JPH11305010A - 防眩フィルム、偏光素子及び表示装置 - Google Patents

防眩フィルム、偏光素子及び表示装置

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JPH11305010A
JPH11305010A JP11004880A JP488099A JPH11305010A JP H11305010 A JPH11305010 A JP H11305010A JP 11004880 A JP11004880 A JP 11004880A JP 488099 A JP488099 A JP 488099A JP H11305010 A JPH11305010 A JP H11305010A
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antiglare
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glare
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裕子 鈴木
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    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/111Anti-reflection coatings using layers comprising organic materials

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防眩フィルムをディスプレイパネルの表面に
取り付けたときのコントラストの低下を抑え、更に、面
ギラ、映り込み、白化を防止する。 【解決手段】 防眩フィルム10は、TAC等の透明基
材フィルム12に、透光性樹脂16に樹脂ビーズ等の透
光性拡散剤14を混ぜた塗料を塗工して、防眩層18を
形成し、更に、その表面にシリコン含有フッ化ビニリデ
ン共重合体等からなる低屈折率層20を積層してなり、
防眩層18の表面におけるヘイズ値が7〜30、防眩層
18内におけるヘイズ値が1〜15とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワードプロセッ
サ、コンピュータ、テレビジョン等の画像表示に用いる
CRT、液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表
面に用いて好適な、防眩フィルム、偏光素子及びこの防
眩フィルム又は偏光素子を用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなディスプレイにおいて、主
として内部から出射する光がディスプレイ表面で拡散す
ることなく直進すると、ディスプレイ表面を目視した場
合、眩しいために、内部から出射する光をある程度拡散
するための防眩フィルムをディスプレイ表面に設けてい
る。
【0003】この防眩フィルムは、例えば特開平6−1
8706号公報、特開平10−20103号公報等に開
示されるように、透明基材フィルムの表面に、二酸化ケ
イ素(シリカ)等のフィラーを含む樹脂を塗工して形成
したものである。
【0004】これらの防眩フィルムは、凝集性シリカ等
の粒子の凝集によって防眩層の表面に凹凸形状を形成す
るタイプ、塗膜の膜厚以上の粒径を有する有機フィラー
を樹脂中に添加して層表面に凹凸形状を形成するタイ
プ、あるいは層表面に凹凸をもったフィルムをラミネー
トして凹凸形状を転写するタイプがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の防
眩フィルムは、いずれのタイプでも、防眩層の表面形状
の作用により、光拡散・防眩作用を得るようにしてい
て、防眩性を高めるためには前記凹凸形状を大きくする
必要があるが、凹凸が大きくなると、塗膜の曇価(ヘイ
ズ値)が上昇し、これに伴い画像の鮮明性が低下すると
いう問題点がある。
【0006】上記に類似したものとして、微粒子を層内
部に分散して光分散効果を得るようにした光拡散フィル
ムが、例えば反射型液晶表示装置用として、照明学会研
究会誌MD−96−48(1996年)第277頁〜2
82頁に開示されている。
【0007】ここで用いられている内部散乱効果により
十分な光拡散効果を得るためには、用いている微粒子の
粒径を大きくしなければならず、このため、曇価の高い
ものの画像の鮮明性が非常に小さいという問題点があ
る。
【0008】又、ディスプレイ表面に前記光拡散フィル
ムのような内部散乱効果により光拡散効果を得るものを
防眩用として用いた場合には、その表面がほぼ平坦であ
るためディスプレイ表面への外光の写り込みを防止でき
ないという問題点もある。
【0009】更に又、上記従来のタイプの防眩フィルム
は、フィルム表面に、いわゆる面ぎら(シンチレーショ
ン)と呼ばれるキラキラ光る輝きが発生し、表示画面の
視認性が低下するという問題がある。
【0010】このような防眩フィルムの評価基準の一つ
としてヘイズ値があるが、表面のヘイズ値を低くする
と、いわゆる面ぎらと称されるギラつき感が強くなり、
これを解消しようとしてヘイズ値を高くすると、全体が
白っぽくなって黒濃度が低下し、これによりコントラス
トが低下してしまうという問題点がある。逆に、白っぽ
さを除くためにヘイズ値を低くすると、いわゆる映り込
みとギラつき感が増加してしまうという問題点がある。
【0011】この発明は、上記従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、ディスプレイ表面に取付けたと
き、コントラストの低下を抑えると共に面ギラ、写り込
み、白化を防止することができる防眩フィルム、これを
用いた偏光素子、及び、この防眩フィルム又は偏光素子
を用いた表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1のよ
うに、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、屈折
率の異なる透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる
防眩層を積層し、この防眩層の表面凹凸における表面ヘ
イズ値hsを7<hs<30、前記防眩層の内部拡散によ
る内部ヘイズ値hiを1<hi<15となるようにして、
上記目的を達成するものである。
【0013】又、前記防眩層の上に、更に、この防眩層
の屈折率より屈折率の低い低屈折率層を積層してもよ
い。
【0014】更に、前記低屈折率層を、シリコン含有フ
ッ化ビニリデン共重合体から形成してもよい。
【0015】又、前記シリコン含有フッ化ビニリデン共
重合体を、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピ
レンの共重合体であって、フッ素含有割合が60〜70
重量%であるフッ素含有共重合体と、エチレン性不飽和
基を有する重合性化合物との重合体としてもよい。
【0016】更に又、前記低屈折率層は、少なくとも前
記フッ素含有共重合体と前記エチレン性不飽和基を有す
る重合性化合物とから構成される塗膜を塗布後、活性エ
ネルギー線を照射又は加熱して形成されたものとしても
よい。
【0017】又、前記低屈折率層を、酸化ケイ素の膜か
ら形成すると共に、更にその上に防汚層を形成するよう
にしてもよい。
【0018】前記防眩フィルムにおける防眩層の表面凹
凸におけるヘイズ値hsと前記防眩層の内部拡散による
内部ヘイズ値hiとの和が30以下となるようにしても
よい。
【0019】又、前記防眩層における透光性樹脂と透光
性拡散剤との屈折率の差Δnを、0.01≦Δn≦0.
