JPH11330437A - Soi基板とその製造方法 - Google Patents

Soi基板とその製造方法

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JPH11330437A
JPH11330437A JP12986498A JP12986498A JPH11330437A JP H11330437 A JPH11330437 A JP H11330437A JP 12986498 A JP12986498 A JP 12986498A JP 12986498 A JP12986498 A JP 12986498A JP H11330437 A JPH11330437 A JP H11330437A
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semiconductor substrate
substrate
bonding
insulating film
soi
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JP12986498A
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Tomohiro Hamashima
智宏 濱嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく汚染物質を捕獲するようにしたSO
I基板を提供する。 【解決手段】 第1の半導体基板100の主面上に絶縁
膜10aが形成され、この絶縁膜10aを接合界面20
として第2の半導体基板200を接合したSOI基板に
おいて、前記第2の半導体基板200は、前記接合界面
の近傍まで略一様に高密度の酸素析出物40を含むよう
に構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SOI基板とその
製造方法に係わり、特に、効率よく汚染物質を捕獲する
ようにしたSOI基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低消費電力、高速動作の可能なC
MOSデバイス用半導体基板としてSOI(Silic
on−On−Insulator)基板の開発が行われ
ている。このうち、基板の接合により製造されるSOI
基板(以下、貼り合わせSOI基板)は、デバイス活性
層として利用される上部単結晶シリコン層が厚さ0.1
〜0.2ミクロンの薄膜で構成され、シリコン酸化膜な
どの絶縁膜を介して支持側単結晶シリコン基板に接合さ
れている。
【0003】従来、デバイスプロセス中の汚染を除去す
るために、バルク単結晶基板ではイントリンシックゲッ
タリング(IG:Intrinsic Getteri
ng)を機能させるためにDZIG基板が用いられてき
た。同様のIG効果を貼り合わせSOI基板にも持たせ
るように、支持側基板にDZIG基板を利用することが
考えられる。しかし、DZIG基板を貼り合わせSOI
基板の支持側基板に用いた場合、DZIG基板表層部に
DZ(denuded−zone)層が存在するため、
貼り合わせを行うと、デバイス活性層とゲッタリングサ
イト間が埋め込み酸化膜およびDZ層で隔てられ、この
ため、デバイス活性層中の汚染物質をより効率よくゲッ
タリングサイト(Bulk Micro Defect
s)に捕獲させるために、ゲッタリングサイトはできる
だけデバイス活性層に近接している方が望ましい。
【0004】そこで、DZ層のない貼り合わせSOI基
板を製造する方法として、たとえば特開平09−293
845号公報に、支持側基板のDZ層を研磨加工により
除去してから活性層側基板と貼り合わせる方法が開示さ
れている(以下、第1の従来例)。図9は、第1の従来
例に記載されている支持側基板にDZ層を除去したDZ
IG基板を用いた貼り合わせSOI基板の一例を説明す
るための断面構造模式図である。ここで、デバイス活性
層100aと支持側基板200との接合界面20は、埋
め込み酸化膜10aの下面に位置している。図10は、
図9の貼り合わせSOI基板の製造プロセスを工程順に
示したものである。支持側基板200は、二つの主表面
に約10〜20ミクロンの厚さでDZ層30が形成され
ている(図10−(a))。ここで、支持基板200の
一方のDZ層を研磨加工により除去する。さらに、化学
的機械的研磨によりDZ層の除去された平面を平坦化
