JP6187109B2 - ボールねじ - Google Patents

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Description

本発明はボールねじに関する。
2種類のリードを切り換え可能なボールねじが、従来から知られている。例えば、特許文献1には、回転可能且つ軸方向に移動可能に設けた単一のシャフトに、リード差を有する2つのねじ溝(第1、第2ねじ溝)を軸方向に離隔して形成し、第1ねじ溝に複数のボールを介して螺合した第1ナットを軸方向に固定するとともに回転方向に可動に配設し、第2ねじ溝に複数のボールを介して螺合した第2ナットを回転方向に固定するとともに軸方向に可動に配設したボールねじが開示されている。
そして、シャフトの回転時に、第1ナットの回転を許容又は阻止することによって、第2ナットを軸方向に微動又は早送りすることができるようになっている。すなわち、切換手段によって第1ナットを選択的に回転許容状態又は回転阻止状態とすることにより、第2ナットの軸方向の送り量(移動量)を切り換えることができるようになっている。
特公平3−57346号公報
しかしながら、特許文献1に開示のボールねじは、1つのねじ軸に2つのねじ溝が形成されているので、ねじ軸が長くなり、そのためボールねじの全長が大きくなるという問題があった。
また、ねじ軸に形成されている2つのねじ溝のねじれ方向及びリードの組み合わせによって、第2ナットの軸方向の移動量が決定されるため、移動量が異なる種々のボールねじを得るためには、所望の移動量に対応するねじれ方向及びリードを有するねじ軸、第1ナット、及び第2ナットを製造してボールねじを組み立てる必要があった。そのため、ボールねじの生産効率が十分に高いとは言えないことに加えて、様々な移動量のボールねじを求める市場ニーズに対する対応能力が十分に高いとは言えなかった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、生産効率及び市場ニーズに対する対応能力が高く、且つ、コンパクトなボールねじを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は次のような構成からなる。すなわち、本発明の一態様に係るボールねじは、螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有する内側ナットと、前記ねじ軸のねじ溝と前記内側ナットのねじ溝とにより形成される螺旋状の内側ボール転走路に転動自在に配された複数の内側ボールと、を有し、前記内側ボールを介して前記ねじ軸に螺合されている前記内側ナットを前記ねじ軸に対して相対回転運動させることにより、前記内側ナットが前記ねじ軸に対して軸方向に相対移動するようになっている内側ボールねじ機構と、螺旋状のねじ溝をその外周面に有し、その内周面と前記内側ナットの外周面との間に配された軸受を介して前記内側ナットに同軸且つ回転可能に取り付けられた円筒状部材と、前記円筒状部材のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有する外側ナットと、前記円筒状部材のねじ溝と前記外側ナットのねじ溝とにより形成される螺旋状の外側ボール転走路に転動自在に配された複数の外側ボールと、を有し、前記外側ボールを介して前記円筒状部材に螺合されている前記外側ナットを前記円筒状部材に対して相対回転運動させることにより、前記外側ナットが前記円筒状部材に対して軸方向に相対移動するようになっている外側ボールねじ機構と、前記内側ナットと前記円筒状部材とが一体に連結され、前記外側ナットは前記円筒状部材に対して相対回転可能に取り付けられている第一状態と、前記円筒状部材と前記外側ナットとが一体に連結され、前記内側ナットは前記円筒状部材に対して相対回転可能に取り付けられている第二状態と、の2つの状態を切り換える切換機構と、を備えることを特徴とする。
このボールねじにおいては、前記切換機構は、前記内側ナットの外周面に形成されたキー溝と、前記円筒状部材の外周面に形成されたキー溝と、前記外側ナットの外周面に形成されたキー溝と、前記内側ナットのキー溝と前記円筒状部材のキー溝とに掛け渡されるように挿入され、前記内側ナットと前記円筒状部材とを連結する第一キーと、前記円筒状部材のキー溝と前記外側ナットのキー溝とに掛け渡されるように挿入され、前記円筒状部材と前記外側ナットとを連結する第二キーと、を有し、前記内側ナットのキー溝と前記円筒状部材のキー溝とに前記第一キーを挿入し、前記第二キーは使用しないことにより、前記第一状態に切り換え、前記円筒状部材のキー溝と前記外側ナットのキー溝とに前記第二キーを挿入し、前記第一キーは使用しないことにより、前記第二状態に切り換えるようになっていてもよい。
