JPH11326608A - 防眩フィルム、偏光フィルム及び透過型表示装置 - Google Patents

防眩フィルム、偏光フィルム及び透過型表示装置

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JPH11326608A
JPH11326608A JP12549498A JP12549498A JPH11326608A JP H11326608 A JPH11326608 A JP H11326608A JP 12549498 A JP12549498 A JP 12549498A JP 12549498 A JP12549498 A JP 12549498A JP H11326608 A JPH11326608 A JP H11326608A
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JP
Japan
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film
resin
light
transmitting
glare
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JP12549498A
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English (en)
Inventor
Norinaga Nakamura
典永 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防眩フィルムにおいて透過鮮明度を高く維持
しつつ、表面のぎらつきを防止する。 【解決手段】 防眩フィルム10は、透明基材フィルム
12と防眩層18を積層してなり、防眩層18は透光性
樹脂14中に、粒径が0.5〜5μm、透光性樹脂との
屈折率の差が0.02〜0.2である透光性微粒子16
を、透光性樹脂100重量部に対して、3以上、30未
満重量部で配合して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータ、
ワードプロセッサ、テレビジョン等の画像表示に用いる
CRT、液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表
面に設ける防眩フィルム、この防眩フィルムを用いた偏
光フィルム及び透過型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなディスプレイにおいて、主
として内部から出射する光がディスプレイ表面で拡散す
ることなく直進すると、ディスプレイ表面を目視した場
合、眩しいために、内部から出射する光をある程度拡散
するための防眩フィルムをディスプレイ表面に設けてい
る。
【0003】この防眩フィルムは、例えば特開平6−1
8706号公報、特開平10−20103号公報等に開
示されるように、透明基材フィルムの表面に、二酸化ケ
イ素(シリカ)等のフィラーを含む樹脂を塗工して形成
したものである。
【0004】これらの防眩フィルムは、凝集性シリカ等
の粒子の凝集によって防眩層の表面に凹凸形状を形成す
るタイプ、塗膜の膜厚以上の粒径を有する有機フィラー
を樹脂中に添加して層表面に凹凸形状を形成するタイ
プ、あるいは層表面に凹凸をもったフィルムをラミネー
トして凹凸形状を転写するタイプがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の防
眩フィルムは、いずれのタイプでも、防眩層の表面形状
のみの作用により、光拡散・防眩作用を得られるように
していて、防眩性を高めるためには前記凹凸形状を大き
くする必要があるが、凹凸が大きくなると、塗膜の曇価
(ヘイズ値)が上昇し、これに伴い透過鮮明度が低下す
るという問題点がある。
【0006】上記に類似したものとして、微粒子を層内
部に分散して光拡散効果を得るようにした光拡散フィル
ムがあるが、ここで用いられている微粒子により十分な
光拡散効果を得るためには、その粒径を大きくしなけれ
ばならず、このため、曇価が高いものの透過鮮明度が非
常に小さいという問題点がある。
【0007】更に又、上記従来のタイプの防眩フィルム
は、フィルム表面に、いわゆる面ぎら(シンチレーショ
ン)と呼ばれるキラキラ光る輝きが発生し、表示面の視
認性が低下するという問題点がある。
【0008】この発明は、上記従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、拡散・防眩性を低下させることな
く、透過鮮明度を向上し、且つシンチレーションを低下
させることができるようにした防眩フィルム、この防眩
フィルムを用いた偏光板及び透過型表示装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、請求項1の
ように、少なくとも透明基材フィルムと、透光性樹脂中
に少なくとも1種類の透光性微粒子を含む防眩層と、を
積層してなり、前記透光性微粒子は、粒径が0.5〜5
μm、前記透光性樹脂との屈折率の差が0.02〜0.