し、望ましくは通常のバルク単結晶シリコン基板の鏡面
研磨面と同等の平坦度となるようにする。次に酸化膜1
0を形成した活性層側基板100を、前記支持側基板2
00と対向させて貼り合わせる(図10−(b))。基
板接着後に熱処理を行った後、活性層側基板100を研
削、研磨して薄膜化されたデバイス活性層100aを形
成する(図10−(c))。
【0005】しかし、前記の製造方法では、貼り合わせ
前に支持側基板のIG熱処理と、DZ層除去のための加
工が必要である。また、DZ層除去加工においては、支
持側基板の表面を貼り合わせに必要な平坦度となるまで
再研磨しなければならない。このように、DZ層のない
SOI基板を既存のDZIG基板を用いて形成する方法
では、貼り合わせ前の支持側基板に予めIG熱処理を施
す必要があり、製造工程の追加による基板製造コストが
高くなるという欠点があった。
【0006】デバイス活性層に近接した位置にゲッタリ
ングサイトを設ける方法として、多結晶シリコン層を貼
り合わせ界面に形成する方法がある。これは、多結晶シ
リコン層に含まれる結晶粒界や、多結晶シリコンの結晶
中に含まれる欠陥をゲッタリングサイトとして利用する
ものである。たとえば特開平8−64790公報に開示
されているSOI基板は、多結晶シリコン層を挟んで活
性層側、支持側双方の基板を貼り合わせている。前記公
報を参考にした貼り合わせSOI基板の一例(以下、第
2の従来例)の断面構造模式図を図11に示す。ここに
説明する第2の従来例は、主に高出力の横形パワーMO
SFETをはじめとするパワーデバイスと、前記パワー
デバイスの保護回路や制御回路等の機能を持たせた低耐
圧のCMOS回路等を一つの半導体基板上に混載させた
IPD(IntelligentPower Devi
ces)に用いられる貼り合わせSOI基板である。こ
の基板は、埋め込み酸化膜がパターン化されており、前
記の二種類のデバイスを相互に誘電体分離された構造を
有している。
【0007】以下、図11を用いて第2の従来例を説明
する。活性層側基板100の一主面には埋め込み酸化膜
10aが所定のパターンで部分的に複数形成されてい
る。活性層側基板100は1〜10ミクロンの厚さまで
薄膜化され、前記埋め込み酸化膜10aの敷設されてい
る領域とされていない領域を、トレンチによって素子領
域A(100B)および素子領域B(100A)に誘電
体分離されている。前記埋め込み酸化膜10aの下面に
は約1〜2ミクロンの厚さの多結晶シリコン層70が形
成されており、支持側基板200の一主面と接合されて
いる。素子領域Aには、たとえばソース−ドレイン間耐
圧(BVds)100〜200Vの横形パワーMOSF
ET素子が形成され、一方、素子領域BにはCMOS集
積回路素子が形成される。この場合、デバイス動作の観
点で、素子領域中の汚染物質に対して著しく影響を受け
るのはCMOS集積回路素子である。なぜなら、パワー
MOSFET素子に比べてデバイス動作電圧が低く、よ
り低い接合リーク特性を要求されるからである。また、
素子の微細化が進められているので、汚染物質濃度の許
容上限が低いという問題もある。このため汚染物質のゲ
ッタリングは、CMOS集積回路素子により必要な技術
であるといえる。
【0008】第2の従来例では、多結晶シリコン層がゲ
ッタリングサイトとして機能する。前記したCMOS集
積回路素子の形成される素子領域Bの下部は、埋め込み
酸化膜がなく、直接多結晶シリコン層70と接続してい
る。このため、デバイス形成工程で素子領域B100A
に取り込まれた汚染物質は多結晶シリコン層に捕獲され
る。
【0009】上記した多結晶シリコン層70は、通常基
板の裏面に成膜された多結晶シリコン層のようなEG膜
(Extrinsic Gettering)と異な
り、基板の内部に挟まれている。特に、支持側基板20
0との接合界面はごく薄い酸化膜を介して接合されてい
るか、あるいは支持側基板200と直接接合されている
ので、デバイス形成工程で高温または長時間の熱処理が
かかると多結晶シリコン層中の結晶の再配列が起こり、
結晶の配向性の変化や結晶粒径の増大の可能性がある。
このため、前記のような多結晶シリコン層の結晶粒の変
化によって、汚染物質の捕獲効率の低下や一度捕獲した
汚染物質の再放出などを引き起こすことが危惧される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の欠点を改良し、特に、効率よく汚染物質