その場合、前記第一キーと前記第二キーとが同一のキーであり、前記内側ナットのキー溝と前記円筒状部材のキー溝とに前記キーを挿入するか、又は、前記円筒状部材のキー溝と前記外側ナットのキー溝とに前記キーを挿入するかによって、前記第一状態と前記第二状態とを切り換えるようになっていてもよい。
本発明のボールねじは、内側ナットと円筒状部材とが一体に連結され、外側ナットが円筒状部材に対して相対回転可能に取り付けられている第一状態と、円筒状部材と外側ナットとが一体に連結され、内側ナットが円筒状部材に対して相対回転可能に取り付けられている第二状態と、の2つの状態を切り換える切換機構を備えているので、生産効率及び市場ニーズに対する対応能力が高く、且つ、コンパクトである。
本発明の一実施形態であるボールねじの断面図であって、第一状態のボールねじを説明する図である。 第二状態のボールねじを説明する図である。 切換機構の変形例を説明する部分拡大図である。
本発明に係るボールねじの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるボールねじの断面図であり、第一状態のボールねじを説明する図である。また、図2は、第二状態のボールねじを説明する図である。
図1,2のボールねじは、2種類のリードを切り換え可能なボールねじであって、ボールねじの構造を切換機構によって第一状態又は第二状態に切り換えることによって、リードを切り換えることができる。
このボールねじは、内側ボールねじ機構と外側ボールねじ機構とを備えており、内側ボールねじ機構は、螺旋状のねじ溝1aを外周面に有するねじ軸1と、ねじ軸1のねじ溝1aに対向するねじ溝2aを内周面に有する内側ナット2と、ねじ軸1のねじ溝1aと内側ナット2のねじ溝2aとにより形成される螺旋状の内側ボール転走路に転動自在に配された複数の内側ボール3と、内側ボール3を内側ボール転走路の終点から始点へ戻し循環させる循環部(図示せず)と、を有しており、内側ボール3を介してねじ軸1に螺合されている内側ナット2をねじ軸1に対して相対回転運動させることにより、内側ナット2がねじ軸1に対して軸方向に相対移動するようになっている。
また、外側ボールねじ機構は、螺旋状のねじ溝4aをその外周面に有し、その内周面と内側ナット2の外周面との間に配された転がり軸受7を介して内側ナット2に同軸且つ回転可能に取り付けられた円筒状部材4と、円筒状部材4のねじ溝4aに対向するねじ溝5aを内周面に有する外側ナット5と、円筒状部材4のねじ溝4aと外側ナット5のねじ溝5aとにより形成される螺旋状の外側ボール転走路に転動自在に配された複数の外側ボール6と、外側ボール6を外側ボール転走路の終点から始点へ戻し循環させる循環部(図示せず)と、を有しており、外側ボール6を介して円筒状部材4に螺合されている外側ナット5を円筒状部材4に対して相対回転運動させることにより、外側ナット5が円筒状部材4に対して軸方向に相対移動するようになっている。
さらに、このボールねじは、内側ナット2と円筒状部材4とが一体に連結され(すなわち、内側ナット2と円筒状部材4とが相対回転不能且つ軸方向に相対移動不能に連結されている)、外側ナット5が円筒状部材4に対して相対回転可能に取り付けられている第一状態と、円筒状部材4と外側ナット5とが一体に連結され(すなわち、円筒状部材4と外側ナット5とが相対回転不能且つ軸方向に相対移動不能に連結されている)、内側ナット2が円筒状部材4に対して相対回転可能に取り付けられている第二状態と、の2つの状態を切り換える切換機構を備えている。
切換機構の構成は特に限定されるものではないが、例えば図1,2に示す構成を採用することができる。すなわち、切換機構は、内側ナット2のフランジ2bの外周面に形成された軸方向に延びるキー溝2cと、円筒状部材4のフランジ4bの外周面に形成された軸方向に延びるキー溝4cと、外側ナット5のフランジ5bの外周面に形成された軸方向に延びるキー溝5cと、位相を合わせた内側ナット2のキー溝2cと円筒状部材4のキー溝4cとに掛け渡されるように挿入可能であり、内側ナット2と円筒状部材4とを連結する第一キー9Aと、位相を合わせた円筒状部材4のキー溝4cと外側ナット5のキー溝5cとに掛け渡されるように挿入可能であり、円筒状部材4と外側ナット5とを連結する第二キー9Bと、を有している。
