JP2018028003A - インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用ヘッド及びインクジェット記録装置 Download PDF

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宏美 望月
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Kanako Araya
加菜子 荒谷
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Masato Kawakami
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Takahiro Tsutsui
喬紘 筒井
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Abstract

【課題】従来にない微小領域にシャープに制御された粒度分布を実現し、これによりカーボンブラックの沈降が格段に高いレベルで抑制され、しかも長期間保存安定性を実現できるインクジェット記録用インクの提供。【解決手段】顔料と水と水溶性有機溶剤とを含有するインクジェット記録用インクであって、前記顔料が親水性表面を有する表面改質カーボンブラックであり、且つ、前記顔料のインク中における表面改質カーボンブラックの粒径が、動的光散乱法を用いて測定した体積粒度分布において、小粒径からの累積が50%となる点(d50)で25〜40nmの範囲、小粒径からの累積が90%となる点(d90)で45〜70nmの範囲であり、前記インクの25℃における粘度が1.8〜5.0mPa・sの範囲であるインクジェット記録用インク、該インクを用いた記録方法、該インクを搭載した記録用ヘッド及び記録装置。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク、該インクを用いるインクジェット記録方法、インクジェット記録用ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。特に、サーマル方式のインクジェット記録に好適で、中でもライン型の記録ヘッドに適用した場合に有用な、カーボンブラックを色材としたインクジェット記録用インクの技術に関するものである。
インクを吐出口(ノズル)から吐出させて記録媒体上に記録を行うインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト記録方式で高密度、且つ、高速の記録が可能であるため、近年では、広くプリンター分野において採用されている。
インクジェット記録方式に使用するインクの色材としては、染料が広く使われているが、耐光性や耐水性などの画像の堅牢性を要求される分野における記録用インクの色材には、顔料が広く用いられている。
しかし、顔料は染料と異なり、インクを構成する水性媒体に溶解せず、インク中において分散した状態となっている。このように分散状態であるインクを使用した場合、経時的にインク中の分散質である顔料が凝集、沈降し、底部に濃インクが生成される。
そのため、長期にわたってインクタンクに顔料インクが収容されると、保存安定性が損なわれる。また、インクタンクの中で顔料濃度差を生じ、結果として記録濃度に差異を生じさせ、著しく画像品位が低下してしまうという問題があった。特に、黒色インクは、画像品位に与える影響が大きいが、黒色インクの色材としてはカーボンブラックが汎用されている。
こうした要求に対して、特許文献1には、顔料の沈降を抑制するために、自己分散型顔料と、4級アミノ酸と、当該4級アミノ酸より少量の1,6−ヘキサンジオールと、を含有するインクジェット記録用水性顔料インクが開示されている。また、特許文献2には、インク組成物に含まれる顔料の平均粒子径、粒子径分布幅、及びインク粘度から算出される値が一定の範囲内であり、且つ、前記インク組成物に含まれる粗大粒子の個数が一定の値以下であるブラックインクが開示されている。
また、特許文献3には、改質カーボンブラックを有するインクジェットインクが開示されている。この改質カーボンブラックは、酸化処理により、原末の表面にさらにラクトン基やカルボキシル基が導入されたものである。より具体的には、カルボキシル基に対するラクトン基のモル比が0.8〜1.1であって、該改質カーボンブラックの質量当たりのラクトン基のモル数が500μmol/g以上である。
一方、近年のインクジェット記録方法の進展は著しく、これに伴い記録装置も多様化している。例えば、大面積の記録媒体に記録する目的等で、記録ヘッドを走査せずに位置を固定して、複数のノズル流路によってノズル列が形成されたライン型ヘッドによる記録が行われている。
ライン型ヘッドによる記録では、従来、記録ヘッドを走査しながら頻繁に行われていたノズルの目詰りを回復させる回復動作を同様に行うことができなくなるとの課題がある。更に、ノズル列の一部に目詰りが生じた場合の画像品質に与える影響が、従来の記録方法による場合よりも大きくなるなどの課題がある。
また、記録ヘッドにおけるインクの目詰りの問題は、サーマル方式でインクを吐出させる場合の方が生じやすいといった傾向もある。
このため、サーマル方式で、ライン型ヘッドのノズル列よりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法では、ノズルの目詰りの問題は、より重要となっている。
上記の事情から、ライン型ヘッドで記録する場合に用いられるインクに求められる要求性能も異なってきている。特に、分散した顔料の凝集、沈降が問題となる顔料インクにおいては、従来の記録ヘッド用インクに求められていた顔料に対する分散性よりも、より高いレベルの分散性、より高いレベルの分散安定性が求められている。
具体的には、インク中における顔料に対して、従来よりも格段に高い沈降抑制性能及び長期間保存安定性を実現できる技術が求められている。
特開2012−219261号公報 特開2011−178927号公報 特開2004−346090号公報 特開2013−014111号公報
E. P. Barrett, L. G. Joyner and P. P. Halenda, J. Am. Chem. Soc., 73, 373 (1951).
しかしながら本発明者らの検討によれば、特許文献1及び特許文献2に記載された方法では、顔料の沈降抑制に一定の効果は得られるものの、本発明が目標とする格段に高いレベルの沈降抑制には至らない。
また、特許文献3に記載された方法では、カーボンブラックの表面を改質することで、沈降率が低くて目詰まりし難く、粘度やカーボンブラックの粒径が増大せず、長期間安定して保存できるとしている。しかし、本発明者らの検討によれば、本発明が目標とする格段に高いレベルの沈降抑制には至らず、やはり沈降抑制性として不十分なレベルである。
したがって、本発明の目的は、沈降抑制性能と長期間保存安定性とが両立できる顔料を用いたインクジェット記録用インクの提供にある。
本発明者らは、本発明が技術課題としている、顔料の沈降抑制性とインクの長期保存安定性の両立という技術課題を解決するためには、顔料が微小粒子であることと、顔料表面が親水化されていることが重要であることを見出した。そして、鋭意検討の結果、顔料インクを構成するカーボンブラックが、特定の粒度分布を満足する程度に小粒径であることと、この小粒径のカーボンブラックの表面に親水性基が導入され自己分散型顔料とすること、更に、インクの25℃における粘度を特定の範囲内とすることにより、本発明の目的を達成することができることを見出して、本発明に至った。
すなわち、上記目的は、以下の本発明によって達成される。
(I)
本発明の第一の態様は、顔料と水と水溶性有機溶剤とを含有するインクジェット記録用インクであって、
前記顔料が親水性表面を有する表面改質カーボンブラックであり、且つ、
前記顔料のインク中における表面改質カーボンブラックの粒径が、動的光散乱法を用いて測定した体積粒度分布に基づき、小粒径からの累積が50%となる点(d50)で25〜40nmの範囲、小粒径からの累積が90%となる点(d90)で45〜70nmの範囲であり、
前記インクの25℃における粘度が1.8〜5.0mPa・sの範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インクである。
(II)
本発明の第二の態様は、
ノズル列よりインクを飛翔させて記録媒体に記録を行う工程を含み、
前記記録媒体が5〜20nmの範囲に細孔半径を有し、
前記インクが本発明の第一の態様のインクジェット記録用インクである、ことを特徴とするインクジェット記録方法である。
(III)
本発明の第三の態様は、
本発明の第一の態様のインクを収容したノズル列と、
前記ノズル列より、前記インクをサーマル方式により吐出することを可能にするヒーターと、を備え
前記ノズル列を構成している各ノズルの開口面積が100〜350μm2であり、
前記ノズル列当たりの解像度が600dpi以上であり、
前記ノズル列の長さが5.08cm(2インチ)以上であることを特徴とする、インクジェット記録用ヘッドである。
(IV)
本発明の第四の態様は、
本発明の第一の態様のインク収容部と、
本発明の第三の態様の記録ヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、カーボンブラックを色材として分散させた顔料インクでありながら、染料を色材とした染料インクと同じレベルの良好な操作性で、インクジェット記録装置に適用できる。すなわち本発明では、沈降抑制性能と長期保存安定性の両立を実現した有用なインク組成物が提供される。
より具体的には、表面改質カーボンブラックにおいて、微小領域にシャープに制御された従来にない粒度分布を実現することで、カーボンブラックの沈降が格段に高いレベルで抑制され、長期間保存安定性も実現できる。例えば、ライン型ヘッドのノズル列よりサーマル方式でインクを吐出・記録を行うインクジェット記録方法への応用でも、カーボンブラックの沈降が高いレベルで抑制され、インクタンク内等で長期間保存安定性を実現できる。
(a)は本発明の記録ヘッドを模式的に示す正面図である。(b)は(a)に示す記録ヘッドのIIB−IIB断面図である。(c)は(a)に示す記録ヘッドのIIC−IIC断面図である。 (a)は記録ヘッドのノズルの内部構造を模式的に示す上面図である。(b)は(a)に示すノズルの内部構造を模式的に示す側面図である。(c)は(a)に示すノズルのインク吐出口を模式的に示す正面図である。 インクタンクの拡大断面図である。 記録ヘッドの拡大断面図である。 (a)は図4に示すインク保持部材の拡大斜視図である。(b)は(a)に示すインク保持部材のVb−Vb断面図である。 インクジェット記録装置の全体構成を模式的に示す概略構成図である。 図6に示す記録装置の制御系のブロック構成図である。 記録ヘッドの回復シーケンスの工程を示すフローチャートの一例である。
以下、本発明の好ましい形態を挙げて本発明について詳細に説明する。但し、本発明は、下記の実施形態に限定されず、その発明特定事項を有する全ての対象を含むものである。
[1]インクジェット記録用インク(本発明の第一の態様)
