JP2001146683A - 摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents
摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 伸度向上剤を含有するポリエステルを高速度
で紡糸しても綾落ちや捲崩れの発生がなく安定して紡糸
することができ、しかも得られた繊維は高速度で摩擦仮
撚加工しても毛羽や断糸の発生が極めて少なく安定して
仮撚加工することができる摩擦仮撚加工用ポリエステル
繊維の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルと非相溶性の伸度向上作用
を有するポリマーを0.5〜4.0重量%分散せしめた
混合物を2500〜8000m/分の速度で溶融紡糸す
るに際し、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共
重合重量比が80/20〜20/80で、平均分子量が
1000〜10000のブロック共重合ポリエーテルの
割合が50〜10重量%である、エチレンオキシド/プ
ロピレンオキシド共重合系ポリエーテル系潤滑剤を60
〜98重量%含有する処理剤を、繊維重量を基準として
0.2〜0.5重量%付与する。
で紡糸しても綾落ちや捲崩れの発生がなく安定して紡糸
することができ、しかも得られた繊維は高速度で摩擦仮
撚加工しても毛羽や断糸の発生が極めて少なく安定して
仮撚加工することができる摩擦仮撚加工用ポリエステル
繊維の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルと非相溶性の伸度向上作用
を有するポリマーを0.5〜4.0重量%分散せしめた
混合物を2500〜8000m/分の速度で溶融紡糸す
るに際し、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共
重合重量比が80/20〜20/80で、平均分子量が
1000〜10000のブロック共重合ポリエーテルの
割合が50〜10重量%である、エチレンオキシド/プ
ロピレンオキシド共重合系ポリエーテル系潤滑剤を60
〜98重量%含有する処理剤を、繊維重量を基準として
0.2〜0.5重量%付与する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦仮撚加工を行
うのに有用なポリエステル繊維を効率よく得る製造法に
関するものである。さらに詳しくは、摩擦仮撚加工用の
ポリエステル繊維を高速度で紡糸するに際して、綾落ち
や捲崩れの発生がなく安定して紡糸することができ、し
かも得られた繊維は高速度で摩擦仮撚加工しても毛羽や
断糸の発生が極めて少なく安定して仮撚加工することが
できる摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法に関
するものである。
うのに有用なポリエステル繊維を効率よく得る製造法に
関するものである。さらに詳しくは、摩擦仮撚加工用の
ポリエステル繊維を高速度で紡糸するに際して、綾落ち
や捲崩れの発生がなく安定して紡糸することができ、し
かも得られた繊維は高速度で摩擦仮撚加工しても毛羽や
断糸の発生が極めて少なく安定して仮撚加工することが
できる摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド繊維やポリエステル繊
維は、生産性を上げて製糸コストを低減させる検討が活
発に進められている。ポリエステル繊維の仮撚加工糸に
おいても、高速紡糸された部分配向糸(POY)を高速
度で摩擦仮撚加工することにより、生産性を向上させて
生産コストを低減させる検討がなされている。特に最近
では、伸度向上剤をポリエステルに含有させることによ
り、より高速度の巻取速度で部分配向糸(POY)を得
ることが可能になってきた。
維は、生産性を上げて製糸コストを低減させる検討が活
発に進められている。ポリエステル繊維の仮撚加工糸に
おいても、高速紡糸された部分配向糸(POY)を高速
度で摩擦仮撚加工することにより、生産性を向上させて
生産コストを低減させる検討がなされている。特に最近
では、伸度向上剤をポリエステルに含有させることによ
り、より高速度の巻取速度で部分配向糸(POY)を得
ることが可能になってきた。
【0003】しかし、かかる伸度向上剤含有のポリエス
テル繊維を摩擦仮撚加工用に供するため、従来汎用され
ているエチレンオキシド・プロピレンオキシドランダム
共重合体を主成分として含有するポリエーテル系処理剤
を紡糸時に付与すると、巻取性が低下して高速度で紡糸
することができなくなるという問題のあることが判明し
た。すなわち、フィラメント単独又は数本のフィラメン
トが、トラバースプリンティング不良のために、捲チー
ズ端面に正常な円周捲き形態から外れた″綾落ち″や端
面が″いびつ″になる捲崩れ、さらには巻取中に糸浮き
が発生してバーストにまで及ぶ等の、致命的な巻取不良
が発生することが判明した。かかる現象は、前記の伸度
向上剤が実質的にポリエステルと非相溶性であるため、
繊維表面に優勢的にブリードアウトして繊維表面に凹凸
を形成し、これによってフィラメント/フィラメント間
摩擦(F/F摩擦)、フィラメント/金属間摩擦(F/
M摩擦)が低下し、その結果引起こされるものと考察さ
れた。
テル繊維を摩擦仮撚加工用に供するため、従来汎用され
ているエチレンオキシド・プロピレンオキシドランダム
共重合体を主成分として含有するポリエーテル系処理剤
を紡糸時に付与すると、巻取性が低下して高速度で紡糸
