JPH11270650A - ボールねじ装置 - Google Patents
ボールねじ装置Info
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- JPH11270650A JPH11270650A JP10077787A JP7778798A JPH11270650A JP H11270650 A JPH11270650 A JP H11270650A JP 10077787 A JP10077787 A JP 10077787A JP 7778798 A JP7778798 A JP 7778798A JP H11270650 A JPH11270650 A JP H11270650A
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Abstract
ル整列部材がねじ軸と接触するのを防止すると共に、か
かるボール整列部材が無限循環路内で循環中に引っ掛か
りを生じるのを防止し、以てボールの循環ひいてはねじ
軸に対するナット部材の運動を円滑に行い得ると共に、
かかるボール整列部材の磨耗を可及的に防止することが
可能なボールねじ装置を提供する。 【解決手段】ナット部材20の無限循環路内でボール1
を所定間隔で整列させるボール整列部材2には、かかる
ボール1の直径よりも該ボール1の整列方向の両側に張
り出した案内片Aを形成する一方、ナット部材20に装
着されて無限循環路を形成する循環路形成部材50の内
径には上記ボール整列部材2の案内片Aを収容する一対
の案内溝53をボール1の転走方向に沿って形成し、ま
た、上記ナット部材20の負荷転走溝35の両側には上
記ボール整列部材2の案内片Aを収容すると共に上記案
内溝53と連続する一対の誘導溝21を形成した。
Description
してねじ軸とナット部材とが螺合して構成され、工作機
械や工業用ロボットのスライド部においてモータの回転
運動を直線運動に変換して伝達するボールねじ装置に係
り、詳細には、多数のボールを所定の間隔で整列させる
ボール整列部材を上記ナット部材のボール無限循環路に
組み込んだボールねじ装置の改良に関する。
スライド部等において多用されており、主にモータの回
転量に応じた直線移動量をテーブル等の可動体に与える
目的で使用されている。かかるボールねじ装置は、一般
的に、外周面に螺旋状のボール転走溝が形成されたねじ
軸と、多数のボールを介して該ねじ軸に螺合すると共に
該ボールが循環する無限循環路を備えたナット部材とか
ら構成されており、上記ねじ軸をモータに連結して回転
させると、上記ねじ軸とナット部材との間に介在する多
数のボールがナット部材に具備された無限循環路内を循
環し、これに伴ってナット部材がねじ軸の軸方向へ軽や
かに直線運動するようになっている。
は、上記ボール無限循環路内を循環する個々のボールが
その前後に位置するボールと相互に接触し、これによっ
てボールの円滑な循環が妨げられる他、ねじ軸の高速回
転時にボール相互の接触音が耳障りであるといった欠点
があり、かかる欠点を解消するものとして実開平5−2
7408号公報に開示されるボールねじ装置が提案され
ている。
可撓性を有する帯状のボール整列部材がナット部材のボ
ール無限循環路内に循環移動可能に設けられており、か
かる整列部材にはボールを収容するボールポケットが所
定間隔で配列されている。従って、ボールは帯状の整列
部材に所定間隔で配列された状態でナット部材のボール
無限循環路に収容されており、これによって該ボールね
じ装置では無限循環路内を循環するボール相互の接触が
防止されるようになっている。
部材にボール循環用パイプを装着することにより、上記
ボール無限軌道が形成されるようになっているが、かか
るボール循環用パイプの内径面には上記ボール整列部材
の両側縁部を案内する一対の案内溝が形成されている。
従って、かかる案内溝でボール循環用パイプ内における
帯状リテーナのばたつきを防止することで、ボール無限
軌道内におけるボールの円滑な循環が確保されるように
なっている。
ールねじ装置は、ボール循環用パイプ内では前述の如く