5とすると共に、透光性拡散剤の平均粒径dを、0.1
μm≦d≦5μmとしてもよい。
【0020】前記防眩フィルムにおける透光性樹脂を、
熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一
方とし、前記透光性拡散剤を有機系微粒子としてもよ
い。
【0021】又、前記有機系微粒子をスチレンビーズと
してもよい。
【0022】前記防眩フィルムにおける透明基材フィル
ムを、トリアセテートセルロースフィルム及びポリエチ
レンテレフタレートフィルムの一方から構成してもよ
い。
【0023】又、透明基材フィルムと防眩層との間に透
明導電性層を有し、かつ、防眩層中に導電材料が含有さ
れるようにしてもよい。
【0024】偏光素子に係る本発明は、請求項13のよ
うに、前記のいずれかの防眩フィルムと、この防眩フィ
ルムの前記透明基材フィルムにおける前記防眩層と反対
側の面に表面を向けて積層された偏光板と、を有してな
ることを特徴とする偏光素子により上記目的を達成する
ものである。
【0025】又、前記透明基材フィルムにおける前記防
眩層と反対側の表面及び前記防眩層の表面をケン化処理
した後、前記透明基材フィルムの表面に偏光板を積層し
てもよい。
【0026】表示装置に係る本発明は請求項15のよう
に、複数の画素を有し、各画素が光を透過又は光を反射
することにより、画像を形成する表示パネルと、この表
示パネルの表示面側に設けられた前記のいずれかの防眩
フィルムと、を有してなる表示装置により上記目的を達
成するものである。
【0027】又、本発明は、請求項16のように、複数
の画素を有し、各画素が発光又は光を反射することによ
り、画像を形成する表示パネルと、この表示パネルの表
示面側に設けられた上記のような偏光素子と、を有して
なる表示装置により上記目的を達成するものである。
【0028】この発明は、屈折率の異なる透光性拡散剤
を含有する透光性樹脂からなる防眩層を積層して防眩フ
ィルムを形成する場合、防眩層の表面凹凸における表面
ヘイズ値hsを7<hs<30、前記防眩層の内部拡散に
よる内部ヘイズ値hiを1<hi<15とすると、透光性
拡散剤の粒径を小さくし、且つ例えば液晶ディスプレイ
等における表示品位を良好以上にすることができるとい
う知見に基づくものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して詳細に説明する。
【0030】図1に示されるように、本発明の実施の形
態の第1例に係る防眩フィルム10は、透明基材フィル
ム12の一方の面(図において上面)に屈折率の異なる
透光性拡散剤14を含有する透光性樹脂16からなる防
眩層18を積層し、更に、その外側に低屈折率層20を
積層してなり、前記防眩層18の表面凹凸における表面
ヘイズ値hsが7<hs<30で、且つ、該防眩層18の
内部拡散による内部ヘイズ値hiが1<hi<15となる
ようにしたものである。
【0031】なお、低屈折率層20は反射防止作用を発
現する通常範囲の材質、膜厚であれば、防眩層18の表
面のヘイズ値にほとんど影響を与えない。
【0032】防眩層18の表面のヘイズ値は、低いほど
表示のボケを小さくして明瞭なディスプレイ表示を得る
ことができるが、ヘイズ値が低すぎると映り込み及び面
ギラが発生し、高すぎると白っぽくなり(白化;黒濃度
低下)、表面ヘイズ値hsは後述のように7<hs<30
が好ましく、7≦hs≦20が更に好ましく、7≦hs≦
15が最も好ましい。又、表面ヘイズ値hsを最適にし
ても内部ヘイズ値hiが低いと面ギラが発生し易いが、
防眩層18の内部ヘイズ値hiを好ましくは1<hi<1
5、更に好ましくは2≦hi<15、最も好ましくは3
≦hi≦12とすると面ギラを低下させることができ
た。又、防眩層18の表面及び内部の両ヘイズ値の和を
30以下にすると黒濃度(コントラスト)の低下を防止
することができた。
【0033】上述のように、本発明では、防眩層18に
おける表面の拡散と、内部の拡散を併用して、所定の効
果を得ているが、上記のような表面ヘイズ値hsと内部
ヘイズ値hiとの和を所定値にするよう、防眩層18を
形成することにより、更に大きな効果を得ることができ
る。この際、通常、防眩層18中に含有する微粒子によ
り樹脂層表面に適度な凹凸を設けることができ、これが
好ましい形態である。
【0034】又、透明基材フィルム12に対して、透光
性拡散剤14を混ぜた透光性樹脂16を塗布し、この塗
布層の上から、表面に、表面粗さRaが1.2μm以下
の微細な凹凸を形成された賦型フィルムを、該表面が前
記塗布層に接するようにラミネートし、次に、前記透光
性樹脂16が電子線あるいは紫外線硬化型樹脂の場合
は、これら電子線あるいは紫外線を賦型フィルムを介し
て照射し、又溶剤乾燥型樹脂の場合は加熱して硬化した
後、賦型フィルムを硬化した防眩層18から剥離するこ
とによっても、凹凸を形成することが可能である。
【0035】このようにすると、防眩層18は賦型フィ
ルムに予め形成されている表面粗さRa=1.2μm以
下の細かな凹凸が賦型される。
【0036】上記のようにするため、上記実施の形態の
例においては、防眩層18を構成する透光性樹脂16の
屈折率と透光性拡散剤14の屈折率の差Δnを0.01
≦Δn≦0.5とすると共に、拡散剤の平均粒径dを、
0.1μm≦d≦5μmとしている。
【0037】上記のように、屈折率差Δnが0.01以
上としたのは、0.01未満であると、防眩層18にお
ける光拡散性を発現するには非常に多くの拡散剤を透光
性樹脂中に含有させなければならず、このようにすると
防眩層18の透明基材フィルム12への接着性及び塗工
適性が悪化し、又Δnが0.5よりも大きい場合は、透
光性樹脂16中の透光性拡散剤14の含有量が少なく、
均一で適度な凹凸を持つ防眩層18が得られないからで
ある。
【0038】透光性拡散剤14の平均粒径dについて
は、これが0.1μm未満である場合、透光性拡散剤1
4の透光性樹脂16中への分散が困難となり、凝集が生
じて均一で適度な凹凸を持つ防眩層18を形成すること
ができず、又d>5μmの場合、防眩層18の内部にお
ける拡散効果が減少するため内部ヘイズ値が低下し面ギ
ラが発生してしまう。更に膜厚が厚くなるため透光性樹
脂16の製造過程における硬化収縮が増大し、割れやカ
ールを生じてしまう。
【0039】又、上記防眩層18の表面及び内部におけ
るヘイズ値を上記のようにしたのは、本発明者の実験に
よって得られた知見(後述の実施例及び表参照)に基づ
くものである。又、上記のようなヘイズ値は、具体的に
は、透光性拡散剤14と透光性樹脂16との比であるフ
ィラー/バインダー比、溶剤等を調整して得られる。
【0040】前記透明基材フィルム12の素材として
は、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや
透明ガラスがある。
【0041】透明樹脂フィルムとしては、トリアセテー
トセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフ
ィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポ
リエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィ
ルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィル
ム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィル
ム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロ
ニトリルフィルム等が使用できる。又、厚さは通常25
μm〜1000μm程度とする。
【0042】前記透明基材フィルム12には、液晶用途
としては、複屈折がないTACが、防眩フィルムと偏光
素子との積層を可能(後述)とし、更にその防眩フィル
ムを用いて表示品位の優れた表示装置を得ることができ
るので、特に好ましい。
【0043】又、防眩層18を、各種コーティング方法
によって塗工する場合の耐熱、耐溶剤性や機械強度等の
加工適性の面から、透明基材フィルム12としては、P
ETが特に望ましい。
【0044】前記防眩層18を形成する透光性樹脂16
としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹
脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹
脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂
の3種類が使用される。
