JPH112621A - NOxセンサの製造方法及びNOxセンサ - Google Patents

NOxセンサの製造方法及びNOxセンサ

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JPH112621A
JPH112621A JP9171015A JP17101597A JPH112621A JP H112621 A JPH112621 A JP H112621A JP 9171015 A JP9171015 A JP 9171015A JP 17101597 A JP17101597 A JP 17101597A JP H112621 A JPH112621 A JP H112621A
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造中に蒸発したAuによる検出セルの電極
を汚染防止ができるNOxセンサの製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 基準ガス室151と検出セル130と基
板17とによって形成されたサンプルガス室161と,
両者の間に設けられたNOx濃度検出用の検出セル13
0よりなる主体部12と,上記サンプルガス室161に
対面配設され,該サンプルガス室161に酸素ガスを排
出及び導入するためのポンプセル110を設けたポンプ
セル体11とよりなるNOxセンサ1を製造するに当た
り,上記主体部12及び上記ポンプセル体11を別体に
作製し,次いで両者をそれぞれ別々に焼成し,その後両
者を一体化してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,内燃機関の排ガス等のサンプル
ガス中におけるNOx濃度を検出する,NOxセンサの
製造方法及びNOxセンサに関する。
【0002】
【従来技術】従来,サンプルガス中のNOx濃度を検出
するNOxセンサとしては,固体電解質基板の酸素イオ
ン導電性(具体的には,安定化ジルコニア等の酸素イオ
ン導電性)を利用するものが知られている(SAE96
0334)。
【0003】上記NOxセンサについて以下に説明す
る。図11,図12に示すごとく,上記NOxセンサ9
は,基準ガス室950と一部が酸素イオン導電性の固体
電解質基板941,942によって形成されたサンプル
ガス室902と,両者の間に設けられ,電極931,9
32を有するNOx濃度検出用の検出セル93よりな
る。なお,上記サンプルガス室902は通路909にお
いてサンプルガス室901と連結され,また,上記サン
プルガス室901にはサンプルガス導入路908が設け
てある。また,上記サンプルガス室901にはサンプル
ガス中の酸素ガス濃度を一定とするために,電極91
1,912よりなる酸素ポンプセル91と電極921,
922よりなる酸素センサセル92とが設けてある。
【0004】上記NOxセンサ9におけるNOxガス濃
度検出は以下に示すごとく行われている。まず,サンプ
ルガスが上記サンプルガス室901に導入される。ここ
において,酸素センサセル92と酸素ポンプセル91と
が協調して作動することにより,サンプルガス室901
の酸素ガス濃度はほぼ一定となる。この状態にあるサン
プルガスがサンプルガス室902に導入される。
【0005】上記検出セル93において,電極932は
活性電極であり,NOx中の酸素原子を還元反応により
イオン化し,酸素イオンとすることができる。イオン化
した酸素は上記固体電解質基板941を流通することに
より,該固体電解質基板941にはイオン電流が発生す
る。上記イオン電流の大きさはNOxガス量と比例する
ことから,該イオン電流の値を測定することにより,N
Oxガス濃度を検出することができる。
【0006】なお,上記サンプルガス室に面する電極9
11,922は,NOx中の酸素原子を酸素イオンに還
元しない不活性電極である。そして,上記活性電極はP
tよりなり,上記不活性電極はAuを添加したPtより
なる。なお,図11において符号99は端子である。
【0007】また,上記NOxセンサの製造に当たって
は,まず,固体電解質基板のグリーンシートを準備し,
これに導電性ペーストを用いて電極用の印刷部を形成す
る。上記グリーンシートを適宜積層し,積層体となす。