案内溝によって整列部材の循環を案内してはいるもの
の、ボールがねじ軸とナット部材との間を転走している
領域、すなわち負荷領域ではねじ軸の外周面とナット部
材の内周面とが形成する僅かな隙間に整列部材が挿入さ
れているのみである。このため、ボールの循環に伴って
帯状の整列部材が少しでもふらつくと、相対的に逆方向
へ移動する整列部材とねじ軸の外周面とが接触を生じて
しまい、かかる整列部材が早期に磨耗してしまう他、整
列部材の循環ひいてはボールの循環に対して大きな抵抗
が作用してしまい、ねじ軸に対するるナット部材の円滑
な運動が阻害されてしまうといった問題点があった。
部材の案内溝を形成した場合、整列部材を無端状に形成
していないと、かかる整列部材の先端部が負荷領域から
ボール循環用パイプに進入する際にその入口で引っ掛か
ってしまい、これによっても整列部材の円滑な循環が妨
げられてしまうといった問題点があった。
ものであり、その目的とするところは、ナット部材の無
限循環路内に組み込まれた整列部材がねじ軸と接触する
のを防止すると共に、かかる整列部材が無限循環路内で
循環中に引っ掛かりを生じるのを防止し、以てボールの
循環ひいてはねじ軸に対するナット部材の運動を円滑に
行い得ると共に、かかる整列部材の磨耗を可及的に防止
することが可能なボールねじ装置を提供することにあ
る。
に、本発明のボールねじ装置は、多数のボールと、外周
面に螺旋状のボール転走溝が形成されたねじ軸と、内周
面に上記ねじ軸のボール転走溝と対向する螺旋状の負荷
転走溝を有し、上記ボールを介してねじ軸に螺合するナ
ット部材と、このナット部材の負荷転走溝の両端と連通
連結して上記ボールの無限循環路を形成する循環路形成
部材とから構成されるボールねじ装置を前提とし、上記
無限循環路内には、上記ボールを所定の間隔で整列させ
ると共に該無限循環路内をボールと共に循環するボール
整列部材を設け、かかるボール整列部材にはボールの直
径よりも該ボールの整列方向の両側に張り出した案内片
を形成する一方、上記循環路形成部材の内径には上記ボ
ール整列部材の案内片を収容する一対の案内溝をボール
転走方向に沿って形成し、また、上記ナット部材の負荷
転走溝の両側には上記ボール整列部材の案内片を収容す
ると共に上記案内溝と連続する一対の誘導溝を形成した
ことを特徴とするものである。
循環路内をボールと共に循環するボール整列部材にはボ
ールの直径よりも該ボールの整列方向の両側に張り出し
た案内片が形成される一方、上記ナット部材の負荷転走
溝の両側にはボール整列部材の案内片を収容する誘導溝
が形成されていることから、上記ボール整列部材はボー
ルがナット部材の負荷転走溝とねじ軸のボール転走溝と
の間、すなわち負荷領域を転走している最中は上記誘導
溝によりナット部材の内周面に沿って案内される。従っ
て、かかる負荷領域においてはボールの転走と共に移動
するボール整列部材がふらつくことはなく、ボール整列
部材とねじ軸との接触を防止することが可能となる。
成された上記誘導溝は循環路形成部材の内径に形成され
た案内溝と連続していることから、ボール整列部材が無
端状に形成されていない場合であっても、負荷領域から
循環路形成部材に進入するボール整列部材の先端が循環
路形成部材の入口で引っ掛かりを生じることはなく、ナ
ット部材に具備された無限循環路に複数のボール整列部
材を直列に組み込んで使用することも可能となる。
ルを所定の間隔で整列させることができるものであれば
良く、例えば前述の実開平5−27408号公報に開示
される帯状リテーナの如く、合成樹脂からなる可撓性ベ
ルトに所定の間隔でボール直径よりも幾分大きな直径の
ボール収容孔を形成しただけのものであっても良い。但
し、ナット部材からねじ軸を抜いた際にボールがナット
部材の負荷転走溝から転がり落ちるのを防止するという
観点からすれば、かかるボール整列部材がボールを回動
自在に保持する機能を有しているのが好ましい。このよ
うに構成すれば、ボールはボール整列部材によって保持
される一方、ボール整列部材はナット部材の誘導溝によ
りナット部材の内周面に沿って案内されているので、結
果的に負荷転走溝を転走するボールはナット部材に保持
されていることとなり、ナット部材からねじ軸を抜いて
もボールが転がり落ちることがなく、ナット部材の取り
扱いが容易なものとなる。
対して必ずしも複数のボールが配列される必要はなく、
個々のボール毎にボール整列部材を設けてこれらを無限
循環路内で連ね、これによって該ボールを所定間隔で整
列させるように構成しても良い。
対して切削加工等で直接形成しても差し支えないが、ナ
ット部材の加工手間を考慮した場合、合成樹脂の射出成
形等を利用してナット部材の内周面に具備させるのが好
ましい。但し、かかる誘導溝は負荷転走溝に対応して螺
旋状に形成することが必要であり、射出成形による場合
は成形型が複雑になってしまうことから、ナット部材と
は別途に形成した略円筒形状の案内部材をナット部材の
内径に嵌合させ、この案内部材とナット部材の内周面と
の協動によって上記誘導溝溝をナット部材に具備させる
のが好ましい。すなわち、上記案内部材には上記ナット
部材の負荷転走溝に対応して螺旋状のボール逃げ部を開
設すると共に、このボール逃げ部の両側には案内部を形
成し、かかる案内部とナット部材の内周面との協動によ
って上記誘導溝を形成すれば良い。尚、この案内部材は
切削加工等の機械的手法によって製作しても良いし、合
成樹脂の射出成形によって製作しても良い。
嵌合させるに当たっては、かかる案内部材に開設した螺
旋状のボール逃げ部がナット部材の内周面に形成された
螺旋状の負荷転走溝と正確に対応することが必要であ
る。仮にこれらが正確に対応していない場合には、負荷
転走溝を転走するボールが案内部材に接触することとな
り、ボールの円滑な循環が阻害されると共にボールの循
環に伴う騒音が顕著に発生してしまうからである。従っ
て、かかる観点からすれば、上記案内部材の外周面には
上記ボール逃げ部に沿って螺旋状の係止突起を形成する
一方、上記ナット部材の内周面には該係止突起が螺合す
る係止凹溝を負荷転走溝に沿って形成するのが好まし
い。このように構成すれば、案内部材はその外周面に形
成された係止突起をナット部材の係止凹溝に螺合させる
ようにしてナット部材に固定されるので、ナット部材の
負荷転走溝と案内部材のボール逃げ部との位置関係、ひ
いては負荷転走溝と誘導溝との位置関係が正確となり、
ボール及びボール整列部材の循環を更に円滑なものとす
ることができる。
ット部材の係止凹溝とを互いに螺合させるように構成し
た場合、上記案内部材を弦巻きばねの如き螺旋状に形成
しておき、ナット部材に螺合させることによってそのリ
ードを強制的に負荷転走溝のリードに合致させることも
可能となり、上記案内部材の形状を一層簡易なものとす
ることも可能となる。
ト部材に装着されて上記負荷転走溝の両端を連通連結
し、かかるナット部材にボールの無限循環路を具備させ
るものであれば良く、例えば、ナット部材の外周面から
内周面へと貫通して負荷転走溝の両端を連通連結するパ
イプ状のものや、ナット部材の軸方向の両端に装着され
ると共に該ナット部材をその軸方向に貫通するボール戻
し孔との間でボールの受け渡しを行う一対のエンドキャ
ップ等がこれに該当する。
ボールねじ装置を詳細に説明する。図1及び図2はボー
ル整列部材を組み込んだボールねじ装置の実施例を示す
ものである。同図において、符号10は所定のリードで
螺旋状のボール転走溝11が形成されたねじ軸、符号2
0はボール1が循環する無限循環路を備えると共に該ボ
ール1を介して上記ねじ軸10に螺合した鋼製のナット
部材、符号30はこのナット部材20の外周面から内周
面へと挿し込まれてボール1の無限循環路を形成するボ
ールリターンパイプ(循環路形成部材)、符号40は上
記ナット部材20の内径に嵌合する合成樹脂製の案内部
材40であり、これらねじ軸10とナット部材20との
相対的な回転により該ナット部材20がねじ軸10の軸
方向へ運動するように構成されている。
中央に上記ねじ軸10の貫通孔31を有する円筒状に形
成されており、その外周面には該ナット部材20をテー
ブル等の可動体に固定するためのフランジ部32が突設
されている。上記貫通孔31の内周面には上記ねじ軸1
0のボール転走溝11と相対向する螺旋状の負荷転走溝
