JPH11276069A - 油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
油中水型乳化油脂組成物Info
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- JPH11276069A JPH11276069A JP10083119A JP8311998A JPH11276069A JP H11276069 A JPH11276069 A JP H11276069A JP 10083119 A JP10083119 A JP 10083119A JP 8311998 A JP8311998 A JP 8311998A JP H11276069 A JPH11276069 A JP H11276069A
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Abstract
用途、折り込み用途、サンド・フィリング用途、スプレ
ッド用途に優れた物性を持ち、且つ良好なバター風味を
有する油中水型乳化油脂組成物を提供する。 【解決手段】 発酵バターを10〜90重量%含有し、
水相のpHを3〜6に調整したことを特徴とする油中水
型乳化油脂組成物。水相のpHは乳酸、クエン酸、アジ
ビン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リ
ンゴ酸から選ばれた1種または2種以上を用いて調整す
る。
Description
油脂として、練り込み用途、折り込み用途、サンド・フ
ィリング用途、スプレッド用途に優れた物性を持ち、且
つ良好なバター風味を有する油中水型乳化油脂組成物に
関する。
ら、製菓・製パン・調理用油脂として、バターは広く用
いられている。バターは“美味しさ”という風味上の利
点がある。一方、マーガリンに比べ高価であるという価
格上の問題、低温でのスプレッド性不良等の物性上の問
題、コレステロール等の栄養学上の問題がある。バター
のこれらの問題点と風味上の利点の折衷品としてバター
コンパウンドマーガリン(以下、コンパウンドマーガリ
ンと略す)が存在する。しかし、コンパウンドマーガリ
ンは風味上の満足感には乏しいのが現実である。
酵バターミルクを乳固形分として0.3〜0.5重量%
含有することを特徴とする、発酵風味をもつマーガリン
が記載されている。また、特開昭59−102356号
公報には、油脂にpH4.5〜5.5の醗酵乳を配合し
てなる醗酵マーガリンが記載されている。更に、特公昭
49−1856号公報には、加熱溶解した食用油脂に、
親油性乳化剤を添加した油相と、乳酸発酵乳或いはその
乾燥物及び糖分、更に必要により天然嗜好品を含み、且
つ有機酸でpH3.0〜3.5に調整した水混合系に親
油性乳化剤、必要により更に乳化安定剤を添加してなる
水相とを混合、乳化した後、急冷捏和することを特徴と
する油脂加工食品の製造法が記載されている。
ーミルクや醗酵乳、乳酸発酵乳或いはその乾燥物をマー
ガリンの水相に添加することによりマーガリンの風味の
改善を狙ったものである。しかし、発酵バターミルクや
醗酵乳、乳酸発酵乳或いはその乾燥物をマーガリンの水
相に添加することによるマーガリンの風味の改善は部分
的な改善に過ぎず、抜本的な風味の改良には至らなかっ
た。また、風味を強める為にこれらの添加量を多くする
と、製菓・製パン・調理用油脂として、練り込み用途、
折り込み用途、サンド・フィリング用途、スプレッド用
途に優れた物性を付与させることが困難であった。
は、水溶性有機酸により、水相のpHを1〜5に調整し
てなるマーガリンが記載されているが、同公報に記載の
内容はカナダマニトバ小麦粉等の良質な硬質小麦粉の製
菓・製パン製造時の問題点改善を目的としたものであ
り、また発酵バターを使用するものでもない。
調理用油脂として、練り込み用途、折り込み用途、サン
ド・フィリング用途、スプレッド用途に優れた物性を持
ち、且つ良好なバター風味を有する油中水型乳化油脂組
成物を提供することにある。
した結果、発酵バターを特定量含有し、水相のpHを一
定範囲に調整した油中水型乳化油脂組成物が、上記目的
を達成し得るものであることを知見した。
で、発酵バターを10〜90重量%含有し、水相のpH
