JPH11269719A - 捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法 - Google Patents

捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11269719A
JPH11269719A JP10070136A JP7013698A JPH11269719A JP H11269719 A JPH11269719 A JP H11269719A JP 10070136 A JP10070136 A JP 10070136A JP 7013698 A JP7013698 A JP 7013698A JP H11269719 A JPH11269719 A JP H11269719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
elongation
filament yarn
filament
polyester filament
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10070136A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3769379B2 (ja
Inventor
Mitsue Yoshimura
三枝 吉村
Toshimasa Kuroda
俊正 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=13422861&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH11269719(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP07013698A priority Critical patent/JP3769379B2/ja
Priority to TW088104270A priority patent/TW442583B/zh
Priority to CNB2004100020406A priority patent/CN1279229C/zh
Priority to EP99909283A priority patent/EP0977913B2/en
Priority to US09/424,015 priority patent/US6136435A/en
Priority to IDW991414A priority patent/ID25607A/id
Priority to KR1019997010674A priority patent/KR100551468B1/ko
Priority to DE69911525T priority patent/DE69911525T3/de
Priority to CNB998007447A priority patent/CN1158413C/zh
Priority to PCT/JP1999/001420 priority patent/WO1999047735A1/en
Publication of JPH11269719A publication Critical patent/JPH11269719A/ja
Priority to HK04110303A priority patent/HK1067390A1/xx
Publication of JP3769379B2 publication Critical patent/JP3769379B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/88Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from mixtures of polycondensation products as major constituent with other polymers or low-molecular-weight compounds
    • D01F6/92Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from mixtures of polycondensation products as major constituent with other polymers or low-molecular-weight compounds of polyesters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2927Rod, strand, filament or fiber including structurally defined particulate matter
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2933Coated or with bond, impregnation or core
    • Y10T428/2964Artificial fiber or filament
    • Y10T428/2967Synthetic resin or polymer
    • Y10T428/2969Polyamide, polyimide or polyester

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 繊維伸度向上剤を添加したポリエステルフィ
ラメント糸の高速紡出糸において、該紡出糸の残留伸度
は従来の水準に維持しつつ、これまで何等認識されてい
なかった“捲取不可”という致命的欠陥の克服。 【解決手段】 粒子状の繊維伸度向上剤をポリエステル
重量を基準として0.5〜4.0重量%分散せしめたポ
リエステルを溶融紡糸し、2500m/min〜800
0m/minの引取速度で得た、以下に定義する残留伸
度増加率(I)が50%以上であるフィラメント紡出糸
において、該伸度向上剤が特定の要件を満足することに
より、捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメ
ント糸とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、捲取性が改善され
且つ残留伸度の高いポリエステルフィラメント糸に関す
る。更に詳しくは、本発明は、ポリエステルフィラメン
ト紡出糸において、個々のフィラメント中で、特定の熱
変形温度(T)を有する、不飽和モノマーからなる附加
重合体をフィラメントの長手繊維軸方向に沿って延在化
させつつ、フィラメント断面中心から外表面に向かう半
径方向の1/3から2/3に至る距離を肉厚とする円環
状部に該粒子の分散濃度を極大化させることにより、良
好な捲取性と高度の残留伸度とを併有せしめたポリエス
テルフィラメント糸に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維の溶融紡糸に際し、そ
の口金からのポリマー吐出量をできるだけ多くすること
は、生産性を上げる上で、極めて有効な方法であり、昨
今の繊維産業界においては、製糸コストを低減させる観
点から極めて望ましいこととされている。
【0003】これまで生産性を上げるために取られてき
た典型的な手段として、紡糸引取速度を上げて、口金か
らの吐出量を増加させる方法が知られている。しかしな
がら、この方法では、引取速度が速いために、個々のフ
ィラメントの分子配向が大きくなる結果、得られるフィ
ラメント紡出糸の残留伸度は逆に低下してしまう。従っ
て、当然のことながら、後に続く延伸または延伸仮撚時
の延伸倍率が低下するので、引取速度上昇による吐出量
増加効果が、延伸工程で相殺されてしまう。
【0004】このような問題を解消する一つの手段とし
て、不飽和モノマーからなる附加重合体を繊維伸度向上
剤としてポリエステルに添加し、紡出糸の残留伸度を高
める方法が特公昭63―32885号公報(対応欧州特
許第47464(A1 )号)で提案されている。本文献
によれば、附加重合体の機能は、ポリエステル中に分子
オーダーでミクロ分散し、該重合体がポリエステルの分
子配向に対して、“コロ”の役割を担うと定義づけられ
ている(例えば、前掲のEP特許第9頁第3行参照)。
そして、上記附加重合体の具体例としてはその実施例に
おいて「Delpet80N」が挙げられており、その
熱変形温度を実測によれば、98℃であった。
【0005】この方法によると中間配向糸(POY)を
はじめ、残留伸度の高い紡出糸すなわちas−spun
糸や超高速直延プロセスによる延伸糸(FOY)が得ら
れるが、本発明者らは、この特公昭63―32885に
開示されている残留伸度の高いas−spun糸を商業
ベースのワインダーに捲取る際に、新たな問題に遭遇し
た。
【0006】すなわち、現実には捲取パッケージの形成
は不可、つまりコマーシャルベースでの巻取は不可能で
ある、との問題点が、本発明者らの検討により明らかに
された。この問題点に係る現象として、フィラメント単
