JP2008031194A - 自己分散型着色微粒子、該自己分散型着色微粒子を含む水系分散体ならびにインクジェット記録用インクまたはカラーフィルター用インク - Google Patents

自己分散型着色微粒子、該自己分散型着色微粒子を含む水系分散体ならびにインクジェット記録用インクまたはカラーフィルター用インク Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、インクジェット記録用およびカラーフィルター用のインクとなる色材または色材の分散体、インクに関する。更に詳しくは、界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を必ずしも必要とせず水系分散媒に分散する機能を有し、水系分散体およびインク調製時の保存安定性に優れ、印刷時のヘッド目詰まりがなく吐出安定性に優れるとともに印刷物の発色性、透明性、光沢感に優れ、耐光性、耐水性、定着性などの画像堅牢性に優れた画像が得られる自己分散型着色微粒子、該自己分散型着色微粒子を含む水系分散体、インクジェット記録用インク、カラーフィルター用インクに関するものである。
【解決手段】 着色微粒子を構成する物質が、水不溶性色材と、その水不溶性色材と同一もしくは類似の構造を有する色材に親水基を導入した親水性色材の複合色材であることを特徴とする自己分散型着色微粒子からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用およびカラーフィルター用のインクとなる色材または色材の分散体、インクに関する。更に詳しくは、界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を介さずに水系分散媒に分散する機能を有し、水系分散体およびインク調製時の保存安定性に優れ、印刷時のヘッド目詰まりがなく吐出安定性に優れるとともに印刷物の発色性、透明性、光沢感に優れ、耐光性、耐水性、定着性などの画像堅牢性に優れた画像が得られる自己分散型着色微粒子、該自己分散型着色微粒子を含む水系分散体、インクジェット記録用インク、カラーフィルター用インクに関するものである。
インクジェット記録は小型、低ランニングコストでありながら、高画質なカラー印刷を可能とするもので、急速にオフィスや写真市場に使用されるようになってきた。このインクジェット記録において最も重要な要素の1つがインクの特性である。このインクはプリンタヘッドでの吐出安定性、インクの保存安定性、印刷物の発色性を鑑みて、従来から染料が主体で用いられている。しかしながら、オフィスや写真市場といった保存性が必要とされる分野においては光や大気中の水分、あるいはオゾンなどのガスによる退色などの不具合が生じやすい。
そこで近年、顔料や油溶性染料に代表される水不溶性色材が耐水性や耐光性などの保存性に優れることから、インクジェット記録用として注目を浴びつつある。これらの水不溶性色材は水などの分散媒に溶解しないため、一旦、水不溶性色材を高濃度に分散させた水系分散体を調製し、これに湿潤剤、浸透剤などの添加剤、水溶性有機化合物、そして水を添加してインクに調製され、使用される。
水不溶性色材、分散体、またはそれらから調製されるインクにおいて、水不溶性色材が微細に分散されていない場合には鮮明な画像が得られない。また、バックライトで投影するOHPシートへの印刷やカラーフィルター表示用として用いる場合、水不溶性色材を微細に分散して高い透明度を確保しなければ、カラフルな投影画像が得られない。このように染料と同等の鮮明性、透明性を満足するためには入射した光が色材によって散乱されないようにする必要がある。この散乱は色材の粒径に依存し、粒径が小さいほどその散乱は抑えられ、粒径が可視光線の1/10以下になったとき、ほぼ無視できる程度になる。つまり、水不溶性色材の粒径が50nmよりも小さい場合、鮮明性、透明性が発揮されることになる。また、水不溶性色材の結晶子サイズは微細である方がより透明性の高い分散体、インクを調製できる。更に、インク中の水不溶性色材が微細な状態で分散安定化されていない場合には、プリンタヘッドにおけるノズル目詰まりという問題が発生する。
しかしながら、水不溶性色材を微細に分散することは非常に困難である。通常、水不溶性色材の分散は、分散媒に分散剤を添加して、ビーズミル、ロールミルといった粉砕分散機で機械的な力を用いて行われている。この方法による分散体、インクにおいては原料として用いた色材の一次粒径、約100nm程度にしか分散できず、十分な鮮明性、透明性をもった画像が得られない。さらに粉砕を激しく行い、一次粒子を破壊して分散を行うと、比表面積の増大と、顔料表面の局部的な結晶構造の変化による過分散といわれる分散不安定な状態になり、分散を安定的に保持することは困難である。つまり、粉砕とは異なる方法により超微細な水不溶性色材を調製、および調製されたものが必要であった。
さらに、インクジェット記録用においては水不溶性色材を分散したものに、記録媒体への浸透性や発色性を考慮して、界面活性剤、水溶性有機化合物、pH調整剤、防腐剤などの添加剤を添加してインクとする。そして、この状態において年単位での保存安定性を要求される。この場合、従来の界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を介した分散では、水不溶性色材の表面で分散剤と添加剤の競争吸着が発生し、十分な分散安定性を確保できない。そこで水不溶性色材の一部を親水化し、界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を介さずに水系分散媒に分散する自己分散型の水不溶性色材の調製とその分散による高度な分散安定化が有効な手段と考えられる。
まず、超微細化された水不溶性色材を得る方法として、水不溶性色材を硫酸に溶解して水中に投入するアシッドペースティング法と呼ばれる技術(特許文献1)、水不溶性色材をアルカリ存在下で非プロトン性極性有機溶剤に溶解した後、酸で中和して微細な色材を得る技術(特許文献2)、水不溶性色材と界面活性剤をアルカリ存在下で非プロトン性極性有機溶剤に溶解し、水中に投入して微細な色材を得る技術(特許文献3)、水不溶性色材と樹脂などの分散剤をアルカリ存在下で非プロトン性極性有機溶剤に溶解し、水中に投入して微細な色材を得た後、酸析と再分散を行い、高濃度で微細な色材を得る技術(特許文献4)、水不溶性色材をアミド系有機溶剤に溶解し、水中に投入することで微細な色材を得る技術(特許文献5)が知られている。
次に、顔料表面を親水化した自己分散型の水不溶性色材を得る方法として、水不溶性色材を強酸中でスルホン化し、塩基で中和した後に粉砕機を用いた粉砕処理により自己分散型の水不溶性色材を得る技術(特許文献6)、水不溶性色材表面にアゾニウム塩を介し親水基を置換して自己分散型の水不溶性色材を得る技術(特許文献7)、アニオン性基を有する水不溶性色材誘導体を溶解または分散させた親水性媒体中に、溶解された水不溶性色材溶液を加える技術(特許文献8)が知られている。
特開平9−221616号公報 特開平11−209641号公報 特開2003−26972号公報 特開2004−43776号公報 特開2004−91560号公報 特開2002−285067号公報 特表2003−506554号公報 特開2002−179977号公報
前記特許文献1には、水不溶性色材を硫酸に溶解して、水中に投入した後、分散剤を加えて分散させた分散体、インクが記載されているが、分散粒径は100nm以上と大きく十分な発色性、透明性が発揮されているとは言い難いものである。
また、前記特許文献2には、水不溶性色材をアルカリ存在下で非プロトン性極性有機溶剤に溶解した後、酸で中和した微細な色材が記載されているが、分散までは至っていない。
また、前記特許文献3には、水不溶性色材と界面活性剤をアルカリ存在下で非プロトン性極性有機溶剤に溶解し、水中に投入して微細な色材分散体を得る技術が記載されている。しかし、界面活性剤のみでの分散安定化では、インクジェット記録用、カラーフィルター用として水性溶剤を加えた段階で凝集を起こし、上記用途では優れた特性を発揮できるとは言い難いものである。
また、前記特許文献4には、水不溶性色材と樹脂などの分散剤をアルカリ存在下で非プロトン性極性有機溶剤に溶解し、水中に投入して微細な色材を得た後、酸析と再分散を行い、高濃度で微細な色材を得る技術が記載されている。しかし、酸析工程で水不溶性色材粒子の会合を防ぐことが出来ないため、その後、アルカリによる中和を行っても、サイズの整ったナノメートルオーダーの水不溶性色材を安定して得られるとは言い難いものである。
また、前記特許文献5には、水不溶性色材をアミド系有機溶剤に溶解し、水中に投入することで微細な色材を得る技術が記載されている。しかし、系内に分散を安定化させる処置がされていないので、実際に色材として使用できる濃度まで濃縮およびアミド系有機溶剤を除く操作を行うと、著しい凝集を発生し、実用には耐えられない。
また、前記特許文献6には、水不溶性色材表面を親水化した自己分散型の水不溶性色材を得る方法として、水不溶性色材を強酸中でスルホン化し、塩基で中和した後に分散機を用いた分散処理により自己分散型の分散体を得る技術が記載されている。しかし、スルホン化による親水化を行った後、分散機による分散を行っているため、80nm以下の分散粒径の分散体を得ることはできず、発色性、透明性に十分とは言い難いものである。
また、前記特許文献7には、水不溶性色材表面にアゾニウム塩を介し親水基を置換して自己分散型の顔料分散体を得る技術が記載されている。しかし、反応が複雑で不純物が出易い上に、粒子の微細化には効果があるとは言い難いものである。
また、前記特許文献8には、アニオン性基を有する顔料誘導体を溶解または分散させた親水性媒体中に、溶解された水不溶性色材溶液を加える技術が記載されている。しかし、この系は水溶性の色材誘導体をシナジスト、あるいは界面活性剤的に用いて分散を安定化させているもので、十分な自己分散型であるとは言い難いものである。