最後にこの積層体を焼成することにより,NOxセンサ
を得る。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記NOxセ
ンサには以下に示す問題がある。Auの融点は1064
℃と低いため,上記従来方法にてNOxセンサを製造し
た場合,焼成中にAuが蒸発し,活性電極を汚染するこ
とがある。この汚染により活性電極の活性が衰え,NO
x濃度検出に支障をきたすおそれがある。
【0009】そして多くのNOxセンサにおける固体電
解質基板として,ジルコニア系の酸素イオン導電物質が
使用されているが,この物質の焼結温度は1400〜1
600℃という高温である。このため,Auの蒸発防止
を目的に焼結温度を低くすることもできなかった。
【0010】本発明は,かかる問題点に鑑み,製造中に
蒸発したAuによる検出セルの電極を汚染防止ができる
NOxセンサの製造方法及び,NOx濃度を精度よく検
出可能なNOxセンサを提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,基準ガス室と一
部が酸素イオン導電性の固体電解質基板によって形成さ
れたサンプルガス室と両者の間に設けられたNOx濃度
検出用の検出セルよりなる主体部と,上記サンプルガス
室に対面配設され,該サンプルガス室に酸素ガスを排出
及び導入するためのポンプセルを設けたポンプセル体と
よりなるNOxセンサを製造するに当たり,まず,上記
主体部及び上記ポンプセル体を別体に作製し,次いで両
者をそれぞれ別々に焼成し,その後両者を一体化してな
ることを特徴とするNOxセンサの製造方法にある。
【0012】上記検出セルはNOx濃度を検出する部分
である。上記検出セルは一般的に以下のよう構成をとっ
ている。即ち,固体電解質基板に設けた一対の電極から
なり,該電極の一枚はサンプルガス室に,他の一枚は基
準ガス室に面する。そして,上記サンプルガス室に面し
た電極においてNOx中の酸素原子の還元が行われる。
つまりこの電極は活性電極であり,例えば,Pt,R
h,Pt/Rh等の触媒活性の高い金属より構成されて
いる。
【0013】また,上記ポンプセルは上記サンプルガス
室の酸素ガスを排出,導入するために設けてある。そし
て,上記ポンプセルは一般的に,固体電解質基板に設け
た一対の電極からなり,該電極の一枚はサンプルガス室
に,他の一枚はNOxセンサの外部に面している。これ
らの電極は,例えば,NOx中の酸素原子の還元が生じ
ないようにAuを添加して触媒活性を抑制したPt,P
d電極より構成されている。
【0014】上記一体化において,上記主体部及びポン
プセル体とを焼結して一体化することができる。この場
合の焼結温度はAuの融点未満の温度で行うことが好ま
しい。具体的には1000℃未満の温度で行うことが好
ましい。
【0015】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明の製造方法においては,上記主体部及び上記ポンプ
セル体を別体に作製し,次いで両者をそれぞれ別々に焼
成し,その後両者を一体化してなる。このため,焼成中
に蒸発したAuが検出セルの電極に付着して,該検出セ
ルの電極の活性を低下させることを防止することができ
る。よって,本発明の製造方法により得られたNOxセ
ンサは精度よくNOx濃度を検出することができる。
【0016】以上のように,本発明によれば,製造中に
蒸発したAuによる検出セルの電極を汚染防止ができる
NOxセンサの製造方法を提供することができる。
【0017】次に,請求項2の発明のように,上記一体
化に当たっては,上記主体部に設けた嵌入溝に上記ポン
プセル体を嵌め込み,しかる後,両者を接合することが
好ましい。これにより,ポンプセル体の嵌め込みを容易
に行うことができる。
【0018】次に,請求項3の発明は,基準ガス室と一
部が酸素イオン導電性の固体電解質基板によって形成さ
れたサンプルガス室と両者の間に設けられたNOx濃度
検出用の検出セルよりなる主体部と,上記サンプルガス
室に対面配設され,該サンプルガス室に酸素ガスを排出
及び導入するためのポンプセルを設けたポンプセル体と
よりなるNOxセンサにおいて,上記主体部と上記ポン
プセル体とはそれぞれ別個に焼成された後,一体化して
なることを特徴とするNOxセンサである。