を捕獲すると共に、SOI基板の製造工程を簡単にした
新規なSOI基板とその製造方法を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、基本的には、以下に記載されたような技
術構成を採用するものである。即ち、本発明に係わるS
OI基板の第1態様は、第1の半導体基板の主面上に絶
縁膜が形成され、この絶縁膜を接合界面として第2の半
導体基板を接合したSOI基板において、前記第2の半
導体基板は、前記接合界面の近傍まで略一様に高密度の
酸素析出物を含むことを特徴とするものであり、又、第
2態様は、第1の半導体基板の主面上に絶縁膜が形成さ
れ、この絶縁膜を接合界面として第2の半導体基板を接
合したSOI基板において、前記接合界面に接して微小
欠陥層を形成し、この微小欠陥層をゲッタリングサイト
としたことを特徴とするものであり、又、第3態様は、
第1の半導体基板の主面上に部分的に絶縁膜を形成し、
この絶縁膜を含む面に多結晶シリコン膜を成膜し、この
多結晶シリコン膜と第2の半導体基板とを接合したSO
I基板において、前記多結晶シリコン層に接して第2の
半導体基板に微小欠陥層を形成し、この微小欠陥層をゲ
ッタリングサイトとしたことを特徴とするものである。
【0012】又、本発明に係るSOI基板の製造方法の
第1態様は、主面上に絶縁膜が形成された第1の半導体
基板と第2の半導体基板とを接合したSOI基板の製造
方法において、前記第1の半導体基板の絶縁膜の面と前
記第2の半導体基板とを対向させて保持し貼り合わせる
第1の工程と、熱処理を行い前記貼り合わせを強固なも
のにする第2の工程と、前記第1の半導体基板を研削・
研磨して薄膜化する第3の工程と、前記第2の半導体基
板内にイントリンシックゲッタリングサイトを形成する
ための熱処理を行う第4の工程と、を含むことを特徴と
するものであり、又、第2態様は、前記第4の工程は第
3の工程の後に行われることを特徴とするものであり、
又、第3態様は、前記第4の工程は第2の工程の後に行
われることを特徴とするものであり、又、第4態様は、
主面上に絶縁膜が形成された第1の半導体基板と第2の
半導体基板と接合することにより形成したSOI基板の
製造方法において、前記第2の半導体基板にイオン注入
する第1の工程と、前記第1の半導体基板の絶縁膜の面
と前記第2の半導体基板の前記イオン注入した面とを対
向させて保持し貼り合わせる第2の工程と、熱処理を行
い前記貼り合わせを強固なものにする第3の工程と、前
記第1の半導体基板を研削・研磨して薄膜化する第4の
工程と、前記第2の半導体基板内にイントリンシックゲ
ッタリングサイトを形成するための熱処理を行う第5の
工程と、を含むことを特徴とするものであり、又、第5
態様は、第1の半導体基板には部分的に絶縁膜が形成さ
れ、前記絶縁膜を含む面に多結晶シリコン膜を成膜した
第1の半導体基板を第2の半導体基板に接合することに
より形成したSOI基板の製造方法であって、前記第1
の半導体基板の多結晶シリコン膜と前記第2の半導体基
板とを対向させて保持し貼り合わせる第1の工程と、熱
処理を行い前記貼り合わせを強固なものにする第2の工
程と、前記第1の半導体基板を研削・研磨して薄膜化す
る第3の工程と、前記第2の半導体基板内にイントリン
シックゲッタリングサイトを形成するための熱処理を行
う第4の工程と、を含むことを特徴とするものであり、
又、第6態様は、第1の半導体基板には部分的に絶縁膜
が形成され、前記絶縁膜を含む面に多結晶シリコン膜を
成膜した第1の半導体基板を第2の半導体基板に接合す
ることにより形成したSOI基板の製造方法であって、
前記第2の半導体基板にイオン注入する第1の工程と、
前記第1の半導体基板の多結晶シリコン膜の面と前記第
2の半導体基板の前記イオン注入した面とを対向させて
保持し貼り合わせる第2の工程と、熱処理を行い前記貼
り合わせを強固なものにする第3の工程と、前記第1の
半導体基板を研削・研磨して薄膜化する第4の工程と、
前記第2の半導体基板内にイントリンシックゲッタリン
グサイトを形成するための熱処理を行う第5の工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るSOI基板は、第1
の半導体基板の主面上に絶縁膜が形成され、この絶縁膜
を接合界面として第2の半導体基板を接合したSOI基
板において、前記第2の半導体基板は、前記接合界面の
近傍まで略一様に高密度の酸素析出物を含むように構成
