JP3925438B2 - ボールねじ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば産業機械等に用いられるボールねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のボールねじ装置は、外周面にねじ溝を有して軸方向に延びるねじ軸に、内周面に前記ねじ軸のねじ溝に対応するねじ溝を有するナットが螺合されており、ナットのねじ溝とねじ軸のねじ溝とは互いに対向して両者の間に螺旋状の負荷軌道を形成している。該負荷軌道には転動体としての多数のボールが転動可能に装填されており、ねじ軸(又はナット)の回転により、ナット(又はねじ軸)がボールの転動を介して軸方向に移動するようになっている。
【0003】
ところで、ナット(又はねじ軸)が軸方向に移動する際には、ボールが両ねじ溝で形成される螺旋状の負荷軌道を転動しつつ移動するが、ナット(又はねじ軸)を継続して移動させていくためには、ボールを無限循環させる必要がある。
ボールを無限循環させる方式としては、循環チューブ式やエンドキャップ式等が一般的であるが、コンパクトタイプのボールねじ装置では、ナットに軸方向に貫通するボール戻し通路を形成すると共に、ナットの端部に前記ボール戻し通路の端部が開口する切欠きを形成して該切欠きに該ボール戻し通路と前記両ねじ溝間の負荷軌道とを連通するボール循環溝を有する循環こまを嵌合固定し、これにより、ボールを無限循環させるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3034052号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ナットの端面に形成された切欠きには、循環こまのボール循環溝と共にボールの循環通路を構成するボール径より幅広のボール走行面が設けられているが、このボール走行面は切欠きの径方向を向く内面とされており、従って、循環こまのボール循環溝もボール走行面に対向するように径方向を向く面に形成され、また、ボール循環溝の軸方向の両側にはそれぞれ肉部が設けられている。
【0006】
しかしながら、循環こまのボール循環溝の軸方向の両側に肉部が設けられていると、ねじ溝間隔の狭い小リードねじのボールねじ装置や多条ねじのボールねじ装置においては、ナットの切欠きのボール循環溝の軸方向の内側の肉部に対応する部分が隣のねじ溝(ナット側)に干渉してしまう場合があり、玉径のサイズアップや条数の増加による負荷容量の向上に対応できないという不都合がある。
【0007】
また、循環こまは、一般に、前記ボール循環溝を有するこま本体に、前記両ねじ溝間を転動するボールを前記ボール循環通路にすくい上げるすくい上げ部が一体に設けられているが、このすくい上げ部はねじ軸のねじ溝に挿入配置されるため、ねじ軸のねじ溝が軸方向の端部で切り上がりの場合(ねじ軸の端面までねじ溝が形成されていない場合)には、ねじ軸にナットを挿通した状態で該ナットの切欠きに循環こまを装着することができなくなり、ボールねじ装置の組み立てができなくなるという不都合がある。
【0008】
本発明はこのような不具合を解消するためになされたものであり、その目的は、ねじ軸のねじ溝が軸方向の端部で切り上がりの場合であってもナットにねじ軸を挿通した状態でナットの切欠きに循環こまを容易に装着することのできるボールねじ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対応するねじ溝を内周面に有すると共に軸方向に貫通するボール戻し通路を有し、且つ両端部に前記ボール戻し通路の端部が開口する切欠きを有して前記ねじ軸に螺合されるナットと、前記両ねじ溝間と前記ボール戻し通路とを連通させるボール循環路を前記ナットの切欠きと共に形成すべく該切欠きに嵌合固定される循環こまと、前記両ねじ溝間、前記ボール循環路および前記ボール戻し通路を転動しつつ循環可能に配設された多数のボールとを具備し、前記ねじ軸のねじ溝が軸方向の端部で切り上がっているボールねじ装置において、前記循環こまを、こま本体と、このこま本体と別体に形成されたすくい上げ部とから構成し、前記ナットの切欠きと共にボール循環路を形成するボール循環溝を前記こま本体に設け、かつ前記ナットの内周面から前記ねじ軸のねじ溝内に突出するタング部を前記すくい上げ部に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のボールねじ装置において、前記切欠きの軸方向を向く面をボール走行面とすると共に、前記循環こまの前記ボール