本発明の目的は、インクジェット記録用およびカラーフィルター用のインク前駆体となる色材または色材の分散体、インクに関し、界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を介さずに水系分散媒に分散し、分散体およびインク調製時の保存安定性に優れ、印刷時のヘッド目詰まりがなく吐出安定性に優れるとともに、印刷物の発色性、透明性、定着性に優れ、耐水性、耐光性などの画像堅牢性に優れた画像が得られる自己分散型着色微粒子、該自己分散型着色微粒子を含む水系分散体、該自己分散型着色微粒子を含むインクを提供することを技術的課題とする。
上記技術的課題は、次のとおりの本発明によって達成することができる。
即ち、本発明は、着色微粒子を構成する物質が、水不溶性色材と、その水不溶性色材と同一もしくは類似の構造を有する色材に親水基を導入した親水性色材との複合色材であることを特徴とする自己分散型着色微粒子である(本発明1)。
また、本発明は、親水性色材の親水基が、アニオン性基、カチオン性基、および、ノニオン性基から選ばれた1種または2種以上の官能基であることを特徴とする本発明1の自己分散型着色微粒子である(本発明2)。
また、本発明は、親水性色材が水不溶性色材に対して2重量%以上100重量%以下含まれることを特徴とする本発明1または2の自己分散型着色微粒子である(本発明3)。
また、本発明は、平均粒径が50nm以下であることを特徴とする本発明1乃至3のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子である(本発明4)。
また、本発明は、平均結晶子サイズが25nm以下であることを特徴とする本発明1乃至4のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子である(本発明5)。
また、本発明は、本発明1乃至5いずれかの自己分散型着色微粒子を水系分散媒に分散させたことを特徴とする水系分散体である(本発明6)。
また、本発明は、本発明6の水系分散体であって、該水系分散体の分散粒径において、個数換算分布の累積90%粒径(P90)が50nm以下であることを特徴とする水系分散体である(本発明7)。
また、本発明は、本発明6または7の水系分散体であって、該水系分散体の分散粒径において、個数換算分布の累積90%粒径(P90)と個数換算分布の累積50%粒径(P50)との粒径比(P90/P50)が5以下であることを特徴とする水系分散体である(本発明8)。
また、本発明は、本発明1乃至5のいずれかの自己分散型着色微粒子または本発明6乃至8のいずれかに記載の水系分散体を用いたインクジェット記録用インクである(本発明9)。
また、本発明は、本発明1乃至5のいずれかの自己分散型着色微粒子または請求項6乃至8のいずれかの水系分散体を用いたカラーフィルター用インクである(本発明10)。
本発明に係る自己分散型着色微粒子は、水不溶性色材と、その水不溶性色材と同一もしくは類似の構造を有する色材に親水基を導入した親水性色材との複合色材であり、必ずしも分散剤を用いなくても水系分散媒に分散する機能を有し、その水系分散体およびインクにおける分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、インクジェット記録用またはカラーフィルター用のインク前駆体となる色材として好適である。
また、本発明に係る水系分散体は、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子からなるので、それ自体およびインク調製時の分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、インクジェット記録用およびカラーフィルター用のインク前駆体となる色材分散体として好適である。
また、本発明に係るインクジェット記録用インクは、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子、あるいは水系分散体からなるので、分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、インクジェット記録用インクとして好適である。
また、本発明に係るカラーフィルター用インクは、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子、あるいは水系分散体からなるので、分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、カラーフィルター用インクとして好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次のとおりである。
まず、本発明に係る自己分散型着色微粒子について述べる。
本発明に係る自己分散型着色微粒子は、本来、界面活性剤や水溶性樹脂など分散剤なしでは水系分散媒には分散することが困難である水不溶性色材と、該水不溶性色材と同一もしくは類似の構造を有する色材に親水基を導入した水溶性の親水性色材とを複合色材としたものである。これは、水系分散媒に溶解することなく、必ずしも界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を必要とせず、水系分散媒に自己分散可能な超微細粒径の着色微粒子である。
本発明における複合色材とは水不溶性色材と親水性色材を水中で同時に析出させることで両者が混ざりあった状態で粒子を形成しているものであり、混晶化あるいは包接錯体化しているものと推定される。その結果、親水性色材単独とは異なり水系分散媒中に溶解することなく、また、水不溶性色材とは異なり水系分散媒に自ら超微細に分散する機能を有する。
自己分散型着色微粒子の水不溶性色材と親水性色材の割合は、親水性色材が水不溶性色材に対して2重量%以上100重量%以下であることが好ましい。親水性色材の割合が水不溶性色材に対して2重量%未満になると水系分散媒中に分散しにくくなる。また、親水性色材の割合が100重量%を超えると過剰な親水性色材が水系分散媒中に溶解してしまい、染料と同様の挙動となってしまう。より好ましくは10重量%以上75重量%以下であり、更により好ましくは15重量%以上60重量%以下である。
本発明に係る着色樹脂微粒子の水不溶性色材としては、水系分散媒に不溶で、本発明を達成できるものであれば、いかなるものでも使用できる。さらに好ましくは、水不溶性色材の微粒子化操作中に変質してしまわないものがよい。具体には印刷インキ、塗料、樹脂組成物の着色材などとして用いられている有機顔料、油溶性染料、分散染料、建染染料などを使用することができる。
なお、要求される色相に応じて前記水不溶性色材を同時に用いてもよい。また、求められる色相および特性などに応じて同系色の色であっても二種以上を用いてもよい。
有機顔料としては、Pigment−Red1、2、3、4、5、6、8、9、12、14、15、16、17、19、21、22、23、31、32、37、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、58:4、60、63:1、63:2、64:1、68、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、97、112、114、122、123、144、146、147、149、150、151、166、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、184、185、187、188、190、191、192、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、215、216、217、219、220、221、223、224、226、227、228、238、240、242、243、245、247、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、267、268、269、270、272、273、274、279、Pigment−Blue1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、18、19、22、24、25、27、56、56:1、57、60、61、61:1、62、63、64、66、80、88、Pigment−Yellow1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、20、24、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、86、87、88、93、94、95、97、98、99、100、101、102、104、105、108、109、110、111、115、116、117、120、123、125、126、127、128、129、130、133、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、185、188、191、192、193、194、196、198、199、202、203、213、214、Pigment−Black1、20、31、32、Pigment−Green1、7、8、10、36、Pigment−Orange1、2、5、13、16、17、22、24、34、36、38、43、48、49、51、55、59、61、62、64、66、67、69、70、71、72、73、74、77、Pigment−Violet3、19、23、25、29、30、31、32、37、39、40、42、50、Pigment−Brown1、23、25、27、有機蛍光顔料(蛍光染料・合成樹脂固溶体)などが挙げられる。