したので、汚染物質を効率よく捕獲することができる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に係わるSOI基板とその製
造方法の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。 (第1の具体例)図1,2は、本発明に係わるSOI基
板の具体例の構造を示す図であって、これらの図には、
第1の半導体基板100の主面上に絶縁膜10aが形成
され、この絶縁膜10aを接合界面20として第2の半
導体基板200を接合したSOI基板において、前記第
2の半導体基板200は、前記接合界面の近傍まで略一
様に高密度の酸素析出物40を含むように構成したSO
I基板が示されている。
【0015】次に本発明を更に詳細に説明する。第1の
単結晶シリコン基板100は、厚さ100〜200nm
まで薄膜化され、デバイス活性層100aとなってい
る。デバイス活性層100aの下面には厚さ約100〜
200nmの埋め込み酸化膜10aがあり、埋め込み酸
化膜10aの下面を接合界面20として、第2の単結晶
シリコン基板200と接合されている。第2の単結晶シ
リコン基板200の内部には、BMD40がたとえば1
5〜106 /cm3 の密度で、前記接合界面20の近
傍まで稠密に形成されている。第2の単結晶シリコン基
板200は、デバイス活性層100aおよび埋め込み酸
化膜10aを支持している。また、前記BMD40を汚
染物質の捕獲場(ゲッタリングサイト)として機能させ
る。デバイス活性層中の汚染物質は、埋め込み酸化膜1
0aを通して貼り合わせ界面20直下の前記ゲッタリン
グサイトに捕獲されるので、デバイス活性層の汚染密度
を常に低く保つことが可能となり、後に形成される半導
体集積回路素子(図示なし)の性能向上、歩留まり向上
に寄与する。
【0016】図2は、本発明の第1の具体例における貼
り合わせSOI基板の製造工程順断面図である。以下、
この図を参照しながら本具体例を説明する。図2(a)
に示すように、直径150mm、P型、面方位(10
0)、抵抗率が10〜20Ωcm、厚さ600ミクロン
の第1の単結晶シリコン半導体基板100(以下、活性
層側基板という)、および第2の単結晶シリコン半導体
基板200(以下、支持側基板という)をそれぞれ用意
する。活性層側基板100の少なくとも一方の主表面に
は、熱酸化法により酸化膜10が約100nm形成され
ている。一方、支持側基板200の初期酸素濃度は13
〜15×1017/cm3 程度とする。支持側基板200
には、貼り合わせ前の段階で少なくとも酸素析出物形成
のためのIG(Intrinsic Getterin
g)熱処理を行っていない。
【0017】次に、パーティクルなどの浮遊していない
清浄な雰囲気において、支持側基板200の鏡面研磨さ
れた一主表面と、活性層側基板100の酸化膜10の形
成された主表面とを対向させる。前記の二つの基板に形
成されているオリエンテーションフラットまたはノッチ
(図示なし)を一致させるようにして静かに保持した
後、双方の基板の一部を接触させる。次に、接触点を起
点として、基板の未接着領域を徐々に狭めるように接着
を進行させる。接着が終了し、二つの基板が一体化され
た後、N2 中、1100℃以上の温度で約2〜3時間の
熱処理を行う。この熱処理は二つの基板の接合を強固な
ものとする(図2(b))とともに、基板中のgrow
n−in析出核を一旦消滅させ、均一なサイズ、分布を
持つ析出核の形成を促すことを目的とする。
【0018】次に、前記工程で接合され一体化された基
板のうち、活性層側基板100の接合されていない方の
主表面を研削して単結晶シリコンの薄膜化を行う。活性
層側基板100の単結晶シリコン層の膜厚が数十ミクロ
ン程度まで薄膜化された後、基板周縁部に残存する幅約
1〜2mmの未接合領域をたとえば水酸化カリウム溶液
等を含む異方性アルカリエッチング、または機械的研削
等の手段により除去する(図示なし)。次に、研削され
た活性層側基板100の主表面に対して研磨を行い、所
定の膜厚の単結晶シリコン層100a(以下、デバイス
活性層という)を形成する。
【0019】次に、550〜850℃の温度範囲で数時
間、単一温度または多段階のランピング熱処理を行い、
支持側基板200の内部に酸素析出核を形成、成長させ
る。このようにして支持側基板200の断面全体に高密
度の酸素析出物40(以下BMDという、BMD:Bu