することができなくなるという問題のあることが判明し
た。すなわち、フィラメント単独又は数本のフィラメン
トが、トラバースプリンティング不良のために、捲チー
ズ端面に正常な円周捲き形態から外れた″綾落ち″や端
面が″いびつ″になる捲崩れ、さらには巻取中に糸浮き
が発生してバーストにまで及ぶ等の、致命的な巻取不良
が発生することが判明した。かかる現象は、前記の伸度
向上剤が実質的にポリエステルと非相溶性であるため、
繊維表面に優勢的にブリードアウトして繊維表面に凹凸
を形成し、これによってフィラメント/フィラメント間
摩擦(F/F摩擦)、フィラメント/金属間摩擦(F/
M摩擦)が低下し、その結果引起こされるものと考察さ
れた。
【0004】一方、高速製糸の捲姿改善を目的にして、
特開昭50−88319号公報には、F/F摩擦係数を
0.25以上にする処理剤を付与する方法が提案されて
いる。しかし、かかる方法により得られたポリエステル
繊維を、通常高温非接触ヒーターが使用されている高速
摩擦仮撚加工に供すると、該処理剤の耐熱性が悪いため
にヒータータールやスラッジが多発するだけでなく、高
温下での潤滑性が悪いために毛羽や断糸も発生しやすい
という問題がある。また、別の高速製糸の捲姿改善方法
として特開昭59−53721号公報には、ポリエーテ
ル系処理剤に、ジカルボン酸、アルキレングリコール及
びSO3M基を有する二官能性化合物からなる水溶性ポ
リエステルを数重量%添加する方法が提案されている。
しかし、該水溶性ポリエステルは、該処理剤の主成分で
あるポリエーテルとの絶乾時の相溶性が悪いため、かか
る方法により得られたポリエステル繊維を高速摩擦仮撚
加工に供すると、ローラーやガイド等の糸導周辺にスカ
ムが付着して毛羽や断糸が発生しやすいという問題があ
る。
特開昭50−88319号公報には、F/F摩擦係数を
0.25以上にする処理剤を付与する方法が提案されて
いる。しかし、かかる方法により得られたポリエステル
繊維を、通常高温非接触ヒーターが使用されている高速
摩擦仮撚加工に供すると、該処理剤の耐熱性が悪いため
にヒータータールやスラッジが多発するだけでなく、高
温下での潤滑性が悪いために毛羽や断糸も発生しやすい
という問題がある。また、別の高速製糸の捲姿改善方法
として特開昭59−53721号公報には、ポリエーテ
ル系処理剤に、ジカルボン酸、アルキレングリコール及
びSO3M基を有する二官能性化合物からなる水溶性ポ
リエステルを数重量%添加する方法が提案されている。
しかし、該水溶性ポリエステルは、該処理剤の主成分で
あるポリエーテルとの絶乾時の相溶性が悪いため、かか
る方法により得られたポリエステル繊維を高速摩擦仮撚
加工に供すると、ローラーやガイド等の糸導周辺にスカ
ムが付着して毛羽や断糸が発生しやすいという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題点に鑑みなされたもので、その目的は、
伸度向上剤を含有するポリエステルから摩擦仮撚加工用
に適した繊維を高速度で紡糸しても綾落ちや捲崩れの発
生がなく安定して紡糸することができ、しかも得られた
繊維は高速度で摩擦仮撚加工しても毛羽や断糸の発生が
極めて少なく安定して仮撚加工することができる摩擦仮
撚加工用ポリエステル繊維の製造方法を提供することに
ある。
術の有する問題点に鑑みなされたもので、その目的は、
伸度向上剤を含有するポリエステルから摩擦仮撚加工用
に適した繊維を高速度で紡糸しても綾落ちや捲崩れの発
生がなく安定して紡糸することができ、しかも得られた
繊維は高速度で摩擦仮撚加工しても毛羽や断糸の発生が
極めて少なく安定して仮撚加工することができる摩擦仮
撚加工用ポリエステル繊維の製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記本発明の目的は、実質的にポリエステルと非相
溶性の、伸度向上作用を有するポリマーをポリエステル
重量を基準として0.3〜4.0重量%分散せしめた混
合物を2500〜8000m/分の速度で溶融紡糸する
に際し、紡出糸条に、下記組成のポリエーテル系潤滑剤
を60〜98重量%含有する処理剤を、繊維重量を基準
として0.2〜0.5重量%付与することを特徴とする
摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法により達成
できることが見出された。 ポリエーテル系潤滑剤組成: (a)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が80/20
〜20/80で、平均分子量が1000〜10000で
あるブロック共重合体50〜10重量% (b)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が65/35
〜10/90で、平均分子量が1000〜10000で
あるランダム共重合体50〜90重量%
ば、上記本発明の目的は、実質的にポリエステルと非相
溶性の、伸度向上作用を有するポリマーをポリエステル
重量を基準として0.3〜4.0重量%分散せしめた混
合物を2500〜8000m/分の速度で溶融紡糸する
に際し、紡出糸条に、下記組成のポリエーテル系潤滑剤
を60〜98重量%含有する処理剤を、繊維重量を基準
として0.2〜0.5重量%付与することを特徴とする
摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法により達成