35が形成されており、ねじ軸10とナット部材20が
相対的な回転を生じると、ボール1はこれらボール転走
溝11と負荷転走溝35との間で荷重を負荷しながら転
走する。この負荷転走溝35の両端近傍にはその接線方
向にナット部材20を貫通する連通孔36が開設されて
おり、上記ボールリターンパイプ50の両端はこれらの
連通孔36を介してナット部材20の外側から内側へと
挿入されるようになっている。そして、ナット部材20
とねじ軸10との間で荷重を負荷しながら上記負荷転走
溝35を転走してきたボール1は、一方の連通孔36の
開設位置に到達すると荷重から開放されてボールリター
ンパイプ50内に転がり込み、図4に示すようにボール
リターンパイプ50内を転走した後、他方の連通孔36
を介して再度ナット部材20とねじ軸10との間に戻さ
れるようになっている。
5の両端には上記連通孔36に対応して係止段部38が
形成されており、連通孔36からナット部材20の内側
へと挿入されたボールリターンパイプ50の先端面は上
記係止段部38に突き当たって係止されるようになって
いる。更に、このナット部材20の外周面には上記ボー
ルリターンパイプ50を固定するための取付面33が形
成されており、かかるボールリターンパイプ50は留め
具51を用いてナット部材20に固定されるようになっ
ている(図1参照)。尚、図3に示すように、ナット部
材20の取付面33にはタップ孔34が形成されてお
り、上記留め具51に挿通した固定ボルト52がこれに
螺合するようになっている。
20の無限循環路に組み込まれているのではなく、図5
に示すように、可撓性を有する合成樹脂製のボール整列
部材2に一列に配列された状態で該無限循環路に組み込
まれている。かかるボール整列部材2は、図6(a)及
び(b)にその拡大図を示すように、各ボール1の収容
孔3が形成された略円環状の連結単位体4を一列に連ね
て構成されており、ボール1は各連結単位体4に一個ず
つ収容されることで、該ボール整列部材2の長手方向に
沿って所定の間隔で配列されている。各連結単位体4は
その外周の一部分が連結部4aを介して隣接する連結単
位体4と連結されており、このボール整列部材2は互い
に隣接する連結単位体4,4の間、すなわち上記連結部
4aにおいて最も括れた形状をなしている。そして、か
かるボール整列部材2は上記連結部4aが撓むことで柔
軟に屈曲あるいは捩じれ等を生じ得るようになってい
る。尚、図6(c)は図6(a)のX−X線断面図であ
る。
であって且つボール1の配列方向における前後両側には
一対の抜け止め部5,5が夫々立設されており、かかる
抜け止め部5によってボール1が上記収容孔3から抜け
落ちるのを各連結単位体4毎に防止している。図6
(a)に示すように、かかる抜け止め部5の上記連結単
位体4に対する突出高さhはボール1の突出高さHより
も小さく設定されており、これによって各ボール1がね
じ軸10のボール転走溝11を転走している際に、かか
る抜け止め部5のボール転走溝11との干渉が防止され
るようになっている。
子として金型内に配列した合成樹脂の射出成形により成
形され、成形完了後に上記ボール整列部材2をボール1
と共に金型から離型して製造される。また、単にボール
整列部材2を射出成形したのみでは上記連結単位体4及
び抜け止め部5がボール1と密着してしまい、該ボール
整列部材2に対してボール1が自在に回転しないことか
ら、この実施例では成形完了後のボール整列部材2をボ
ール1と共に鉱油系潤滑油に浸漬し、経時的なボール整
列部材2の膨潤を待ってボール1と連結単位体4及び抜
け止め部5との間に隙間を形成し、該ボール1の自由な
回転を可能としている。
ット部材20の相対的な回転に伴ってナット部材20に
具備された無限循環路を循環すると、かかるボール1と
共にボール整列部材2も無限循環路内を循環する。この
とき、図2に示すように、上記ボールリターンパイプ5
0の内径にはボール1の転走方向に沿って一対の案内溝
53が形成されていることから、上記ボール整列部材2
がボールリターンパイプ50内を循環する際には、ボー