【0019】本発明にかかるNOxセンサは,それぞれ
別個に焼成されたポンプセル体と主体部とを,例えばガ
ラス系接着剤等を用いて一体化してなる。このため,前
述したごとく,焼成中に蒸発したAuが検出セルの電極
に付着して,該検出セルの電極の活性を低下させること
を防止することができる。よって,本発明にかかるNO
xセンサは精度よくNOx濃度を検出することができ
る。
【0020】次に,請求項4の発明のように,上記一体
化に当たっては,主体部に設けた嵌入溝に上記ポンプセ
ル体を嵌め込み,しかる後,両者を接合してなることが
好ましい。これにより,ポンプセル体の嵌め込みを容易
に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるNOxセンサの製造方法及
びこれにより得られたNOxセンサにつき,図1〜図5
を用いて説明する。図1,図2に示すごとく,本例のN
Oxセンサ1は,基準ガス室151と一部が酸素イオン
導電性の固体電解質基板13によって形成されたサンプ
ルガス室161と両者の間に設けられたNOx濃度検出
用の検出セル130よりなる主体部12と,上記サンプ
ルガス室161に対面配設され,該サンプルガス室16
1に酸素ガスを排出及び導入するためのポンプセル11
0を設けたポンプセル体11とよりなる。
【0022】上記検出セル130は固体電解質基板13
に設けたサンプルガス室161に面する電極132と基
準ガス室151に面する電極131とよりなる。また,
上記ポンプセル110は固体電解質基板149に設け,
サンプルガス拡散抵抗層119に面した電極111とN
Oxセンサ1の外部に露出した電極112とよりなる。
そして,上記電極111はNOx活性作用を持たない不
活性電極である。また,上記電極112,131,13
2はNOx活性作用を有する活性電極である。なお,上
記電極112,131をNOx不活性電極とすることも
できる。
【0023】そして,上記NOxセンサ1を製造するに
当たっては,まず,上記主体部12及び上記ポンプセル
体11を別体に作製し,次いで両者をそれぞれ別々に焼
成し,その後両者を一体化する。
【0024】次に,NOxセンサの詳細に説明する。図
1,図2に示すごとく,上記本体部12は,発熱体19
5及びリード部196を設けたヒータ19用の絶縁性基
板191,192,基準ガス室151形成用のスリット
を有する絶縁性基板15,検出セル130が形成された
固体電解質基板13,サンプルガス室161形成用の窓
部を設けた絶縁性基板16,ピンホール171を設けた
絶縁性基板17,ポンプセル体11を嵌合する嵌入溝1
40を設けた絶縁性基板14より構成されている。
【0025】上記検出セル130は,上記固体電解質基
板13に設けた一対の電極131,132よりなる。ま
た,上記検出セル130の出力取出用端子134,13
6,リード部133,135が設けてある。なお,上記
電極131,リード部135は固体電解質基板13の下
面に設けてあり,この図面からは見えない位置にある。
そして,上記リード部135と上記端子136とは図示
を略したスルーホールを介して導通が取られている。
【0026】上記絶縁性基板16にはスルーホール16
2,163が設けてある。また,上記絶縁性基板17に
はスルーホール172,173が設けてある。上記スル
ーホール162,172は端子134と端子146と
を,上記スルーホール163,173は端子136と端
子145とを電気的に接続する。また,上記ピンホール
171はサンプルガス室161へのサンプルガス導入路
となる。
【0027】上記絶縁性基板14には端子143〜14
6,リード部141,142が設けてある。上記端子1
45,146は上述したごとく端子134,136と電
気的に接続されてなり,検出セル130の出力を取出す
部分である。また,上記端子143,144はリード部
141,142等を通じてポンプセル110の電極11
1,112と電気的に接続されている。
【0028】上記ポンプセル110は,固体電解質基板
149に設けた一対の電極111,112よりなる。上
記電極111,112は取出部113,114を通じて
上記リード部141,142に電気的に接続されてい
る。なお,上記取出部113,114とリード部14
1,142との電気接続性を確実なものとするために導