できることが見出された。 ポリエーテル系潤滑剤組成: (a)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が80/20
〜20/80で、平均分子量が1000〜10000で
あるブロック共重合体50〜10重量% (b)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が65/35
〜10/90で、平均分子量が1000〜10000で
あるランダム共重合体50〜90重量%
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明において用いられるポリエス
テルは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、アル
キレングリコール又はシクロヘキサンジメタノールを主
たるジオール成分とする繊維形成能を有するポリエステ
ルを主たる対象とする。かかるポリエステルとしては、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を好
ましいものとして例示でき、なかでもポリエチレンテレ
フタレートが特に好ましい。なお、これらのポリエステ
ルには第3成分が少量(通常はテレフタル酸成分に対し
て20モル%以下)共重合されていてもよく、また、こ
れら各種ポリエステルの混合体であってもよい。
て詳細に説明する。本発明において用いられるポリエス
テルは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、アル
キレングリコール又はシクロヘキサンジメタノールを主
たるジオール成分とする繊維形成能を有するポリエステ
ルを主たる対象とする。かかるポリエステルとしては、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を好
ましいものとして例示でき、なかでもポリエチレンテレ
フタレートが特に好ましい。なお、これらのポリエステ
ルには第3成分が少量(通常はテレフタル酸成分に対し
て20モル%以下)共重合されていてもよく、また、こ
れら各種ポリエステルの混合体であってもよい。
【0008】かかるポリエステルの固有粘度IV(35
℃のo−クロロフェノール溶液を使用して測定)は、通
常の織物用途に使用する場合には0.50〜0.70の
範囲が適当であり、特に0.55〜0.65の範囲が好
ましい。また、これらのポリエステルには、必要に応じ
て艶消し剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、末
端停止剤、蛍光増白剤等が含まれていてもよい。
℃のo−クロロフェノール溶液を使用して測定)は、通
常の織物用途に使用する場合には0.50〜0.70の
範囲が適当であり、特に0.55〜0.65の範囲が好
ましい。また、これらのポリエステルには、必要に応じ
て艶消し剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、末
端停止剤、蛍光増白剤等が含まれていてもよい。
【0009】本発明において用いられる、実質的にポリ
エステルと非相溶性の伸度向上作用を有するポリマーと
しては、例えば不飽和モノマーからなる付加重合体であ
る、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン共重合体、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート等、
及びこれら重合体の誘導体を例示することができる。こ
のようなポリマーの平均分子量は、低すぎると粘弾性を
発現し難くなって伸度向上作用が小さくなり、一方高す
ぎるとポリエステル中に均一に分散させることが困難に
なってやはり伸度向上作用が小さくなると共に曵糸性も
低下して断糸が発生しやすくなるので、2000〜20
0000の範囲が適当である。また、そのガラス転移温
度がポリエステルよりも高い場合には、伸度向上作用が
大きいのでより好ましい。なお、ここでいう伸度向上作
用を有するとは、ポリエステル中に該ポリマーを添加し
た場合、同一の紡糸速度で溶融紡糸して得られる未延伸
糸の伸度が、該ポリマーを添加した方が大きくなること
をいう。
エステルと非相溶性の伸度向上作用を有するポリマーと
しては、例えば不飽和モノマーからなる付加重合体であ
る、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン共重合体、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート等、
及びこれら重合体の誘導体を例示することができる。こ
のようなポリマーの平均分子量は、低すぎると粘弾性を
発現し難くなって伸度向上作用が小さくなり、一方高す
ぎるとポリエステル中に均一に分散させることが困難に
なってやはり伸度向上作用が小さくなると共に曵糸性も
低下して断糸が発生しやすくなるので、2000〜20
0000の範囲が適当である。また、そのガラス転移温
度がポリエステルよりも高い場合には、伸度向上作用が
大きいのでより好ましい。なお、ここでいう伸度向上作
用を有するとは、ポリエステル中に該ポリマーを添加し
た場合、同一の紡糸速度で溶融紡糸して得られる未延伸
糸の伸度が、該ポリマーを添加した方が大きくなること
をいう。
【0010】上記した伸度向上作用を有するポリマーの
ポリエステル中への分散量は、ポリエステル重量を基準
として0.3〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.
