JP2943996B2 - ジスアゾ顔料の製造方法 - Google Patents

ジスアゾ顔料の製造方法

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JP2943996B2
JP2943996B2 JP9530002A JP53000297A JP2943996B2 JP 2943996 B2 JP2943996 B2 JP 2943996B2 JP 9530002 A JP9530002 A JP 9530002A JP 53000297 A JP53000297 A JP 53000297A JP 2943996 B2 JP2943996 B2 JP 2943996B2
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好美 菊池
等 巣鴨
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は黄色顔料として広く使用されているジスアゾ
顔料の製造方法に関する。さらに詳しくは製造工程中の
カップリング反応工程において、優れたカップリング反
応率を与えるジスアゾ顔料の製造方法、及びオフセット
インキ、グラビアインキ等の印刷インキで優れた透明
性、鮮明性、着色力、光沢を与えるジスアゾ顔料に関す
る。
背景技術 ジスアゾ顔料は塗料、印刷インキ、プラスチック着色
などに広く使用されている有用な黄色系顔料である。こ
れは、ベンジジン類のテトラゾ化物(以下、単に「テト
ラゾ」と記す)とカップラーと呼ばれるアセトアセトア
ニリド類とをカップリング反応させることにより得られ
る。カップリング反応は、カップラー粒子を分散させた
弱酸性の水性スラリー中にテトラゾ水溶液を注入するこ
とで行われる。
テトラゾは、化学的に不安定で、容易に分解、縮合す
る。これは特にアルカリ側では激しく、直ちに分解す
る。強酸性下ではかなり安定であるが、この領域ではカ
ップリング反応もほとんど進行しない。このためカップ
リングは弱酸性下で、かつ、注入したテトラゾが直ちに
すべてカップラーと反応するような条件下で行われる。
一方、カップラーはアルカリ側では良く溶解するもの
の、カップリング反応が行われる弱酸性下での、カップ
ラーの溶解性はかなり悪く、大部分は固体として存在す
る。
従って、カップリング反応はカップラー粒子を分散さ
せた弱酸性の水性スラリー中にテトラゾ水溶液を注入す
る固液反応として行われる。このため、カップラーの溶
解がなんらかの理由でうまく行かず、その結果、高い反
応率が得られず、またカップラーが未反応のまま顔料中
に残存する状態となることが多い。このような未反応の
まま残存したカップラーは、分解して芳香族アミンとな
り、環境上大きな問題となるばかりか、着色力の低下
等、顔料特性に悪影響を及ぼすことになる。
発明の開示 カップリング反応率の向上は収量の増加と未反応物の
減少とをもたらす。未反応物の減少は顔料としての鮮明
性や着色力を向上させるばかりではなく、その除去を容
易にし、またその分解生成物である芳香族アミンを減少
させる等の効果がある。従って、本発明は、カップリン
グ反応工程において、優れたカップリング反応率を与え
るジスアゾ顔料の製造方法を提供し、これにより、着色
剤として用いた場合に、優れた透明性、鮮明性、着色
力、光沢を与えるジスアゾ顔料を提供することを目的と
する。
カップリング反応率は、カップラーを微細にして、水
性スラリーによく分散させることによりこ向上させるこ
とができる。カップラー粒子の調製には種々の工夫がな
されている。例えば、アルカリ水溶液に溶解したカップ
ラーを酸水溶液中に注入し、再沈殿させて微細化する方
法や、サンドミルなどを用いカップラーを機械的に磨砕
して微細化する等の方法があり、このような微細化した
カップラー粒子を用いてカップリング反応を行う方法が