2であり、且つ、前記透光性樹脂100重量部に対し
て、3以上、30未満重量部で配合されたことを特徴と
する防眩フィルムにより、上記目的を達成するものであ
る。
【0010】前記防眩層は、曇価10%以上、40%未
満、透過鮮明度50以上であり、且つ、透過光を正面か
ら観測した輝度ばらつきが0.3V未満としてもよい。
【0011】又、前記防眩層に、5重量部以下の凝集性
シリカの微粒子を含むようにしてもよい。
【0012】更に又、前記透光性樹脂は、電離放射線硬
化型樹脂としてもよい。
【0013】又、前記透明基材フィルムを、トリアセチ
ルセルロースフィルムとしてもよい。
【0014】偏光板に係る発明は、請求項6のように、
偏光素子と、この偏光素子の表面に、透明基材における
前記防眩層と反対側の面を向けて積層された上記のよう
な防眩フィルムと、を有して構成することにより、上記
目的を達成するものである。
【0015】更に、透過型表示装置の発明は、請求項7
のように、平面状の透光性表示体と、この透光性表示体
を背面から照射する光源装置と、前記透光性表示体の表
面に積層された上記のような防眩フィルムと、を有して
透過型表示体を構成し、上記目的を達成するものであ
る。
【0016】この発明においては、防眩層を構成する透
光性樹脂と、これに含まれる透光性微粒子の屈折率の差
を0.02〜0.2とすることによって、拡散・防眩性
を低下させることなく、透過鮮明度を向上させている。
又、この場合、曇価を高くして面ぎら(輝度ばらつき)
を低減させても、透過鮮明度を高く維持することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の例を図
面を参照して詳細に説明する。
【0018】本発明の実施の形態の例に係る防眩フィル
ム10は、図1に示されるように、透明基材フィルム1
2と、透光性樹脂14中に透光性微粒子16を含む防眩
層18と、を積層してなり、前記透光性微粒子16は、
粒径が0.5〜5μm、前記透光性樹脂14との屈折率
の差が0.02〜0.2であり、且つ、前記透光性樹脂
14が100重量部に対して、3以上、30未満重量部
で配合されている。
【0019】前記透明基材フィルム12は、トリアセチ
ルセルロースフィルム等の樹脂フィルムであり、透光性
樹脂14は、透明基材フィルム12に塗布後に硬化する
ことができる、例えば紫外線硬化型樹脂(屈折率1.5
1)からなり、前記透光性微粒子16は、透光性樹脂、
例えばスチレンビーズ(屈折率1.60)から構成され
ている。
【0020】前記透光性微粒子16と透光性樹脂14と
の屈折率の差を0.02以上としたのは、屈折率差が
0.02未満の場合は、両者の屈折率の差が小さすぎ
て、光拡散効果を得られず、又屈折率差が0.2よりも
大きい場合は、光拡散性が高すぎて、フィルム全体が白
化してしまうからである。なお、前記屈折率差は、0.
04以上、0.1以下が最も良い。
【0021】前記透光性微粒子16の粒径を0.5μm
以上としたのは、0.5μm未満の場合、透光性樹脂1
4に添加すべき透光性微粒子16の添加量を非常に大き
くしないと光拡散効果が得られず、又、防眩層18の表
面における凹凸も形成されず、防眩効果が得られないか
らである。又、透光性微粒子16の粒径を5μm以下と
したのは、粒径が5μmを超えるときは、防眩層18の
表面形状が粗くなり、ヘイズ値が高くなってしまうから
である。なお、理想的には、透光性微粒子16の直径は
1μm以上、4μm以下である。
【0022】更に、透光性微粒子16の、透光性樹脂1
4に対する添加量は、これを30重量部未満とした場合
に光拡散効果が得られず、5重量部以上とした場合にフ
ィルム全体が白化してしまう。なお、透光性微粒子16
の添加量は、理想的には透光性樹脂14を100重量部
とした場合、5重量部以上、20重量部以下である。
【0023】上記のようにすると、フィラーである透光
性微粒子16と透光性樹脂14との僅かな屈折率差によ
り、フィルム全体を白化したりすることなく、高い透過
鮮明度を維持した状態で、拡散効果により防眩フィルム
10内を透過する光を平均化することができる。
【0024】このため、フィルムの曇価が高い場合で
も、透過鮮明度を低下させることなく、表面のぎらつき
を防止することができ、又、曇価が低い場合(ヘイズ値
20以下)でも、更に高い透過鮮明度を維持した状態で
面のぎらつきを防止することができる。
【0025】なお、上記面のぎらつきは、フィルム表面
の輝度ばらつきに基づく光の明暗である。従って、フィ
ルム表面における輝度のばらつきを測定することによっ
て、面のぎらつきを測定することができる。
【0026】前記透明基材フィルム12の素材として
は、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや
透明ガラスがある。
【0027】透明樹脂フィルムとしては、トリアセテー
トセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフ
ィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポ
リエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィ
ルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィル
ム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィル
ム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロ
ニトリルフィルム等が使用できる。又、厚さは通常25
μm〜1000μm程度とする。
【0028】前記透明基材フィルム12としては、複屈
折がないTACが、防眩フィルムを偏光素子と積層して
偏光板を作成することが可能(後述)であり、更にその
偏光板を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得るこ
とができるので、特に好ましい。
【0029】又、防眩層18を、各種コーティング方法
によって塗工する場合の耐熱、耐溶剤性や機械強度等の
加工適性の面から、透明基材フィルム12としては、P
ETが特に望ましい。
【0030】前記防眩層18を形成する透光性樹脂14
としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹
脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹
脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂
の3種類が使用される。
【0031】電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成
分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するも