5重量%の範囲とする必要がある。分散量が0.3重量
%未満の場合には、伸度向上効果が不十分となって本発
明の目的を達成することができなくなる。一方4.0重
量%を超える場合には、得られる繊維の強度が低下して
実用上問題となると共に、繊維表面に伸度向上剤の析出
する量が多くなって後述する処理剤を付与しても巻取性
が不十分となるので好ましくない。
ポリエステル中への分散量は、ポリエステル重量を基準
として0.3〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.
5重量%の範囲とする必要がある。分散量が0.3重量
%未満の場合には、伸度向上効果が不十分となって本発
明の目的を達成することができなくなる。一方4.0重
量%を超える場合には、得られる繊維の強度が低下して
実用上問題となると共に、繊維表面に伸度向上剤の析出
する量が多くなって後述する処理剤を付与しても巻取性
が不十分となるので好ましくない。
【0011】本発明においては、かかる伸度向上作用を
有するポリマーをポリエステル中に分散させたものを2
500〜8000m/分、好ましくは3000〜600
0m/分の速度で溶融紡糸する。ここで紡糸速度が25
00m/分未満の場合には、該ポリマーの伸度向上作用
の程度が小さくなるので好ましくなく、一方8000m
/分を超える場合には、製糸性が不安定となって断糸が
多発するようになるので好ましくない。
有するポリマーをポリエステル中に分散させたものを2
500〜8000m/分、好ましくは3000〜600
0m/分の速度で溶融紡糸する。ここで紡糸速度が25
00m/分未満の場合には、該ポリマーの伸度向上作用
の程度が小さくなるので好ましくなく、一方8000m
/分を超える場合には、製糸性が不安定となって断糸が
多発するようになるので好ましくない。
【0012】本発明においては、上記の如く溶融紡糸さ
れた紡出糸条に、摩擦仮撚加工性を付与するためにポリ
エーテル系潤滑剤を60〜98重量%、好ましくは80
〜98重量%含有する処理剤を付与する必要があるが、
その際、該ポリエーテル系潤滑剤として、下記組成のも
のを使用することが肝要である。 ポリエーテル系潤滑剤組成: (a)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が80/20
〜20/80、好ましくは70/30〜30/70で、
平均分子量が1000〜10000、好ましくは200
0〜6000であるブロック共重合体50〜10重量
%、好ましくは50〜30重量% (b)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が65/35
〜10/90、好ましくは60/40〜25/75で、
その平均分子量が1000〜10000、好ましくは2
000〜6000であるランダム共重合体が50〜90
重量%、好ましくは50〜70重量%。
れた紡出糸条に、摩擦仮撚加工性を付与するためにポリ
エーテル系潤滑剤を60〜98重量%、好ましくは80
〜98重量%含有する処理剤を付与する必要があるが、
その際、該ポリエーテル系潤滑剤として、下記組成のも
のを使用することが肝要である。 ポリエーテル系潤滑剤組成: (a)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が80/20
〜20/80、好ましくは70/30〜30/70で、
平均分子量が1000〜10000、好ましくは200
0〜6000であるブロック共重合体50〜10重量
%、好ましくは50〜30重量% (b)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が65/35
〜10/90、好ましくは60/40〜25/75で、
その平均分子量が1000〜10000、好ましくは2
000〜6000であるランダム共重合体が50〜90
重量%、好ましくは50〜70重量%。
【0013】ここで、処理剤中の上記ポリエーテル系潤
滑剤の割合が60重量%未満の場合には、摩擦仮撚加工
時にヒータータールやヒーターガイドスラッジが多くな
るので好ましくなく、一方98重量%を超える場合に
は、例えば、制電剤等の他成分の量を少なくしなければ
ならず、その結果制電不良に起因するローラ巻付き等が
多発して加工安定性が低下するので好ましくない。
滑剤の割合が60重量%未満の場合には、摩擦仮撚加工
時にヒータータールやヒーターガイドスラッジが多くな
るので好ましくなく、一方98重量%を超える場合に
は、例えば、制電剤等の他成分の量を少なくしなければ
ならず、その結果制電不良に起因するローラ巻付き等が
多発して加工安定性が低下するので好ましくない。
【0014】また、該ポリエーテル系潤滑剤中のブロッ
ク共重合体の平均分子量が1000未満の場合には、綾
落ちや捲崩れの発生がなく安定した紡糸性が得られるも
のの、高温時のF/F摩擦が高くなるため、摩擦仮撚加
工時に毛羽や糸切れが発生しやすく、高速度で安定に摩
擦仮撚加工することができなくなる。一方、平均分子量
が10000を越える場合には、紡糸時に綾落ちや捲崩
れが発生しやすくなるので、本発明の目的を達成できな