独あるいは数本のフィラメントがトラバースプリンティ
ング不良のため、捲端面に正常な円周捲き形態から外れ
た“綾落ち”や端面が“いびつ”になる捲崩れ、さらに
捲取中に糸浮きが発生し、バーストにまで及ぶ等の致命
的な捲取不良が発生したのである。
【0007】この原因としては、前記の付加重合体が実
質的にポリエステルと非相溶状態で“コロ”として作用
するために、粒子状態で繊維表面に優勢的にプリードア
ウトして過度の表面凹凸を形成し、これにより、フィラ
メント/フィラメント間摩擦(F/F摩擦)、フィラメ
ント/金属(F/M摩擦)の低下もたらす結果、捲き工
程調子において不調をきたすものと考察される。
【0008】上記のF/F摩擦あるいはF/M摩擦の低
下を防ぐために、当業者が採るであろう手段としては、
繊維F/F摩擦、F/M摩擦を向上させる油剤を紡出糸
に付着させてから巻き取ることが考えられる。この摩擦
向上剤としては、芳香環や多価アルコール変性を施した
アルキレンオキサイド付加物、具体的には、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニル
フェニルステアレート、ポリオキシエチレンパラミルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニル
フェノールエーテルや、グリセリンプロピレンオキサイ
ド(PO)/エチレンオキサイド(EO)付加物、トリ
メチロールプロパンPO/EO付加物、ペンタエリスリ
トールPO/EO付加物、ソルビトールPO/EO付加
物、ソルビタンPO/EO付加物等がある。また、低分
子量(500〜700)ポリプロピレングリコール等の
潤滑性能の低い低粘度成分や、ロジンエステル類、シリ
カ等がある。
【0009】事実この考え方で捲取を実施したところ、
パッケージ形成においては、良好な結果が得られたもの
の、この紡出フィラメント糸をパッケージから解舒しつ
つ延伸・仮撚等の高次加工に付したところ、毛羽、断糸
等が頻発して機台の停止、さらに不良糸の出現を招来し
て、本質的な解決策には至らなかったのである。
【0010】以上のことから、本発明でいう“捲取性の
改善された”こととは、事後の延伸またはDTY加工に
おいて、毛羽、断糸を誘発するような油剤を用いること
なく、安定な捲取が実現された状態を指称する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、繊維伸度向上剤を添加したポリエステルフィラ
メント糸の高速紡出糸において、該紡出糸の残留伸度は
従来の水準に維持しつつも、これまで何等認識されてい
なかった“捲取不可”という致命的欠陥を克服すること
にある。さらに、本発明の他の課題は、上記紡出糸の高
次加工において、毛羽、断糸が可及的に押さえられ、連
続運転と高品質の高次加工糸を実現し得るフィラメント
紡出糸のパッケージを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、繊維伸度向上剤としてポリエステルと実質的に非相
溶で且つより高い熱変形温度(T)持つ附加重合体を採
用するとき、該伸度向上剤は、従来の“コロ”の機能を
離れて、紡出中の個々のフィラメントに対して伸長変形
低抗体として機能し、その結果該伸度向上剤はフィラメ
ント長手方向に沿って配向・延在化しつつフィラメント
の断面中心から外表面に向かう半径方向の1/3から2
/3に至る輪環状部にその分散濃度が極大化することに
より捲取性と残留伸度とが両立することが究明された。
【0013】かくして本発明によれば粒子状の繊維伸度
向上剤をポリエステル重量を基準として0.5〜1.0
重量%分散せしめたポリエステルを溶融紡糸し、250
0m/min〜8000m/minの引取速度で得た、
以下に定義する残留伸度増加率(I)が50%以上であ
るフィラメント紡出糸において、該伸度向上剤が以下の
(a)〜(c)の要件を満足することを特徴とする捲取
性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸が提
供される。 (a)熱変形温度(T)が105〜130℃の範囲にあ
ること; (d)フィラメントの断面中心から外表面に向かう半径
方向の1/3から2/3の領域を占める円環状部に、そ
の分散濃度が極大化していること;そして (c)フィラメントの外表面に存在する粒子の個数
(N)が高々15個/100μm2 であること。
【0014】ただし、上記(I)は以下の式に従う I(%)=(EIb (%)/ELO (%)−1)×10
0 ここでEIb (%)は、本発明のポリエステルフィラメ
ント糸の残留伸度、ELO (%)は該繊維伸度向上剤を
含まない以外は本発明と同一に紡糸条件下に得られたポ
リエステルフィラメント糸の残留伸度である。
【0015】さらに、本発明の背景について述べる。紡
出されつつある個々のフィラメント中でポリマーの分子
配合に対して“コロ”として機能する粒子状の繊維伸度
向上剤をポリエステル重量を基準として0.5〜4.0
重量%分散せしめたポリエステルを溶融紡糸し、250
0m/min〜8000m/minの引取速度で得た、
残留伸度増加率(I)が50%以上であるフィラメント
紡出糸(以下、単に紡出糸と称する)を得る。という概
念自体、前掲のEP47464A、明細書に開示されて
いる。そして、該伸度向上剤の具体例としては、実測し
てみると熱変形温度(T)が98℃と比較的低い、旭化
成工業(株)製造のDelpet 80Nが示されてい
るに過ぎない。
【0016】これに対して、本発明では上記EP明細書
では言及されていないところの、繊維伸度向上剤の熱変
形温度(T)を特定することにより、該EP明細書で
は、未解決のまま放置されていた“捲取不可”の問題を
克服したものである。
【0017】本発明において、繊維伸度向上剤は、ポリ
エステルと実質的に非相溶な海/島状態、つまり、ポリ
エステルを海、粒子状の繊維伸度向上剤を海成分として
口金孔から吐出され、紡糸ライン上で、冷却細化過程を
経る際に、ポリエステルよりも先に溶融状態からガラス
状態へと転移し、紡糸応力(張力)に対して伸長変形低
抗体の役割を果たす。そのため、口金近傍のポリマー温
度が高い状態でのブレンド系の伸長粘度に関して、従来
の伸長粘度式に従わない、非線形性増加をもたらし、そ
の結果細化を促進し、紡出糸の糸速度を最終捲取速度に
到達せしめる働きをもつものと考えられる。このよう
に、細化完了位置は、該重合体を含まないポリエステル
を同じ速度で紡糸した場合に比べ、紡糸ラインのより上
流で完了し、しかも4000〜5000m/min以上
の引取速度下で顕著に見られる配向結晶化を伴うネック
状細化を示さない。このことから、該伸度向上剤の作用
は、高速紡糸において低張力紡糸を可能にし、捲取性を
改善しながら、残留伸度の高いポリエステル繊維を与え
るものと言える。
【0018】以上のことを念頭において、本発明の
(a)〜(c)の要件の意義について述べる。
【0019】要件(a) 紡糸応力に対する“伸長変形抵抗体”という概念からし
て、紡出(吐出)されつつあるポリマー流の中で繊維伸
度向上剤は、マトリックスポリマーよりも早く溶融状態
からガラス状態へ転移することが望まれる。この意味か
ら、該伸度向上剤の熱変形温度(T)は、105〜13
0℃、好ましくは110〜130℃の範囲であることが
必要になる。ポリエステルの熱変形温度は、一般に70
℃程度であり、これより熱変形温度が少なくとも35℃
以上高い、粒子状の繊維伸度向上剤は優勢的に紡糸応力
を担持しつつ、細化されつつあるポリマー流の比較的内
部へ該粒子が集中するため、フィラメント表面への粒子
の析出が低減でき、捲取性を著しく改善することができ
る。この熱変形温度(T)が105℃未満では、伸長変
形抵抗体としての機能が十分に発現しない。
【0020】すなわち、熱変形温度の差が不十分なた
め、有効な応力担持体となることができず、代りにフィ
ラメント表面への該粒子の析出が多くなり、その結果フ
ィラメント表面摩擦を低下させ、捲取操作性に著しい支
障をきたす。一方、この温度が130℃を超える場合
は、伸長変形低抗体としての作用が過剰に発現し、紡出
糸は高い残留伸度を示すものの、強度が実用レベルを下
回りまた、細化過程に追従できず曵糸性が損なわれ、安
定な製糸操作が望めない。
【0021】なお、以降の説明において、粒子状の繊維
伸度向上剤を“伸長変形抵抗体”あるいは“応力担持
体”と呼ぶことがある。
【0022】要件(b) 本発明において、捲取性と高伸度を両立させる最も重要
なものが本要件である。前述した通り、細化ポリマー流
中の応力担持体はポリマー流の内部に集中しやすい傾向
にある。他方、該応力担持体がポリマー流表面に存在す
る方が、ポリマー流はより速く冷却されて伸長粘度を増
加し、応力担持体として効果的に作用することが予想さ
れる。
【0023】しかしながら、その結果生ずるフィラメン
ト表面の過度の凹凸化に因るフィラメント間摩擦係数の
低下から捲取性が著しく損なわれ、結局捲取性と高伸度
とが両立しなくなる。従って、繊維伸度向上剤の粒子は
可及的にフィラメント表面層に近いがその表面には極力