電体116,115が設けてある。なお,符号119は
サンプルガス拡散抵抗層,符号118はポンプセル体1
1と本体部12の嵌入溝140とを接着する接着層であ
る。
【0029】次に,本例にかかるNOxセンサ1の製造
方法について説明する。まず,固体電解質基板13,1
49用のジルコニアグリーンシートの作製について説明
する。6モル%のイットリアと94モル%ジルコニアよ
りなる平均粒径0.5μmのイットリア部分安定化ジル
コニアを100部(重量部以下同じ),α−アルミナを
1部,PVB(ポリビニルブチラール)を5部,DBP
(デイブチルフタレート)を10部,エタノールを10
部,トルエンを10部秤量した。
【0030】次いで,これらをボールミル中で混合して
スラリーを作製し,該スラリーよりドクターブレード法
にて乾燥厚みが0.3mmとなるシート成形体を作製,
5×70mm(固体電解質基板13用),4×25mm
(固体電解質基板149用)に切断した。
【0031】次いで,固体電解質基板149用のシート
成形体に導電性ペーストを用いて電極111用の印刷部
を形成した。この導電性ペーストとしては1〜10wt
%Au添加Ptペーストを使用した。また,10wt%
ジルコニア添加Ptペーストを用いて電極112,端子
113,114用の印刷部を形成した。このシート成形
体がポンプセル体11となる。
【0032】次いで,上記固体電解質基板13用のシー
ト成形体にスルーホールを設けた。その後,0〜10w
t%Pd添加及び10wt%ジルコニア添加Ptペース
トを用いて電極131,132,リード部133,13
5,端子134,136用の印刷部を印刷形成した。
【0033】次に,絶縁性基板14〜17,191,1
92用のアルミナグリーンシートの作製につき説明す
る。平均粒径0.3μmのα−アルミナを98部,6モ
ル%イットリアと94モル%ジルコニアよりなるイット
リア部分安定化ジルコニアを3部,PVBを10部,D
BPを10部,エタノールを30部,トルエンを30部
秤量した。
【0034】次いで,これらをボールミル中にて混合し
てスラリーを作製し,該スラリーよりドクターブレード
法にて乾燥厚みが0.3mmとなるシート成形体を作
製,5×70mmに切断した。
【0035】上記絶縁性基板14用のシート成形体に1
0wt%ジルコニア添加Ptペーストを用いてリード部
141,142,端子143〜146を印刷形成した。
そして,ポンプセル体11嵌合用の嵌入溝140となる
スリットを設け,全体としてコ字状とした。
【0036】次に,上記絶縁性基板17用のシート成形
体には,スルーホール172,173及びピンホール1
71を形成した。また,上記絶縁性基板16用のシート
成形体には,スルーホール162,163及びサンプル
ガス室161となる窓部を形成した。
【0037】また,上記絶縁性基板15用のシート成形
体には基準ガス室151用のスリットを設け,コ字状と
した。また,上記絶縁性基板191のシート成形体に
は,90wt%Ptと10wt%アルミナよりなる導電
性ペーストを用いて発熱体195,リード部196とな
る印刷部を形成した。
【0038】そして,常温にて感圧接着性を有するペー
ストを用いて,絶縁性基板14,17,16,固体電解
質基板13,絶縁性基板15,192,191となるシ
ート成形体を圧着・積層し,積層体とした。なお,各ス
ルーホールには10wt%ジルコニア添加Ptペースト
を予め充填しておいた。
【0039】次に,上記ポンプセル体11となるシート
成形体を温度1500℃で1時間焼成した。これにより
ポンプセル体11を得た。また,上記積層体を大気中,
温度1500℃にて1時間焼成した。これにより本体部
11を得た。
【0040】次いで,上記本体部12の嵌入溝140に
アルミナからなる接着性ペーストを塗布し,上記ポンプ
セル体11を嵌め込んだ。次に,Ptペーストを端子1
13,114とリード部141,142とを連結するよ
うに塗布し,その後温度950℃で熱処理した。更に,
アルミナ5部を添加した高融点ガラスペースト(デグッ
サ社製フラックス10115)よりなる接着層118を
嵌入溝140及びポンプセル体11との間に塗布し,一
体化した。その後,本体部12とポンプセル体11とを
大気中950℃で1時間熱処理した。以上により,NO