検討されている。また、カップラーを微細化するときあ
るいはカップリング反応を行うとき、系内に界面活性剤
を添加することもカップリング反応率の向上にある程度
の効果がある。
しかしながら、本発明者らは従来のカップリング法に
おいて、反応率の向上を目的として検討を重ねた結果、
このような反応方法では十分な反応率の向上を期待する
ことができないことが判った。すなわち、カップリング
工程の初期には弱酸性の水性スラリー中で溶解している
カップラーがカップリングすると考えられるが、カップ
リングの進行とともに、カップラーの溶解が間に合わな
くなり弱酸性の水性スラリー中に溶解しているカップラ
ーの量は減少する。従って、カップリング反応はカップ
ラー粒子の表面付近で起こるようになる。このような状
態で生成したカップリング生成物、すなわち顔料はカッ
プラー粒子表面を覆い、カップラーの溶解やカップリン
グ反応を妨げるようになる。この現象は、テトラゾの供
給が速すぎる場合やテトラゾが過剰に存在する場合に、
特に顕著に現れる。このような状態で反応を続行する
と、カップリング工程の末期には上述のように顔料で粒
子の周囲が被覆され、カップリング反応をすることがで
きないカップラーが残ることになり、結果的にカップリ
ング反応率を低下させることになると考えられる。これ
を避けるには、カップラーの微細化の他、テトラゾの注
入をゆっくり行うことも有効である。また、界面活性剤
等の添加により、カップラーの溶解を助けたり、生成し
た顔料のカップラー粒子への付着を防ぐ方法もある。さ
らに、機械的摩砕や溶剤等添加により顔料に被覆された
カップラーを強制的に溶解させる方法も考えられる。し
かし、これらの方法は効果があるものの、十分ではない
か、または、十分にするためにはかなりの費用や時間が
かかる、あるいは品質を損なう等の問題があり、現実に
工業的な製造に適用することはできないものであった。
本発明者らは、十分に高い反応率を得るために、さら
に鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
本発明は、バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液中に、下記
一般式(I)のカップラー成分を含むカップラー水溶液
とベンジジン類のテトラゾ成分を含むテトラゾ水溶液と
を、上記カップラー成分と上記テトラゾ化合物とのモル
比が2:0.8〜0.99となるように連続的に注入してカップ
リング反応させることを特徴とするジスアゾ顔料の製造
方法である。
一般式(I) (式中、X、Y、Zは、それぞれ独立してH、CH3、OCH
3、Clを表す) 更に本発明は、一般式(1)のカップラー成分とテト
ラゾ化合物とのモル比が2:0.9〜0.99である上記ジスア
ゾ顔料の製造方法である。
更に本発明は、カップラー水溶液の注入後、テトラゾ
水溶液だけを追加的に注入する上記ジスアゾ顔料の製造
方法である。
更に本発明は、酸性水溶液中にpH緩衝剤を存在させる
上記ジスアゾ顔料の製造方法である。
更に本発明は、酸性水溶液に界面活性剤を含有させる
上記ジスアゾ顔料の製造方法である。
更に本発明は、上記製造方法で得られたジスアゾ顔料
である。
発明を実施するための最良の形態 本発明の製造方法によれば、ジスアゾ顔料は、酸性水
溶液中にカップラー成分とテトラゾ成分とを並行して注
入し、酸性水溶液中でカップラー成分とテトラゾ成分と
をカップリングさせることにより製造される。
用いる酸性水溶液は、カップリング反応系をpH3〜6.5
の範囲、好ましくはpH3.5〜6.3に保つことができれば良
く、従来法のカップリングで使われる公知の酸の水溶液
でよい。上記pH領域の保持は、テトラゾの分解や縮合な
どの副反応を最小化するために必要であり、反応開始か
ら終了時まで上記pHの範囲に維持することが好ましい。
