JP2906126B2 - セルロースアセテート撚糸及びそれを用いた布帛 - Google Patents

セルロースアセテート撚糸及びそれを用いた布帛

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JP2906126B2 JP8001519A JP151996A JP2906126B2 JP 2906126 B2 JP2906126 B2 JP 2906126B2 JP 8001519 A JP8001519 A JP 8001519A JP 151996 A JP151996 A JP 151996A JP 2906126 B2 JP2906126 B2 JP 2906126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ート繊維の特徴である独特のナチュラルなドライ感と優
れた発色性を損なう事なく、高ドレープ性を発揮できる
新規なセルロースアセテート撚糸及びそれを用いた布帛
に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテート繊維は、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維にはないユニー
クな特徴をもつ反面、強力、収縮等の繊維物性面で他素
材による機能の補完が必要とされ、従来、他素材との複
合化による素材開発が積極的になされ、セルロースアセ
テート繊維自体に機能性を付与した商業例はほとんどな
い。
【0003】一方、溶融紡糸における繊維では、各種の
無機物を含有させて、機能性を付与する方法が知られて
いる。例えば、ポリエチレンにおいては、特開昭59−
157312号公報で、無機充填剤として平均粒径0.
5〜2μの硫酸バリウムを、高密度ポリエチレンに約2
0〜500%添加し、 紡糸延伸して得られる、紡糸速
度、延伸倍率を上げても空隙の量が少ない、漁網、ロー
プ等に好適な高比重糸が提案されおり、特開昭61−6
13号公報には比重0.94以上のポリエチレン100
重量部に平均粒径0.1〜3μの硫酸バリウム20〜5
00重量部を添加した樹脂組成物を溶融紡糸後、多段延
伸して、高比重糸を得る方法が開示されている。また、
ポリエステルにおいては、特公平4−9205号公報
に、平均粒径が1μ以下で屈折率が2.0以下、真比重
が2.5以上の硫酸バリウムをポリエステル合成中に添
加し、得られたポリエステルを常法により紡糸延伸し、
上記微粒子を4wt%以上含み、比重が1.425〜
1.60の繊維を得る方法が開示されている。
【0004】一方、溶液紡糸においては、特公平5−4
1722号公報には、硫酸バリウムの高濃度分散液をビ
スコース紡糸原液に添加し、紡糸原液中のセルロース濃
度を特定値以上に調整して紡糸することにより、X線遮
蔽性、高比重防音効果に優れたレーヨンを安定した紡糸
生産性で得る方法が開示されている。特にセルロースア
セテート繊維自体のドレープ性を向上させることについ
ては本出願人は、特開平7−97713号で、平均粒径
0.01〜0.3μmを含有させることにより、セルロ
ースアセテート繊維のドレープ性向上を、セルロースア
セテート繊維自体を高比重化することにより達成する方
法を提案した。
【0005】すなわち、セルロースアセテート繊維は、
その比重が約1.30であり、綿(比重1.54)やレ
ーヨン(比重1.50〜1.52)に比べて軽い繊維で
あり、軽いことが利点とも、またドレープ性を欠くとい
う欠点ともなっており、今後、多彩なファッション性、
天然繊維や高感性素材との融合化、複合化を図っていく
上では、セルロースアセテート繊維自体のドレープ性の
向上が要求されるところである。しかしながら、セルロ
ースアセテート繊維自体の繊維強度は、元々低く、高比
重化されることによって、さらに、繊維物性が低下する
場合が多く、一般には、他素材との複合化により風合
い、機能性の付与が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、特開平7
−97713号で提案したようにセルロースアセテート
繊維のドレープ性向上を、セルロースアセテート繊維自
体を高比重化することにより達成したが、本発明は、前
記高比重化したセルロースアセテート繊維単独又は他の
繊維との混用、混繊において、高比重セルロースアセテ
ート繊維が活かされる様なテキスタイル設計を達成しよ
