JPH11302483A - 塩化ビニル系樹脂組成物とこの組成物からなる配管材 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物とこの組成物からなる配管材

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JPH11302483A
JPH11302483A JP11532798A JP11532798A JPH11302483A JP H11302483 A JPH11302483 A JP H11302483A JP 11532798 A JP11532798 A JP 11532798A JP 11532798 A JP11532798 A JP 11532798A JP H11302483 A JPH11302483 A JP H11302483A
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JP
Japan
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vinyl chloride
weight
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resin
chloride resin
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Application number
JP11532798A
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English (en)
Inventor
Wataru Aono
渉 青野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強度に加えて脈動水圧強度も優れた配管
材が得られる塩化ビニル系樹脂組成物を提供すると共
に、この塩化ビニル系樹脂組成物の成形体により構成さ
れた配管材を提供する。 【解決手段】 (a)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(b)特定の粉末アルキル錫メルカプト系安定剤(例、
ジ−n−ブチル錫−S,S’−メルカプトプロピオン酸
無水物)0.3〜10重量部および、必要に応じて、
(c)ゴム系樹脂成分が60重量%以上であるMBS系
樹脂もしくは(d)ゴム系樹脂成分が70重量%以上で
あるアクリルゴム系樹脂0.5〜8重量部からなる塩化
ビニル系樹脂組成物であり、得られる成形体の耐衝撃性
の向上を図ることが可能となる。従って、この成形体で
配管材を構成することにより引張強度に加えて脈動水圧
強度の改善が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物とこの樹脂組成物からなる配管材に係り、特に、
脈動水圧強度(すなわち高い水圧が繰返し作用した場合
の破壊され難さ)と引張強度に優れた配管材とその構成
材料に適した塩化ビニル系樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の継手、バルブ、フランジといっ
た配管材は、内圧に対する耐クリープ性(引張強度)、
曲げ応力に対する強度、経済性といった要求品質をバラ
ンスよく満たすという観点から、従来、塩化ビニル系樹
脂にて成形される場合が多かった。
【0003】ところで、これら配管材には上述した品質
の他に、蛇口やバルブの開閉により瞬間的に発生する圧
力に対する強度も要求される。しかし、塩化ビニル系樹
脂は、元来、比較的脆い材料であるため、水圧に対する
強度は十分ではなかった。
【0004】また、近年はシングルレバーと称されるワ
ンタッチタイプの蛇口や、センサーにより瞬時に開閉を
行うものが増加してきており、より高い水圧が繰返し作
用して配管材が破壊され易いといった問題点を有してい
た。
【0005】上記の問題を解決するために、特開平9−
241463号公報には、塩化ビニル系樹脂と、塩素化
度及び残存結晶度が特定範囲にある塩素化ポリエチレン
樹脂とからなる塩化ビニル系樹脂組成物、及び該組成物
の成形体により構成されている配管材が提案されてい
る。この提案の組成物は、上記の問題を解決し得るもの
であったが、更なる性能向上が期待されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に着目してなされたもので、その課題とするところ
は、引張強度に加えて脈動水圧強度も優れた配管材が得
られる塩化ビニル系樹脂組成物を提供すると共に、この
塩化ビニル系樹脂組成物の成形体により構成された配管
材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、(a)塩化ビニル系樹脂100重量部および
(b)下記一般式(1)
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキ
ル基、mは1または2、nは1〜10の整数を表す)で
表される粉末アルキル錫メルカプト系安定剤0.3〜1
0重量部からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組
成物である。
【0008】請求項2に係る発明は、(a)塩化ビニル
系樹脂100重量部、(b)請求項1記載の粉末アルキ
ル錫メルカプト系安定剤0.3〜10重量部および
(c)ゴム系樹脂成分が60重量%以上であるMBS系
樹脂0.5〜8重量部からなることを特徴とする塩化ビ
ニル系樹脂組成物である。
【0009】請求項3に係る発明は、(a)塩化ビニル
系樹脂100重量部、(b)請求項1記載の粉末アルキ
ル錫メルカプト系安定剤0.3〜10重量部および
(d)ゴム系樹脂成分が70重量%以上であるアクリル
ゴム系樹脂0.5〜8重量部からなることを特徴とする
塩化ビニル系樹脂組成物である。
【0010】また、請求項4に係る発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の成形体
により構成されていることを特徴とする配管材である。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明に係る塩化ビニル系樹脂組
成物によれば、(a)塩化ビニル系樹脂100重量部お
よび(b)上記一般式(1)で表される粉末アルキル錫
メルカプト系安定剤0.3〜10重量部からなるので、
塩化ビニル系樹脂と粉末アルキル錫メルカプト系安定剤
の作用により引張強度と脈動水圧強度に優れた成形体を
得ることが可能となる。
【0012】請求項2記載の発明に係る塩化ビニル系樹
脂組成物によれば、(a)塩化ビニル系樹脂100重量
部、(b)上記一般式(1)で表される粉末アルキル錫
メルカプト系安定剤0.3〜10重量部および(c)ゴ
ム系樹脂成分が60重量%以上であるMBS系樹脂0.