油溶性染料としては、Solvent−Red1、2、3、4、8、13、18、23、24、25、26、27、30、32、43、44、45、49、51、52、60、72、73、79、89、91、92、109、111、122、124、127、132、135、146、168、179、195、197、218、242、Solvent−Blue2、4、5、6、8、11、13、23、24、35、36、38、44、45、59、70、74、78、104、122、124、Solvent−Yellow2、5、6、7、14、15、16、18、19、21、29、33、44、51、56、62、72、79、82、83、83:1、93、98、114、116、133、145、163、167、176、Solvent−Black3、5、7、27、29、34、45、Solvent−Green1、3、5、7、28、Solvent−Orange2、60、63、41、45、54、60、62、63、86、Solvent−Violet3、8、9、11、13、31、37、49、56、59、Solvent−Brown1、41、43、53などが挙げられる。
分散染料としては、Disperse−Red1、4、11、13、50、54、58、60、72、73、74、82、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、146、152、153、154、159、164、167、167:1、177、179、181、191、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356、362、364、Disperse−Blue3、7、14、35、56、60、72、73、77、79、87、106、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、284、287、291、301、354、358、359、365、366、367、368、Disperse−Yellow3、5、23、42、54、64、79、82、83、93、99、100、114、119、121、122、124、126、134、160、184、184:1、186、198、199、204、224、237、211、241、Disperse−Green6:1、9、Disperse−Orange1、3、11、25、29、30、31、31:1、33、44、49、54、66、73、118、119、163、Disperse−Violet1、26、33、35、63、77、93、96、Disperse−Brown1、19などが挙げられる。
建染染料としては、Vat−Red1、10、13、14、15、23、29、31、41、Vat−Blue1、4、6、20、43、Vat−Yellow1、2、4、10、12、27、29、33、Vat−Black16、25、27、29、Vat−Green1、3、8、9、Vat−Orange1、2、3、4、7、9、11、15、16、Vat−Violet1、9、Vat−Brown1、3、5、57などが挙げられる。
本発明における親水性色材とは、水不溶性色材に対し、種々の反応にて、アニオン性、カチオン性、ノニオン性の官能基を1個以上または1種以上置換することによって親水性を付与し、水系分散媒に溶解、もしくは易分散できるように調製されたもので、調製しても市販されているものを用いてもよい。
本発明における親水性色材は、水不溶性色材と同一または類似構造の色材を出発原料とすることが好ましい。類似の構造の例としては、銅フタロシアニンに対するフリーベースフタロシアニン、鉄フタロシアニン、亜鉛フタロシアニンなどの基本構造が同一のもの、キナクリドンに対するジメチルキナクリドンやジクロロキナクリドンなどの置換基だけの異なるもの、インダンスレンとベンズイミダゾロンジオキサジン、又はフタロシアニンとポルフィリンのように構造の似通ったもの、カーボンブラックとフタロシアニン、キナクリドンとジケトピロロピロール、又はイソインドリノンとベンズイミダゾロンなど複素環同士等が挙げられる。
本発明における親水性色材に導入されるアニオン性の官能基としては、スルホン酸基、硫酸エステル基、カルボキシル基、リン酸エステル基が挙げられる。カチオン性の官能基としてはアミノ基、ヒドラジン基、ピリジン基、イミダゾール基、ピロール基などが挙げられる。ノニオン性の官能基としては水酸基、チオール基、ポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基、スルホキシド基、スルホアミド基が挙げられる。
例えば、キナクリドン(C.I.Pigment−Violet19やC.I.Pigment−Red122)、インジゴ(C.I.Pigment−Blue66)、インダンスロン(C.I.Pigment−Blue60)に対してはスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などであり、ベンゾイミダゾール(Pigment−Yellow180)に対してはスルホン酸基、水酸基などの組み合わせを用いることができる。
本発明に係る自己分散型着色微粒子は、個数分布粒径において、粒径分布の累計10%粒径(D10)が5nm以上が好ましく、より好ましくは10〜30nmである。粒径分布の累計50%粒径(D50)が40nm以下が好ましく、より好ましくは15〜38nmである。また、粒子径分布の累計90%粒径(D90)が50nm以下であることが好ましく、より好ましくは20〜48nm以下が好ましく、更に好ましくは20〜47nm以下である。
本発明に係る自己分散型着色微粒子は、個数分布粒径において、累計90%粒径(D90)と累計50%粒径(D50)との比(D90/D50)が5以下であることが好ましく、より好ましくは4以下であり、更により好ましくは3以下である。
本発明に係る自己分散型着色微粒子の平均結晶子サイズは25nm以下であることが好ましい。平均結晶サイズが25nmを超える場合、十分な透明性を発揮できなくなる。より好ましくは24nm以下であり、さらに好ましくは23nm以下である。
次に、本発明に係る水系分散体について述べる。
本発明に係る水系分散体は、前記自己分散型着色微粒子を水系分散媒に投入する、もしくは水系分散媒に投入し導入された親水基の電荷を中和することで、水系分散媒に界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を用いなくても、水系分散媒に容易に自己分散できる水系分散体である。
本発明に係る水系分散体は、水系分散媒として水と、必要に応じて水溶性有機溶剤を用いることができる。水系分散体中の水100重量部に対する水溶性有機溶剤の割合は、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは1〜30重量部である。
水溶性有機溶剤としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、などの多価アルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリルエーテル、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクロン、などの含窒素複素環化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、尿素などのアミド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、などのアミン類、チオジエタノール、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物が用いられ、単独で用いても、混合して用いてもよい。
本発明に係る水系分散体は、導入された親水基の電荷を中和するために、pH調整剤を添加することができる。親水性色材としてアニオン性基のあるものを導入している場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、または、アンモニア、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエチルアミン、モルホリン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類が用いられ、単独で用いても、混合してもよい。親水性色材としてカチオン性基のあるものを導入している場合には、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの無機塩、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、フタル酸、フマル酸、アスコルビン酸などの有機酸類が用いられる。
本発明に係る水系分散体は、分散粒径において、個数換算分布の累積10%粒径(P10)が5nm以上が好ましく、より好ましくは10〜30nmである。また、個数換算分布の累積50%粒径(P50)が40nm以下が好ましく、より好ましくは15〜38nmである。また、個数換算分布の累積90%粒径(P90)は50nm以下が好ましく、より好ましくは20〜48nmである。
本発明に係る水系分散体は、前記粒径分布の累積90%粒径(P90)と累積50%粒径(P50)との比(P90/P50)が5以下であることが好ましい。前記比が5を超える場合、散乱光が発生し、透明性が低下する場合がある。より好ましくは3以下であり、更により好ましくは2以下である。
本発明に係る水系分散体の粘度は、10.0mPa・s以下が好ましい。粘度が10.0mPa・sを越える場合には、これを用いて調製したインクの粘度が大きくなり好ましくない。より好ましくは8.0mPa・s以下である。下限値は1.0mPa・s程度である。
本発明に係る水系分散体中の自己分散型着色微粒子の含有量は1〜40%が好ましい。1%未満の場合には、色材濃度が希薄であるため、各種用途におけるインクとして用いることが困難である。40%を超える場合には、十分に分散させることが困難となる。より好ましくは2〜30%である。
本発明に係る水系分散体の表面張力は、55mN/m以上であることが好ましく、より好ましくは60mN/m以上である。
次に、本発明に係る自己分散型着色微粒子および水系分散体の製造法について述べる。
数十ナノレベルの粒径を持つ水不溶性色材を得る方法として、通常、ダウンサイジング法とビルドアップ法がある。これらの中で従来用いられてきたのは、ビーズミル、ロールミルなどの粉砕分散機を用いた機械的な力で粒子を微細化していくダウンサイジング法であった。このダウンサイジング法においては前述したように、用いた原料の一次粒子を機械的な力で粉砕して行うと、比表面積の増大と色材表面の局部的な結晶構造の変化による過分散と呼ばれる分散不安定な色材となってしまう。そこで、粉砕を行わず溶解状態などから粒子を形成していくビルドアップ法が検討されてきた。