の、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエ
ーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタ
ジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコー
ル等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴ
マー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル
(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリ
ドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例え
ば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するもの
が使用できる。
【0032】更に、上記電離放射線硬化型樹脂組成物を
紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開
始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒ
ラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステ
ル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキ
サントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリ
エチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合し
て用いることができる。特に本発明では、オリゴマーと
してウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエ
リストリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合す
るのが好ましい。
【0033】更に、上記防眩層18を形成するための透
光性樹脂14として、上記のような電離放射線硬化型樹
脂に対して溶剤乾燥型樹脂を含ませてもよい。前記溶剤
乾燥型樹脂には、主として熱可塑性樹脂が用いられる。
電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥型熱可塑性樹
脂の種類は通常用いられるものが使用されるが、透明基
材フィルム12として特に前述のようなTAC等のセル
ロース系樹脂を用いるときには、電離放射線硬化型樹脂
に含ませる溶剤乾燥型樹脂には、ニトロセルロース、ア
セチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネー
ト、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
系樹脂が塗膜の密着性及び透明性の点で有利である。
【0034】その理由は、上記のセルロース系樹脂に溶
媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルム1
2であるポリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であ
るトルエンを用いるにも拘らず、透明基材フィルム12
にこの溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行っても、透
明基材フィルム12と塗膜樹脂との密着性を良好にする
ことができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルム
であるポリアセチルセルロースを溶解しないので、該透
明基材フィルム12の表面は白化せず、透明性が保たれ
るという利点があるからである。
【0035】更に、次のように、電離放射線硬化型樹脂
組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませる利点がある。
【0036】電離放射線硬化型樹脂組成物をメタリング
ロールを有するロールコータで透明基材フィルム12に
塗布する場合、メタリングロール表面の液状残留樹脂膜
が流動して経時で筋やムラ等になり、これらが塗布面に
再転移して塗布面に筋やムラ等の欠点を生じるが、上記
のように電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂
を含ませると、このような塗布面の塗膜欠陥を防ぐこと
ができる。
【0037】上記のような電離放射線硬化型樹脂組成物
の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物
の硬化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線
の照射によって硬化することができる。
【0038】例えば、電子線硬化の場合には、コックロ
フトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コ
ア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の
各種電子線加速機から放出される50〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有
する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キ
セノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発す
る紫外線等が利用できる。
【0039】前記電離放射線硬化型樹脂に混合される熱
可塑性樹脂としては、セノール樹脂、尿素樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹
脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用され、こ
れらの樹脂に必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化
剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用す
る。
【0040】前記防眩層18に含有させる透光性微粒子
16としては、プラスチックビーズが好適であり、特に
透明度が高く、マトリックス樹脂(透光性樹脂14)と
の屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
【0041】プラスチックビーズとしては、メラミンビ
ーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.
49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.5
4)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、
ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等が用いられる。これ
らのプラスチックビーズの粒径は、前述のように0.5
〜5μmのものを適宜選択して用いる。
【0042】上記のような有機フィラーとしての透光性
微粒子16を添加した場合には、樹脂組成物(透光性樹
脂14)中で有機フィラーが沈降し易いので、沈降防止
のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。な
お、無機フィラーは添加すればする程有機フィラーの沈
降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与え
る。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フ
ィラーを、透光性樹脂16に対して塗膜の透明性を損な
わない程度に、0.1重量%未満程度含ませると沈降を
防止することができる。
【0043】有機フィラーの沈降防止のための沈降防止
剤である無機フィラーを添加しない場合は、透明基材フ
ィルム12への塗布時に有機フィラーが底に沈澱してい
るので、よく掻き混ぜて均一にして使用すればよい。
【0044】ここで、一般に、電離放射線硬化型樹脂の
屈折率は約1.5で、ガラスと同程度であるが、前記透
光性微粒子の屈折率との比較において、用いる樹脂の屈
折率が低い場合には、該透光性樹脂14に、屈折率の高
い微粒子であるTi O2 (屈折率;2.3〜2.7)、
Y2 O3 (屈折率;1.87)、La2 O3 (屈折率;
1.95)、ZrO2 (屈折率;2.05)、Al2 O
3 (屈折率;1.63)等を塗膜の拡散性を保持できる
程度に加えて、屈折率を上げて調整することができる。
【0045】次に、前記透明基材フィルム12の面に、
防眩層18を形成する過程について図2を参照して説明
する。
【0046】図2(A)の透明基材フィルム12に対し
て、図2(B)のように、透光性微粒子16を混ぜた透
光性樹脂14を塗布し、この塗布層の上から、表面に微
細な凹凸を形成された賦型フィルム19を、該表面が前
記塗布層に接するようにラミネートし(図2(C)参
照)、次に、前記透光性樹脂14が電子線あるいは紫外
線硬化型樹脂の場合は、これら電子線あるいは紫外線を
賦型フィルム19を介して照射し、又溶剤乾燥型樹脂の
場合は加熱して硬化した後、賦型フィルム19を硬化し
た防眩層18から剥離する。
【0047】このようにすると、防眩層18は全体とし
て平滑な状態となり、且つ賦型フィルム19に予め形成
されている細かな凹凸が賦型される。
【0048】従って、透光性微粒子16を混合した液状
の透光性樹脂14を単に塗布した場合と比較して、拡散
層18のその面をより平滑にすることができる。
【0049】次に図3に示される本発明にかかる偏光板
の実施の形態の例について説明する。
【0050】図2に示されるように、この実施の形態の
例の偏光板20は、偏光層(偏光素子)22の一方の面
(図3において上面側)に前記と同様の防眩フィルム1
1が設けられた構成である。
【0051】前記偏光層22は、2層の透明基材フィル
ムであるTACフィルム12A、24の間に積層されて
いて、且つ3層構造であり、第1層及び第3層がポリビ
ニルアルコール(PVA)にヨウ素を加えたフィルム、
中間の第2層がPVAフィルムからなっている。
【0052】前記防眩フィルム11はTACフィルム1
2Aに防眩層18を積層した構成である。
【0053】前記偏光層22の両外側に設けられ、透明
基材となるTACは複屈折がなく偏光が乱されないの
で、偏光素子となるPVA及びPVA+ヨウ素フィルム
と積層しても、偏光が乱されない。従って、このような
偏光板20を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得
ることができる。
【0054】上記のような偏光板20における偏光層2
2を構成する偏光素子としては、よう素又は染料により
染色し、延伸してなるPVAフィルムに、ポリビニルホ
ルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等があ
る。
【0055】なお、偏光層22を構成する各フィルムを
積層するにあたっては、接着性の増加及び静電防止のた
めに、前記TACフィルムにケン化処理を行うとよい。
【0056】次に、図4に示されている本発明に係る透
過型表示装置を液晶表示装置とした場合の実施の形態の
例について説明する。
【0057】図4に示される液晶表示装置30は、上記
偏光板20と同様な偏光板32と、液晶パネル34と、
偏光板36とを、この順で積層すると共に、偏光板36
側の背面にバックライト38を配置した透過型の液晶表
示装置である。
【0058】前記液晶表示装置30における液晶パネル
34で使用される液晶モードとしては、ツイストネマテ
ィックタイプ(TN)、スーパーツイストネマティック
タイプ(STN)、ゲスト−ホストタイプ(GH)、相
転移タイプ(PC)、高分子分散タイプ(PDLC)等
のいずれであってもよい。
【0059】又、液晶の駆動モードとしては、単純マト
リックスタイプ、アクティブマトリックスタイプのどち
らでもよく、アクティブマトリックスタイプの場合で
は、TFT、MIM等の駆動方式が取られる。
【0060】更に、液晶パネル34は、カラータイプあ
るいはモノクロタイプのいずれであってもよい。
【0061】
【実施例】以下本発明の実施例について、比較例と対照
して説明する。
【0062】表1に、防眩層を構成する透光性樹脂に添
加した透光性微粒子の材料、添加物、透光性微粒子の粒
径、透光性微粒子の屈折率、防眩層表面の粗さRz、防
眩層における透光性樹脂の重量部100に対する透光性
微粒子の添加重量部の各条件を変更し、且つ、前記条件
で得られた防眩フィルムの最大輝度ばらつきV、前記防
眩フィルムを用いて形成した偏光板を12.1インチサ
イズのXGA液晶パネル上に張り合わせて観測した結果
のシンチレーション(面ぎら)、防眩フィルムの曇価
(ヘイズ値)、及び、透過鮮明度を実施例1〜12につ
いて示している。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】又、表2は、透光性微粒子に代えて凝集性
シリカを添加した場合、及びアクリル等の透光性微粒子
について、その粒径、添加量重量部を変更した場合等の
各条件、及び観測結果について実施例と比較して、比較
例1〜11を示している。
【0066】ここで、前記実施例及び比較例において、
防眩層を構成する透光性樹脂は、いずれも紫外線硬化型
樹脂(日本化薬製PETA、屈折率1.51)とし、透
光性樹脂には、トリアセチルセルロース(バイエル社
製、セリドールCP、屈折率2.22)を1.7重量
部、硬化開始剤(チバガイギー社製イリガキュアー18
4)5重量部、透光性微粒子は、スチレンビーズ(綜研
化学社製、屈折率1.60)、メラミンビーズ(日本触
媒製、屈折率1.57)、更には、ポリカーボネートビ
ーズ(帝人化成製、屈折率1.57)、アクリルスチレ
ンビーズ、凝集性シリカは2次粒径1.0μmとし(日
本シリカ製)、これらを混合してトルエンにより固形分
40%になるように調整したものを、トリアセチルセル
ロースフィルム(富士写真フィルム製TD−80U)上
に、6μm/dryになるように塗工し、溶剤乾燥後塗
工面に賦型フィルム(東レ製X−45)をラミネート
し、紫外線を140MJ照射した後賦型フィルムを剥離
して形成したものである。
【0067】又、表1、2における「輝度ばらつき」
は、次の条件で、光電子増倍管(ホトマル)により透過
光を測定することにより検出した。
【0068】 使用装置:スガ試験機(株)製 顕微光沢計 MG−1 方法:発光部(ハロゲンランプ)と受光部(ホトマル)
間に光軸に対して垂直にブラックストライプ線幅30μ
m、開口部100μmの千鳥配列のカラーフィルターを
設置しその表面に測定物となる防眩フィルムを、凹凸面
を受光部側に向けて貼合する。ホトマル電圧を450
V、アンプゲインを4に設定し2μm/secのスピー
ドでカラーフィルター/防眩フィルムの貼合物を光軸に
対して垂直方向に移動し防眩フィルム面内に於ける2μ
mごとの微小輝度を測定する。
【0069】前記輝度ばらつきは、前記微小輝度の、開
口部に於ける輝度変化を言う。
【0070】更に、表面粗さ(Rz)は、JIS−B−
0601に準じ、小坂研究所製SE−3400を用いて
測定し、ヘイズ(曇価)は、JIS−K−7105に準