lk Micro Defects)を形成する。BM
D40は、基板の貼り合わせ後に行う熱処理により形成
されるため、通常バルク基板に行われるIG熱処理のよ
うな高温熱処理による酸素の外方拡散が起こらない。こ
のため、支持側基板200の表面近傍に無欠陥層(以下
DZ層、DZ:Denuded Zone)がなく、微
細なBMD40が接合界面20の近傍まで稠密に形成さ
れる(図2(c))。
【0020】前記の基板製造工程の後に、酸素析出物の
分布を均一化し、その成長をさらに促進させるために、
約1000〜1050℃、数〜十数時間程度の熱処理工
程を加えてもよい。また、後のデバイス形成工程で加え
られる各種の熱処理を利用して前記熱処理を代用しても
よい。活性層側基板100は、前記のように研削、研磨
によって薄膜化されてデバイス活性層100aとなる。
そこで、デバイス活性層100aを無欠陥層とするため
に、活性層側基板100の初期酸素濃度を支持側基板2
00のそれと同程度とし、接合前にあらかじめアルゴン
又はN2 、1100℃程度の熱処理を行って、基板表面
近傍の格子間酸素を外方拡散熱処理により除去し、DZ
層を形成したのちに支持側基板と貼り合わせてもよい。
【0021】また、本具体例では、酸素析出核形成、成
長のためのランピング熱処理を、活性層側基板100の
薄膜化加工を実施した後に行っているが、活性層側基板
の薄膜化加工、または前記未接合領域の除去加工の前に
行ってもよい。ただし、この熱処理は、少なくとも貼り
合わせ後の接合強度を向上させるための熱処理を実施し
た後に行う必要がある。
【0022】なお、埋め込み酸化酸10への厚さとして
は、ゲッタリング効果が得られるようにあまり厚くな
く、形成する必要がある。 (第2の具体例)図3に本発明の第2の具体例による貼
り合わせSOI基板の断面構造模式図を示す。第1の単
結晶シリコン基板100は、厚さ100〜200nmま
で薄膜化され、デバイス活性層100aとなっている。
デバイス活性層100aの下面には厚さ約100〜20
0nmの埋め込み酸化膜10aがあり、埋め込み酸化膜
10aの下面を接合界面20として、第2の単結晶シリ
コン基板200と接合されている。第2の単結晶シリコ
ン基板200の接合界面20の近傍には、微小欠陥層5
0aが厚さ約0.5〜1ミクロン、たとえば105 〜1
7 /cm3 の密度で稠密に形成されている。第2の単
結晶シリコン基板200は、デバイス活性層100aお
よび埋め込み酸化膜10a支持している。また、前記微
小欠陥層50aを汚染物質のゲッタリングサイトとして
機能させる。
【0023】図4は、本発明の第2の具体例における貼
り合わせSOI基板の製造工程順断面図である。以下、
この図を参照しながら本具体例を説明する。図4(a)
に示すように、直径150mm、P型の活性層側基板1
00、および支持側半導体基板200をそれぞれ用意す
る。活性層側基板100の少なくとも一方の主表面には
熱酸化法によりシリコン酸化膜10が約100nm形成
されている。一方、支持側基板200は、初期酸素濃度
が13〜15×1017/cm3 程度となるように結晶が
引き上げられている。また、支持側基板200は、貼り
合わせ前に酸素析出物形成のためのIG熱処理は行って
いない。支持側基板200の鏡面研磨された一主表面に
は、ドース量が約1015atoms/cm2 以上の硼素
イオン60がイオン注入されており、基板表面近傍に高
濃度ボロン層50が形成されている。
【0024】次に、パーティクルなどの浮遊していない
清浄な雰囲気において、支持側基板200の高濃度ボロ
ン層50の形成された主表面と、活性層側基板100の
酸化膜10の形成された主表面とを対向させる。第1の
具体例で説明した接着方法を用いて、二つの基板を接着
する。接着が終了し、二つの基板が一体化された後、第
1の具体例と同様な熱処理を行い、二つの基板の接合を
強固なものとする(図4(b))。
【0025】活性層側基板の薄膜化加工、基板周縁部の
未接合領域の除去加工は、本発明の第1の具体例で説明
したものに準ずるので省略する。次に、550〜850
℃、数時間、単一温度または多段階のランピング熱処理
を行って酸素析出核を形成、成長させる。このとき、支
持側基板200の接合界面20の近傍に含まれる硼素に
より酸素析出が促進され、接合界面20の直下に高密度
の微小欠陥層50aが形成される(図4(c))。
【0026】なお、前記したイオン注入される元素は硼
素に限られるものではなく、たとえば燐(P)、珪素