を3〜6に調整した油中水型乳化油脂組成物を提供する
ものである。
組成物について詳述する。本発明において、油相と水相
の割合は油中水型の乳化状態になるような割合であれば
どのような割合でもよい。好ましくは70〜95重量%
(以下、%と略する)の油相と30〜5%の水相、さら
に好ましくは80〜90%の油相と20〜10%の水相
からなる油中水型乳化油脂組成物である。
して製造した発酵バターを用いる。発酵バターを用いる
ことにより、良好なバター風味を付与することができ
る。
乳化油脂組成物中、10〜90%、好ましくは20〜8
0%、さらに好ましくは25〜75%である。発酵バタ
ー含有量が10%未満ではバター風味が弱く、90%を
越えると練り込み用途、折り込み用途、サンド・フィリ
ング用途、スプレッド用途に適した物性を付与すること
ができない。
は、好ましくは3〜6、さらに好ましくは4〜5であ
る。発酵バターのpHが3未満では、酸味が強く最終製
品に良好なバター風味が得られにくく、pHが6を越え
ると、良好なバター風味が得られにくい。
とで、本発明の油中水型乳化油脂組成物の物性を使用用
途に適したものとすることができる。例えば、パーム
油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、
ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳
脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動
物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換
から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が
挙げられる。本発明においてこれらの油脂を単独で用い
ることもでき、また2種以上を組み合わせて用いること
もできる。
相のpHを3〜6とすることにより発酵バターの良好な
風味を強化させるものであり、発酵バターを10〜90
%使用した油中水型乳化油脂組成物であっても、pHが
3〜6の範囲でないものは良好なバター風味とはならな
い。そして、好ましくはpHを4〜5に調整する。
アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル
酸、リンゴ酸から選ばれた1種または2種以上を使用し
て調整する。乳酸、クエン酸、アジピン酸の単独又は2
種以上の組み合わせが好ましい。このとき水相のpHの
調整に酢酸を用いると、良好なバター風味が得られにく
い。
の他必要に応じて乳化剤、食塩、乳製品、着香料、調味
料等の呈味成分、着色料、酸化防止剤等を添加すること
ができる。
可塑化により油中水型乳化油脂組成物を得ることができ
る。
示すことができ、得られた油中水型乳化油脂組成物の香
気成分をGC−MSにて測定すると、全香気成分中、2
〜25%含有しているものが好ましく、さらに好ましく
は5〜25%、より好ましくは10〜25%含有してい
るものがよい。
油脂組成物の用途としては、製菓・製パン・調理用油脂
として、練り込み用途、折り込み用途、サンド・フィリ
ング用途、スプレッド用途に使用することができ、また
本発明の油中水型乳化油脂組成物の使用量は使用用途に
より異なるものであり、特に限定されるものではない。
明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
ター70%、大豆硬化油45℃5%、大豆油20%、水
道水3.99%、モリグリ0.5%、レシチン0.3
%、フレーバー0.2%、乳酸0.01%を乳化、急冷
可塑化により、練り込み用マーガリンを作製した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は17%であった。この練り込
み用マーガリンを用いて常法にてクッキーを作製した。
この練り込み用マーガリンは、クリーミング性が良好
で、クッキー作製に優れた物性を持ち、且つ良好なバタ
ー風味を有するクッキーが得られた。
酵バター50%、大豆硬化油45℃10%、大豆油30
%、水道水7.49%、食塩1%、脱脂粉乳0.5%、
モリグリ0.5%、レシチン0.3%、フレーバー0.