本発明のインクジェット記録用インク(以下、単にインク或いは顔料インクとも呼ぶこともある)は、顔料と水と水溶性有機溶剤とを含有し、
前記顔料が親水性表面を有する表面改質カーボンブラックであり、且つ、
前記顔料のインク中における表面改質カーボンブラックの粒径が、動的光散乱法を用いて測定した体積粒度分布に基づき、小粒径からの累積が50%となる点(d50)で25〜40nmの範囲、小粒径からの累積が90%となる点(d90)で45〜70nmの範囲であり、
前記インクの25℃における粘度が1.8〜5.0mPa・sの範囲であることを特徴とする。
更に、本発明のインクジェット記録用インクは、必要に応じて、界面活性剤、その他の添加剤を含有するものであってもよい。
[1−1]顔料の体積粒度分布
本態様で規定するd50とは、動的光散乱法により得られる顔料(カーボンブラック)の体積粒度分布において、小さい粒子からその体積を積算した場合に、累積体積%が50体積%となるときの粒径を意味する。また、本態様で規定するd90とは、動的光散乱法により得られる体積粒度分布において、小さい粒子からその体積を積算した場合に、累積体積%が90体積%となるときの粒径を意味する。
粒度分布の累積体積%を測定するための具体的な測定機については、ナノトラックUPA 150EX(日機装製)等が挙げることができるが、限定されるものではない。
本態様においては、d50を25〜40nmの範囲、d90を45〜70nmの範囲と規定している。すなわち、従来、凝集し易く、均一分散が難しく、保存安定性に劣ることからインクの色材として殆ど用いられることがなかった粒径の小さいカーボンブラックを対象としている。後記するように、このような小さい粒径のカーボンブラックの表面を親水化処理(たとえば、酸化処理による表面の適度な酸化)して親水性官能基を有するようにすることで、格段に高いレベルで沈降抑制性能と長期保存安定性の両立を実現している。
顔料インクにおける顔料の沈降の根本原因を考えた場合、顔料のような固体微粒子は、微粒子として液体中(インク中)に浮遊しているため、その密度が溶媒液体(媒体)より大きければ、その粒子は沈降する。例えば、下式(1)によって知られているストークスの式は、その現象を公式化したものである。
u=2r2(ρ2−ρ1)g/9η・・・(1)
ここで、uは粒子の沈降速度、rは顔料粒子を球と仮定したときの粒子半径、ρ1、ρ2はそれぞれ粒子及び液媒体(溶剤)の密度、gは重力加速度、ηは媒体の粘性係数である。
上記式からもわかるように、沈降速度を遅くするには、液媒体の粘度と顔料の粒径が重要である。すなわち、沈降速度を遅くするには、粒子と液媒体の密度差(ρ2−ρ1)が同じであれば、液媒体の粘度を大きくするか(粘度については後記する[1−4]でより詳細に説明する。)、粒子の粒径を小さくすることが考えられる。
しかし、顔料の粒径については、これまで、本発明で着目した自己分散型顔料は、普通紙に対する高い光学濃度(OD)を達成できるようにすることを重視した設計が一般的であり、粒径の大きい顔料が中心であった。このため本態様で規定する微小粒径の顔料インクは、あまり注目されていなかった。
他方で、本発明者らの検討によれば、インク化した場合のインクの保存安定性(粒子の凝集回避)の観点からは、ある程度の大きさの粒径があることが有利なことがわかってきた。
以上をまとめると、顔料の沈降抑制の観点からは、d50は40nm以下、d90は70nm以下が好ましい(実施例及び比較例2,3,5参照)。他方、保存安定性の観点からは、d50は25nm以上、d90は45nm以上であることが好ましい(実施例及び比較例4参照)。
なお本発明において、動的光散乱法による体積粒度分布の値をd50とd90にて制御(規定)した理由としては、分布自体がシャープである目安を与える意味と、上記のような顔料の沈降抑制及び保存安定性の両観点から、より精密に制御する意義がある。
[1−2]顔料(カーボンブラック)
本発明のインクジェット記録インクは顔料インクであり、親水性表面を有する顔料(カーボンブラック)、すなわち自己分散型顔料を用いる。
ここで、親水性表面とは、表面上に親水性官能基が結合していることにより、該表面が親水化されている表面のことをいう。
一般に顔料の分散処理には、高分子分散剤によって顔料を水中に分散させる樹脂分散型と、基本的には分散剤を必要とせずに水に分散が可能になるように、顔料表面を表面改質等した自己分散型顔料がある。このうち、樹脂分散型顔料には、高分子分散剤に、ランダム共重合体を用いたタイプとブロック共重合体を用いたタイプがある。
これに対し、本発明で用いる自己分散型顔料には、親水化処理した顔料、たとえば顔料粒子の表面に酸化処理により親水性基(たとえば、カルボキシル基またはその塩等)を導入した顔料がある。また顔料粒子の表面にアゾ結合等を介して親水基を化学的に結合したタイプなどもある。
本発明者らの検討によれば、このような自己分散型顔料を用いることで、前記[1−1]で説明したような微小粒子化が期待でき、インク中に良好な状態で安定分散するので、沈降抑制に好適である。そして、親水化処理の中でも、顔料表面全体を均一に親水化処理できる観点からは、酸化処理型の表面改質が好ましい。かかる酸化処理によりカーボンブラックの表面に親水性官能基であるカルボキシル基またはその塩を導入できる。そして、このような表面処理により、より有効に沈降抑制性と保存安定性の両立を図ることができる。このような表面処理したカーボンブラックについて、以下では「表面改質カーボンブラック」と呼ぶ場合がある。
(顔料の体積粒度分布制御)
カーボンブラックを前記[1−1]で説明した体積粒度分布(d50:25〜40nm、d90:45〜70nm)となるように安定に制御するには、原材料であるカーボンブラックを選定することが好ましい。
本発明者らの検討によれば、物性的には、一次粒子径や吸油量に着目し、一次粒子径が10nm以上25nm以下であるカーボンブラックを原材料とすることが好ましく、更に吸油量60ml/100g未満であるカーボンブラックを原材料とすることがより好ましい。
d50とd90を本発明で規定する範囲に制御することを容易にする観点からは一次粒子径が前記範囲よりも大きくならないようにすることが好ましい。他方、粘度の増加を抑制して表面改質カーボンブラックの製造をより容易に行う観点からは、一次粒子径が前記範囲よりも小さくならないようにすることが好ましい。
吸油量については、d50とd90を本発明で規定する範囲に制御することを容易にする観点及び沈降抑制性の観点から、吸油量が上記範囲よりも大きくならないようにすることが好ましい。吸油量を比較的小さく抑えることで、構造もより単純となり表面エネルギーも小さくなる結果、粒子間凝集力も小さくなるためである。
なお、吸油量としては、ジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)を用いることができ、JIS K6221によって測定できる。
更に、原材料カーボンブラックの選定に加えて、通常よりも大過剰(たとえば1.2倍〜2倍)の表面改質剤(酸化剤など)による処理と遠心分離処理等を併有することで、より有利に所望の体積粒度分布を達成できる。
(親水化処理)
カーボンブラックの表面を親水化する、すなわちカーボンブラックの表面に親水性官能基を導入する方法としては、顔料表面を酸化剤で酸化処理する酸化処理型の表面改質が好ましい。そして、その中でも、次亜ハロゲン酸又はその塩を酸化剤として用いた湿式酸化により、カーボンブラックの表面に親水性官能基(カルボキシル基またはその塩)を導入することが均一な親水化の観点でより好ましい。
この際に使用される次亜ハロゲン酸或いはその塩としては、次亜塩素酸水溶液、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸水溶液、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウムなどが挙げられる。これらの中でも次亜塩素酸ナトリウムが、反応性やコストの点から特に好ましい。
水中でカーボンブラック表面を酸化して親水性官能基を導入する湿式酸化する方法としては、上述のカーボンブラックと、例えば、特定量の次亜塩素酸ナトリウムとを水中で混合して、5時間以上、好ましくは10〜20時間反応させることが挙げられる。上記の酸化処理の場合に使用する次亜塩素酸塩の量としては、前述した本発明に好適な原料のカーボンブラック100gに対して、有効塩素酸塩量で、20〜40g程度とすることが好ましい。
湿式酸化の際、カーボンブラックは事前に粉砕する、或いは粉砕しながら同時に反応させることが一般的である。粉砕方法としては、ガラス、ジルコニア、アルミナ、ステンレス、磁性材料等のビーズを、ボールミル、アトライター、コロイドミル、サンドミル等で粉砕する方法がある。また、解砕され易いカーボンブラックの場合は、回転式ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーにて粉砕を行うことが挙げられる。
粉砕・酸化後の分散液は、ビーズと粗大粒子を分離して、酸化剤の副生成物を除くための精製を行って、表面改質カーボンブラック分散液が得られる。また、必要に応じて、分離膜等での濃縮、金属フィルターやメンブランフィルター等を用いた濾過或いは遠心分離による分級、アルカリ金属塩の水酸化物或いはアミンによる中和を行う。
[1−3]水溶性有機溶剤
本発明のインクは、水を主体として、水溶性有機溶剤を混合して用いる。水溶性有機溶剤の総量はおおむね記録液全体に対して10質量%以上50質量%以下で使用することが好ましい。インクを調製する上で、保存安定性とノズル先端部での保湿性を調節するために、水溶性有機溶剤を選択することが好ましい。
特に上述した微小粒径の顔料(カーボンブラック)を用いて、固着に関わる信頼性を更に向上させるためには、Fedors法により求められる溶解性パラメーター(SP値)が13.0(cal/cm31/2以上の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
ここでSP値(δ)[単位:(cal/cm31/2]とは、分子間力を表す尺度となるパラメータである。そして、溶質のSP値と溶媒のSP値との差が小さいほど、溶媒への溶質の親和性が大きくなる傾向にある。具体的には、下記式(2)によって水溶性有機溶剤のSP値(δ)を算出することができる。下記式(2)中、△Evapは水溶性有機溶剤のモル蒸発熱(cal/mol)を示し、Vは25℃における水溶性有機溶剤のモル体積(cm3/mol)を示す。なお、水溶性有機溶剤のモル蒸発熱(△Evap)と、25℃における水溶性有機溶剤のモル体積(V)は、いずれも分子中の原子や基に帰属する一定値の足し合わせで求められる。なお、SP値の単位はcalを利用するのが一般的であるが、SI単位系に換算する際には、(cal/cm31/2=2.046×103(J/m31/2の関係を利用すればよい。以下の記載においては、SP値の単位は省略することがあるが、SP値は(cal/cm31/2の単位で表される値である。
Figure 2018028003
SP値13.0以上の化合物を選択することで、インク中の水分が蒸発したときの耐固着性が良好となる。