ル1の直径よりも該ボール1の整列方向の両側に張り出
した連結単位体4の一部(図6(b)に斜線で示す領域
A)がこの案内溝53に収容され、ボール整列部材2は
この案内溝53に導かれるようにしてボールリターンパ
イプ50内を移動する。つまり、本実施例においては図
6(b)に斜線で示された連結単位体4の領域Aが本発
明の案内片として機能している。これにより、ボールリ
ターンパイプ50内におけるボール整列部材2のばたつ
きが防止され、かかるボール整列部材2に回動自在に保
持されたボール1の循環の円滑化が図られている。
嵌合する案内部材40は合成樹脂からなり、上記ねじ軸
10の外径より僅かに大きな内径を有すると共に、上記
ナット部材20の内径に適合した外径を有する略円筒形
状に形成されている。従って、この案内部材40とねじ
軸10との間には僅かな隙間が形成されるようになって
いる。図7に示すように、この案内部材40にはナット
部材20の負荷転走溝35に対応して螺旋状のボール逃
げ部41が開設されており、上記負荷転走溝35を転走
するボール1はこのボール逃げ部41を介してねじ軸1
0のボール転走溝11に接触するようになっている。
ル整列部材2をナット部材20の内周面に沿って案内す
る薄肉の案内部42が形成されており、上記案内部材4
0をナット部材20に嵌合させると、図8に示すよう
に、かかるリテーナ案内部42とナット部材20の内周
面との協動により、上記ボール整列部材2の両側縁部を
収容する誘導溝21が上記負荷転走溝35の両側に沿っ
て形成されるようになっている。
ナット部材20の負荷転走溝35との位置関係に正確を
期し、ひいては負荷転走溝35の両側に沿って誘導溝2
1を精度良く形成するため、上記案内部材40の外周面
には上記ボール逃げ部41に沿って螺旋状の係止突起4
3が形成される一方、ナット部材20の内周面には上記
負荷転走溝35に沿って螺旋状の係止凹溝37が形成さ
れており、上記係止突起43を係止凹溝37に螺合させ
ることで案内部材40がナット部材20の貫通孔31に
嵌合するように構成されている。
0の連通孔36に挿入されたボールリターンパイプ50
の先端と適合する切り欠き部44が形成されている。か
かる切り欠き部44は案内部材40の外周面を接線方向
に切り取るようにして形成されており、かかる切り欠き
部44によって上記案内部42が寸断されている。従っ
て、ナット部材20の貫通孔31に上記案内部材40を
嵌合させた状態で上記ボールリターンパイプ50を該ナ
ット部材20に装着すると、ナット部材20の係止段部
38に突き当たって係止された上記ボールリターンパイ
プ50の先端面が寸断された案内部42にも突き当たる
ようになっている。図9はボールリターンパイプ50と
案内部材40との接続状態を示す斜視図である。この図
に示すように、ナット部材20の連通孔36にボールリ
ターンパイプ50を挿入すると、かかるボールリターン
パイプ50の先端は上記案内部材40の切り欠き部44
に適合し、かかるパイプ50の端面と案内部42とが干
渉することによって案内部材40の周方向の位置が決定
される。前述したように、上記案内部材40は係止突起
43をナット部材20の係止凹溝37に螺合させること
で該ナット部材20の貫通孔31に嵌合していることか
ら、このようにして案内部材40の周方向の位置が決定
されると、ナット部材20に対する案内部材40の軸方
向の位置も決定されることになる。すなわち、この実施
例ではボールリターンパイプ50をナット部材20に装
着することにより、上記案内部材40をナット部材20
に対して正確に位置決めすることができるものである。
プ50を案内部材40の切り欠き溝44に適合させる
と、かかるパイプ50の端面が案内部材40のリテーナ
案内部42に突き当たることから、上記リテーナ案内部
42とナット部材20との協働によって形成された誘導
溝21がボールリターンパイプ50の内径に形成された
案内溝53と連通連結されるようになっている。これに
より、ボール1と共にナット部材20の無限循環路を循
環するボール整列部材2は、ボール1がねじ軸10のボ
ール転走溝11とナット部材20の負荷転走溝35との
間、すなわち負荷領域を転走している際は上記誘導溝2
1によってナット部材20の内周面に沿って案内され、
ボール1が負荷領域からボールリターンパイプ50の内
部、すなわち無負荷領域に転がり込むと引き続きボール
リターンパイプ50の案内溝53によって案内される。
のボールねじ装置によれば、ねじ軸10とナット部材2
0が相対的に回転すると、ボール整列部材2に配列され
たボール1がナット部材20の負荷転走溝35及びねじ
軸10のボール転走溝11の間を転走し、これに伴って
ボール整列部材2がナット部材20に具備された無限循
環路の内部を循環する。
は、ナット部材20に具備された負荷転走溝35の両側
に沿って誘導溝21を形成し、かかる誘導溝21でボー
ル整列部材2の両側縁部をナット部材20の内周面に沿
って案内していることから、ボール1と共に負荷領域を
移動するボール整列部材2がねじ軸10と接触すること
がなく、ボール1の転走に対して作用する抵抗を減じる
と共に、ボール整列部材2の磨耗をも防止することがで
きるものである。
両側に沿って形成された誘導溝21はボールリターンパ
イプ50の案内溝53と連続していることから、ボール
整列部材2の両側縁部は負荷領域及び無負荷領域からな
る無限循環路の全周にわたって誘導溝21及び案内溝5
3によって連続的に案内されていることとなる。従っ
て、負荷領域から無負荷領域、無負荷領域から負荷領域
へのボール整列部材2の循環、ひいてはボール1の循環
が円滑なものとなり、その分だけナット部材とねじ軸の
相対的な回転に作用する抵抗を減じることができるもの
である。
部材2によって回動自在に保持される一方、ボール整列
部材2は前述の如くその両側縁部が誘導溝21によりナ
ット部材20の内周面に沿って案内されていることか
ら、ナット部材20からねじ軸10を取り外しても、ナ
ット部材20の負荷転走溝を転走するボール1が該ナッ
ト部材20から転がり落ちることはなく、ボールねじ装
置の組立時等における取り扱いが極めて容易なものとな
る。
両側縁部が誘導溝21及び案内溝53により、ナット部
材に具備された無限循環路の全周にわたって案内されて
いることから、かかる無限循環路に複数本のボール整列
部材を直列的に組み込んで循環させることも可能とな
り、極めて長尺なボール整列部材2を製作する手間が省
ける他、かかるボール整列部材2を無限循環路に組み込
む際の取り扱いも容易なものとなる。
ねじ装置の無限循環路に組み込むことが可能なボール整
列部材70の他の例を示すものである。これらの図に示
された整列部材70は個々のボール1に対して個別に設
けられるようになっており、図12に示すように無限循
環路内でボール1と共に配列して使用される。各ボール
整列部材70は、ボール1に接する球面座71a,71
bを表裏両面に有する間座部72と、ボール1を抱え込
むようにして上記間座部72から立設された一対の保持
腕73,73とから構成されており、これら間座部72
及び保持腕73によって1個のボール1を回動自在に保
持するようになっている。
部材70は上記間座部72が互いに隣接するボール1,
1の間に位置するように無限循環路内に配列され、ボー
ル1の転走に伴って該ボール1と共に無限循環路内を循
環する。このとき、このボール整列部材70も、図6に
示したボール整列部材2と同様、上記保持腕73がボー
ル1の直径よりも該ボール1の整列方向の両側に張り出
していることから、かかる保持腕73が本発明の案内片
としてボールリターンパイプ50の案内溝53、あるい
はナット部材20に形成された誘導溝21に収容され
る。従って、負荷領域及び無負荷領域の双方において、
ボール整列部材70を一定の経路で円滑に案内すること
ができ、前述のボール整列部材2を使用した場合と同様
の効果、すなわちボール整列部材70がねじ軸10と接
触するのを防止し得ると共に、無限循環路内におけるボ
ール1の循環の円滑化を図り、ナット部材とねじ軸の相
対的な回転に作用する抵抗を減じることができるもので
ある。
ルねじ装置によれば、ナット部材に具備された負荷転走
溝の両側には誘導溝が形成されており、ボール整列部材
の両側へ張り出した案内片がこの誘導溝によって案内さ
