き貴金属塩による増感もできる。また還元増感す
ることもできるし、またこれらの方法を組み合わせて増
感することができる。
【0112】本発明において適用できる硫黄増感剤とし
ては、米国特許1,574,944号、同2,410,
689号、同2,278,947号、同2,728,6
68号、同3,501,313号、同3,656,95
5号、西独出願公開(OLS)1,422,869号、
特開昭56−24937号、同55−45016号公報
等に記載されている硫黄増感剤を用いることができる。
具体例としては、1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエ
チルチオ尿素、1−エチル,3−(2−チアゾリル)チ
オ尿素等のチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチア
カルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合物、硫黄単体
等が好ましい例として挙げられる。尚、硫黄単体として
は、斜方晶系に属するα−硫黄が好ましい。
【0113】金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸
金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン
類、その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロゲン化銀乳剤
の種類、使用する化合物の種類、熟成条件等によって一
様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり、1×
10−4モル〜1×10−9モルであることが好まし
い。更に好ましくは1×10−5〜1×10−8モルで
ある。
【0114】本発明において、硫黄増感剤及び金増感剤
の添加方法は、水或いはアルコール類、その他無機或い
は有機溶媒に溶解し、溶液の形態で添加してもよく、水
に不溶性の溶媒或いは、ゼラチンのような媒体を利用し
て、乳化分散させて得られる分散物の形態で添加しても
よい。
【0115】本発明において、硫黄増感及び金増感の両
者を同時に施してもよく、また別々に且つ段階的に施し
てもよい。後者の場合、硫黄増感を適度に施した後に、
或いはその途中において、金増感を施すと好ましい結果
が得られることがある。
【0116】還元増感は、ハロゲン化銀乳剤のハロゲン
化銀粒子の成長中に行われるように、ハロゲン化銀乳剤
に還元剤及び/又は水溶性銀塩を添加することによって
行われる。
【0117】還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ
尿素及びアスコルビン酸及びそれらの誘導体が挙げられ
る。また別の好ましい還元剤としては、ヒドラジン、ジ
エチレントリアミンの如きポリアミン類、ジメチルアミ
ンボラン類、亜硫酸塩類等が挙げられる。
【0118】還元剤の添加量は、還元増感剤の種類、ハ
ロゲン化銀粒子の粒径、組成及び晶癖、反応系の温度、
pH、pAg等の環境条件によって変化させることが好
ましいが、例えば、二酸化チオ尿素の場合は、大凡の目
安として、ハロゲン化銀1モル当たり約0.01〜2m
gを用いると好ましい結果が得られる。アスコルビン酸
の場合は、ハロゲン化銀1モル当たり約50mg〜2g
の範囲が好ましい。
【0119】還元増感の条件としては、温度は約40〜
70℃、時間は約10〜200分、pHは約5〜11、
pAgは約1〜10の範囲が好ましい(尚、ここでpA
g値はAgイオン濃度の逆数である)。
【0120】水溶性銀塩としては、硝酸銀が好ましい。
水溶性銀塩の添加により、還元増感技術の一種である所
謂銀熟成が行われる。銀熟成時のpAgは1〜6が適当
であり、好ましくは2〜4である。温度、pH、時間等
の条件は上記の還元増感条件範囲が好ましい。本発明の
還元増感を施されたハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化
銀写真乳剤の安定剤としては、後記する一般的な安定剤
を用いることができるが、特開昭57−82831号に
開示されている酸化防止剤及び/或いはV.S.Gah
ler著の論文[Zeitshrift fur wi
ssenschaftliche Photograp
hie Bd.63,133(1969)]及び特開昭
54−1019号に記載されているチオスルフォン酸類
を併用するとしばしば良好な結果が得られる。尚、これ
らの化合物の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程
までの乳剤製造工程のどの過程でもよい。
【0121】本発明においては、化学熟成から塗布まで
の過程の中で、微粒子ハロゲン化銀を添加することがで
きる。ここで化学熟成から塗布までの過程の間とは、化
学熟成中を含み、且つその後、感光材料を構成するため
に塗布に供せられる場合、それまでの間に微粒子ハロゲ
ン化銀が添加されることを意味する。
【0122】例えば、分光増感色素の吸着を強化するこ
とを目的として、微粒子沃化銀を添加する場合の添加時
期は、化学熟成工程から塗布の直前までのいずれかの工
程であればよいが、好ましくは化学熟成工程での添加で
ある。ここで化学熟成工程とは、本発明の乳剤の物理熟
成及び脱塩操作が終了した時点から、化学増感剤を添加
し、その後化学熟成を停止するための操作を施した時点
までの間を指す。また、微粒子沃化銀の添加は、時間間
隔をとって数回に分けて行ってもよいし、微粒子沃化銀
の添加後に、更に別の化学熟成済み乳剤を加えてもよ
い。微粒子沃化銀を添加する際の本発明の乳剤液の温度