析出しないように該粒子の分散状態を抑制したのが、こ
の(b)の要件である。ここで、粒子の局在化の最適状
態は、図1〜2に示すように紡出糸を構成する個々のフ
ィラメントの断面中心Oから外表面に向かう半径方向の
1/3から2/3に至る領域を占める円環状部Bに、そ
の点が存在することである。換言すれば全粒子の50重
量%以上が、内厚Wの円環状部Bに局在化している状態
が最も好ましい。
【0024】この繊維伸度向上剤の粒子が中心から半径
方向1/3の円形部分に局在化した場合、紡出糸の残留
伸度が低下する。一方、中心から半径方向2/3の点を
起点として外径に至る距離を肉厚とする円環状部(C)
に該粒子の局在化が生じた場合、フィラメント表面層の
みかけの伸長粘度が上がりすぎて、フィラメント断面内
でスキンコア構造を形成する。その結果、紡出糸の残留
伸度は大きくなるが、当然ながらフィラメント表面への
応力担持体の析出により捲取性が悪化する他に、紡出糸
の強度が弱く、後の高次、加工において工程安定性を欠
く。また、染色工程において初期降伏点が低下しやす
く、織物等にした際のふくらみが不十分で、高品位な風
合いを実現できない。
【0025】以上はフィラメントの断面が中実断面の場
合であるが、もし、フィラメントの断面が異形、あるい
は中空断面の場合は、上記のBの領域は図3〜4に記し
たようになる。
【0026】図3−aは、一般的な中実のトライローバ
ル断面であるが、この場合、各ローブの長手方向に沿っ
て、中心点Oとローブ先端Tを結ぶ2等分線(一点鎖線
で示した)の中間点Mを通る直交線(細線で示した)を
引く。そして両線の交差点をO′点、細線がローブの外
周点に出会う点をそれぞれM1 、M2 、M1 〜M2 間の
直線距離を2Lとする。そして、該細線Lを3等分する
ような直交点線を引いてO′点からM1 (またはM2
に向って3つの領域を仮想したとき、ローブの中心側か
ら順次、領域A′、B′、C′とする。
【0027】したがって、マルチローブのフィラメント
にあっては、図3〜bに示すように、繊維伸度向上剤の
分散濃度の極大点は2山存在することになる。
【0028】このことは、中空断面の場合についても言
え、図4において、中空断面の内厚を2L、内厚の中間
点をO′とするとき、図3a−bと全く同様になる。
【0029】要件(c) この要件は、上記要件(b)に関連してフィラメント表
面に析出する粒子の数が押さえられていることを示す。
【0030】すなわち、フィラメント表面の粒子数が、
15個を超えると、繊維表面の摩擦係数が著しく低下し
捲取不能となる。またこれら粒子はポリエステルとは染
着性が異なるために、15個を超えてフィラメント表面
に存在することは染色でのイラツキの原因担って、織編
み物の品位を損ねる。更には、このような熱変形温度の
高い粒子がフィラメント表面を覆うことにより、延伸加
工等の予熱効率が悪く、均一延伸性を欠き、さらには、
毛羽等の原因となる。
【0031】このNの数は特に10個/100μm2
下であることが好ましい。
【0032】以上の(a)〜(c)の要件を充足する紡
出糸は、事後の高次加工での毛羽、断糸の懸念なく、高
伸度を維持しながらパッケージに安定に捲取ることがで
きる。
【0033】さらに、上記の(a)、(b)および
(c)の要件に関連して該粒子の、フィラメント断面方
向および長手方向のサイズもある程度絞られてくるの
で、この点について若干触れておくことにする。
【0034】(d)フィラメントの断面方向における平
均粒径(D) 紡出糸中での繊維伸度向上剤の平均粒子径(D)は、該
剤が紡糸応力の担持体として機能した結果を示す。すな
わち、Dが、0.05μmより小さいとき、応力担持体
として機能するための十分な大きさに達していないため
に、残留伸度の向上効果も不十分なばかりか繊維伸度向
上剤の粒子が繊維表面に優勢的に繊維表面に析出して、
粗い凹凸状態を形成するので、繊維表面摩擦を低下し、
捲取性が悪化する。一方、Dが0.15μmを超える
と、繊維断面内にマクロに不均一に応力集中し、一旦偏
った紡糸張力は、紡出糸を旋回させたり、ポリマーと該
剤との混合状態の不均一な各吐出孔内で、溶融粘度、剪
断応力による流動乱れを生じて、安定な紡糸を望めな
い。このDの好ましい範囲は0.07〜0.13μmで
ある。
【0035】要件(e) 本発明にしたがって、繊維伸度向上剤が応力担持体とし
て機能したことは、結果的には該剤がフィラメント中で
繊維軸方向に配向・延在化状態にあることを意味する。
【0036】このことから、L/Dの概念が導き出され
たわけであり、この値は20以下となることが肝要であ
る。このL/Dが20を超えると、繊維伸度向上剤は紡
糸応力の下でポリエステルに追従して、変形し、その結
果、細化完了位置が上流側へシフトせず、有効な伸度向
上剤に成り得なかったことになる。
【0037】このL/Dの好ましい範囲は5〜12であ
る。
【0038】ところで、本発明の紡出糸の残留伸度増加
率(I)が50%以上であることは、該紡出糸の複屈折
率とも相関がある。この点から、本発明の紡出糸の複屈
折(Δn)は0.015〜0.105の範囲にあること
が好ましい。本発明の効果が発現される2500〜80
00m/minの紡速において、Δnが0.015より
も小さい場合には、このような紡出糸は、経時による物
性の変化がおこりやすいために、延伸性が損なわれやす
く、すなわち単糸切れ等が頻発して安定な延伸加工が難
しくなる。また、このΔnが0.105を超える場合、
紡出糸の延伸倍率は、1に近づき(残留伸度が小さく)
多様な糸加工に適さない。ただし、高速紡出糸として延
伸糸あるいは高速直延糸等の代替品として、織編物に供
することができるという利点はある。そして、Δnが
0.03〜0.070であるとき、紡出糸はその残留伸
度が高く、後加工性に優れた性能を示す。
【0039】本発明においてポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とする繊維形成能を有する
ポリエステルを指称し、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラ
メチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレン
ジカルボキシレート等を挙げることができる。また、こ
れらポリエステルは第3成分として、ブタジオールのよ
うなアルコール成分又はイソフタル酸等のジカルボン酸
を共重合させた共重合体でも良く、更にこれら各種ポリ
エステルの混合体でも良い。これらのうちポリエチレン
テレフタレート系重合体が最適である。
【0040】これらポリエステルには、必要に応じて艶
消し剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、末端停
止剤、蛍光増白剤等が含まれていても良い。
【0041】また、これらのポリエステルは紡糸性およ
び糸物性の観点から固有粘度が0.4〜1.1であるこ
とが望ましい。
【0042】本発明において繊維伸度向上剤とは、不飽
和モノマーからなり、実質的にポリエステルと非相溶性
の附加重合体のことであって、その熱変形温度(T)が
105〜130℃の範囲にあるものをいう。具体的な組
成としては、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリ
テトラフルオロエチレン、高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリアクリ
レート、ポリメチルメタクリレート、およびこれら重合
体を主成分とする誘導体が挙げられる。これら重合体の
分子量は、応力担持体としてポリエステルとは独立に、
高分子量体として構造粘弾性の発現を必要とすることか
ら少なくとも2000以上の分子量(重量平均)を有し
ていくことが必要である。
【0043】詳しくは、その分子量が2000以上20
万以下であることが適当である。分子量が2000より
も小さいと、高分子量体としての構造粘弾性を発現しな
いために、応力担持体として作用しない。一方、20万
を超えると、重合体の凝集エネルギーが極めて高く、し
たがって、その溶融粘度がポリエステルに対して高すぎ
るために、ポリエステルへの分散が極めて困難になり、
その結果紡糸時の曵糸性が著しく悪化するとともに、捲
取も困難になり、さらには、ポリエステルに対する負の
異物効果が大きく、実用可能な物性を得ることができな
い。好ましい分子量の範囲は8000以上15万以下で
あり、このような高分子量重合体の場合、耐熱性も向上
するので、一層好ましい。
【0044】更に、本発明においてポリエステルに添加
する附加重合体として、より好ましいものは、分子量が
8000以上20万以下であって、ASTM−D123
8で規定される条件(230℃、荷重3.8kgf)に
おいて、メルトインデックス(M.I.)が0.5〜1
5.0g/minであるポリメチルメタクリレート系共
重合体やスチレンを主成分とするアイソタクチック系重
合体、また、同様の分子量範囲で、M.I.(ASTM
−D1238に準拠;260℃、5.0kgf)が5.