このためには、反応途中において酸あるいはアルカリを
断続的にあるいは連続的に添加することによっても良い
が、操作の容易さの面からはpH緩衝性のある水溶液系、
例えば、従来のカップリング反応で良く使われる酢酸−
酢酸ナトリウム系やギ酸−ギ酸ナトリウム系等の緩衝性
水溶液を用いると、pHの変動が少なく、pHの維持が容易
となり好ましいものとなる。
本発明で使用するテトラゾは、3,3′−ジクロロベン
ジジンや2,2′,5,5′−テトラクロロベンジジンや3,3′
−ジメトキシベンジジン、3,3′−ジスルホベンジジン
等のベンジジン類を公知の方法でテトラゾ化して得られ
るものでよく、酸性水溶液として調製する。
一般式(I)で表されるカップラーとしてはアセトア
セトアニリド類が使用されるが、その具体例としては、
アセトアセトアニリド、アセトアセト−o−トリイジ
ド、アセトアセト−m−キシリジド、アセトアセト−o
−アニシジド、、アセトアセト−p−アニシジド、アセ
トアセト−o−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−
ジメトキシ−4−クロロアニリド等がある。カップラー
は、水酸化ナトリウムのようなアルカリとともに溶解
し、アルカリ性水溶液として調製する。2種以上カップ
ラーの混合溶液でもよい。
バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液へのテトラゾ水溶液と
カップラー水溶液との注入は、別々の注入管を通し酸性
水溶液中に並行して行なう。テトラゾ水溶液とカップラ
ー水溶液とが直接に接触すると、カップラーの析出が起
きて固体となり、従来と同じ固液のカップリング反応と
なるため反応性が低下し、また副反応や生成顔料の色相
の汚れが生じ易い。これを避けるため、酸性水溶液を満
たしたバッチ式撹拌槽を備える反応器では、注入管出口
を互いに離した位置に設け、十分な撹拌を行い、確実に
テトラゾとカップラー成分とが酸性水溶液中で反応する
ようにすることが必要である。また、酸性水溶液を反応
器より抜き出して外部循環させ、この循環ラインのそれ
ぞれにテトラゾ水溶液とカップラー水溶液とを、あるい
は、一方を循環ラインに他方を反応器へ注入するように
しても良い。
カップラーとテトラゾの反応比率は、カップラー成分
とテトラゾとのモル比(「カップラー成分」:「テトラ
ゾ」)が2:0.8〜0.99、好ましくは2:0.9〜0.99となるよ
うに連続的に注入してカップリング反応を行う。テトラ
ゾの供給量がカップラーの供給量を越えないことが好ま
しい。こうすることで、テトラゾは酸性水溶液に注入
後、直ちに事実上全てがカップラー成分と反応し、未反
応のテトラゾが反応系内に残存しないようになる。その
結果、テトラゾの分解や縮合による副反応も防止させ
る。この注入比は、反応の全期間を通じて一定に保つ必
要はなく、注入の進行につれて変化させてもよい。ま
た、カップラー水溶液の注入開始をテトラゾ水溶液の注
入に先行させてもよい。さらに、テトラゾとカップラー
の注入と並行して、例えば、ロジン溶液のような他の物
質を注入し、生成した顔料粒子の表面を樹脂で覆うよう
にしても構わない。
以上のように、テトラゾとカップラー成分とを上記の
モル比で並行注入すると、注入終了時点で反応系内には
テトラゾは全く存在していないが、反応可能なカップラ
ー成分がすこし残っている状態となっている。そこで、
並行注入終了後、テトラゾのみを追加注入して、完全に
カップラー成分と反応させ、更にカップリング反応率を
高めることもできる。
カップラー水溶液の酸性水溶液への注入では、カップ
ラー水溶液を酸性水溶液と混合したとき、溶解していた
カップラー成分が析出しないような条件を選択する必要
がある。これは反応させるカップラーの種類やカップラ
ー水溶液の濃度、注入状態、酸性水溶液のpHや量など多