は、30〜80℃の範囲が好ましく、更には40〜65
℃の範囲が特に好ましい。また、本発明は添加する微粒
子沃化銀が添加後、塗布直前までの間に一部もしくは全
部が消失する条件で実施されることが好ましく、更に好
ましい条件は添加した微粒子ハロゲン化銀の20%以上
が塗布直前において消失していることである。
【0123】ハロゲン化銀乳剤を含有する層ないし該乳
剤層以外の構成層のいずれか任意の少なくとも1層に現
像処理中に脱色又は/及び流出可能な染料を含有させて
もよい。この場合、高感度、高鮮鋭度で、かつ色素ステ
インの少ない感光材料が得られる。感光材料に用いられ
る染料としては、感光材料に応じて、所望の波長を吸収
して該波長の影響を除くことにより、鮮鋭性を向上させ
得るような染料から適宜に選択して使用することができ
る。該染料は感光材料の現像処理中に脱色もしくは流出
し、画像完成時には着色が視認できない状態となってい
ることが好ましい。
【0124】本発明の感材に用いられる染料の具体例
は、西独特許616,007号、英国特許584,60
9号、同1,177,429号、特公昭26−7777
号、同39−22069号、同54−38129号、特
開昭48−85130号、同49−99620号、同4
9−114420号、同49−129537号、同50
−28827号、同52−108115号、同57−1
85038号、米国特許1,878,961号、同1,
884,035号、同1,912,797号、同2,0
98,891号、同2,150,695号、同2,27
4,782号、同2,298,731号、同2,40
9,612号、同2,461,484号、同2,52
7,583号、同2,533,472号、同2,86
5,752号、同2,956,879号、同3,09
4,418号、同3,125,448号、同3,14
8,187号、同3,177,078号、同3,24
7,127号、同3,260,601号、同3,28
2,699号、同3,409,433号、同3,54
0,887号、同3,575,704号、同3,65
3,905号、同3,718,472号、同3,86
5,817号、同4,070,352号、同4,07
1,312号、PBレポート74175号、PHOT
O.ABS.1,28(’21)等に記載されている。
【0125】染料を添加含有せしめる構成層は、感光材
料のいずれの写真構成層でもよい。即ち、感光材料を構
成する感光性乳剤層、該乳剤層塗設面側の他の親水性コ
ロイド層(例えば、中間層、保護層、下引層の如き非感
光性層)などの少なくとも1層中に含有させればよい。
ハロゲン化銀乳剤層若しくはそれより支持体に近い層又
はその両方にあることが好ましく、更に好ましくは、透
明支持体に隣接した塗設層中に添加するのが効果的であ
る。染料は支持体に近い側でその濃度が高いことが好ま
しい。
【0126】本発明において、上記染料の添加量は、鮮
鋭性の目標に応じて、変えることができる。好ましく
は、0.2mg/m〜20mg/m、より好ましく
は0.8mg/m〜15mg/mである。
【0127】上記染料は、通常の方法によって親水性コ
ロイド層中に導入できる。即ち、染料を適当な濃度の水
溶液として、又は、固体状微粒子分散物として、導入で
きる。尚、具体的には、特開平1−158430号、同
2−115830号、同4−251838号等が参考に
なる。
【0128】ハロゲン化銀乳剤層を着色する場合には、
塗布前のハロゲン化銀乳剤液中に、また親水性コロイド
の水溶液に加えて、これらの液を支持体上に直接或いは
他の親水性コロイド層を介して種々の方法で塗布すれば
よい。
【0129】前記した如く染料は支持体に近い側でその
濃度が高いことが好ましいのであるが、このように染料
を支持体に近い側に固定しておくためにモルダント剤を
用いることができる。例えば、前記した染料の少なくと
も1種と結合させるものとして、非拡散性モルダント剤
を用いることができる。このようなものとしては、たと
えば、西独特許2,263,031号、英国特許1,2
21,131号、同1,221,195号、特開昭50
−47624号、同50−71332号、特公昭51−
1418号、米国特許第2,548,564号、同2,
675,316号、同2,795,519号、同2,8
39,401号、同2,882,156号、同3,04
8,487号、同3,184,309号、同3,44
4,138号、同3,445,231号、同3,70
6,563号、同3,709,690号、同3,78
8,855号等に記載されている化合物を好ましく用い
ることができる。
【0130】非拡散性モルダントと染料を結合させる方
法は、当業界で知られている種々の方法にて行われる
が、特に、ゼラチンパウダー中にて結合させる方法が通
常適用される。その他、適当なバインダー中にて結合せ
しめ、ゼラチン水溶液中に超音波等にて分散させる方法
も適用できる。
【0131】また、結合比は化合物により一様ではない
が、通常水溶性染料1部に対して、非拡散性モルダント
を0.1部から10部にて結合させる。そして、水溶性
染料として添加する量は、非拡散性モルダントと結合さ
せているため、該染料を単独で用いるよりも多量に用い
ることができる。
【0132】感光材料中に含有せしめる場合、構成層と
して染料と非拡散性モルダントとの結合物を含有する構
成層を新設してもよく、その位置は、任意に選択できる
が、好ましくは、透明支持体に隣接した塗設層として用
いるのが効果的である。
【0133】本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、
各種の写真用添加剤を用いることができる。公知の添加
剤としては例えばリサーチ・ディスクロージャーNo.
