JPH11310730A - 顔料及びその製造方法 - Google Patents
顔料及びその製造方法Info
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- JPH11310730A JPH11310730A JP12064598A JP12064598A JPH11310730A JP H11310730 A JPH11310730 A JP H11310730A JP 12064598 A JP12064598 A JP 12064598A JP 12064598 A JP12064598 A JP 12064598A JP H11310730 A JPH11310730 A JP H11310730A
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Abstract
た顔料を得る。 【解決手段】 ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有
する、C.I.Pigment Yellow 12と、
式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体とを含有する
顔料。この顔料はアセト酢酸アニリドと、特定の極性基
含有アセト酢酸アニリド化合物と、3,3’−ジクロロ
ベンジジンのテトラゾ液との反応物を105〜130℃
に加熱して得る。 式(II) 【化1】 (式中、Zは、メチル基、メトキシ基、水酸基、塩素原
子から成る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置
換基を有していてもよいフェニル基であって、カルボン
酸基、スルホン酸基及びこれらのアルカリ金属塩からな
る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置換基を有
するフェニル基を示す。)
Description
造方法に関する。詳しくは、透明性と着色力に優れた
顔料、透明性と着色力に優れた顔料の製造方法、に関
する。
性と着色力を改良する方法として、例えば、特公昭45
−11026号公報には、ジスアゾ顔料に、それらのス
ルホン酸化合物を混合する方法が、特公昭55−490
87号公報には、カップリング成分としてカルボン酸基
及び/またはスルホン酸基を有する極性カップリング成
分と非極性カップリング成分との混合物を使用して成る
ジスアゾ顔料を用いる方法が、特開昭63−72762
号公報及び特開昭63−178169号公報には、極性
カップリング成分と非極性カップリング成分とからなる
ジスアゾ顔料誘導体を含有するジスアゾ顔料組成物を用
いる方法が、それぞれ示されている。なかでも、特公昭
55−49087号公報で開示された製法により得られ
たジスアゾ顔料が透明性と着色力を改良する効果が大き
い事が知られていた。
して、WO97/31067号公報には、非極性カップ
リング成分とベンジジン類のテトラゾ成分とのカップリ
ング方法に関して開示されている。
公報やWO97/31067号公報による透明性や着色
力の改良効果には限度があり、優れた透明性と着色力を
有する顔料の開発が望まれていた。
るため、透明性と着色力が高い印刷インキがもとめられ
ている。透明性と着色力が高い印刷インキを開発するた
め、顔料の検討が数々なされている。
従来技術として、特公昭55−49087号公報が知ら
れていた。特公昭55−49087号公報で開示された
製法は、非極性カップリング成分(式A)と極性カップ
リング成分(式B)とからなる混合カップリング成分
と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ成分とを
反応させてジスアゾ顔料を得るものである。特公昭55
−49087号公報で開示された製法により透明性と着
色力が向上する機構は、微量生成するジスアゾ顔料誘導
体(式C)がジスアゾ顔料結晶表面に吸着し、結晶成長
を抑制するものと考えられる。しかしながら、吸着力が
不十分であり、完全に結晶成長を抑制する事ができず、
現在の印刷業界が要求している透明性と着色力を得るこ
とは出来なかった。
塩素原子等の置換基を有していてもよいフェニル基を示
す。)
水酸基、塩素原子から有していてもよいフェニル基であ
って、カルボン酸基、スルホン酸基置換基を有するフェ
ニル基を示す。)
塩素原子等の置換基を有していてもよいフェニル基を示
す。式中、Z2 は、メチル基、メトキシ基、水酸基、塩
素原子から有していてもよいフェニル基であって、カル
ボン酸基、スルホン酸基置換基を有するフェニル基を示
す。)
る従来技術として、特開昭63−72762号公報及び
特開昭63−178169号公報が知られていた。開昭
63−72762号公報及び特開昭63−178169
号公報で開示された製法は、ジスアゾ顔料誘導体(式
C)を別途合成し、ジスアゾ顔料に混合するものであ
る。透明性と着色力が向上する機構は、添加したジスア
ゾ顔料誘導体(式C)がジスアゾ顔料結晶表面に吸着
し、結晶成長を抑制するものと考えられる。
の衝突、あるいは、濾過工程、乾燥工程、粉砕工程にお
いて加えられる力により、ジスアゾ顔料やジスアゾ顔料
誘導体の粒子は凝集状態となり、ジスアゾ顔料の一次粒
子表面にジスアゾ顔料誘導体を均一に吸着させる事が困
難となり、透明性と着色力の改良程度は小さいものであ
った。
る透明性と着色力を得ることは出来なかった。
果がある従来技術として、WO97/31067号公報
が知られていた。WO97/31067号公報に開示さ
れた方法は、非極性カップリング成分を析出させる事な
く、酸性水溶液中でベンジジン類のテトラゾ成分とのカ
ップリングを行うジスアゾ顔料の製造方法に関するもの
である。
せることにより、未反応の非極性カップリング成分を少
なくしようとするものである。透明性と着色力を向上さ
せる機構は、ジスアゾ顔料にくらべて、着色力が全くな
く、光の透過率が低く、透明性が低い(隠蔽性が高い)
未反応の非極性カップリング成分を取り除いた事により
発現されるものである。したがって、顔料の結晶成長を
抑制する事はできず、透明性と着色力の改良程度は小さ
いものであり、現在の印刷業界が要求している透明性と
着色力を得ることは出来なかった。
決しようとする課題は、透明性と着色力に優れた顔
料、透明性と着色力に優れた顔料の製造方法を提供す
ることにある。
と着色力に優れた黄色顔料、透明性と着色力に優れた
黄色顔料の製造方法を開発すべく、鋭意研究した結果、
C.I.Pigment Yellow 12と、以下の
式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体とを含有する
ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu−Kα)が9.