うとするものであり、本発明者らは、撚糸の物性及び布
帛の物性について詳細な検討を行い、さらなるドレープ
性の改良を行ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の第1の要旨
は、屈折率が1.3〜1.9であり、比重が3.5以上
の微粒子無機物を5〜30重量%含む高比重セルロース
アセテート繊維を20重量%以上含む撚糸であり、該高
比重セルロースアセテート繊維と他繊維との複合比率
(Wf)と撚数(Tn)の関係が下記式(1)または
(2)を満足することを特徴とするセルロースアセテー
ト撚糸である。 Wf≧(−0.05×Tn)+70 (0≦Tn≦1000) ・・・(1) 20≦Wf≦100 (1000<Tn≦2000) ・・・(2)
【0008】本発明の第2の要旨は、前記セルロースア
セテート撚糸を用いた布帛であって、ドレープ係数(D
k)と撚数(Tn)が下記式(3)及び(4)を満足す
ることを特徴とするセルロースアセテート布帛である。 Dk≦1.7×10-8Tn2-9.01×10-5Tn+0.353 ・・・(3) 0≦Tn≦2000 ・・・(4)
【0009】本発明者らは、高比重セルロースアセテー
ト繊維と他繊維との複合比率(Wf)と撚数(Tn)の
関係について検討を行い、それらが布帛のドレープ性に
大きく影響することを見いだした。ここで、複合比率
(Wf)とは、単位長さ当たりの高比重セルロースアセ
テート繊維の繊維重量を単位長さ当たりの撚糸全体の繊
維重量で割った値であり、本発明の撚糸においては、ド
レープ性を効果的に発現させるには、複合比率は20%
以上とする必要があり、好ましくは50%以上である。
図1及び図2に複合比率(Wf)と撚数(Tn)がドレ
ープ係数(Dk)に与える影響を示すが、ドレープ係数
(Dk)は撚数(Tn)及び複合比率(Wf)に大きく
依存することが分かる。本発明では、高比重のアセテー
ト繊維を用いることによって、通常のセルロースアセテ
ート繊維を用いた撚糸又は布帛より、同じレベルのドレ
ープ性(ドレープ係数)を得るのに、少ない複合比率
(Wf)で、しかも撚糸工程での撚数(Tn)を小さく
することができる。撚数(Tn)を従来より小さく出来
ることは、撚糸工程での効率化につながり、生産性がア
ップすることが期待できる。また、撚数(Tn)が多く
なればコストアップの要因となるが、逆に小さくなれば
非常にコスト低減となる。しかも、光沢感及びセルロー
スアセテート繊維の持っているドライ感をも損なうこと
なく、高ドレープ性セルロースアセテート撚糸及び布帛
が得られることになる。さらに、撚数が少ないことによ
り、セルロースアセテートの風合いを保持しやすくな
り、ふかつき感の少ない、しかも、ドライ感の優れた撚
糸及び布帛とすることができる。
【0010】本発明で用いる高比重セルロースアセテー
ト繊維は、屈折率が1.3〜1.9であり、比重が3.
5以上の微粒子無機物を5〜30重量%含有してなるセ
ルロースアセテート繊維であって、該微粒子無機物の凝
集体としての平均粒径が1.5μm以下であることが好
ましい。
【0011】微粒子無機物がセルロースアセテート繊維
より高比重でない場合は、繊維物性の低下のない範囲の
量では高比重化が達成できず、満足すべきドレープ性を
得ることができない。したがって、本発明においては、
かかる要件を満たすべく、微粒子無機物として屈折率が
1.3〜1.9であり、かつ比重が3.5以上である無
機物を用い、繊維中に分散含有させたものであり、用い
る微粒子無機物の屈折率は、セルロースアセテート繊維
の屈折率に近いものであり、屈折率が1.3〜1.9の
範囲外では、セルロースアセテート繊維の特徴である光
沢感、発色性の良さ等を損ねる。かかる無機物として
は、具体的には、例えば、炭酸バリウム(屈折率1.5
3、比重4.4)、硫酸バリウム(屈折率1.64、比
重4.1)、酸化亜鉛(屈折率1.9、比重5.6)等
が挙げられる。特に硫酸バリウムは、高比重化及び光沢
感、さらに、人体への影響(化学的・物理的安定性)等
の面でも非常に好ましい。
【0012】また、繊維中へ含有せしめる微粒子無機物
の凝集体(集合体)の大きさにより、繊維の物性に差が
表れ、紡糸性、後工程通過性等に影響を及ぼすので、含
有せしめる微粒子無機物の凝集体としての平均粒径が
1.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは
凝集体としての平均粒径1μm以下体である。これより
大きいと繊維物性の低下が著しく、紡糸性、後工程通過
性等が非常に悪くなる。
【0013】凝集体としての平均粒径が1.5μm以下
にするためには、添加する微粒子無機物の一次粒径(平
均粒径)が0.5μm以下であることが好ましく、より
好ましくは0.05μmである。これより大きいと繊維
物性が極端に悪くなり易い、また、繊維形成上、例えば
紡糸工程での糸切れ等のトラブルが多発したする。
【0014】繊維中への微粒子無機物の含有量は5〜3
0重量%であり、5重量%(繊維の比重1.37) 未満で
は、高比重化が達成されず、満足すべきドレープ性を得
ることができない。また、30重量%(繊維の比重1.6
6)を超えると、繊維の強度及び伸度の低下が著しく実
用上問題となる。
【0015】本発明で用いる高比重セルロースアセテー
ト繊維の摩擦係数は、0.45〜0.60の範囲にあ
り、撚糸工程での糸切れなどの原因となるガイド類との
接触負荷が軽減されるばかりでなく、本発明の高比重化
したセルロースアセテート繊維単独又は他の繊維との混
用、混繊において、撚糸をさらに、整経及び製織などの
後工程を通過させるに際しても、糸欠点(毛羽)、糸切
れなどの原因となるガイド類との接触負荷が軽減され
る。
【0016】また、十分なドレープ性を発揮する布帛に
するには、ドレープ係数(Dk)が0.3以下であるこ
とが好ましく、高比重セルロースアセテート繊維の複合
比率(Wf)とその撚数(Tn)を適正化することによ
り、ドレープ係数(Dk)が0.3以下である布帛を得
ることができる。なお、本発明で規定するドレープ係数
(Dk)は、目付重量は80±20(g/m2) にし
て、製織した布帛を、JIS L−1096に記載の方
法に準じて、測定した値である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いる高比重セルロース
アセテート繊維は、以下のようにして製造される。本発
明で用いる高比重セルロースアセテート繊維は、酢化度
56.2%〜62.5%のセルローストリアセテートで
もよく、酢化度48.8%〜56.2%のセルロースジ
アセテートでも良い。
【0018】これら、セルローストリアセテート又はセ
ルロースジアセテートのフレークを塩化メチレン、アセ
トン等の単独溶剤或いは塩化メチレンとメタノール等の
混合溶剤に溶解し、溶液濃度を15〜30重量%、好ま
しくは18〜27重量%とした紡糸原液を調製する。
【0019】本発明のセルロースアセテート繊維を得る
には、紡糸原液の作製の際、セルロースアセテートの溶
剤に微粒子無機物を所定の凝集体の大きさで分散させた
分散液を、セルロースアセテートの溶剤にセルロースア
セテートを溶解させた溶液に、添加、混合する、或いは
直接微粒子無機物を、セルロースアセテート可溶溶剤に
セルロースアセテートを溶解させた溶液に、添加、混合
し、所定の分散条件により、微粒子無機物の凝集体の大
きさを調製する等の方法により、微粒子無機物を紡糸原
液中に分散含有させる。
【0020】ここで、凝集体の平均粒径が大きくならな
いように、紡糸原液を調製することが肝要である。凝集
体の平均粒径を調製する方法として、分散機を用いて行
うことが好ましい。例えば、分散機として横型サンドミ
ルを用いる場合、ディスク周速、ビーズ径(0.8〜
1.0mmφ)、ビーズ充填率、ベッセル内部での滞在
時間などを適宜調整することによって、凝集体の平均粒
径が大きくならないようにすることができる。
【0021】このようにして得た無機粒子含有紡糸原液
を紡糸ノズル装置に供給し、高温雰囲気中に吐出する乾
式紡糸法により紡糸する。なお、乾式紡糸でなく、湿式
紡糸を行っても良い。
【0022】他の繊維と複合化する方法は、高比重セル
ロースアセテート繊維製造の紡糸段階で、他の繊維を混
繊しても良く、高比重セルロースアセテート繊維製造の
紡糸巻き取りの直前に流体処理装置を設置して、他の繊
維と併せて、流体処理することにより、混繊糸としても
良い。あるいは、高比重セルロースアセテート繊維を得
た後、撚糸工程において、他の繊維と併せて、混繊、撚
糸を行っても良い。
【0023】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が制限を受けるものでないのは
いうまでもない。
【実施例】
〈実施例1〉平均酢化度61.3%セルロースアセテー
トを、塩化メチレンとメタノールの混合溶剤に溶解し、
濃度21.9重量%の溶液を調製した。一方、平均一次
粒径0.05μmの硫酸バリウム(屈折率1.64、真
比重4.1)を塩化メチレンとメタノールの混合溶剤に
横型サンドミル(シンマルエンタープライゼス製DYN
O−MILL、KDLPILOT型)により均一に分散
させ分散液を調製した。全体の固形分に対して、硫酸バ
リウムが、18.5重量%になるように、前記のセルロ
ースアセテート溶液と硫酸バリウム分散液を攪拌混合し
て紡糸原液を作製した。この紡糸原液を用い、紡糸速度
500m/分で乾式紡糸し、80d/20fのセルロー
スアセテート繊維を得た。このときの紡糸原液及び繊維
中での硫酸バリウム凝集体の平均粒径は、0.5μmで
あった。得られた繊維とポリエステル繊維の複合比率
(Wf)を50%として、村田機械製ダブルツイスター
(#310−B、8000rpm)を用い、撚数(T
n)として、150、1000、1800(T/M)に
設定して撚糸を行い、これを織機(津田駒製ERレピア
ルーム)により製織し、通常の方法で染色を行った。こ
のときの目付重量は80±20(g/m2) である。得
られたセルロースアセテート布帛のドレープ係数(D
k)を表1に示す。
【0024】
【表1】 〈実施例2〉ポリエステル繊維との複合比率(Wf)を
75%とする以外は、実施例1と同様にして、本発明の
セルロースアセテート撚糸を得た。得られた撚糸を織機
(津田駒製ERレピアルーム)により製織し、通常の方
法で染色を行った。このときの目付重量は80±20
(g/m2) である。得られたセルロースアセテート布
帛のドレープ係数(Dk)を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】〈実施例3〉実施例1と同様な方法で得ら
れた高比重セルロースアセテート繊維を単独で、村田機
械製ダブルツイスター(#310−B、8000rp
m)を用い、撚数(Tn)として、150、1000、
1800(T/M)に設定して撚糸を行い、これを織機
(津田駒製ERレピアルーム)により製織し、通常の方
法で染色を行った。このときの目付重量は80±20
(g/m2) である。
【0027】
【表3】
【0028】〈比較例〉平均酢化度61.3%セルロー
スアセテートを、塩化メチレンとメタノールの混合溶剤
に溶解し、濃度21.9重量%の溶液を調製した。この
紡糸原液を用い、紡糸速度500m/分で乾式紡糸し、
75d/20fのセルロースアセテート繊維を得た。得
られた繊維とポリエステル繊維の複合比率(Wf)を7
5%として、村田機械製ダブルツイスター(#310−
B、8000rpm)を用い、撚数(Tn)として15
0、1000、1800(T/M)に設定して撚糸を行
い、これを織機(津田駒製ERレピアルーム)により製
織し、通常の方法で染色を行った。このときの目付重量
は80±20(g/m2) である。得られた繊維のドレ
ープ係数(Dk)を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】図1に撚数(Tn)とドレープ係数(D
k)の関係を示すが、本発明のセルロースアセテート布
帛は、通常のセルロースアセテート布帛に比べて広い範
囲にわたってドレープ係数(Dk)が小さく、優れたド
レープ性能を示した。通常のセルロースアセテート繊維
を用いた布帛(比較例)と比べて、同じドレープ性能
(ドレープ係数(Dk))を得るのに、小さい撚数(T
n)で高ドレープ性が得られる。また、光沢感やドライ
感等も従来と変わらず保持していた。
【0031】〈実施例4〉実施例1と同様な方法で高比
重セルロースアセテート繊維を得た。複合比率(Wf)
が25%になるように、得られた高比重セルロースアセ
テート繊維とポリエステル繊維を村田機械製ダブルツイ
スター(#310−B、8000rpm)を用い、撚数
(Tn)を1000(T/M)として撚糸を行った。こ
れを織機(津田駒製ERレピアルーム)により製織し、
通常の方法で染色を行った。このときの目付重量は80
±20(g/m2) である。
【0032】
【表5】
【0033】図2に複合比率(Wf)とドレープ係数
(Dk)の関係を示すが、通常のセルロースアセテート
繊維を用いた布帛(比較例)と比べて、同じドレープ性
能(ドレープ係数(Dk))を得るのに、複合比率(W
f)で見た場合、本発明の撚糸及び布帛の場合には、セ
ルロースアセテート繊維の少ない複合割合でも高ドレー
プ性が得られることが分かる。 即ち、広い範囲で任意
のドレープ性能を持った、しかも従来の風合いをも兼備
したセルロースアセテート布帛が製造可能となる。
【0034】本発明では、以下の方法によって、無機物
凝集体の平均粒径、及び、ドレープ性を評価した。 〈無機物凝集体の平均粒径〉:原液及び繊維中の無機物
凝集体の平均粒径を、(株)堀場製作所製レーザー回折
式粒度分布測定装置LA−500形を用い測定した。
尚、繊維は溶剤中に溶解させた後の溶液を測定した。
【0035】〈ドレープ性〉:目付重量は80±20
(g/m2) にして、製織した布帛を、JIS L−1
096に記載の方法に準じて、測定した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、従来にない高比重セル
ロースアセテート繊維を用いた撚糸及び布帛としたこと
により、繊維物性の低下もなく、セルロースアセテート
繊維の本来有する光沢感と高いドライ感を有し、且つ、
撚糸数が少なくても、ドレープ性が非常に良好なセルロ
ースアセテート撚糸及び布帛であり、その重質感により
衣料用繊維分野において従来のセルロースアセテート撚
糸及び布帛では達成できなかった多様化、高級化に対応
しうる素材となるものである。しかも、本発明で用いる
高比重セルロースアセテート繊維は、その無機物凝集体
の粒径をコントロールすることによって、糸切れを起こ
す割合が格段に少ないものとすることも可能であり、撚
糸後の整経、製織、製編時においても工程通過性に優れ
た撚糸である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、撚糸の撚数(Tn)とドレープ係数
(Dk)の関係を示す相関図である。
【図2】図2は、複合比率(Wf)とドレープ係数(D
k)の関係を示す相関図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 2/28 D01F 2/28 Z (72)発明者 小俣 秀 大阪府大阪市北区中之島二丁目3番18号 三菱レイヨン株式会社大阪支店内 審査官 松縄 正登 (56)参考文献 特開 平2−293437(JP,A) 特開 平4−245943(JP,A) 特開 平7−97713(JP,A) 特開 平5−302231(JP,A) 特公 平4−9205(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D03D 15/00 D01F 1/10 D01F 2/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が1.3〜1.9であり、比重が
    3.5以上の微粒子無機物を5〜30重量%含む高比重
    セルロースアセテート繊維を20重量%以上含む撚糸で
    あり、該高比重セルロースアセテート繊維と他繊維との
    複合比率(Wf)と撚数(Tn)の関係が下記式(1)
    または(2)を満足することを特徴とするセルロースア
    セテート撚糸 Wf≧(−0.05×Tn)+70 (0≦Tn≦1000) ・・・(1) 20≦Wf≦100 (1000<Tn≦2000) ・・・(2)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の撚糸を用いた布帛であっ
    て、ドレープ係数(Dk)と撚数(Tn)が下記式
    (3)及び(4)を満足することを特徴とするセルロー
    スアセテート布帛。 Dk≦1.7×10-8Tn2-9.01×10-5Tn+0.353 ・・・(3) 0≦Tn≦2000 ・・・(4)
  3. 【請求項3】 微粒子無機物の凝集体としての平均粒径
    が1.5μm以下である請求項1記載のセルロースアセ
    テート撚糸。
  4. 【請求項4】 凝集体を形成する微粒子無機物の平均一
    次粒径が、0.5μm以下である請求項1又は3記載の
    セルロースアセテート撚糸。
  5. 【請求項5】 微粒子無機物が硫酸バリウムである請求
    項1、3又は4記載のセルロースアセテート撚糸。
  6. 【請求項6】 ドレープ係数(Dk)が0.30以下で
    ある請求項2記載のセルロースアセテート布帛。
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