17643(1978年12月)、同No.18716
(1979年11月)及び同No.308119(19
89年12月)に記載された化合物が挙げられる。これ
ら3つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている
化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0134】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 II 648右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 III 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII
【0135】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。
【0136】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる支持体としては、上記のRDに記載されているも
のが挙げられるが、適当な支持体としてはプラスチック
フィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくす
るために下引き層を設けたり、コロナ放電やグロー放電
などが施されてもよい。そして、このように処理された
支持体上の両面に本発明に係る乳剤を塗布することがで
きる。
【0137】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
他に必要に応じて、アンチハレーション層、中間層、フ
ィルター層などを設けることができる。
【0138】本発明の写真感光材料において、写真乳剤
層その他の親水性コロイド層は種々の塗布法により支持
体上又は他の層上に塗布できる。塗布には、ディップ塗
布法、ローラー塗布法、カーテン塗布法、押し出し塗布
法、スライド・ホッパー法などを用いることができる。
詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー、第176
巻、P.27〜28の「Coating proced
ures」の項に記載されている方法を用いうる。
【0139】尚、本発明のハロゲン化銀乳剤は、乳剤層
又はその他の層のある層に現像薬、例えばアミノフェノ
ール、アスコルビン酸、ピロカテコール、ハイドロキノ
ン、フェニレンジアミン又は3−ピラゾリドンを含んで
もよい。
【0140】次に本発明の感光材料の好ましい現像処理
について述べる。本発明の感光材料は、白黒現像あるい
はカラー現像等、現像方式は特に限定されない。現像液
の現像主薬の例として、特開平4−15641号、同4
−16841号等に記載のジヒドロキシベンゼン、例え
ばハイドロキノン、パラアミノフェノール類、例えばp
−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノー
ル、2,4−ジアミノフェノールなど、3−ピラゾリド
ン類としては、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン
類、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリド
ン、5,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピラゾリド
ン等で、またこれらを併用して用いることが好ましい。
【0141】また、上記パラアミノフェノール類、3−
アミノピラゾリドン類の好ましい使用量は0.004モ
ル/リットルであり、より好ましくは0.04〜0.1
2モル/リットルである。
【0142】また、これら全現像処理液構成成分中に含
まれるジヒドロキシベンゼン類、パラアミノフェノール
類、3−ピラゾリドン類の総モル数が0.1モル/リッ
トル以下が好ましい。
【0143】保恒剤としては、亜硫酸塩類、例えば亜硫
酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、レダクトン類、例えば
ピペリジノヘキソースレダクトン等を含んでもよく、こ
れらは、好ましくは0.2〜1モル/リットル、より好
ましくは0.3〜0.6モル/リットルを用いるのがよ
い。また、アスコルビン酸類を多量に添加することも処
理安定性につながる。
【0144】アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三
燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウムの如きpH調節剤を
含む。さらに特開昭61−28708号明細書記載の硼
酸塩、特開昭60−93439号明細書記載のサッカロ
ーズ、アセトオキシム、5−スルホサリチル酸、燐酸
塩、炭酸塩などの緩衝剤を用いてもよい。これらの薬剤
の含有量は現像液のpHを9.0〜13、好ましくはp
H10〜12.5とするように選ぶ。
【0145】溶解助剤としては、ポリエチレングリコー
ル類、及びこれらのエステルなど、増感剤としては、例
えば四級アンモニウム塩など、現像促進剤、界面活性剤
などを含有させることができる。
【0146】銀スラッジ防止剤としては、特開昭56−
106244号明細書記載の銀汚れ防止剤、特開平3−
51844号明細書記載のスルフィド、ジスルフィド化
合物、特願平4−92947号明細書記載のシステイン
誘導体あるいはトリアジン化合物が好ましく用いられ
る。