0〜40.0g/10分の範囲にあるポリメチレルペン
テンないしその誘導体、さらに、同様の分子量範囲で、
M.I.(ASTM−D1238に準拠;300℃、
2.16kgf)が6.0〜25.0g/10分のシン
ジオタクチック(結晶性)ポリスチレンないしその誘導
体である。これらの特定の物性を有する重合体は、ポリ
エステルの紡糸温度において、熱安定性と分散状態の安
定性に優れている。
【0045】次に、本発明の紡出糸を得る方法について
述べる。本発明が意図する捲取性と高い残留伸度とを実
現するためには、紡糸条件として、紡出(吐出)前の溶
融ポリマーの濾過および紡糸ドラフトが重要になる。
【0046】ここでは、40μ以下のポアサイズをもつ
フィルターを紡糸パック内に設置し、繊維伸度向上剤が
分散した溶融ポリエステルを該フィルターを通した後、
150〜1500の範囲のみかけの紡糸ドラフト(率)
のもとに、紡出することが必要である。40μを超える
ポアサイズをもつフィルターでは、吐出ポリマー流中に
粗大粒子が混入し、安定な紡糸調子が確保できないし、
またフィラメント表面にブリートアウトした粗大粒子が
形成する表面凹凸によって、捲取性にも問題が生じる。
一方、紡糸ドラフトについては、高ドラフト範囲が重要
であることが判明した。すなわち、150未満の低ドラ
フト即ち、紡糸口金の吐出孔径の小さい場合、そこを通
過するポリマー流は高い剪断力を受け、粒子状の繊維伸
度向上剤はフィラメントの長手方向に引きちぎられ、平
均粒径(D)が本発明で規定に下限値よりも小さくな
り、紡出糸の伸度向上効果が阻害される。つまり、該粒
子は、応力担持体としての機能を十分には果たすことな
く、単にフィラメント表面への析出頻度が増え、捲取性
にも支障をきたすことになる。これに対して、1500
を越える高いドラフトになると、吐出孔内での剪断力に
よる引き千切り効果が小さくなり、紡出糸の残留伸度は
著しく向上するが、粗大粒子の発生による捲取時のトラ
ブルは解決されない。このことから、ドラフト率150
〜1500の範囲にあるとき、繊維伸度向上剤の分散粒
子径の分布は図2に示すように比較的シャープになり、
その結果、安定な紡糸調子を確保しつつ、フィラメント
断面において、B(図1)の領域でその分散濃度が極大
化する。これは、応力担持体として機能する粒子径の範
囲では、該担持体は応力を担持して引き伸ばされなが
ら、細化されつつあるポリマー流の内部方向に移動す
る。従って、吐出直後は該粒子は、フィラメント断面内
に均等に分布していたにもかかわらず、上記のドラフト
範囲をとることによって分散濃度の極大化が生じ、残留
伸度と捲取性の両立を可能にするものである。
【0047】さらに、その他の紡糸要件として関係して
くるのは紡糸温度(口金温度)および紡糸口金下の冷却
である。
【0048】前者については、繊維伸度向上剤が分散し
た溶融ポリエステルを吐出する際の口金温度を通常より
も低くすることも、該残留伸度の増加と安定な捲取性の
確保に寄与する。これは、口金吐出後の伸度向上剤の伸
長粘度がより紡糸ライン上流で大きくなり応力担持体と
しての機能が発現する結果、紡糸張力を大幅に低下させ
ながらフィラメント断面内に粒子濃度の極大点を固定す
る傾向を示すからである。最適な口金温度は270〜2
90℃である。270未満では、ポリエステルの種類に
もよるが、曵糸性の問題が生じ、他方290℃を越える
と、伸度向上剤である附加重合体の耐熱安定性が低下す
る。
【0049】後者の口金下の冷却は、横吹き冷却の場
合、その風速を0.15〜0.6m/secの範囲に維
持することにより、残留伸度の向上と捲取性の向上との
両立に寄与する。風速が0.15m/sec未満では、
フィラメントの長手方向の斑が大きく、事後に高品位の
延伸糸および加工糸を得ることができない。また、0.
60m/secを超えると、ポリエステル側の伸長粘度
が上昇するので、残留伸度の増加幅が小さくなる。
【0050】ポリエステルへの繊維伸度向上剤の添加に
当たっては、任意の方法を採用することができる。例え
ばポリエステルの重合末期段階で該剤混合してもよく、
また、ポリエステルと前記剤とを溶融混合して、押出し
冷却後、切断してチップ化してもよい。更には、サイド
ストリームから該剤を溶融状態でポリエステルの溶融紡
糸装置に、動的および/または静的ミクスチャーを介し
て導入してもよい。また、両者をチップ状で混合した
後、そのまま溶融紡糸してもよい。その中でも、連重直
紡ラインのポリエステル配管から一部のポリマーを引き
出し、それをマトリックスとして該剤を混練り分散させ
たものを元のニートポリマーラインへ、任意の動的およ
び/または静的ミクスチャーを介して戻し、各配管に分
配するという手法が最も好ましい。
【0051】また、本発明にしたがった、ブレンドポリ
マーの低張力紡糸により、従来は困難であった単糸de
(denier per filament )が1de以下の極細フィラメ
ント糸についても高速紡糸することができるようにな
る。
【0052】一般に極細フィラメント糸は、吐出ポリマ
ーの冷却が速いことと、紡糸ライン上、特に、第1ゴデ
ットローラーより上流で発生する単位断面積あたりの空
気抵抗が大きいために、極細フィラメント糸の高速製糸
性は乏しく、もっとも生産効率の悪い銘柄である。しか
し、本発明のブレンドポリマーを用いれば、単糸deの
低下による冷却強化は、配向結晶化抑制効果を促すの
で、極細糸にとっては有利であり、安定な高速極細紡糸
を可能にする。
【0053】以上に述べた紡糸の態様は、本発明の紡出
糸を単独で得る場合のみならず、種々の形で応用され
る。
【0054】例えば、繊維伸度向上剤を混合したポリエ
ステルと該剤を実質的に含まないポリエステルとを同一
口金から吐出することによって、あたかも紡糸速度の異
なる(互いに伸度の異なる)未延伸糸を複合した特性を