(Si)、あるいはゲルマニウム(Ge)等を注入して
もよい。また、本具体例では、酸素析出核形成、成長の
ためのランピング熱処理を、活性層側基板100の薄膜
化加工を実施した後に行っているが、活性層側基板の薄
膜化加工、または前記未接合領域の除去加工の前に行っ
てもよい。 (第3の具体例)図5に本発明の第3の具体例による貼
り合わせSOI基板の断面構造模式図を示す。活性層側
基板100は厚さ100〜200nmまで薄膜化され、
デバイス活性層100aとなっている。デバイス活性層
100aの下面には厚さ約100〜200nmの埋め込
み酸化膜10aが部分的に所定のパターンで形成されて
いる。埋め込み酸化膜10aを含むSi/SiO2 混在
面上には多結晶シリコン層70が約1〜2ミクロンの厚
さで形成され、その表面を接合界面20として、支持側
基板200と接合されている。支持側基板200の内部
には、BMD40がたとえば105 〜107 /cm3
密度で、前記接合界面20の近傍まで稠密に形成されて
いる。支持側基板200は、デバイス活性層100aお
よび埋め込み酸化膜10a、多結晶シリコン層70を支
持している。前記BMD40は、汚染物質のゲッタリン
グサイトとして機能させる。
【0027】図6は本発明の第3の具体例における製造
工程順断面図である。以下、この図を参照しながら本具
体例を説明する。図6(a)に示すように、直径150
mm、P型、抵抗率が10〜20Ωcmの活性層側基板
100、および支持側基板200をそれぞれ用意する。
活性層側基板100の一方の主表面には、酸化膜10が
部分的に所定のパターンで形成されている。酸化膜の厚
さは100〜1000nmとし、LOCOS酸化法等で
形成する。次に、酸化膜10の部分的に形成されている
Si/SiO2 混在面上に多結晶シリコン層70を約2
〜4ミクロン成膜する。多結晶シリコン成膜前に、必要
に応じて混在面の平坦化研磨を行ってもよい。多結晶シ
リコン層70は、あらかじめ燐などの不純物を含んだ反
応ガスを用いて成膜してもよい。そののち多結晶シリコ
ン層70の表面を約1〜2ミクロンの厚さまで研磨によ
り除去し、その表面を平坦化する。
【0028】一方、支持側基板200の初期酸素濃度は
13〜15×1017/cm3 程度とする。支持側基板2
00には、貼り合わせ前の段階で少なくとも酸素析出物
形成のためのIG熱処理を行っていない。次に、パーテ
ィクルなどの浮遊していない清浄な雰囲気において、支
持側基板200の鏡面研磨された一主表面と、活性層側
基板100の多結晶シリコン層70の研磨された表面と
を対向させる。前記した方法で、二つの基板の接着を行
う。接着が終了し、二つの基板が一体化された後、第1
の実施例と同様の熱処理を行い、二つの基板の接合を強
固なものとする(図6(b))。
【0029】活性層側基板の薄膜化加工、基板周縁部の
未接合領域の除去加工は、本発明の第1の具体例で説明
したものに準ずるので省略する。次に、第1の具体例で
説明した条件を用いて支持側基板200の内部に酸素析
出核を形成、成長させる。このようにして支持側基板2
00の断面全体に高密度のBMD40を形成する。BM
D40は、基板の貼り合わせ後に行う熱処理により形成
されるため、通常基板におけるIG熱処理のような高温
熱処理による酸素の外方拡散がない。このため、支持側
基板200の接合界面20の近傍にDZ層がなく、微細
なBMD40が接合界面20の近傍まで稠密に形成され
る(図6(c))。 (第4の具体例)図7に本発明の第4の具体例による貼
り合わせSOI基板の断面構造模式図を示す。活性層側
基板100は、厚さ100〜200nmまで薄膜化さ
れ、デバイス活性層100aとなっている。デバイス活
性層100aの下面には厚さ約100〜200nmの埋
め込み酸化膜10aが部分的に所定のパターンで形成さ
れている。埋め込み酸化膜10aを含むSi/SiO2
混在面上には、多結晶シリコン層70が約1〜2ミクロ
ンの厚さで形成され、その表面を接合界面として支持側
基板200と接合されている。支持側基板200の接合
界面20の近傍には、微小欠陥層50aがたとえば10
5 〜107 /cm3 の密度で稠密に形成されている。支
持側基板200は、デバイス活性層100aおよび埋め
込み酸化膜10aを支持している。また、微小欠陥層5
0aを汚染物質のゲッタリングサイトとして機能させ
る。
【0030】図8は本発明の第4の具体例による製造工