くの要因により変化するものではあるが、両成分のカッ
プリング反応速度、酸性水溶液中での拡散速度や溶解度
などを考慮し、また実験的にもカップラーの最適注入量
を定めることができる。
本発明では、このように定められたカップラーの注入
量に対して、注入されたテトラゾが直ちにカップリング
し、高反応率を得るという条件を満足させるために、反
応工程の全部もしくは大部分においてカップラー成分と
テトラゾとのモル比が2:0.8〜0.99となるようにテトラ
ゾの注入量を正確に制御する必要がある。カップリング
反応中のテトラゾとカップラーの化学反応量を上記比率
とするための注入比の制御は、両液の濃度調整および流
量調整によって行うことができ、これらの調整は公知の
一般的な方法で行うことができる。
流量比の制御は、定量ポンプよる方法や流量を検出し
てのフィードバック制御等の他に、反応系中の溶解した
カップラー濃度を検出しての制御もできる。また、溶解
したカップラー濃度を検出して両液の流量を制御する方
法は、原料溶液の細かな濃度調整が省略でき、またより
高反応率を得ることができる。酸性水溶液中に溶解した
カップラーの濃度は、例えば、紫外部吸光度やカップリ
ングによる発色などにより求めることができ、使用する
カップラーの種類により異なるが、例えば、アセトアセ
ト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリドの場合、一
般に、2×10-6〜2×10-4モル/1くらいの濃度に調整す
ることが高いカップリング反応率が得られるという点で
好ましい。
一方、注入するカップラー水溶液の濃度は0.1〜1モ
ル/1、テトラゾ水溶液の濃度は0.05〜0.8モル/1が操作
上、また経済上好ましい。
また、酸性水溶液に対するカップラー水溶液およびテ
トラゾ水溶液の1分間当りの注入量は、前述のように酸
性水溶液中でカップラー成分が析出しないような範囲で
決められる。カップラー成分が析出しないような範囲
は、酸性水溶液の種類やpH、量や撹拌状態、注入する位
置など種々の条件によって変化するものであり、注入量
は製造に要する時間や製造工程なども考慮して総合的に
決定される。すなわち、酸性水溶液に対するカップラー
水溶液の注入量が少なくなればなるほど、カップラー成
分の析出はなくなるが、反応系内の濃度が薄くなるため
顔料の製造に時間がかかるようになるが、一般に、重量
基準で1:10〜1:2000の範囲で行えば良い結果が得られ
る。
カップリング中の温度やpHの値などの反応条件および
この制御法は、従来のカップリング反応での公知の条件
値および制御法から選択され、本発明での制約はない。
pHや温度を時間あるいは注入量と共に変化させても、あ
るいは終始一定に保っても構わない。なお、本発明では
テトラゾの酸性水溶液とカップラーのアルカリ水溶液が
並行して注入されるので、これらの水溶液中の酸とアル
カリとが中和されるようにそれぞれの溶液や流量の調整
を行うことにより、初期のpHを最後まで保った状態でカ
ップリング反応を行うことが容易となる。
また、本発明で酸性水溶液に添加して使用する界面活
性剤としては、カップラーの溶解性あるいは過飽和状態
の安定性増加に効果があるものなら良く、カチオン、ア
ニオン、ノニオン、両性等の化学構造には無関係に多く
の界面活性剤が有効であり、費用や取扱いやすさ、得ら
れる顔料の品質等を考慮して選択する事ができる。この
ような界面活性剤の例としては、エマルゲン120(商品
名、花王株式会社製)、アロモックスDMC−W(商品
名、ライオン株式会社製)があげられる。添加する界面
活性剤の量は、少量でも効果があるが、ある程度多い方
が効果が大きい。界面活性剤を使用する場合は、必要と
される反応率の他、コスト、生成物の品質等も考慮して
決められ、一般的には有効成分として生成する顔料の0.