本発明では水不溶性色材と親水性色材を非プロトン性極性有機溶剤に溶解し、水中へ投入することで水系分散媒に界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤を介することなく自己分散する数十ナノレベルの粒径を持つ自己分散型着色微粒子および水系分散体を調製できる。
本発明における自己分散型着色微粒子および水系分散体は、親水性色材調製、溶解再沈工程、濃縮透析工程、再分散工程および後処理工程の各工程を順に経て得ることができる。
親水性色材調製は親水性色材を調製する工程である。親水基を導入する方法は常法に従って行えばよいが、簡便な方法として例示すれば、アニオン性基ではスルホン化、カルボキシル化、カチオン性基ではアミノ化が挙げられる。
たとえば、スルホン化の方法としては、各種色材を硫酸などの強酸に溶解し、発煙硫酸などのスルホン化剤を接触させることで、ベンゼン環部分に容易にスルホン酸基を置換できる。カルボキシル化の方法としては、各種色材をn−ブチルリチウムと反応させ、その後に二酸化炭素と反応させることで、ベンゼン環部分に容易にカルボキシル基を置換できる。アミノ化の方法としては、各種色材を硫酸などの強酸に溶解し、硝酸などのニトロ化剤を接触させることでニトロ化し、これを水素還元することで容易にアミノ化できる。また、水不溶性色材に窒素原子などが含まれている場合、この窒素からフタル酸などのカルボキシル基やエチレンジアミンなどのアミノ基を伸長することができる。さらに上記の官能基をもとに、硫酸エステル基、リン酸エステル基、ヒドラジン基、ピリジン基、イミダゾール基、ピロール基、ポリエチレングリコール基などを置換することができる。
なお、スルホン化フタロシアニン、スルホン化インジゴ(インジゴカルミン)などのように市販の親水性色材を用いる場合は改めて調製する必要はない。
溶解再沈工程は、水不溶性色材と親水性色材とを非プロトン性極性溶剤に溶解し、水系分散媒に投入することで自己分散型着色微粒子のクルードを得る工程である。
非プロトン性極性有機溶剤としては、水不溶性色材と水不溶性色材に親水基を導入した色材を同時に溶解するもので、本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用可能である。具体的には、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ―ブチルラクトンなどが好ましい溶剤として挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリルが好ましい。また、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
非プロトン性極性有機溶剤の使用割合は特に限定されるものではないが、水不溶性色材のより良好な溶解状態と、所望とする自己分散型着色微粒子の形成の容易性の観点から、前記水不溶性色材と水不溶性色材に親水基を導入した色材の両者または少なくとも一方の1重量部に対して、5〜1000重量部の間で用いるのが好ましい。
なお、上記非プロトン性極性有機溶剤に溶解してなる溶液を調製する際は、常温もしくは常圧最高沸点近い加熱下で、前記色材水不溶性色材と水不溶性色材に親水基を導入した色材の両者または少なくとも一方を溶解することが好ましい。
また、水不溶性色材と水不溶性色材に親水基を導入した色材の両者若しくは、少なくとも一方を非プロトン性極性有機溶媒に溶解してなる溶液を水系分散媒と接触させることにより自己分散型着色微粒子を析出することが可能になる。この際に使用する水系分散媒の割合は、所望とする自己分散型着色微粒子形成の容易性の観点から、水不溶性色材と水不溶性色材に親水基を導入した色材の両者若しくは、少なくとも一つを非プロトン性極性有機溶媒に溶解してなる溶液1重量部に対して、1〜1000重量部が好ましい。
また、前記水不溶性色材と水不溶性色材に親水基を導入した色材の両者若しくは、少なくとも一つを非プロトン性極性有機溶媒に溶解してなる溶液を、水性媒体と接触させる際には、非プロトン性極性有機溶媒の凝固点以上、且つ水性媒体の常圧最高沸点以下に調節することが好ましい。
さらに、所望とする微細な着色微粒子のサイズの均一性を保つには、水系分散媒との接触を可能な限り速やかに行うのが好ましく、超音波振動子や循環型の攪拌装置など、従来公知の攪拌、混合、分散に使用される装置を何れも使用することができる。また、水系分散媒中に接触させる方法としては、従来公知の液体注入法を何れも利用できるが、シリンジやニードルなどのなるべく細いノズルから噴射して水性媒体中で接触させることが好ましい。
濃縮透析工程は、得られた自己分散型着色微粒子のクルードを濃縮、透析することで、色材濃度を調整し、系内に含まれる非プロトン性極性有機溶剤、塩類や不純物を除去する工程である。
濃縮透析工程に用いる装置は特に限定されるものではないが、限外濾過、セラミックフィルター、クロスフロー濾過などの濾過、逆浸透膜などの膜分離などが好ましい。
再分散工程は、前工程で濃縮、透析されたペーストに水系分散媒、塩基性物質、あるいは酸性物質を加えて分散操作を行なうことにより、分散剤などを添加することなく水系分散媒中に分散(自己分散)させ、自己分散型着色微粒子を含む水系分散体を得る工程である。このとき、分散の効果を増すために、攪拌翼よる攪拌、ホモジナイザー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザーによる簡単な分散を行うこともできる。
後処理工程は、得られた自己分散型着色微粒子を含む水系分散体に含まれる粗大な粒子や不純物を、限外濾過、セラミックフィルター、クロスフロー濾過膜、逆浸透膜などを用いた濾過もしくは膜分離、または遠心分離などを行うことで取り除き、さらにイオン交換水添加による希釈もしくは限外濾過、セラミックフィルター、クロスフロー濾過膜、逆浸透膜、減圧蒸留器などを用いた濃縮を行い、自己分散型着色微粒子の純度、濃度を調節する工程である。
なお、本発明に係る水系分散体は、分散剤を用いなくても優れた分散性を有するものであるが、分散剤を用いてより高い分散性とすることもできる。
本発明においては、自己分散型着色微粒子として取り出す必要がある際には、後処理工程を経た水系分散体を常法により濾別、乾燥すればよい。
本発明においては、自己分散型着色微粒子を含む水系分散体が必要な場合は、後処理工程を経た分散体をそのまま用いればよい。
次に、本発明に係るインクジェット記録用インクについて述べる。
本発明に係るインクジェット記録用インクは、本発明に係る自己分散型着色微粒子を水系溶媒に分散させる、または本発明に係る水系分散体を希釈することでインクジェット記録用インク100重量部中に自己分散型着色微粒子を1〜40重量部、好ましくは2.5〜20重量部含有する。
本発明に係るインクジェット記録用インクは、本発明に係る自己分散型着色微粒子および水系分散体および水からなり、必要に応じて、界面活性剤、水溶性有機化合物、pH調整剤、防腐剤などの添加剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤もしくはノニオン系界面活性剤を用いることができる。アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ製のサーフィノール104、420、440、465、485など)などが挙げられ、一種または二種以上を混合して用いることができる。
水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、などの多価アルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクロン、などの含窒素複素環化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、尿素などのアミド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、などのアミン類、チオジエタノール、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セルビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、セルロース、デキストリン、シクロデキストリンなどの糖類、が用いられ、単独で用いても、混合して用いてもよい。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、または、アンモニア、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエチルアミン、モルホリン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類あるいは、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの無機塩類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、フタル酸、フマル酸、アスコルビン酸などの有機酸類が用いられ、単独で用いても、混合して用いてもよい。
防腐剤としては、必要に応じ、アルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ブロモニトロアルコール、オキサゾリジン、クロルキシレノールなどが用いられ、単独で用いても、混合して用いてもよい。
本発明におけるインクジェット記録用インクの分散粒径は、個数換算分布の累積10%粒径(P10)が5nm以上が好ましく、より好ましくは10〜30nmである。また、個数換算分布の累積50%粒径(P50)が40nm以下が好ましく、より好ましくは15〜38nmである。また、個数換算分布の累積90%粒径(P90)が50nm以下が好ましい。50nmを超える場合には、散乱光が発生し、透明性が発揮できなくなる。より好ましくは20〜48nmである。