【0147】有機抑制剤としてはアゾール系有機カブリ
防止剤、例えばインダゾール系、イミダゾール系、ベン
ツイミダゾール系、トリアゾール系、ベンツトリアゾー
ル系、テトラゾール系、チアジアゾール系化合物が用い
られる。
【0148】無機抑制剤としては、臭化ナトリウム、臭
化カリウム、沃化カリウムなどを含有する。この他、
L.F.A.メンソン著「フォトグラフィック・プロセ
ッシング・ケミストリー」フォーカルプレス社刊(19
66年)の226〜229頁、米国特許2,193,0
15号、同2,592,364号、特開昭48−649
33号明細書などに記載のものを用いてもよい。処理液
に用いられる水道水中に混在するカルシウムイオンを隠
蔽するためのキレート剤には、有機キレート剤として特
開平1−193853号明細書記載の鉄とのキレート安
定化定数が8以上のキレート剤が好ましく用いられる。
無機キレート剤としてはヘキサメタ燐酸ナトリウム、ヘ
キサメタ燐酸カルシウム、ポリ燐酸塩等がある。
【0149】現像硬膜剤としてはジアルデヒド系化合物
を用いてもよい。この場合、グルタルアルデヒドが好ま
しく用いられる。
【0150】本発明の現像剤の処理温度は、好ましくは
25〜50℃で、より好ましくは30〜40℃である。
現像時間は5〜90秒であり、より好ましくは8〜60
秒である。処理時間はDry to Dryで好ましく
は20〜210秒、より好ましくは30〜90秒であ
る。
【0151】本発明における補充は、処理剤疲労と酸化
疲労相当分を補充する。補充法としては、特開昭55−
126243号に記載の幅、送り速度による補充、特開
昭60−104946号記載の面積補充、特開平1−1
49156号記載の連続処理枚数によりコントロールさ
れた面積補充でもよく、好ましい補充量は500〜15
0ml/mである。
【0152】好ましい定着液としては、当業界で一般に
用いられている定着素材を含むことができる。pH3.
8以上、好ましくは4.2〜5.5である。定着剤とし
ては、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウムなど
のチオ硫酸塩であり、定着速度からチオ硫酸アンモニウ
ムが特に好ましい。該チオ硫酸アンモニウムの濃度は
0.1〜5mol/リットルの範囲が好ましく、より好
ましくは0.8〜3mol/リットルの範囲である。
【0153】本発明の定着液は酸性硬膜を行うものであ
ってもよい。この場合硬膜剤としてはアルミニウムイオ
ンが好ましく用いられる。例えば硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、カリ明礬などの形態で添加するのが好
ましい。
【0154】その他本発明の定着液には、所望により亜
硫酸塩、重亜硫酸塩等の保恒剤、酢酸、硼酸等のpH緩
衝剤、鉱酸(硫酸、硝酸)や有機酸(クエン酸、蓚酸、
リンゴ酸など)、塩酸などの各種酸や金属水酸化物(水
酸化カリウム、ナトリウム)等のpH調整剤や硬水軟化
能を有するキレート剤を含むことができる。
【0155】定着促進剤としては、例えば特公昭45−
35754号、同58−122535号、同58−12
2536号記載のチオ尿素誘導体、米国特許4,12
6,459号記載のチオエーテルなどが挙げられる。
【0156】本発明の感光材料の現像全処理時間(Dr
y to Dry)は特に限定されないが、白黒現像の
場合、25秒以下の超迅速処理することができる。本発
明における“現像工程時間”又は“現像時間”とは、処
理する感光材料の先端が自動現像機(以下、自現機と呼
ぶ)の現像タンク液に浸漬してから次の定着液に浸漬す
るまでの時間、“定着時間”とは定着タンク液に浸漬し
てから次の水洗タンク液(安定液)に浸漬するまでの時
間、“水洗時間”とは、水洗タンク液に浸漬している時
間をいう。また“乾燥時間”とは、通常自現機には、3
5℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃の熱風が吹
きつけられる乾燥ゾーンが設置されており、その乾燥ゾ
ーンに入っている時間をいう。本発明の現像処理では、
現像時間が3秒〜15秒、好ましくは3秒〜10秒、現
像温度は25℃〜50℃が好ましく、30℃〜40℃が
より好ましい。定着温度及び時間は20℃〜50℃で2
秒〜12秒が好ましく、30℃〜40℃で2秒〜10秒
がより好ましい。水洗又は安定浴温度及び時間は0〜5
0℃で2秒〜15秒が好ましく、15℃〜40℃で2秒
〜8秒がより好ましい。本発明の方法によれば、現像、
定着及び水洗(又は安定化)された写真材料は水洗水を
しぼり切るスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥は
40℃〜100℃で行われ、乾燥時間は環境温度によっ
て適宜変えられるが、通常は3秒〜12秒でよく、特に
好ましくは40℃〜80℃で3秒〜8秒である。より好
ましくは遠赤外線ヒーターを使用することが好ましい。
【0157】本発明においては、現像液や定着液の補充
量がハロゲン化銀写真感光材料1m当たり200ml
以下で処理することができる。その他、本発明の実施に
際しては、写真技術において用いられる各種の技術を適
用することができる。
【0158】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明は以下の実施例により限定されるものではない。 実施例1 メチレンラテックス化合物の製造例を示す。 (合成例−1)攪拌装置、温度計、還流冷却管を装着し
た1リットルの三口フラスコに、蒸留水345ml及び
SP−22の35重量%水溶液の14g(SP−22固