2〜10重量%の範囲で用いることかできる。
このようにして得られた、酸性水溶液中のジスアゾ顔
料は連続的に固液分離することにより反応系から取り出
すことも、また反応を終了させた後、バッチ式に固液分
離を行い反応系から回収することもできる。また、得ら
れたジスアゾ顔料の顔料特性を向上させるため、ロジン
処理など一連の処理を行い、顔料を製造することもでき
る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施
例中、部、%は重量部、重量%を表す。
A.ジスアゾ顔料の製造 (実施例1) 3,3′−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モルの
塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使って常法により
テトラゾ化し、10℃、0.125モル/1のテトラゾ水溶液を
調製した。一方、アセトアセトアニリド35.4部を水酸化
ナトリウム12部を含む水溶液に溶解し、25℃、0.259モ
ル/1のカップラー水溶液を調製した。また、酸性水溶液
として80%酢酸30gと水酸化ナトリウム8gと水とからな
る24℃、pH4.7の緩衝溶液500gを調製し、撹拌機を有す
る反応器に仕込んだ。このpH緩衝溶液中の互いに離れた
位置に出口を持つ2本の注入管をセットし、テトラゾ水
溶液とカップラー水溶液とをそれぞれの注入管を通して
pH緩衝溶液中に注入を行った。これらの溶液は同時に注
入を開始し、定量ポンプにより同じ体積流量(19.3ml/
分)で40分注入し、同時に注入を終了した。注入の間、
液面より採取した反応液からはテトラゾは検出されなか
った。この時点でのカップラー基準のカップリング反応
率は96.5%であった。その後、反応系内にテトラゾが極
僅か認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入した
結果、カップラー基準のカップリング反応率は98.6%で
あった。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる
発色反応を用いて行い、カップリング反応率は液体クロ
マトで分析して得た未反応カップラー量から求めた。
以後、常法に準じて、対色素10%のロジン処理(上述
のカップリングで得られたスラリーに苛性ソーダ水溶液
を加えpHを10.5に調整し、トール油系ロジンソープを固
形換算で6.3gを添加後、8%硫酸アルミニウム水溶液1
2.6gを加え、塩酸水溶液でpH6.5に調整する)を行い、7
0℃まで加熱後、濾過、精製し、85℃で乾燥して68.2gの
顔料を得た。
(比較例1) 3,3′−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モルの
塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使って常法により
テトラゾ化し、10℃、0.125モル/1のテトラゾ水溶液を
調製した。一方、アセトアセトアニリド35.4倍を水酸化
ナトリウム14.4倍を含む水溶液に溶解し、25℃、0.259
モル/1のカップラー水溶液を調製した。また、酸性水溶
液として80%酢酸30gと水とからなる酢酸溶液500gを調
製し、撹拌機を有する反応器に仕込んだ。この酢酸溶液
にカップラー水溶液を、19.3ml/分の流量で40分間注入
してカップラーを沈殿させた。このカップラースラリー
中に出口を持つ注入管をセットし、テトラゾ水溶液を1
8.4ml分の流速で注入を開始した。反応液面でテトラゾ
が僅かに検出されるまで、約40分を要して注入した。カ
ップリング反応率92.1%であった。以後、実施例1と同
様にロジン処理、加熱、濾過、精製、乾燥して63.7gの
顔料を得た。
(実施例2) アセトアセト−o−トルイジド38.2部を水酸化ナトリ
ウム12部を含む水溶液に溶解し、25℃、0.259モル/1の
カップラー水溶液を使用する以外は実施例1と同様にカ
ップリングを行った。その時点でのカップリング反応率
は96.5%であった。その後、反応系内にテトラゾが極僅
か認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入した結
果、カップリング反応率は98.5%であった。以後、70℃
まで加熱後、濾過、精製し、85℃で乾燥して64.7gの顔
料を得た。
(比較例2) アセトアセト−o−トルイジド38.2部を水酸化ナトリ
ウム12部を含む水溶液に溶解し、25℃、0.259モル/1の
カップラー水溶液を使用する以外は比較例1と同様にカ
ップリングを行った。カップリング反応率92.0%であっ
た。以後、70℃まで加熱後、濾過、精製し、85℃で乾燥
して60.4gの顔料を得た。
(実施例3) 3,3′−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モルの
塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使って常法により