89°に強い線を示すX線回折図形を有する黄色顔料が
透明性と着色力に優れている事、アセト酢酸アニリド
と、以下の式(III)で示される極性基含有アセト酢
酸アニリド化合物と、3,3’−ジクロロベンジジンの
テトラゾ液との反応物を105〜130℃に加熱する顔
料の製造方法が、顔料が透明性と着色力に優れた顔料を
提供するのに有用な事を見い出し本発明を完成するに至
った。
酸基、塩素原子から成る群から選ばれる同一又は異なる
1〜4個の置換基を有していてもよいフェニル基であっ
て、 カルボン酸基、スルホン酸基及びこれらのアルカ
リ金属塩からなる群から選ば れる同一又は異なる1〜
4個の置換基を有するフェニル基を示す。)
酸基、塩素原子から成る群から選ばれる同一又は異なる
1〜4個の置換基を有していてもよいフェニル基であっ
て、カルボン酸基、スルホン酸基及びこれらのアルカリ
金属塩からなる群から選ばれる同一又は異なる1〜4個
の置換基を有するフェニル基を示す。)
る。
°:Cu−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折
図形を有する、C.I.Pigment Yellow
12と、上記式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体
とを含有する顔料。
ゾ顔料誘導体が、アセト酢酸アニリドと、上記式(II
I)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物
と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液との反
応物である上記(1)記載の顔料。
(III)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド化
合物とを予め混合してから、それと3,3’−ジクロロ
ベンジジンのテトラゾ液とを反応させて、C.I.Pi
gment Yellow 12と上記式(II)で示さ
れるジスアゾ顔料誘導体との両方を含有させた上記
(1)記載の顔料。
(III)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド化
合物とのモル比が、90/10〜99.5/0.5であ
る上記(2)または(3)記載の顔料。
(III)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド化
合物と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液と
の反応物を105〜130℃に加熱する顔料の製造方
法。
(III)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド化
合物とのモル比が、90/10〜99.5/0.5であ
る上記(5)記載の製造方法。
0.15°:Cu−Kα)が9.89°に強い線を示す
X線回折図形を有することと、C.I.Pigment
Yellow 12と、上記式(II)で示されるジス
アゾ顔料誘導体とを含有することを特徴とする。
w 12とは、式(I)で示されるものである。
式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体のC.I.P
igment Yellow 12の粒子表面への強固な
吸着もしくはジスアゾ顔料誘導体とC.I.Pigme
nt Yellow 12との混晶結晶の形成により、結
晶成長が完全に抑制されており、表面に極性基を有さな
いC.I.Pigment Yellow 12に比べ
て、透明性と着色力に優れた印刷インキを提供できるも
のである。
ニリドと、上記式(III)で示される極性基含有アセ
ト酢酸アニリド化合物と、3,3’−ジクロロベンジジ
ンのテトラゾ液との反応物を105〜130℃に加熱す
る事を特徴とする。
度(2θ±0.15°:Cu−Kα)が9.89°に強
い線を示すX線回折図形を有することと、C.I.Pi
gment Yellow 12と、上記式(II)で示
されるジスアゾ顔料誘導体とを含有する顔料が容易に得
られ、ジスアゾ顔料の結晶表面にジスアゾ顔料誘導体を
均一かつ強固に吸着させる事、もしくは、ジスアゾ顔料
とジスアゾ顔料誘導体との混晶結晶を形成させる事によ
り、ジスアゾ顔料表面に極性基を導入する事が可能とな
り、結晶成長が完全に抑制され、透明性と着色力に優れ
た印刷インキを提供できる。
0.15°:Cu−Kα)が9.89°に強い線を示す
X線回折図形を有する、上記式(I)で示されるジスア
ゾ顔料(C.I.Pigment Yellow 12)
と上記式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体とを含
有する顔料である。
は、公知慣用の製造方法で製造することが可能である
が、好適には以下の製造方法により製造できる。
ジスアゾ顔料は、アセト酢酸アニリドと、3,3’−ジ
クロロベンジジンのテトラゾ液との反応による反応物で
ある事が好ましく、上記式(II)で示されるジスアゾ
顔料誘導体は、アセト酢酸アニリドと、式(III)で
示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物と、3,
3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液との反応による
反応物である事が好ましい。
は、例えば特公昭55−49087号公報やWO97/
31067号公報の方法がある。
便な方法により得られる点から、アセト酢酸アニリド
と、上記式(III)で示される極性基含有アセト酢酸
アニリド化合物とを予め混合してから、それと3,3’
−ジクロロベンジジンのテトラゾ液とを反応させてジス
アゾ顔料(C.I.Pigment Yellow 1
2)と、上記式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体
との両方を含有させる様にする事が好ましい。
ドからなる非極性カップラー成分と、式(III)で示
される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物からなるカ
ップラー成分を含むカップラー水溶液と、3,3’−ジ
クロロベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ水溶液
とを、バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液中に、前記非極性
カップラー成分と前記極性カップラー成分との合計供給
モル速度とテトラゾ成分の供給モル速度との比が、20
0:80から200:99となるように連続的に注入し
てカップリング反応させる様にすることにより、本発明
の顔料を得ることが出来る。
アセト酢酸アニリドからなる非極性カップラー成分と、
式(III)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド
化合物からなるカップラー成分とを同時に含むものが用
いられ、それが連続的にバッチ式撹拌槽内の酸性水溶液
中に供給されるため、両カップラー成分とが析出しな
い、または、ごく僅かに析出する状態で、3,3’−ジ
クロロベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ水溶液
との反応が進行する。
がある式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体の生成
が多く、透明性と流動性を改良する効果がない、ジスア
ゾ顔料(C.I.Pigment Yellow 12)
以外のジスアゾ化合物の生成が少なくなる、または、全
く生成しないため、現在の印刷業界が要求している透明
性と流動性を得る事ができる。
示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物の具体例
としては、例えば2−アセトアセチルアミノベンゼンス
ルホン酸、3−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン
酸、4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、2
−アセトアセチルアミノ−5−メチルベンゼンスルホン
酸、2−アセトアセチルアミノ−4−クロロ−5−メチ
ルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセチルアミノ−5
−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセト
アセチルアミノ−5−クロロ−4−メチルベンゼンスル
ホン酸、4−アセトアセチルアミノ−2,5−ジクロロ
ベンゼンスルホン酸、2−アセトアセチルアミノ安息香
酸、3−アセトアセチルアミノ安息香酸、4−アセトア
セチルアミノ安息香酸、3−アセトアセチルアミノ−4
−クロロ安息香酸、2−アセトアセチルアミノテレフタ
ル酸、3−アセトアセチルアミノイソフタル酸、4−ア
セトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、5−ア
セトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸等および
これらのアルカリ金属塩がある。
ゼンスルホン酸、2−アセトアセチルアミノ安息香酸、
3−アセトアセチルアミノ安息香酸、4−アセトアセチ
ルアミノ安息香酸、5−アセトアセチルアミノ−2−ヒ
ドロキシ安息香酸が、透明性と着色力が著しく改良され
る点から好ましい。
式(III)で示される極性基含有アセト酢酸アニリド
化合物とのモル比は、90/10〜99.5/0.5で
ある事が好ましく、なかでも、93/7〜99/1であ
る事が透明性と着色力を高める効果が高い事から特に好
ましい。
上記両カップラー成分を含む。このカップラー水溶液
は、アルカリ溶液であることが好ましく、両カップラー
成分をアルカリとともに溶解し、アルカリ性溶液とする
ことにより得ることが出来る。
ムまたは水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。
ンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ水溶液は、3,
3’−ジクロロベンジジンを公知の方法でテトラゾ化し
て得られるものを含む。この水溶液としては、酸性水溶
液が好ましく、特に塩酸酸性水溶液が好ましく使用され
る。
カリ溶液で、かつ、テトラゾ水溶液が塩酸水溶液である
場合の組み合わせが好ましい。
性水溶液が仕込まれる。バッチ式撹拌槽としては、公知
慣用のものがいずれも使用できるが、通常は、撹拌が必
要な液媒体毎に水槽に加える必要がある液媒体を保持す
る水槽と、その液媒体を撹拌する撹拌翼を有する撹拌機
とから構成されているものである。本発明で使用される
バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液は、カップリング反応系
をpH3〜6.9の範囲、好ましくは3.5〜6.3に
保つ事ができれば良く、従来法のカップリングで使用さ
れる公知の酸の水溶液でよい。
解や縮合などの副反応を最小化するために好ましく、反
応開始から終了時まで上記pHの範囲に維持すること
が、より好ましい。
はアルカリを断続的にあるいは連続的に添加することに
よっても良いが、バッチ式撹拌槽内に酸性水溶液中に、
pH緩衝剤を存在させることが好ましい。操作の容易さ
の面からはpH緩衝性のある水溶液系、例えば、従来の
カップリング反応で良く使用される『酢酸−酢酸ナトリ
ウム』系や『ギ酸−ギ酸ナトリウム』系等の緩衝性水溶
液を用いると、pHの変動が少なく、pHの維持が容易
となり好ましいものとなる。
水溶液中への、両カップラー成分を含むカップラー水溶
液と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ成分を
含むテトラゾ水溶液との注入は、例えば別々の注入管を
通し酸性水溶液中に並行して行うことが好ましい。
接に接触すると、カップラー成分の析出が起きて固体と
なり、透明性と流動性を改良する効果がある生成物が少
なく、透明性と流動性を改良する効果がない生成物が多
くなってしまう可能性があるため、透明性と流動性の改
良効果が小さくなる場合がある。
バッチ式撹拌槽を備える撹拌槽では、注入管出口を互い
に離した位置に設け注入を行い(並行注入という場合が
ある。)、十分に撹拌を行い、確実にテトラゾ成分とカ
ップラー成分とが酸性水溶液中で反応するようにする事
が好ましい。
外部循環させ、この循環ラインのそれぞれにテトラゾ水
溶液とカップラー水溶液とを、あるいは、一方を循環ラ
インに他方を撹拌槽へ注入するようにしても良い。
分の供給モル速度とテトラゾ成分の供給モル速度との比
が、200:80から200:99となるように、好ま
しくは200:90から200:99となるように連続
的に注入してカップリング反応させる事により顔料が製
造できる。
に注入後、直ちに全てがカップラー成分と反応し、未反
応のテトラゾが反応系内に残存しなくなる。その結果、
テトラゾ成分の分解や縮合による副反応が防止され、色
の汚れが防止される。
て一定値に保つ必要はなく、上記供給モル速度比の範囲
内で、注入の進行につれて変化させてもよい。また、カ
ップラー水溶液の注入開始をテトラゾ水溶液の注入に先
行させてもよい。さらに、ノニオン系界面活性剤、カチ
オン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ロジン溶液
のような表面処理剤を注入し、生成した顔料粒子の表面
処理を同時に行っても良い。
とを上記のモル比で並行注入すると、注入終了時点で反
応系内にはテトラゾ成分は全く存在していないが、反応
可能なカップラー成分が少し残っている状態となってい
る。そこで、両カップラー成分を含むカップラー水溶液
と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ成分を含
むテトラゾ水溶液とを、バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液
中に、連続的に注入した後、テトラゾ水溶液だけを追加
的に注入する事が出来る。例えば、並行注入終了後、テ
トラゾ水溶液のみを追加注入して、完全にカップラー成
分と反応させ、更にカップリング反応率を高める事もで
きる。
カップラー水溶液の酸性水溶液への注入は、カップラー
水溶液を酸性水溶液と混合した時に、溶解していた両カ
ップラー成分が析出しないような条件を選択する事が好
ましい。
の和が0.1〜1モル/リットルであるカップラー水溶
液と、濃度が0.05〜0.8モル/リットルであるテ
トラゾ水溶液を酸性水溶液に注入する事が操作上、また
経済上、負担が軽い点で好ましい。
ラー水溶液およびテトラゾ水溶液の1分間当たりの注入
量は、特に制限されないが、酸性水溶液中で両カップラ
ー成分が析出しないような範囲で決められる。
トラゾ水溶液の1分間当たりの注入量との比率は、10
00:1〜1000:50の範囲で行う事が好ましい。
pHの値などの反応条件およびこの制御法は、従来のカ
ップリング反応での公知の条件値および制御法から選択
され、特段の制約はない。pHや温度を時間あるいは注
入量と共に変化させても、あるいは終始一定に保っても
良い。
れる場合には、酸性であるテトラゾ水溶液とアルカリ性
であるカップラー水溶液とが並行して注入されるので、
これらの水溶液中の酸とアルカリとが中和されるように
それぞれの溶液のpHや流量を調整する事により、初期
のpHを最後まで保った状態でカップリング反応を行う
ことができる。
角度(2θ±0.15°:Cu−Kα)が9.89°に
強い線を示すX線回折図形を有する新規結晶型の顔料を
得るためには、例えばアセト酢酸アニリドと、極性基含
有アセト酢酸アニリド化合物と、3,3’−ジクロロベ
ンジジンのテトラゾ液との反応物を105〜130℃に
加熱する事が必要である。なかでも、105〜120℃
に加熱する事が好ましい。
±0.15°:Cu−Kα)が10.40°に強い線を
示すX線回折図形を有する従来技術の顔料、例えば、特
公昭55−49087号公報、特開昭63−72762
号、特開昭63−178169号公報、WO97/31
067号公報に記載の顔料が得られ、透明性と着色力が
低く、印刷業界の要望に応える事ができない。
(2θ±0.15°:Cu−Kα)が10.40°に強
い線を示すX線回折図形を有する従来技術の顔料とな
り、透明性と着色力が大幅に低くなる。
ロベンジジンのテトラゾ液との反応によるジスアゾ顔料
は、加熱する事により、結晶成長が進行し、透明性と着
色力が低下する事が一般的である。また、アセト酢酸ア
ニリドと、極性基含有アセト酢酸アニリド化合物と、
3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液との反応物
からなる顔料も、透明性と着色力が低下する程度が若干
小さいものの、加熱する事により、結晶成長が進行し、
透明性と着色力が低下する事が一般的である。
加熱温度範囲において、透明性と着色力に優れた新規結
晶型の顔料が得られる。
酢酸アニリド化合物と、3,3’−ジクロロベンジジン
のテトラゾ液との反応物からなる顔料は、加熱する事に
より、下記に記述した第1段階、第2段階、第3段階を
進行すると考えられる。
性基含有アセト酢酸アニリド化合物〔式(III)〕
と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液との反
応物を使用する事により生成するジスアゾ顔料誘導体
〔式(II)〕が、アセト酢酸アニリドと、3,3’−
ジクロロベンジジンのテトラゾ液との反応物に相当する
ジスアゾ顔料(C.I.Pigment Yellow
12)結晶表面に吸着し、結晶成長を抑制するものと考
えられる。
件での加熱、すなわち100℃未満の加熱ではジスアゾ
顔料誘導体の吸着が不十分であり、完全に結晶成長を抑
制する事ができず、現在の印刷業界が要求している透明
性と着色力を得ることは出来ない。ブラッグ角度(2θ
±0.15°:Cu−Kα)が10.40°に強い線を
示すX線回折図形を有する従来技術の顔料となる。
る事により、ジスアゾ顔料の結晶表面に粒子表面にジス
アゾ顔料誘導体を均一かつ強固に吸着させる事、もしく
は、ジスアゾ顔料とジスアゾ顔料誘導体との混晶結晶を
形成させる事により、ジスアゾ顔料表面に極性基を導入
する事が可能となり、結晶成長が完全に抑制され、現在
の印刷業界が要求している透明性と着色力を得る事が出
来きる。ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu−K
α)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有する
本発明の顔料となる。
熱する事により、ジスアゾ顔料の結晶表面に粒子表面吸
着していたジスアゾ顔料誘導体が脱着する、もしくは、
ジスアゾ顔料とジスアゾ顔料誘導体との混晶結晶が破壊
され従来技術の結晶型に変換される。結晶成長が急速に
進み、現在の印刷業界が要求している透明性と着色力を
得ることは出来ない。ブラッグ角度(2θ±0.15
°:Cu−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回
折図形を有する従来技術の顔料となる。
に相当する顔料であると考えられる。従って、本発明の
製法では、限定的な加熱温度範囲が重要な意味を持つこ
とになる。
例えば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤、高分子界面活性剤やロジン
等の樹脂酸で表面処理を行うことも可能である。
合、現在の印刷業界が要求している優れた透明性と着色
力を得る事が出来る。なお、本発明の顔料は、塗料、プ
ラスチック、カラーフィルター用途に使用する事も可能
である。
顔料は、印刷インキ用ビヒクルと混練されて、透明性と
流動性に優れた印刷インキに使用する事ができる。
ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂
又はこれら乾性油変性樹脂等の樹脂と、必要に応じて、
アマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィ
ン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オ
レフィン等の溶剤から成るものであって、それらの混合
割合は、重量比で、樹脂:植物油:溶剤=20〜50
部:0〜30部:10〜60部の範囲が好ましい。
トインキ用ビヒクルは、必要に応じて、インキ溶剤、ド
ライヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤
を適宜配合して印刷インキと成る。
ばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、石灰化
ロジン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹
脂、ギルソナイト、ダンマル、セラック、ポリアミド樹
脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、環化ゴム、塩化ゴ
ム、エチルセルロース、酢酸セルロース、エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂等の樹脂混合物と、n−ヘキサン、
トルエン、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エ
チル、乳酸エチル、セロソルブ、イソプロピルアルコー
ル、クロルベンゾール、エチルエーテル、アセタールエ
チルエーテル、アセト酢酸エチル、酢酸ブチルセロソル
ブ等の溶剤から成るものであって、それらの混合割合
は、重量比で、樹脂混合物:溶剤=10〜50部:30
〜80部の範囲が好ましい。
インキ用ビヒクルは、必要に応じて、例えば硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、アルミナ
白、クレー、シリカ、シリカ白、タルク、ケイ酸カルシ
ウム、沈降性炭酸マグネシウム等の体質顔料の他、補助
剤として、可塑剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、帯電防
止剤等の公知の添加剤を適宜配合して印刷インキと成
る。
発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施
例に限定されるものではない。なお、以下の例中におけ
る「部」および「%」は、特に断りのない限り、いずれ
も重量基準である。
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、5℃、0.
125モル/リットルのテトラゾ水溶液を調整した。一
方、アセト酢酸アニリド336.3部と2−アセトアセ
チルアミノ安息香酸22.1部を水酸化ナトリウム12
0部を含む水溶液に溶解し、20℃、0.259モル/
リットルのカップラー水溶液を調整した。
gと水酸化ナトリウム80部と水とからなる15℃、p
H4.7の緩衝溶液5000gを調整し、撹拌機を有す
る反応器に仕込んだ。
出口を持つ2本の注入管を通してpH緩衝溶液中に注入
を行った。これらの溶液は同時に注入を開始し、定量ポ
ンプにより同じ体積流量(64.3ml/分)で120
分注入し、同時に注入を終了した。注入の間、液面より
採取した反応液からはテトラゾは検出されなかった。そ
の後、反応系内にテトラゾが極僅か認められるまでテト
ラゾ水溶液のみを注入した。なお、テトラゾの検出は、
β−ナフトールによる発色反応を用いて行った。
し、90℃の乾燥機で乾燥して、顔料(発明顔料1)を
得た。
ゾ顔料(式1−A)に相当するm/z=628と、ジス
アゾ顔料誘導体(式1−B)に相当するm/z=672
とにピークを有していた。
INT 1100)にて測定を行った結果、ブラッグ角
度(2θ±0.15°:Cu−Kα)が9.89°に強
い線を示すX線回折図形を有した。図1は、得られたX
線回折図形である。
拌する代わりに、90℃で1時間加熱撹拌する事以外
は、実施例1と同様にして顔料(比較顔料1−1)を得
た。
ゾ顔料(式1−A)に相当するm/z=628と、ジス
アゾ顔料誘導体(式1−B)に相当するm/z=672
とにピークを有していた。
ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu−Kα)が1
0.40に強い線を示すX線回折図形を有した。図2
は、得られたX線回折図形である。
>3,3’−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モル
の塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使用して常法に
よりテトラゾ化し、5℃、0.125モル/リットルの
テトラゾ水溶液を調整した。一方、アセト酢酸アニリド
336.3部と2−アセトアセチルアミノ安息香酸2
2.1部を水酸化ナトリウム144部を含む水溶液に溶
解し、20℃、0.259モル/リットルのカップラー
水溶液を調整した。
gと水とからなる20℃の酢酸溶液5000gを調整
し、撹拌機を有する反応器に仕込んだ。
3ml/分の流量で120分間注入してカップラーを沈
殿させた。このカップラースラリー中に出口を持つ注入
管をセットし、テトラゾ水溶液を64.3ml/分の流
速で注入を開始した。反応液面でテトラゾが極僅か認め
られるまで、約120分かけて注入した。なお、テトラ
ゾの検出は、β−ナフトールによる発色反応を用いて行
った。
し、90℃の乾燥機で乾燥して、顔料(比較顔料1−
2)を得た。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
>アセト酢酸アニリド336.3部と2−アセトアセチ
ルアミノ安息香酸22.1部を使用する代わりに、アセ
ト酢酸アニリド354部を使用する事以外は、実施例1
と同様にして顔料(比較顔料1−3)を得た。
ゾ顔料(式1−A)に相当するm/z=628にピーク
を有したが、ジスアゾ顔料誘導体(式1−B)に相当す
るm/z=672とにピークを有していなかった。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
拌する代わりに、75℃で1時間加熱撹拌する事以外
は、実施例1と同様にして顔料(比較顔料1−4)を得
た。
ゾ顔料(式1−A)に相当するm/z=628と、ジス
アゾ顔料誘導体(式1−B)に相当するm/z=672
とにピークを有していた。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
により得られた顔料(発明顔料1)、比較例1−1によ
り得られた顔料(比較顔料1−1)、比較例1−2によ
り得られた顔料(比較顔料1−2)、比較例1−3によ
り得られた顔料(比較顔料3)、比較例1−4により得
られた顔料(比較顔料4)をインキ化した。
変性フェノール樹脂含有)1.6部をフーバー式マーラ
ーにて練肉して、試験インキを調整した。
いて、透明性と着色力を測定し、その結果を表1にまと
めて示した。
帯を印刷した白い展色紙に試験インキを展色し、黒帯の
上の展色状態を目視で観察する。黒帯の上に試験インキ
が展色される事により黒帯が見えにくいものを不透明と
判断し、目視判定7とする。黒帯が見えやすいものを透
明と判断し、目視判定5とする。
を白インキ2部に混ぜて淡色インキを作製した。白い展
色紙に淡色インキを展色し、着色力を目視で評価した。
なお、実施例で得られた顔料(発明顔料)の着色力を1
00%とした百分率で表示を行った。
息香酸22.1部を使用する代わりに、5−アセトアセ
チルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸23.7部を使用
した事以外は、実施例1と同様にして、ジスアゾ顔料を
含むウェット顔料(発明顔料2)を得た。
ゾ顔料(式1−A)に相当するm/z=628と、ジス
アゾ顔料誘導体(式2−B)に相当するm/z=688
とにピークを有していた。
図1と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有
した。
拌する代わりに、90℃で1時間加熱撹拌する事以外
は、実施例2と同様にして顔料(比較顔料2−1)を得
た。
ゾ顔料(式1−A)に相当するm/z=628と、ジス
アゾ顔料誘導体(式2−B)に相当するm/z=688
とにピークを有していた。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
>2−アセトアセチルアミノ安息香酸22.1部を使用
する代わりに、5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロ
キシ安息香酸23.7部を使用した事以外は、比較例1
−2と同様にして、顔料(比較顔料2−2)を得た。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
例2により得られた顔料(発明顔料2)、比較例2−1
により得られた顔料(比較顔料2−1)、比較例2−2
により得られた顔料(比較顔料2−2)をインキ化し
た。各試験インキについて、透明性と着色力を測定し、
その結果を表2にまとめて示した。
息香酸22.1部使用する代わりに、4−アセトアセチ
ルアミノベンゼンスルホン酸のカリウム塩29.5部を
使用した事以外は、実施例1と同様にして、顔料(発明
顔料3)を得た。
ジスアゾ顔料誘導体(式3−B)を含有している。
図1と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有
した。
拌する代わりに、90℃で1時間加熱撹拌する事以外
は、実施例3と同様にして顔料(比較顔料3−1)を得
た。
ジスアゾ顔料誘導体(式3−B)を含有している。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
>2−アセトアセチルアミノ安息香酸22.1部を使用
する代わりに、4−アセトアセチルアミノベンゼンスル
ホン酸のカリウム塩29.5部を使用した事以外外は、
比較例1−2と同様にして、顔料(比較顔料3−2)を
得た。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
例3により得られた顔料(発明顔料3)、比較例3−1
により得られた顔料(比較顔料3−1)、比較例3−2
により得られた顔料(比較顔料3−2)をインキ化し
た。各試験インキについて、透明性と着色力を測定し、
その結果を表3にまとめて示した。
3部と2−アセトアセチルアミノ安息香酸22.1部を
使用する代わりに、アセト酢酸アニリド346.9部と
2−アセトアセチルアミノ安息香酸8.8部を使用した
事以外は、実施例1と同様にして顔料(発明顔料4)を
得た。
ジスアゾ顔料誘導体(式1−B)を含有している。
図1と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有
した。
拌する代わりに、90℃で1時間加熱撹拌する事以外
は、実施例4と同様にして顔料(比較顔料4−1)を得
た。
ゾ顔料(式1−A)と、ジスアゾ顔料誘導体(式1−
B)を含有している。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
例4により得られた顔料(発明顔料4)、比較例4−1
により得られた顔料(比較顔料4−1)をインキ化し
た。各試験インキについて、透明性と着色力を測定し、
その結果を表4にまとめて示した。
3部と2−アセトアセチルアミノ安息香酸22.1部を
使用する代わりに、アセト酢酸アニリド325.7部と
2−アセトアセチルアミノ安息香酸35.4部を使用し
た事、および、110℃で1時間加熱する代わりに12
0℃で1時間加熱する事以外は、実施例1と同様にして
顔料(発明顔料5)を得た。
図1と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有
した。
る代わりに90℃で1時間加熱する事以外は、実施例5
と同様にして顔料(比較顔料5−1)を得た。
図2と同様に、ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が10.40°に強い線を示すX線回折図形を
有した。
例5により得られた顔料(発明顔料5)、比較例5−1
により得られた顔料(比較顔料5−1)をインキ化し
た。各試験インキについて、透明性と着色力を測定し、
その結果を表5にまとめて示した。
5°:Cu−Kα)が9.89°、に強い線を示すX線
回折図形を有し、透明性と着色力に優れたインキを与え
る事がわかる。一方、比較顔料は、ブラッグ角度(2θ
±0.15°:Cu−Kα)が10.40°に強い線を
示すX線回折図形を有し、透明性と着色力が劣ったイン
キを与える事がわかる。
導体で修飾された、新規X線回折図を示す新規結晶型顔
料であり、透明性と着色力に優れている。本発明の製造
方法では、カップリング成分とテトラゾ成分との反応を
特定温度範囲で行うので、新規X線回折図を示す新規結
晶型顔料を、容易に、選択的に得ることが出来る。
ビヒクルよりなる印刷インキは、透明性と着色力に優れ
たものとすることが出来る。
である。
回折図形である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ブラッグ角度(2θ±0.15°:Cu
−Kα)が9.89°に強い線を示すX線回折図形を有
する、C.I.Pigment Yellow 12と、
式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導体とを含有する
顔料。 【化1】 (式中、Zは、メチル基、メトキシ基、水酸基、塩素原
子から成る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置
換基を有していてもよいフェニル基であって、カルボン
酸基、スルホン酸基及びこれらのアルカリ金属塩からな