れていることから、ボールが上記負荷転走溝を転走して
いる最中に該ボール整列部材がふらついてねじ軸と接触
を生じることがないので、ボールの循環を円滑に行うこ
とが可能となり、ひいてはねじ軸に対するナット部材の
運動を円滑に行うことが可能となる他、ボール整列部材
の磨耗を可及的に防止することが可能となる。
された案内溝と連続していることから、ボール整列部材
が無端状に形成されておらず、例えば個々のボールに対
して個別に設けられている場合であっても、ボール整列
部材の先端が循環路形成部材の入口で引っ掛かりを生じ
ることはないので、この点においても無限循環路内にお
けるボールの循環の円滑化を図ることが可能となる他、
無限循環路に複数のボール整列部材を直列に組み込んで
使用することも可能となる。
示す斜視図である。
る。
る。
環路をボールが循環する様子を示す斜視図である。
ボール整列部材を示す図である。
正面図、平面図及びX−X線断面図である。
状態を示す拡大断面図である。
プとの係合状態を示す斜視図である。
とが可能なボール整列部材の他の例を示す斜視図であ
る。
る。
内で配列した様子を示す平面図である。
…ボール転走溝、20…ナット部材、35…負荷転走
溝、40…案内部材、50…ボールリターンパイプ(循
環路形成部材)、21…誘導溝、53…案内溝
Claims (6)
- 【請求項1】 多数のボールと、外周面に螺旋状のボー
ル転走溝が形成されたねじ軸と、内周面に上記ねじ軸の
ボール転走溝と対向する螺旋状の負荷転走溝を有し、上
記ボールを介してねじ軸に螺合するナット部材と、この
ナット部材の負荷転走溝の両端と連通連結して上記ボー
ルの無限循環路を形成する循環路形成部材とから構成さ
れるボールねじ装置において、 上記無限循環路内には、上記ボールを所定の間隔で整列
させると共に該無限循環路内をボールと共に循環するボ
ール整列部材を設け、かかるボール整列部材にはボール
の直径よりも該ボールの整列方向の両側に張り出した案
内片を形成する一方、 上記循環路形成部材の内径には上記ボール整列部材の案
内片を収容する一対の案内溝をボール転走方向に沿って
形成し、また、上記ナット部材の負荷転走溝の両側には
上記ボール整列部材の案内片を収容すると共に上記案内
溝と連続する一対の誘導溝を形成したことを特徴とする
ボールねじ装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のボールねじ装置におい
て、上記ボール整列部材は複数のボールが配列された帯
状に形成されており、これらボールを回動自在に保持し
ていることを特徴とするボールねじ装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のボールねじ装置におい
て、上記ボール整列部材は個々のボール毎に複数設けら
れており、各ボールを回動自在に保持していることを特
徴とするボールねじ装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のボー
ルねじ装置において、上記ナット部材の内径には略円筒
形状の案内部材を嵌合させ、かかる案内部材には上記ナ
ット部材の負荷転走溝に対応して螺旋状のボール逃げ部
を開設すると共に、このボール逃げ部の両側にはナット
部材の内周面と相俟って上記誘導溝を形成する案内部を
形成したことを特徴とするボールねじ装置。 - 【請求項5】 請求項4記載のボールねじ装置におい
て、上記案内部材の外周面には上記ボール逃げ部に沿っ
て螺旋状の係止突起を形成する一方、上記ナット部材の
内周面には該係止突起が螺合する係止凹溝を負荷転走溝
に沿って形成したことを特徴とするボールねじ装置。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載のボールねじ装置に
おいて、上記ナット部材に対する案内部材の位置決めが
上記循環路形成部材をナット部材に装着することによっ
て行われることを特徴とするボールねじ装置。
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