xセンサ1を得た。
【0041】次に,本例において作製したNOxセンサ
1と従来製法によるNOxセンサ8との性能について比
較する。この性能試験において使用した従来構造のNO
xセンサ8について,図3,図4を用いて説明する。
【0042】同図に示すごとく,固体電解質基板84に
はポンプセル110が設けてあり,該固体電解質基板8
4の下方にはサンプルガス抵抗層119を配置するため
の絶縁性基板88が配置される。上記絶縁性基板88に
はサンプルガス抵抗層119配置用のスリット880,
また,端子134,136を端子145,146に電気
的に導通させるためのスルーホール882,883を設
けてある。それ以外の構造は本例におけるNOxセンサ
1と同様である。
【0043】この従来例にかかるNOxセンサ8を作製
するに当たっては,まず,各固体電解質基板13,84
及び絶縁性基板15〜17,88用のシート成形体に各
電極,リード部等用の印刷部を設け,図4に示すごとく
積層し,積層体とした。その後,この積層体を温度15
00℃で焼成し,NOxセンサ8とした。つまりこの従
来例にかかるNOxセンサの製造方法においては,ポン
プセル110にかかる電極111,112,検出セル1
30にかかる電極131,132は同時に焼成されてい
る。
【0044】そして,2つのNOxセンサ1及び8の性
能試験は,以下のごとく行った。即ち,ガス温度400
℃であり,サンプルガスは0〜5000ppmの範囲内
において変化させたNOと5%O2 /N2 (1.2リッ
トル/分)とよりなる。また,各センサ1及び8の温度
は750℃に保持した。この条件において,NO濃度を
測定し,結果について図5に記載した。
【0045】図5から,本例にかかるNOxセンサ1
(本発明品)は従来例にかかるNOxセンサ8に比べ,
NO濃度に応じた大きなセンサ出力が得られた。従来例
であるNOxセンサ8のセンサ出力が小さかった原因を
調査するため,検出セル130にかかる電極132表面
をEPMAにて分析したところ,微量なAuが確認され
た。
【0046】これにより,ポンプセル110の電極11
1,112と検出セル130の電極131,132とを
同時に焼成することにより,電極111に含有されるA
uが蒸発し,サンプルガス拡散抵抗層119,ピンホー
ル171,サンプルガス室161を経由して検出セル1
30の電極132表面へ拡散し,電極132の活性を損
ねたことが分かった。
【0047】また,従来例の場合,センサ出力が小さ
く,また,更にAuによる検出セル電極130の被毒の
程度の差に基づく出力バラツキが見られた。本実施形態
例にかかるNOxセンサ1においてはバラツキは従来例
のNOxセンサ8に比べ小さかった。上述の通り,ポン
プセル110をポンプセル体11として別個に焼成した
後,一体化するという本例の製造方法によれば,NOx
濃度に応じた安定したセンサ出力が得られることが分か
った。
【0048】従って,本例によれば,製造中に蒸発した
Auによる検出セルの電極を汚染防止ができるNOxセ
ンサの製造方法を提供することができる。
【0049】なお,上記図3,図4にかかる構造の従来
例に基づくNOxセンサ8においても,ポンプセル11
0を設けた固体電解質基板84を別個に焼成し,また,
他の部分も積層してあらかじめ焼成し,両者共に焼成が
済んだ後接合するという方法,つまり本発明にかかる製
造方法を適用すれば,本発明と同様のNOxセンサとな
る。
【0050】実施形態例2 本例は,図6,図7に示すごとく,嵌入部を別部材によ
り作製したNOxセンサである。本例にかかるNOxセ
ンサ2において,本体部22は絶縁性基板219,2
4,25,27,28と固体電解質基板26とにより構
成されている。絶縁性基板28は発熱部が設けられたヒ
ータ基板である。この部分がNOxセンサにおけるヒー
タとなる。絶縁性基板27には基準ガス室270となる
溝部が設けてある。
【0051】上記固体電解質基板26には検出セルが設
けてなり,該検出セルは固体電解質基板26の表面に設
けられ,サンプルガス室250と基準ガス室270とに
それぞれ対面した2枚の電極261,262とよりな
る。上記絶縁性基板25にはサンプルガス室250とな
る窓部が,上記絶縁性基板24にはサンプルガスの拡散
抵抗穴となるピンホール240が設けてある。上記ポン