示す混繊糸を直接捲き取ること可能となる。
【0055】従来は、吐出孔径が極端に異なる吐出孔を
設けた口金から同一ポリエステルを吐出させる方法がと
られている。しかし、この場合は高い残留伸度の紡出糸
を得るための紡速、具体的には、伸度270〜340%
の糸条が得られる1500m/min前後の低い紡糸速
度とが律速である。これに対して、繊維伸度向上剤を含
むポリエステルと含まないポリエステルとを同一口金か
ら吐出した場合には、後者のポリエステルから所望の低
い残留伸度糸条を得るための紡糸速度、つまり高速で捲
き取ることができるため、複合化しただけでなく、飛躍
的な生産性の向上につながる。
【0056】そして、このような伸度差のあるヤーンか
らなる紡出糸はU.S.P2,013,746号(特公
昭61―19733号)によって代表される芯鞘タイプ
の複合仮撚捲縮糸用の原糸として好ましく採用される。
すなわち、この紡出糸を上記特許の教えるところに従っ
て同時延伸仮撚加工に供する際、より高い延伸倍率を採
用できるのでその分だけ捲取速度が増加し生産性の向上
につながる。
【0057】本発明の紡糸態様は直接紡糸未延伸プロセ
スにも好ましく組込むこともできる。特に8000/m
in以上の高速高性能ワインダーが実現したならば、引
取ローラーG1(兼予熱ローラー:斯界では第1ゴデッ
トローラーと呼ばれている)速度が5000〜6000
m/minにて引き取った後、延伸熱セットローラーG
2(斯界では第2ゴデットローラーと呼ばれている)速
度が7000〜9000m/minの下に直接紡糸延伸
プロセスを採用することができる。また、G1速度を7
000〜8000m/minとし、G2/G1速度比を
高々1.10〜1.25とした冷延伸を施した後、該糸
条のもつ歪の解消と熱セットを目的としたスチームチャ
ンバー内を通過させた後、捲き取るという省エネルギー
プロセスへの展開も可能である。
【0058】
【実施例】本発明で採用する物性値の測定方法について
説明する。 (1)熱変形温度(T):ASTM D−648に従
う。
【0059】(2)平均粒径(D)の測定 紡出糸をパラフィンに包埋し、厚さ7μmにフィラメン
トの長手方向に沿って直角に切断し、電子顕微鏡(日本
電子製 JSM−840)撮影用セクションを作成し、
スライドガラスの上に複数個のセクション群をのせ、ト
ルエン中に室温下で2日間放置する。この処置により、
繊維伸度向上剤として機能した粒子状の附加重合体は溶
け出す。溶出後の白金を10mA×2分間スパッタ蒸着
し、電子顕微鏡写真を15000倍で撮影する。撮影し
た溶出痕を、計測器:エリアカーブメーター(牛方商会
製)を用いて200個の重合体粒溶出痕の断面積を測定
し、平均粒子径Dを算出する。
【0060】(3)平均長さ(L)および上記Dとの比
(L/D) 紡出糸をパラフィンに包埋し、フィラメントの長手方向
に沿って切断し、電子顕微鏡撮影用セクションを作成
し、スライドガラス上に複数個のフィラメント割り断面
をのせて、トルエン中に室温下で2日間放置する。上記
(2)と同様の処理を行い、粒子の溶出痕を15000
倍で撮影し、フィラメントの長手方向の長さ(L)を2
00個測定し、平均長さ(L)から、上記Dとの比L/
Dを算出する。
【0061】(4)フィラメント断面内の分散粒子分布 上記(2)と同様の処置をしてフィラメント糸全体を数
箇所に分けて撮影し、20個のフィラメント断面につい
てフィラメントの中心からフィラメント表面に向かって
半径を3等分し、同心円状に3つの領域(図1のA、B
およびCの領域)、それぞれの領域に含まれる粒子の数
をその溶出痕から算出し、平均濃度との比を百分率で表
す。
【0062】(5)フィラメント表面の粒子数 紡出糸全体をその長手方向に直角に長さmmに切断し、
スライドガラス上にマルチフィラメント群を複数個の
せ、トルエン中に室温下2日間放置する。上記(2)と
同様の処置を行い、溶出痕を15000倍で撮影し、2
000μm2 当たりの溶出痕数をカウントし、100μ
2 当たりの数を算出する。
【0063】(6)紡出糸の複屈折率(Δn) 1―ブロモナフタレンを浸透液として用いて、偏光顕微
鏡にて波長530nmの単色光を用いて、緩衝縞を測定
し、下記式Δnを算出する。 Δn=530(n+θ/180)/X n:縞数、θ:コンペンセーター回転角度、X:繊維直
【0064】(7)残留伸度 紡出糸を気温25℃×湿度60%の高温恒湿に保たれた
部屋に1昼夜放置した後、サンプル長さ100mmを島
津製作所製張試験機テンシロンにセットし、200mm
/minの速度、即ちひづみ速度2min−1にて引張
り破断伸度を測定する。
【0065】(8)メルトインデックス ASTM D−1238に従う。
【0066】(9)みかけの紡糸ドラフト(Df) 単糸(フィラメント)吐出量g/minをポリエステル
の溶融状態の密度1.2g/cm3 で除して吐出体積c
c/minを算出し、これを吐出孔断面積で除して吐出
線速度V0 を算出する。これを捲き取り速度Vwとの比
(下記式)からDfを算出する。 Df=Vw/V
【0067】(10)口金温度 紡糸捲取運転状態の口金に予め口金表面に加工した深さ
2mmの温度検出端差込孔に検出端を差込み、口金温度
を測定する。
【0068】(11)口金下冷却風速度 風速計をハニカム構造の冷却風吹き出し口の上端面から
30cmの箇所においてハニカム面に密着させた状態で
風速をn=5(5回測定)で測定し平均値を算出する。
【0069】(12)フィラメント間の摩擦係数 詳しくは、特開昭48―35112号公報に記されてい
るが、フィラメント同士の滑りやすさの尺度である。長
さ690m、太さがdeのマルチフィラメント(Y)を
円筒の周りに、ラセン角±15°で約10gの巻き張力
で前後に巻き付ける。この円筒は直径が2インチ(5.
