JP3561360B2 - 高比重セルロースアセテート複合繊維 - Google Patents

高比重セルロースアセテート複合繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロースアセテート繊維の特徴である独特のナチュラルなドライ感と優れた発色性を損なう事なく、高ドレープ性で、しかも光沢感に優れた新規なセルロースアセテート複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
主に衣料用素材として利用されているセルロースアセテート繊維にとって、近年の消費者ニーズの多様化、高級化に対応していく為には、セルロースアセテート繊維本来の優雅な光沢感やドライ感といった特徴を活かしながら、更に新規な風合いを付与していくことは必要不可欠なことである。
最近では、新規風合いの一つとして高ドレープ性の付与が期待されている。これはセルロースアセテート繊維自身の繊維比重が約1.3であり、例えばレーヨン(繊維比重1.50〜1.54)などと比べて繊維自身が軽量であるがために、ドレープ性に劣るといった問題に起因している。
従来のセルロースアセテート繊維におけるドレープ性の付与については、他素材との混繊複合化による商業例が挙げられるが、例えばレーヨンとの混繊複合化では、セルロースアセテート繊維本来の発色性やドライ感等が損なわれてしまう。更に、形態安定性の低下や染色斑といった問題も発生する。
【0003】
一方、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維などの溶融紡糸における繊維では、各種の無機物を含有させて、機能性を付与する方法が知られている。例えば、ポリエチレンにおいては、特開昭59−157312号公報で、無機充填剤として平均粒径0.5〜2μの硫酸バリウムを、高密度ポリエチレンに約20〜500%添加し、 紡糸延伸して得られる、紡糸速度、延伸倍率を上げても空隙の量が少ない、漁網、ロープ等に好適な高比重糸が提案されおり、特開昭61−613号公報には比重0.94以上のポリエチレン100重量部に平均粒径0.1〜3μの硫酸バリウム20〜500重量部を添加した樹脂組成物を溶融紡糸後、多段延伸して、高比重糸を得る方法が開示されている。また、ポリエステルにおいては、特公平4−9205号公報に、平均粒径が1μ以下で屈折率が2.0以下、真比重が2.5以上の硫酸バリウムをポリエステル合成中に添加し、得られたポリエステルを常法により紡糸延伸し、上記微粒子を4wt%以上含み、比重が1.425〜1.60の繊維を得る方法が開示されている。
【0004】
溶液紡糸においては、特公平5−41722号公報に、硫酸バリウムの高濃度分散液をビスコース紡糸原液に添加し、紡糸原液中のセルロース濃度を特定値以上に調整して紡糸することにより、X線遮蔽性、高比重防音効果に優れたレーヨンを安定した紡糸生産性で得る方法が開示されている。
特にセルロースアセテート繊維自体のドレープ性を向上させることについては本出願人は、特開平7−97713号で、平均粒径0.01〜0.3μmを含有させることにより、セルロースアセテート繊維のドレープ性向上を、セルロースアセテート繊維自体を高比重化することにより達成する方法を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−97713号で提案した繊維では、繊維内全体に微粒子無機物が分散し、該微粒子無機物が繊維表面にも露出し、繊維表面を凹凸に形成するために、繊維の光学的特性が大きく変化し、セルロースアセテート繊維の特徴である光沢感が低下してしまう可能性があった。
また、微粒子無機物を大量に添加すると繊維強度等が大きく損なわれる場合が多く、他繊維と比較して繊維物性の低いセルロースアセテート繊維としては、紡糸安定性、及び実用面で大きな問題となる。
更に、乾式紡糸法でセルロースアセテートを製糸する場合には、極めて微細な孔を有するノズルを用いて極めて高速で紡糸原液を吐出する必要があり、微粒子無機物を高濃度に添加した場合にはその吐出状態が不安定になりやすく、紡糸性が悪くなるといった問題を有している。
本発明は、上記課題を解決し、セルロースアセテート繊維本来の特徴である光沢感の低下を抑制しながら、繊維比重の増加を達成することによってドレープ性が向上したセルロースアセテート複合繊維を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨とするところは、屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5以上である微粒子無機物を5〜80重量%含有するセルロースアセテート成分を芯部に、セルロースアセテート成分を鞘部に配したセルロースアセテート複合繊維であって、該複合繊維の比重が1.40〜1.70であることを特徴とする高比重セルロースアセテート複合繊維である。