なお、各フランジ2b,4b,5bに設けるキー溝2c,4c,5cの数は、特に限定されるものではなく、それぞれ1個設けてもよいし、連結強度をより高めたい場合にはそれぞれ複数個設けてもよい。キー溝2c,4c,5cを複数個設ける場合には、キー溝2c,4c,5cの位相(フランジ2b,4b,5bの外周面における周方向位置)が合致するように、いずれのフランジ2b,4b,5bにおいても同位相にキー溝2c,4c,5cを設ける必要がある。そして、キー溝2c,4c,5cを複数個設ける場合には、キー溝2c,4c,5cを設ける周方向位置をフランジ2b,4b,5bの周方向に等配するとよい。また、キー溝2c,4c,5cを複数個設ける場合には、第一キー9A及び第二キー9Bもそれぞれ複数個使用する。
この切換機構においては、内側ナット2のキー溝2cと円筒状部材4のキー溝4cとに第一キー9Aを挿入し、第二キー9Bは使用しなければ、内側ナット2と円筒状部材4とが一体に連結され、外側ナット5が円筒状部材4に対して相対回転可能に取り付けられている第一状態となる(図1を参照)。第一状態においては、内側ナット2と円筒状部材4は連結されているから、一体に回転するとともに、一体に軸方向に移動する。また、第一状態において外側ナット5は、円筒状部材4に対して相対回転可能であるとともに、軸方向に相対移動可能である。
一方、円筒状部材4のキー溝4cと外側ナット5のキー溝5cとに第二キー9Bを挿入し、第一キー9Aは使用しなければ、円筒状部材4と外側ナット5とが一体に連結され、内側ナット2が円筒状部材4に対して相対回転可能に取り付けられている第二状態となる(図2を参照)。第二状態において内側ナット2は、ねじ軸1に対して相対回転可能であるとともに、軸方向に相対移動可能である。また、第二状態においては、円筒状部材4と外側ナット5は連結されているから外側ボールねじ機構は機能せず、一体に軸方向に移動可能であるが、円筒状部材4と内側ナット2が転がり軸受7を介して連結されているので、内側ナット2が軸方向に移動した際には、円筒状部材4と外側ナット5は内側ナット2とともに軸方向に移動することとなる。
このように、第一キー9A及び第二キー9Bの一方を使用し他方を使用しないことにより、第一状態と第二状態を切り換えることができる。ただし、第一キー9Aと第二キー9Bとを同一のキーとしてもよい。すなわち、1つのキーを使用し、このキーを内側ナット2のキー溝2cと円筒状部材4のキー溝4cとに挿入するか、又は、円筒状部材4のキー溝4cと外側ナット5のキー溝5cとに挿入するかによって、第一状態と第二状態とを切り換えるようにしてもよい。そうすれば、1個のキーを使用すればいいので、ボールねじの部品点数を削減できるとともに、使用しない方のキーを保管しておく必要がないので、保管の手間もないし紛失のおそれもない。
なお、キーやキー溝の種類は特に限定されるものではなく、一般的なキーとそれに対応する形状のキー溝を採用することができる。キーの例としては、平行キー、平キー、くらキー、滑りキー、こう配キー、半月キー、接線キー、沈みキー、フェザーキー等があげられる。
また、図1,2に示す切換機構に代えて、図3に示す変形例の切換機構を採用してもよい。すなわち、図3の切換機構は、内側ナット2のフランジ2bの外周面に形成された軸方向に延びるキー溝2cと、外側ナット5のフランジ5bの外周面に形成された軸方向に延びるキー溝5cと、円筒状部材4のフランジ4bの外周面に一端部が旋回可能に取り付けられた旋回キー9Cと、を有している。
旋回キー9Cは、図3に示すように、円筒状部材4のフランジ4bの外周面に取り付けられた一端部を旋回中心として旋回可能となっている(軸方向に平行をなし且つ旋回キー9Cの一端部の取り付け点を含む平面内を旋回する)。旋回キー9Cの他端部を内側ナット2のフランジ2bに向かって旋回させれば、旋回キー9Cが設けられた周方向位置に位相を合わせた内側ナット2のキー溝2cに旋回キー9Cの他端部を挿入して、内側ナット2と円筒状部材4とを連結することができる。一方、旋回キー9Cの他端部を外側ナット5のフランジ5bに向かって旋回させれば、旋回キー9Cが設けられた周方向位置に位相を合わせた外側ナット5のキー溝5cに旋回キー9Cの他端部を挿入して、円筒状部材4と外側ナット5とを連結することができる。
このように、旋回キー9Cを旋回させ、旋回キー9Cを内側ナット2のキー溝2cに挿入するか、又は、外側ナット5のキー溝5cに挿入するかによって、第一状態と第二状態を切り換えることができる。また、このような切換機構であれば、切り換え作業を迅速且つ容易に行うことができる。さらに、旋回キー9Cは円筒状部材4のフランジ4bに取り付けられ一体となっているので、別体のキーとは異なり、保管の手間もないし紛失のおそれもない。