この理由は定かではないが、次のように推測している。
本発明で使用する表面改質カーボンブラックは親水性が高いため、インク中の水分が蒸発して水溶性有機溶剤の割合が多くなると凝集し易くなる。しかし、水溶性有機溶剤としてSP値13.0以上の化合物[性質が水(SP値:23.4)に近い化合物]を使用した場合には、インク中の水分が蒸発して水溶性有機溶剤の割合が多くなっても表面改質カーボンブラックの分散状態が辛うじて維持され、凝集が起き難くなるので耐固着性が良好になったと考えられる。
本発明に使用できる水溶性有機溶剤としては、インクを調製する上で保存安定性とノズル先端部での保湿性を調節しうる、任意の水溶性有機溶剤を選択することができる。たとえば、水酸基、ポリエーテル等の水溶性官能基を含む分子量300以下の水溶性有機溶剤を挙げることができる。
より具体的には、グリセリン、ジグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール300、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、エチレン尿素、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセンリンジアセテート、グリセンリントリアセテート、シクロヘキサノール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキサン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ビスヒドロキシエチルスルフォン等が挙げられる。
中でも好ましい水溶性有機溶剤としては、SP値が13.0以上の例えば、グリセリン(20.0)、トリエチレングリコール(13.6)、トリメチロールプロパン(15.9)、ビスヒドロキシエチルスルフォン(14.4)、エチレングリコール(17.8)、ジエチレングリコール(15.0)、1,2,6-ヘキサントリオール(16.0)、等が挙げられる。さらに好ましくは、グリセリン(20.0)、トリエチレングリコール(13.6)、トリメチロールプロパン(15.9)及びビスヒドロキシエチルスルフォン(14.4)が挙げられる。
なお、本態様のインクジェット記録用インクには、一般的に界面活性剤やその他の添加剤が任意に含まれていてもよいが、インク中のこれらの含有量はかなり少なく、顔料との溶解性に直接的に与える影響も少ない。このため、本発明においては、これらの界面活性剤やその他の添加剤は「水溶性有機要溶剤」には含めないものとし、SP値を算出する対象とはしない。
[1−4]粘度
前記[1−1]においてストークスの式を用いて説明したとおり、液媒体の粘度は顔料の沈降抑制を制御するための一因子であり、本発明のインクの粘度ηは、1.8mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。また、より好ましくは、1.8mPa・s以上3.5mPa・s以下、さらに好ましくは1.8mPa・s以上3.0mPa・s以下にするとよい。
粘度を1.8mPa・s以上とすることにより、格段の沈降抑制性の向上効果が得られる。一方、本願発明者らの検討によれば、5.0mPa・s以下とすることにより、本発明で規定する微小粒径の粒度分布のカーボンブラックを用いているにもかかわらず、良好なインクの保存安定性が得られる。
インクの粘度は、JIS Z 8803に準拠して、温度25℃の条件下、E型粘度計(例えば、東機産業製「RE−80L粘度計」等)を用い、測定した値を意味するものとする。インクの粘度は、界面活性剤の種類や量の他、水溶性化合物の種類や量等により調整することができる。
なお一般的には、微小粒子になるにつれて、界面の面積が増大する。界面の面積が増大すると界面自由エネルギーは大きくなり、その為、熱力学的に不安定な系となる。すなわち、粒子が小さいほど表面エネルギーが増大し、画像形成をするための最適な粘度に調整することは難しくなる。しかし、本願発明ではカーボンブラックの微小粒子の表面が親水化されていることで、微小粒子であってもインクジェットの吐出に最適な粘度が調整でき、安定吐出を可能とする。特に本発明のインクは、高速高供給性ヘッドにおける大容量液室においても安定性、沈降抑制が保たれるため、優れたインク性能と記録性能が達成できる。
[1−5]水
水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水の含有率は特に限定されない。但し、インクの全質量に対し、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、40質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。30質量%以上とすることにより、顔料及び水溶性有機溶剤を水和させることができ、顔料や水溶性有機溶剤の凝集を防止することができる。一方、90質量%以下とすることにより、相対的に水溶性有機溶剤の量が増え、水性媒体中の揮発成分(水等)が揮発してしまった場合でも、顔料の分散状態を維持することができ、顔料の析出や固化を防止することができる。
[1−6]界面活性剤
本発明においては、必要に応じて、前述した成分からなるインクに、さらに界面活性剤を含有してもよい。[1−7]で後述するインクの表面張力をコントロールして、記録媒体におけるインクのにじみ度合いや浸透性を任意にコントロールするのに有用である。また、ヘッド内でのインクの濡れ性の向上、インクのヒーター面上での焦げ(コゲーション)を防止し、吐出を向上さたりするのにも有用である。
このような界面活性剤としては、特に限定はされないが、以下のものを挙げることができる。なお、これらの界面活性剤は、単独で使用しても複数を併用してもよい。
(ノニオン性界面活性剤)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体等。脂肪酸ジエタノールアミド、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコール系界面活性剤等。
(アニオン性界面活性剤)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩等。アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルテトラリンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等。
(カチオン性界面活性剤)
アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等。
(両性界面活性剤)
アルキルカルボキシベタイン等。
上記に挙げた中でも、アセチレングリコール系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が好ましく使用できる。アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、又は、そのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
[1−7]表面張力
本発明のインクの表面張力γは、25mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、35mN/m以上45mN/m以下の範囲である。
表面張力を25mN/m以上とすることにより、インク吐出口のメニスカスを維持することができ、インクがインク吐出口から流出してしまう不具合を防止することができる。また、表面張力を45mN/m以下とすることにより、インクの記録媒体への吸収速度を最適にすることができ、インクの吸収不足による定着不良をという不具合を防止することができる。
本発明のインクの表面張力は、温度25℃、湿度50%の条件下、自動表面張力計(例えば、協和界面科学社製「CBVP−Z型」等)を用い、白金プレートを用いたプレート法により測定した値を意味するものとする。物流用充填液の表面張力は、界面活性剤の添加量、水溶性有機溶剤の種類及び含有量等により調整することができる。
[1−8]pH
本発明のインクのpHは、6.0以上10.0以下であることが好ましく、より好ましくは7.0以上9.5以下にすることが好ましい。
カーボンブラックの分散安定性、顔料の粒子の凝集防止の観点からは、pHが6.0以上であることが好ましい。
他方で、インクと接触する装置の部材に対するケミカルアタックをできるだけ回避する観点からはpH10.0以下であることが好ましい。かかるpHの調節により、装置によっては上記ケミカルアタックにより、インク中へ有機物・無機物等が溶出して引き起こされる、吐出不良を回避しうる。
インクのpHは、温度25℃の条件下、pHメーター(例えば、HRIBA(製)D−51等)を用い、測定した値を意味するものとする。
[1−9]他の添加剤
本態様のインクは、必要に応じて、その他の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、塩等を挙げることができる。
[2]インクジェット記録方法(本発明の第二の態様)
本発明の第二の態様は、ノズル列よりインクを飛翔させて記録媒体に記録を行う工程を含み、前記記録媒体が5〜20nmの範囲に細孔半径を有し、且つ、前記インクが本発明の第一の態様のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法である。
前記した本発明の第一の態様のインクをインクジェット記録方法に用いることによって、長期安定的にノズルの目詰まりなしに、良好な画像品質の画像を印刷可能である。特にサーマル方式で、ライン型ヘッドのノズル列によりインクを吐出させて行うインクジェット記録方法において効果的である。
ここで、記録媒体としては、紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等のインクを受容可能な媒体であれば、材質を問わず使用することができる。
また、支持体上にインク受容層が形成された記録媒体も使用できる。
支持体としては、例えば、適度のサイジングが施された紙、無サイズ紙、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、紙の片面あるいは両面がポリオレフィンなどの樹脂で被覆された樹脂被覆紙(以下「レジンコート紙」と記す)などの紙類からなるもの;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレートおよびポリカーボネートなどの透明な熱可塑性樹脂フィルム;無機物の充填または微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙など);さらにはガラスまたは金属などからなるシートなどが使用できる。
インク受容層としては、従来より公知のものが使用できるが、細孔を形成させるために無機微粒子とバインダーで構成されるものが好ましい。
無機微粒子としては、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能な微粒子であることが好ましい。このような無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ケイソウ土、アルミナ、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、リトポン、ゼオライトなどが挙げられ、これらを単独あるいは複数種併用することができる。
無機微粒子の形態としては、高光沢かつ高透明性のインク受容層を得るために、平均粒径が50nm〜500nmの範囲が好ましく、100nm〜300nmの範囲がより好ましい。
バインダーとしては、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂などが使用でき、例えば、澱粉、ゼラチン、カゼイン、およびそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性など)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、およびこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基またはアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類などが挙げられる。
インク受容層は、上記の無機微粒子とバインダーを混合して塗工液を調製し、支持体上に塗布、乾燥することで形成できる。
無機微粒子とバインダーの混合比率については特に制限はなく、インク受容層の強度が維持でき、インク受容層の細孔半径が後述する範囲で形成できる比率が任意に選択できる。
塗工液の塗布量(または、インク受容層の塗工量)は、インクの打ち込み量や画像品位に合わせて任意に設定すればよい。
また、無機微粒子とバインダーの混合方法、塗工液の塗布方法、塗布後の乾燥方法については、従来より公知の方法が利用できる。
記録媒体のインクを受容する部分の細孔半径は、インク吸収性の観点から5nm以上であることが好ましく、発色性の観点から20nm以下であることが好ましい。
なお、本態様にいう細孔半径は[BJH(Barrett−Joyner−Halenda)]の方法(非特許文献1)によって測定することができる。
具体的には、記録媒体を細かく裁断し、80℃で24時間真空脱気した後、比表面積/細孔分布測定装置(TriSter3000、マイクロメリティックス((株)島津製作所)社製)で測定する(吸着ガスとしては窒素を使用)。また、支持体が細孔を持つ場合は、細孔をもたない材料(PETフィルム等)を支持体とし、その上にインク受容層用の塗工液をメイヤーバーで塗工して、送風定温乾燥器で十分に乾燥し(乾燥塗工量は任意でもよいが、実際に使用する支持体に塗工する量と合わせる方がよい)、これを細かく裁断して、上記と同様にして測定を行なう。
なお、本発明でいう「細孔半径」は、記録媒体のインクを受容する面(あるいはインクを受容する部分)の細孔半径を意味しており、例えば、支持体の上にインク受容層を有する記録媒体であれば、そのインク受容層の細孔半径を指す。また、塗工液をそのまま乾燥して測定するのではなく、別途塗工して測定しているのは、塗工された状態での比表面積をより正確に測定するためである。さらに、細孔を有する紙等の支持体上に塗工された試料についての細孔半径を測定したい場合については、インク受容層のみを上手く剥ぎ取ることで簡易的に測定することも可能である。
さらに本態様におけるより好ましい実施形態として、ノズル列当たりの解像度が600dpi以上、ノズル列長さが5.08cm(2インチ)以上、各ノズルの開口面積が100〜350μm2であることが好ましい。これらのパラメータについては、後記の[3]においてより詳しく説明する。
[3]インクジェット記録用ヘッド(本発明の第三の態様)
本発明の第三の態様は、本発明の第一の態様のインクを収容したノズル列と、前記ノズル列よりインクをサーマル方式により吐出することを可能にするヒーターと、を備え、前記ノズル列を構成している各ノズルの開口面積が100〜350μm2であり、前記ノズル列当たりの解像度が600dpi以上であり、前記ノズル列の長さが5.08cm(2インチ)以上であることを特徴とする、インクジェット記録用ヘッドである。
以下、本発明の第三の態様である記録ヘッドの一の実施形態について、図面を用いて説明する。但し、本発明の記録ヘッドは、以下に説明する構成に限定されるものではない。
[3−1]記録ヘッドの全体構造
まず、記録ヘッドの全体構造の一例について図1(a)〜図1(c)を用いて説明する。
図1(a)〜図1(c)に示すような構造の記録ヘッドは、特許文献4に開示されている。従って、本願明細書においては前記公報の内容を引用することとし、その概略を説明するに留める。なお、図1(a)は、本発明の記録ヘッドを模式的に示す正面図であり、図1(b)は、図1(a)のIIB−IIB断面図であり、図1(c)は、図1(a)のIIC−IIC断面図である。説明の便宜上、正面図において液体供給ケースカバーは省略している。
記録ヘッドの全体構造は、後記[3−2]で説明するノズル列及びヒーターに加えて、図示のように更に、
複数のノズル流路と連通する共通液室112と、
共通液室112と連通する液体供給口127と、
液体供給口127と連通するメイン液体供給室126と、
メイン液体供給室126と連通する液体供給路137と、
液体供給路137と連通する液体供給室(第一液体供給室134、第二液体供給室135)と、
液体供給室を液体供給の際の流れに沿って上流側より第一液体供給室134と第二液体供給室135とに分離するように配設された供給フィルター118と、
メイン液体供給室126の一部に設けられた気液分離部120と、
気液分離部120と連通する空気室141と、を備えている。
そして、ノズル流路と、共通液室112と、液体供給口127と、メイン液体供給室126と、液体供給路137と、液体供給室(第一液体供給室134、第二液体供給室135)と、供給フィルター118と、気液分離部120と、空気室141とが、ノズル流路の配列方向と液体の吐出方向を含む平面に対して、平行平面上に配置されている。
また、メイン液体供給室126と、液体供給路137と、供給フィルター118と、気液分離部120と、空気室141とが、各々積層されることなく配置されている。
図1(a)〜図1(c)に示すような構造の記録ヘッドは、気液分離型の記録ヘッドと称される。気液分離型の記録ヘッドはインクの自重を利用してノズル内にインクを充填するため、従来構造の記録ヘッドと比較して吐出安定性を確保することが極めて困難である。従って、気液分離型の記録ヘッドは本発明の効果を最も享受することができる形態の一つであると言える。
セラミック製のベースプレート110はシリコンにより形成されるヒーター基板111を支持している。ヒーター基板111には、液体の吐出エネルギー発生素子としての複数の電気熱変換体(ヒーターまたはエネルギー発生部)とこれらの電気熱変換体に対応するノズルを構成するための複数の流路壁とが形成されている。また、ヒーター基板111には各ノズルに連通する共通液室112を囲む液室枠も形成されている。このように形成されたノズルの側壁及び液室枠の上には、共通液室112を形成する天板部材113が接合されている。従って、ヒーター基板111と天板部材113は互いに一体化した状態でベースプレート110に積層接着されている。このような積層接着は、銀ペーストなどの熱伝導率のよい接着剤によって行われる。ベースプレート110におけるヒーター基板111の後方には、実装済みの電気配線基板(PCB114)が両面テープ(図示せず)により支持されている。ヒーター基板111上の各吐出エネルギー発生素子とPCB114とは、各々の配線に対応するワイヤボンディングにより電気的に接続されている。
天板部材113上面には、液体供給部材115が接合されている。液体供給部材115は液体供給ケース116と液体供給ケースカバー117より構成されており、液体供給ケースカバー117が液体供給ケース116の上面を塞ぐことにより、後述する液室や液体供給路が形成される。液体供給ケース116と液体供給ケースカバー117の接合は、例えば熱硬化型の接着剤などにより行われる。また、液体供給ケース116には供給フィルター118及び排出フィルター119が配設されている。供給フィルター118は液体供給部材115に供給された液体中の異物の除去を目的とし、排出フィルター119は記録ヘッド外部からの異物の侵入を防止することを目的とする。各々のフィルターは熱溶着によって液体供給ケース116に固定されている。さらに液体供給ケース116の一部には気液分離部120が形成され、気液分離部120に突出する形で外部より液面検知センサ121が実装されており、上述したような液室内の液体量の制御を行う。
ここで、液体供給ケースと116液体供給ケースカバー117の2つの部品の嵌合により形成される液室及び液体供給路等の構成について説明する。液体供給ケース116の天板部材113との接合面には、ノズルの配列方向と略平行、且つ、ノズル列の幅に渡って矩形状の開口部である液体供給口127が形成されており、液体供給口127の延長上には貯留室状のメイン液体供給室126が形成されている。即ち、メイン液体供給室126はノズル列と略平行、且つ、ノズル列の幅に渡って形成されている。また、液体供給口127と対向側の天面は、ほぼ全域にわたって気液分離部120を最上部とした傾斜(メイン液体供給室傾斜129)を構成している。メイン液体供給室傾斜129には2つの開口部が形成されており、1つは液体連通部131、他方は気液分離部120である。
気液分離部120はメイン液体供給室126の一部として形成され、メイン液体供給室126の他の部分よりも深さが大きくなっている。これは、後述するように液室内の液体に混在する気泡を破泡する効果を高めるためである。図示の形態においては、気液分離部120の内部にステンレスの電極を3本実装しており、図中左側より順番に上限検知電極123、グランド電極124、下限検知電極125である。グランド電極124と上限検知電極123間の通電、グランド電極124と下限検知電極125間の通電により、メイン液体供給室126内の液面を上限と下限の間に維持する構成となっている。図示の形態のインクジェットヘッドにおいては、気液分離がなされた液体の液面を検知することで、検知の信頼性を向上させることが可能である。
気液分離部120の延長上にはエア連通部130があり、その先はエア流路として機能する空気室141となる。
さらに先には前述した排出フィルター119が配設されており、排出ジョイント133に連通する。排出フィルター119は撥水性を有する材質によって構成されている。このため、万が一エア流路(空気室141)に液体が流入し、排出フィルター119にインクが付着してフィルター内部にインクのメニスカスが形成されても、その撥水性によってフィルター部の毛管力を低減させインクを容易に除去することができる。
一方、メイン液体供給室傾斜129に設けられた液体連通部131を介して液体供給路137が設けられている。液体供給路137は、液体連通部131から供給フィルター118近傍まで管状を成しており、メイン液体供給室126とほぼ同一平行平面上に形成される。