【0007】
本発明の高比重セルロースアセテート複合繊維の芯部に含有される微粒子無機物は、屈折率が1.3〜1.9であり、比重が3.5以上の微粒子無機物であり、
該微粒子無機物の凝集体としての平均粒径が1.5μm以下であることが好ましい。
【0008】
微粒子無機物がセルロースアセテート繊維より高比重でない場合は、高比重化が達成できず、満足すべきドレープ性を得ることができない。したがって、本発明で用いる微粒子無機物の比重は、3.5以上である必要がある。
また、本発明においては、微粒子無機物として屈折率が1.3〜1.9、好ましくは1.4〜1.7でる無機物を用いる。このような屈折率を有する無機物はセルロースアセテートの屈折率に近似していることにより、光沢感の低下を抑制することが可能となり、屈折率が1.3〜1.9の範囲外では、セルロースアセテート繊維の特徴である光沢感、発色性の良さ等を損ねる。
かかる無機物としては、具体的には、例えば、炭酸バリウム(屈折率1.53、比重4.4)、硫酸バリウム(屈折率1.64、比重4.1)、酸化亜鉛(屈折率1.9、比重5.6)等が挙げられる。特に硫酸バリウムは、高比重化及び光沢感、さらに、人体への影響(化学的・物理的安定性)等の面でも非常に好ましい。
【0009】
また、鞘部成分中へ含有せしめる微粒子無機物の凝集体(集合体)の大きさにより、繊維の物性に差が表れ、紡糸性、後工程通過性等に影響を及ぼすので、含有せしめる微粒子無機物の凝集体としての平均粒径が1.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは凝集体としての平均粒径1μm以下である。これより大きいと繊維物性の低下が著しく、紡糸性、後工程通過性等が非常に悪くなる。
凝集体としての平均粒径が1.5μm以下にするためには、添加する微粒子無機物の一次粒径(平均粒径)が0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μmである。これより大きいと微粒子無機物の凝集体の平均粒径が大きくなり、繊維物性が極端に悪くなり易い、また、繊維形成上、例えば紡糸工程での糸切れ等のトラブルが多発したする。
【0010】
鞘部成分中への微粒子無機物の含有量は5〜80重量%であり、5重量%(繊維の比重1.37) 未満では、高比重化が達成されず、満足すべきドレープ性を得ることができない。また、80重量%を超えると、繊維の強度及び伸度の低下が著しく実用上問題となる。
【0011】
本発明のセルロースアセテート複合繊維の芯部を構成する微粒子無機物を含有するセルロースアセテート成分(A成分)と、鞘部を構成するセルロースアセテート成分(B成分)の複合比率は特に限定されるものではなく、目的に応じて設定すればよいが、好ましい複合比率は、(A成分):(B成分)=15:85〜85:15である。
前記の複合比率が(A成分):(B成分)=約0:約100〜14:86の条件では、セルロースアセテート複合繊維の高比重化を達成するためにA成分内の微粒子無機物の添加量を極めて多くする必要があり、その結果、A成分の原液製造における工程通過性が低下して好ましくない。
前記の複合比率が(A成分):(B成分)=86:14〜約100:約0の条件では、セルロースアセテート複合繊維内部の微粒子無機物の局在化が不十分となり、光沢感の低下の抑制効果が十分に得られ難くなるとともに、紡糸安定性も低下する。
【0012】
本発明においては、紡糸時に芯部に分配される紡糸原液中の微粒子無機物の濃度が高い場合でも、紡糸安定性の低下、並びに光沢の低下を抑制するため芯部成分の比率を小さくすることによって、高比重で、しかも、紡糸安定性の良いセルロースアセテート複合繊維とすることができる。
【0013】
従来の混合紡糸法による微粒子無機物含有セルロースアセテート繊維では、微粒子無機物が繊維内部に存在し、また、とりわけ微粒子無機物の露出により繊維表面に凹凸が形成されることから、光学的な乱反射が増大するために光沢の低下が起きるのに対して、本発明のセルロースアセテート複合繊維は鞘部がセルロースアセテートでのみ構成されるために、繊維表層における乱反射が減少して光沢感の低下が抑制される。