形分4.9g)及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(S−2)の25重量%水溶液0.4g(S−2固
形分0.1g)を加え、窒素気流下80℃で加熱攪拌し
た。これに、過硫酸カリウムを添加するモノマーの総量
の1.5重量%を溶解した水溶液30mlを添加後、直
ちにアセトアセトキシエチルメタクリレート10g、ブ
チルアクリレート45g及びスチレン45gの混合液を
1時間かけて滴下し、滴下終了後3時間加熱攪拌した。
さらに過硫酸カリウムをモノマー総量の0.5重量%を
溶解した水溶液10ml液の溶液を添加し3時間加熱攪
拌を行い重合反応を完結させた。その後、反応混合物を
室温まで放冷し、ポリマーラテックス[Lx−1]を合
成した。ポリマーラテックス[Lx−2〜Lx−5]も
表2に示すモノマー組成で同様に合成した。
【0159】(合成例−2)合成例−1と同様の装置
に、蒸留水345ml及びSP−22の35重量%水溶
液を14g(SP−22固形分4.9g)及びS−2の
25重量%水溶液0.4g(S−2固形分0.1g)を
加え、窒素気流下80℃で加熱攪拌した。これに、過硫
酸カリウムを添加するモノマーの総量の1.5重量%を
溶解した水溶液30mlを添加後、直ちにアセトアセト
キシエチルメタクリレート25g、iso−ノニルアク
リレート25g及びシクロヘキシルメタクリレート50
gの混合液を1時間かけて滴下し、滴下終了後3時間加
熱攪拌した。さらに過硫酸カリウムをモノマー総量の
0.5重量%を溶解した水溶液10ml液の溶液を添加
し3時間加熱攪拌を行い重合反応を完結させた。その
後、反応混合物を室温まで放冷し、ポリマーラテックス
[Lx−6]を合成した。ポリマーラテックス[Lx−
7〜Lx−11]も表2に示すモノマー組成で同様に合
成した。
【0160】(合成例−3)合成例−1と同様の装置
に、蒸留水355ml及びSP−28を4.9g及びS
−2の25重量%水溶液0.4g(S−2固形分0.1
g)を加えた水溶液を調整し、窒素気流下80℃で加熱
攪拌した。これに、過硫酸カリウムを添加するモノマー
の総量の1.5重量%を溶解した水溶液30mlを添加
後、直ちにアセトアセトキシエチルメタクリレート20
g、iso−ノニルアクリレート40g及びスチレン4
0gの混合液を1時間かけて滴下し、滴下終了後3時間
加熱攪拌した。さらに過硫酸カリウムをモノマー総量の
0.5重量%を溶解した水溶液10ml液の溶液を添加
し3時間加熱攪拌を行い重合反応を完結させた。その
後、反応混合物を室温まで放冷し、ポリマーラテックス
[Lx−12]を合成した。また、SP−28に代え
て、表1に示す水溶性ポリマーを同一重量添加し、また
表1に示すモノマー組成で同様に合成を行い、ポリマー
ラテックス[Lx−13〜Lx−20]を得た。
【0161】(合成例−4)合成例−2のSP−28の
代わりにSP−6を用いた以外は合成例−3と同様にし
て、ポリマーラテックス[Lx−15]を合成した。
【0162】(合成例−5)合成例−3のSP−28の
代わりにSP−8を用いた以外は合成例−3と同様にし
て、ポリマーラテックス[Lx−17]を合成した。
【0163】(合成例−6)合成例−3のSP−28の
代わりにSP−13を用いた以外は合成例−3と同様に
して、ポリマーラテックス[Lx−18]を合成した。
また、SP−28に代えて、表2に示す水溶性ポリマー
を同一重量添加し、さらに表2に示すモノマー組成で合
成例−2と同様に合成を行い、ポリマーラテックス[L
x−13〜14、Lx−16、Lx−19〜20]を得
た。
【0164】以下に比較ポリマーラテックスの合成例を
示す。 (合成例−7 比較ラテックス:Lx−21の合成)合
成例−1と同様の装置に、蒸留水340ml及びドデシ
ル硫酸ナトリウム5gを加えた水溶液を調整し、窒素気
流下80℃で加熱攪拌した。これに、過硫酸カリウムを
添加するモノマーの総量の1.5重量%を溶解した水溶
液30mlを添加後、直ちにアセトアセトキシエチルメ
タクリレート20g、ブチルアクリレート40g及びス
チレン40gの混合液を1時間かけて滴下し、滴下終了
後3時間加熱攪拌した。さらに過硫酸カリウムをモノマ
ー総量の0.5重量%を溶解した水溶液10ml液の溶
液を添加し、3時間加熱攪拌を行い重合反応を完結させ
た。その後、反応混合物を室温まで放冷し、ポリマーラ
テックス[Lx−21]を合成した。比較ポリマーラテ
ックス[Lx−22〜24、Lx−27]も表2に示す
モノマー組成で合成例−7と同様にして合成した。
【0165】(合成例−8 比較ポリマーラテックス:
Lx−25の合成)ポリマーラテックスを構成するモノ
マーを、アセトアセトキシエチルアクリレート25g、
ブチルアクリレート75gに変更した以外は合成例−1
と同様に合成を行い、PLx−25を得た。また、Lx
−26も表1に示すモノマー組成で合成例−8と同様に
合成した。
【0166】また、表2に示すポリマーラテックスのガ
ラス転移温度は、ポリマーラテックス水溶液を50℃で
真空乾燥し水分を除去した乾燥膜を作成し、示差走査型
熱量計(理学電器社製、DSC8230型)を用いて、
窒素気流下10℃/分の昇温速度で測定したところ、L
x−1〜Lx−22以外は−20℃以上を示した。
【0167】
【表2】
【0168】実施例2 (乳剤Em−1及び乳剤Em−2の調製) 《乳剤Em−1の調製》先ず、下記の様にして沃臭化銀
の六角平板状種乳剤Em−Aを調製した。 (溶液A) オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l HO(CHCHO)[CH(CH)CHO]17(CHCHO ) H(n+m=5〜7)10%メタノール溶液 1.20ml 臭化カリウム 10.8g 10%HSO 144ml