本発明におけるインクジェット記録用インクの分散粒径において、前記個数換算分布の累積90%粒径(P90)と累積50%粒径(P50)との比(P90/P50)が5以下であることが好ましい。粒径比が5を超える場合には、散乱光が発生し、透明性が低下する場合がある。より好ましくは3以下であり、更により好ましくは2以下である。
本発明におけるインクジェット記録用インクの粘度は、10.0mPa・s以下が好ましい。粘度が10.0mPa・sを越える場合には、鮮明な色相を呈する印刷画像が得られない。より好ましくは5.0mPa・s以下であり、下限値は1.5mPa・s程度である。
本発明におけるインクジェット記録用インクの分散安定性は、1週間後の分散粒径の変化率において7%以下が好ましく、より好ましくは6%以下、更により好ましくは5%以下である。また、1週間後粘度の変化率において10%以下が好ましく、より好ましくは8%以下、更により好ましくは6%以下である。
次に、本発明に係る自己分散型着色微粒子または水系分散体を用いたインクジェット記録用インクの製造法について述べる。
本発明に係るインクジェット記録用インクは、所定量の本発明に係る自己分散型着色微粒子または水系分散体と、イオン交換水、必要により、界面活性剤、水溶性有機化合物、pH調整剤、防腐剤などの添加剤を混合して調製し、次いでメンブランフィルターを用いて濾過もしくは遠心分離もしくはその両方の処理をすることによって得られる。
次に、本発明に係るカラーフィルター用インクについて述べる。
本発明に係るカラーフィルター用インクは、本発明に係る自己分散型着色微粒子または水系分散体を希釈することでカラーフィルター用インク100重量部中に自己分散型着色微粒子を1〜40重量部、好ましくは2.5〜20重量部含有する。
本発明に係るカラーフィルター用インクは、本発明による自己分散型着色微粒子または水系分散体および水からなり、必要に応じて、樹脂水溶液、樹脂エマルジョン、インクジェット記録用インクで記載したものと同様の界面活性剤、水溶性有機化合物、pH調整剤、防腐剤などの添加剤を含有してもよい。
上記樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、アクリルポリマー、ポリエステル、ウレタン、フッ素樹脂、メラミン樹脂などを挙げることができる。
次に、本発明に係るカラーフィルター用インクの製造法について述べる。
本発明に係るカラーフィルター用インクは、所定量の本発明に係る自己分散型着色微粒子もしくは水系分散体と、イオン交換水、必要により、樹脂水溶液、樹脂エマルジョン、界面活性剤、水溶性有機化合物、pH調整剤、防腐剤などの添加剤などを混合して調製し、次いでメンブランフィルターを用いて濾過もしくは遠心分離もしくはその両方の処理をすることによって得られる。
<作用>
本発明に係る自己分散型着色微粒子は、水不溶性色材と親水性色材の複合色材による着色微粒子である。この複合色材状態が親水度、疎水度をコントロールし、界面活性剤や分散剤を介さずとも自己分散できる性能を発揮している。さらに印刷特性においては、着色成分が微粒子であるため、水不溶性色材としての耐光性、耐水性を保ったまま、水不溶性色材特有の光反射や光散乱がなく、染料に近い透明性、発色性を発揮している。
本発明に係る水系分散体は、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子からなるので、高度の分散安定性を発揮するとともに、水不溶性色材としての耐光性、耐水性を保ったまま、水不溶性色材特有の光反射や光散乱がなく、染料に近い透明性、発色性を発揮している。
本発明に係るインクジェット記録用インクは、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子、あるいは水系分散体からなるので、高度の分散安定性、およびインクジェットシステムにおける高インク吐出安定性を発揮するとともに、水不溶性色材としての耐光性、耐水性を保ったまま、水不溶性色材特有の光反射や光散乱がなく、染料に近い透明性、発色性を発揮している。
本発明に係るカラーフィルター用インクは、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子、あるいは水系分散体からなるので、高度の分散安定性を発揮するとともに、水不溶性色材としての耐光性、耐水性を保ったまま、水不溶性色材特有の光反射や光散乱がなく、染料に近い透明性、発色性を発揮している。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。尚、文中「部」および「%」とあるのは重量による基準とする。本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
赤外吸収スペクトルは、島津フーリエ変換赤外分光光度計FTIR−8700により、KBr法にて、測定された。
平均粒径は日本分光製透過型電子顕微鏡JEM1200EX02(TEM)によって撮影された粒子の透過像を基にして、ソフトイメージングシステム製の画像解析ソフト、アナリシスプロによって算出された個数換算分布の累計10%値(D10)、50%値(D50)、90%値(D90)によって表示された。
平均結晶子サイズは、理学電機製X線回折装置RINT2500によって計測されたX線回折スペクトルを基に、Sherrer法によって見積もられた。
水系分散体の分散粒径は大塚電子製濃厚系粒度分布計FPAR−1000により測定され、個数換算分布の累計10%値(P10)、50%値(P50)、90%値(P90)で表示された。
粘度は、東機産業製E型粘度計TV−30により測定された。
表面張力は、日本油試験機工業製デュ・ニュイ表面張力計によって測定された。
可視吸収スペクトルは、島津自記分光光度計UV−2100により測定された。さらに、分散体およびインクの濃度は、可視吸収スペクトルの極大波長における吸光係数を測定し、各水不溶性色材の吸光係数との比較により、算出された。
(親水性色材1の調製)
滴下ロート、コンデンサー、温度計を取り付けた三ッ口フラスコに98%硫酸60重量部に溶解したC.I.Pigment−Red122、5重量部を投入し、滴下ロートから25%発煙硫酸40部を10分かけて添加した。この溶液をオイルバスにて80℃に昇温し、5時間攪拌し、氷水に投入して沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し、イオン交換水およびメタノールにて洗浄、乾燥して、親水性色材1(C.I.Pigment−Red122のスルホン酸基付加化合物)5重量部を得た。
(親水性色材2の調製)
滴下ロート、コンデンサー、温度計を取り付けた三ッ口フラスコにC.I.Pigment−Red122、5重量部、ドライジメチルホルムアミド100重量部を入れ、懸濁した。系内をアルゴン置換した後、滴下ロートから水素化ナトリウム2重量部(60%ミネラルオイルディスパーションとして)を滴下、攪拌し、懸濁液が溶液となるのを確認した。次にジメチルホルムアミドに溶解した無水フタル酸4.5重量部を滴下し、80℃で3時間攪拌した。この後、室温まで放冷し、エバポレーターにて濃縮し、水、酢酸エチルにて抽出、洗浄した。さらにフラッシュカラムクロマトグラフィ(15x300mm;WakogelC300;エフルエント=ジエチルエーテル:ヘキサン=2−3:8)にて精製し、乾燥して、親水性色材2(C.I.Pigment−Red122のカルボキシル基付加化合物)5重量部を得た。
(親水性色材3の調製)
滴下ロート、コンデンサー、温度計を取り付けた三ッ口フラスコにC.I.Pigment−Red122、5重量部、ドライジメチルホルムアミド100重量部を入れ、懸濁した。系内をアルゴン置換した後、滴下ロートから水素化ナトリウム2重量部(60%ミネラルオイルディスパーションとして)を滴下、攪拌し、懸濁液が溶液となるのを確認した。次に1,2−ジブロモエタン、5.7重量部を添加し、80℃で3時間攪拌した。そして、エチレンジアミン3重量部を滴下し、さらに80℃にて15時間攪拌した。この後、室温まで放冷し、エバポレーターにて濃縮し、水、酢酸エチルにて抽出、洗浄した。さらにフラッシュカラムクロマトグラフィ(15x300mm;WakogelC300;エフルエント=ジエチルエーテル:ヘキサン=2−3:8)にて精製し、乾燥して、親水性色材3(C.I.Pigment−Red122のアミノ基付加化合物)5重量部を得た。
(親水性色材4)
市販のインジゴカルミン(C.I.Pigment−Blue66のスルホン酸基付加化合物)を親水性色材4として使用した。
(親水性色材5の調製)
C.I.Pigment−Red122をC.I.Pigment−Yellow180に変更した以外は親水性色材1の調製と同様にして、親水性色材5(C.I.Pigment−Yellow180のスルホン酸基付加化合物)5重量部を得た。
[実施例1] (C.I.Pigment−Violet19の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
<溶解再沈工程> イオン交換水4500重量部を攪拌翼のついたベッセルに入れ、8000rpmにて攪拌した。次に、親水性色材1、1重量部とC.I.Pigment−Violet19、1重量部をN−メチルピロリドン500重量部に溶解し、この溶解液を0.2mmのニードル口から攪拌中のイオン交換水に速やかに投入し、透明性の高いマゼンタ液を得た。
<濃縮透析工程> このマゼンタ液を分画分子量20,000の限外濾過膜を用いて濃縮した。さらに、連続してイオン交換水による透析を行い、系内に含まれるN−メチルピロリドン、不純物、水中に溶解してしまった親水性色材を除去し、着色ペーストを得た。
<再分散工程> この着色ペーストに1mol/kgの水酸化ナトリウム水溶液とイオン交換水を加えて攪拌して分散し、pH8.5の水系分散体を得た。この水系分散体に含まれる着色微粒子は分散剤を加えなくても分散するので自己分散型であることは明白である。
