JP2007148415A - 光拡散フィルム、その製造方法、拡散層付偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光拡散フィルム、その製造方法、拡散層付偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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行光 岩田
Fumihiro Arakawa
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Abstract

【課題】 光拡散フィルムの厚さを薄くし、又拡散層を構成する拡散剤や樹脂に制約がなく、更に複屈折が生じることなく液晶ディスプレイ等に用いたとき表示品位を向上させる。
【解決手段】 光拡散フィルム10は、TAC等の透明基材フィルム12の一方又は両方の面に、透光性樹脂16に樹脂ビーズ等の透光性拡散剤14を混ぜた塗料を塗工して拡散層18を得る。拡散層18の表面におけるヘイズ値は3以上で、又法線方向及び法線から±60°方向でのヘイズ値の差が4以下で、拡散層18の表面粗さRa=0.2μm以下として、表面を平坦にすることによってディスプレイ表示の際の白化の原因となる拡散反射を低減し、視角によるヘイズ値の差を小さくすることによって、表示品位を向上させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ワードプロセッサ、コンピュータ、テレビジョン等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板や光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラスに用いて好適な、光拡散フィルム、その製造方法、拡散層付偏光板及び液晶表示装置に関する。
上記のようなコンピュータ等のディスプレイにおいては、視認性を高めるために各種光拡散フィルムを用いている。
このような光拡散フィルムは、表面の凹凸により拡散性を有するもの及び樹脂フィルム内部に拡散剤を含有し、樹脂と拡散剤との屈折率の差によって拡散性を有するものがある。
前記表面の凹凸により拡散性を有するものは、その拡散性及び透明性に角度依存性があり、ディスプレイを見る角度によって視認性が変化してしまうという問題点がある。例えば、ディスプレイにおいて、正面からでは視認性のよい画像が得られるが、視角が大きくなると画面が白くなる現象が見られる。
前記拡散剤を樹脂フィルム内部に含有する光拡散フィルムとしては、例えば反射型液晶表示装置用として、照明学界研究会誌MD−96−48(1996年)第277頁〜282頁に開示されたものがある。
これは、コントラストの高い反射型液晶表示装置としては、前方散乱光強度を適度に設計すると共に、後方散乱光強度を非常に少なくすると、明るさ及び高解像度化の点で有利であると共に、複屈折フィルムで液晶の光学特性を補償することにより、広視野角化を実現することができるとしている。
このためには、表面に凹凸のある光拡散フィルムでは後方散乱光強度が大きくなり過ぎてコントラストが低下するため、フィルム内の屈折率のミスマッチングにより拡散するタイプが適しているとしている。即ち、拡散剤を樹脂フィルム内部に含有し、その屈折率差によって拡散性を有するものがよいとしている。
ここで、上記照明学界研究会誌MD−96−48では、上記のような光拡散フィルムの設計思想としてMieの散乱理論とHartelの理論を用いて、拡散剤と樹脂の相対屈折率m、拡散剤のサイズパラメータα、拡散剤粒子密度パラメータNdを調整することにより最適性能の光拡散フィルムが得られるとし、特にサイズパラメータαは10以上の値が必要であるとしている。
ここで、上記サイズパラメータαは、α=2πR/λであり、拡散剤粒子の半径Rに依存する(λは光の波長)。
従って、サイズパラメータαが10以上であることは、拡散剤の粒径が大きいことになり、このような粒径の大きい拡散剤、例えばプラスチック製の球形微粒子を、透明高分子(樹脂)中に分散させると、フィルムが厚くなり、又成形できる拡散剤や樹脂に制約を生じ、又押出し成形時に複屈折が生じる等の実用上の問題点がある。
又、上記のような光散乱フィルムは、液晶ディスプレイに用いる場合、内側に設けると偏光状態を乱してしまうため、液晶パネルの外側にのみ使用しなければならないという制約があった。
更に、従来、透明基板表面に入射する光の反射を防止する方法としては、ガラスやプラスチック表面に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス等の透明基板の表面に膜厚0.1μm程度のMgF2 等の極薄膜や金属蒸着膜を設ける方法、プラスチックレンズ等のプラスチック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、その上に蒸着によりSiO2 、MgF2 の膜を形成する方法、電離放射線硬化型樹脂の硬化膜上に低屈折率の塗膜を形成する方法がある。
しかしながら、従来の光拡散フィルムにおいては、その最外層に拡散層を形成しなければならないので、反射防止層を設けることができず、該光拡散フィルムを液晶表示装置のディスプレイ表面に設けた場合は、外部からの照射光による反射を十分に防止することができなかった。
又、反射型液晶表示装置においては、従来、液晶セルの両面に偏光板を設け、更にその片面に、表面に凹凸のある拡散反射板を設けるのが一般的である。