くなる。
ク共重合体の平均分子量が1000未満の場合には、綾
落ちや捲崩れの発生がなく安定した紡糸性が得られるも
のの、高温時のF/F摩擦が高くなるため、摩擦仮撚加
工時に毛羽や糸切れが発生しやすく、高速度で安定に摩
擦仮撚加工することができなくなる。一方、平均分子量
が10000を越える場合には、紡糸時に綾落ちや捲崩
れが発生しやすくなるので、本発明の目的を達成できな
くなる。
【0015】また該ブロック共重合体のEO/POの共
重合重量比が20/80未満になると、該共重合体の水
溶性が低下するために乳化調整剤が必要となり、耐熱性
が悪化して摩擦仮撚加工時のヒーターが汚染されやすく
なるだけでなく、湿潤時の粘性も低下して安定に紡糸す
ることができなくなる。一方、EO/POが80/20
を超えてEOリッチになると、湿潤時の粘性が高くなっ
て巻取時の張力変動が発生しやすくなり、安定して紡糸
することができなくなる。
重合重量比が20/80未満になると、該共重合体の水
溶性が低下するために乳化調整剤が必要となり、耐熱性
が悪化して摩擦仮撚加工時のヒーターが汚染されやすく
なるだけでなく、湿潤時の粘性も低下して安定に紡糸す
ることができなくなる。一方、EO/POが80/20
を超えてEOリッチになると、湿潤時の粘性が高くなっ
て巻取時の張力変動が発生しやすくなり、安定して紡糸
することができなくなる。
【0016】次に、上記ブロック共重合体と併用される
EO/POランダム共重合体の平均分子量が1000未
満の場合には、高速度で摩擦仮撚加工する際に高温ヒー
ターが使用されるため、高温時の潤滑性が低下して毛羽
や断糸が増大するという問題がある。逆に平均分子量が
10000を越える場合には、繊維/繊維間の摩擦係数
が小さくなりすぎて紡糸巻取り時に綾落ちや捲崩れが発
生しやすくなる。
EO/POランダム共重合体の平均分子量が1000未
満の場合には、高速度で摩擦仮撚加工する際に高温ヒー
ターが使用されるため、高温時の潤滑性が低下して毛羽
や断糸が増大するという問題がある。逆に平均分子量が
10000を越える場合には、繊維/繊維間の摩擦係数
が小さくなりすぎて紡糸巻取り時に綾落ちや捲崩れが発
生しやすくなる。
【0017】またEO/POの共重合重量比が10/9
0未満になると、自己乳化性がなくなって乳化調整剤が
必要となるため、摩擦仮撚加工時のヒーターが汚染され
やすくなると共に、加工時に毛羽や断糸も発生しやすく
なり、安定に仮撚加工性することができなくなる。一
方、EO/POが65/35を超えてEOリッチになる
と摩擦仮撚加工時のヒーターが汚染されやすくなるた
め、同じく安定に仮撚加工することができなくなる。
0未満になると、自己乳化性がなくなって乳化調整剤が
必要となるため、摩擦仮撚加工時のヒーターが汚染され
やすくなると共に、加工時に毛羽や断糸も発生しやすく
なり、安定に仮撚加工性することができなくなる。一
方、EO/POが65/35を超えてEOリッチになる
と摩擦仮撚加工時のヒーターが汚染されやすくなるた
め、同じく安定に仮撚加工することができなくなる。
【0018】さらに、ポリエーテル系潤滑剤成分中の上
記ブロック共重合体の割合が10重量%未満の場合に
は、綾落ちや捲崩れの発生防止効果が不十分となるので
好ましくなく、逆に50重量%を越える場合には、処理
剤の粘着性が高くなりすぎて、ローラーに巻き付きやす
くなって安定に紡糸することができなくなるだけでな
く、摩擦仮撚加工性も低下するので好ましくない。
記ブロック共重合体の割合が10重量%未満の場合に
は、綾落ちや捲崩れの発生防止効果が不十分となるので
好ましくなく、逆に50重量%を越える場合には、処理
剤の粘着性が高くなりすぎて、ローラーに巻き付きやす
くなって安定に紡糸することができなくなるだけでな
く、摩擦仮撚加工性も低下するので好ましくない。
【0019】以上に説明した本発明の処理剤には、上記
成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲内で、従来使
用されているエーテル系潤滑剤、エステル系潤滑剤、非
イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤、制電剤、シリコーン化合物、弗素化合
物、酸化防止剤等を配合してもよい。
成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲内で、従来使
用されているエーテル系潤滑剤、エステル系潤滑剤、非
イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤、制電剤、シリコーン化合物、弗素化合
物、酸化防止剤等を配合してもよい。
【0020】本発明においては、上記処理剤を紡出糸条
に付与する方法は任意であるが、通常濃度3〜20重量
%の水性エマルジョンとして、従来公知のオイリングロ
ーラー方式やノズル方式で付与するのが適当である。
に付与する方法は任意であるが、通常濃度3〜20重量
%の水性エマルジョンとして、従来公知のオイリングロ
ーラー方式やノズル方式で付与するのが適当である。
【0021】処理剤の紡出糸条への付与量(処理剤有効
成分として)は、繊維重量を基準として0.2〜O.5
重量%、好ましくは0.25〜0.35の範囲にする必
要がある。付与量が0.5重量%を越える場合には、紡
糸時の巻取り性には特に問題を生じないが、得られた繊
維を摩擦仮撚加工する際にヒタープレートにタールが付
着して安定に仮撚加工できなくなるので好ましくない。
一方、付与量が0.2重量%未満の場合には、繊維の集
束性及び潤滑性が不十分で紡糸時の巻取り性が低下する
だけでなく、摩擦仮撚加工時の加工性も不十分となるた
め好ましくない。
成分として)は、繊維重量を基準として0.2〜O.5
重量%、好ましくは0.25〜0.35の範囲にする必
要がある。付与量が0.5重量%を越える場合には、紡
糸時の巻取り性には特に問題を生じないが、得られた繊
維を摩擦仮撚加工する際にヒタープレートにタールが付
着して安定に仮撚加工できなくなるので好ましくない。
一方、付与量が0.2重量%未満の場合には、繊維の集
束性及び潤滑性が不十分で紡糸時の巻取り性が低下する
だけでなく、摩擦仮撚加工時の加工性も不十分となるた
め好ましくない。
【0022】
【作用】ポリエステルとは実質的に非相溶性である伸度
向上作用を有するポリマーは、繊維表面に粒状の凹凸を
形成しやすいため、従来のポリエーテル系潤滑剤を主成
分とする高速摩擦仮撚加工用処理剤を付与すると、繊維
/繊維間摩擦(F/F摩擦)及び繊維/金属間摩擦(F
/M摩擦)を低下させ、綾落ちや捲崩れ等の問題が多発
しやすかった。
向上作用を有するポリマーは、繊維表面に粒状の凹凸を
形成しやすいため、従来のポリエーテル系潤滑剤を主成
分とする高速摩擦仮撚加工用処理剤を付与すると、繊維
/繊維間摩擦(F/F摩擦)及び繊維/金属間摩擦(F
/M摩擦)を低下させ、綾落ちや捲崩れ等の問題が多発
しやすかった。
【0023】これに対して、本発明で使用される処理剤
は、プロピレンオキシドとエチレンオキシド共重合体か
らなるポリエーテル系潤滑剤を主成分とし、その10〜
50重量%が共重合重量比及び平均分子量が特定範囲に
あるブロック共重合体を使用しているので、繊維/繊維
間摩擦(F/F摩擦)及び繊維/金属間摩擦(F/M摩
擦)はそれほど低下せず、綾落ちや捲崩れ問題が抑制さ
れて安定に高速度で紡糸することができる。しかも得ら
れた繊維を摩擦仮撚加工する際には、従来の処理剤と同
様に耐熱性が良好なので、ヒータースラッジ等による毛
羽や断糸の発生が抑制され安定して仮撚加工することが
できる。
は、プロピレンオキシドとエチレンオキシド共重合体か
らなるポリエーテル系潤滑剤を主成分とし、その10〜
50重量%が共重合重量比及び平均分子量が特定範囲に
あるブロック共重合体を使用しているので、繊維/繊維
間摩擦(F/F摩擦)及び繊維/金属間摩擦(F/M摩
擦)はそれほど低下せず、綾落ちや捲崩れ問題が抑制さ
れて安定に高速度で紡糸することができる。しかも得ら
れた繊維を摩擦仮撚加工する際には、従来の処理剤と同
様に耐熱性が良好なので、ヒータースラッジ等による毛
羽や断糸の発生が抑制され安定して仮撚加工することが
できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中における各評価項目は下記測定方法
にしたがった。
る。なお、実施例中における各評価項目は下記測定方法
にしたがった。
【0025】(1)フィラメント間の摩擦係数(F/F
μs) フィラメント同士の滑りやすさの尺度である。長さ69
0mのマルチフィラメント(A)を円筒の周りに、ラセ
ン角±15°で約0.1N(約10g)の巻き張力で前
後に巻き付ける。この円筒は直径が2インチ(5.1c
m)で、長さが3インチ(7.6cm)である。上述の
マルチフィラメントを別に12インチ(30.5cm)
(B)とって、この円筒の上に掛けて、この時、(B)
が(A)の上層部にのっており、且つその巻き付け方向
と平行になるようにする。(B)の一端に0.106c
N/dtex(0.12g/de)の荷重をかけ、もう
一方の端には、ストレインゲージを連結させる。円筒を
0.0016cm/秒の周速で180度回転させて、そ
の時の張力を連続記録する。
μs) フィラメント同士の滑りやすさの尺度である。長さ69
0mのマルチフィラメント(A)を円筒の周りに、ラセ
ン角±15°で約0.1N(約10g)の巻き張力で前
後に巻き付ける。この円筒は直径が2インチ(5.1c
m)で、長さが3インチ(7.6cm)である。上述の
マルチフィラメントを別に12インチ(30.5cm)
(B)とって、この円筒の上に掛けて、この時、(B)
が(A)の上層部にのっており、且つその巻き付け方向
と平行になるようにする。(B)の一端に0.106c
N/dtex(0.12g/de)の荷重をかけ、もう
一方の端には、ストレインゲージを連結させる。円筒を
0.0016cm/秒の周速で180度回転させて、そ
の時の張力を連続記録する。
【0026】フィラメント間摩擦係数(F/Fμs)
は、下記式より算出される。 F/Fμs=1/π×ln(T2/T1) 式中、T2はピーク張力の平均値(n=25)、T1は
マルチフィラメントに負荷された総荷重により与えられ