<後処理工程> この水系分散体を遠心分離(5000rpm)にかけ、さらに0.8mmのミリポアフィルターで濾過して、水系分散体中に含まれる粗大粒子を取り除き、イオン交換水を加えて、色材濃度10%に調整して、本発明における自己分散型着色微粒子の水系分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2500cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材1由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が18nm、累積50%粒径(D50)が33nm、累積90%粒径(D90)が35nmであった。
この自己分散型着色微粒子のX線回折スペクトルを測定し、平均結晶子サイズを見積もったところ、18nmであった。また、結晶形態はβ型を示し、比較例1、2あるいは特許文献5で示されるようなC.I.Pigment−Violet19単独による<溶解再沈工程>によって得られたγ型の結晶形態のそれとは明らかに異なっていた。これは、親水性色材1が粒子(結晶)内に組み込まれることによって、C.I.Pigment−Violet19の結晶形成が変化していることを示している。この結果から親水性色材は結晶表面だけに影響を与えているのではなく、結晶内部の分子配列形成に大きく寄与していることが明らかとなった。
該水系分散体の分散粒径は個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が25nm、累積50%粒径(P50)が35nm、累計90%粒径(P90)が42nmであった。粘度は5mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は515nmであり、マゼンタ色を示していた。
また、この自己分散型着色微粒子の組成を分析するために、下記分析を行った。
自己分散型着色微粒子0.10重量部を採取し、N−メチルピロリドン5重量部に溶解させた。この溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(15x300mm;WakogelC300;エフルエント=酢酸エチル:ヘキサン=8:2)にかけて色材を分離したところ、水不溶性色材であるC.I.Pigment−Violet19が0.08重量部、親水性色材1が0.02重量部であった。このことから、親水性色材は水不溶性色材に対して25重量%であった。
[実施例2] (C.I.Pigment−Red122の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Red122に変更した以外は実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子および自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材1由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が20nm、累積50%粒径(D50)は31nm、累積90%粒径(D90)が38nmであった。X線回折スペクトル測定から、平均結晶子サイズは12nmであった。
該水系分散体の分散粒径は個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が22nm、累積50%粒径(P50)が36nm、累計90%粒径(P90)が45nmであった。粘度は5mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。また、可視吸収スペクトルの極大波長は515nmであり、マゼンタ色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして組成分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して18重量%であった。
[実施例3] (C.I.Pigment−Red122の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Red122に、親水性色材1を親水性色材2に変更した以外は実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3000〜2500cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、カルボキシル基と同定された。このカルボキシル基は親水性色材1由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が21nm、累積50%粒径(D50)は30nm、累積90%粒径(D90)が40nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは15nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が22nm、累積50%粒径(P50)が31nm、累計90%粒径(P90)が41nmであった。粘度は5mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。また、可視吸収スペクトルの極大波長は514nmであり、マゼンタ色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して25重量%であった。
[実施例4] (C.I.Pigment−Red122の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Red122に、親水性色材1を親水性色材3に変更し、再分散工程で添加する1mol/kgの水酸化ナトリウム水溶液を1mol/kgリン酸水溶液にして最終的なpHを5.5の酸性になるように調整した以外は実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3360、3280cm−1に2本の吸収および、1600cm−1に1本の大きな吸収が観測され、アミノ基と同定された。このアミノ基は親水性色材3由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が18nm、累積50%粒径(D50)は32nm、累積90%粒径(D90)が42nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは15nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が20nm、累積50%粒径(P50)が33nm、累計90%粒径(P90)が45nmであった。粘度は5mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。また、可視吸収スペクトルの極大波長は514nmであり、マゼンタ色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して25重量%であった。
[実施例5] (C.I.Pigment−Blue66の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
親水性色材1を親水性色材4に、C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Blue66に変更した以外は、実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材4由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が20nm、累積50%粒径(D50)が35nm、累積90%粒径(D90)が39nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは6nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が20nm、累積50%粒径(P50)が36nm、累計90%粒径(P90)が40nmであった。粘度は6mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は618nmであり、紺色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して25重量%であった。
[実施例6] (C.I.Pigment−Blue60の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
親水性色材1を親水性色材4に、C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Blue60に変更した以外は、実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材4由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が15nm、累積50%粒径(D50)が29nm、累積90%粒径(D90)が35nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは15nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が20nm、累積50%粒径(P50)が35nm、累計90%粒径(P90)が41nmであった。粘度は5mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は620nmであり、紺色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して33重量%であった。
[実施例7] (C.I.Pigment−Red181の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