5〜8重量部からなるので、塩化ビニル系樹脂と粉末ア
ルキル錫メルカプト系安定剤とMBS系樹脂の作用によ
り引張強度と脈動水圧強度に優れた成形体を得ることが
可能となる。
【0013】請求項3記載の発明に係る塩化ビニル系樹
脂組成物によれば、(a)塩化ビニル系樹脂100重量
部、(b)請求項1記載の粉末アルキル錫メルカプト系
安定剤0.3〜10重量部および(d)ゴム系樹脂成分
が70重量%以上であるアクリルゴム系樹脂0.5〜8
重量部からなるので、塩化ビニル系樹脂と粉末アルキル
錫メルカプト系安定剤とアクリルゴム系樹脂の作用によ
り引張強度と脈動水圧強度に優れた成形体を得ることが
可能となる。
【0014】また、請求項4記載の発明に係る配管材に
よれば、請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系
樹脂組成物の成形体により構成されているため、引張強
度に加えて脈動水圧強度の改善を図ることが可能とな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0016】まず、塩化ビニル系樹脂組成物の一部を構
成する上記塩化ビニル系樹脂(a)としては従来公知の
ものが適用でき、例えば、塩化ビニルの単独重合体の他
に、塩化ビニルと塩化ビニル以外の重合性単量体が共重
合された共重合体、塩化ビニル以外の重合体に塩化ビニ
ルをグラフトさせたグラフト共重合体、更にはこれらを
従来公知の方法を用いて塩素化して得られた塩素化塩化
ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0017】上記重合性単量体としては反応性二重結合
を有するものであれば特に限定されるものではなく、例
えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフ
ィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル類、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類、メチルアクリレート、エチル
アクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート等のメタクリル酸エステル類、スチレン、α−メチ
ルスチレン等の芳香族ビニル類、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル等のハロゲン化ビニル類、N−フェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレ
イミド類等が挙げられる。これ等は、単独もしくは2種
以上併用して適用される。
【0018】また、塩化ビニルがグラフト重合される塩
化ビニル以外の上記重合体としては特に限定はなく、例
えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−一酸
化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、塩素化ポ
リエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂等が挙げら
れる。
【0019】尚、上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度
は、小さくなると成形品の機械物性が低下し、大きくな
ると成形性能が低下するため400〜1400が好まし
く、特に、600〜1000が好ましい。
【0020】次に、上記塩化ビニル系樹脂組成物の一部
を構成する粉末アルキル錫メルカプト系安定剤(b)に
ついては、前記一般式(1)で表されるが、Rは直鎖も
しくは分岐アルキル基を表すが、炭素数が12を上回る
と、塩化ビニル系樹脂との相溶性が低下し、十分な熱安
定性が得られないばかりか、最終的に得られる成形品の
機械物性が低下するので、その炭素数は1〜12に限定
され、好ましくは1〜8である。また、mは3以上にな
ると十分な熱安定性が得られないので、1または2に限
定され、好ましくは2である。また、nは11以上にな
ると十分な熱安定性が得られないので、1〜10の整数
に限定され、好ましくは1〜3の整数である。
【0021】上記粉末アルキル錫メルカプト系安定剤と
しては、例えば、ジメチル錫−S,S’−メルカプト酢
酸無水物、ジメチル錫−S,S’−メルカプトプロピオ