【0169】 (溶液B) 硝酸銀 1487.5g 蒸留水で3500mlにする。
【0170】 (溶液C) 臭化カリウム 1050g 沃化カリウム 29.3g
【0171】 (溶液D) 1.75N臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 特公昭58−58288号、同58−58289号等に
記載の混合攪拌機を用いて、35℃で溶液Aに溶液B及
び溶液Cの各々64.1mlを同時混合法により2.0
分を要して添加し、核形成を行った。
【0172】溶液B及び溶液Cの添加を停止した後、6
0分かけて溶液Aの温度を60℃に上昇させ、再び溶液
B及び溶液Cを同時混合法により、各々68.5ml/
minの流量で50分間添加した。この間の銀電位(飽
和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で
測定)を溶液Dを用いて+6mVになるように制御し
た。添加終了後、3%KOH水溶液によってpHを6に
合わせ、直ちに脱塩、水洗を行って種乳剤Em−Aとし
た。このように作成した種乳剤Em−Aはハロゲン化銀
粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0
〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均
厚さは0.07μm、平均直径(円直径換算)は0.5
μm、変動係数は25%であることが電子顕微鏡観察に
より判明した。
【0173】Em−1の調製 以下の4種類の溶液を用いて平板状ハロゲン化銀乳剤を
作成した。 (溶液A) オセインゼラチン 29.4g HO(CHCHO)[CH(CH)CHO]17(CHCHO ) H(n+m=5〜7)10%メタノール溶液 1.25ml Em−A 2.65モル相当 蒸留水で 3000mlに仕上げる
【0174】 (溶液B) 3.5N硝酸銀水溶液 1760ml
【0175】 (溶液C) 臭化カリウム 737g 蒸留水で 1760mlに仕上げる
【0176】 (溶液D) 1.75N臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 特公昭58−58288号、同58−58289号等に
記載の混合攪拌機を用いて、60℃で溶液Aに溶液B及
び溶液Cの全量を同時混合法(ダブルジェット法)によ
り、添加終了後の流速が添加開始時の流速の3倍にある
ように110分の時間を要して行った。この間の銀電位
は溶液Dを用いて+40mVになるように制御した。
【0177】添加終了後、過剰な塩類を除去するため、
以下に示す方法で沈澱脱塩を行った。 1.混合終了した反応液を40℃にして、凝集ゼラチン
としてフェニルカルバモイル基で変性された(置換率9
0%)変性ゼラチンを20g/AgX1モル加え、更
に、56重量%酢酸を加えて、pH4.30まで落と
し、静置し、デカンテーションを行う。 2.40℃の純水1.8リットル/AgXlモルを加
え、10分間攪拌反応させた後、静置し、デカンテーシ
ョンを行う。 3.上記2回の工程をもう一回繰り返す。 4.後、ゼラチン15g/AgX1モルと炭酸ナトリウ
ム、水を加え、pH6.0にして分散させ、450ml
/AgX1モルに仕上げる。
【0178】得られたEm−1中の粒子3000個を電
子顕微鏡により観察、測定し形状を分析したところ、平
均円相当直径0.59μm、平均の厚さ0.17μmの
六角平板状粒子であり、変動係数は24%であった。
【0179】《Em−2の調製》Em−1の調製方法に
おいて、調製中の銀イオン電位を−10mVに変化させ
ることで、粒子直径、粒子の厚みの異なるハロゲン化銀
乳剤Em−2を調製した。得られた乳剤の電子顕微鏡観
察による粒子形状は平均円相当直径0.59μm、平均
の厚さ0.17μmの六角平板状粒子であり、変動係数
は24%であった。
【0180】(感光材料試料の作成)次に、濃度0.1
5に青色着色したX線用のポリエチレンテレフタレート
フィルムベース(厚みが175μm)の両面に、下記の
ごとくクロスオーバーカット層、乳剤層、中間層、保護
層の順に、両面に均一に塗布、乾燥して試料No.1を
作成した。このとき、各試料の片面当たりの銀付量は
1.3g/m、ゼラチン量は、保護層0.4g/
、中間層0.4g/m、乳剤層1.5g/m
クロスオーバーカット層は0.2g/mになるように
調製した。
【0181】 第1層(クロスオーバーカット層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m ゼラチン 0.2g/m ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m 化合物(I) 5mg/m 活性メチレンラテックス Lx−1 0.16mg/m 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m 硬膜剤(A) 2mg/m