また、本発明のセルロースアセテート複合繊維を製造するに際して、紡糸時には鞘部に従来のセルロースアセテート紡糸原液が分配されているために、高濃度の微粒子無機物を添加した紡糸原液を芯部に用いても、ノズル孔より安定した紡糸原液の吐出が得られ、安定した紡糸が可能となるものである。すなわち、従来の単純混合による高比重セルロースアセテート繊維では、微粒子無機物の含有量が30重量%を越えると繊維の強度及び伸度の低下が著しく実用上問題となるが、本発明の複合繊維では、芯部に含有される微粒子無機物の含有量は80重量%まで上げることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明のセルロースアセテート複合繊維を得るには、次のような方法が採られる。本発明のセルロースアセテート複合繊維に用いるセルロースアセテートは、酢化度56.2%〜62.5%のセルローストリアセテートでもよく、酢化度48.8%〜56.2%のセルロースジアセテートでも良い。
【0015】
セルロースアセテート複合繊維を得るに際して、複合紡糸の際に鞘部に分配される紡糸原液については、セルローストリアセテート又はセルロースジアセテートのフレークを塩化メチレン、アセトン等の単独溶剤或いは塩化メチレンとメタノール等の混合溶剤に溶解し、溶液濃度を15〜30重量%、好ましくは18〜27重量%とした紡糸原液を調製する。
【0016】
一方、複合紡糸の際して、芯部に分配される、屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5以上である微粒子無機物を含有する紡糸原液については、前記セルロースアセテートの溶剤に微粒子無機物を分散させた分散液を、同様の溶剤にセルロースアセテートを溶解させた溶液に添加、混合する、或いは、セルロースアセテートを溶解させた溶液に直接微粒子無機物を添加、混合する等の方法により作製し、濃度を適正な条件範囲に調整する。
【0017】
ここで、凝集体の平均粒径が大きくならないように、紡糸原液を調製することが肝要である。凝集体の平均粒径を調製する方法として、分散機を用いて行うことが好ましい。例えば、分散機として横型サンドミルを用いる場合、ディスク周速、ビーズ径(0.8〜1.0mmφ)、ビーズ充填率、ベッセル内部での滞在時間などを適宜調整することによって、凝集体の平均粒径が大きくならないようにすることができる。
【0018】
前記2種の紡糸原液を用いて、ノズルパックへ2種の紡糸原液を供給し、該微粒子無機物を含有する紡糸原液を芯部に、及び他方の紡糸原液を鞘部に分配して複合紡糸用ノズル装置より高温雰囲気中に吐出し、溶剤を揮散させることにより、本発明のセルロースアセテート複合繊維を得ることができる。なお、乾式紡糸でなく、湿式紡糸を行っても良い。
【0019】
本発明のセルロースアセテート複合繊維の繊維形状は、ステープル、フィラメントのいずれであってもよい。
【0020】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。
なお、実施例、比較例、及び参考例で用いた光沢、及び繊維密度の測定方法を下記に示す。
【0021】
〈光沢〉
試料の繊維を4cmの幅に隙間無く平行にならべ、繊維と直角で且つ平面に対して45゜方向から光を当て、入射光に対して直角方向に乱反射する光の強さを測定した。光沢の測定は、デジタル変角光沢計VG−10(日本電色工業社製)を用いて行った。
【0022】
〈繊維比重〉
試料を3gかせ取りし、ガス置換式密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用いて密度測定を行い算出した。
【0023】
〈無機物凝集体の平均粒径〉:原液中の無機物凝集体の平均粒径を、(株)堀場製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−500形を用い測定した。
【0024】
(実施例1)
平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に溶解し、濃度21.9重量%の溶液を調整した。一方、平均粒径0.05μmの硫酸バリウムを、塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に横型サンドミル(シンマルエンタープライゼス製DYNO−MILL、KDLPILOT型)を用いて均一に分散させ分散液を調製した。このときの紡糸原液中での硫酸バリウム凝集体の平均粒径は0.5μmになるように作製した。セルローストリアセテート溶液に硫酸バリウムがセルローストリアセテートに対して26.7重量%になるように、前記のセルロースアセテート溶液と硫酸バリウム分散液を攪拌混合して、全固形分濃度25.6重量%、セルロースアセテートに対する硫酸バリウム濃度26.7重量%の紡糸原液(A成分)を作製した。