ン酸無水物、ジ−n−ブチル錫−S,S’−メルカプト
酢酸無水物、ジ−n−ブチル錫−S,S’−メルカプト
プロピオン酸無水物、ジ−n−オクチル錫−S,S’−
メルカプト酢酸無水物、ジ−n−オクチル錫−S,S’
−メルカプトプロピオン酸無水物、ジイソオクチル錫−
S,S’−メルカプト酢酸無水物、ジイソオクチル錫−
S,S’−メルカプトプロピオン酸無水物、ジ−n−ラ
ウリル錫−S,S’−メルカプト酢酸無水物、ジ−n−
ラウリル錫−S,S’−メルカプトプロピオン酸無水物
等が挙げられる。
【0022】上記粉末アルキル錫メルカプト系安定剤
(b)の添加量は、少なくなると熱安定性が不足し、満
足な成形加工性が得られず、多くなると塩化ビニル系樹
脂との相溶性が低下し機械物性が低下するので、塩化ビ
ニル系樹脂組成物100重量部に対し0.3〜10重量
部に限定され、好ましくは0.5〜3重量部である。
尚、これら粉末アルキル錫メルカプト系安定剤は単独も
しくは2種以上併用して使用される。
【0023】次に、請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組
成物の一部を構成するMBS系樹脂(c)とは、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン系共重合体などのゴム
系樹脂に、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアク
リルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のアクリロニトリル系モノマー、スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン系モノマー等をグラフト重合し
たグラフト重合体であって、本発明においては、そのゴ
ム系樹脂成分が60重量%以上に限定され、好ましくは
70重量%以上である。
【0024】上記MBS系樹脂(c)の添加量は、少な
くなると脈動水圧強度の改善効果が低下し、多くなると
得られる成形体の引張強度が低下すると共に、脈動水圧
強度が低下するため、塩化ビニル系樹脂組成物100重
量部に対し0.5〜8重量部に限定され、好ましくは2
〜6重量部である。尚、これらMBS系樹脂は単独もし
くは2種以上併用して使用される。
【0025】次に、請求項3記載の塩化ビニル系樹脂組
成物の一部を構成するアクリルゴム系樹脂(d)とは、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、オクチルアクリレート等のアクリレートを主
体とし、このアクリレートと2−クロルエチルビニルエ
ーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニ
トリル、ブタジエン等のモノマーとの共重合体であり、
本発明においては、そのゴム系樹脂成分が70重量%以
上に限定され、好ましくは80重量%以上である。
【0026】上記アクリルゴム系樹脂(d)の添加量
は、少なくなると脈動水圧強度の改善効果が低下し、多
くなると得られる成形体の引張強度が低下すると共に、
脈動水圧強度が低下するため、塩化ビニル系樹脂組成物
100重量部に対し0.5〜8重量部に限定され、好ま
しくは2〜6重量部である。尚、これらアクリルゴム系
樹脂は単独もしくは2種以上併用して使用される。
【0027】このように請求項1〜3記載の発明に係る
塩化ビニル系樹脂組成物の主成分は上記塩化ビニル系樹
脂、粉末アルキル錫メルカプト系安定剤および必要に応
じてMBS系樹脂またはアクリルゴム系樹脂とで構成さ
れるが、必要に応じて、塩化ビニル系樹脂組成物の成形
性、熱安定性を向上させるため、例えば、安定剤、ポリ
メチルメタクリレート系の加工助剤、酸化防止剤、帯電
防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、難燃剤、顔料、
染料等を配合してもよい。
【0028】そして、上記安定剤としては、例えば、ジ
オクチル錫マレートポリマー等の粉末錫系安定剤、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸亜鉛等の有機金属塩系安定剤等が挙げられる。
【0029】また、上記滑剤としては、例えば、ポリエ
チレンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水