【0182】第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。 化合物(G) 0.5mg/m 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5−トリ アジン 5mg/m t−ブチル−カテコール 130mg/m ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m トリメチロールプロパン 350mg/m ジエチレングリコール 50mg/m ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m 化合物(H) 0.5mg/m n−COCHCH(OH)CHN(CHCOOH) 350mg/m 化合物(M) 5mg/m 化合物(N) 5mg/m コロイダルシリカ 0.4g/m 活性メチレンラテックス Lx−1 0.3g/m デキストラン(平均分子量1,000) 0.2g/m 化合物(P) 0.2g/m 化合物(Q) 0.2g/m
【0183】 第3層(中間層) ゼラチン 0.4g/m ホルムアルデヒド 10mg/m 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 18mg/m 活性メチレンラテックス Lx−1 0.1g/m ポリアクリル酸ナトリウム 10mg/m 化合物(S−1) 3mg/m 化合物(K) 5mg/m 硬膜剤(B) 1mg/m
【0184】 第4層(保護層) ゼラチン 0.4g/m ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 50mg/m ホルムアルデヒド 10mg/m 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 18mg/m 活性メチレンラテックス Lx−1 0.1g/m ポリアクリルアミド(平均分子量10,000) 0.05g/m ポリアクリル酸ナトリウム 20mg/m ポリシロキサン(SI) 20mg/m 化合物(I) 12mg/m 化合物(J) 2mg/m 化合物(S−1) 7mg/m 化合物(K) 15mg/m 化合物(O) 50mg/m 化合物(S−2) 5mg/m19−O−(CHCHO)11−H 3mg/m17SON(C)−(CHCHO)15−H 2mg/m17SON(C)−(CHCHO)−(CHSO Na 1mg/m 硬膜剤(B) 1.5mg/m
【0185】
【化11】
【0186】
【化12】
【0187】
【化13】
【0188】表3に示したように、活性メチレンラテッ
クスの種類・量を調整した以外は同様に試料を作成した
(試料No.2〜31)。活性メチレンラテックス、特
公昭45−5819号参考例6の製法で作成した活性メ
チレンラテックス、特開平8−248548号合成例1
の製法で作成したラテックス、を用いて作成した(試料
No.32、33)。
【0189】(試料の評価) <保存性の評価>作成した試料を、40℃80%の条件
下で1週間保存した。得られた感光材料試料を蛍光増感
紙で挟み、ペネトロメータB型(コニカメディカル社
製)を介してX線をウェッジ照射後SRX−503自動
現像機を用い、SR−DF処理液にて現像温度35℃で
全処理時間45秒処理を行った(いずれもコニカ社
製)。このとき、処理液の補充量は現像液、定着液とも
に210ml/mとした。得られた試料の未露光時の
カブリ濃度を測定した。比較試料29のカブリ濃度から
本発明試料のカブリ濃度を差し引いた値を保存性の指標
とした。
【0190】<カバーリングパワー>試料29の最高濃
度を塗布銀量で割った値を基準にし、他の試料の値を試
料29と比較し、試料29を100として相対比較し
た。
【0191】<プレッシャー>未露光の試料を平面台に
置き、この上に板を張ったスポンジたわしをたわし面が
感材に当たるように載せ、この上におもりを載せて固定
し、感材を平面台とスポンジの間から引き抜いた。この
ような試料を現像し、カブリの発生度合を5段階評価し
た。 5:全く発生しない 4:一部にわずかに認められる 3:全体にかすかに発生している 2:全体に発生し、一部はひどく発生している 1:全体にひどく発生している 試料1〜33について、得られた結果を表3に示す。
【0192】
【表3】
【0193】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン化銀写真感光
材料の圧力カブリを低減させ、同時に保存性やカバーリ
ングパワーの向上を図ること、及びこれを実現するため
の活性メチレンラテックスを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉地 育夫 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性メチレン基を有するエチレン性不飽和
    モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エ
    ステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジ
    エン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導
    される繰り返し単位を有するポリマーが、アニオン性の
    水溶性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造される
    ことを特徴とするラテックス。
  2. 【請求項2】アニオン性の水溶性ポリマーがエチレン性
    不飽和モノマー及び共役ジエンモノマー単位から選ばれ
    る2種以上のモノマー単位で構成され、アニオン性のモ
    ノマー単位が重量分率で60%以上であることを特徴と
    する請求項1に記載のラテックス。
  3. 【請求項3】アニオン性の水溶性ポリマーが共役ジエン
    系スルホン酸又はそのアルカリ塩を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載のラテックス。