程順断面図である。以下、この図を参照しながら本具体
例を説明する。図8(a)に示すように、直径150m
m、P型の活性層側基板100、および支持側基板20
0をそれぞれ用意する。酸化膜10、多結晶シリコン層
70を前記第3の具体例で説明した方法で形成する。一
方、支持側基板200は、初期酸素濃度が13〜15×
1017/cm3 程度となるように結晶が引き上げられて
いる。また、支持側基板200は、貼り合わせ前に酸素
析出物形成のためのIG熱処理は行っていない。さら
に、図8(b)に示すように、支持側基板200の鏡面
研磨された一主表面には、ドース量が約1015atom
s/cm2 以上の硼素イオン60がイオン注入されてお
り、基板表面近傍に高濃度ボロン層50が形成されてい
る。
【0031】次に、パーティクルなどの浮遊していない
清浄な雰囲気において、支持側基板200の高濃度ボロ
ン層50の形成された主表面と、活性層側基板200の
多結晶シリコン層70の研磨された表面とを対向させ
る。前記二つの基板に形成されているオリエンテーショ
ンフラットまたはノッチを一致させるようにして静かに
保持したのち、双方の基板の一部を接触させる(図示な
し)。次に、接触点を起点として、基板の未接着領域を
徐々に狭めるように接着を進行させる。接着が終了し、
二つの基板が一体化された後、第1の具体例と同様の熱
処理を行い、二つの基板の接合を強固なものとする(図
8(c))。
【0032】活性層側基板100の薄膜化加工、基板周
縁部の未接合領域の除去加工は、本発明の第1の具体例
で説明したものに準ずるので省略する。次に、第1の具
体例で説明した条件を用いて支持側基板200の内部に
酸素析出核を形成、成長させる。このとき、支持側基板
200の接合界面20の近傍に含まれる硼素により酸素
析出が促進され、接合界面20の直下に高密度の微小欠
陥層50aが形成される(図8(d))。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、支
持側基板に形成したBMDのゲッタリング効果により、
デバイス活性層内部の汚染物質を除去することができ
る。さらに、前記BMDはDZ層を挟むことなく接合界
面近傍まで形成されており、デバイス活性層に近接して
いるので、高い効率で汚染物質を捕獲することができ
る。
【0034】また、従来例で示した支持側基板のDZ層
の除去する加工工程が不要であり、加えて貼り合わせ前
の支持側基板のIG熱処理も不要である。このため、貼
り合わせSOI基板の製造工程が簡単になり、基板製造
コストをより低く抑えることができる。支持側基板のゲ
ッタリング効果により、多結晶シリコン層の汚染物質の
捕獲効率の低下や、前記多結晶シリコン層からの汚染物
質の再放出に起因するデバイス活性層の再汚染の恐れが
なく、常に高いゲッタリング能力を維持できる。
【0035】又、第3の具体例のデバイス活性層のう
ち、特に多結晶シリコン層を介して直接支持側基板と接
合されている領域(CMOS集積回路素子の形成された
領域)の汚染物質を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSOI基板の第1の具体例の断面
図である。
【図2】第1の具体例の製造工程を説明する図である。
【図3】本発明に係るSOI基板の第2の具体例の断面
図である。
【図4】第2の具体例の製造工程を説明する図である。
【図5】本発明に係るSOI基板の第3の具体例の断面
図である。
【図6】第3の具体例の製造工程を説明する図である。
【図7】本発明に係るSOI基板の第4の具体例の断面
図である。
【図8】第4の具体例の製造工程を説明する図である。
【図9】第1の従来例の断面図である。
【図10】図9の製造工程を説明する図である。
【図11】第2の従来例の断面図である。
【符号の説明】
10 酸化膜 10a 酸化膜 20 貼り合わせ界面 40 酸素析出物 50 高濃度ボロン層 50a 微小欠陥層 60 硼素イオン 70 多結晶シリコン層 100 活性層側基板 100a デバイス活性層 200 支持側基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体基板の主面上に絶縁膜が形
    成され、この絶縁膜を接合界面として第2の半導体基板
    を接合したSOI基板において、 前記第2の半導体基板は、前記接合界面の近傍まで略一
    様に高密度の酸素析出物を含むことを特徴とするSOI
    基板。