各フランジ2b,5bに設けるキー溝2c,5cの数、及び、フランジ4bに設ける旋回キー9Cの数は特に限定されるものではなく、それぞれ1個設けてもよいし、連結強度をより高めたい場合にはそれぞれ複数個設けてもよい。キー溝2c,5c及び旋回キー9Cを複数個設ける場合には、キー溝2c,5c及び旋回キー9Cの位相(フランジ2b,4b,5bの外周面における周方向位置)が合致するように、いずれのフランジ2b,4b,5bにおいても同位相にキー溝2c,5c及び旋回キー9Cを設ける必要がある。そして、キー溝2c,5c及び旋回キー9Cを複数個設ける場合には、キー溝2c,5c及び旋回キー9Cを設ける周方向位置をフランジ2b,4b,5bの周方向に等配するとよい。
さらに、転がり軸受7の種類は特に限定されるものではなく、図1,2に示した深溝玉軸受に限らず様々な種類の転がり軸受を使用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。さらに、転がり軸受の代わりにすべり軸受を用いることもできる。
ここで、第一状態のボールねじの動作について説明する。図1に示すように、ねじ軸1は、床面11に平行をなし、且つ、床面11に垂直な壁体13にその一端が回転不能且つ軸方向に移動不能に固定されている。ねじ軸1の他端は何物に対しても固定されていないので、ねじ軸1は壁体13から垂直に突出した状態となっている。
このねじ軸1に取り付けられた内側ナット2のフランジ2bには、プーリ等を用いた回転伝達機構15を介してモータ17が接続されていて、モータ17によって内側ナット2が両方向に回転されるようになっている。ねじ軸1と内側ナット2と内側ボール3とによって内側ボールねじ機構が構成されているので、内側ナット2の回転に伴って内側ナット2はねじ軸1に対して軸方向両方向に移動可能となっている。モータ17は、軸方向に移動可能に床面11上に載置されているので、内側ナット2が移動すれば、内側ナット2とともにモータ17も同方向に移動するようになっている。なお、ねじ軸1のねじ溝1aと内側ナット2のねじ溝2aは、ねじれ方向とリードがいずれも同一であることは勿論である。
内側ナット2の外側には、内側ナット2の外周面を覆うように円筒状部材4が同軸に配されている。すなわち、円筒状部材4の貫通孔内に内側ナット2のフランジ2b以外の部分が挿入されている。内側ナット2の外周面と円筒状部材4の内周面との間には転がり軸受7が介在されていて、内側ナット2と円筒状部材4は回転可能に取り付けられているが、第一状態では、内側ナット2と円筒状部材4とは第一キー9Aにより一体に連結されているので、内側ナット2と円筒状部材4とは一体に回転するようになっている(相対回転不能である)。なお、内側ナット2の外周面や円筒状部材4の内周面には、ねじ溝は形成されていない。
円筒状部材4の外周面にはねじ溝4aが形成されており、このねじ溝4aに対向するねじ溝5aを内周面に有する外側ナット5が円筒状部材4の外側に取り付けられている。すなわち、外側ナット5の貫通孔内に円筒状部材4が挿通されている。円筒状部材4と外側ナット5と外側ボール6とで外側ボールねじ機構が構成されているので、円筒状部材4の回転に伴って外側ナット5は円筒状部材4に対して軸方向両方向に移動可能となっている。外側ナット5は、軸方向に移動可能に床面11上に載置されたガイド部19に固定されているので、円筒状部材4が回転した際には、外側ナット5は回転せずに、ガイド部19とともに軸方向に移動するようになっている。
なお、円筒状部材4のねじ溝4aと外側ナット5のねじ溝5aは、ねじれ方向とリードがいずれも同一であることは勿論である。ただし、内側ボール転走路のねじれ方向と外側ボール転走路のねじれ方向とは、同一であってもよいし異なっていてもよい。また、前記両ねじれ方向が同一である場合であっても異なる場合であっても、内側ボールねじ機構のリードと外側ボールねじ機構のリードとは、同一であってもよいし異なっていてもよく、両リードは任意に設定することができる。
モータ17を所定の方向に回転させると内側ナット2が回転するが、ねじ軸1が回転不能且つ軸方向に移動不能に壁体13に固定されているので、内側ナット2は回転しつつねじ軸1に沿って軸方向に移動する。このとき、内側ナット2の回転方向及び移動方向は、内側ボール転走路のねじれ方向が右螺旋か左螺旋かによって決定し、内側ナット2のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は内側ボールねじ機構のリードによって決定する。
内側ナット2が回転しつつ軸方向に移動すると、内側ナット2に一体的に固定されている円筒状部材4も、内側ナット2とともに回転しつつ軸方向に移動する。外側ナット5は、円筒状部材4に対しては相対回転可能に取り付けられているが、ガイド部19に対して回転不能に固定されているので、外側ナット5は回転はせず、円筒状部材4の回転に伴って円筒状部材4に沿って軸方向に移動する。