1cm)で、長さが3インチ(7.6cm)である。上
述のマルチフィラメントを12インチとって、この円筒
の上に掛ける。この時、(Y)が(Y)の上層部に
のっており、且つその巻き付け方向と平行になるように
する。(Y1 )のデニールの0.04倍の荷重をその一
端にかけ、もう一方の端は、ストレインゲージに連結さ
せる。円筒を0.0016cm/秒の周速で180度回
転させて、その時の張力を連続記録する。
【0070】フィラメント間摩擦係数(f)は、円筒上
を走行するベルトの摩擦に関する良く知られた下記式よ
り算出される。 f=(1/π)ln(T2/T1) ここで、T2はピーク張力の平均値(n=25、T1は
マルチフィラメントのde×0.04の荷重により与え
られる張力、lnは自然対数記号である。測定中に非可
逆的な伸長、つまり延伸が起ったサンプルのデータは使
用しなかった。測定雰囲気温度は25℃とする。
【0071】(13)OPU測定方法 紡出糸3gを105℃×2時間乾燥後直ちに、その重量
(W)を測定し、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダを
主成分とする洗浄用水溶液300cc中に浸析し、40
℃にて超音波を少なくとも10分かける。洗浄液を廃棄
し、40℃の温水により30分流水洗浄後、室温にて風
乾する。その後、105℃×2時間乾燥後直ちに重量
(W1 )を測定する。 OPU%=(W−W1 )/W1 ×100 上式よりOPU算出する。
【0072】(14)羽毛数ケ/m 少なくとも25mの仮撚り加工糸について目視にて毛羽
の個数を数え、1メートルあたりの毛羽に換算する。以
下、実施例により本発明を説明する。
【0073】[実施例1]固有粘度0.64、艶消剤と
して酸化チタンをポリエステル重量を基準として0.3
wt%を含むポリエチレンテレフタレートチップを16
0℃で5時間乾燥した後、直径25mの1軸フルフライ
ト型溶融押出し機にて300℃で溶融し、熱変形温度
(T)が121℃、M.Iが1.0g/10min(2
30℃×3.8kgf)で分子量150,000のポリ
メチルメタクリレート(PMMA)、および熱変形温度
(T)が98℃、M.I.が2.5g/10min(2
30℃×3.8kgf)で分子量60,000のPMM
A、さらに熱変形温度(T)が140℃、M.I.が
0.6g/10min(230℃×3.8kgf)で分
子量70,000のPMMA系共重合体をサイドストリ
ームから溶融状態で、押出し機中の溶融ポリエステルへ
導入し、次いで20段のスタティックミキサーを通して
混合分散させた後、口金直上に設けた25μmのポアサ
イズをもつ金属繊維フィルターおよび直径0.4mmφ
―ランド長0.8mm(L)の吐出孔を36個有する紡
糸口金から、口金温度285℃にて溶融ポリマーを表1
のNo.1〜14に示すような各紡速にあわせてその吐
出量を変化させつつ吐出した。さらに口金下下方9cm
〜100cmに設けた横吹き紡糸冷却筒から25℃の空
気を0.23m/secの速度で吹きつけて吐出ポリマ
ー流を冷却固化せしめ、OPU0.25〜0.30wt
%範囲内で油剤付着処理を施した後、120de/36
fの紡出糸として巻取った。なお、各実験におけるドラ
フトは407である。
【0074】尚、本実施例で用いた油剤組成(Fa)を
下記に記す。また、エマルジョン濃度10wt%とし
て、ミータリングオイルノズルを用いて付着させた。
【0075】この紡出糸の特性ならびに、繊維伸度向上
剤分散状態、および捲取張力をde×0.15〜0.2
5の範囲内で調節し、巻き取った7kg巻きパツケージ
の巻き姿を表1に記す。
【0076】尚、巻き姿については、○:良好、△:綾
はずれあり、×:巻き崩れ、バーストとして各記号を記
した。
【0077】 油剤組成(Fa) ・ブタノールPO/EO(50/50)ランダム付加物(分子量2000) 50wt% ・グリセリンPO/EO(50/50)ランダム付加物(分子量6000) 47wt% ・アルキルスルホネートナトリウム塩(アルキル基C12〜C16) 1.5wt% ・EO2molラウリルホスフェートカリウム塩 1.5wt%
【0078】
【表1】
【0079】以下、表1の結果について考察する。実験
No.1のような低速紡出糸においては、紡糸時のひず
み速度が遅いために、繊維伸度向上剤の伸長変形はポリ
エステルに追従し、伸長変形抵抗体として実質的に作用
しないために、伸度向上効果がわずかである。また、フ
ィラメント表面への粒子の析出個数が多いために、巻き
姿に関して単糸、マルチフィラメントの綾落ちが見られ
た。一方、No.2、3、6、7、12、13について
は、2500〜8000m/minの引取速度におい
て、PMMAの平均粒子系、断面内局在化および繊維表
面粒子数が本発明の要件を満足するため、紡出糸の残留
伸度、捲取性ともに十分な効果が認められ、特に350
0〜5500m/minの範囲内においてその効果は極
大を示す。No.14については、紡糸ひずみ速度が著
しく速いために、推定ではあるが、ポリマーとPMMA
との界面剥離により、曵糸性が損なわれる。
【0080】No.4、5、8、9については、先ずN
o.4は添加量が少ないために、残留伸度向上効果が十
分でなく、またNo.9については、添加量が多いため
に、残留伸度向上率は293%と著しく大きいが、フィ
ラメント表面への析出粒子も当然多くなり、正常な巻き
姿を形成することができない。一方、No.5、8につ
いては、添加量が本発明の範囲内にあり、粒子の分散状
態も適正である。
【0081】No.10(従来例については、PMMA
の熱変形温度が98℃と低いために、No.8と対比し
たとき残留伸度向上を効果的に発現する粒子径を形成で
きず、そのため繊維表面に析出する粒子数が増加し、捲
取不可となる。一方、No.11はMMA、アクリル酸
イミド付加物およびスチレンをモル比で25:45:3
0の割合で共重合し、高熱変形温度となしたPMMA共
重合体を含有している。この場合、ポリマーとの熱変形
温度差が非常に大きくて伸長変形抵抗体としての作用が
大きすぎるために、該PMMA共重合の粒子はポリエチ
レンテレフタレートの変形に追従できず、粒子径が大き
く曵糸性、捲取性ともに、不可である。
【0082】[実施例2]固有粘度0.62、艶消し剤
として酸化チタンを0.08wt%含むポリエチレンテ
レフタレートの直重ポリマーを160℃×5時間乾燥
し、チップ配管より計量フィードするとともに、20%
PMMAの同ポリエステルマスターを同様に乾燥し、こ
ちらも計量フィード混合することによって、ポリエステ
ル中のPMMA添加濃度を1.0wt%とし、紡糸パッ
ク内にブレンドポリマーを導入し、表2に示す口金径
(ドラフト)、フィルターを用いて5000m/min
の引取速度にて120de/36dの紡出糸として巻き
取った。
【0083】尚、口金温度、口金下冷却風、オイリング
および巻き取りに関しては、実施例1と同様に行った。
PMMA銘柄は実施例1で用いた熱変形温度121℃の
PMMAを使用した。紡出糸におけるPMMA分散状態
と物性、捲取性について表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】以下、同様に考察する。実施例No.15
は、口金孔径が小さいために、吐出孔内剪断によりPM
MA粒子が引き千切られ、微細粒子化し、伸度向上効果
が十分でない。また、No.16においては、フィルタ
ーポアサイズが50μと粗であるため、紡出フィラメン
ト中でのPMMA粒子径が大きく、若干の綾はずれが認
められる。さらに、No.17のように口金径が0.8
mmと大きい場合には、粗大粒子が繊維表面に析出し、
繊維間摩擦係数が著しく低下するために、巻初めからわ
ずか数分でバースト現象が多発し始めた。
【0086】[実施例3]油剤組成を次のように変更す
る以外は実施例2のNo.16と同様に紡出し、F/F
摩擦を上げる成分として、エチレンオキサイド10mo
l付加ノニルフェノールエーテルを油剤組成(Fa)に
対し、混合率25wt%となるよう混合して作成した油
剤組成(Fb)を紡糸ライン上でミータリングオイルノ
ズルを用いて付着させた。油剤Faの付着した実施例2
のNo.16の紡出糸、油剤Fbを付着させた紡出糸
(実施例3−aおよび実施例1−No.8に各々仮撚り
加工を施した。ヒーター長1.6m、ヒーター温度18
0℃、加工糸伸度が25%となるように延伸倍率を設定
し、仮撚りディスク前(T1g)後(T2g)の張力比
(T2/T1)が0.93となるようにディスク走行速
度を調整した。表3に紡出糸物性と巻き姿、F/F摩擦
係数および仮撚り加工糸の物性および毛羽個数を示す。
【0087】
【表3】
【0088】No.18については、F/F摩擦係数が
低いために、巻き姿としては綾はずれが生じたが、仮撚
り加工性については問題なく、物性、毛羽評価の結果は
良好であった。No.19については、紡糸、仮撚り加
工ともに、本発明を十分満足するものである。No.2
0については、高いF/F摩擦を付与する油剤組成に変
更したために、良好な巻き姿を得ることには成功した
が、仮撚り加工においては、ディスクやガイドとの摩擦
も高くなるために、毛羽が発生し、本発明の目的を達成
することが出来なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡出糸を構成するフィラメント(ここ
では丸断面の例)の断面方向における、繊維伸度向上剤
の分散状態を示す断面図。
【図2】図1のA、BおよびCの各領域での繊維伸度向
上剤の分散濃度のレベルを示すグラフ。
【図3】本発明の紡出糸を構成するフィラメントの断面
が異型中実の場合に、図1の領域に担当する領域
(A′、B′、C)を説明する断面図(図3−a)、お
よび各領域(A′、B′、C′)での、繊維伸度向上剤
の分散濃度(分布状態)のレベルを説明するグラフ(図
3−b)。
【図4】本発明の紡出糸を構成するフィラメントの断面
が中空の場合に、図1の領域Bに相当する領域(B′)
を示す断面図。
【符号の説明】