素系、ステアリルアルコール等の高級脂肪族アルコール
系、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸等の高級脂
肪酸系、ブチルステアレート等のモノアルコール脂肪酸
エステル系、及び、グリセリンモノステアレート、グリ
セリントリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エス
テル系の滑剤等が挙げれる。
【0030】また、上記充填剤としては、例えば、炭酸
カルシウム、クレー、マイカ、ガラス繊維等が挙げら
れ、上記難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、
リン系難燃剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物系難燃
剤等が挙げられる。
【0031】次に、請求項1〜3記載の発明に係る塩化
ビニル系樹脂組成物を用いて成形体としての配管材を得
る方法としては任意の手段が採用され、例えば、射出成
形法が好適に利用される。具体的には、塩化ビニル系樹
脂組成物をスーパーミキサーで均一に分散させた混合物
を射出成形機に供給するか、上記混合物を押出機に供給
しかつペレタイザーで切断して得られたペレットを射出
成形機に供給して成形すればよい。このときの射出条件
は、概ね、バレル温度:160〜180℃、射出圧力:
50〜100kg/cm2 である。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。尚、以下の本文で『部』とあるのは『重量部』を意
味する。また、以下の表1において『塩化ビニル系樹脂
組成物の配合組成』の各実施例並びに比較例の欄に表記
された数字群は配合された重量部をそれぞれ示してい
る。
【0033】[実施例1]以下の表1に示されているよ
うに、塩化ビニル樹脂(平均重合度800)100部
と、粉末アルキル錫メルカプト系安定剤(ジ−n−ブチ
ル錫−S,S’−メルカプトプロピオン酸無水物)1部
と、ワックス(ヘキストジャパン社製;商品名 WAX
−OP)0.5部、ポリエチレンワックス(三井石油化
学社製;商品名 ハイワックス4202E)0.5部、
及び、顔料0.5部をヘンシェルミキサーに供給し、1
10℃になるまで昇温しながら均一に混合し、実施例1
に係る塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0034】次に、得られた塩化ビニル系樹脂組成物を
下記{押出機仕様}の二軸コニカル押出機(長田製作所
製;形式 SLM−50)に供給し、以下に述べる{押
出条件}にて塩化ビニル系樹脂組成物のストランド(st
rand:うどん状に押出されたもの)を得た。得られたス
トランドをカッティングして塩化ビニル系樹脂組成物の
ペレットを得た。
【0035】得られたペレットを射出成形機(東芝機械
社製;形式 IS−350E、最大型締力 350t)
に供給し、以下に述べる{射出成形条件}にてJIS
K6743に記載の水道用硬質塩化ビニル管継手(TS
エルボ50)の成形体を得た。
【0036】得られた成形体の脈動水圧強度、引張強度
を以下の{評価方法}に示された方法に従って評価し
た。
【0037】これ等の結果を表1に示す。
【0038】{押出機仕様} 1.シリンダー径(mm):50 2.スクリュー径(mm):50/94 コニカル(異
方向外回り) 3.スクリュー長(mm):900 4.金型 (1) ストランド金型 (2) ストランド径(mm):3 (3) ストランド数(個) :40
【0039】{押出条件} 2.スクリュー回転速度:30rpm 3.押出量 :50kg/hr
【0040】 2.射出圧力:70%(設定) 3.射出速度:20%(設定) 4.背圧 :15%(設定) 5.保圧 :70%(設定) 6.射出時間:45秒 7.スクリュー回転数:34rpm
【0041】{評価方法} 1.脈動水圧強度:成形体の一端にメクラフランジを施
し、もう一端を高圧ポンプに接続する。配管後の成形体
を23℃の恒温水槽内に設置し、0〜20kg/cm2
の水圧を繰り返して成形体に加えた。繰り返しのサイク
ルは、2.5秒/回とし、成形体が破壊するまでに水圧
を加えた回数を測定した。破壊に至るまでの回数が多い
程、脈動水圧強度が優れていると判断する。 2.引張強度:成形体よりJIS K 6742に記載
のダンベルを切り出し、JIS K 7113に準拠