このとき、外側ナット5の円筒状部材4に対する移動方向は、外側ボール転走路のねじれ方向が右螺旋か左螺旋かによって決定し、外側ナット5の円筒状部材4に対するモータ17一回転当たりの移動量は外側ボールねじ機構のリードによって決定する。よって、外側ナット5のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は、内側ボール転走路のねじれ方向及び外側ボール転走路のねじれ方向、並びに、内側ボールねじ機構のリードと外側ボールねじ機構のリードとの差によって決定することとなる。
次に、第二状態のボールねじの動作について説明する。なお、第一状態とボールねじの構成及び動作と共通する部分については説明は省略し、異なる部分のみ説明する。第二状態では、円筒状部材4と外側ナット5とが第二キー9Bにより一体に連結されているので、円筒状部材4と外側ナット5とが一体に軸方向に移動するようになっており(相対回転は不能である)、内側ナット2は円筒状部材4に対して相対回転可能とされている。
モータ17を所定の方向に回転させると内側ナット2が回転するが、ねじ軸1が回転不能且つ軸方向に移動不能に壁体13に固定されているので、内側ナット2は回転しつつねじ軸1に沿って軸方向に移動する。このとき、内側ナット2の回転方向及び移動方向は、内側ボール転走路のねじれ方向が右螺旋か左螺旋かによって決定し、内側ナット2のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は内側ボールねじ機構のリードによって決定する。
内側ナット2と円筒状部材4は連結されてはいるものの、転がり軸受7によって相対回転可能とされており、さらに、円筒状部材4に連結された外側ナット5がガイド部19によって回転不能とされているので、内側ナット2が回転しても円筒状部材4及び外側ナット5は回転することなく(内側ナット2に対しては相対回転となる)、内側ナット2とともに軸方向に移動する。
このとき、外側ナット5の移動方向は、内側ナット2と同一である。また、外側ナット5のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は、内側ナット2と同一であり、内側ボールねじ機構のリードによって決定する。
したがって、切換機構によって第一状態又は第二状態に切り換えれば、外側ナット5のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量を、切り換えることができる。例えば、内側ボール転走路のねじれ方向と外側ボール転走路のねじれ方向が、図1,2に示すように逆方向で、内側ボールねじ機構のリード(内側ナット2のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量)が10mm、外側ボールねじ機構のリード(外側ナット5の円筒状部材4に対するモータ17一回転当たりの移動量)が9mmであるとする。
第一状態においては、内側ナット2のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は10mm、外側ナット5のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は19mmであるのに対して、第二状態においては、内側ナット2のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量と、外側ナット5のねじ軸1に対するモータ17一回転当たりの移動量は、いずれも10mmである。
このようなボールねじは、円筒状部材4を用いる構成によって、1つのねじ軸に2つのねじ溝を設けた従来の構成に比べて、ボールねじの全長が大きくなるという問題が生じにくく、コンパクトである。
また、第一状態においては、内側ナット2の移動可能量は、(ねじ軸1の軸方向長さ)−(内側ナット2の軸方向長さ)となり、外側ナット5の移動可能量は、(円筒状部材4の外周面のうちねじ溝4aが形成されている領域の軸方向長さ)−(外側ナット5の軸方向長さ)となる。よって、内側ナット2及び外側ナット5の移動可能量は、それぞれ独立して設定することが可能である。そのため、ねじ軸1の軸方向長さを大きくしなくても、あるいは、内側ナット2の軸方向長さを小さくしても、外側ナット5の移動可能量を大きく設定することが可能であるので、ボールねじの小型化が可能である。