r フィラメント断面における半径 A フィラメントの断面中心0から半径方向1/3に至
る領域の円状部分 B フィラメントの断面中心0から外表面に向う、半径
方向1/3から2/3の領域を占める円環状部 C フィラメントの断面中心0から外表面に向う、2/
3から外周に至る領域を占める円環状部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子状の繊維伸度向上剤をポリエステル
    重量を基準として0.5〜4.0重量%分散せしめたポ
    リエステルを溶融紡糸し、2500m/min〜800
    0m/minの引取速度で得た、以下に定義する残留伸
    度増加率(I)が50%以上であるフィラメント紡出糸
    において、 該伸度向上剤が以下の(a)〜(c)の要件を満足する
    ことを特徴とする捲取性の改善された高伸度ポリエステ
    ルフィラメント糸。 (a)熱変形温度(T)が105〜130℃の範囲にあ
    ること; (b)フィラメント断面を円形断面にみたてたときの断
    面中心から外表面に向かう半径方向の1/3から2/3
    の領域を占める円環状部に、その分散濃度が極大化して
    いること;そして (c)フィラメントの外表面に存在する粒子の個数
    (N)が高々15個/100μm2 であること。ただ
    し、上記(I)は以下の式に従う I(%)=(EIb (%)/ELO (%)−1)×10
    0 ここでEIb (%)は、本発明のポリエステルフィラメ
    ント糸の残留伸度、ELO (%)は該繊維伸度向上剤を
    含まない以外は本発明と同一に紡糸条件下に得られたポ
    リエステルフィラメント糸の残留伸度である。
  2. 【請求項2】 熱変形温度(T)が110〜130℃の
    範囲にある請求項1記載のポリエステルフィラメント
    糸。
  3. 【請求項3】 フィラメントの断面中心から外表面に向
    かう半径方向の1/3〜2/3の距離を肉厚とする円環
    状部分に、伸度向上剤の全粒子の50重量%以下が存在
    する請求項1記載のポリエステルフィラメント糸。
  4. 【請求項4】 Nが高々10以下である請求項1記載の
    ポリエステルフィラメント糸。
  5. 【請求項5】 フィラメントの断面方向における、該伸
    度向上剤の平均粒子径(D)が0.05〜0.15μm
    の範囲にある請求項1記載のポリエステルフィラメント
    糸。
  6. 【請求項6】 フィラメント長手方向に沿って、該伸度
    向上剤の粒子は延在化し、その平均長さLと該Dとの比
    が20以下である請求項6記載のポリエステルフィラメ
    ント糸。
  7. 【請求項7】 フィラメント糸の複屈折率(Δn)が
    0.015〜0.105の範囲にある請求項1記載のポ
    リエステルフィラメント糸。
  8. 【請求項8】 該繊維伸度向上剤が、ポリエステルと実
    質的に非相溶性で且つ分子量が少なくとも2000以上
    の、不飽和モノマーからなる附加重合体である請求項1
    のポリエステルフィラメント糸。
  9. 【請求項9】 不飽和モノマーからなる附加重合体が、
    分子量8000以上20万以下であって、メルトインデ
    ックス(230℃、荷重3.8kg)が0.5〜8.0
    g/10分のメチルメタクリレートを主成分とするポリ
    メチルメタクリレート系重合体である請求項9記載のポ
    リエステルフィラメント糸。
  10. 【請求項10】 不飽和モノマーからなる附加重合体
    が、分子量8000以上20万以下であって、メルトイ
    ンデックス(230℃、荷重3.8kg)が0.5〜
    8.0g/10分の スチレンを主成分とするアイソタ
    クチックポリスチレン系重合体である請求項1記載のポ
    リエステルフィラメント糸。
  11. 【請求項11】 不飽和モノマーからなる附加重合体
    が、分子量8000以上20万以下であって、メルトイ
    ンデックス(300℃、荷重2.16kg)が6〜25
    g/10分のシンジオタクチック(結晶性)ポリスチレ
    ン系重合体である請求項8記載のポリエステルフィラメ
    ント糸。
  12. 【請求項12】 不飽和モノマーからなる附加重合体
    が、分子量8000以上20万以下であって、メルトイ
    ンデックス(260℃、荷重5.0kg)が5.0〜4
    0.0g/10分の4―メチルペンテン―1を主成分と
    するポリメチルペンテン系重合体である請求項8記載の
    ポリエステルフィラメント糸。
  13. 【請求項13】 粒子状の繊維伸度向上剤をポリエステ
    ル重量を基準として0.5〜4.0重量%分散せしめた
    ポリエステルを溶融紡糸し、2500m/min〜80
    00m/minの引取速度で引取るにあたり、紡糸口金
    直上にポアサイズが40μm以下のフィルターを設置
    し、見掛の紡糸ドラフト率を150〜1500の範囲に
    調整することを特徴とする、捲取性の改善された高伸度
    ポリエステルフィラメント糸の製造方法。
  14. 【請求項14】 口金下の冷却風の速度を0.15〜
    0.6m/sec.の範囲に調整する請求項13記載の
    ポリエステルフィラメント糸の製造方法。
  15. 【請求項15】 粒子状の繊維伸度向上剤をポリエステ
    ル重量を基準として0.5〜4.0重量%分散せしめた
    ポリエステルト、伸度向上剤を実質的に含まないポリエ
    ステルとを、コ・スピニング(Co―spinnin
    g)により溶融紡糸し、2500m/min〜8000
    m/minの引取速度で引取ることを特徴とするポリエ
    ステルフィラメントの複合紡出糸の製造方法。
JP07013698A 1998-03-19 1998-03-19 捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3769379B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07013698A JP3769379B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法
TW088104270A TW442583B (en) 1998-03-19 1999-03-18 Polyester filament yarn having an improved winding performance
KR1019997010674A KR100551468B1 (ko) 1998-03-19 1999-03-19 폴리에스테르 필라멘트사
PCT/JP1999/001420 WO1999047735A1 (en) 1998-03-19 1999-03-19 Polyester filament yarn
US09/424,015 US6136435A (en) 1998-03-19 1999-03-19 Polyester filament yarn
IDW991414A ID25607A (id) 1998-03-19 1999-03-19 Benang filamen poliester yang mempunyai kinerja penggulungan yang diperbaiki
CNB2004100020406A CN1279229C (zh) 1998-03-19 1999-03-19 制备聚酯长丝纱的方法
DE69911525T DE69911525T3 (de) 1998-03-19 1999-03-19 Polyester-filamentgarn
CNB998007447A CN1158413C (zh) 1998-03-19 1999-03-19 聚酯长丝纱
EP99909283A EP0977913B2 (en) 1998-03-19 1999-03-19 Polyester filament yarn
HK04110303A HK1067390A1 (en) 1998-03-19 2004-12-29 Polyester filament yarn

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07013698A JP3769379B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005155517A Division JP2005314863A (ja) 2005-05-27 2005-05-27 ポリエステルフィラメントの複合紡出糸及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11269719A true JPH11269719A (ja) 1999-10-05
JP3769379B2 JP3769379B2 (ja) 2006-04-26

Family

ID=13422861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07013698A Expired - Fee Related JP3769379B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6136435A (ja)
EP (1) EP0977913B2 (ja)
JP (1) JP3769379B2 (ja)
KR (1) KR100551468B1 (ja)
CN (2) CN1279229C (ja)
DE (1) DE69911525T3 (ja)
HK (1) HK1067390A1 (ja)
ID (1) ID25607A (ja)
TW (1) TW442583B (ja)
WO (1) WO1999047735A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020001938A (ko) * 2000-06-21 2002-01-09 김윤 극세 스펀본드 부직포의 제조방법