しかしながら、液晶セルの外側に拡散反射板を設けると、液晶セルのガラスの厚みにより、視差と呼ばれる表示のゴースト現象が発生し、視認性が著しく劣化するという問題点があった。
そこで、視差を防ぐために、偏光板を一枚にし、液晶セル内の金属電極を反射材とする方式が開発されているが、金属電極表面が鏡面反射性の場合には、視角が狭く、法線方向の明るさも暗く、金属電極表面に凹凸を形成し、拡散反射性とすると液晶配向を制御することが困難となり、製造も煩雑となってしまうという新たな問題点を生じる。
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、フィルム厚が薄く、拡散剤や樹脂に制約が無く、更に複屈折が生じることなく、又ディスプレイパネルの内部にも用いることができる光拡散フィルム、その製造方法、拡散層付偏光板及び拡散層付表示装置を提供することを目的とする。
又、反射防止層を設けて、外部からの照射光による反射光を十分に防止することができるようにした光拡散フィルム、その製造方法、拡散層付偏光板及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、請求項1のように、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、屈折率の異なる透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる拡散層を積層してなる光拡散フィルムにおいて、前記拡散層の表面におけるヘイズ値を3以上で、該表面の法線方向のヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値との差が4以下となるようにすると共に、表面粗さRaが0.2μm以下となるようにして、上記目的を達成するものである。
前記拡散層における透光性樹脂と透光性拡散剤との屈折率の差Δnを、0.01≦Δn≦0.5とすると共に、透光性拡散剤の平均粒径dを、0.1μm≦d≦5μmとしてもよい。
又、本発明は、請求項3のように、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる拡散層を積層してなる光拡散フィルムにおいて、前記拡散層中の透光性拡散剤と透光性樹脂との界面の少なくとも一部に、これら透光性拡散剤及び透光性樹脂よりも屈折率の小さい低屈折率層を介在させて上記目的を達成するものである。
前記低屈折率層を、気体により構成してもよい。
又、前記低屈折率層を、前記透光性拡散剤の外周に構成されたコーティング層としてもよい。
更に、前記拡散層の表面におけるヘイズ値を3以上で、該表面の法線方向へのヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値との差が4以下となるようにしてもよい。
又、前記透明基材フィルムを、トリアセテートセルロース及びポリエチレンテレフタレートの一方から構成するようにしてもよい。
前記透光性樹脂が粘着あるいは接着性を有するようにしてもよい。
又、前記透光性樹脂を紫外線硬化型樹脂とし、且つ、透光性拡散材をメラミンビーズとしてもよい。
又、表面及び裏面の少なくとも一方に、光学薄膜層を含む反射防止層を設けるようにしてもよい。
本製造方法の発明は、請求項11のように、上記のような光拡散フィルムの製造方法において、前記透光性拡散剤をメラミンビーズ、透光性樹脂を紫外線硬化型樹脂として、液状の拡散層を前記透明基材フィルムに塗布し、紫外線照射により前記透光性樹脂を硬化させるようにして上記目的を達成するものである。
又、他の製造方法の発明は、請求項12のように、上記のような光拡散フィルムの製造方法において、前記透光性拡散剤をビーズ形状とすると共に、その外周を、前記透光性樹脂の硬化時に、ガス化又は透光性樹脂に吸収される材料によりコーティングし、液状の透光性樹脂と共に前記透明基材フィルムに塗布して硬化させるようにして上記目的を達成するものである。
更に他の製造方法の発明は、請求項13のように、上記のような光拡散フィルムの製造方法において、前記透明基材フィルムに液状の前記拡散層を塗布し、この塗布層の上から、表面粗さ0.2μm以下の微細な凹凸を形成された賦型フィルムを、該表面が前記塗布層に接するようにラミネートし、前記塗布層が硬化した後に、前記賦型フィルムを剥離するようにして、上記目的を達成するものである。
更に又、他の発明は、請求項14のように、上記のような光拡散フィルムにおける前記透明基材フィルムの一方の面に、偏光層を積層してなる偏光板において、前記透明基材フィルムの他方の面に、前記拡散層を積層することにより上記目的を達成するものである。
前記偏光層及び拡散層の一方の面に、光学薄膜層を含む反射防止層を積層してもよい。
更に位相差板を積層してもよい。
又、本発明は、請求項17のように、液晶パネルと、この液晶パネルの表示面側に設けられた上記のような拡散層付偏光板と、を有してなる液晶表示装置により上記目的を達成するものである。
前記液晶パネルは、裏面に鏡面反射性を有する反射材を備えた反射型としてもよい。
又、前記液晶パネルは、液晶セル中に、鏡面反射性を有する反射材を兼ねる電極を備えている反射型としてもよい。
この発明は、屈折率の異なる透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる拡散層を積層して光拡散フィルムを形成する場合、表面のヘイズ値を3以上、表面の法線方向のヘイズ値と±60°の方向のヘイズ値との差が4以下であり、且つ、表面粗さRaが0.2μm以下とすると、透光性拡散剤の粒径をが小さくし、且つ例えば液晶ディスプレイにおける表示品位を良好以上にすることができ、更に、液晶パネルの内部にも使用できるという知見に基づくものである。
又、透光性拡散剤と透光性樹脂の界面に、これらよりも屈折率の低い低屈折率層を設けると、透光性拡散剤と透光性樹脂の相対屈折率mが大きくなり、透光性拡散剤の添加量を少なくできるという知見に基づくものである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の実施の形態の第1例に係る光拡散フィルム10は、透明基材フィルム12の一方の面(図において上面)に屈折率の異なる透光性拡散剤14を含有する透光性樹脂16からなる拡散層18を積層してなり、この拡散層18の表面におけるヘイズ値が3以上で、且つ該表面の法線方向のヘイズ値とこれから±60°の方向のヘイズ値との差が0.7以下となるようにすると共に、拡散層18の表面粗さRaが0.2μm以下となるようにしたものである。
上記のように、拡散層18の表面粗さRaを0.2μm以下とすると、従来の、表面に凹凸を有するものと比較して平面が平坦なため、ディスプレイ表示の白化の原因となる拡散反射が非常に少なくなり、クリアな表示が得られる。
又、拡散層18のヘイズ値は、低いほど表示のボケを小さくして明瞭なディスプレイ表示を得ることができるが、ヘイズ値が3以上でなければ拡散硬化がなく視角特性において均一な表示は得られず、更に法線方向のヘイズ値とこれから±60°の方向のヘイズ値との差が4以下でなければ、斜めから見たときに表示のボケが大きくなって望ましくない。
このようにするため、上記実施の形態の例においては、拡散層18を構成する透光性樹脂16の屈折率と透光性拡散剤14の屈折率の差Δnを0.01≦Δn≦0.5とすると共に、拡散剤の平均粒径dを、0.1μm≦d≦5μmとしている。
上記のように、屈折率差Δnが0.1以上としたのは、0.1未満であると、拡散層18における光拡散性を発現するには非常に多くの拡散剤を透光性樹脂中に含有させなければならず、このようにすると拡散層18の透明基材フィルム12への接着性及び塗工適性が悪化し、又Δnが0.5μmよりも大きい場合は、透光性樹脂16中の透光性拡散剤14の含有量が少なく、均一な拡散層18が得られないからである。
透光性拡散剤14の平均粒径dについては、これが0.1μm未満である場合、透光性拡散剤14の透光性樹脂16中への分散が困難となり、凝集が生じて均一な拡散層18を形成することができず、又d<5μmの場合、透光性拡散剤14が拡散層18の表面に突出して平面の平坦性が失われてしまうからである。
又、上記拡散層18表面の法線方向におけるヘイズ値と、±60°方向のヘイズ値との差が4以下でなければならないとしたのは、本発明者の実験によって得られた知見(後述の実施例及び表参照)に基づくものである。
前記透明基材フィルム12の素材としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスがある。
透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等が使用できる。又、厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
前記透明基材フィルム12としては、複屈折がないTACが、光拡散フィルムを偏光素子と積層し、拡散層付の偏光板を作成することが可能(後述)であり、更にその偏光板を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができるので、特に好ましい。
又、拡散層18を、各種コーティング方法によって塗工する場合の耐熱、耐溶剤性や機械強度等の加工適性の面から、透明基材フィルム12としては、PETが特に望ましい。
前記拡散層18を形成する透光性樹脂16としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂の3種類が使用される。
電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
更に、上記電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリストリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
更に、上記拡散層18を形成するための透光性樹脂16として、上記のような電離放射線硬化型樹脂に対して溶剤乾燥型樹脂を含ませてもよい。前記溶剤乾燥型樹脂には、主として熱可塑性樹脂が用いられる。電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが使用されるが、透明基材フィルム12として特に前述のようなTAC等のセルロース系樹脂を用いるときには、電離放射線硬化型樹脂に含ませる溶剤乾燥型樹脂には、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂が塗膜の密着性及び透明性の点で有利である。
その理由は、上記のセルロース系樹脂に溶媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルム12であるポリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であるトルエンを用いるにも拘らず、透明基材フィルム12にこの溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行っても、透明基材フィルム12と塗膜樹脂との密着性を良好にすることができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルムであるポリアセチルセルロースを溶解しないので、該透明基材フィルム12の表面は白化せず、透明性が保たれるという利点があるからである。
更に、次のように、電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませる利点がある。
電離放射線硬化型樹脂組成物をメタリングロールを有するロールコータで透明基材フィルム12に塗布する場合、メタリングロール表面の液状残留樹脂膜が流動して経時で筋やムラ等になり、これらが塗布面に再転移して塗布面に筋やムラ等の欠点を生じるが、上記のように電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませると、このような塗布面の塗膜欠陥を防ぐことができる。
上記のような電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。
例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
前記電離放射線硬化型樹脂に混合される熱可塑性樹脂としては、セノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用され、これらの樹脂に必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用する。
前記拡散層18に含有させる透光性拡散剤14としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、マトリックス樹脂(透光性樹脂16)との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
プラスチックビーズとしては、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等が用いられる。これらのプラスチックビーズの粒径は、前述のように0.1〜5μmのものを適宜選択して用いる。
上記のような有機フィラーとしての透光性拡散剤14を添加した場合には、樹脂組成物(透光性樹脂16)中で有機フィラーが沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加すればする程有機フィラーの沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂16に対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1重量%未満程度含ませると沈降を防止することができる。
有機フィラーの沈降防止のための沈降防止剤である無機フィラーを添加しない場合は、透明基材フィルム12への塗布時に有機フィラーが底に沈澱しているので、よく掻き混ぜて均一にして使用すればよい。
ここで、一般に、電離放射線硬化型樹脂の屈折率は約1.5で、ガラスと同程度であるが、前記透光性拡散剤14の屈折率との比較において、用いる樹脂の屈折率が低い場合には、該透光性樹脂16に、屈折率の高い微粒子であるTi O2(屈折率;2.3〜2.7)、Y2 O3 (屈折率;1.87)、La2 O3 (屈折率;1.95)、ZrO2 (屈折率;2.05)、Al2 O3 (屈折率;1.63)等を塗膜の拡散性を保持できる程度に加えて、屈折率を上げて調整することができる。
前記図1に示される実施の形態の例では、透明基材フィルム12の一方の面(図において上面)側に拡散層18を形成したものであるが、図2に示される本発明の実施の形態の第2例に係る光拡散フィルム20のように、透明基材フィルム12の両面に拡散層18を形成してもよい。
次に、図3に示される本発明の実施の形態の第3例に係る光拡散フィルム30について説明する。
この光拡散フィルム30は、前記図1に示される光拡散フィルム10における拡散層18の外側に反射防止層32を形成すると共に、透明基材フィルム12の、該反射防止層32と反対側の面(図3において下面)に粘着層34及びセパレータ36を、この順で積層したものである。
前記反射防止層32は、主として、外部から照射される光の、ディスプレイ表面での反射を防止するために用いられている。
前記反射防止層32は、光学薄膜層を含み、この光学薄膜層は、反射防止塗料の塗膜、膜厚0.1μm程度のMgF2 等の極薄膜や金属蒸着膜、あるいはSiO2 やMgF2 の蒸膜により形成する。又、膜厚は次のように設定する。
入射光が薄膜に垂直に入射する場合に、特定の波長をλ0 とし、この波長に対する反射防止膜の屈折率をn0 、反射防止膜の厚みをh、及び基板の屈折率をng とすると、反射防止膜が光の反射を100%防止し、光を100%透過するための条件は、次の(1)式及び(2)式の関係を満たすことが必要であることが知られている(サイエンスライブラリ物理学=9「光学」70〜72頁、昭和55年、株式会社サイエンス社発行)。
0 =√ng …(1)
0 h=λ0 /4 …(2)
即ち、屈折率が1より大きい場合は、必ずng >n0 となる。従って、拡散層18の外側に反射防止層32を設ける場合は、反射防止層32を形成する光学薄膜層の屈折率n0 を、拡散層18の屈折率よりも小さくしなければならない。
一般的に、拡散層18を形成する透光性樹脂16の屈折率は約1.5程度で、ガラスと同程度である。これに対して、反射防止層32を形成する光学薄膜層は、例えばLiF(屈折率;1.4)、MgF2 (屈折率;1.4)、3NaF・AlF3 (屈折率;1.4)、AlF3 (屈折率;1.4)、Na3 AlF6 (氷晶石,屈折率;1.33)等の無機材料を使用する。
又、例えば、前記屈折率n0 =1.38のMgF2 膜を用いる場合、入射光の波長λ0 =5500・(基準)としたとき、前記(2)式から、反射防止膜の厚さhは約0.1μmが最適であると計算される。
なお、前述の如く、選択された反射防止膜32の材料の屈折率に対して、(1)式を充足する屈折率の透光性樹脂16が得られない場合は、この透光性樹脂中に、前述のような屈折率の高いTiO2 等の微粒子を加えて、屈折率を上げて調整する。
前記反射防止層32の形成方法は、一般的な薄膜成形手段、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、電気めっき法等の適宜な手段が採用される。
なお、前記透明基材フィルム12の拡散層18及び反射防止層32と反対側に設けられている粘着層34は、光拡散フィルム30を例えば液晶パネルに取り付ける場合に用いるものであり、セパレータ36を剥離した露出した粘着層34を、液晶パネル等に押し付けることによって、光拡散フィルム30を取り付けることができる。
又、前記図3の光拡散フィルム30における拡散層18と透明基材フィルム12を、図4に示される光拡散フィルム30Aのように、入れ替えて配置してもよい。
なお、前記透光性樹脂16は、粘着性を有する材料から構成し、これによって粘着層を兼ねるようにしてもよい。この場合、図4の粘着層34を省略することができる。
次に、図5に示される本発明の実施の形態の第5例について説明する。
この第5例に係る光拡散フィルム40は、図1に示される前記実施の形態の第1例に係る光拡散フィルム10における透光性樹脂16と透光性拡散剤14との間との界面に、これら透光性拡散剤14及び透光性樹脂16よりも屈折率の小さい低屈折率層38を介在させたものである。
他の構成は、図1の光拡散フィルム10と同一であるので、同一部分に図1と同一符号を付することにより、説明を省略するものとする。
このように、透光性拡散剤14と透光性樹脂16との間に、両者よりも屈折率の低い低屈折率層38を形成すると、透光性樹脂16を通った光が低屈折率層38に入り、次に透光性拡散剤14の表面において反射されるので、大きな拡散効果が得られる。
又、この実施の形態の例の場合では、透光性拡散剤14と透光性樹脂16とは直接に臨接していないので、両者間の屈折率差は特に問題とならない。
この低屈折率層38は、気体、液体あるいは固体によって構成するが、気体、例えば空気は屈折率が低く(屈折率1)であるので、拡散効果が大きい。
前記透光性拡散剤14をメラミンビーズとし、且つ透光性樹脂16を紫外光硬化型樹脂とした場合、理由は不明であるが、硬化後に拡散層18の断面を観測したところ、直径が1.5μmの真球状のメラミンビーズと硬化した透光性樹脂16との間に厚さ0.1μm程度の空間(低屈折率層)が確認できた。
他に、透光性樹脂16を、液状から固化する際に膨脹する樹脂として、固化時に透光性拡散材14の周囲に空間を形成してもよい。
更に、透光性拡散剤14の外周を、硬化途中あるいは硬化した透光性樹脂16によって吸収される材料によりコーティングしてもよい。
又、前記透光性拡散剤14に予め、この透光性拡散剤14及び透光性樹脂16よりも屈折率の小さい材料をコーティングしておき、これが低屈折率層38となるようにしてもよい。
この場合、コーティング材料は、透光性樹脂16が硬化したとき、液状、ゲル状あるいは固体のいずれであってもよい。
上記のように、透光性拡散剤14と透光性樹脂16との界面に、これらよりも屈折率の小さい低屈折率層を介在させると、その光拡散効果が大きいので、低屈折率層38を設けない場合と比較して、透光性拡散剤の添加量を少なくすることができ、これによって拡散剤によるディスプレイ表示の白化、色の変化、偏光の乱れが少なくなり、明瞭な表示を得ることができる。
前記図5の実施の形態の第5例は、透明基材フィルム12の片面に拡散層18を形成したものであるが、前記図2〜図4の、実施の形態の第2〜第4例と同様に、透光性拡散剤14と透光性樹脂16との界面に低屈折率層38を設けた構成は、図6(A)〜(C)に示される光拡散フィルム50、60、及び、60Aのようにしてもよい。
次に図7に示される本発明にかかる拡散層付偏光板の実施の形態の第1例について説明する。
図7に示されるように、この実施の形態の例は拡散層付偏光板70に係るものであり、偏光層42の一方の面(図4において上面側)に反射防止層44、下面側に前記と同様の拡散層18がそれぞれ設けられている。
前記偏光層42は、2層の透明基材フィルムであるTACフィルム45A、45Bの間に積層された3層構造であって、第1層及び第3層がポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を加えたフィルム、中間の第2層がPVAフィルムからなっている。
前記反射防止層44は、前記光拡散フィルム30における反射防止層32と同様の構成である。
前記偏光層42の両外側に設けられ、透明基材となるTACは複屈折がなく偏光が乱されないので、偏光素子となるPVA及びPVA+ヨウ素フィルムと積層しても、偏光が乱されない。従って、このような拡散層付偏光板70を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる。
上記のような拡散層付偏光板70における偏光層42を構成する偏光素子としては、上記のPVAフィルムの他に、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等がある。
なお、偏光層42を構成する各フィルムを積層するにあたっては、接着性の増加及び静電防止のために、前記TACフィルムにケン化処理を行うとよい。
次に、前記透明基材フィルム12の面に、拡散層18を形成する過程について図8を参照して説明する。
図8(A)の透明基材フィルム12に対して、図8(B)のように、透光性拡散剤14を混ぜた透光性樹脂16を塗布し、この塗布層の上から、表面に、表面粗さRaが0.2μm以下の微細な凹凸を形成された賦型フィルム46を、該表面が前記塗布層に接するようにラミネートし(図8(C)参照)、次に、前記透光性樹脂16が電子線あるいは紫外線硬化型樹脂の場合は、これら電子線あるいは紫外線を賦型フィルム46を介して照射し、又溶剤乾燥型樹脂の場合は加熱して硬化した後、賦型フィルム46を硬化した拡散層18から剥離する。
このようにすると、拡散層18は全体として平滑な状態となり、且つ賦型フィルム46に予め形成されている表面粗さRa=0.2μm以下の細かな凹凸が賦型される。
従って、透光性拡散剤14を混合した液状の透光性樹脂16を単に塗布した場合と比較して、拡散層18のその面をより平滑にすることができる。
なお、図9に示される拡散層付偏光板80のように、拡散層18を、偏光層42に対して、図において上側、即ち反射防止層44の内側に隣接して配置してもよい。
更に、図10に示される拡散板付偏光板82のように、反射防止層44の内側に第3のTACフィルム45Cを設け、このTACフィルム45Cの内側に隣接して前記拡散層18を形成し、更に拡散層18を粘着層34を介して前記TACフィルム45Aに粘着積層してもよい。
更に、図11に示される拡散層付偏光板84のように、図7における拡散層付偏光板70の、TACフィルム45Bと拡散層18との間に、TACフィルム45B側から位相差層86、粘着層34及び第3のTACフィルム45Cを新たに積層した構成としてもよい。
前記図7、図9〜図11の実施の形態の例に係る拡散層付偏光板において、拡散層18の一部を構成する透光性拡散剤14は、前記図5及び図6に示される実施の形態の例のように、透光性拡散剤14と透光性樹脂16との界面に低屈折率層38を設けたものであってもよい。
前記図7、9〜図11の拡散層付偏光板70、80、82、及び、84に対応する拡散層付偏光板88、90、92、及び、94を、図12(A)、(B)へ図13(A)、(B)に示す。
他の構成は、図7、9〜図11に示される拡散層付偏光板におけると同一であるので、同一部分に同一符号を付することにより説明を省略するものとする。
次に、図14〜図16に示されている本発明に係る液晶表示装置の実施の形態の例について説明する。
図14に示される液晶表示装置100は、拡散層付偏光板102と液晶パネル104と、偏光板106とを、この順で積層すると共に、偏光板106側の背面にバックライト108を配置した透過型の液晶表示装置である。
図15は、本発明を適用した、外付け反射板タイプの反射型液晶表示装置110である。この液晶表示装置110においては、前記液晶表示装置100におけるバックライトに代えて、偏光板106に密着して反射板112を配置したものである。
図16は、本発明を適用した内部反射電極タイプの反射型液晶表示装置120を示す。この液晶表示装置120においては、液晶パネル104、液晶セル114内に反射板の電極を兼ねる反射電極116を配置したものであり、図15の液晶表示装置110における偏光板106及び反射板112は設けられていない。
前記液晶表示装置100、110、120における液晶パネル104で使用される液晶モードとしては、ツイストネマティックタイプ(TN)、スーパーツイストネマティックタイプ(STN)、ゲスト−ホストタイプ(GH)、相転移タイプ(PC)、高分子分散タイプ(PDLC)等のいずれであってもよい。
又、液晶の駆動モードとしては、単純マトリックスタイプ、アクティブマトリックスタイプのどちらでもよく、アクティブマトリックスタイプの場合では、TFT、MIM等の駆動方式が取られる。
更に、液晶パネル104は、カラータイプあるいはモノクロタイプのいずれであってもよい。
本発明は上記のように構成したので、フィルム厚が薄く、拡散剤や樹脂に制約がなく、更に複屈折が生じることなく、又ディスプレイの内部に用いることができると共に、液晶ディスプレイ等に設けた場合、その表示品位を向上させることができるという優れた効果を有する。
次に本発明の実施例について説明する。
表1に、本発明による実施例1〜11及び比較のために従来技術による比較例1〜3の光拡散フィルムを、液晶ディスプレイ上に取付けて表示品位を30cm離した距離から目視にて観察した結果を示す。
Figure 2007148415
この表1から、拡散層の表面粗さRaが2μm以下であって、ヘイズ値が3以上且つ、拡散層表面における法線方向のヘイズ値と法線方向から±60°方向のヘイズ値の差が0.7以下の場合、表示品位が良好以上、又、若干白化も含めれば前記ヘイズ値の差が4以下の場合、許容範囲であることが分かる。
実施条件は次の如くである。
実施例1〜9は、透明基材フィルムとしてTACフィルムを用い、これに、表2〜4に示されるメラミンビーズ、アクリルビーズあるいはアクリルスチレンビーズを拡散剤として下記の樹脂成分に混合して形成した拡散塗料を塗工した。
Figure 2007148415
Figure 2007148415
Figure 2007148415
紫外線硬化型樹脂;ペンタエサスリトールアクリレート100重量部
光重合開始剤3重量部
プロピオン酸セルロース1.25重量部
レベリング剤;シリコーン0.1重量部
有機溶剤;トルエン130重量部
ここで、紫外線硬化型樹脂の樹脂の屈折率は1.50である。
上記実施例10については、透明基材フィルムとして、TACの代わりにPETを用いたものであり、他の条件は実施例2と同様である。
実施例11は、実施例2の拡散フィルムの拡散層の上に、MgF2 (屈折率1.38)を真空蒸着にて成膜し、厚みが900・のフッ化マグネシウムの薄膜層を形成することによって、図3の実施の形態の例と同様に反射防止層を有する拡散フィルムとしたものである。
これら実施例1〜11の製造方法は、表1に示されるようにA又はBである。
製造方法Aは、上記のような、樹脂成分と拡散剤を混合した拡散塗料の塗工厚を20μm/dry になるようにグラビアリバース法により塗工し、70℃で2分間溶剤を乾燥後、240Wの紫外線照射装置の下を20m/min の速度で通過させ、樹脂を硬化させるものである。
又、製造方法Bは、拡散塗料の塗工厚を、20μm/dry になるようにグラビアリバース法により塗工し、70℃で2分間溶剤を乾燥して塗工フィルムを形成した後、表面が平滑(表面粗さRa≦2μmの凹凸面)なPET製の賦型フィルムを前記塗工フィルム上に、該賦型フィルムの微細な凹凸面が合わさるようにラミネートして、240Wの紫外線照射装置の下を20m/min の速度で通過させ、次いで前記賦型フィルムを剥離して、表面が平滑な拡散層を有する拡散フィルムを得るものである。
比較例1は、透明基材フィルムであるTACフィルムに下記の樹脂成分と表2に記載したメラミンビーズからなる拡散剤を混合した拡散塗料を塗工したものである。
紫外線硬化型樹脂;ウレタンアクリレート100重量部
光重合開始剤3重量部
有機溶剤;トルエン130重量部
この比較例1の製造方法Cは、次のようにする。
拡散塗料の塗工厚は7μm/dry になるように、グラビアリバース法により塗工し、70℃で2分間溶剤を乾燥して塗工フィルムを形成した後、表面に微細な凹凸が形成されたPET製の賦型フィルムを塗工フィルム上に該賦型フィルムの微細な凹凸面が合わさるようにラミネートし、240Wの紫外線照射装置の下を20m/min の速度で通過させ、樹脂を硬化させ、次いで前記賦型フィルムを剥離して、表面に凹凸面が施された拡散層を有する拡散フィルムを得るものである。
比較例2は、前記表2に示される拡散剤以外は、実施例1〜9と同様な条件で得られた拡散フィルムである。
比較例3は、前記製造方法Aによる以外は、実施例7と同様な条件で拡散フィルムを得た。
前記表1における表面粗さは、中心線平均粗さRaを小坂研究所製サーフコーダAY−31により測定した。
ヘイズ値と透明度は、「ヘイズ、透明プラスチックの透過率標準試験方法」ASTMD1003に準じた測定を、東洋精機(株)製ヘイズカードプラスにより測定した。
次に、前記透光性拡散剤14と透光性樹脂16との界面に低屈折率層38を設けた光拡散フィルムを、前記と同様に、液晶ディスプレイ上に取り付けて表示品位を30cm離した距離から目視にて観察した結果を表5に示す。
Figure 2007148415
前記表5におけるコントラスト比は、白・黒表示のとき、輝度計(トプコン製BM−7)を用いて輝度を測定し、白表示時の輝度/黒表示時の輝度=コントラスト比として求めた。
なお、液晶ディスプレイには、反射型の液晶ディスプレイを反射板を鏡面のものとして測定を行った。反射率の測定方法は、図17に示されるように、光源1を、液晶表示装置110又は120の法線から30°で入射し、法線から0°での反射率を、基準白色反射板をレファレンスとして輝度計2により反射率を測定した。色については、目視での感応試験を行った。
又、ミクロトームで拡散層の断面を作成し、日本電子(株)製電子顕微鏡にて、実施例1〜4及び比較例1〜3の断面を観察した結果、メラミンビーズを用いたものでは、透光性樹脂と紫外光硬化型樹脂とした場合に、図18に示されたように、両者の界面に空間(ガスと思われる)からなる低屈折率層が0.数μmの厚みで認められた。なお、アクリルビーズを用いない場合、又は紫外光硬化型樹脂を用いない場合は、このような低屈折率層は形成されなかった。
このような低屈折率層は、透光性樹脂を通ってきた光が一旦低屈折率層に入射し、且つ、透光性拡散剤の表面で反射されてしまうので、良好な光拡散能を得ることができる。
本発明の実施の形態の第1例に係る光拡散フィルムを示す断面図。 同第2例に係る光拡散フィルムを示す断面図。 同第3例に係る光拡散フィルムを示す断面図。 同第4例に係る光拡散フィルムを示す断面図。 透光性樹脂と透光性拡散剤との界面に低屈折率層を設けた発明の実施の形態の第1例に係る光拡散フィルムを示す断面図。 同第2例〜第4例に係る光拡散フィルムを示す断面図。 本発明の光拡散フィルムを用いた偏光板を示す断面図。 本発明方法により光拡散フィルムを製造する過程を示す断面図。 本発明の光拡散フィルムを用いた偏光板の発明の実施の形態の第2例に係る拡散層付偏光板を示す断面図。 同第3例に係る拡散層付偏光板を示す断面図。 同第4例に係る拡散層付偏光板を示す断面図。 透光性拡散剤と透光性樹脂との間に低屈折率層を設けた拡散層付偏光板の実施の形態の第1、第2例を示す断面図。 透光性拡散剤と透光性樹脂との間に低屈折率層を設けた拡散層付偏光板の実施の形態の第3、第4例を示す断面図。 本発明の液晶表示装置の実施の形態の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 同第3例を示す断面図。 本発明の実施例に係る液晶表示装置の測定状態を示す側面図。 本発明の実施例に係る拡散板の断面を電子顕微鏡にて観察した結果を示す断面図。
符号の説明
10、20、30…光拡散フィルム
12…透明基材フィルム
14…透光性拡散剤
16…透光性樹脂
18…拡散層
32…反射防止層
34…粘着層
36…セパレータ
38…低屈折率層
40…拡散層付偏光板
42…偏光層
44…反射防止層
45A、45B…TACフィルム
46…賦型フィルム
70、80、82、84、88、90、92、94、102…拡散層付偏光板
86…位相差層
100、110、120…液晶表示装置
104…液晶パネル
112…反射板
114…液晶セル
116…反射電極

Claims (19)

  1. 透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、屈折率の異なる透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる拡散層を積層してなる光拡散フィルムにおいて、前記拡散層の表面におけるヘイズ値を3以上で、該表面の法線方向のヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値との差が4以下となるようにすると共に、表面粗さRaが0.2μm以下となるようにしたことを特徴とする光拡散フィルム。
  2. 請求項1において、前記拡散層における透光性樹脂と透光性拡散剤との屈折率の差Δnを、0.01≦Δn≦0.5とすると共に、透光性拡散剤の平均粒径dを、0.1μm≦d≦5μmとしたことを特徴とする光拡散フィルム。
  3. 透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる拡散層を積層してなる光拡散フィルムにおいて、前記拡散層中の透光性拡散剤と透光性樹脂との界面の少なくとも一部に、これら透光性拡散剤及び透光性樹脂よりも屈折率の小さい低屈折率層を介在させたことを特徴とする光拡散フィルム。
  4. 請求項3において、前記低屈折率層を、気体により構成したことを特徴とする光拡散フィルム。
  5. 請求項3において、前記低屈折率層を、前記透光性拡散剤の外周に構成されたコーティング層としたことを特徴とする光拡散フィルム。
  6. 請求項3、4又は5において、前記拡散層の表面におけるヘイズ値を3以上で、該表面の法線方向へのヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値との差が4以下となるようにしたことを特徴とする光拡散フィルム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記透明基材フィルムを、トリアセテートセルロース及びポリエチレンテレフタレートフィルムの一方から構成したことを特徴とする光拡散フィルム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記透光性樹脂が粘着あるいは接着性を有することを特徴とする光拡散フィルム。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記透光性樹脂が紫外線硬化型樹脂であり、前記透光性拡散剤がメラミンビーズであることを特徴とする光拡散フィルム。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、表面及び裏面の少なくとも一方に、光学薄膜層を含む反射防止層を設けたことを特徴とする光拡散フィルム。
  11. 請求項4の光拡散フィルムの製造方法において、前記透光性拡散剤をメラミンビーズ、透光性樹脂を紫外線硬化型樹脂として、液状の拡散層を前記透明基材フィルムに塗布し、紫外線照射により前記透光性樹脂を硬化させることを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。
  12. 請求項4の光拡散フィルムの製造方法において、前記透光性拡散剤をビーズ形状とすると共に、その外周を、前記透光性樹脂の硬化時に、ガス化又は透光性樹脂に吸収される材料によりコーティングし、液状の透光性樹脂と共に前記透明基材フィルムに塗布して硬化させることを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。
  13. 請求項1乃至10のいずれかの光拡散フィルムの製造方法において、前記透明基材フィルムに液状の前記拡散層を塗布し、この塗布層の上から、表面に表面粗さ0.2μm以下の微細な凹凸を形成された賦型フィルムを、該表面が前記塗布層に接するようにラミネートし、前記塗布層が硬化した後に、前記賦型フィルムを剥離することを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。
  14. 請求項1乃至9のいずれかの光拡散フィルムにおける前記透明基材フィルムの一方の面に、偏光層を積層してなる偏光板において、前記透明基材フィルムの他方の面に、前記拡散層を積層したことを特徴とする拡散層付偏光板。
  15. 請求項14において、前記偏光層及び拡散層の一方の面に、光学薄膜層を含む反射防止層を積層したことを特徴とする拡散層付偏光板。
  16. 請求項14又は15において、位相差板を更に積層したことを特徴とする拡散層付偏光板。
  17. 液晶パネルと、この液晶パネルの表示面側に設けられた請求項14、15又は16の拡散層付偏光板と、を有してなる液晶表示装置。
  18. 請求項17において、前記液晶パネルは、裏面に鏡面反射性を有する反射材を備えた反射型であることを特徴とする液晶表示装置。
  19. 請求項17において、前記液晶パネルは、液晶セル中に、鏡面反射性を有する反射材を兼ねる電極を備えている反射型であることを特徴とする液晶表示装置。
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