供給フィルター118もまた、メイン液体供給室126と略同一平行平面上に配置されている。供給フィルター118は液体供給室を二室に分離するように配設されている。そして、供給ジョイント132に連通する側の室、即ち記録ヘッド内の液体供給の流れに沿って上流側の室が第一液体供給室134、下流側の室が第二液体供給室135となっている。
供給フィルター118はメイン液体供給室126と略同一平行平面上に配置されている。このため、供給フィルター118の両面に隣接する第一液体供給室134及び第二液体供給室135もまた、メイン液体供給室126やインク吐出口配列面139とほぼ平行平面上に配置されることになる。
第二液体供給室135は供給フィルター118上方に開口(以下、第二液体供給室開口136という)があり、これを介して液体供給路137に連通している。また、第二液体供給室135の天面はこの開口を最上部とする傾斜(以下、第二液体供給室傾斜138という)が形成されている。
以上のように、メイン液体供給室126、気液分離部120、液体供給路137、供給フィルター118、第一液体供給室134、第二液体供給室135は、各々インク吐出口配列面139と略平行平面上に設定される。一方でIIB−IIB断面に示すように、メイン液体供給室126、液体供給路137、供給フィルター118、気液分離部120は互いに平面の鉛直方向に重ならないように配置することが重要である。
供給フィルター118は、フィルター孔径が1μm以上10μm以下、フィルター面積が10mm2以上500mm2以下のステンレス製メッシュであることが好ましい。フィルター孔径を1μm以上、フィルター面積を10mm2以上とすることで、流路抵抗(圧力損失)を低減させ、記録ヘッドの内の気泡を移動し易くすることができる。前記効果をより確実に得るためには、フィルター面積を200mm2以上とすることが更に好ましい。一方、フィルター孔径を10μm以下とすることでノズルへのゴミの流入を確実に防止することができ、フィルター面積を500mm2以下とすることで記録ヘッドを小型化することができる。前記効果をより確実に得るためには、フィルター孔径を3μm以上8μm以下とすることが更に好ましい。
[3−2]ノズル部分の構造
次に、ノズル部分の構造の一例について図2(a)〜図2(c)を用いて説明する。図2(a)〜図2(c)は、図1の139の詳細図である。
図2(a)は記録ヘッドのノズルの内部構造の一例を模式的に示す上面図である。図2(b)は図2(a)に示すノズルの内部構造を模式的に示す側面図である。図2(c)は図2(a)に示すノズルのインク吐出口を模式的に示す正面図である。
本態様のサーマル方式の記録ヘッドは、たとえば図示のように、ノズル壁153によって仕切られた複数のノズル流路159からなるノズル列と、ノズル流路159に連通する複数のインク吐出口151とを備える。また、各々のノズル流路159の内部にインク吐出用のヒーター152が配置されている。
このような構造を有することにより、ノズル流路159内部に充填されたインクをヒーター152で加熱し、インクを発泡させることで、インク吐出口151からインクの液滴を飛翔させることができる。
図示の形態では、ノズル流路159と共通液室112との間に、ヘッド内のインク流路中に浮遊する異物をトラップするためのノズルフィルター155が設置されている。また、ノズル天板162が貼り付けられる天板部材113は異方性エッチング等で形成されたインク供給開口(不図示)を備え、外部からのインクを共通液室112からノズル流路159に導入可能に構成されている。
ノズル流路159はノズル壁153によって左右の両側面側が仕切られることに加えて、ノズル天板162によって上面側が、ノズル底板164によって底面側が仕切られている。即ち、ノズル流路159は、ノズル壁153、ノズル天板162及びノズル底板164を隔壁として周囲の空間から区画された略四角柱状の内部空間である。ノズル天板162は、Si等で構成される天板部材113に貼り付けられており、ノズル底板164はヒーター基板111に貼り付けられている。
インク吐出口151はノズル流路159の一端に形成されるインクを吐出させる開口部であり、ノズル流路159を経由して共通液室112に連通されている。インク吐出口151は、フェイス面(インクを吐出する対象である記録媒体に相対する面)上に形成される。図示の例では、フェイス面はノズル壁153と一体的に形成されているが、別途フェイスプレートを設置してフェイス面を形成してもよい。
インク吐出口151の開口面積は100μm2以上350μm2以下に構成される。開口面積を100μm2以上とすることで不吐出ノズルの発生を防止することができる。一方、350μm2以下とすることで1つのインク液滴の量が10pL以下の微小液滴を形成させることができ、解像度を600dpi以上とすることができる。なお、前記開口面積は吐出口幅171と吐出口高さ172の積で表される。
前記記録ヘッドは複数のノズル流路によってノズル列が形成された、いわゆるライン型ヘッドである。ノズル列を形成するノズル流路の数は特に限定されない。但し、本発明の効果を発現させるためには、ノズル列の総ノズル数が1200以上であることが好ましく、1200以上9600以下であることがより好ましく、1200以上4800以下であることが更に好ましい。また、ノズル列の長さが5.08cm(2インチ)以上であることが好ましく、5.08cm(2インチ)以上10.16cm(4インチ)以下であることがより好ましい。
ヒーター152は、ノズル流路159に充填されたインクを加熱発泡させるための加熱手段である。ヒーター152はヒーター基板111に設置されている。ヒーター152としては抵抗体(例えばチッ化タンタル等からなる抵抗体)を用いることができる。ヒーター152には通電のためのアルミニウム等からなる電極(図示せず)が接続されており、その一方にはヒーター152への通電を制御するためのスイッチングトランジスタ(図示せず)が接続されている。スイッチトランジスタは制御用のゲート素子等の回路からなるICによって駆動を制御され、ヘッド外部からの信号によって、所定のパターンで駆動する。
前記記録ヘッドは、駆動周波数1kHz以上10kHz以下で駆動させることが可能なものである。駆動周波数1kHz以上で駆動させることにより、1滴あたりのインク量が極めて小さい場合でも、単位時間あたりのインク付与量を増加させ、画像データ量、記録ドット数を増やすことができる。即ち高画質の画像を高速で印刷することが可能となる。駆動周波数10kHz以下で駆動させることにより、前記のような高速印刷時にインク吐出量に対してノズルへのインク供給量が不足して吐出安定性が低下する不具合が抑制される。前記効果をより確実に得るためには、駆動周波数3kHz以上8kHz以下で駆動させることが可能なものであることが好ましい。また、本態様の記録ヘッドは、本発明の第一の態様であるインクを使用するため、高い駆動周波数の下でも吐出安定性が低下し難く、ノズル不吐出が発生し難いため、駆動周波数6kHz以上10kHz以下で駆動させることが可能なものであることも好ましい。
ノズルの全長は200μm以上300μm以下とすることが好ましい。この場合の「ノズルの全長」とは、ノズル流路159の長さを意味し、具体的にはノズル流路159を構成するノズル壁153のインク吐出口151側の端部から共通液室112側の端部までの長さを意味する。
ノズル流路159は、ヒーター中心157からインク吐出口151側の端部までの部分であるノズル前方部181と、ヒーター中心157から共通液室112側の端部までの部分であるノズル後方部182に区分される。吐出速度の観点から、ノズル前方部181の流抵抗(前方抵抗)と、ノズル後方部182の流抵抗(後方抵抗)は、前方抵抗/後方抵抗の値が0.3以上0.8以下であることが好ましい。なお、流抵抗は、流路断面積、流路長、吐出するインクの粘度等の値から、ハーゲン・ポアズイユの法則により計算で求めることができる。即ち、使用するインク(ひいてはその粘度)が定まれば、前方抵抗/後方抵抗の値は、ノズルの流路断面積、流路長等により調整することができる。
[3−3]ノズル材:
ノズル流路159を仕切るノズル壁153、ノズル天板162、ノズル底板164は、例えば感光性樹脂により形成することができる。感光性樹脂としては、ネガ型フォトレジスト等を用いることができる。具体的な市販品としては、例えば「SU−8シリーズ」、「KMPR−1000」(以上、化薬マイクロケム社製)、「TMMR」、「TMMR S2000」、「TMMF S2000」(以上、東京応化工業社製)等を挙げることができる。中でも、耐溶剤性、ノズル壁としての強度に優れたエポキシ系感光性樹脂を用いることが好ましい。具体的な市販品としては、東京応化工業社製の「TMMR S2000」が特に好ましい。
[3−4]親水性領域、撥水性領域:
本態様の記録ヘッドはインク吐出口の周縁に親水性領域または撥水性領域が形成されたものが好ましい。親水性領域と撥水性領域のいずれを形成するかは、使用するインクの色材の種類や表面張力を考慮して決定すればよい。
例えば、本態様のインクのように、色材が親水化処理された顔料である場合には、インク吐出口の周縁に親水性領域が形成された記録ヘッド(親水性ヘッド)が好ましい。そして、インク吐出口の周縁に、使用するインクとの接触角が60°以下の親水性領域が形成されていることが好ましく、前記接触角が0°の(即ち、接触角を形成しない)親水性領域が形成されていることが更に好ましい。
なお、親水性領域または撥水性領域の接触角はJIS R 3257に準拠して、接触角計(例えば、商品名「SImage−mini」、エキシマ社製等)を用い、ATAN1/2θ法により測定することができる。後述する実施例においても前記方法により接触角を測定している。
前記親水性領域は、インク吐出口が形成されている部材(フェイス材)を親水性材料により構成する方法、前記フェイス材の表面(フェイス面)を親水処理する方法、前記フェイス面に親水性膜を付与する方法等により形成することができる。前記フェイス材としては、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂、特にエポキシ系感光性樹脂を用いることができる。
フェイス面を親水処理する方法としては、フェイス面を粗面化する方法を挙げることができる。粗面化の方法としては、例えば、レーザー照射処理、UV/O3処理、プラズマ処理、加熱処理、酸化処理及びエンボス加工処理等を挙げることができる。レーザー照射処理には、エキシマレーザー、YAGレーザー、CO2レーザー等のレーザーを用いることができる。また、インク吐出口周縁部を親水性が高い液体に長時間浸漬する方法により処理してもよい。「親水性が高い液体」としては顔料インク等を挙げることができる。例えば、フェイス材を使用する顔料インク中に10分間以上、浸漬すればよい。
フェイス面に親水性膜を付与する方法としては、フェイス面に金属膜や親水性の樹脂膜を形成する方法を挙げることができる。親水性膜は、親水性を有するのは勿論のこと、フェイス材に対する付着性が良好な材料により形成することが好ましい。
そのような材料としては、水溶性樹脂及び水不溶性低分子化合物を含む組成物等を挙げることができる。例えば、水溶性樹脂(ヒドロキシプロピルセルロース等)と水不溶性低分子化合物(ビスフェノールA等)を、適当な溶媒(ジメチルホルムアミド等)に溶解させ、その溶液をフェイス面に塗布する。次いで乾燥させ、必要に応じてアルコール等で処理することにより、親水性膜を形成することができる。