2%、クエン酸0.01%を乳化、急冷可塑化により、
スプレッド用マーガリンを作製した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は15%であった。このスプレ
ッド用マーガリンは、スプレッドに優れた物性を持ち、
且つ良好なバター風味を有するものであった。
ター25%、大豆硬化油45℃15%、パーム油20
%、大豆油25%、水道水12.25%、食塩1%、脱
脂粉乳0.5%、モリグリ0.5%、レシチン0.5
%、フレーバー0.2%、アジピン酸0.05%を乳
化、急冷可塑化により、ロールイン用マーガリンを作製
した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は13%であった。このロール
イン用マーガリンを用いて常法にてデニッシュペースト
リーを作製した。このロールイン用マーガリンは、伸展
性が良好でロールイン適性に優れた物性を持ち、且つ良
好なバター風味を有するデニッシュペーストリーが得ら
れた。
ター92%、大豆油4%、水道水1.29%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、モリグリ0.5%、レシチン
0.5%、フレーバー0.2%、乳酸0.01%を乳
化、急冷可塑化により、ロールイン用マーガリンを作製
した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は17%であった。このロール
イン用マーガリンを用いて常法にてデニッシュペースト
リーを作製した。このロールイン用マーガリンは、低温
で硬くロールイン適性が悪いため、商品価値を有するデ
ニッシュペーストリーが得られなかった。
ター5%、大豆硬化油45℃20%、パーム油35%、
大豆油25%、水道水13.25%、脱脂粉乳0.5
%、モリグリ0.5%、レシチン0.5%、フレーバー
0.2%、乳酸0.05%を乳化、急冷可塑化により、
ロールイン用マーガリンを作製した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は3%であった。このロールイ
ン用マーガリンを用いて常法にてデニッシュペーストリ
ーを作製した。このロールイン用マーガリンは、伸展性
が良好でロールイン適性に優れた物性は持っていたが、
良好なバター風味が得られず、商品価値を有するデニッ
シュペーストリーが得られなかった。
ター25%、大豆硬化油45℃5%、パーム油35%、
大豆油25%、水道水8.9%、モリグリ0.5%、レ
シチン0.3%、フレーバー0.2%、アジピン酸0.
1%を乳化、急冷可塑化により、練り込み用マーガリン
を作製した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は13%であった。この練り込
み用マーガリンを用いて常法にてクッキーを作製した。
この練り込み用マーガリンは、クリーミング性が良好
で、クッキー作製に優れた物性は持っていたが、良好な
バター風味が得られず、商品価値を有するクッキーが得
られなかった。
ター25%、大豆硬化油45℃5%、パーム油35%、
大豆油を25%、水道水8.5%、脱脂粉乳0.5%、
モリグリ0.5%、レシチン0.3%、フレーバー0.
2%を乳化、急冷可塑化により、練り込み用マーガリン
を作製した。
であり、GC−MSにて香気成分を測定したところ、酪
酸とカプロン酸の合計量は13%であった。この練り込
み用マーガリンを用いて常法にてクッキーを作製した。
この練り込み用マーガリンは、クリーミング性が良好
で、クッキー作製に優れた物性は持っていたが、良好な
バター風味が得られず、商品価値を有するクッキーが得
られなかった。
油脂として、練り込み用途、折り込み用途、サンド・フ
ィリング用途、スプレッド用途に適した物性を持ち、且
つ良好なバター風味を有する油中水型乳化油脂組成物が
提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 発酵バターを10〜90重量%含有し、
水相のpHを3〜6に調整したことを特徴とする油中水
型乳化油脂組成物。 - 【請求項2】 上記発酵バターのpHが3〜6である請
求項1記載の油中水型乳化油脂組成物。 - 【請求項3】 上記水相のpHを乳酸、クエン酸、アジ
ピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リ
ンゴ酸から選ばれた1種または2種以上を用いて調整し
た請求項1又は2記載の油中水型乳化油脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08311998A JP3916317B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 油中水型乳化油脂組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11276069A true JPH11276069A (ja) | 1999-10-12 |
JP3916317B2 JP3916317B2 (ja) | 2007-05-16 |
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---|---|---|---|
JP08311998A Expired - Fee Related JP3916317B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 油中水型乳化油脂組成物 |
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---|---|
JP (1) | JP3916317B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002180084A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-06-26 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 粒状結晶を生成しない油脂混合物または油脂組成物 |
JP2007060913A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Kaneka Corp | シート状油中水型乳化油脂組成物及びそれを用いた層状膨化食品 |
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JP2015077123A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-04-23 | 株式会社Adeka | 水中油型乳化脂用乳化材 |
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WO2021177115A1 (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-10 | ミヨシ油脂株式会社 | 乳化油脂組成物 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP08311998A patent/JP3916317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2021177115A1 (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-10 | ミヨシ油脂株式会社 | 乳化油脂組成物 |
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