【0045】電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成
分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するも
の、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエ
ーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタ
ジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコー
ル等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴ
マー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル
(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリ
ドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例え
ば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するもの
が使用できる。
【0046】更に、上記電離放射線硬化型樹脂組成物を
紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開
始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒ
ラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステ
ル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキ
サントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリ
エチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合し
て用いることができる。特に本発明では、オリゴマーと
してウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエ
リストリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合す
るのが好ましい。
【0047】更に、上記防眩層18を形成するための透
光性樹脂16として、上記のような電離放射線硬化型樹
脂に対して溶剤乾燥型樹脂を含ませてもよい。前記溶剤
乾燥型樹脂には、主として熱可塑性樹脂が用いられる。
電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥型熱可塑性樹
脂の種類は通常用いられるものが使用されるが、透明基
材フィルム12として特に前述のようなTAC等のセル
ロース系樹脂を用いるときには、電離放射線硬化型樹脂
に含ませる溶剤乾燥型樹脂には、ニトロセルロース、ア
セチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネー
ト、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
系樹脂が塗膜の密着性及び透明性の点で有利である。
【0048】その理由は、上記のセルロース系樹脂に溶
媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルム1
2であるポリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であ
るトルエンを用いるにも拘らず、透明基材フィルム12
にこの溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行っても、透
明基材フィルム12と塗膜樹脂との密着性を良好にする
ことができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルム
であるポリアセチルセルロースを溶解しないので、該透
明基材フィルム12の表面は白化せず、透明性が保たれ
るという利点があるからである。
【0049】更に、次のように、電離放射線硬化型樹脂
組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませる利点がある。
【0050】電離放射線硬化型樹脂組成物をメタリング
ロールを有するロールコータで透明基材フィルム12に
塗布する場合、メタリングロール表面の液状残留樹脂膜
が流動して経時で筋やムラ等になり、これらが塗布面に
再転移して塗布面に筋やムラ等の欠点を生じるが、上記
のように電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂
を含ませると、このような塗布面の塗膜欠陥を防ぐこと
ができる。
【0051】上記のような電離放射線硬化型樹脂組成物
の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物
の硬化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線
の照射によって硬化することができる。
【0052】KeVのエネルギーを有する電子線等が使
用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀
灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メ
タルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用
できる。
【0053】前記電離放射線硬化型樹脂に混合される熱
可塑性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹
脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用され、こ
れらの樹脂に必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化
剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用す
る。
【0054】前記防眩層18に含有させる透光性拡散剤
14としては、プラスチックビーズが好適であり、特に
透明度が高く、マトリックス樹脂(透光性樹脂16)と
の屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
【0055】プラスチックビーズとしては、スチレンビ
ーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.
57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル
−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネー
トビーズ、ポリエチレンビーズ、塩ビビーズ等が用いら
れる。これらのプラスチックビーズの粒径は、前述のよ
うに0.1〜5μmのものを適宜選択して用いる。上記
プラスチックビーズのうち、スチレンビーズが特に好ま
しく用いられる。
【0056】上記のような有機フィラーとしての透光性
拡散剤14を添加した場合には、樹脂組成物(透光性樹
脂16)中で有機フィラーが沈降し易いので、沈降防止
のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。な
お、無機フィラーは添加すればする程有機フィラーの沈
降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与え
る。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フ
ィラーを、透光性樹脂16に対して塗膜の透明性を損な
わない程度に、0.1重量%未満程度含ませると沈降を
防止することができる。
【0057】有機フィラーの沈降防止のための沈降防止
剤である無機フィラーを添加しない場合は、透明基材フ
ィルム12への塗布時に有機フィラーが底に沈澱してい
るので、よく掻き混ぜて均一にして使用すればよい。
【0058】ここで、一般に、電離放射線硬化型樹脂の
屈折率は約1.5で、ガラスと同程度であるが、前記透
光性拡散剤14の屈折率との比較において、用いる樹脂
の屈折率が低い場合には、該透光性樹脂16に、屈折率
の高い微粒子であるTi O2(屈折率;2.3〜2.