KR100616190B1 (ko) * 2000-07-18 2006-08-25 주식회사 휴비스 폴리에스테르 부분연신사 및 그 제조방법

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0987353B1 (de) * 1998-09-16 2003-11-05 Röhm GmbH & Co. KG Polyesterfasern und -filamente sowie Verfahren zu deren Herstellung
DE69926056T2 (de) * 1999-05-18 2006-05-11 Hyosung Corp. Industrielle Polyesterfaser und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2001192942A (ja) 1999-10-22 2001-07-17 Teijin Ltd 嵩高加工糸およびその製造方法
JP4212779B2 (ja) * 2001-01-12 2009-01-21 帝人ファイバー株式会社 ポリエステル嵩高複合糸及びその製造方法
GB0102658D0 (en) * 2001-02-02 2001-03-21 Ineos Acrylics Uk Ltd Polymeric Fibres
JP3862996B2 (ja) * 2001-10-31 2006-12-27 帝人ファイバー株式会社 ポリトリメチレンテレフタレートフィラメント糸およびその製造方法
US6923925B2 (en) * 2002-06-27 2005-08-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process of making poly (trimethylene dicarboxylate) fibers
CA2491532C (en) * 2002-06-28 2013-03-19 Mosaic Systems Bv Functional porous fibres
US6641916B1 (en) * 2002-11-05 2003-11-04 E. I. Du Pont De Nemours And Company Poly(trimethylene terephthalate) bicomponent fibers
US20040099984A1 (en) * 2002-11-21 2004-05-27 Jing-Chung Chang Polyester bicomponent filament
CN1304654C (zh) * 2003-12-30 2007-03-14 中国石化上海石油化工股份有限公司 聚对苯二甲酸丙二醇酯全牵伸丝的制造方法
US20080003430A1 (en) * 2006-06-28 2008-01-03 3M Innovative Properties Company Particulate-loaded polymer fibers and extrusion methods
US8753741B2 (en) 2010-04-27 2014-06-17 E I Du Pont De Nemours And Company Poly(trimethylene arylate) fibers, process for preparing, and fabric prepared therefrom
CN104499152B (zh) * 2014-11-05 2016-08-17 江苏顺远纺织科技有限公司 一种聚酯长丝超纺棉面料及面料中聚酯长丝的制作方法
CN105734805A (zh) * 2014-12-12 2016-07-06 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种仿棉针织面料
CN106435793A (zh) * 2016-10-11 2017-02-22 苏州龙杰特种纤维股份有限公司 一种改善蛛网丝及退绕的方法
CN108437585B (zh) * 2018-04-20 2023-04-07 浙江长盛塑料轴承技术有限公司 一种耐磨非金属复合板材及其制作方法
CN114134592A (zh) * 2021-12-17 2022-03-04 石狮市益明染织有限公司 一种耐阻燃的涤纶丝及其制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5747912A (en) * 1980-09-03 1982-03-19 Teijin Ltd Undrawn polyester yarn and its production
US5250245A (en) 1991-01-29 1993-10-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for preparing polyester fine filaments
DE4208916A1 (de) * 1992-03-20 1993-09-23 Akzo Nv Polyesterfaser und verfahren zu deren herstellung
DE19707447A1 (de) * 1997-02-25 1998-08-27 Zimmer Ag Verfahren zur Verarbeitung von Polymermischungen zu Filamenten
CN1092256C (zh) * 1997-08-05 2002-10-09 罗姆两合公司 聚合物混合物的成丝工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020001938A (ko) * 2000-06-21 2002-01-09 김윤 극세 스펀본드 부직포의 제조방법
KR100616190B1 (ko) * 2000-07-18 2006-08-25 주식회사 휴비스 폴리에스테르 부분연신사 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
KR100551468B1 (ko) 2006-02-14
DE69911525T2 (de) 2004-07-01
DE69911525T3 (de) 2006-11-09
CN1272148A (zh) 2000-11-01
CN1158413C (zh) 2004-07-21
ID25607A (id) 2000-10-19
JP3769379B2 (ja) 2006-04-26
EP0977913B2 (en) 2006-03-22
DE69911525D1 (de) 2003-10-30
TW442583B (en) 2001-06-23
HK1067390A1 (en) 2005-04-08
CN1515709A (zh) 2004-07-28
EP0977913B1 (en) 2003-09-24
KR20010012713A (ko) 2001-02-26
CN1279229C (zh) 2006-10-11
EP0977913A1 (en) 2000-02-09
WO1999047735A1 (en) 1999-09-23
US6136435A (en) 2000-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11269719A (ja) 捲取性の改善された高伸度ポリエステルフィラメント糸およびその製造方法
JP3862996B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレートフィラメント糸およびその製造方法
JPS5898414A (ja) 繊維形成性重合体と不混和性重合体との配合物の溶融紡糸法および得られる溶融紡糸繊維
KR100422029B1 (ko) 폴리트리메틸렌 테레프탈레이트 이형사
JP2005314863A (ja) ポリエステルフィラメントの複合紡出糸及びその製造方法
JP3616509B2 (ja) 高伸度ポリエステルフィラメント糸の捲取方法
JP6807960B2 (ja) 無捲縮短繊維の製造方法、及び得られた無捲縮短繊維を含む湿式不織布
JP4128398B2 (ja) 吸水速乾透防止繊維及びその製造方法
JP3992385B2 (ja) 高伸度ポリエステルフィラメント糸
JPH11241216A (ja) 中空ポリエステル繊維の製造方法
MXPA99010471A (en) Polyester filament yarn
JP2001146683A (ja) 摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法
JP3561360B2 (ja) 高比重セルロースアセテート複合繊維
JP3998667B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート異型糸
JP3995297B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメントの溶融紡糸方法
JP2000248428A (ja) ポリエステルフィラメント糸の製造方法
JP4056288B2 (ja) ポリエステル極細マルチフィラメント糸の製造方法
JPH02277811A (ja) 高強度、高弾性率ポリエステル中空繊維
JPH09195125A (ja) 芯鞘型セルロースアセテート複合繊維
JP2000129536A (ja) 捲取性の改善された、高伸度ポリエステル紡出糸の製造方法
JP2000170035A (ja) 高速紡出糸
JPH10273827A (ja) 耐摩耗性芯鞘型高比重複合繊維
JP2019157305A (ja) ポリエステル仮撚加工糸
JP2003020525A (ja) 芯鞘型複合繊維および漁網
JP2001172818A (ja) セルロースアセテート繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees