JP4001320B2 - 防眩フィルム、偏光フィルム及び透過型表示装置 - Google Patents

防眩フィルム、偏光フィルム及び透過型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン等の画像表示に用いるCRT、液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表面に設ける防眩フィルム、この防眩フィルムを用いた偏光フィルム及び透過型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなディスプレイにおいて、主として内部から出射する光がディスプレイ表面で拡散することなく直進すると、ディスプレイ表面を目視した場合、眩しいために、内部から出射する光をある程度拡散するための防眩フィルムをディスプレイ表面に設けている。
【0003】
この防眩フィルムは、例えば特開平6−18706号公報、特開平10−20103号公報等に開示されるように、透明基材フィルムの表面に、二酸化ケイ素(シリカ)等のフィラーを含む樹脂を塗工して形成したものである。
【0004】
これらの防眩フィルムは、凝集性シリカ等の粒子の凝集によって防眩層の表面に凹凸形状を形成するタイプ、塗膜の膜厚以上の粒径を有する有機フィラーを樹脂中に添加して層表面に凹凸形状を形成するタイプ、あるいは層表面に凹凸をもったフィルムをラミネートして凹凸形状を転写するタイプがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の防眩フィルムは、いずれのタイプでも、防眩層の表面形状のみの作用により、光拡散・防眩作用を得られるようにしていて、防眩性を高めるためには前記凹凸形状を大きくする必要があるが、凹凸が大きくなると、塗膜の曇価(ヘイズ値)が上昇し、これに伴い透過鮮明度が低下するという問題点がある。
【0006】
上記に類似したものとして、微粒子を層内部に分散して光拡散効果を得るようにした光拡散フィルムがあるが、ここで用いられている微粒子により十分な光拡散効果を得るためには、その粒径を大きくしなければならず、このため、曇価が高いものの透過鮮明度が非常に小さいという問題点がある。
【0007】
更に又、上記従来のタイプの防眩フィルムは、フィルム表面に、いわゆる面ぎら(シンチレーション)と呼ばれるキラキラ光る輝きが発生し、表示面の視認性が低下するという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、拡散・防眩性を低下させることなく、透過鮮明度を向上し、且つシンチレーションを低下させることができるようにした防眩フィルム、この防眩フィルムを用いた偏光板及び透過型表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、請求項1のように、少なくとも透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子を含む防眩層と、を積層してなり、前記透光性微粒子は、粒径が0.5〜5μm、前記透光性樹脂との屈折率の差が0.02〜0.2であり、且つ、前記透光性樹脂100重量部に対して、3以上、30未満重量部で配合されたことを特徴とする防眩フィルムにより、上記目的を達成するものである。
【0010】
前記防眩層は、曇価10%以上、40%未満、透過鮮明度50以上であり、且つ、透過光を正面から観測した輝度ばらつきが0.3V未満としてもよい。
【0011】
又、前記防眩層に、5重量部以下の凝集性シリカの微粒子を含むようにしてもよい。
【0012】
更に又、前記透光性樹脂は、電離放射線硬化型樹脂としてもよい。
【0013】
又、前記透明基材フィルムを、トリアセチルセルロースフィルムとしてもよい。
【0014】
偏光板に係る発明は、請求項6のように、偏光素子と、この偏光素子の表面に、透明基材における前記防眩層と反対側の面を向けて積層された上記のような防眩フィルムと、を有して構成することにより、上記目的を達成するものである。
【0015】
更に、透過型表示装置の発明は、請求項7のように、平面状の透光性表示体と、この透光性表示体を背面から照射する光源装置と、前記透光性表示体の表面に積層された上記のような防眩フィルムと、を有して透過型表示体を構成し、上記目的を達成するものである。
【0016】
この発明においては、防眩層を構成する透光性樹脂と、これに含まれる透光性微粒子の屈折率の差を0.02〜0.2とすることによって、拡散・防眩性を低下させることなく、透過鮮明度を向上させている。又、この場合、曇価を高くして面ぎら(輝度ばらつき)を低減させても、透過鮮明度を高く維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施の形態の例に係る防眩フィルム10は、図1に示されるように、透明基材フィルム12と、透光性樹脂14中に透光性微粒子16を含む防眩層18と、を積層してなり、前記透光性微粒子16は、粒径が0.5〜5μm、前記透光性樹脂14との屈折率の差が0.02〜0.2であり、且つ、前記透光性樹脂14が100重量部に対して、3以上、30未満重量部で配合されている。
【0019】
前記透明基材フィルム12は、トリアセチルセルロースフィルム等の樹脂フィルムであり、透光性樹脂14は、透明基材フィルム12に塗布後に硬化することができる、例えば紫外線硬化型樹脂(屈折率1.51)からなり、前記透光性微粒子16は、透光性樹脂、例えばスチレンビーズ(屈折率1.60)から構成されている。
【0020】
前記透光性微粒子16と透光性樹脂14との屈折率の差を0.02以上としたのは、屈折率差が0.02未満の場合は、両者の屈折率の差が小さすぎて、光拡散効果を得られず、又屈折率差が0.2よりも大きい場合は、光拡散性が高すぎて、フィルム全体が白化してしまうからである。なお、前記屈折率差は、0.04以上、0.1以下が最も良い。
【0021】
前記透光性微粒子16の粒径を0.5μm以上としたのは、0.5μm未満の場合、透光性樹脂14に添加すべき透光性微粒子16の添加量を非常に大きくしないと光拡散効果が得られず、又、防眩層18の表面における凹凸も形成されず、防眩効果が得られないからである。又、透光性微粒子16の粒径を5μm以下としたのは、粒径が5μmを超えるときは、防眩層18の表面形状が粗くなり、ヘイズ値が高くなってしまうからである。なお、理想的には、透光性微粒子16の直径は1μm以上、4μm以下である。
【0022】
更に、透光性微粒子16の、透光性樹脂14に対する添加量は、これを30重量部未満とした場合に光拡散効果が得られず、5重量部以上とした場合にフィルム全体が白化してしまう。なお、透光性微粒子16の添加量は、理想的には透光性樹脂14を100重量部とした場合、5重量部以上、20重量部以下である。
【0023】
上記のようにすると、フィラーである透光性微粒子16と透光性樹脂14との僅かな屈折率差により、フィルム全体を白化したりすることなく、高い透過鮮明度を維持した状態で、拡散効果により防眩フィルム10内を透過する光を平均化することができる。
【0024】
このため、フィルムの曇価が高い場合でも、透過鮮明度を低下させることなく、表面のぎらつきを防止することができ、又、曇価が低い場合(ヘイズ値20以下)でも、更に高い透過鮮明度を維持した状態で面のぎらつきを防止することができる。
【0025】
なお、上記面のぎらつきは、フィルム表面の輝度ばらつきに基づく光の明暗である。従って、フィルム表面における輝度のばらつきを測定することによって、面のぎらつきを測定することができる。
【0026】
前記透明基材フィルム12の素材としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスがある。
【0027】
透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等が使用できる。又、厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
【0028】
前記透明基材フィルム12としては、複屈折がないTACが、防眩フィルムを偏光素子と積層して偏光板を作成することが可能(後述)であり、更にその偏光板を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができるので、特に好ましい。
【0029】
又、防眩層18を、各種コーティング方法によって塗工する場合の耐熱、耐溶剤性や機械強度等の加工適性の面から、透明基材フィルム12としては、PETが特に望ましい。
【0030】
前記防眩層18を形成する透光性樹脂14としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂の3種類が使用される。
【0031】
電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
【0032】
更に、上記電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリストリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
【0033】
更に、上記防眩層18を形成するための透光性樹脂14として、上記のような電離放射線硬化型樹脂に対して溶剤乾燥型樹脂を含ませてもよい。前記溶剤乾燥型樹脂には、主として熱可塑性樹脂が用いられる。電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが使用されるが、透明基材フィルム12として特に前述のようなTAC等のセルロース系樹脂を用いるときには、電離放射線硬化型樹脂に含ませる溶剤乾燥型樹脂には、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂が塗膜の密着性及び透明性の点で有利である。
【0034】
その理由は、上記のセルロース系樹脂に溶媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルム12であるポリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であるトルエンを用いるにも拘らず、透明基材フィルム12にこの溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行っても、透明基材フィルム12と塗膜樹脂との密着性を良好にすることができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルムであるポリアセチルセルロースを溶解しないので、該透明基材フィルム12の表面は白化せず、透明性が保たれるという利点があるからである。
【0035】
更に、次のように、電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませる利点がある。
【0036】
電離放射線硬化型樹脂組成物をメタリングロールを有するロールコータで透明基材フィルム12に塗布する場合、メタリングロール表面の液状残留樹脂膜が流動して経時で筋やムラ等になり、これらが塗布面に再転移して塗布面に筋やムラ等の欠点を生じるが、上記のように電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませると、このような塗布面の塗膜欠陥を防ぐことができる。
【0037】
上記のような電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。
【0038】
例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0039】
前記電離放射線硬化型樹脂に混合される熱可塑性樹脂としては、セノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用され、これらの樹脂に必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用する。
【0040】
前記防眩層18に含有させる透光性微粒子16としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、マトリックス樹脂(透光性樹脂14)との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
【0041】
プラスチックビーズとしては、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等が用いられる。これらのプラスチックビーズの粒径は、前述のように0.5〜5μmのものを適宜選択して用いる。
【0042】
上記のような有機フィラーとしての透光性微粒子16を添加した場合には、樹脂組成物(透光性樹脂14)中で有機フィラーが沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加すればする程有機フィラーの沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂16に対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1重量%未満程度含ませると沈降を防止することができる。
【0043】
有機フィラーの沈降防止のための沈降防止剤である無機フィラーを添加しない場合は、透明基材フィルム12への塗布時に有機フィラーが底に沈澱しているので、よく掻き混ぜて均一にして使用すればよい。
【0044】
ここで、一般に、電離放射線硬化型樹脂の屈折率は約1.5で、ガラスと同程度であるが、前記透光性微粒子の屈折率との比較において、用いる樹脂の屈折率が低い場合には、該透光性樹脂14に、屈折率の高い微粒子であるTiO2(屈折率;2.3〜2.7)、Y2O3(屈折率;1.87)、La2O3(屈折率;1.95)、ZrO2(屈折率;2.05)、Al2O3(屈折率;1.63)等を塗膜の拡散性を保持できる程度に加えて、屈折率を上げて調整することができる。
【0045】
次に、前記透明基材フィルム12の面に、防眩層18を形成する過程について図2を参照して説明する。
【0046】
図2(A)の透明基材フィルム12に対して、図2(B)のように、透光性微粒子16を混ぜた透光性樹脂14を塗布し、この塗布層の上から、表面に微細な凹凸を形成された賦型フィルム19を、該表面が前記塗布層に接するようにラミネートし(図2(C)参照)、次に、前記透光性樹脂14が電子線あるいは紫外線硬化型樹脂の場合は、これら電子線あるいは紫外線を賦型フィルム19を介して照射し、又溶剤乾燥型樹脂の場合は加熱して硬化した後、賦型フィルム19を硬化した防眩層18から剥離する。
【0047】
このようにすると、防眩層18は全体として平滑な状態となり、且つ賦型フィルム19に予め形成されている細かな凹凸が賦型される。
【0048】
従って、透光性微粒子16を混合した液状の透光性樹脂14を単に塗布した場合と比較して、拡散層18のその面をより平滑にすることができる。
【0049】
次に図3に示される本発明にかかる偏光板の実施の形態の例について説明する。
【0050】
図2に示されるように、この実施の形態の例の偏光板20は、偏光層(偏光素子)22の一方の面(図3において上面側)に前記と同様の防眩フィルム11が設けられた構成である。
【0051】
前記偏光層22は、2層の透明基材フィルムであるTACフィルム12A、24の間に積層されていて、且つ3層構造であり、第1層及び第3層がポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を加えたフィルム、中間の第2層がPVAフィルムからなっている。
【0052】
前記防眩フィルム11はTACフィルム12Aに防眩層18を積層した構成である。
【0053】
前記偏光層22の両外側に設けられ、透明基材となるTACは複屈折がなく偏光が乱されないので、偏光素子となるPVA及びPVA+ヨウ素フィルムと積層しても、偏光が乱されない。従って、このような偏光板20を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0054】
上記のような偏光板20における偏光層22を構成する偏光素子としては、よう素又は染料により染色し、延伸してなるPVAフィルムに、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等がある。
【0055】
なお、偏光層22を構成する各フィルムを積層するにあたっては、接着性の増加及び静電防止のために、前記TACフィルムにケン化処理を行うとよい。
【0056】
次に、図4に示されている本発明に係る透過型表示装置を液晶表示装置とした場合の実施の形態の例について説明する。
【0057】
図4に示される液晶表示装置30は、上記偏光板20と同様な偏光板32と、液晶パネル34と、偏光板36とを、この順で積層すると共に、偏光板36側の背面にバックライト38を配置した透過型の液晶表示装置である。
【0058】
前記液晶表示装置30における液晶パネル34で使用される液晶モードとしては、ツイストネマティックタイプ(TN)、スーパーツイストネマティックタイプ(STN)、ゲスト−ホストタイプ(GH)、相転移タイプ(PC)、高分子分散タイプ(PDLC)等のいずれであってもよい。
【0059】
又、液晶の駆動モードとしては、単純マトリックスタイプ、アクティブマトリックスタイプのどちらでもよく、アクティブマトリックスタイプの場合では、TFT、MIM等の駆動方式が取られる。
【0060】
更に、液晶パネル34は、カラータイプあるいはモノクロタイプのいずれであってもよい。
【0061】
【実施例】
以下本発明の実施例について、比較例と対照して説明する。
【0062】
表1に、防眩層を構成する透光性樹脂に添加した透光性微粒子の材料、添加物、透光性微粒子の粒径、透光性微粒子の屈折率、防眩層表面の粗さRz、防眩層における透光性樹脂の重量部100に対する透光性微粒子の添加重量部の各条件を変更し、且つ、前記条件で得られた防眩フィルムの最大輝度ばらつきV、前記防眩フィルムを用いて形成した偏光板を12.1インチサイズのXGA液晶パネル上に張り合わせて観測した結果のシンチレーション(面ぎら)、防眩フィルムの曇価(ヘイズ値)、及び、透過鮮明度を実施例1〜12について示している。
【0063】
【表1】
Figure 0004001320
【0064】
【表2】
Figure 0004001320
【0065】
又、表2は、透光性微粒子に代えて凝集性シリカを添加した場合、及びアクリル等の透光性微粒子について、その粒径、添加量重量部を変更した場合等の各条件、及び観測結果について実施例と比較して、比較例1〜11を示している。
【0066】
ここで、前記実施例及び比較例において、防眩層を構成する透光性樹脂は、いずれも紫外線硬化型樹脂(日本化薬製PETA、屈折率1.51)とし、透光性樹脂には、トリアセチルセルロース(バイエル社製、セリドールCP、屈折率2.22)を1.7重量部、硬化開始剤(チバガイギー社製イリガキュアー184)5重量部、透光性微粒子は、スチレンビーズ(綜研化学社製、屈折率1.60)、メラミンビーズ(日本触媒製、屈折率1.57)、更には、ポリカーボネートビーズ(帝人化成製、屈折率1.57)、アクリルスチレンビーズ、凝集性シリカは2次粒径1.0μmとし(日本シリカ製)、これらを混合してトルエンにより固形分40%になるように調整したものを、トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム製TD−80U)上に、6μm/dryになるように塗工し、溶剤乾燥後塗工面に賦型フィルム(東レ製X−45)をラミネートし、紫外線を140MJ照射した後賦型フィルムを剥離して形成したものである。
【0067】
又、表1、2における「輝度ばらつき」は、次の条件で、光電子増倍管(ホトマル)により透過光を測定することにより検出した。
【0068】
使用装置:スガ試験機(株)製 顕微光沢計 MG−1
方法:発光部(ハロゲンランプ)と受光部(ホトマル)間に光軸に対して垂直にブラックストライプ線幅30μm、開口部100μmの千鳥配列のカラーフィルターを設置しその表面に測定物となる防眩フィルムを、凹凸面を受光部側に向けて貼合する。
ホトマル電圧を450V、アンプゲインを4に設定し2μm/secのスピードでカラーフィルター/防眩フィルムの貼合物を光軸に対して垂直方向に移動し防眩フィルム面内に於ける2μmごとの微
小輝度を測定する。
【0069】
前記輝度ばらつきは、前記微小輝度の、開口部に於ける輝度変化を言う。
【0070】
更に、表面粗さ(Rz)は、JIS−B−0601に準じ、小坂研究所製SE−3400を用いて測定し、ヘイズ(曇価)は、JIS−K−7105に準じ村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定し、透過鮮明度は、JIS−K−7105に準じスガ試験機製写像性測定器ICM−1DPを用いて測定した。
【0071】
なお、比較例8における、透光性樹脂中に混合すべき内部拡散剤としてのATOフィラーは、新東塗料製、屈折率1.90である。
【0072】
表1から分かるように、本発明においては、ヘイズ値が高い場合でも、最大輝度ばらつきが小さくて面ぎらが観測されず、且つ、透過鮮明度が高い。
【0073】
更に、ヘイズ値が低い場合は、面ぎらが観測されないにも拘らず、最大輝度ばらつきが少なくて透過鮮明度が非常に高い。
【0074】
これに対して、比較例は、表2のようにヘイズ値を非常に高くすることによって面ぎらを小さくすることができるが、透過鮮明度が大幅に低下してしまう。
【0075】
又、ヘイズ値を小さくすることによって透過鮮明度が向上するが、この場合は最大輝度ばらつきが大きく、面ぎらが発生してしまう。
【0076】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成したので、防眩フィルムにおいてヘイズ値を高くした場合でも、透過鮮明度を比較的高く維持できると共に、面ぎら発生を防止することができ、又、ヘイズ値が低い場合は、面ぎらを伴うことなく透過鮮明度を大幅に向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例に係る防眩フィルムを示す断面図
【図2】同防眩フィルムの製造過程を示す断面図
【図3】本発明の防眩フィルムを用いた偏光板の発明の実施の形態の例を示す断面図
【図4】本発明の防眩フィルムを用いた透過型表示装置の実施の形態の例を示す断面図
【符号の説明】
10、11…防眩フィルム
12…透明基材フィルム
14…透光性樹脂
16…透光性微粒子
18…防眩層
20、32、36…偏光板
22…偏光層
30…液晶表示装置
34…液晶パネル

Claims (6)

  1. 少なくとも透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子を含む防眩層と、を積層してなり、前記透光性微粒子は、粒径が0.5〜5μm、前記透光性樹脂との屈折率の差が0.02〜0.2であり、且つ、前記透光性樹脂100重量部に対して、10より大きく30未満重量部で配合されたことを特徴とする透過光のシンチレーション防止用の防眩フィルム。
  2. 請求項1において、前記防眩層が、5重量部以下の凝集性シリカの微粒子を含んでいることを特徴とする防眩フィルム。
  3. 請求項1又は2において、前記透光性樹脂は、電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする防眩フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記透明基材フィルムは、トリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする防眩フィルム。
  5. 偏光素子と、この偏光素子の表面に、透明基材における前記防眩層と反対側の面を向けて積層された請求項1乃至4のいずれかの防眩フィルムと、を有してなる偏光板。
  6. 平面状の透光性表示体と、この透光性表示体を背面から照射する光源装置と、前記透光性表示体の表面に積層された請求項1乃至4のいずれかの防眩フィルムと、を有してなる透過型表示装置。
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