  4. 【請求項4】アニオン性の水溶性ポリマーがスチレンス
    ルホン酸又はそのアルカリ塩を共重合単位として含まれ
    ることを特徴とする請求項1に記載のラテックス。
  5. 【請求項5】活性メチレン基を有するエチレン性不飽和
    モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エ
    ステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジ
    エン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導
    される繰り返し単位を有するポリマーが、ノニオン性の
    水溶性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造される
    ことを特徴とするラテックス。
  6. 【請求項6】ノニオン性の水溶性ポリマーがエチレン性
    不飽和モノマー及び共役ジエンモノマー単位から選ばれ
    る2種以上のモノマー単位で構成され、ノニオン性のモ
    ノマー単位で構成され、ノニオン性のモノマー単位が重
    量分率で60%以上であることを特徴とする請求項5に
    記載のラテックス。
  7. 【請求項7】活性メチレン基を有するエチレン性不飽和
    モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エ
    ステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジ
    エン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導
    される繰り返し単位を有するポリマーが、天然物の水溶
    性ポリマーを含む水溶液中の乳化重合で製造されること
    を特徴とするラテックス。
  8. 【請求項8】天然物の水溶性ポリマーがデキストラン誘
    導体であることを特徴とする請求項7に記載のラテック
    ス。
  9. 【請求項9】水溶性ポリマーがアクリルアミド誘導体も
    しくはメタクリルアミド誘導体単位を含むことを特徴と
    する請求項1、5又は7に記載のラテックス。
  10. 【請求項10】水溶性ポリマーがビニルピロリドン単位
    を含むことを特徴とする請求項1、5又は7に記載のラ
    テックス。
  11. 【請求項11】ポリマーラテックスが、一般式[1]で
    表されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
    記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式[1] −(A)x−(B)y−(C)z− 式中、Aは一般式[2]で表される活性メチレン基を有
    するエチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り返し
    単位を示し、Bは単独重合体のガラス転移温度が35℃
    以下であるメタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
    ル、マレイン酸エステルから選ばれるエチレン性不飽和
    モノマーより誘導される繰り返し単位を表し、CはA、
    B以外のエチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り
    返し単位を表す。ここでx、y、zはポリマーラテック
    ス中の各成分の重量百分率比を表し、それぞれ0.5≦
    x≦41、0≦y≦59、x+y+z=100を表す。 【化1】 式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は
    ハロゲン原子を表し、Lは単結合又は二価の連結基を表
    す。Xは活性メチレン基を含む一価の基を表す。
  12. 【請求項12】ガラス転移温度が−20℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のラテ
    ックス。
  13. 【請求項13】支持体上の少なくとも一方の側に少なく
    とも1層のハロゲン化銀乳剤層及び/又は親水性コロイ
    ド層にラテックスを含有するハロゲン化銀写真感光材料
    において、当該ラテックスが、活性メチレン基を有する
    エチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位
    と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーから誘導され
    る繰り返し単位を有するポリマーで、且つ水溶性ポリマ
    ーを含む水溶液中の乳化重合で製造されたラテックスを
    含有し、当該ラテックスの重量がこれを含む層のゼラチ
    ン量の重量に比し0.1〜1.5であることを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。
  14. 【請求項14】ラテックスが請求項1〜12のいずれか
    に記載のものであることを特徴とする請求項13記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
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