し、23℃での引張強度を測定した。
【0042】[実施例2〜5,比較例1〜4]次に、表
1の『塩化ビニル系樹脂組成物の配合組成』に示された
各データに基づき、実施例1と同一の条件により実施例
2〜5及び比較例1〜4に係る塩化ビニル系樹脂組成物
を調製し、かつ、実施例1と同一の押出機にて各組成物
のペレットを得ると共に、実施例1と同一の射出成形機
にて水道用硬質塩化ビニル管継手の成形体を得た。
【0043】ただし、比較例3においては、押出機によ
るペレット作製時にストランドに、塩化ビニル系樹脂組
成物の熱分解によると思われる、著しい変色や炭化物が
発生したため、脈動水圧強度、引張強度の評価は行わな
かった。
【0044】そして、得られた各成形体について実施例
1と同様の評価試験を行った。
【0045】この結果を、実施例1のデータと共に表1
に示す。
【0046】
【表1】
【0047】[実施例6]以下の表2に示されているよ
うに、塩化ビニル樹脂(平均重合度800)100部
と、粉末アルキル錫メルカプト系安定剤(ジ−n−ブチ
ル錫−S,S’−メルカプトプロピオン酸無水物)1部
と、MBS系樹脂(ゴム系樹脂成分70重量%)3部
と、ワックス(ヘキストジャパン社製;商品名 WAX
−OP)0.5部、ポリエチレンワックス(三井石油化
学社製;商品名 ハイワックス4202E)0.5部、
及び、顔料0.5部をヘンシェルミキサーに供給し、1
10℃になるまで昇温しながら均一に混合し、実施例6
に係る塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0048】次に、得られた塩化ビニル系樹脂組成物を
用いて、実施例1と同一の押出機にて実施例1と同一の
条件で各組成物のペレットを得ると共に、実施例1と同
一の射出成形機にて実施例1と同一の条件で水道用硬質
塩化ビニル管継手の成形体を得た。
【0049】そして、得られた各成形体について実施例
1と同様の評価試験を行った。
【0050】この結果を、表2に示す。
【0051】[実施例7〜10,比較例5、6]次に、
表2の『塩化ビニル系樹脂組成物の配合組成』に示され
た各データに基づき、実施例6と同一の条件により実施
例7〜10及び比較例5〜7に係る塩化ビニル系樹脂組
成物を調製し、かつ、実施例6と同一の押出機にて各組
成物のペレットを得ると共に、実施例6と同一の射出成
形機にて水道用硬質塩化ビニル管継手の成形体を得た。
【0052】そして、得られた各成形体について実施例
6と同様の評価試験を行った。
【0053】この結果を、実施例6のデータと共に表2
に示す。
【0054】
【表2】
【0055】[実施例11]以下の表3に示されている
ように、塩化ビニル樹脂(平均重合度800)100部
と、粉末アルキル錫メルカプト系安定剤(ジ−n−ブチ
ル錫−S,S’−メルカプトプロピオン酸無水物)1部
と、アクリルゴム系樹脂(ゴム系樹脂成分80重量%)
3部と、ワックス(ヘキストジャパン社製;商品名 W
AX−OP)0.5部、ポリエチレンワックス(三井石
油化学社製;商品名 ハイワックス4202E)0.5
部、及び、顔料0.5部をヘンシェルミキサーに供給
し、110℃になるまで昇温しながら均一に混合し、実
施例11に係る塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0056】次に、得られた塩化ビニル系樹脂組成物を
用いて、実施例1と同一の押出機にて実施例1と同一の
条件で各組成物のペレットを得ると共に、実施例1と同
一の射出成形機にて実施例1と同一の条件で水道用硬質
塩化ビニル管継手の成形体を得た。
【0057】そして、得られた各成形体について実施例
1と同様の評価試験を行った。
【0058】この結果を、表3に示す。
【0059】[実施例12〜15,比較例7、8]次
に、表3の『塩化ビニル系樹脂組成物の配合組成』に示
された各データに基づき、実施例11と同一の条件によ
り実施例12〜15及び比較例8〜10に係る塩化ビニ
ル系樹脂組成物を調製し、かつ、実施例11と同一の押
出機にて各組成物のペレットを得ると共に、実施例11
と同一の射出成形機にて水道用硬質塩化ビニル管継手の
成形体を得た。
【0060】そして、得られた各成形体について実施例
11と同様の評価試験を行った。
【0061】この結果を、実施例11のデータと共に表
3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る塩化ビニル系