る張力である。なお、測定雰囲気温度は25℃とし、湿
潤時の値は円筒上の摩擦体に霧吹きで水を付与しながら
測定した。
は、下記式より算出される。 F/Fμs=1/π×ln(T2/T1) 式中、T2はピーク張力の平均値(n=25)、T1は
マルチフィラメントに負荷された総荷重により与えられ
る張力である。なお、測定雰囲気温度は25℃とし、湿
潤時の値は円筒上の摩擦体に霧吹きで水を付与しながら
測定した。
【0027】(2)繊維−繊維耐擦過切断回数 試料糸を残留伸度が30〜40%になるように延伸し、
東洋精機製作所製の繊工式摩擦抱合試験機を用いて糸が
切断するまでの回数を測定を行った。測定の雰囲気温度
は25℃、荷重は延伸糸の繊度を基準として0.62c
N/dtex(0.7g/de)、ストローク50m
m、速度60ストローク/分、ターン数3、交り角30
°とした。
東洋精機製作所製の繊工式摩擦抱合試験機を用いて糸が
切断するまでの回数を測定を行った。測定の雰囲気温度
は25℃、荷重は延伸糸の繊度を基準として0.62c
N/dtex(0.7g/de)、ストローク50m
m、速度60ストローク/分、ターン数3、交り角30
°とした。
【0028】(3)紡糸巻取り性 巻き取った50本のチーズの捲姿を肉眼観察し次ぎの5
段階で表した。 1級:綾が崩れて断糸になる、ローラーに捲き付き断糸
になる 2級:マルチフィラメントの綾が外れている 3級:単糸の数本が外れている 4級:綾外れのチーズが50%以下 5級:綾外れ無し
段階で表した。 1級:綾が崩れて断糸になる、ローラーに捲き付き断糸
になる 2級:マルチフィラメントの綾が外れている 3級:単糸の数本が外れている 4級:綾外れのチーズが50%以下 5級:綾外れ無し
【0029】(4)毛羽数 少なくとも25mの仮撚加工糸について、目視にて毛羽
の個数を数え、1メートルあたりの毛羽数を求めた。
の個数を数え、1メートルあたりの毛羽数を求めた。
【0030】[実施例1〜2、比較例1〜4]固有粘度
が0.64で、艶消し剤として酸化チタンを0.3重量
%含有するポリエチレンテレフタレートチップを乾燥し
た後、1軸フルフライト型溶融押出し機にて温度300
℃で溶融し、平均分子量が6万のポリメチルメタクリレ
ート系重合体(PMMA系重合体)をサイドストリーム
から溶融状態で、押出し機中の溶融ポリエステルへ導入
し、次いでスタティックミキサーを用いて混合分散させ
た後、直径0.4mmφ−ランド長0.8mmの吐出孔
を36個有する紡糸口金から、口金温度285℃にて溶
融吐出し、該吐出糸条を冷却固化させた後に表1に記載
された処理剤を付与し紡速4500m/分で捲き取って
133dtex/36fil(120de/36fi
l)の部分配向糸(POY)を得た。なお、処理剤は濃
度10重量%のエマルジョン水溶液とし、メタリングオ
イルノズルを用いて処理剤付与量が0.35重量%とな
るように調整し、7kg巻きのチーズを巻き取った。
が0.64で、艶消し剤として酸化チタンを0.3重量
%含有するポリエチレンテレフタレートチップを乾燥し
た後、1軸フルフライト型溶融押出し機にて温度300
℃で溶融し、平均分子量が6万のポリメチルメタクリレ
ート系重合体(PMMA系重合体)をサイドストリーム
から溶融状態で、押出し機中の溶融ポリエステルへ導入
し、次いでスタティックミキサーを用いて混合分散させ
た後、直径0.4mmφ−ランド長0.8mmの吐出孔
を36個有する紡糸口金から、口金温度285℃にて溶
融吐出し、該吐出糸条を冷却固化させた後に表1に記載
された処理剤を付与し紡速4500m/分で捲き取って
133dtex/36fil(120de/36fi
l)の部分配向糸(POY)を得た。なお、処理剤は濃
度10重量%のエマルジョン水溶液とし、メタリングオ
イルノズルを用いて処理剤付与量が0.35重量%とな
るように調整し、7kg巻きのチーズを巻き取った。
【0031】得られた繊維を、ヒーター長1.6m、ヒ
ーター温度180℃、得られる加工糸の伸度が25%と
なる延伸倍率で、仮撚りディスク前後の張力比(後/
前)が0.93となるようにディスク走行速度を調整し
て摩擦仮撚加工を施した。表1に得られた部分配向糸の
パッケージの巻き姿及びDRY、WET時のフィラメン
ト間の摩擦係数(F/Fμs)、繊維−繊維耐擦過切断
回数、仮撚り加工糸の毛羽個数を併せて示す。
ーター温度180℃、得られる加工糸の伸度が25%と
なる延伸倍率で、仮撚りディスク前後の張力比(後/
前)が0.93となるようにディスク走行速度を調整し
て摩擦仮撚加工を施した。表1に得られた部分配向糸の
パッケージの巻き姿及びDRY、WET時のフィラメン
ト間の摩擦係数(F/Fμs)、繊維−繊維耐擦過切断
回数、仮撚り加工糸の毛羽個数を併せて示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、伸度向上作
用を有するポリマーを含有するポリエステルから高速度
で摩擦仮撚加工用の繊維を紡糸するに際し、特定された
EO/POブロック共重合体を含有するポリエーテル系
潤滑剤を主成分とする処理剤が付与されているので、紡
糸時の綾落ちや捲崩れの発生がなく安定して生産性よく