一方、前記の平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に溶解し、濃度21.9重量%の溶液を紡糸原液(B成分)を作製した。
前記2種の紡糸原液を用いて、(A成分)を芯部に及び(B成分)を鞘部にして、乾式紡糸法により複合紡糸を行い、(A成分):(B成分)=39:61で構成された75デニール、20フィラメントの芯鞘型セルロースアセテート複合繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0025】
(実施例2)
実施例1と同様にして作製した紡糸原液を用いて、(A成分)を芯部に及び(B成分)を鞘部にして、乾式紡糸法により複合紡糸を行い、(A成分):(B成分)=54:46で構成された75デニール、20フィラメントの芯鞘型アセテート複合繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0026】
(実施例3)
実施例1と同様にして作製した紡糸原液を用いて、(A成分)を芯部に及び(B成分)を鞘部にして、乾式紡糸法により複合紡糸を行い、(A成分):(B成分)=68:32で構成された75デニール、20フィラメントの芯鞘型アセテート複合繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
繊維側面写真を図1に示した。
【0027】
(実施例4)
実施例1と同様にして作製した紡糸原液を用いて、(A成分)を芯部に及び(B成分)を鞘部にして、乾式紡糸法により複合紡糸を行い、(A成分):(B成分)=83:17で構成された75デニール、20フィラメントの芯鞘型アセテート複合繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0028】
(実施例5)
平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に溶解し、濃度21.9重量%の溶液を調整した。一方、平均粒径0.05μmの硫酸バリウムを、塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に均一に分散させ分散液を調整した。セルローストリアセテート溶液に硫酸バリウムがセルローストリアセテートに対して38.0重量%になるように、前記のセルロースアセテート溶液と硫酸バリウム分散液を攪拌混合して、全固形分濃度25.6重量%、セルロースアセテートに対する硫酸バリウム濃度38.0重量%の紡糸原液(A成分)を作製した。一方、前記の平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に溶解し、濃度21.9重量%の溶液を紡糸原液(B成分)を作製した。
前記2種の紡糸原液を用いて、(A成分)を芯部に及び(B成分)を鞘部にして、乾式紡糸法により複合紡糸を行い、(A成分):(B成分)=80:20で構成された75デニール、20フィラメントの芯鞘型
セルロースアセテート複合繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0029】
(比較例1)
平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に溶解し、濃度21.9重量%の溶液を調整した。一方、平均粒径0.05μmの硫酸バリウムを、塩化メチレン/メタノールの混合溶剤に均一に分散させ分散液を調整した。セルローストリアセテート溶液に、セルロースアセテートに対して硫酸バリウムが10.5重量%、全固形分濃度23.5重量%になるように、前記のセルロースアセテート溶液と硫酸バリウム分散液を攪拌混合して紡糸原液を作製した。この紡糸原液を用いて乾式紡糸法により75デニール、20フィラメントのセルロースアセテート繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0030】
(比較例2)
セルロースアセテートに対して硫酸バリウムが14.6重量%になるように変更する以外は、比較例1と同様にして、75デニール、20フィラメントのセルロースアセテート繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0031】