プセル体21は固体電解質基板とその両面に設けた電極
211,212からなる。
【0052】上記絶縁性基板24はポンプセル体21に
おける電極211,212と接続するためのリード部及
び端子部が設けてある。そして,上記絶縁性基板219
はコ字状の部材で,スリット218が設けてある。その
表面にはリード部141,142が設けてある。このリ
ード部はポンプセル体21における電極211,212
とリード部142,143とを電気的に接続するために
設けてある。そして,上記絶縁性基板219と上記絶縁
性基板24とにより,ポンプセル体21を嵌合するため
の嵌入溝が形成されている。
【0053】本例にかかるNOxセンサの製造方法につ
いて説明する。実施形態例1と同様の材料,同様の手順
でもって,ポンプセル体21となるシート成形体を作製
する。また,実施形態例1と同様の材料,同様の手順で
もって,本体部22用の積層体を作製する。但し,絶縁
性基板27は原材料よりなるスラリーを射出成形するこ
とにより作製する。
【0054】上記ポンプセル体21となるシート成形
体,本体部22となる積層体をそれぞれ別々に焼成す
る。その後,本体部22に形成された嵌入部に上記ポン
プセル体21を嵌め込む。次いで,ポンプセル体21と
嵌入部との間には接着剤を流し込む。この時,上記ポン
プセル体21の電極211はリード部141の先端と接
触し,この部分において電気的に接続されることとな
る。また,電極212はその端部213において,上記
絶縁性基板219,24に設けられたリード部142と
電気的に接続され,更にリード部144と接続される。
そして,それぞれの接続部分には導電性ペーストを塗布
する。
【0055】以上のようにしてポンプセル体21と本体
部22とを一体化した後,両者を温度1000℃程度に
て焼成する。以上によりNOxセンサを得た。その他
は,実施形態例1と同様である。また,本例においても
実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0056】実施形態例3 本例は図8に示すごとく,サンプルガス室と基準ガス室
とが同一平面内に形成され,また酸素センサセルを設け
たタイプのNOxセンサ3である。図8に示すごとく,
本例にかかるポンプセル体31は,固体電解質基板33
1とその両面に設けた電極311,312とよりなるポ
ンプセル310を有する。また,ポンプセル体31には
サンプルガス導入用のピンホール319が設けてある。
【0057】図8に示すごとく,本例にかかる本体部3
2は,絶縁性基板37と該絶縁性基板37に埋め込ま
れ,内部に発熱部360が格納されたヒータ36を有す
る。上記絶縁性基板37,ヒータ36の上部には固体電
解質基板35が配置され,該固体電解質基板35と絶縁
性基板34及びポンプセル体31の固体電解質基板33
1とによって第一及び第二サンプルガス室341,34
2が,上記固体電解質基板35と絶縁性基板34,固体
電解質基板33とによって基準ガス室345が形成され
ている。第一及び第二サンプルガス室341,342は
通路343にて連結されている。
【0058】上記固体電解質基板35には検出セル35
0が設けてある。上記検出セル350は,上記第二サン
プルガス室342に面する電極352と基準ガス室34
5に面する電極351とよりなる。また,上記固体電解
質基板35には酸素センサ電極381が設けてあり,上
記電極351と共に酸素センサセルを構成する。上記酸
素センサ電極381は第一サンプルガス室341に面す
る。また,上記固体電解質基板33の端部315が上記
ポンプセル体31の嵌入溝となる。その他は実施形態例
1と同様である。
【0059】本例のNOxセンサ3は,第一及び第二サ
ンプルガス室341,342と基準ガス室345が同一
平面上に設けてある。このため,センサの厚みを薄くす
ることができ,また,ヒータ36と電極351,352
との距離を縮めることができる。従って,本例にかかる
NOxセンサ3はコンパクトで速熱性に優れている。
【0060】また,本例のNOxセンサ3は酸素センサ
電極381を有する。この酸素センサ電極381と上記
電極351との間に電圧計を有する回路を設けることに
より,これらが酸素センサセルとして機能する。即ち,
酸素センサ電極381は第一サンプルガス室341に面