テトラゾ化し、10℃、0.125モル/1のテトラゾ水溶液を
調製した。一方、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−4
−クロロアニリド54.3部を水酸化ナトリウム12部を含む
水溶液に溶解し、25℃、0.259モル/1のカップラー水溶
液を調製した。また、酸性水溶液として80%酢酸30gと
水酸化ナトリウム8g、ノニオン系界面活性剤アロモック
スDMC−W(商品名、ライオン株式会社製)有効成分換
算2.4gと水とからなる24℃、pH4.7の緩衝溶液500gを調
製し、撹拌機を有する反応器に仕込んだ。このpH緩衝溶
液中の互いに離れた位置に出口を持つ2本の注入管をセ
ットし、テトラゾ水溶液とカップラー水溶液をそれぞれ
の注入管を通してpH緩衝溶液中に注入を行った。これら
の溶液は同時に注入を開始し、定量ポンプにより同じ体
積流量(19.3ml/分)で40分注入し、同時に注入を終了
した。注入の間、液面より採取した反応液からはテトラ
ゾは検出されなかった。この時点でのカップリング反応
率は96.3%であった。その後、反応系内にテトラゾが極
僅か認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入した
結果、カップリング反応率は98.5%であった。以後、70
℃まで加熱後、濾過、精製し、85℃で乾燥して80.6gの
顔料を得た。
(実施例4) 使用する界面活性剤をノニオン系界面活性剤エマルゲ
ン120(商品名、花王株式会社製)とした以外は実施例
1と同様に実施した結果、カップリング反応率はそれぞ
れ、96.3%および97.3%であり、80.2gの顔料を得た。
(実施例5) 界面活性剤を2倍量使用し、カップラー水溶液の濃度
を0.252モル/1とした以外は実施例3と同様に実施し
た。並行注入の間、液面より採取した反応液からはテト
ラゾは検出されず、テトラゾ水溶液とカップラー水溶液
の並行注入終了後のカップリング反応率は99.2%、テト
ラゾ追加後のカップリング反応率は99.5%であり、81.2
gの顔料を得た。
(比較例3) 3,3′−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モルの
塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使って常法により
テトラゾ化し、10℃、0.125モル/1のテトラゾ水溶液を
調製した。一方、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−4
−クロロアニリド54.3部を水酸化ナトリウム14.4部を含
む水溶液に溶解し、25℃、0.259モル/1のカップラー水
溶液を調製した。また、酸性水溶液として80%酢酸30g
とノニオン系界面活性剤アロモックスDMC−W(商品
名、ライオン株式会社製)有効成分換算2.4gと水とから
なる酢酸溶液500gを調製し、撹拌機を有する反応器に仕
込んだ。この酢酸溶液にカップラー水溶液を19.3ml/分
の流量で40分間注入してカップラーを沈殿させた。この
カップラースラリー中に出口を持つ注入管をセットし、
テトラゾ水溶液を18.4ml/分の流速で注入を開始した。
反応液面でテトラゾが僅かに検出されるまで、約40分を
要して注入した。カップリング反応率は91.8%であっ
た。以後、70℃まで加熱後、濾過、精製し、80℃で乾燥
して73.1gの顔料を得た。
B.ジスアゾ顔料の評価 (実験例1) 実施例1、比較例1で得られた顔料のオフセットイン
キ試験を実施した。オフセットインキビヒクル80g、粉
砕した顔料20gを紙コップ中でプレミックス後、3本ロ
ールで練肉した。練肉後、ビヒクル、インキ溶剤、計10
gを加え、タックが6.0になるようにインキ調子を調整
し、濃色インキを得た。得られた濃色インクを用いて次
に示すような評価を行った。
1.透明性 各濃色インキをドローダウンし、色見本を作製した。
両者の色見本を目視したところ、実施例1の方が、透明
であった。
2.鮮明性および着色力 各濃色インキ0.2gを白インキ(酸化チタンを上記ビヒ
クルに分散して作製した)5.0gに混ぜて淡色インキを作
製した。得られた淡色インキをドローダウンし、色見本
を作製した。両者の色見本を目視で評価したところ、実
施例1の方が高鮮明、高着色力であった。
3.光沢 各濃色インキをアート紙にRIテスターで展色し、光沢
度計(UGV−5D、スガ試験機株式会社製)により60゜光
沢を測定した。その結果、比較例1が68.5%に対し、実
施例1は71.2%と高光沢であった。
(実験例2) 実施例2、比較例2で得られた顔料のグラビアインキ
試験を実施した。ニトロセルロースフレキソインキビヒ
クル90g、60メッシュ金網で粉砕した顔料10gを220mlの
ガラス瓶に入れ、3mmφのガラスビーズ100gを加えてレ
ッドデビル分散機で1時間分散した。得られたインキを
トリアセテートフィルムに展色し、色見本を作製した。
この色見本を用いて、実験例1と同様にして透明性、鮮
明性、着色力および光沢について評価した。その結果、