親水性色材1を親水性色材4に、C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Red181に変更した以外は、実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材4由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が18nm、累積50%粒径(D50)が30nm、累積90%粒径(D90)が38nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは14nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が19nm、累積50%粒径(P50)が32nm、累計90%粒径(P90)が38nmであった。粘度は3mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は542nmであり、赤色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して22重量%であった。
[実施例8] (C.I.Pigment−Yellow180の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
親水性色材1、1部を親水性色材5、0.5重量部に、C.I.Pigment−Violet19、1部をC.I.Pigment−Yellow180、1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。また、得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材5由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が19nm、累積50%粒径(D50)が31nm、累積90%粒径(D90)が38nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは18nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が22nm、累積50%粒径(P50)が34nm、累計90%粒径(P90)が38nmであった。粘度は4mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は435nmであり、黄色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して20重量%であった。
[実施例9] (C.I.Pigment−Yellow74の自己分散型着色微粒子および水系分散体)
次に、親水性色材1、1部を親水性色材5、2部に、C.I.Pigment−Violet19、1部をC.I.Pigment−Yellow74、1部に変更した以外は実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材5由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が15nm、累積50%粒径(D50)が30nm、累積90%粒径(D90)が39nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは12nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が23nm、累積50%粒径(P50)が35nm、累計90%粒径(P90)が44nmであった。粘度は5mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は436nmであり、黄色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して21重量%であった。
[実施例10] (C.I.Pigment−Blue60の自己分散型着色微粒子の水系分散体)
次に、親水性色材1を親水性色材5に、C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Blue60に変更した以外は実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水系分散体を得た。得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材5由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が18nm、累積50%粒径(D50)が36nm、累積90%粒径(D90)が42nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは18nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が25nm、累積50%粒径(P50)が39nm、累計90%粒径(P90)が43nmであった。粘度は4mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は630nmであり、緑色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して20重量%であった。
[実施例11] (C.I.Pigemnt−Red176の自己分散型着色微粒子の水系分散体)
次に、親水性色材1を親水性色材5に、C.I.Pigment−Violet19をC.I.Pigment−Red176に変更した以外は、実施例1と同様にして自己分散型着色微粒子を10%含む水分散体を得た。得られた水系分散体から固形分を取り出して水洗、乾燥して自己分散型着色微粒子を得た。
この自己分散型着色微粒子の赤外吸収スペクトルを測定したところ、水不溶性色材由来のスペクトルの他に3500〜2300cm−1の範囲に幅広い小吸収帯群が観測され、スルホン酸基と同定された。このスルホン酸基は親水性色材5由来のものであり、この自己分散型着色微粒子は水不溶性色材と親水性色材の複合色材であることが明らかとなった。
粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が25nm、累積50%粒径(D50)が38nm、累積90%粒径(D90)が45nmであった。X線回折スペクトルから平均結晶子サイズは11nmであった。
また、該水系分散体の分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が28nm、累積50%粒径(P50)が40nm、累計90%粒径(P90)が44nmであった。粘度は7mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。可視吸収スペクトルの極大波長は560nmであり、赤色を示していた。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、親水性色材は水不溶性色材に対して20重量%であった。
[比較例1](親水性色材を含まず、水不溶性色材を溶解再沈して着色微粒子を調製した場合)
親水性色材1を含まず行なった以外は実施例1と同様にして<溶解再沈工程>を行なった。この工程では透明性の高いマゼンタ液を得た。そして、同様に<濃縮透析工程>を行い、<再分散工程>を行なったが、再分散することはなく、沈殿を生じた。
この沈殿に含まれる色材の粒径は、個数換算分布で累計10%粒径(D10)が20nm、累計50%粒径(D50)が33nm、累計90%粒径(D90)が36nmであった。平均結晶子サイズは23nmであった。また、結晶形態はγ型であった。
[比較例2](親水性色材を溶解した水中に水不溶性色材を溶解再沈して、着色微粒子を調製した場合)
親水性色材1、1重量部をイオン交換水2800重量部に溶解し、これを攪拌翼にて8000rpmで攪拌した。次に、C.I.Pigment−Violet19、1重量部をN−メチルピロリドン280重量部に溶解し、この溶解液を0.2mmのニードル口から攪拌中の親水性色材水溶液に速やかに投入し、透明性の高いマゼンタ液を得た。そして、実施例1と同様に<濃縮透析工程>を行い、<再分散工程>を行なったが、再分散することはなく、沈殿を生じた。
この沈殿に含まれる色材の粒径は、個数換算分布で累計10%粒径(D10)が19nm、累計50%粒径(D50)が31nm、累計90%粒径(D90)が35nmであった。平均結晶子サイズは26nmであった。また、結晶形態はγ型であった。
[比較例3](比較例2で得られた沈殿に界面活性剤を加えて分散し、調製した場合)
[比較例2]で得られた沈殿にポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、0.1重量部を加え、イオン交換水にて全量を10重量部に調整して、0.1mmジルコニアビーズを充填したビーズミルを用いて6時間分散し、若干のイオン交換水を加えて、色材を10%含む水系分散体を得た。
この水系分散体に含まれる色材の粒径は、個数換算分布で累計10%粒径(D10)が19nm、累計50%粒径(D50)が31nm、累計90%粒径(D90)が35nmであった。また、分散粒径は個数換算分布で累計10%粒径(P10)が112nm、累計50%粒径(P50)が144nm、累計90%粒径(P90)が219nmであった。粘度は12mPa・sであった。表面張力は42mN/mであった。さらに前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、平均結晶子サイズは26nmであった。親水性色材は検出されなかった。
[比較例4](親水性色材のみで溶解再沈工程を行った場合)
親水性色材1のみをN−メチルピロリドンに溶解して、<溶解再沈工程>を行ったが、色材はイオン交換水に溶解してしまい、微粒子は認められなかった。そこで、この液を濃縮し、10%染料溶解液を得た。粘度は4mPa・sであった。表面張力は62mN/mであった。