紡糸することができる。また、得られた部分配向糸は高
速度で摩擦仮撚加工しても毛羽や糸切れの発生がなく、
極めて安定して摩擦仮撚加工することができる。
用を有するポリマーを含有するポリエステルから高速度
で摩擦仮撚加工用の繊維を紡糸するに際し、特定された
EO/POブロック共重合体を含有するポリエーテル系
潤滑剤を主成分とする処理剤が付与されているので、紡
糸時の綾落ちや捲崩れの発生がなく安定して生産性よく
紡糸することができる。また、得られた部分配向糸は高
速度で摩擦仮撚加工しても毛羽や糸切れの発生がなく、
極めて安定して摩擦仮撚加工することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H104 CB14A EA03A PA50 RA01 4L033 AA07 AB01 AB03 AC09 AC15 CA48 4L035 BB33 BB34 BB60 EE20 FF08
Claims (1)
- 【請求項1】 実質的にポリエステルと非相溶性の伸度
向上作用を有するポリマーを、ポリエステル重量を基準
として0.3〜4.0重量%分散せしめた混合物を25
00〜8000m/分の速度で溶融紡糸するに際し、紡
出糸条に、下記組成のポリエーテル系潤滑剤を60〜9
8重量%含有する処理剤を、繊維重量を基準として0.
2〜0.5重量%付与することを特徴とする摩擦仮撚加
工用ポリエステル繊維の製造方法。 ポリエーテル系潤滑剤組成: (a)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が80/20
〜20/80で、平均分子量が1000〜10000で
あるブロック共重合体50〜10重量% (b)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド
(PO)との共重合重量比(EO/PO)が65/35
〜10/90で、平均分子量が1000〜10000で
あるランダム共重合体50〜90重量%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32378899A JP2001146683A (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | 摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32378899A JP2001146683A (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | 摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001146683A true JP2001146683A (ja) | 2001-05-29 |
Family
ID=18158631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32378899A Pending JP2001146683A (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | 摩擦仮撚加工用ポリエステル繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001146683A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1626117A2 (en) | 2004-08-03 | 2006-02-15 | Takemoto Yushi Kabushiki Kaisha | Processing agents and methods for synthetic fibers |
JP2010516839A (ja) * | 2007-01-17 | 2010-05-20 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | 潤滑剤組成物およびその作製方法 |
CN106319970A (zh) * | 2015-06-30 | 2017-01-11 | 松本油脂制药株式会社 | 合成纤维用处理剂及其用途 |
-
1999
- 1999-11-15 JP JP32378899A patent/JP2001146683A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1626117A2 (en) | 2004-08-03 | 2006-02-15 | Takemoto Yushi Kabushiki Kaisha | Processing agents and methods for synthetic fibers |
JP2010516839A (ja) * | 2007-01-17 | 2010-05-20 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | 潤滑剤組成物およびその作製方法 |
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