7)、Y2 O3 (屈折率;1.87)、La2 O3 (屈
折率;1.95)、ZrO2 (屈折率;2.05)、A
l2 O3 (屈折率;1.63)等を塗膜の拡散性を保持
できる程度に加えて、屈折率を上げて調整することがで
きる。
【0059】本発明において用いられる低屈折率層20
はシリコン含有フッ化ビニリデン共重合体からなり、具
体的には、フッ化ビニリデン30〜90重量%及びヘキ
サフルオロプロピレン5〜50重量%を含有するモノマ
ー組成物が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜7
0重量%であるフッ素含有共重合体100重量部と、エ
チレン性不飽和基を有する重合性化合物80〜150重
量部とからなる樹脂組成物であることを特徴とする。こ
の樹脂組成物を用いて、膜厚200nm以下の薄膜であ
って、且つ耐擦傷性が付与された屈折率1.60未満
(好ましくは1.45以下)の低屈折率層20を形成す
る。
【0060】この低屈折率層20に用いられる前記フッ
素含有共重合体は、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロ
プロピレンとを含有するモノマー組成物を共重合するこ
とによって得られる共重合体であり、当該モノマー組成
物における各成分の割合は、フッ化ビニリデンが30〜
90重量%、好ましくは40〜80重量%、特に好まし
くは40〜70重量%であり、又ヘキサフルオロプロピ
レンが5〜50重量%、好ましくは10〜50重量%、
特に好ましくは15〜45重量%である。このモノマー
組成物は、更にテトラフルオロエチレンを0〜40重量
%、好ましくは0〜35重量%、特に好ましくは10〜
30重量%含有するものであってもよい。
【0061】又、このフッ素含有共重合体を得るための
モノマー組成物は、本発明の目的及び効果が損なわれな
い範囲において、他の共重合体成分が、例えば、20重
量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有され
たものであってもよい。ここに、当該他の共重合成分の
具体例として、例えばフルオロエチレン、トリフルオロ
エチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジク
ロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモー3,
3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモー3,3−
ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロ
ピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフ
ルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等の
フッ素原子を有する重合性モノマーを挙げることができ
る。
【0062】このようなモノマー組成物から得られるフ
ッ素含有共重合体は、そのフッ素含有割合が60〜70
重量%であることが必要であり、好ましいフッ素含有割
合は62〜70重量%、特に好ましくは64〜68重量
%である。
【0063】このフッ素含有重合体は、特にそのフッ素
含有割合が上述の特定の範囲であることにより、後述の
溶剤に対して良好な溶解性を有する。又、このようなフ
ッ素含有重合体を成分として含有することにより、種々
の基材に対して優れた密着性を有し、高い透明性と低い
屈折率を有すると共に十分に優れた機械的強度を有する
薄膜を形成するので、基材の表面の耐傷性等の機械的特
性を十分に高いものとすることができ、極めて好適であ
る。
【0064】このフッ素含有共重合体は、その分子量が
ポリスチレン換算数平均分子量で5000〜20000
0、特に10000〜100000であることが好まし
い。このような大きさの分子量を有するフッ素含有共重
合体を用いることにより、得られるフッ素系樹脂組成物
の粘度が好適な大きさとなり、従って、確実に好適な塗
布性を有するフッ素系樹脂組成物とすることができる。
【0065】更に、フッ素含有共重合体は、それ自体の
屈折率が1.45以下、特に1.42以下、更に1.4
0以下であるものが好ましい。屈折率が1.45を越え
るフッ素含有共重合体を用いた場合には、得られるフッ
素系塗料により形成される薄膜が反射防止効果の小さい
ものとなる場合がある。
【0066】本発明において用いられる重合性化合物
は、光重合開始剤の存在下又は非存在下で活性エネルギ
ー線が照射されることにより、又は熱重合開始剤の存在
下で加熱されることにより、付加重合を生ずるエチレン
性不飽和基を有する化合物である。
【0067】このような重合性化合物の具体例として
は、例えば、前述の特開平8−94806号に挙げるも
のを使用することができる。
【0068】これらの化合物のうち、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン
変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
トが特に好ましい。
【0069】用いる重合性化合物が、エチレン性不飽和
基を1分子中に3個以上含有するものである場合には、
得られるフッ素系樹脂組成物は、特に、基材に対する密
着性及び基材の表面の耐傷性等の機械的特性が極めて良
好な薄膜を形成するものとなる。
【0070】重合性化合物の使用量は、フッ素含有共重
合体100重量部に対して30〜150重量部、好まし
くは35〜100重量部、特に好ましくは40〜70重
量部である。
【0071】この重合性化合物の使用割合が過小である
と、得られる塗料によって形成される薄膜は、基材に対
する密着性が低いものとなり、一方、使用割合が過大で
あると、形成される薄膜は屈折率の高いものとなって良
好な反射防止効果を得ることが困難となる。
【0072】前記フッ素系樹脂組成物においては、フッ
素含有共重合体及び重合性化合物を含む重合体形成成分
の合計量におけるフッ素含有割合が30〜55重量%、
特に35〜50重量%であることが好ましい。このよう
な条件が満足される場合には、本発明の目的及び効果を
更に十分に達成する薄膜を確実に形成することができ
る。フッ素含有割合が過大であるフッ素系樹脂組成物に
よって形成される薄膜は、基材に対する密着性が低いも
のとなる傾向と共に、基材の表面の耐傷性等の機械的特
性が若干低下するものとなり、一方、フッ素含有割合が
過小であるフッ素系樹脂組成物により形成される薄膜
は、屈折率が大きいものとなって反射防止効果が低下す
る傾向が生じる。
【0073】本発明の低屈折率層20は、シリコン含有
フッ化ビニリデン重合体からなり、シリコン及びフッ素
が表面の防汚性、耐傷性を向上させ、又、シリコンが、
後述のケン化処理後における低屈折率層20の物性の劣
化を抑制することができる。
【0074】前記防眩フィルム10においては、低屈折
率層20が、フッ化ビニリデン30〜90重量%及びヘ
キサフルオロプロピレン5〜50重量%を含有するモノ
マー組成物が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜
70重量%であるフッ素含有共重合体100重量部と、
エチレン性不飽和基を有する重合性化合物30〜150
重量部からなる樹脂組成物を用いて形成されているの
で、特に、そのフッ素含有共重合体中においてヘキサフ
ルオロプロピレン5〜50重量%のモノマー成分を含ん
でいるので、この樹脂組成物の塗布により形成される低
屈折率層において、1.45以下の低屈折率を実現する
ことができ、又、特に、そのフッ素含有共重合体中にお
いてフッ化ビニリデン80〜90重量%のモノマー成分
を含んでいるため、得られる樹脂組成物の溶剤溶解性が
増し、塗布適性が良好となり、その膜厚を反射防止に適
した200nm以下の薄膜とすることができる。更に、
塗布される樹脂組成物中に、エチレン性不飽和基を有す