実施例2の顔料は比較例2の顔料に比べ、透明、高鮮
明、高濃度であった。また、60゜光沢は、比較例2が10
5.2%に対して、実施例2は121.5%と高光沢であった。
(実験例3) 実施例3、4、5および比較例3で得られた顔料中の
未反応カップラー量、及び芳香族アミン量を測定した。
顔料0.25gをTHF25mlに超音波分散し、遠心分離した上澄
み液を液体クロマトグラフで定性、定量した。また、各
顔料のグラビアインキ試験を実施した。インキの調製お
よび色見本の作製は実験例2と同様にして行った。
この色見本を用いて、実験例1と同様にして透明性、
鮮明性、着色力および光沢について評価した。結果を表
1に示す。
表1によれば、比較例3に比べ、実施例3から5で得
られた顔料は残存カップラー量、芳香族アミン量が少な
く、グラビア試験でも透明、高鮮明、高光沢、高着色力
であった。
以上のように、本発明によれば、バッチ式撹拌槽内の
酸性水溶液中に、テトラゾ水溶液とカップラー水溶液と
を化学量論的にほぼ等モルづつ連続的に注入してカップ
リング反応させることで、十分に高いカップリング反応
率を得ることができ、オフセットインキ、グラビアイン
キ等で透明性、鮮明性、着色力、光沢に優れた顔料が提
供される。
また、カップラーもほぼ溶解状態で反応にあずかるた
め、十分に高いカップラー反応率でカップリングするこ
とができ、その結果、芳香族アミン量が少ないジスアゾ
顔料が得られる。
本発明は、ここに記載の特定の具体例により本発明を
説明したが、これらの具体例は本発明の単なる例示であ
り、これにより本発明が態様の範囲に制限されるもので
はない。実際、本発明の思想と範囲から逸脱することな
く、種々の変更が可能であることは当業者に明らかであ
るが、そのような変更は添付の請求の範囲の範囲に含ま
れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 41/00 C09B 35/08 C09B 35/035 C09B 67/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液中に、下記
    一般式(I)で示されるカップラー成分を含むカップラ
    ー水溶液とベンジジン類のテトラゾ成分を含むテトラゾ
    水溶液とを、前記カップラー成分と前記テトラゾ化合物
    とのモル比が2:0.8〜0.99となるように連続的に注入し
    てカップリング反応させることを特徴とするジスアゾ顔
    料の製造方法。 一般式(I) (式中X、Y、Zは、それぞれ独立してH、CH3、OC
    H3、Clを表す)
  2. 【請求項2】前記カップラー成分と前記テトラゾ化合物
    とのモル比が2:0.9〜0.99である請求項1に記載のジス
    アゾ顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】前記カップラー成分と前記テトラゾ化合物
    とを連続的に注入した後、テトラゾ水溶液だけを追加的
    に注入する請求項1に記載のジスアゾ顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液中にpH
    緩衝剤を存在させる請求項1に記載のジスアゾ顔料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】酸性水溶液中に注入する前記カップラー水
    溶液の濃度が0.1〜1モル/1であり、前記テトラゾ水溶
    液の濃度が0.05〜0.8モル/1である請求項1に記載のジ
    スアゾ顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】前記酸性水溶液に対する前記カップラー水
    溶液および前記テトラゾ水溶液の1分間当りの注入量が
    重量基準で1:10〜2000である請求項1に記載のジスアゾ
    顔料の製造方法。
  7. 【請求項7】前記カップラー成分がアセトアセトアニリ
    ド、アセトアセト−o−トルイジト、アセトアセト−o
    −アニシジド、アセトアセト−p−アニシジド、アセト
    アセト−o−クロロアニリドからなる群から選ばれる少
    なくとも一種である請求項1に記載のジスアゾ顔料の製
    造方法。
  8. 【請求項8】前記カップラー成分がアセトアセト−2,5
    −ジメトキシ−4−クロロアニリドである請求項1に記
    載のジスアゾ顔料の製造方法。
  9. 【請求項9】前記バッチ式撹拌槽内の酸性水溶液が界面
    活性剤を含有する請求項1から請求項8のいずれかに記
    載のジスアゾ顔料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006028341A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd ジスアゾ顔料の製造方法及びジスアゾ顔料

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