(比較例3)
セルロースアセテートに対して硫酸バリウムが18.3重量%になるように変更する以外は、比較例1と同様にして、75デニール、20フィラメントのセルロースアセテート繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
また、繊維側面写真を図2に示した。
【0032】
(比較例4)
セルロースアセテートに対して硫酸バリウムが21.7重量%になるように変更する以外は、比較例1と同様にして、75デニール、20フィラメントのセルロースアセテート繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、比重、光沢値、及び紡糸性を示した。
【0033】
(比較例5)
セルロースアセテートに対して硫酸バリウムが30.4重量%になように変更する以外は、比較例1と同様にして、75デニール、20フィラメントのセルローストリアセテート繊維の乾式紡糸を試みたが、紡糸は困難であった。
【0034】
(参考例)
従来のセルロースアセテートブライト繊維の製造方法に従って、平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートを塩化メチレン/メタノール混合溶剤に溶解したセルローストリアセテート溶液を紡糸原液として作製した。この紡糸原液を用いて乾式紡糸法により75デニール、20フィラメントのセルロースアセテート繊維を得た。
表1に得られた繊維の繊維内部無機物含有量、光沢値、及び紡糸性を示した。
また、繊維側面写真を図3に示した。
【0035】
【表1】
Figure 0003561360
【0036】
本発明のセルロースアセテート複合繊維は、繊維内部に微粒子状高比重無機物を含有するために、従来のセルローストリアセテート繊維と比較して繊維比重が増加しており、織物とした場合、ドレープ性が向上した。
また、本発明のセルロースアセテート複合繊維は、同種の微粒子無機物を混合紡糸して得られた同じ繊維比重を有するセルロースアセテート繊維と比較した場合、繊維表面が滑らかであり、従来のセルロースアセテート繊維と同様な繊維表面形態を呈していた。
従って、繊維表面での光の乱反射が減少し、同種の微粒子無機物を混合紡糸して得られた同じ繊維比重を有するセルロースアセテート繊維と比較して光沢値が極めて大きいものとなった。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、乾式紡糸法による芯鞘型複合紡糸技術を用いることによって、従来のセルロースアセテート繊維、及び混合紡糸法によって得られる高比重化セルロースアセテート繊維にはない高比重化、及びその結果得られるドレープ性の向上を達成するとともに、無機物添加に伴う光沢感の低下が抑制されている高比重化セルロースアセテート複合繊維を提供し得るものであり、消費者ニーズの多様化、高級化への対応を可能にするものとして、その価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3で得られた高比重セルロースアセテート複合繊維の繊維表面を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例3で得られた高比重型のセルロースアセテート繊維の繊維表面を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】参考例で得られたセルロースアセテート繊維の繊維表面を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 屈折率が1.3〜1.9、比重が3.5以上である微粒子無機物を5〜80重量%含有するセルロースアセテート成分を芯部に、セルロースアセテート成分を鞘部に配した芯鞘型複合繊維であって、該複合繊維の比重が1.40〜1.70であることを特徴とする高比重セルロースアセテート複合繊維。
  2. 微粒子無機物の凝集体としての平均粒径が1.5μm以下である請求項1記載の高比重セルロースアセテート複合繊維。
  3. 凝集体を形成する微粒子無機物の平均一次粒径が0.5μm以下である請求項1又は2記載の高比重セルロースアセテート複合繊維。
  4. 微粒子無機物が硫酸バリウムである請求項1、2又は3記載の高比重セルロースアセテート複合繊維。
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