JP2002201376A - ピグメントイエロー12の製造方法およびその利用 - Google Patents

ピグメントイエロー12の製造方法およびその利用

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JP2002201376A
JP2002201376A JP2000400535A JP2000400535A JP2002201376A JP 2002201376 A JP2002201376 A JP 2002201376A JP 2000400535 A JP2000400535 A JP 2000400535A JP 2000400535 A JP2000400535 A JP 2000400535A JP 2002201376 A JP2002201376 A JP 2002201376A
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Osamu Jomaru
修 城丸
Shuji Miyazaki
修次 宮崎
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性に優れた印刷インキを調整できるピグメ
ントイエロー12を提供する。 【解決手段】アセトアセトアニリド単独もしくはアセト
アセトアニリドを主成分として他の成分を添加したカッ
プリング成分と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラ
ゾ成分とをカップリング反応させて得られるジスアゾ化
合物、および全カップリング成分に対して0.5〜10
モル%の極性基置換アセトアセトアニリドを含むカップ
リング成分と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ
成分とをカップリング反応させて得られる極性基置換ジ
スアゾ化合物の混合物を調製する工程(A)と、上記ジ
スアゾ化合物と上記極性基置換ジスアゾ化合物との混合
物の水スラリーに水溶性カルボン酸化合物を共存させる
工程(B)と、工程(B)で得られた混合物を100〜
140℃で加熱処理する工程(C)とからなることを特
徴とするピグメントイエロー12の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピグメントイエロ
ー12の製造方法およびその利用に関し、更に詳しくは
顔料をインキ化して得られた印刷インキ自身の透明性に
優れたピグメントイエロー12の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的なプロセス出版のオフセッ
トインキは、顔料の水性ウェットケーキをインキ用ビヒ
クルまたは溶剤とフラッシングによって相転換を行って
インキ化する方法と、水性ウェットケーキの乾燥物を強
力な剪断力によってインキ用ビヒクルに分散することに
よって得られている。 しかし、前者の方法は顔料の水性ウェットケーキ自身が
保存安定性に欠けていたり、また、フラッシング性が悪
いことにより長時間曝される熱によって不透明化、濃度
低下等の品質に対する影響が大きく安定した品質が得ら
れにくかった。また、フラッシング時に排出される排水に
微量のジスアゾ顔料分が混合し着色する問題があった。
【0003】そこでこれら品質に対する影響の少ない後
者の方法が永続的に継承されているが、水性ウェットケ
ーキ顔料の乾燥物をインキ化したものは乾燥しなかった
ものをインキ化したものと比較して透明性、流動性、濃度
の点で著しく劣っていた。 ジスアゾ顔料の場合、これら乾燥物からのインキ化物と
非乾燥物からのインキ化物の品質の差は、もっぱら乾燥
時の熱により著しく結晶が成長してしまうことによって
引き起こされている。
【0004】透明性を改良する方法として、特開平第1
1−310730号公報に、アセトアセトアニリドおよ
び極性基置換アセトアセトアニリドと3,3’−ジクロ
ロベンジジンのテトラゾ化物とを混合カップリングして
得られた非対称形の顔料誘導体の存在下で、105〜1
30℃に加熱する方法が開示されているが、この方法は
両側に極性基置換体を有する顔料誘導体が片側のみに極
性基置換体を有する顔料誘導体に比べて生成率が低いの
で、高価な極性基置換アセトアセトアニリドを使用する
割には透明性の向上の程度が不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、(1)印刷インキの透明性に優れた印刷イ
ンキを調製できるピグメントイエロー12の製造方法、
(2)製造したピグメントイエロー12をインキ化した
場合、透明性に優れた印刷インキを調製できるピグメン
トイエロー12、(3)透明性に優れた印刷インキを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アセトアセト
アニリド単独もしくはアセトアセトアニリドを主成分と
して他の成分を添加したカップリング成分と3,3’−
ジクロロベンジジンのテトラゾ成分とをカップリング反
応させて得られるジスアゾ化合物、および全カップリン
グ成分に対して0.5〜10モル%の極性基置換アセト
アセトアニリドを含むカップリング成分と3,3’−ジ
クロロベンジジンのテトラゾ成分とをカップリング反応
させて得られる極性基置換ジスアゾ化合物の混合物を調
製する工程(A)と、上記ジスアゾ化合物と上記極性基
置換ジスアゾ化合物との混合物の水スラリーに水溶性カ
ルボン酸化合物を共存させる工程(B)と、工程(B)
で得られた混合物を100〜140℃で加熱処理する工
程(C)とからなることを特徴とするピグメントイエロ
ー12の製造方法に関する。
【0007】更に本発明は、アセトアセトアニリド単独
もしくはアセトアセトアニリドを主成分として他の成分
を添加したカップリング成分と3,3’−ジクロロベン
ジジンのテトラゾ成分とをカップリング反応させて得ら
れるジスアゾ化合物、および全カップリング成分に対し
て0.5〜10モル%極性基置換アセトアセトアニリド
を含むカップリング成分と3,3’−ジクロロベンジジ
ンのテトラゾ成分とをカップリング反応させて得られる
極性基置換ジスアゾ化合物からなるピグメントイエロー
12の色素と、該色素に対して2〜30重量%の水溶性
カルボン酸化合物とを含み、X線回折図において回折角
9.90±0.20゜(Cu−Kα)に特徴的ピークを
有することを特徴とするピグメントイエロー12に関す
る。
【0008】更に本発明は、上記ピグメントイエロー1
2と印刷インキ用ビヒクルとからなる印刷インキ組成物
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるピグメントイエロ
ー12の色素成分は、ジスアゾ化合物と極性基置換ジス
アゾ化合物の混合物からなる。ジスアゾ化合物のカップ
リング成分は、アセトアセトアニリド単独でもよいし、
または他の成分を添加した混合カップリング成分であっ
ても良い。
【0010】他のカップリング成分としては、アセトア
セトアニリド誘導体、3−メチル−1−置換または無置
換フェニル−5−ピラゾロン、アニリンおよびアニリン
誘導体からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0011】上記アセトアセトアニリド誘導体として
は、例えば下記一般式(2)で示される化合物が挙げら
れる。 一般式(2)
【0012】
【化2】
【0013】[ 式中、Zは同一であっても異なっていて
もよく、R1、OR1、ハロゲン、CONR12、SO2
NR12、CONH(CH2kNR12、SO2NH
(CH2kNR12、(R1、R2は水素原子または低級
アルキル基、kは1〜4の整数を表す。)、COOH、
SO3H、jは1〜3の整数を表す。]
【0014】一般式(2)で示されるアセトアセトアニ
リド誘導体としては、アセトアセト−o−トルイジド、ア
セトアセト−o−キシリジド、アセトアセト−o−メトキ
シアニリド、アセトアセト−o−カルバモイルアニリ
ド、アセトアセト−o−プロピルカルバモイルアニリ
ド、アセトアセト−o−ジエチルアミノカルバモイルア
ニリド、アセトアセト−o−ジブチルスルファモイルア
ニリド、アセトアセト−o−ジブチルアミノメチルスル
ファモイルアニリド、アセトアセト−2,5−ジメチル
−6−カルバモイルアニリド、アセトアセト−2−クロ
ロ−5−カルバモイルアニリド、2−アセトアセトアミ
ドベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−3−
クロロー5−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトア
セトアミド−3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸、2
−アセトアセトアミド安息香酸、4−アセトアセトアミ
ドフタル酸、2−アセトアセトアミド−3−ヒドロキシ
安息香酸等がある。上記アニリン誘導体としては、例え
ば下記一般式(3)で示される化合物が挙げられる。 一般式(3)
【0015】
【化3】
【0016】[ 式中、Vは同一であっても異なっていて
もよく、R1、OR1、ハロゲン、NR12、CONR1
2、SO2NR12、COOM、SO3M、(R1、R2
は水素原子または低級アルキル基、Mは水素原子または
アルカリ金属原子を表す。)、kは1〜4の整数を表
す。]
【0017】一般式(3)で示されるアニリン誘導体と
しては、o−ジアミノベンゼン、o−トルイジン、2,
3,4−トリメチルアニリン、o−カルバモイルアニリ
ン、p−カルバモイルアニリン、o−アミノ安息香酸、3
−アミノフタル酸、o−アミノフェノール、3−アミノカ
テコール、2−アミノレゾルシン、o−アミノベンゼンス
ルホン酸、3,5−ジ(メチルアミノ)アニリン、o−ジ
エチルアミノアニリン、2,4,6−トリ(プロピルア
ミノ)アニリン、3,5−ジ(ジブチルアミノ)アニリ
ン等がある。
【0018】3−メチル−1−置換または無置換フェニ
ル−5−ピラゾロンとしては、3−メチル−1−フェニ
ル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−p−トリル−5
−ピラゾロン等が挙げられる。
【0019】本発明のピグメントイエロー12の製造に
使用されるアセトアセトアニリド以外のカップリング成
分は、極性基含有ジスアゾ化合物を含めた全カップリン
グ成分を基準として20モル%以下で使用されることが
好ましい。
【0020】本発明において、極性基置換ジスアゾ化合
物のカップリング成分は、極性基置換アセトアセトアニ
リド単独であることが好ましいが、他の成分を添加した
カップリング成分であってもよい。ここで用いられる他
のカップリング成分としては、アセトアセトアニリド、
上記一般式(2)で示されるアセトアセトアニリド誘導
体(但し、極性基置換アセトアセトアニリドを除
く。)、上記3−メチル−1−置換または無置換フェニ
ル−5−ピラゾロン、アニリンおよび上記一般式(3)
で示されるアニリン誘導体からなる群から選ばれる1種
以上が挙げられる。
【0021】本発明において、極性基置換ジスアゾ化合
物を製造する際に使用される極性基置換アセトアセトア
ニリドの量は、ジスアゾ化合物の製造に使用されるカッ
プリング成分を含む工程(A)で使用する全カップリン
グ成分の合計量に対し0.5〜10モル%、好ましくは
1〜5モル%である。また、極性基置換ジスアゾ化合物
を製造する際に使用される極性基置換アセトアセトアニ
リドとその他の成分を含むカップリング成分の量は、ジ
スアゾ化合物の製造に使用されるカップリング成分を含
む工程(A)で使用する全カップリング成分の合計量に
対し0.5〜20モル%、好ましくは1〜10モル%で
ある。
【0022】本発明において、極性基置換アセトアセト
アニリドとしては、例えば下記一般式(1)で示される
ものが挙げられる。 一般式(1)
【0023】
【化4】
【0024】[ 式中、Xは同一であっても異なっていて
もよく、R1、OR1、ハロゲン、CONR12、SO2
NR12、CONH(CH2kNR12、SO2NH
(CH2kNR12、(R1、R2は水素原子または低級
アルキル基、kは1〜4の整数を表す。)、mは0〜2
の整数、Yは同一であっても異なっていてもよく、CO
OH、SO3H、nは1〜2の整数を表す。]
【0025】一般式(1)で示される極性基置換アセト
アセトアニリドとしては、以下の化合物が例示できる。
2−アセトアセトアミド安息香酸、3−アセトアセトア
ミド安息香酸、4−アセトアセトアミド安息香酸、2−ア
セトアセトアミド−3−クロロ安息香酸、2−アセトア
セトアミド−4−クロロ安息香酸、2−アセトアセトア
ミド−5−クロロ安息香酸、2−アセトアセトアミド−
6−クロロ安息香酸、3−アセトアセトアミド−4−ク
ロロ安息香酸、3−アセトアセトアミド−5−クロロ安
息香酸、3−アセトアセトアミド−6−クロロ安息香酸、
4−アセトアセトアミド−5−クロロ安息香酸、4−ア
セトアセトアミド−6−クロロ安息香酸、5−アセトア
セトアミド−6−クロロ安息香酸、2−アセトアセトア
ミドテレフタル酸、3−アセトアセトアミドテレフタル
酸、2−アセトアセトアミドイソフタル酸、4−アセトア
セトアミドイソフタル酸、5−アセトアセトアミドイソ
フタル酸、3−アセトアセトアミドフタル酸、4−アセト
アセトアミドフタル酸、2−アセトアセトアミド−3−
ヒドロキシ安息香酸、2−アセトアセトアミド−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、2−アセトアセトアミド−5−ヒド
ロキシ安息香酸、2−アセトアセトアミド−6−ヒドロ
キシ安息香酸、3−アセトアセトアミド−4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−アセトアセトアミド−5−ヒドロキシ
安息香酸、3−アセトアセトアミド−6−ヒドロキシ安
息香酸、4−アセトアセトアミド−5−ヒドロキシ安息
香酸、4−アセトアセトアミド−6−ヒドロキシ安息香
酸、5−アセトアセトアミド−6−ヒドロキシ安息香酸、
2−アセトアセトアミド−3−メトキシ安息香酸、2−
アセトアセトアミド−4−メトキシ安息香酸、2−アセ
トアセトアミド−5−メトキシ安息香酸、2−アセトア
セトアミド−6−メトキシ安息香酸、3−アセトアセト
アミド−4−メトキシ安息香酸、3−アセトアセトアミ
ド−5−メトキシ安息香酸、3−アセトアセトアミド−
6−メトキシ安息香酸、4−アセトアセトアミド−5−
メトキシ安息香酸、4−アセトアセトアミド−6−メト
キシ安息香酸、5−アセトアセトアミド−6−メトキシ
安息香酸、2−アセトアセトアミドベンゼンスルホン酸、
3−アセトアセトアミドベンゼンスルホン酸、4−アセ
トアセトアミドベンゼンスルホン酸、2−アセトアセト
アミド−3−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトア
セトアミド−4−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセ
トアセトアミド−5−メチルベンゼンスルホン酸、2−
アセトアセトアミド−6−メチルベンゼンスルホン酸、
3−アセトアセトアミド−4−メチルベンゼンスルホン
酸、3−アセトアセトアミド−5−メチルベンゼンスル
ホン酸、3−アセトアセトアミド−6−メチルベンゼン
スルホン酸、4−アセトアセトアミド−5−メチルベン
ゼンスルホン酸、4−アセトアセトアミド−6−メチル
ベンゼンスルホン酸、5−アセトアセトアミド−6−メ
チルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−3
−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセト
アセトアミド−3−クロロ−5−メチルベンゼンスルホ
ン酸、2−アセトアセトアミド−3−クロロ−6−メチ
ルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−4−
クロロ−3−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトア
セトアミド−4−クロロ−5−メチルベンゼンスルホン
酸、2−アセトアセトアミド−4−クロロ−6−メチル
ベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−5−ク
ロロ−3−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセ
トアミド−5−クロロ−4−メチルベンゼンスルホン
酸、2−アセトアセトアミド−5−クロロ−6−メチル
ベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−3−メ
トキシ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトア
セトアミド−3−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホ
ン酸、2−アセトアセトアミド−3−メトキシ−6−メ
チルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−4
−メトキシ−3−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセ
トアセトアミド−4−メトキシ−5−メチルベンゼンス
ルホン酸、2−アセトアセトアミド−4−メトキシ−6
−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド
−5−メトキシ−3−メチルベンゼンスルホン酸、2−
アセトアセトアミド−5−メトキシ−4−メチルベンゼ
ンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−5−メトキシ
−6−メチルベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトア
ミド−3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸、2−アセ
トアセトアミド−3,5−ジクロロベンゼンスルホン
酸、2−アセトアセトアミド−3,6−ジクロロベンゼ
ンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−4,5−ジク
ロロベンゼンスルホン酸、2−アセトアセトアミド−
4,6−ジクロロベンゼンスルホン酸、2−アセトアセ
トアミド−5,6−ジクロロベンゼンスルホン酸、3−
アセトアセトアミド−2,4−ジクロロベンゼンスルホ
ン酸、3−アセトアセトアミド−2,5−ジクロロベン
ゼンスルホン酸、3−アセトアセトアミド−2,6−ジ
クロロベンゼンスルホン酸、4−アセトアセトアミド−
2,3−ジクロロベンゼンスルホン酸、4−アセトアセ
トアミド−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、4−
アセトアセトアミド−2,6−ジクロロベンゼンスルホ
ン酸、4−アセトアセトアミド−3,5−ジクロロベン
ゼンスルホン酸、4−アセトアセトアミド−3,6−ジ
クロロベンゼンスルホン酸、4−アセトアセトアミド−
5,6−ジクロロベンゼンスルホン酸およびこれらのア
ルカリ金属塩等がある。
【0026】本発明において、工程(A)におけるジス
アゾ化合物と極性基置換ジスアゾ化合物との混合物を調
製する工程は、その方法に制限はない。例えば、ジスア
ゾ化合物と極性基置換ジスアゾ化合物を別の工程で製造
しておいて、両者を混合してもよいし、ジスアゾ化合物
と極性基置換ジスアゾ化合物を、この順序にまたはその
逆の順に連続的に合成してもよい。下記に示す理由か
ら、ジスアゾ化合物を合成する工程(a1)と、該工程
で得られたジスアゾ化合物の存在下に極性基置換ジスア
ゾ化合物を合成する工程(a2)とすることが好まし
い。
【0027】本発明において採用するジスアゾ化合物お
よび極性基置換ジスアゾ化合物の合成方法は、カップラ
ー成分を含むカップラー水溶液と3,3’−ジクロロベ
ンジジンのテトラゾ水溶液とを、カップラー成分が反応
系で実質的に析出しないように、かつテトラゾ成分が直
ちに反応するように酸性水溶液中に同時に注入するカッ
プリング反応が好ましいが、この方法に限定されること
なく従来公知のジスアゾ化合物の製造方法が採用でき
る。
【0028】本発明において極性基置換ジスアゾ化合物
は、工程(C)における結晶転移を円滑に行わせるため
に使用される。工程(C)における結晶転移をより円滑
に行わせるためには両側に極性基を有する極性基置換ジ
スアゾ化合物をジスアゾ化合物の粒子上に均一に存在さ
せることが好ましく、そのために、ジスアゾ化合物の反
応物の存在下に極性基置換ジスアゾ化合物を合成する。
なお、供した極性基置換アセトアセトアニリドの分子す
べてを両側に極性基を有する極性基置換ジスアゾ化合物
に変化させるためには、工程(a1)のカップリング反
応の終了時点において遊離のカップリング成分が検出さ
れないようにして、工程(a2)でカップリング反応す
るカップリング成分が極性基置換アセトアセトアニリド
のみであるようにすることが好ましい。
【0029】本発明の水溶性カルボン酸化合物は、軟化
点が50℃以上の樹脂状化合物であって、分子中に少な
くとも1個、好ましくは2個以上のカルボキシル基を有
し、該カルボキシル基をアルカリ金属、アンモニア等の
塩基で塩形成させることによって水溶性とするか、他の
水溶性基により水溶性としたものである。具体的には、
アルカリ可溶性ポリマーが挙げられる。
【0030】本発明のアルカリ可溶性ポリマーとして
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和一塩
基酸類、またはマレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、α-オレフィンスルホン酸等の不飽和
二塩基酸類とその他の共重合性モノマーとのコポリマー
がある。その他の共重合性モノマーとしては、エチレ
ン、プロピレン、イソブテン、スチレン、α-メチルス
チレン、アクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸
アルキルエステル、塩化ビニル、アクリロニトリル等が
挙げられる。アルカリ可溶性ポリマーの具体例として
は、スチレン−マレイン酸コポリマー、α−メチルスチ
レン−アクリル酸コポリマー、スチレン−スルホコハク
酸コポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、イソ
ブテン−無水マレイン酸コポリマー、カルボキシル基含
有アクリル樹脂等が挙げられる。
【0031】本発明において水溶性カルボン酸化合物の
添加量は、ピグメントイエロー12色素に対し2〜30
重量%、好ましくは3〜15重量%である。
【0032】本発明の(B)工程におけるジスアゾ化合
物と極性基置換ジスアゾ化合物の混合物の水スラリーに
水溶性カルボン酸化合物を共存させるには以下の手法が
ある。 (1)ジスアゾ化合物もしくは極性基置換ジスアゾ化合
物のカップラー成分を含むカップラー水溶液と3,3’
−ジクロロベンジジンのテトラゾ水溶液とを、カップラ
ー成分が反応系で実質的に析出しないように、かつテト
ラゾ成分が直ちに反応するように酸性水溶液中に同時に
注入するカップリング反応の際、ジスアゾ化合物の合成
前あるいは極性基置換ジスアゾ化合物の合成前の酸性水
溶液中に予め添加しておく。
【0033】(2)カップラー成分を含むカップラー水
溶液を酸で析出させて、3,3’−ジクロロベンジジン
のテトラゾ水溶液をカップラー酸析スラリー中に注入し
てカップリング反応をさせるカップリング反応の際、ジ
スアゾ化合物の合成前あるいは極性基置換ジスアゾ化合
物の合成前の酸性スラリー液中に予め添加しておく。 (3)上記(1)または上記(2)のカップリング反応
(ただし水溶性化合物は使用しない。)後のジスアゾ化
合物の水スラリーまたは極性基置換ジスアゾ化合物の水
スラリーまたは両者の混合物の水スラリーに添加する。
【0034】本発明において水溶性カルボン酸化合物と
ピグメントイエロー12の水スラリーの混合物は、好ま
しくはpH7〜12の弱アルカリ性とする。水溶性カル
ボン酸化合物は、カップリング後の弱酸性のスラリーに
添加して弱アルカリ性にしてもよいし、カップリング後
の弱酸酸性のスラリーを弱アルカリ性にした後、添加し
てもよい。
【0035】本発明の水溶性カルボン酸化合物は、ナト
リウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子とのア
ルカリ金属塩水溶液、またはアンモニアとのアンモニウ
ム塩水溶液で添加されるのが望ましい。
【0036】本発明において、水溶性カルボン酸化合物
を添加した後、加熱して顔料への吸着を促す操作を加え
るのが好ましい。次いで、水溶性カルボン酸化合物を共
存させた弱アルカリ性の顔料水スラリーに酸を添加し、
pH3〜7、好ましくはpH5.5±1.0に調整す
る。この際に使用する酸は、塩酸、硫酸等の無機酸でも
よいし、酢酸等の有機酸でもよい。
【0037】次いで、得られた顔料を水スラリーの状態
でオートクレーブ等の加圧装置を使用して100℃〜1
40℃に加熱処理する。加熱処理時間は30分〜3時間
程度が好ましい。加熱処理して得られたピグメントイエ
ロー12は回折角9.90±0.20゜(Cu−Kα)
にブロードな特徴的ピークを有する。加熱処理温度が1
00℃未満では回折角10.3±0.1゜の通常の安定
形結晶であるし、また、140℃を越えても通常の安定
形結晶へ再転移してしまう。
【0038】本発明で得られるピグメントイエロー12
の結晶は、極性基置換ジスアゾ化合物および水溶性カル
ボン酸化合物による処理によって準安定形の結晶として
取り出せるものであり、アセトアセトアニリド単独とテ
トラゾ成分からなるピグメントイエロー12では形成し
ない結晶形である。すなわち、水溶性カルボン酸化合物
および極性基置換ジスアゾ化合物は加熱下での不安定な
分子集合状態のピグメントイエロー12を準安定結晶と
して保持する機能を有すると考えられる。その際、同時
に結晶子が微細化され、そのためにX線回折ピークがブ
ロードとなる。また、準安定形であるために印刷インキ
用ビヒクルにより容易に結晶転移すると同時に一次粒子
が結晶子レベルまで解膠してビヒクル中に分散する。準
安定形の結晶を得る意義は、上述した結晶学的機構に基
づく印刷インキ中での易分散性の性質により透明性を初
めとする印刷インキ適性を向上させることにある。
【0039】本発明において、水溶性カルボン酸化合物
中のカルボキシル基は顔料分子中のマイナスチャージ・
サイトと水素結合を生成させている可能性が高い。その
ため、熱力学的安定性が高く100〜140℃という広
い加熱温度領域で準安定形の結晶が得られるし、また、
得られた顔料の耐熱性が高いと考えられる。
【0040】本発明においてピグメントイエロー12の
顔料特性を向上させるために、加熱処理後の顔料の水ス
ラリーに対してロジン類あるいは印刷インキ用ビヒクル
によって顔料の表面処理を施してもよい。表面処理用の
ロジンの種類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トー
ル油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水添ロジン等、
顔料のロジン処理に一般的に使用されるロジンの水酸化
ナトリウム溶液もしくは水酸化カリウム溶液などがあ
る。表面処理用の印刷インキ用ビヒクルとしては、酸価
が高くアルカリ水溶液となるロジン変性フェノール樹脂
が好ましく、これにアルキッド樹脂、石油樹脂等を併用
しても良い。ロジンまたは印刷インキ用ビヒクルの添加
量は、固形分換算でカップリングして生成されるピグメ
ントイエロー12に対して、2〜150重量%、好ましく
は3〜80重量%である。
【0041】本発明の製造法によって得られたピグメン
トイエロー12は、印刷インキ用ビヒクルと混練されて、
透明性と流動性と耐熱性に優れた印刷インキに使用する
ことができる。
【0042】オフセットインキ用ビヒクルとしては、例
えば、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド
樹脂またはこれら乾性油変性樹脂等の樹脂と、必要に応
じて、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィ
ン、イソパラフィン、アロマティック、ナフテン、α−
オレフィン等の溶剤からなるものであって、それらの混
合割合は、重量比で樹脂:植物油:溶剤=20〜50
部:0〜30部:10〜60部の範囲が好ましい。本発
明の顔料を配合したオフセットインキ用ビヒクルは、必
要に応じて、インキ溶剤、ドライヤー、レベリング改良
剤、増粘剤等の公知の添加剤を適宜配合して印刷インキ
とすることができる。
【0043】グラビアインキ用ビヒクルとしては、例え
ば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、石灰化
ロジン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、
ギルソナイト、ダンマル、セラック、ポリアミド樹脂、
ビニル樹脂、ニトロセルロース、環化ゴム、塩化ゴム、
エチルセルロース、酢酸セルロース、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキッド樹脂等の樹脂混合物と、n−ヘキサン、トルエ
ン、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、乳酸
エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、イソプロピルアルコール、クロルベ
ンゼン、エチルエーテル、メチルエチルケトン、アセト
酢酸エチル等の溶剤からなるものであって、それらの配
合割合は、重量比で、樹脂混合物:溶剤=10〜50
部:30〜80部の範囲が好ましい。本発明の顔料を配
合したグラビアインキ用ビヒクルは、必要に応じて、例え
ば硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、
アルミナホワイト、クレー、シリカ、シリカホワイト、タ
ルク、珪酸カルシウム、沈降性炭酸マグネシウム等の体質
顔料の他、補助剤として、可塑剤、紫外線防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を適宜配合して印刷イ
ンキとすることができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の例中「部」及び「%」は、特に断りのな
い限りいずれも「重量部」、「重量%」を示す。
【0045】<実施例1>3,3’−ジクロロベンジジ
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、0.
125モル/Lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、アセ
トアセトアニリド345部を水酸化ナトリウム118部
を含む水溶液に溶解し、25℃、0.259モル/Lのカ
ップラー水溶液を調製した。 また、酸性水溶液として80%酢酸300部と水酸化ナ
トリウム80部と水とからなる24℃、pH4.7の緩
衝溶液5000部を調製し、撹拌機を有する反応器に仕
込んだ。このpH緩衝溶液中の互いに離れた位置に出口
を持つ2本の注入管をセットし、テトラゾ水溶液とカッ
プラー水溶液とをそれぞれの注入管を通してpH緩衝溶
液中に注入を行った。これらの溶液は同時に注入を開始
し、定量ポンプにより同じ体積流量(193mL/分)
で38分注入し、ほぼ同時に注入を終了した。注入の間、
液面より採取した反応液からはテトラゾは検出されなか
った。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる発色
反応を用いて行った。一方、液面より採取した反応液か
らはアセトアセトアニリドもまた、検出されなかった。
カップリング成分の検出はテトラゾによる発色反応を用
いて行った。 次に、アセトアセト−3−カルボキシ−4−ヒドロキシ
アニリド12部を水酸化ナトリウム3部を含む水溶液に
溶解し、25℃、0.259モル/Lのカップラー水溶液
を調製し、テトラゾ水溶液と共にそれぞれの注入管を通
してpH緩衝溶液中に注入を行った。これらの溶液は同
時に注入を開始し、定量ポンプにより同じ体積流量(1
00mL/分)で2分注入し、同時に注入を終了した。注
入の間、液面より採取した反応液からはテトラゾは検出
されなかった。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールに
よる発色反応を用いて行った。 以後、製造したスラリーに苛性ソーダ水溶液を加えてp
Hを9.5に調整し、イソブテン−無水マレイン酸コポ
リマ−のアルカリ性水溶液を固形換算で32部添加後、
50℃で60分間加熱撹拌し、塩酸水溶液でpH4.5
に調整した。110℃で1時間加熱撹拌後、濾過、水
洗、熱風乾燥機を用いて90℃で12時間乾燥し、粉砕
して顔料(本発明顔料1)を得た。 X線回折装置(理学電機株式会社製、型式RINT11
00)を用いて測定した結果、回折角が9.90°(C
u−Kα)に単一のピークを含むX線回折パターンを示
した。
【0046】<実施例2>アセトアセトアニリド345
部を使用する代わりに、アセトアセトアニリド319部
とアセトアセト−p−カルボアニリド33部を使用し、
アセトアセト−3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリ
ド12部を使用する代わりに、4−アセトアセトアミド
ベンゼンスルホン酸13部を使用し、115℃で1時間
加熱する代わりに、105℃で3時間加熱すること以外
は実施例1と同様にして顔料Bを得た。 上記で得られた顔料BをX線回折装置を用いて測定した
結果、回折角が9.90°(Cu−Kα)に単一のピー
クを含むX線回折パターンを示した。
【0047】<実施例3>0.259モル/Lのアセト
アセトアニリド水溶液および0.259モル/Lの ア
セトアセト−3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド
水溶液を実施例1と同様にして調製した。次に、実施例
1と同様にして調製したpH緩衝溶液5000部を47
50部と250部とに分割した。アセトアセトアニリド
水溶液は4750部の緩衝溶液中に注入し、また、アセ
トアセト−3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド水
溶液は250部の緩衝溶液中にそれぞれテトラゾ水溶液
と同時に注入した。実施例1と同様にテトラゾの検出が
認められなくなった後、得られたそれぞれの反応物の水
スラリーを混合し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてp
Hを10.5に調整し、スチレン−スルホコハク酸コポ
リマーのナトリウム塩水溶液を固形換算で36部添加
後、室温で60分間撹拌した後、硫酸水溶液でpH4.
5に調整した。得られた顔料スラリーを130℃で15
分間加熱撹拌後、濾過、水洗、熱風乾燥機を用いて90
℃で12時間乾燥し、粉砕して顔料Cを得た。 上記で得られた顔料CをX線回折装置を用いて測定した
結果、回折角が9.90°(Cu−Kα)に単一のピー
クを含むX線回折パターンを示した。
【0048】<比較例1>115℃で1時間加熱する代
わりに、70℃で30分間加熱すること以外は実施例1
と同様にして顔料Dを得た。 上記で得られた顔料DをX線回折装置を用いて測定した
結果、回折角が10.40°(Cu−Kα)に単一のピ
ークを含むX線回折パターンを示した。
【0049】<比較例2>3,3’−ジクロロベンジジ
ン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナト
リウムを使用して常法によりテトラゾ化し、10℃、0.
125モル/Lのテトラゾ水溶液を調製した。一方、アセ
トアセトアニリド346部とアセトアセト−3−カルボ
キシ−4−ヒドロキシアニリド11部とを水酸化ナトリ
ウム120部を含む水溶液に溶解し、25℃、0.259
モル/Lのカップラー水溶液を調製した。 また、酸性水溶液として80%酢酸300部と水酸化ナ
トリウム80部と水とからなる24℃、pH4.7の緩
衝溶液5000部を調製し、撹拌機を有する反応器に仕
込んだ。このpH緩衝溶液中の互いに離れた位置に出口
を持つ2本の注入管をセットし、テトラゾ水溶液とカッ
プラー水溶液とをそれぞれの注入管を通してpH緩衝溶
液中に注入を行った。これらの溶液は同時に注入を開始
し、定量ポンプにより同じ体積流量(193mL/分)
で40分注入し、同時に注入を終了した。注入の間、液面
より採取した反応液からはテトラゾは検出されなかっ
た。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる発色反
応を用いて行った。 以上により製造したピグメントイエロー12の顔料水ス
ラリーに水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.
0に調整した液の中に、 固形換算で35部の上記顔料誘
導体の水ペーストのpH11.0の水酸化ナトリウム水
スラリーを添加し、70℃で30分間加熱撹拌後、塩酸
水溶液でpH5.5に調整した。反応物を115℃で1
時間加熱撹拌後、濾過、水洗、熱風乾燥機を用いて90
℃で12時間乾燥し、粉砕して顔料Eを得た。 上記で得られた顔料EをX線回折装置を用いて測定した
結果、回折角が9.95°(Cu−Kα)に単一のピー
クを含むX線回折パターンを示した。
【0050】<試験例>以下の方法により、顔料A〜E
をインキ化し評価した。 ステンレス容器に60℃に加熱した平版インキ用ロジン
変性フェノール樹脂ワニス300部と100部のパウダ
ー顔料組成物を仕込み、高剪断性ミキサーを使用してミ
ルベースを作成した。このミルベースを3本ロールを使
用して練肉した。3本ロール上でベースインキに上記平
版インキ用ワニス150部と芳香族を含有しないインキ
用溶剤10部を加え試験用インキを作成し、透明性と流
動性を測定した。インキの透明性と流動性とを表1にま
とめて示した。
【0051】<透明性の評価方法>黒インキを用いて黒
帯を印刷した白い展色紙に、試験インキを展色し、黒帯
の上の展色状態を目視で観察する。黒帯の上に試験イン
キが展色されることにより黒帯が白く見えるものを不透
明と判断し、目視判定1とする。黒帯上に試験インキが展
色されているのがわかりにくいものを透明と判断し、目
視判定7とする。
【0052】<流動性の評価方法>スプレッドメーター
に一定容量の試験インキを測り盛り、測定開始と同時に
ガラス板と目盛り板の間に計量したインキを押しだし、
1分後にインキが流動した中心からの距離を計測する。
測定値の大きいものを流動性が高いと判定する。顔料A
の流動性を100%とした百分率で表示し、100%を
超える値の場合は流動性がより高く、また、100%未
満の値の場合は流動性がより低いことを表した。
【0053】
【0054】
【発明の効果】本発明のピグメントイエロー12は、両
側に極性基を有するジスアゾ化合物および水溶性カルボ
ン酸化合物の作用によって結晶子が微細で、かつ準安定
結晶となり、分散性に優れた印刷インキを調整すること
ができ、透明性に優れた印刷インキを得ることができ
た。同時に、ペースト顔料をフラッシングする工程を経
由せずに、パウダー顔料を原料として透明性に優れた印
刷インキが得られる本発明のピグメントイエロー12
は、フラッシング時の着色排水の問題点を解消し環境面
での意義も極めて大きい。また、本発明の工程(A)に
おける極性基置換アセトアセトアニリドは3,3’−ジ
クロロベンジジンのテトラゾ化物の両側にカップリング
反応するのでその使用量を減らすことが可能となり、顔
料のコストを低減させることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 35/20 C09B 35/20 C09D 11/10 C09D 11/10 Fターム(参考) 4J039 AB02 AB04 AB08 AB09 AB10 AB11 AD01 AD08 AD14 AD18 AE02 AE04 AE06 AE08 AF01 AF02 AF07 BC02 BC03 BC05 BC07 BC13 BC16 BC20 BE01 CA07 EA17 EA33 GA02 GA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアセトアニリド単独もしくはアセ
    トアセトアニリドを主成分として他の成分を添加したカ
    ップリング成分と3,3’−ジクロロベンジジンのテト
    ラゾ成分とをカップリング反応させて得られるジスアゾ
    化合物、および全カップリング成分に対して0.5〜1
    0モル%の極性基置換アセトアセトアニリドを含むカッ
    プリング成分と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラ
    ゾ成分とをカップリング反応させて得られる極性基置換
    ジスアゾ化合物の混合物を調製する工程(A)と、上記
    ジスアゾ化合物と上記極性基置換ジスアゾ化合物との混
    合物の水スラリーに水溶性カルボン酸化合物を共存させ
    る工程(B)と、工程(B)で得られた混合物を100
    〜140℃で加熱処理する工程(C)とからなることを
    特徴とするピグメントイエロー12の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(A)が、ジスアゾ化合物を合成す
    る工程(a1)と、工程(a1)で得られたジスアゾ化
    合物の存在下で極性基置換ジスアゾ化合物を合成する工
    程(a2)とからなる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(B)が、弱アルカリ性で水溶性カ
    ルボン酸化合物を共存させた後、pH3〜7に調整する
    請求項1または請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジスアゾ化合物のアセトアセトアニリド
    以外のカップリング成分が、アセトアセトアニリド誘導
    体、3−メチル−1−置換または無置換フェニル−5−
    ピラゾロン、アニリンおよびアニリン誘導体からなる群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし3い
    ずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 極性基置換アセトアセトアニリドが一般
    式(1)で示される化合物である請求項1ないし4いず
    れか記載の製造方法。 一般式(1) 【化1】 [ 式中、Xは同一であっても異なっていてもよく、R1
    OR1、ハロゲン、CONR12、SO2NR12、CO
    NH(CH2kNR12、SO2NH(CH2kNR1
    2、(R1、R2は水素原子または低級アルキル基、kは
    1〜4の整数を表す。)、mは0〜2の整数、Yは同一
    であっても異なっていてもよく、COOH、SO3H、
    nは1〜2の整数を表す。]
  6. 【請求項6】 極性基置換アセトアセトアニリドの配合
    量が、全カップリング成分に対し1〜5モル%である請
    求項1ないし5いずれか記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 水溶性カルボン酸化合物がアルカリ可溶
    性ポリマーである請求項1ないし6いずれか記載の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7いずれか記載の製造方
    法で得られたピグメントイエロー12。
  9. 【請求項9】 アセトアセトアニリド単独もしくはアセ
    トアセトアニリドを主成分として他の成分を添加したカ
    ップリング成分と3,3’−ジクロロベンジジンのテト
    ラゾ成分とをカップリング反応させて得られるジスアゾ
    化合物、および全カップリング成分に対して0.5〜1
    0モル%極性基置換アセトアセトアニリドを含むカップ
    リング成分と3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ
    成分とをカップリング反応させて得られる極性基置換ジ
    スアゾ化合物からなるピグメントイエロー12の色素
    と、該色素に対して2〜30重量%の水溶性カルボン酸
    化合物とを含み、X線回折図において回折角9.90±
    0.20゜(Cu−Kα)に特徴的ピークを有すること
    を特徴とするピグメントイエロー12。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載のピグメントイ
    エロー12および印刷インキ用ビヒクルからなる印刷イ
    ンキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007284641A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Dainippon Ink & Chem Inc ジスアゾ顔料組成物、その製造方法及び印刷インキ

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