る重合性化合物30〜150重量部が含まれているた
め、得られる塗膜は耐擦傷性の機械的強度の優れたもの
となる。又、各樹脂成分は透明性が高いため、これらの
成分を含有した樹脂組成物を用いて形成された低屈折率
層20は、透明性に優れている。
【0075】前記防眩フィルム10では、接する空気か
らその内部に至るまで、空気層(屈折率1.0)、低屈
折率層20(屈折率1.60未満、好ましくは1.45
以下)、防眩層18(屈折率1.50以上)、透明基材
フィルム12(防眩層18より低くあるいはほぼ同様の
屈折率)となっているので、効率のよい反射防止を行う
ことができる。防眩層18の屈折率が透明基材フィルム
12の屈折率よりも高く構成されることが望ましく、こ
のような場合には、透明基材フィルム12と防眩層18
との間の界面における反射を防止する効果が更に付加さ
れる。
【0076】前記低屈折率層20に使用される溶剤は、
当該フッ素系樹脂組成物の塗布性及び形成される薄膜の
基材に対する密着性の点から、760ヘクトパスカルの
圧力下における沸点が50〜200℃の範囲内のものが
好ましい。
【0077】このような溶剤の具体例としては、例えば
アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチル
エチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、
ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル。
酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸ア
ミル、酢酸イソアミル、酢酸第二アミル、プロピオン酸
メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチ
ル、乳酸メチル等のケトン類又はカルボン酸エステル類
よりなる溶剤を挙げることができる。これらの溶剤は単
一でも2成分以上の混合物でもよく、更に上記に例示し
たもの以外の溶剤を、樹脂組成物の性能が損なわれない
範囲で加えることもできる。
【0078】溶剤の使用量は、フッ素含有共重合体と重
合性化合物との合計量100重量部に対して、通常20
0〜10000重量部、好ましくは1000〜1000
0重量部、特に好ましくは1200〜4000重量部で
ある。
【0079】溶剤の使用量をこの範囲とすることによ
り、フッ素系樹脂組成物の粘度の大きさを、樹脂組成物
として好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(2
5℃)、特に0.7〜3cps(25℃)の範囲のもの
とすることが容易であり、その結果、当該フッ素系樹脂
組成物により、可視光線の反射防止膜として実用上好適
な均一で塗布ムラのない厚さ100〜200nmの薄膜
を容易に形成することができ、しかも基材に対する密着
性が特に優れた薄膜を形成することができる。
【0080】本発明の光学機能性フィルムに使用される
フッ素系樹脂組成物は、含有される重合性化合物のエチ
レン性不飽和基が重合反応することによって硬化するも
のであり、従って、当該樹脂組成物が塗布されて形成さ
れた塗膜に対し、当該重合性化合物を重合反応させる硬
化処理が施されて固体状の薄膜が形成される。
【0081】このような硬化処理の手段として、当該フ
ッ素系樹脂組成物の塗膜に活性エネルギー線を照射する
手段、又は塗膜を加熱する手段が利用され、これによ
り、本発明が目的とする硬化状態の薄膜を確実に且つ容
易に形成することができるので、実際上極めて有利であ
り、薄膜形成操作の点においても便利である。
【0082】本発明の光学機能性フィルムに使用される
フッ素系樹脂組成物を活性エネルギー線の照射によって
硬化処理する場合において、活性エネルギー線として電
子線を用いるときは、当該フッ素系樹脂組成物には特に
重合開始剤を添加することなしに、所期の硬化処理を行
うことができる。
【0083】又、硬化処理のための活性エネルギー線と
して、紫外線あるいは可視光線の如き光線を用いる場合
には、当該活性エネルギー線の照射を受けて分解して、
例えばラジカルを発生し、それによって重合性化合物の
重合反応を開始させる光重合開始剤がフッ素系樹脂組成
物に添加される。
【0084】このような光重合開始剤の具体例は、前述
の特開平8−94806号に開示されているが、1−ヒ
ドロキシルシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル
−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリ
ノプロバン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−
〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルロ
チル)−1−ブタノン等が好ましい。
【0085】更に、硬化処理のために加熱手段が利用さ
れる場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して
重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素
系樹脂組成物に添加される。
【0086】熱重合開始剤の具体例としては、例えばベ
ンゾイルパーオキサイト、tert−ブチル−オキシベ
ンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、アセチルパ
ーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、tert−ブ
チルパーアセテート、クミルパーオキサイド、tert
−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることが
できる。
【0087】前記フッ素系樹脂組成物における光重合開
始剤又は熱重合開始剤の添加量は、フッ素含有共重合体
と重合性化合物との合計100重量部に対し、通常、
0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部、特に好
ましくは1〜3重量部である。この添加量が10重量部
を越えると、樹脂組成物の取り扱い並びに形成される薄
膜の機械的強度等に悪影響を及ぼすことがあり、一方、
添加量が0.5重量部未満では硬化速度が小さいものと
なる。
【0088】前記フッ素系樹脂組成物には、必要に応じ
て、本発明の目的及び効果が損なわれない範囲におい
て、各種添加剤、例えば、トリエタノールアミン、メチ
ルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルア
ミン等のアミン系化合物から成る増感剤、もしくは重合
促進剤;エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレ
ン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエ
ンスチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹
脂、ケトン樹脂、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフ
ィド系オリゴマー等のポリマー、あるいはオリゴマー;
フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェノール等の重合禁止剤;その他にレベリング
剤、漏れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、シランカップリング剤、無機充填剤、樹脂粒子、顔
料、染料等を配合することができる。
【0089】なお、上記では、低屈折率層について、そ
の反射防止効果を説明したが、低屈折率層には黒濃度を
良好として高コントラストとする効果もあり、好ましい
形態は前述と同様である。