る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置換基を有
するフェニル基を示す。) - 【請求項2】 式(II)で示されるジスアゾ顔料誘導
体が、アセト酢酸アニリドと、式(III)で示される
極性基含有アセト酢酸アニリド化合物と、3,3’−ジ
クロロベンジジンのテトラゾ液との反応物である請求項
1記載の顔料。 【化2】 CH3COCH2CONH−Z … 式(III)(式
中、Zは、メチル基、メトキシ基、水酸基、塩素原子か
ら成る群から選ば れる同一又は異なる1〜4個の置換基を有していてもよ
いフェニル基であって、カルボン酸基、スルホン酸基及
びこれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれる同一
又は異なる1〜4個の置換基を有するフェニル基を示
す。) - 【請求項3】 アセト酢酸アニリドと、式(III)で
示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物とを予め
混合してから、それと3,3’−ジクロロベンジジンの
テトラゾ液とを反応させて、C.I.Pigment
Yellow12と式(II)で示されるジスアゾ顔料
誘導体との両方を含有させた請求項1記載の顔料。 【化3】 CH3COCH2CONH−Z … 式(III) (式中、Zは、メチル基、メトキシ基、水酸基、塩素原
子から成る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置
換基を有していてもよいフェニル基であって、カルボン
酸基、スルホン酸基及びこれらのアルカリ金属塩からな
る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置換基を有
するフェニル基を示す。) - 【請求項4】 アセト酢酸アニリドと、式(III)で
示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物とのモル
比が、90/10〜99.5/0.5である請求項2ま
たは3記載の顔料。 - 【請求項5】 アセト酢酸アニリドと、式(III)で
示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物と、3,
3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ液との反応物を1
05〜130℃に加熱する顔料の製造方法。 【化4】 CH3COCH2CONH−Z … 式(III) (式中、Zは、メチル基、メトキシ基、水酸基、塩素原
子から成る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置
換基を有していてもよいフェニル基であって、カルボン
酸基、スルホン酸基及びこれらのアルカリ金属塩からな
る群から選ばれる同一又は異なる1〜4個の置換基を有
するフェニル基を示す。) - 【請求項6】 アセト酢酸アニリドと、式(III)で
示される極性基含有アセト酢酸アニリド化合物とのモル
比が、90/10〜99.5/0.5である請求項5記
載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12064598A JP4310818B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 顔料及びその製造方法 |
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JPH11310730A true JPH11310730A (ja) | 1999-11-09 |
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Family
ID=14791359
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007284641A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-01 | Dainippon Ink & Chem Inc | ジスアゾ顔料組成物、その製造方法及び印刷インキ |
JP2008031194A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-02-14 | Toda Kogyo Corp | 自己分散型着色微粒子、該自己分散型着色微粒子を含む水系分散体ならびにインクジェット記録用インクまたはカラーフィルター用インク |
JP2014228682A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | コニカミノルタ株式会社 | 静電潜像用現像剤 |
JP2018123321A (ja) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型インキ組成物、その製造方法及びインキ組成物を用いて作製された塗膜 |
CN115491051A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-12-20 | 德州学院 | 一种颜料黄155的制备方法和应用 |
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-
1998
- 1998-04-30 JP JP12064598A patent/JP4310818B2/ja not_active Expired - Lifetime
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