走行面に対向する部位にボール循環溝を形成し、該ボール循環溝と前記ボール走行面とによって前記ボール循環通路を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のボールねじ装置において、前記循環こまは互いに嵌合する突起と凹部を前記すくい上げ部と前記こま本体との軸方向の接合部分に有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載のボールねじ装置において、前記ナットの端面に開口し且つ前記切欠きに連通する凹部を前記ナットに設けるとともに、前記凹部に嵌合して前記すくい上げ部を前記切欠きの所定部位に固定する突起を前記循環こまのすくい上げ部に設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態であるボールねじ装置の要部を説明するための説明図、図2は循環こまの一例を示す図、図3は図2の循環こまのこま本体を示す図、図4は図2の循環こまのすくい上げ部を示す図、図5はナットの切欠きに図2の循環こまを嵌合した状態を示す図、図6は図5の循環こま部分の軸方向に沿う断面図、図7はすくい上げ部の変形例を示す図、図8は図7のすくい上げ部を備えた循環こまをナットの切欠きに嵌合した状態を示す図、図9〜図15は本発明の第2の実施の形態であるボールねじ装置を説明するための図、図16は本発明の第3の実施の形態であるボールねじ装置の要部を説明するための図、図17は保持ピースを説明するための図である。
【0013】
本発明の第1の実施の形態であるボールねじ装置10は、図1に示すように、外周面に螺旋状のねじ溝11を有して軸方向に延びるねじ軸12に、内周面に該ねじ溝11に対応する螺旋状のねじ溝13を有するナット14が螺合されている。ナット14のねじ溝13とねじ軸12のねじ溝11とは互いに対向して両者の間に負荷軌道を形成しており、該負荷軌道には転動体としての多数のボール15が転動可能に装填されている。
【0014】
また、ナット14の壁部には軸方向に貫通するボール戻し通路16が形成されていると共に、ナット14の両端部にはそれぞれ切欠き17が形成されている。該切欠き17には、前記ボール戻し通路16と前記両ねじ溝11,13間の負荷軌道とを連通させるボール循環通路21を前記切欠き17と共に形成する湾曲状のボール循環溝20を有する循環こま18が嵌合固定されるようになっている(図5及び図6参照)。
【0015】
前記循環こま18は、例えば合成樹脂の射出成形品からなり、前記ボール循環溝20を有するこま本体18aと、前記両ねじ溝11,13間の負荷軌道を転動するボール15を前記ボール循環通路21にすくい上げるタング部19を先端に有するすくい上げ部18bとを備えている。
ここで、この実施の形態では、図3及び図4に示すように、循環こま18のすくい上げ部18bとこま本体18aとは互いに別体とされ、切欠き17に嵌合された状態においては、すくい上げ部18bがタング部19をねじ軸12のねじ溝11に挿入した状態で配置され、該すくい上げ部18bの径方向外方にこま本体18aが配置されて互いに径方向に接合されるようになっている。
【0016】
切欠き17は、ナット14のねじ溝13の側壁に沿う円弧部分22を有して循環こま18のこま本体18aが嵌合される第1の嵌合部17aと、すくい上げ部18bが嵌合される第2の嵌合部17bとを備えており、第1の嵌合部17aの底面(切欠きの軸方向を向く面)に前記ボール戻し通路16の端部が開口している。第1の嵌合部17aはボールエンドミルで加工されており、これにより、前記ボール戻し通路16と前記両ねじ溝11,13間の負荷軌道とがボール循環通路21によって段差なく滑らかに接続されるようになっている。
【0017】
ここで、この実施の形態では、第1の嵌合部17aの底面をボール走行面23とすると共に、前記循環こま18のボール循環溝20をボール走行面23に対向する部位に形成し、該ボール循環溝20と前記ボール走行面23とによって前記ボール循環通路21を形成している。また、ボール循環溝20の溝形状は特に限定されないが、この実施の形態では、ボール循環溝20の内で前記円弧部分22に対向する部位以外は90〜180°(図では180°)の単一円形溝(ゴシックアーチ溝やV字溝でも可能)とされ、該円弧部分22に対向する部位は前記単一円形溝の略半分の略90°円弧溝とされている。
【0018】
そして、前記ボール循環通路21と、前記両ねじ溝11,13間の負荷軌道および前記ボール戻し通路16とによってボール15の無限循環通路を形成しており、これにより、ねじ軸12(又はナット14)を回転させると、ナット14(又はねじ軸12)がボール15の転動を介して軸方向に継続して移動するようになっている。
【0019】
このようにこの実施の形態では、切欠き17の軸方向を向く面である第1の嵌合部17aの底面をボール走行面23とすると共に、前記循環こま18のボール循環溝20をボール走行面23に対向する部位に形成し、該ボール循環溝20と前記ボール走行面23とによって前記ボール循環通路21を形成しているので、ボール循環溝20の軸方向内側が切除された形状となり、従って、ねじ溝間隔の狭い小リードねじや多条ねじのねじ溝の場合であっても、ナット14の切欠き17が隣のねじ溝13に干渉するのを回避することができ、この結果、玉径のサイズアップや条数の増加によるボールねじ装置10の負荷容量の向上を図ることができる。
【0020】
また、循環こま18のすくい上げ部18bとこま本体18aとは互いに別体とされているので、ねじ軸12のねじ溝11が軸方向の端部で切り上がりの場合(ねじ軸12の端面までねじ溝11が形成されていない場合)においても、ねじ軸12にナット14を挿通した状態で該ナット14の切欠き17に循環こま18を装着することができ、この結果、ボールねじ装置10の組み立てを容易に行うことができる。
【0021】
なお、図7及び図8は、循環こま18のすくい上げ部18bに固定用の突起24を設けると共に、ナット14の切欠き17の第2の嵌合部17bに前記突起24が嵌合される凹部25を付加した例であり、これにより、循環こま18を切欠き17内で径方向及び周方向に拘束することができ、固定力を増すことができる。
【0022】
次に、図9〜図15を参照して、本発明の第2の実施の形態であるボールねじ装置を説明する。
本発明の第2の実施の形態であるボールねじ装置30は、図12及び図13に示すように、外周面に螺旋状のねじ溝31を有して軸方向に延びるねじ軸32に、内周面に該ねじ溝31に対応する螺旋状のねじ溝33を有するナット34が螺合されている。ナット34のねじ溝33とねじ軸32のねじ溝31とは互いに対向して両者の間に負荷軌道を形成しており、該負荷軌道には転動体としての多数のボール35が転動可能に装填されている。
【0023】
また、ナット34の壁部には軸方向に貫通するボール戻し通路36が形成されていると共に、ナット34の両端面にはそれぞれ切欠き37が形成されている。該切欠き37には、前記ボール戻し通路36と前記両ねじ溝31,33間の負荷軌道とを連通させるボール循環通路41を前記切欠き37と共に形成する湾曲状のボール循環溝40を有する循環こま38が嵌合固定されるようになっている。
【0024】
前記循環こま38は、例えば合成樹脂の射出成形品からなり、図9に示すように、前記ボール循環溝40を有するこま本体38aと、前記両ねじ溝31,33間の負荷軌道を転動するボール35を前記ボール循環通路41にすくい上げるタング部39を先端に有するすくい上げ部38bとを備えている。
【0025】
ここで、この実施の形態では、図10及び図11に示すように、循環こま38のすくい上げ部38bとこま本体38aとは互いに別体とされ、切欠き37に嵌合された状態においては、すくい上げ部38bがタング部39をねじ軸32のねじ溝31に挿入した状態で配置され、該すくい上げ部38bの径方向外方及び軸方向外方にこま本体38aが配置されて互いに径方向及び軸方向に接合されるようになっている。また、循環こま38のこま本体38a及びすくい上げ部38bには互いに軸方向に重合する固定用の突起44a及び44bがそれぞれ設けられている。
【0026】
切欠き37は、ナット34のねじ溝33の側壁に沿う円弧部分42を有して循環こま38のこま本体38aの前記すくい上げ部38bとの軸方向の接合部分以外が嵌合される第1の嵌合部37aと、すくい上げ部38bが前記こま本体38aの軸方向の接合部分と一緒に嵌合される第2の嵌合部37bと、前記固定用の突起44a,44bが嵌合される第3の嵌合部37cとを備えており、第1の嵌合部37aの底面(切欠きの軸方向を向く面)に前記ボール戻し通路36の端部が開口している。前記固定用の突起44a,44bが第3の嵌合部37cに嵌合されることで、循環こま38が切欠き37内で径方向及び周方向に拘束され、固定力が増すようになっている。なお、第1の嵌合部37aはボールエンドミルで加工されており、これにより、前記ボール戻し通路36と前記両ねじ溝31,33間の負荷軌道とがボール循環通路41によって段差なく滑らかに接続されるようになっている。
【0027】
ここで、この実施の形態では、第1の嵌合部37aの底面をボール走行面43とすると共に、前記循環こま38のボール循環溝40をボール走行面43に対向する部位に形成し、該ボール循環溝40と前記ボール走行面43とによって前記ボール循環通路41を形成している。また、ボール循環溝40の溝形状は特に限定されないが、この実施の形態では、ボール循環溝40の内で前記円弧部分42に対向する部位以外は90〜180°(図では180°)の単一円形溝(ゴシックアーチ溝やV字溝でも可能)とされ、該円弧部分42に対向する部位は前記単一円形溝の略半分の略90°円弧溝とされている。
【0028】
そして、前記ボール循環通路41と、前記両ねじ溝31,33間の負荷軌道および前記ボール戻し通路36とによってボール35の無限循環通路を形成しており、これにより、ねじ軸32(又はナット34)を回転させると、ナット34(又はねじ軸32)がボール35の転動を介して軸方向に継続して移動するようになっている。なお、作用効果については、上記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0029】
図14及び図15は、循環こま38のすくい上げ部38bとこま本体38aとの軸方向の接合部分において、すくい上げ部38bに突起45を設け、こま本体38aに凹部46を設けて、前記突起45を前記凹部46に嵌合することにより、すくい上げ部38bとこま本体38aとの結合を確実にした例である。
なお、本発明のボールねじ装置の各構成は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0030】
例えば、上記各実施の形態では、すくい上げ部を備えた循環こまを例に採ったが、これに代えて、図16に示すように、上記第1の実施の形態のすくい上げ部18bを備えず、こま本体18aのみで循環こま58を構成すると共に、上記第1の実施の形態の第1の嵌合部17aのみで切欠き57を構成して、該切欠き57に前記循環こま58を嵌合するようにしてもよい。
【0031】
この場合も、上記第1の実施の形態と同様に、ねじ軸12のねじ溝11が軸方向の端部で切り上がりの場合(ねじ軸12の端面までねじ溝11が形成されていない場合)に、ねじ軸12にナット14を螺合した状態で該ナット14の切欠き57に循環こま58を装着することができ、この結果、ボールねじ装置の組み立てを容易に行うことができる。なお、上記第1の実施の形態と重複する部分については図に同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
また、上記各実施の形態では、循環こまを合成樹脂製とした場合を例に採ったが、これに代えて、循環こまを焼結金属の成形体で形成することにより、耐熱性や強度の要求が厳しい用途に好適に用いることができる。
更に、上記実施の形態では、循環こまのこま本体とすくい上げ部を同一の材料で形成した場合を例に採ったが、これに代えて、例えば、すくい上げ部に耐衝撃性に優れた材料を採用し、こま本体に耐摩耗性に優れた材料を採用する等のように、それぞれの部位に最も要求されている機能に見合った材料を選択することにより、装置の作動性の向上を図ることができる。
【0033】
更に、前記両ねじ溝11,13間の負荷軌道を転動する多数のボール15の各ボール15間に、駆動時のボール同士の衝突音を無くして低騒音化を図るべく、図17に示すように、該ボール15に対向する両側面にそれぞれ円弧状や円錐状等の凹面を有する保持ピース100を介装してもよい。なお、保持ピースは各ボール15間に個別に介装するタイプ、各保持ピースが互いに連結されたタイプのどちらでもよい。
【0034】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、ねじ軸のねじ溝が軸方向の端部で切り上がりの場合においても、ねじ軸にナットを挿通した状態で該ナットの切欠きに循環こまを装着することができるので、ボールねじ装置の組み立てを容易に行うことができるという効果が得られる。
【0035】
請求項2の発明によれば、ねじ溝間隔の狭い小リードねじや多条ねじのねじ溝の場合であっても、ナットの切欠きが隣のねじ溝に干渉するのを回避することができるので、玉径のサイズアップや条数の増加によるボールねじ装置の負荷容量の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるボールねじ装置の要部を説明するための説明図である。
【図2】循環こまの一例を示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面で軸方向外方から見た図である。
【図3】図2の循環こまのこま本体を示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面である。
【図4】図2の循環こまのすくい上げ部を示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面、(c)は(b)のY−Y線断面図である。
【図5】ナットの切欠きに図2の循環こまを嵌合した状態を示す図である。
【図6】図5の循環こま部分の軸方向に沿う断面図である。
【図7】すくい上げ部の変形例を示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面である。
【図8】図7のすくい上げ部を備えた循環こまをナットの切欠きに嵌合した状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態であるボールねじ装置に用いる循環こまを示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面で軸方向外方から見た図である。
【図10】図9の循環こまのこま本体を示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面である。
【図11】図9の循環こまのすくい上げ部を示す図で、(a)は径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面、(c)は(b)のY−Y線断面図である。
【図12】図9の循環こまが嵌合されるナットの切欠き形状を示す図である。
【図13】図12のナットの切欠きに図9の循環こまを嵌合した状態での軸方向に沿う断面図である。
【図14】図9の循環こまの変形例を示す図で、(a)はこま本体を径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面である。
【図15】図9の循環こまの変形例を示す図で、(a)はすくい上げ部を径方向内方から見た図、(b)は(a)の右側面である。
【図16】本発明の第3の実施の形態であるボールねじ装置の要部を説明するための図である。
【図17】保持ピースを説明するための図である。
【符号の説明】
10…ボールねじ装置
11…ねじ溝(ねじ軸側)
12…ねじ軸
13…ねじ溝(ナット側)
14…ナット
15…ボール
16…ボール戻し通路
17…切欠き
18…循環こま
18a…こま本体
18b…すくい上げ部
20…ボール循環溝
21…ボール循環通路
23…ボール走行面
Claims (4)
- 外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対応するねじ溝を内周面に有すると共に軸方向に貫通するボール戻し通路を有し、且つ両端部に前記ボール戻し通路の端部が開口する切欠きを有して前記ねじ軸に螺合されるナットと、前記両ねじ溝間と前記ボール戻し通路とを連通させるボール循環路を前記ナットの切欠きと共に形成すべく該切欠きに嵌合固定される循環こまと、前記両ねじ溝間、前記ボール循環路および前記ボール戻し通路を転動しつつ循環可能に配設された多数のボールとを具備し、前記ねじ軸のねじ溝が軸方向の端部で切り上がっているボールねじ装置において、前記循環こまを、こま本体と、このこま本体と別体に形成されたすくい上げ部とから構成し、前記ナットの切欠きと共にボール循環路を形成するボール循環溝を前記こま本体に設け、かつ前記ナットの内周面から前記ねじ軸のねじ溝内に突出するタング部を前記すくい上げ部に設けたことを特徴とするボールねじ装置。
- 請求項1記載のボールねじ装置において、前記切欠きの軸方向を向く面をボール走行面とすると共に、前記循環こまの前記ボール走行面に対向する部位にボール循環溝を形成し、該ボール循環溝と前記ボール走行面とによって前記ボール循環通路を形成したことを特徴とするボールねじ装置。
- 前記循環こまは互いに嵌合する突起と凹部を前記すくい上げ部と前記こま本体との軸方向の接合部分に有することを特徴とする請求項1又は2記載のボールねじ装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載のボールねじ装置において、前記ナットの端面に開口し且つ前記切欠きに連通する凹部を前記ナットに設けるとともに、前記凹部に嵌合して前記すくい上げ部を前記切欠きの所定部位に固定する突起を前記循環こまのすくい上げ部に設けたことを特徴とするボールねじ装置。
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