【0090】前記低屈折率層20の形成方法は、他の一
般的な薄膜成形手段、例えば真空蒸着法、スパッタリン
グ法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング
法、電気めっき法等の適宜な手段であってもよく、例え
ば前記以外の反射防止塗料の塗膜、膜厚0.1μm程度
のMgF2 等の極薄膜や金属蒸着膜、あるいはSiOx
やMgF2 の蒸着膜により形成してもよい。
【0091】なお、前述の如く、選択された低屈折率層
20の材料の屈折率に対して、(1)式を充足する屈折
率の透光性樹脂16が得られない場合は、この透光性樹
脂中に、前述のような屈折率の高いTiO2 等の微粒子
を加えて、屈折率を上げて調整する。
【0092】なお、上記図1の防眩フィルム10は、低
屈折率層を設けたものであるが、本発明はこれに限定さ
れるものでなく、図2に示される実施の形態の第2例の
防眩フィルム10Aのように、低屈折率層を設けないよ
うにしてもよい。
【0093】又、図3に示される実施の形態の第3例の
防眩フィルム10Bのように低屈折率層20、粘着層2
2、セパレータ24を設けるようにしてもよい。
【0094】前記透明基材フィルム12の防眩層18と
反対側に設けられている粘着層22は、防眩フィルム1
0を例えば液晶パネルに取り付ける場合に用いるもので
あり、セパレータ24を剥離した露出した粘着層22
を、液晶パネル等に押し付けることによって、防眩フィ
ルム10を取り付けることができる。
【0095】又、図4に示される実施の形態の第4例の
防眩フィルム10Cのように、透明基材フィルム12と
防眩層18との間に、透明導電性層26を設け、更に、
防眩層18中に更に導電材料27を含有するように構成
することにより、帯電防止性能を付与することができ
る。この帯電防止性能は透明導電性層を設けることによ
って、本発明の各実施の形態の例における全ての防眩フ
ィルム(後述の偏光素子、表示装置における防眩フィル
ムを含む)に付与できる。
【0096】透明導電性層26は、導電性微粒子を樹脂
組成物に分散したものであり、導電性微粒子としては、
例えばアンチモンドープのインジウム・ティンオキサン
ド(以下、ATOと記載する)やインジウム・ティンオ
キサンド(ITO)、金及び/又はニッケルで表面処理
した有機化合物微粒子等を、樹脂組成物としては、アル
キッド樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メ
タ)アクリレート(以下本明細書では、アクリレートと
メタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載す
る)等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈
剤を比較的多量に含むものが使用できる。
【0097】防眩層18に含有させる導電材料27とし
ては、金及び(又は)ニッケルで表面処理をした粒子を
使用することができる。このような表面処理をする前の
粒子は、シリカ、カーボンブラック、金属粒子及び樹脂
粒子からなる群から選ぶことができる。
【0098】前記図2〜4の防眩フィルム10A、10
B、10Cにおいて、他の構成は前記防眩フィルム10
におけると同一であるので、同一部分には同一符号を付
して説明を省略する。
【0099】次に図5に示される偏光素子に係る本発明
の実施の形態の第1例について説明する。
【0100】図5に示されるように、この実施の形態の
例に係る偏光素子30は、前記防眩フィルム10と同様
の防眩フィルム10Dと、この防眩フィルム10Dで透
明基材フィルムであるTACフィルム34Aの防眩層1
8と反対側の面に積層された偏光膜32と、を有してい
る。この偏光膜32はポリビニルアルコール(PVA)
にヨウ素や染料を加え延伸したフィルムからなってい
る。
【0101】更に、前記偏光膜32の図5において下側
には、TACフィルム34Bが設けられている。
【0102】このTACフィルム34Bと前記TACフ
ィルム34Aとで偏光膜32を挟持した状態で、偏光板
40が構成されている。
【0103】これら透明基材となるTACは複屈折がな
く偏光が乱されないので、偏光素子となるPVA及びP
VA+ヨウ素フィルムと積層しても、偏光が乱されな
い。従って、このような偏光素子30を用いて表示品位
の優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0104】上記のような偏光膜32を構成する偏光材
料としては、上記のPVAフィルムの他に、ポリビニル
ホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、
エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等から
も構成され得る。
【0105】更に、前記偏光素子30から、図6に示さ
れるように、低屈折率層を除いた偏光素子30A、ある
いは、図7に示されるように、低屈折率層20、粘着層
22、セパレータ24を設けた偏光素子30Bとしても
よい。
【0106】なお、偏光膜32とTACフィルム34
A、34Bとを積層するにあたっては、接着性の増加及
び静電防止のために、前記TACフィルムにケン化処理
を行うとよい。このようなケン化によってTACフィル
ム34A、34Bの表面が親水性化してPVAフィルム
に対する接着性が向上する。
【0107】TACフィルムにケン化処理を行うと、前
記低屈折率層20の材料として例えばSiOxの薄膜を
用いる場合、防汚性及び耐ケン化性の点で問題となる
が、この場合は、光防眩層18をケン化処理した後、S
iOx真空蒸着あるいはスパッタリング等により低屈折
率層20を形成し、その上に防汚材料の層を形成すると
よい。
【0108】次に、図8〜図10に示されている本発明
に係る表示装置を液晶表示装置に適用した場合の実施の
形態の例について説明する。
【0109】図8に示される液晶表示装置70は、偏光
素子30と、液晶パネル74と、偏光板50とを、この
順で積層すると共に、偏光板50側の背面にバックライ
ト78を配置した透過型の液晶表示装置である。偏光板
50としては、通常の液晶表示装置で用いられる偏光板
を用いることができる。
【0110】図9は、本発明を適用した、外付け反射板
タイプの反射型液晶表示装置80である。この液晶表示
装置80においては、前記液晶表示装置70におけるバ
ックライトに代えて、偏光板50に密着して反射板82
を配置したものである。
【0111】図10は、本発明を適用した内部反射電極
タイプの反射型液晶表示装置90を示す。この液晶表示
装置90においては、液晶パネル74、液晶セル92内
に反射板の電極を兼ねる反射電極94を配置したもので
あり、図10の液晶表示装置80における偏光板50及
び反射板82は設けられていない。
【0112】前記液晶表示装置70、80、90におけ
る液晶パネル74で使用される液晶モードとしては、ツ
イストネマティックタイプ(TN)、スーパーツイスト
ネマティックタイプ(STN)、ゲスト−ホストタイプ
(GH)、相転移タイプ(PC)、高分子分散タイプ
(PDLC)等のいずれであってもよい。
【0113】又、液晶の駆動モードとしては、単純マト
リックスタイプ、アクティブマトリックスタイプのどち
らでもよく、アクティブマトリックスタイプの場合で
は、TFT、MIM等の駆動方式が取られる。
【0114】更に、液晶パネル74は、カラータイプあ
るいはモノクロタイプのいずれであってもよい。
【0115】更に又、本発明は液晶表示装置以外の表示
装置、例えばプラズマ表示装置、CRT表示装置にも適
用されるものである。
【0116】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【0117】表1に、本発明による実施例1〜6及び比
較のために従来技術による比較例1〜10の防眩フィル
ムを観察した結果及び低屈折率層(実施例3〜6、比較
例6〜10は低屈折率層なし)の耐ケン化性の評価を示
す。なお、実施例7(後述)は表1に記載されていな