じ村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定し、
透過鮮明度は、JIS−K−7105に準じスガ試験機
製写像性測定器ICM−1DPを用いて測定した。
【0071】なお、比較例8における、透光性樹脂中に
混合すべき内部拡散剤としてのATOフィラーは、新東
塗料製、屈折率1.90である。
【0072】表1から分かるように、本発明において
は、ヘイズ値が高い場合でも、最大輝度ばらつきが小さ
くて面ぎらが観測されず、且つ、透過鮮明度が高い。
【0073】更に、ヘイズ値が低い場合は、面ぎらが観
測されないにも拘らず、最大輝度ばらつきが少なくて透
過鮮明度が非常に高い。
【0074】これに対して、比較例は、表2のようにヘ
イズ値を非常に高くすることによって面ぎらを小さくす
ることができるが、透過鮮明度が大幅に低下してしま
う。
【0075】又、ヘイズ値を小さくすることによって透
過鮮明度が向上するが、この場合は最大輝度ばらつきが
大きく、面ぎらが発生してしまう。
【0076】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、
防眩フィルムにおいてヘイズ値を高くした場合でも、透
過鮮明度を比較的高く維持できると共に、面ぎら発生を
防止することができ、又、ヘイズ値が低い場合は、面ぎ
らを伴うことなく透過鮮明度を大幅に向上させることが
できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例に係る防眩フィルムを
示す断面図
【図2】同防眩フィルムの製造過程を示す断面図
【図3】本発明の防眩フィルムを用いた偏光板の発明の
実施の形態の例を示す断面図
【図4】本発明の防眩フィルムを用いた透過型表示装置
の実施の形態の例を示す断面図
【符号の説明】
10、11…防眩フィルム 12…透明基材フィルム 14…透光性樹脂 16…透光性微粒子 18…防眩層 20、32、36…偏光板 22…偏光層 30…液晶表示装置 34…液晶パネル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも透明基材フィルムと、透光性樹
    脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子を含む防眩層
    と、を積層してなり、前記透光性微粒子は、粒径が0.
    5〜5μm、前記透光性樹脂との屈折率の差が0.02
    〜0.2であり、且つ、前記透光性樹脂100重量部に
    対して、3以上、30未満重量部で配合されたことを特
    徴とする防眩フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記防眩層は、曇価1
    0%以上、40%未満、透過鮮明度50以上であり、且
    つ、透過光を正面から観測した輝度ばらつきが0.3V
    未満であることを特徴とする防眩フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記防眩層が、
    5重量部以下の凝集性シリカの微粒子を含んでいること
    を特徴とする防眩フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3において、前記透光性
    樹脂は、電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする
    防眩フィルム。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記
    透明基材フィルムは、トリアセチルセルロースフィルム
    であることを特徴とする防眩フィルム。
  6. 【請求項6】偏光素子と、この偏光素子の表面に、透明
    基材における前記防眩層と反対側の面を向けて積層され
    た請求項1乃至5のいずれかの防眩フィルムと、を有し
    てなる偏光板。
  7. 【請求項7】平面状の透光性表示体と、この透光性表示
    体を背面から照射する光源装置と、前記透光性表示体の
    表面に積層された請求項1乃至5のいずれかの防眩フィ
    ルムと、を有してなる透過型表示装置。
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