樹脂組成物によれば、(a)塩化ビニル系樹脂100重
量部および(b)前記一般式(1)で表される粉末アル
キル錫メルカプト系安定剤0.3〜10重量部からなる
ので、塩化ビニル系樹脂と粉末アルキル錫メルカプト系
安定剤の作用により引張強度と脈動水圧強度に優れた成
形体を得ることが可能となる。
【0064】請求項2記載の発明に係る塩化ビニル系樹
脂組成物によれば、(a)塩化ビニル系樹脂100重量
部、(b)前記一般式(1)で表される粉末アルキル錫
メルカプト系安定剤0.3〜10重量部および(c)ゴ
ム系樹脂成分が60重量%以上であるMBS系樹脂0.
5〜8重量部からなるので、塩化ビニル系樹脂と粉末ア
ルキル錫メルカプト系安定剤とMBS系樹脂の作用によ
り引張強度と脈動水圧強度に優れた成形体を得ることが
可能となる。
【0065】請求項3記載の発明に係る塩化ビニル系樹
脂組成物によれば、(a)塩化ビニル系樹脂100重量
部、(b)前記一般式(1)で表される粉末アルキル錫
メルカプト系安定剤0.3〜10重量部および(d)ゴ
ム系樹脂成分が70重量%以上であるアクリルゴム系樹
脂0.5〜8重量部からなるので、塩化ビニル系樹脂と
粉末アルキル錫メルカプト系安定剤とアクリルゴム系樹
脂の作用により引張強度と脈動水圧強度に優れた成形体
を得ることが可能となる。
【0066】また、請求項4記載の発明に係る配管材に
よれば、請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系
樹脂組成物の成形体により構成されているため、引張強
度に加えて脈動水圧強度の改善を図ることが可能とな
る。
【0067】従って、水道用管継手、バルブ、フランジ
等の配管材、とりわけ、シングルレバーと称されるワン
タッチタイプの蛇口やセンサーにより瞬時に開閉を行う
配管材等における脈動水圧強度の改善が図れる効果を有
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 27/06 33:06)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)塩化ビニル系樹脂100重量部お
    よび(b)下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキ
    ル基、mは1または2、nは1〜10の整数を表す)で
    表される粉末アルキル錫メルカプト系安定剤0.3〜1
    0重量部からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 (a)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (b)請求項1記載の粉末アルキル錫メルカプト系安定
    剤0.3〜10重量部および(c)ゴム系樹脂成分が6
    0重量%以上であるMBS系樹脂0.5〜8重量部から
    なることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (b)請求項1記載の粉末アルキル錫メルカプト系安定
    剤0.3〜10重量部および(d)ゴム系樹脂成分が7
    0重量%以上であるアクリルゴム系樹脂0.5〜8重量
    部からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビ
    ニル系樹脂組成物の成形体により構成されていることを
    特徴とする配管材。
JP11532798A 1998-04-24 1998-04-24 塩化ビニル系樹脂組成物とこの組成物からなる配管材 Pending JPH11302483A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000319479A (ja) * 1998-12-28 2000-11-21 Taiyo Enbi Kk 塩化ビニル系重合体組成物
CN102174234A (zh) * 2011-03-09 2011-09-07 南京工业大学 具有表面自洁功能的基站天线pvc异型材外罩及其制备方法
CN104119373A (zh) * 2014-07-17 2014-10-29 佛山市瑞山汉科塑料科技有限公司 一种聚氯乙烯(pvc)稳定剂二乙二酯基锡及其制备方法

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