い。
【0118】
【表1】
【0119】この表1から、表面ヘイズ値が小さい場合
は反射率が大きく、映り込みも大きく、又内部ヘイズ値
が小さいと面ギラが発生し易いということが分かる。
【0120】又、表面ヘイズ値が大きい場合、この表面
ヘイズ値と内部ヘイズ値との和が大きい場合は黒濃度が
低下し、白っぽくなることが分かる。黒濃度が低下すれ
ばコントラストが低下する。
【0121】上記表1の例及び本発明者による他の実験
の結果、防眩層の表面ヘイズ値hsが7<hs<30、内
部ヘイズ値hiが1<hi<15とした場合に、面ギラ、
映り込みがなく、更に黒濃度が良好となり、高コントラ
ストとなった。
【0122】更に又、表面ヘイズ値と内部ヘイズ値との
和が30を越える場合は、黒濃度が低下し、白っぽくな
ることが確認された。
【0123】又、低屈折率層を表面に設けることにより
黒濃度を良好とし高コントラストであり、且つ、反射防
止効果も得られる。
【0124】前記実施例1及び2の実施条件は、表2に
示される。
【0125】
【表2】
【0126】表2におけるPETAはペンタエリスリト
ールトリアクリレート、CAPはセルロースアセテート
プロピオネート、又表2において10%CAPは、酢酸
エチルで希釈した状態でポリマー含有率が10%という
ことである。10%シリコン含有フッ化ビニリデン及び
10%DPHAにおける「10%」も同様である。
【0127】又、DPHAはジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートであり、これを希釈するための溶剤M
IBKは、メチルイソブチルケトンを示す。
【0128】又、P/Vは、フィラー/バインダーを示
し、スチレンビーズペースト(商品名SX−130H)
は、スチレンビーズとPETAが4:6のペーストを意
味し、ビーズ含有量は40%である。
【0129】又、表1において、接触角とは、前記低屈
折率層の表面における水滴の接線と低屈折率層の表面と
の角度、初期スチールウール及び耐ケン化性におけるス
チールウールとは、低屈折率層表面におけるハードコー
ト性を確認するものであり、#0000のスチールウー
ルを用い、200g荷重で20回表面を擦り、表面の疵
の有無及び光学特性の変化を見るものである。
【0130】又、ケン化テストは、防眩フィルムを60
℃のアルカリ溶液(2NのNaOH)に1分間浸漬した
後に取り出して、洗浄水で水洗してから行う。
【0131】又、表1において、ヘイズ値は、村上色彩
技術研究所の製品番号HR−100の測定器により測定
し、反射率は、島津製作所製の分光反射率測定機MPC
−3100で測定し、波長380〜780nm光での平
均反射率をとった。
【0132】又、接触角は、純水を用い、エルマ社製の
接触角測定機Model G1で測定した。
【0133】又、面ギラの評価は、バックライト(HA
KUBA製LIGHTBOX45)上に、千鳥格子配置
のカラーフィルター(ピッチ150μm)を設置し、カ
ラーフィルター表面から160μm離れた位置に、防眩
フィルム処理面を上に向けて貼着し、面ギラ状態を目視
で評価した。
【0134】前記黒濃度の評価は、防眩フィルムの裏面
に黒い絶縁ビニールテープ(ヤマト製、幅37.5m
m)を貼って試験片とし、蛍光灯下でフィルム表面を観
察した。更に、この試験片をKollmorgen Instrumen
ts Corporation製のマクベスRD918で測定した。
同様に裏面に黒いビニールテープを貼った透明基材フィ
ルムを測定し、この値を基準、即ち黒濃度100%(例
えばTACの場合は2.28)とし、これに対し試験片
の測定値が85%以上である場合を良好とした。
【0135】又、映り込みについては、防眩フィルムを
偏光板に貼り、クロスニコルでバックを黒くして蛍光灯
の映り込みの有無を見た。
【0136】実施例1及び2における防眩フィルムの製
造方法は、次の如くである。
【0137】まず、表2の条件で得られた防眩層の材料
をTAC基材上に塗布し、60℃で1分間乾燥後、UV
光(紫外線)を90mJ照射してハーフキュアし、膜厚
3〜4μm/m2 の防眩層を作成する。
【0138】次に、上記得られた防眩層の上に表2に示
される低屈折率層の材料を塗布し、80℃で1分間乾燥
後、窒素パージ下においてUV光500mJ照射して、
前記防眩層と共に完全にキュアする。このとき、低屈折
率層の膜厚は0.1μm/m2 である。
【0139】ここで、上記防眩層における表面ヘイズ値
及び内部ヘイズ値は、主として表2におけるP/V比、
P及びVの屈折率差、溶剤の種類等により適宜選定する
ことができる。
【0140】次に、実施例3について説明する。
【0141】実施例3は、実施例1と同様の防眩層を形
成し、これをケン化処理後、低屈折率層として、SiO
2 膜を蒸着により膜厚0.1μmで形成し、更にその上
から防汚層を設けたものである。SiO2 の蒸着条件
は、真空度4×10-5Torr、電圧8KV、電流20
〜40mAである。
【0142】又、防汚層は、フッ素系溶剤PF5080
(商品名;3M製)により0.007%に希釈したKP
−801M(商品名;信越化学製)を塗布し、80℃で
1分間乾燥し、膜厚約5nmの防汚層を形成したもので
ある。
【0143】実施例4〜6は、実施例1〜3での低屈折
率層を省略したものであり、従ってケン化処理はない。
【0144】次に実施例7について説明する。
【0145】表1には記載されていないが、図4のよう
に、透明導電性層26と、導電材料27を設けた実施例
7についての製造方法について述べる。
【0146】まず、透明導電性層の材料をTAC基材上
に膜厚2μm/m2となるようにコーティングし、70
℃で1分間乾燥後、窒素パージ下でUV(紫外)光54
mJを照射してハーフキュアする。透明導電性層の材料
はDA−12(ATO含有導電インキ:住友大阪セメン
ト製)を用いた。次に、この透明導電性層の上に防眩層
の材料を膜厚3〜4μm/m2となるようにコーティン
グし、60℃で1分間乾燥後、窒素パージ下でUV光9
0mJを照射してハーフキュアする。防眩層の材料は、
実施例1で用いた材料に導電材料ブライトGNR4,6
−EH(金−ニッケルコート樹脂ビーズ:日本化学工業
製)を0.005g加えたものを用いた。更に、この防
眩層の上に表2に示される低屈折率層の材料を塗布し、
80℃で1分間乾燥後、窒素パージ下でUV光500m
Jを照射して、前記透明導電性層及び防眩層と共に完全
にキュアする。
【0147】比較例1は、防眩層の材料として表2に示
されるPETAを2.27g、ビーズを粒径1μm、屈
折率n=1.45のシリカビーズ0.2gとし、他の条
件は前記実施例2と同一とした。
【0148】又、比較例1における低屈折率層は、前記
実施例2と同一とし、且つ製造方法も、実施例1及び2
と同一とした。
【0149】次に、比較例2について説明する。
【0150】比較例2は、前記表2におけると同様のP
ETAを13.50g、スチレンビーズペーストは実施
例1と同一、10%CAPは13.3g、溶剤(トルエ
ン、酢酸ブチル、イソブチルアルコール)は36.8
g、光硬化開始剤は実施例1、2と同一のものを0.3
99gとした。
【0151】又、低屈折率層については、実施例1と同
一条件、製造方法は、実施例1、2と同一である。
【0152】次に、比較例3について説明する。
【0153】比較例3における防眩層の材料は、実施例
1と同様のPETAを10g、10%CAPを5g、溶
剤(トルエン、酢酸ブチル、イソブチルアルコール)を
20g、実施例1と同様の光硬化開始剤を0.3gとし
た。
【0154】又、賦型フィルムとしてマットPET(商
品名E130;ダイヤホイル製)を用い、低屈折率層の
材料は実施例1と同一とした。
【0155】製造方法は、まず、防眩層の材料をTAC
基材上に、膜厚3〜4μm/m2 となるようにコーティ
ングし、前記マットPETとラミネートした後、UV光
150mJでハーフキュアする。
【0156】次に、前記マットPETを剥離し、防眩層
に微細な凹凸を形成した上、低屈折率層材料を膜厚0.