さらに、ねじ軸1及び内側ナット2はそのままにして、円筒状部材4及び外側ナット5を外側ボール転走路のねじれ方向やリードが異なるものに交換すれば、外側ナット5の移動方向及び円筒状部材4に対するモータ17一回転当たりの移動量が異なる別のボールねじに変更することができる。すなわち、外側ボール転走路のねじれ方向やリードが異なる種々の円筒状部材4及び外側ナット5を用意しておけば、外側ナット5の移動方向及び円筒状部材4に対するモータ17一回転当たりの移動量が異なる種々のボールねじを容易に得ることができる。
よって、本実施形態のボールねじは、ねじ軸1及び内側ナット2は1種のみ製造しておけば種々のボールねじを得ることが可能であるため、生産効率が非常に高い。また、様々な移動方向及び移動量を有するボールねじを求める市場ニーズに対する対応能力が非常に高い。
さらに、内側ナット2の外周面にはねじ溝が形成されないので、内側ボール3を循環させる循環部(図示せず)が内側ナット2の外周面に存在する場合でも、ねじ溝5aのリードが制限されることはない。内側ナット2の外周面に形成された循環部と干渉しないように、円筒状部材4を内側ナット2に固定すればよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、循環部の循環方式は特に限定されるものではなく、コマ式、チューブ式、エンドキャップ式、エンドデフレクタ式等の慣用の方式を用いることができる。
1 ねじ軸
1a ねじ溝
2 内側ナット
2a ねじ溝
2c キー溝
3 内側ボール
4 円筒状部材
4a ねじ溝
4c キー溝
5 外側ナット
5a ねじ溝
5c キー溝
6 外側ボール
7 転がり軸受
9A 第一キー
9B 第二キー
9C 旋回キー

Claims (3)

  1. 螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有する内側ナットと、前記ねじ軸のねじ溝と前記内側ナットのねじ溝とにより形成される螺旋状の内側ボール転走路に転動自在に配された複数の内側ボールと、を有し、前記内側ボールを介して前記ねじ軸に螺合されている前記内側ナットを前記ねじ軸に対して相対回転運動させることにより、前記内側ナットが前記ねじ軸に対して軸方向に相対移動するようになっている内側ボールねじ機構と、
    螺旋状のねじ溝をその外周面に有し、その内周面と前記内側ナットの外周面との間に配された軸受を介して前記内側ナットに同軸且つ回転可能に取り付けられた円筒状部材と、前記円筒状部材のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有する外側ナットと、前記円筒状部材のねじ溝と前記外側ナットのねじ溝とにより形成される螺旋状の外側ボール転走路に転動自在に配された複数の外側ボールと、を有し、前記外側ボールを介して前記円筒状部材に螺合されている前記外側ナットを前記円筒状部材に対して相対回転運動させることにより、前記外側ナットが前記円筒状部材に対して軸方向に相対移動するようになっている外側ボールねじ機構と、
    前記内側ナットと前記円筒状部材とが一体に連結され、前記外側ナットは前記円筒状部材に対して相対回転可能に取り付けられている第一状態と、前記円筒状部材と前記外側ナットとが一体に連結され、前記内側ナットは前記円筒状部材に対して相対回転可能に取り付けられている第二状態と、の2つの状態を切り換える切換機構と、
    を備えることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記切換機構は、前記内側ナットの外周面に形成されたキー溝と、前記円筒状部材の外周面に形成されたキー溝と、前記外側ナットの外周面に形成されたキー溝と、前記内側ナットのキー溝と前記円筒状部材のキー溝とに掛け渡されるように挿入され、前記内側ナットと前記円筒状部材とを連結する第一キーと、前記円筒状部材のキー溝と前記外側ナットのキー溝とに掛け渡されるように挿入され、前記円筒状部材と前記外側ナットとを連結する第二キーと、を有し、
    前記内側ナットのキー溝と前記円筒状部材のキー溝とに前記第一キーを挿入し、前記第二キーは使用しないことにより、前記第一状態に切り換え、前記円筒状部材のキー溝と前記外側ナットのキー溝とに前記第二キーを挿入し、前記第一キーは使用しないことにより、前記第二状態に切り換えるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記第一キーと前記第二キーとが同一のキーであり、前記内側ナットのキー溝と前記円筒状部材のキー溝とに前記キーを挿入するか、又は、前記円筒状部材のキー溝と前記外側ナットのキー溝とに前記キーを挿入するかによって、前記第一状態と前記第二状態とを切り換えるようになっていることを特徴とする請求項2に記載のボールねじ。
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