[比較例5](溶解再沈工程による複合着色微粒子化を行わず、分散を行った場合)
親水性色材1、1重量部とC.I.Pigment−Violet19、1重量部をイオン交換水10重量部中に混合し、1mol/kg水酸化ナトリウムを用いて、pH8.5に調整して、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、0.2重量部を加え、さらにイオン交換水にて全量を20重量部に調整して、0.1mmジルコニアビーズを充填したビーズミルを用いて6時間分散し、色材を10%含む水系分散体を得た。
この水系系分散体に含まれる色材の粒径は、個数換算分布で、累積10%粒径(D10)が83nm、累積50%粒径(D50)が105nm、累積90%粒径(D90)が135nmであった。また、分散粒径は、個数換算分布で、累計10%粒径(P10)が93nm、累積50%粒径(P50)が126nm、累計90%粒径(P90)が185nmであった。粘度は12mPa・sであった。表面張力は42mN/mであった。
更に、前記実施例1と同様にして分析を行なった結果、平均結晶子サイズは35nmであった。また、親水性色材は水不溶性色材に対して33重量%であった。
このときの製造条件を表1に、得られた自己分散型着色微粒子の特性を表2に、水系分散体の諸特性を表3に示す。
Figure 2008031194
Figure 2008031194
Figure 2008031194
表2、表3に示すとおり、本発明に係る自己分散型着色微粒子は、粒径、結晶子サイズが極めて小さく、また、水系分散体は、分散剤を介することなく極めて微細に分散されていることは明らかである。
[インクジェット記録用インク]
下記の配合割合で各原料を混合し、0.8μmのミリポアフィルターを通過させて、インクジェット記録用インクを調製し、下記の方法で評価を行った。
水系分散体 50部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 5部
サーフィノール465(エアープロダクツ社製) 1部
イオン交換水 34部
(1)分散粒径および粘度
分散粒径は、大塚電子製濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000により測定され、個数換算分布の累積10%粒径(P10)、累積50%粒径(P50)、および、累積90粒径(P90)で表示された。粘度は、東機産業製E型粘度計TV−30により測定された。
(2)保存安定性
保存安定性は、調製後3週間静置して、再度、前記と同様にして分散粒径を測定し、その変化がほとんどないものを◎、10%未満の変化が発生したもの○、10〜50%の変化が発生したもの△、50%を超える変化が発生したものを×で評価された。
(3)インク吐出性
インク吐出性は、本発明に係るインクジェット記録用インクをエプソン製インクジェットプリンターPX−V600に充填し、日本製紙製A4PPC用紙クリーンにベタ印刷を行い、50枚以上かすれなかったものを○、10枚以上50枚未満でかすれたものを△、10以下でかすれたものを×で評価された。
(4)普通紙発色性
普通紙発色性は、前述と同様に、日本製紙製A4PPC用紙クリーンにベタ印刷した印刷物の光学濃度(OD値)をX−Rite製反射型カラー分光測色計X−Rite939にて測定し、OD値が1.10以上のとき○、0.95以上1.10未満のとき△、0.95未満のとき×の評価とされた。
(5)光沢紙光沢性
光沢紙光沢性は、前述と同様に、エプソン製A4写真用紙<光沢>KA420PSKにベタ印刷したものと、何も印刷されていない写真用紙の部位との20°における光沢度差をスガ試験機製デジタル変角光度計UGV−5Dにて測定し、光沢度差が+5以上のものを○、光沢度差が0以上+5未満のものを△、光沢度差が0未満のものを×とされた。
(6)透明性
透明性は、前述と同様に、エプソン製専用OHPシートMJ0PS1Nにベタ印刷したときのヘイズ値を東洋精機製ヘイズメーターによって印刷部のヘイズ値が10未満であったものを○、10以上20未満であったものを△、20以上であったものを×とされた。
(7)耐光性
耐光性は、前述と同様に、エプソン製A4写真用紙<光沢>KA420PSKにベタ印刷したものを、岩崎電気製アイスーパー UVテスターSUV−W13にセットし、温度50℃、湿度60%で100mW/cmの強度で紫外線(限定波長295nm〜450nm)を照射して、この紫外線照射前と照射50時間後のOD値を測定し、光学濃度残存率(紫外線照射50時間後のOD値/紫外線照射前のOD値×100(%))を算出して、光学濃度残存率が70%以上のものを○、70%未満30%以上を△、30%未満を×とされた。
(8)耐水性
耐水性は、前述と同様に、日本製紙製A4PPC用紙クリーンにベタ印刷し、乾燥後水につけて、にじみのないものを○、にじむものを×とされた。
(9)定着性
定着性は、前述と同様に、エプソン製A4写真用紙<光沢>KA420PSKにベタ印刷して、乾燥後、セロハンテープによる剥離テストによって評価された。剥離の全くないもの○、剥離のあったものを×とされた。
このときの評価結果を表4に示す。
Figure 2008031194
表4に示すとおり、本発明に係るインクジェット記録用インクは、インク諸特性に優れていることは明らかである。
[カラーフィルター用インク]
本発明に係るカラーフィルター用インクは本発明に係るインクジェット記録用インクと同じ製法、配合で得られた。これらのインク諸特性が優れていることは表4により明らかではあるが、カラーフィルター用インクの性能評価のため、カラーフィルターの3原色となるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)について(実施例16、21、22で得られたインクジェット記録用インクをそのまま使用)、前述と同様にエプソン製専用OHPシートMJ0PS1Nにベタ印刷したものの発色性(目視で発色性良好なものを○、明らかに発色性不良なものを×とされた。)と、透明性(島津自記分光光度計UV−2100を用いて極大波長における透過率を測定し、透過率が50%以上のものを○、50%未満のものを×とされた。)が評価された。
このときの評価結果を表5に示す。
Figure 2008031194
表4、表5に示すとおり、本発明に係るカラーフィルター用インクは、インク諸特性および、発色性、透明性に優れることは明らかである。
本発明に係る自己分散型着色微粒子は、水不溶性色材と、その水不溶性色材と同一もしくは類似の構造を有する色材に親水基を導入した親水性色材との複合色材であり、必ずしも分散剤を用いなくても水系分散媒に分散する機能を有し、水系分散体調製時およびインク調製時における分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、インクジェット記録用またはカラーフィルター用のインク前駆体となる着色材として好適である。
また、本発明に係る水系分散体は、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子からなるので、それ自体およびインク調製時の分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、インクジェット記録用およびカラーフィルター用のインク前駆体となる色材分散体として好適である。
また、本発明に係るインクジェット記録用インクは、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子、あるいは水系分散体からなるので、分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、インクジェット記録用インクとして好適である。
また、本発明に係るカラーフィルター用インクは、前述したとおりの特性を有する自己分散型着色微粒子、あるいは水系分散体からなるので、分散安定性が極めて良好であり、発色性、透明性に優れ、定着性、耐水性、耐光性といった堅牢性を備えた画像を表現できるので、カラーフィルター用インクとして好適である。

Claims (10)

  1. 着色微粒子を構成する物質が、水不溶性色材と、その水不溶性色材と同一もしくは類似の構造を有する色材に親水基を導入した親水性色材との複合色材であることを特徴とする自己分散型着色微粒子。
  2. 親水性色材の親水基が、アニオン性基、カチオン性基、および、ノニオン性基から選ばれた1種または2種以上の官能基であることを特徴とする請求項1記載の自己分散型着色微粒子。
  3. 親水性色材が水不溶性色材に対して2重量%以上100重量%以下含まれることを特徴とする請求項1又は2記載の自己分散型着色微粒子。
  4. 平均粒径が50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子。
  5. 平均結晶子サイズが25nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子を水系分散媒に分散させたことを特徴とする水系分散体。
  7. 請求項6記載の水系分散体であって、該水系分散体の分散粒径において、個数換算分布の累積90%粒径(P90)が50nm以下であることを特徴とする水系分散体。
  8. 請求項6又は7記載の水系分散体であって、該水系分散体の分散粒径において、個数換算分布の累積90%粒径(P90)と個数換算分布の累積50%粒径(P50)との粒径比(P90/P50)が5以下であることを特徴とする水系分散体。
  9. 請求項1乃至5のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子または請求項6乃至8のいずれかに記載の水系分散体を用いたインクジェット記録用インク。
  10. 請求項1乃至5のいずれかに記載の自己分散型着色微粒子または請求項6乃至8のいずれかに記載の水系分散体を用いたカラーフィルター用インク。
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