1μm/m2 となるようにコーティングし、80℃で1
分間乾燥後、窒素パージ下でUV光500mJを照射し
て前記防眩層と共に完全にキュアする。
【0157】次に、比較例4について説明する。
【0158】比較例4は、前記実施例2のうちの防眩層
の溶剤を酢酸エチル、アノンに変更したものであり、他
の条件は全て実施例1と同一である。
【0159】次に、比較例5について説明する。
【0160】比較例5は、防眩層材料について、実施例
1における溶剤をMIBKのみに変更した他は、実施例
1と同一であり、低屈折率層、製造方法についても実施
例1と同一とした。
【0161】比較例6〜10は、比較例1〜5における
低屈折率層を取除いたものである。
【0162】次に、表3に示される実施例2と比較例1
1におけるケン化の効果の比較について説明する。
【0163】
【表3】
【0164】比較例11における防眩層は、前記実施例
2と同一条件であり、低屈折率層は、シリコンを含有し
ないフッ素系低屈折率ポリマー(品番、TM005;J
SR)を用い、製法は実施例1、2と同様である。実施
例2は低屈折率層にシリコン含有のフッ素系低屈折率ポ
リマーを用いており、表3からも分るように、両者でケ
ン化後のハード性に明らかな差を生じる。
【0165】表4は、実施例7の帯電防止性能を実施例
1と比較したものである。表4から、実施例7の他の性
能は実施例1と同等であり、且つ、表面抵抗値(Ω/
□)が小さな値となっていることが分かる。
【0166】
【表4】
【0167】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、デ
ィスプレイパネルの表面に取り付けたとき、コントラス
トの低下を抑え、更に、面ギラ、映り込み、白化を防止
することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例に係る防眩フィル
ムを示す断面図
【図2】同第2例に係る防眩フィルムを示す断面図
【図3】同第3例に係る防眩フィルムを示す断面図
【図4】同第4例に係る防眩フィルムを示す断面図
【図5】偏光素子に係る本発明の実施の形態の第1例を
示す断面図
【図6】同第2例に係る偏光素子を示す断面図
【図7】同第3例に係る偏光素子を示す断面図
【図8】本発明の表示装置を液晶表示装置とした場合の
実施の形態の第1例を示す断面図
【図9】同第2例を示す断面図
【図10】同第3例を示す断面図
【符号の説明】 10、10A、10B、10C、10D…防眩フィルム 12…透明基材フィルム 14…透光性拡散剤 16…透光性樹脂 18…防眩層 20…低屈折率層 22…粘着層 26…透明導電性層 27…導電材料 30、30A、30B…偏光素子 32…偏光膜 34A、34B…TACフィルム 40、50…偏光板 70、80、90…液晶表示装置 74…液晶パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1335 G02F 1/1335 // B29K 1:00 67:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材フィルムの少なくとも一方の面
    に、屈折率の異なる透光性拡散剤を含有する透光性樹脂
    からなる防眩層を積層し、この防眩層の表面凹凸におけ
    る表面ヘイズ値hsを7<hs<30、前記防眩層の内部
    拡散による内部ヘイズ値hiを1<hi<15としたこと
    を特徴とする防眩フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記防眩層の上に、更
    に、この防眩層の屈折率より屈折率の低い低屈折率層を
    積層してなることを特徴とする防眩フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記低屈折率層
    を、シリコン含有フッ化ビニリデン共重合体から形成し
    たことを特徴とする防眩フィルム。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記シリコン含有フッ
    化ビニリデン共重合体が、フッ化ビニリデン及びヘキサ
    フルオロプロピレンの共重合体であって、フッ素含有割
    合が60〜70重量%であるフッ素含有共重合体と、エ
    チレン性不飽和基を有する重合性化合物との重合体であ
    ることを特徴とする防眩フィルム。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記低屈折率層は、少
    なくとも前記フッ素含有共重合体と前記エチレン性不飽
    和基を有する重合性化合物とから構成される塗膜を塗布
    後、活性エネルギー線を照射又は加熱して形成されたも
    のであることを特徴とする防眩フィルム。
  6. 【請求項6】請求項2乃至5のいずれかにおいて、前記
    低屈折率層を、酸化ケイ素の膜から形成すると共に、更
    にその上に防汚層を形成したことを特徴とする防眩フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記
    防眩層の表面凹凸におけるヘイズ値hsと前記防眩層の
    内部拡散による内部ヘイズ値hiとの和が30以下とな
    るようにしたことを特徴とする防眩フィルム。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記
    防眩層における透光性樹脂と透光性拡散剤との屈折率の
    差Δnを、0.01≦Δn≦0.5とすると共に、透光
    性拡散剤の平均粒径dを、0.1μm≦d≦5μmとし
    たことを特徴とする防眩フィルム。
  9. 【請求項9】請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記
    透光性樹脂が、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化型樹脂
    の少なくとも一方であり、前記透光性拡散剤が有機系微
    粒子であることを特徴とする防眩フィルム。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記有機系微粒子が
    スチレンビーズであることを特徴とする防眩フィルム。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記透明基材フィルムを、トリアセテートセルロースフ
    ィルム及びポリエチレンテレフタレートフィルムの一方
    から構成したことを特徴とする防眩フィルム。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    透明基材フィルムと防眩層との間に透明導電性層を有
    し、かつ、防眩層中に導電材料が含有されたことを特徴
    とする防眩フィルム。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれかの防眩フィ
    ルムと、この防眩フィルムの前記透明基材フィルムにお
    ける前記防眩層と反対側の面に表面を向けて積層された
    偏光板と、を有してなることを特徴とする偏光素子。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記透明基材フィ
    ルムにおける前記防眩層と反対側の表面及び前記防眩層
    の表面をケン化処理した後、前記透明基材フィルムの表
    面に偏光板を積層して構成されたことを特徴とする偏光
    素子。
  15. 【請求項15】複数の画素を有し、各画素が光を透過又
    は光を反射することにより、画像を形成する表示パネル
    と、この表示パネルの表示面側に設けられた請求項1乃
    至12のいずれかの防眩フィルムと、を有してなる表示
    装置。
  16. 【請求項16】複数の画素を有し、各画素が光を透過又
    は光を反射することにより、画像を形成する表示パネル
    と、この表示パネルの表示面側に設けられた請求項13
    又は14の偏光素子と、を有してなる表示装置。
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