親水性領域の形成は、前記方法の中からフェイス材を構成する材質に応じて適宜選択すればよい。また、親水性領域の形成は、前記方法を2種以上組み合わせて行ってもよい。前記方法の中では、ノズル周辺部をエポキシ系感光性樹脂により構成するとともに、前記ノズル周辺部をUV/O3処理し、更に顔料インク中に浸漬することにより親水化処理する方法が好ましい。
[3−5]インクの充填:
本発明の記録ヘッドにおいては、前記ライン型ヘッドの前記インク吐出口と連通する内部空間に、本発明のインクジェット記録用インクが充填されている。インクは、前記内部空間のうち、少なくともインク吐出口から共通液室までの部分(即ち、ノズル流路及び共通液室)に充填されていることが好ましい。
[4]インクジェット記録装置
本発明の第四の態様であるインクジェット記録装置は、
本発明の第一の態様のインクを収容したインク収容部と、
本発明の第三の態様のインクジェット用記録ヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
前記インク収容部の形態は特に限定されない。例えば、図3に示すようなインクタンク等を挙げることができる。
[4−1]インクタンク
図3はインクタンクの拡大断面図である。インクタンク230は液体収容容器であり、その内部にはインクを収容する液室(インク室231)が形成されている。インク室231は、ジョイント部232のみにおいて外部と連通可能な閉空間となっている。インクタンク230は、記録ヘッドに対して着脱可能に構成されている。また、インクタンク230は、記録ヘッドの上部に備えられている。インク室231は柔軟性のある部材により形成されており、その内部には負圧発生用のバネ233−1と、バネ233−1に接続された圧力板233−2が内蔵されている。バネ233−1は、圧力板233−2を介してインク室231を内部から外部に向かって付勢し、インク室231の内部空間を拡大させる。即ち、バネ233−1はインク室231の内部に所定の負圧を発生させており、バネ233−1、圧力板233−2及びインク室231は一体となって負圧発生部233を構成している。ジョイント部232には不織布製のフィルター234が備えられている。
図4は記録ヘッドの拡大断面図である。記録ヘッド220は、電気熱変換素子(インク吐出用のヒーター)などのエネルギー発生素子(不図示)を備えている。このエネルギー発生素子によって、インク室221内のインクI(液室内の液体)は吐出口220Aから吐出される。インク室221には、インクIと共に空気(気体)が存在する。従って、インク室221内には、インクIが収容されたインク収容部(液体収容部)と、空気(気体)が収容された空気収容部(気体収容部)と、が形成されることになる。
インク室221の上部には、インク室221とインクタンクのインク室を連通させるためのインク供給部222が設けられている。インク供給部222の平均的な幅は10mm程度である。また、インク供給部222の開口部にはフィルター部材223が備えられている。図示のフィルター部材223は、SUS製のメッシュにより形成されている。そのメッシュは金属繊維を織り込んだ構造となっている。フィルター部材223が細かい目を持つことにより、外部から記録ヘッド内にゴミが侵入し難くなる。
フィルター部材223の下面は、インクを保持可能なインク保持部材224に圧接されている。図5(a)は図4に示すインク保持部材の拡大斜視図であり、図5(b)は図5(a)に示すインク保持部材のVb−Vb断面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、インク保持部材224には断面円形の流路224Aが複数形成されている。それぞれの流路224Aの口径は1.0mm程度である。
また、図4に示すように、インク室221の上部には、開口部225が設けられている。開口部225にはフィルター226が備えられている。開口部225は外部の流路である移送部(不図示)に接続することが可能に構成されている。この移送部は液体及び/又は気体を移送することが可能な流路である。開口部225は、インク室221内のインクI及び/又は気体を外部に流出させ、或いは記録ヘッド220の外部の液体(インクなど)及び/又は気体をインク室221内に流入させることが可能に構成されている。即ち、開口部225は、液体を単独で流出・流入させるのみならず、液体とともに気体を流出・流入させることが可能に形成されている。
図3に示すインクタンク230のジョイント部232と、図4に示す記録ヘッド220のインク供給部222とを連結させることにより、図3に示すインクタンク230と、図4に示す記録ヘッド220が直接的に接続される。この際、図3に示すインクタンク230のフィルター234と、図4に示す記録ヘッド220のフィルター部材223とは、上下から相互に圧接された状態となっている。このように形成されたインクタンクと記録ヘッドとの連結部は、その周囲をゴム製の弾性キャップ部材で囲むことにより、密閉性が維持される。前記のように記録ヘッドとインクタンクが直接的に接続された構造は、それらの間のインク供給路(液体供給路)を極めて短くすることができる点において好ましい。
[4−2]記録装置の全体構成
インクジェット記録装置のその他の構造等については特に限定されない。例えば、図6に示すような記録装置300を好適に用いることができる。図6は、インクジェット記録装置の全体構成を模式的に示す概略構成図である。記録装置300には、外部のホスト装置(コンピュータ装置308)が接続されている。記録装置300は、コンピュータ装置308から入力された記録データに基づいて記録ヘッド305からインクを吐出し、画像を記録することができるように構成されている。
記録装置300においては、記録媒体301として複数のラベルが仮付けされたラベル用紙を用いている。記録媒体301はロール状に巻回された状態でセットされている。但し、本発明のインクジェット記録装置においては、記録媒体として、紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等のインクを受容可能な媒体であれば、材質を問わず使用することができる。
本発明の記録方法の一つの実施形態では、本発明のインクを用いることに加えて、5〜20nmの範囲に細孔半径のピークを有する記録媒体、いわゆる光沢紙を用いる。本発明で規定する顔料が有する特定の粒径分布と、該顔料を有するインクを吐出して付与する記録媒体の上記細孔径との相性によって、良好な光沢性と定着性を有する画像を形成できるが実現できる。このためかかる組合せは特に好ましい態様である。
記録装置300は、記録媒体301を搬送する搬送手段として、搬送モータ303、搬送ローラ302、ロータリーエンコーダ310及びロールモータ311を備える。搬送モータ303により搬送ローラ302を駆動させることで、矢印A方向に向かって一定の速度で記録媒体301を搬送することができる。ロータリーエンコーダ310によって記録媒体301の搬送速度や搬送量を検出することができる。ロールモータ311によって矢印A方向とは逆方向に記録媒体301を巻き戻すことができる。用紙検知センサ304は記録媒体301の特定部分を検出するセンサである。図示の例ではラベル用紙に仮付けされた個々のラベルの先端を検出している。前記検出に基づいて画像の記録タイミングを決定することができる。
記録装置300は、その上部に4つの記録ヘッド305と、これらに対応するインクタンク306を備えている。前記4つの記録ヘッドは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出するための記録ヘッドである。
記録ヘッド305は、記録媒体301の最大幅記録幅よりも幅広に構成された、いわゆるライン型ヘッドであり、インクを吐出可能な複数のノズルを備えている。ノズルのインク吐出口は記録ヘッド305の下面側に開口している。記録ヘッド305は、その長手方向が記録媒体301の搬送方向と交差する方向(図中の矢印Aに直交する方向)に沿うように配置されており、前記長手方向に沿って複数のノズルが配列されてノズル列が形成されている。
記録装置300においては、搬送モータ303によって搬送ローラ302が駆動され、搬送ローラ302によって記録媒体301が矢印A方向に定速度で搬送される。用紙検知センサ304によって記録媒体301の特定部分が検出されると、その検知位置を基準として4つの記録ヘッド305のインク吐出口から順次、インクが吐出される。この際、インクはインクタンク306から記録ヘッド305に供給される。このように、記録媒体301が記録ヘッド305の下部を通過するときに、それらの記録ヘッド305の複数のノズルからインクが吐出され、記録媒体301に画像が記録される。なお、記録ヘッド305はライン型ヘッドであるため定位置に固定された状態でインクを吐出する。即ち、シリアルヘッドのように左右に往復しながら、インクを吐出することはない。
記録装置300は、記録ヘッド305の回復動作を行うための回復機構として、キャッピング機構307、ブレード309などを備えている。
回復動作とは、記録ヘッド305が初期状態と同様の適正な吐出性能を発揮するように回復させるための動作である。例えば吸引回復、加圧回復、予備吐出回復、ワイプ回復等の動作を挙げることができる。
吸引回復とは、記録ヘッド305のノズル内の増粘インクをキャッピング機構307に吸引除去する動作であり、加圧回復とは、記録ヘッド305のノズル内の増粘インクをキャッピング機構307に加圧排出する動作である。予備吐出回復とはノズル内の増粘インクを吐出によりキャッピング機構307に排出しインクのメニスカスを安定させる動作であり、ワイプ回復とは、記録ヘッドのフェイス面をブレード309により払拭し、フェイス面に付着したゴミやインクを除去する動作である。これらの回復動作は組み合わせて実施することもできる。
キャッピング機構307は、各々の記録ヘッド305のインク吐出口をキャッピングする機構であり、記録ヘッド305の下部に配置されている。記録ヘッド305とキャッピング機構307は、図6の左右方向に相対移動させることが可能に構成されている。一方、ブレード309は、各々の記録ヘッド305のフェイス面を払拭する部材であり、記録ヘッド305の下部に配置されている。
吸引回復を行う場合には、記録ヘッド305をキャッピング機構307によりキャッピングした状態で、チューブポンプ(不図示)により、キャッピング機構307のバッファータンク(不図示)の内部を減圧する。これにより、記録ヘッド305のノズル内の増粘したインクをキャッピング機構307に吸引除去し、ノズル内をリフレッシュする。
加圧回復を行う場合には、記録ヘッド305をキャッピング機構307によりキャッピングした状態で、記録ヘッド305のノズル内を加圧する。これにより、ノズル内の増粘したインクをキャッピング機構307のキャップ内に加圧排出し、ノズル内をリフレッシュする。
ワイプ回復を行う場合には、ブレードモータ(不図示)によりブレード309を駆動させ、記録ヘッド305のノズルのフェイス面を払拭し、さらに加圧回復(予備吐出)を行う。これにより、ノズルのフェイス面がクリーニングされ、インク吐出口におけるメニスカスが整えられる。
なお、これらの回復動作によりキャッピング機構307に蓄積されたインクは、所定の量まで蓄積された段階で、チューブポンプ(不図示)により吸引され、廃インクタンク(不図示)に廃棄される。
[4−3]制御系:
次に、インクジェット記録装置の制御について説明する。
図7は、図6に示す記録装置の制御系のブロック構成図である。前記記録装置は、記録ヘッドを含む記録機構に加えて、CPU(中央処理装置)、USBインターフェース部、ROMなどの制御系部品を備えている。CPU401は、プログラムROM402に記憶されているプログラムを実行して、前記記録装置の各部を制御する。プログラムROM402には、前記記録装置を制御するプログラムやデータが格納される。前記記録装置の処理は、CPU401がプログラムROM402内のプログラムを読み出して実行することにより実現される。
コンピュータ装置308から出力された記録データは、前記記録装置のインターフェース・コントローラ403に入力される。記録媒体(ラベル)の枚数、種類及びサイズ等を指示するコマンドも、インターフェース・コントローラ403に入力され、解析される。CPU401は、これらのコマンドの解析の他、記録データの入力、記録動作、記録媒体のハンドリング等、記録装置全般の制御を司るための演算処理を実行する。前記演算処理は、プログラムROM402に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。前記プログラムは、後述する図8に示すフローチャートの手順に対応するプログラムを含む。また、CPU401の作業用のメモリとして、ワークRAM404が使用される。EEPROM405は書き換え可能な不揮発性メモリである。このEEPROM405には、前回の回復動作を実施した時刻、複数の記録ヘッドの相互の距離及び搬送方向における記録位置を微調整(縦方向のレジストレーション)するための補正値等、前記記録装置に固有のパラメータが記憶される。
より具体的には、CPU401は、入力されたコマンドを解析した後、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ406にビットマップ展開する。このデータに基づいて描画が行われる。
また、CPU401は、入出力回路407及びモータ駆動部408を介して、搬送モータ303、ロールモータ311、キャッピングモータ409、ヘッドモータ410及びポンプモータ418を制御する。キャッピングモータ409はキャッピング機構307を駆動するためのモータである。ヘッドモータ410は記録ヘッド305K、305Y、305M、305Cを移動させるためのモータである。ポンプモータ418はチューブポンプを駆動するためのモータである。
記録ヘッド305K、305Y、305M、305Cは、キャッピング位置、記録位置及び回復位置の間で移動される。キャッピング位置はキャッピング機構307によってキャッピングされる位置、記録位置は画像を記録するための位置、回復位置は回復動作を行うための位置である。
記録装置により画像を記録する際には、図6に示すように搬送モータ303により搬送ローラ302を駆動して、記録媒体301(図示の例ではラベル用紙)を一定の速度で搬送する。そして、ロータリーエンコーダ310によって記録媒体301の搬送速度や搬送量を検出する。図7に示す制御系においては、この一定速度で搬送される記録媒体に対する画像の記録タイミングを決定するために、用紙検知センサ304によってラベルの先端を検出する。用紙検知センサ304の検出信号は、入出力回路411を介してCPU401に入力される。搬送モータにより記録媒体が搬送されると、ロータリーエンコーダ(不図示)の信号に同期して、CPU401がイメージメモリ406から色毎のイメージデータを順次読み出す。前記イメージデータは、記録ヘッド制御回路412を介して、対応する記録ヘッド305K、305Y、305M、305Cのいずれかに転送される。これにより、記録ヘッド305K、305Y、305M、305Cが、前記イメージデータに基づいてインクを吐出する。
ポンプを駆動するためのポンプモータ413は、入出力回路407及びモータ駆動部408を介してその駆動を制御される。操作パネル414は入出力回路415を介してCPU401に接続される。また、前記記録装置の環境温度と環境湿度は温湿度センサ416によって検出され、A/Dコンバーター417を介してCPU401に入力される。
[4−4]回復シーケンス
環境温度が40℃以上となり、水が蒸発した場合には、記録ヘッドにインクの固着が発生しやすくなる。従って、記録ヘッドからヘッドキャップが外れたヘッドオープンの状態で、且つ、水分が蒸発した場合には記録ヘッドのフェイス面を回復する回復シーケンスを入れることが好ましい。
図8は、記録ヘッドの回復シーケンスの工程を示すフローチャートの一例である。
図8に示す回復シーケンスは、記録ヘッドがキャップから開放されたキャップオープンの条件(条件501)となると発動する。回復シーケンスが発動すると、温湿度センサにより記録装置の環境温度及び環境湿度が取得(検出)される(工程502)。
前記検出の結果、環境温度が40℃以上、環境湿度が70%以下であり(条件503)、且つ、前回の吸引回復からの累計時間が1時間以上となった場合(条件504)、回復シーケンスが実行される。すなわちノズル内のインクをリフレッシュするための予備吐出回復と、フェイス面を払拭しクリーニングするためのワイプ回復が行われる(工程505)。なお、図8では、前記予備吐出回復と前記ワイプ回復をまとめて「ワイプ回復」と示している。また、条件504は、吸引回復が行われた場合にはリセットされる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例の構成のみに限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」、「%」は特に断らない限り質量基準である。
[表面改質カーボンブラック分散液A]
市販のカーボンブラック「#900」(1次粒子径16nm、DBP吸油量56ml/100g、三菱化学社製)250gを、水1000mlによく混合、微分散した。その後、これに酸化剤である次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)600gを滴下して、100〜104℃で20時間撹拌して湿式酸化した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、水洗した。このウエットケーキを水10リットルに再分散し、電導度0.2mSまで逆浸透膜で脱塩した。更に、表面改質カーボンブラック濃度15質量%に濃縮して、表面改質カーボンブラック分散液Aを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液B]
市販のカーボンブラック「45L」(1次粒子径24nm、DBP吸油量45ml/100g、三菱化学社製)100gを、水1000mlによく混合、微分散した。その後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)300gを滴下して、100〜104℃で10時間撹拌して湿式酸化した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、水洗した。このウエットケーキを水5キロリットルに再分散し、電導度2mSまで逆浸透膜で脱塩した。更に、表面改質カーボンブラック濃度15質量%に濃縮して表面改質カーボンブラック分散液Bを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液C]
先に調製した際の表面改質カーボンブラック分散液Aの次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)の量を720gに変更したのみで、表面改質カーボンブラック分散液Aと同様にして、顔料濃度15質量%の表面改質カーボンブラック分散液Cを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液D]
先に調製した際の表面改質カーボンブラック分散液Aの次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)の量を800gに変更したのみで、表面改質カーボンブラック分散液Aと同様にして、顔料濃度15質量%の表面改質カーボンブラック分散液Dを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液E]
市販のカーボンブラック「カラーブラックFW1」(1次粒子径13nm、DBP吸油量170ml/100g、デグサ社製)500gを、水2000mlによく混合、微分散した。その後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)1200gを滴下して、100〜104℃で10時間撹拌して湿式酸化した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、水洗した。このウエットケーキを水10リットルに再分散し、電導度0.2mSまで逆浸透膜で脱塩した。更に表面改質カーボンブラック濃度15質量%に濃縮して、表面改質カーボンブラック分散液Eを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液F]
市販のカーボンブラック「#900」(1次粒子径16nm、DBP吸油量56ml/100g、三菱化学社製)250gを、水1000mlによく混合、微分散した。その後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)400gを滴下して、100〜104℃で20時間撹拌して湿式酸化した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、水洗した。このウエットケーキを水10リットルに再分散し、電導度0.2mSまで逆浸透膜で脱塩した。更に表面改質カーボンブラック濃度15質量%に濃縮して表面改質カーボンブラック分散液Fを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液G]
市販のカーボンブラック「#900」(1次粒子径16nm、DBP吸油量56ml/100g、三菱化学社製)250gを、水1000mlによく混合、微分散した。その後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)920gを滴下して、100〜104℃で20時間撹拌して湿式酸化した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、水洗した。このウエットケーキを水10リットルに再分散し、電導度0.2mSまで逆浸透膜で脱塩した。更に表面改質カーボンブラック濃度15質量%に濃縮して表面改質カーボンブラック分散液Gを得た。
[表面改質カーボンブラック分散液H]
市販のカーボンブラック「リーガル660R」(1次粒子径24nm、DBP吸油量60ml/100g、デグッサ社製)100gを、水1000mlによく混合、微分散した。その後、これに酸化剤である次亜塩素酸ソーダ(有効塩素酸塩濃度12%)300gを滴下して、100〜104℃で20時間撹拌して湿式酸化した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、水洗した。このウエットケーキを水10リットルに再分散し、電導度0.2mSまで逆浸透膜で脱塩した。更に、表面改質カーボンブラック濃度15質量%に濃縮して、表面改質カーボンブラック分散液Hを得た。
[実施例1〜7、比較例1〜5(インクの調製)]
表1−1及び表1−2にそれぞれ示した組成(合計:100部)となるように、先に調製した各表面改質カーボンブラック分散液(以下、「表面改質CB分散液」と呼ぶ場合がある)及び各成分を容器に投入し、プロペラ撹拌機を使用して30分以上撹拌した。その後、孔径1.2μmのフィルターで濾過して実施例1〜7、比較例1〜5のインクを調製した。なお、表中のAE100(商品名)は、川研ファインケミカル製のノニオン界面活性剤である。
また、上記のようにして調製した実施例及び比較例の各インクを構成するカーボンブラックの粒度分布を、先に述べた方法で測定した。これにより小粒径からの累積が50%となる点(d50)と、小粒径からの累積が90%となる点(d90)における粒径をそれぞれ求めた。表1−1及び表1−2中にそれぞれを示す。
Figure 2018028003
*1:酸化剤の有効Cl量は、原料のカーボンブラック(CB)100g当たりの有効塩素酸塩量で示した。
*2:溶剤中の()内はSP値を示す。
Figure 2018028003
*1:酸化剤の有効Cl量は、原料のカーボンブラック(CB)100g当たりの有効塩素酸塩量で示した。
*2:溶剤中の()内はSP値を示す。
(評価方法及び基準)
上記で得られたインクについて、以下の評価基準により評価した。その結果をそれぞれ表1に示した。
<沈降抑制性>
インク5gを試験管に投入し、4300Gの重力加速度で30分間遠心分離処理を行った。その上澄み液1gを秤量し、2000倍に希釈した。この液における550nmの波長における吸光度を測定した。同様に遠心分離処理前のインクを希釈し、吸光度を測定し、下記式(1)により沈降抑制率を算出した。そして、得られた沈降抑制率は、遠心分離によって沈降した粒子が少ないほど大きな値を示すことから、下記の基準で沈降抑制性を評価した。
沈降抑制率=(試験後の吸光度/試験前の吸光度)×100 ・・・(1)
○:沈降抑制率が70%以上
△:沈降抑制率が60−70%未満
×:沈降抑制率が60%未満
<保存安定性>
実施例及び比較例の各インクを60℃の環境下、密閉状態で1ヶ月保存した。保存後の前記インクの粒径を測定し、下記式(2)により粒径変化率を算出し、下記基準により、保存安定性を評価した。なお、粒径測定には、ナノ粒子粒度分布測定器(日機装社製「UPA−EX150」、体積粒度分布において小粒径からの累積が50%の積算値の値となる粒径)を使用し、体積粒度分布において小粒径からの累積が全体積の50%の積算値となる粒径を用いた。
粒径変化率(%)
={(試験後の粒径−試験前の粒径)/試験前の粒径}×100 ・・・(2)
○:粒径変化率(%)が5%以下
△:粒径変化率(%)が5−10%
×:粒径変化率(%)が10%超
<耐固着性>
実施例及び比較例の各インクを5μlのキャピラリー管に3μl注入し、60℃環境下に42時間放置する。42時間後にキャピラリー管を上下反転させて、流動性があるか確認する。
○:10分以内に流動する
△:30分以内に流動する
×:時間をかけても流動しない
[実施例7(インクジェット記録用ヘッド及びインクジェット記録装置の例)]
上記で調製した実施例1〜6の各インクを、それぞれ、サーマル方式でノズル列よりインクを吐出させて記録を行うライン型ヘッドに注入することで、インクジェット記録装置に搭載した。具体的には、インクジェット記録装置として、サーマル方式のインクジェット記録装置(キヤノンファインテック社製、商品名:「LXP5500」)を用いた。インクジェット記録ヘッドとしては、図1(a)〜図1(c)及び図2(a)〜図2(c)に示す構造のインクジェットヘッドを備えたものである、上記装置を使用した。そのスペックを表2に示した(4インチタイプ)。
Figure 2018028003
最表面の細孔半径が10nm程度にピークを有する白PETラベル(キヤノン社製)を記録媒体に用い、記録画像としてインク打込み量100%のベタ画像を形成した。上記のようにして、実施例の各インクを使用して画像形成を行った結果、いずれのインクの場合も目詰まりを起こさず、ベタ均一性の高い画像が印刷できた。また、インク吐出停止後の再操作性について、キャッピング操作後、1か月後に同様に画像形成操作を行ったところ、何ら支障が生じず、同様の画像形成を行うことができた。
同様に、記録ヘッドとして、図1(a)〜図1(c)及び図3〜図5(b)に示す構造のインクタンク及びインクジェットヘッドを備えたサーマル方式のインクジェット記録装置(キヤノンファインテック社製、商品名:「LXP1500」)を用いて印刷した。そのスペックを同様に前記表2に示した(2インチタイプ)。その場合も、実施例の各インクは、目詰まりを起こさず、ベタ均一性の高い画像が印刷できた。また、停止後の再操作性についても良好な結果を得た。
110:ベースプレート、111:ヒーター基板、112:共通液室、113:天板部材、114:電気配線基盤(PCB)、115:液体供給部材、116:液体供給ケース、117:液体供給ケースカバー、118:供給フィルター、119:排出フィルター、120:気液分離部、121:液面検知センサ、123:上限検知電極、124:グランド電極、125:下限検知電極、126:メイン液体供給室、127:液体供給口、129:メイン液体供給室傾斜、130:エア連通部、131:液体連通部、132:供給ジョイント、133:排出ジョイント、134:第一液体供給室、135:第二液体供給室、136:第二液体供給室開口、137:液体供給路、138:第二液体供給室傾斜、139:インク吐出口配列面、141:空気室、151:インク吐出口、152:ヒーター、153:ノズル壁、155:ノズルフィルター、157:ヒーター中心、159:ノズル流路、162:ノズル天板、164:ノズル底板、171:吐出口幅、172:吐出口高さ、181:ノズル前方部、182:ノズル後方部、220:記録ヘッド、220A:吐出口、221:インク室、222:インク供給部、223:フィルター部材、224:インク保持部材、224A:流路、225:開口部、226:フィルター、230:インクタンク、231:インク室、232:ジョイント部、233:負圧発生部、233−1:バネ、233−2:圧力板、234:フィルター、300:記録装置、301:記録媒体、302:搬送ローラ、303:搬送モータ、304:用紙検知センサ、305、305K、305Y、305M、305C:記録ヘッド、306:インクタンク、307:キャッピング機構、308:コンピュータ装置、309:ブレード、310:ロータリーエンコーダ、311:ロールモータ、401:CPU、402:プログラムROM、403:インターフェース・コントローラ、404:ワークRAM、405:EEPROM、406:イメージメモリ、407:入出力回路、408:モータ駆動部、409:キャッピングモータ、410:ヘッドモータ、411:入出力回路、412:記録ヘッド制御回路、413:ポンプモータ、414:操作パネル、415:入出力回路、416:温湿度センサ、417:A/Dコンバーター、418:ポンプモータ、501:キャップオープンの条件、502:環境温湿度取得工程、503:環境温度条件、504:前回回復操作からの経過時間条件、505:回復工程、I:インク。

Claims (9)

  1. 顔料と水と水溶性有機溶剤とを含有するインクジェット記録用インクであって、
    前記顔料が親水性表面を有する表面改質カーボンブラックであり、且つ、
    前記顔料のインク中における表面改質カーボンブラックの粒径が、動的光散乱法を用いて測定した体積粒度分布に基づき、小粒径からの累積が50%となる点(d50)で25〜40nmの範囲、小粒径からの累積が90%となる点(d90)で45〜70nmの範囲であり、
    前記インクの25℃における粘度が1.8〜5.0mPa・sの範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記表面改質カーボンブラックが、その表面にカルボキシル基またはその塩が結合して親水化されている請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記表面改質カーボンブラックが、1次粒径が10〜25nmの範囲である請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記水溶性有機溶剤として、Fedors法により求められる溶解性パラメーター(SP値)が13.0(cal/cm3)以上の有機溶剤を少なくとも一種以上含む請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記SP値13.0(cal/cm3)以上の水溶性有機溶剤が、グリセリン、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ビスヒドロキシエチルスルフォンからなる群から選択される少なくとも一種以上である請求項4に記載のインクジェット記録用インク。
  6. ノズル列よりインクを飛翔させて記録媒体に記録を行う工程を含み、
    前記記録媒体が5〜20nmの範囲に細孔半径を有し、
    前記インクが請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクである、
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 前記ノズル列当たりの解像度が600dpi以上、
    前記ノズル列の長さが5.08cm(2インチ)以上、
    各ノズルの開口面積が100〜350μm2である、
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクを収容したノズル列と、
    前記ノズル列より、前記インクをサーマル方式により吐出することを可能にするヒーターと、を備え
    前記ノズル列を構成している各ノズルの開口面積が100〜350μm2であり、
    前記ノズル列当たりの解像度が600dpi以上であり、
    前記ノズル列の長さが5.08cm(2インチ)以上であることを特徴とする、インクジェット記録用ヘッド。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクを収容したインク収容部と、
    請求項8に記載のインクジェット用記録ヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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