  2. 【請求項2】 第1の半導体基板の主面上に絶縁膜が形
    成され、この絶縁膜を接合界面として第2の半導体基板
    を接合したSOI基板において、 前記接合界面に接して微小欠陥層を形成し、この微小欠
    陥層をゲッタリングサイトとしたことを特徴とするSO
    I基板。
  3. 【請求項3】 第1の半導体基板の主面上に部分的に絶
    縁膜を形成し、この絶縁膜を含む面に多結晶シリコン膜
    を成膜し、この多結晶シリコン膜と第2の半導体基板と
    を接合したSOI基板において、 前記多結晶シリコン層に接して第2の半導体基板に微小
    欠陥層を形成し、この微小欠陥層をゲッタリングサイト
    としたことを特徴とするSOI基板。
  4. 【請求項4】 主面上に絶縁膜が形成された第1の半導
    体基板と第2の半導体基板とを接合したSOI基板の製
    造方法において、 前記第1の半導体基板の絶縁膜の面と前記第2の半導体
    基板とを対向させて保持し貼り合わせる第1の工程と、 熱処理を行い前記貼り合わせを強固なものにする第2の
    工程と、 前記第1の半導体基板を研削・研磨して薄膜化する第3
    の工程と、 前記第2の半導体基板内にイントリンシックゲッタリン
    グサイトを形成するための熱処理を行う第4の工程と、 を含むことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第4の工程は第3の工程の後に行わ
    れることを特徴とする請求項4記載のSOI基板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記第4の工程は第2の工程の後に行わ
    れることを特徴とする請求項4記載のSOI基板の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 主面上に絶縁膜が形成された第1の半導
    体基板と第2の半導体基板と接合することにより形成し
    たSOI基板の製造方法において、 前記第2の半導体基板にイオン注入する第1の工程と、 前記第1の半導体基板の絶縁膜の面と前記第2の半導体
    基板の前記イオン注入した面とを対向させて保持し貼り
    合わせる第2の工程と、 熱処理を行い前記貼り合わせを強固なものにする第3の
    工程と、 前記第1の半導体基板を研削・研磨して薄膜化する第4
    の工程と、 前記第2の半導体基板内にイントリンシックゲッタリン
    グサイトを形成するための熱処理を行う第5の工程と、 を含むことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の半導体基板には部分的に絶縁膜が
    形成され、前記絶縁膜を含む面に多結晶シリコン膜を成
    膜した第1の半導体基板を第2の半導体基板に接合する
    ことにより形成したSOI基板の製造方法であって、 前記第1の半導体基板の多結晶シリコン膜と前記第2の
    半導体基板とを対向させて保持し貼り合わせる第1の工
    程と、 熱処理を行い前記貼り合わせを強固なものにする第2の
    工程と、 前記第1の半導体基板を研削・研磨して薄膜化する第3
    の工程と、 前記第2の半導体基板内にイントリンシックゲッタリン
    グサイトを形成するための熱処理を行う第4の工程と、 を含むことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の半導体基板には部分的に絶縁膜が
    形成され、前記絶縁膜を含む面に多結晶シリコン膜を成
    膜した第1の半導体基板を第2の半導体基板に接合する
    ことにより形成したSOI基板の製造方法であって、 前記第2の半導体基板にイオン注入する第1の工程と、 前記第1の半導体基板の多結晶シリコン膜の面と前記第
    2の半導体基板の前記イオン注入した面とを対向させて
    保持し貼り合わせる第2の工程と、 熱処理を行い前記貼り合わせを強固なものにする第3の
    工程と、 前記第1の半導体基板を研削・研磨して薄膜化する第4
    の工程と、 前記第2の半導体基板内にイントリンシックゲッタリン
    グサイトを形成するための熱処理を行う第5の工程と、 を含むことを特徴とするSOI基板の製造方法。
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