しており,電極351は基準ガス室345に面してお
り,両者は酸素濃淡起電力式電池として働くからであ
る。
【0061】そして,上記酸素センサセルとポンプセル
310との間にフィードバック回路を配置する。このフ
ィードバック回路を用いて,上記酸素センサセルの値に
基づいてポンプセル130を駆動する。これにより,第
一サンプルガス室341及びこれと連通する第二サンプ
ルガス室342の酸素ガス濃度を一定値に保つことがで
きる。従って,本例にかかるNOxセンサ3において
は,正確なNOx濃度の検出が可能となる。
【0062】また,図8に示すごとく,検出セル350
にかかる基準ガス室345に面する電極と酸素センサセ
ルにかかる基準ガス室345にかかる電極とは,同一の
電極351である。従って,NOxセンサ3の構造をよ
りコンパクトとすることができる。その他は,実施形態
例1と同様の作用効果を有する。
【0063】実施形態例4 本例は図9,図10に示すごとく,酸素センサセルを設
けたNOxセンサである。本例にかかるNOxセンサ1
は,固体電解質基板13に酸素センサセル180を設け
た他は実施形態例1にかかるNOxセンサと同じ構造で
ある。上記酸素センサセル180は,サンプルガス室1
61に面した電極182と基準ガス室151に面した電
極181とよりなる。上記固体電解質基板13には,こ
れら電極181,182と端子184,185とを導通
させる為のリード部186が設けてある。
【0064】なお,上記端子184,185は絶縁性基
板16,17に設けられたスルーホール164,16
5,174,175により絶縁性基板14に設けられた
端子148,149と導通されている。その他は実施形
態例1と同様である。
【0065】本例のNOxセンサ1は酸素センサセル1
80を有する。この酸素センサセル180とポンプセル
130との間にフィードバック回路を配置する。このフ
ィードバック回路を用いて,上記酸素センサセル180
の値に基づいてポンプセル130を駆動する。これによ
り,サンプルガス室161の酸素ガス濃度を一定値に保
つことができる。従って,本例のNOxセンサ1におい
ては,正確なNOx濃度の検出が可能となる。その他は
実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,NOxセンサの斜視
図。
【図2】実施形態例1にかかる,NOxセンサの展開説
明図。
【図3】実施形態例1にかかる,比較として用いた従来
例のNOxセンサの斜視図。
【図4】実施形態例1にかかる,比較として用いた従来
例のNOxセンサの展開説明図。
【図5】実施形態例1にかかる,本発明品と従来例品に
かかるNOxセンサとのセンサ出力とサンプルガス中の
NO濃度との関係を示す線図。
【図6】実施形態例2にかかる,別部材により嵌入部を
構成したNOxセンサの斜視説明図。
【図7】実施形態例2にかかる,NOxセンサの断面説
明図。
【図8】実施形態例3にかかる,酸素センサセルを有
し,サンプルガス室と基準ガス室とが同一平面上に設け
てあるNOxセンサの断面説明図。
【図9】実施形態例4にかかる,酸素センサセルを有す
るNOxセンサの斜視図。
【図10】実施形態例4にかかる,NOxセンサの展開
説明図。
【図11】従来例にかかる,NOxセンサの平面図。
【図12】従来例にかかる,NOxセンサの断面説明
図。
【符号の説明】
1,2,3,8,9...NOxセンサ, 11...ポンプセル体, 12...主体部, 13...固体電解質基板, 130...検出セル,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 博美 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準ガス室と一部が酸素イオン導電性の
    固体電解質基板によって形成されたサンプルガス室と両
    者の間に設けられたNOx濃度検出用の検出セルよりな
    る主体部と,上記サンプルガス室に対面配設され,該サ
    ンプルガス室に酸素ガスを排出及び導入するためのポン
    プセルを設けたポンプセル体とよりなるNOxセンサを
    製造するに当たり,まず,上記主体部及び上記ポンプセ
    ル体を別体に作製し,次いで両者をそれぞれ別々に焼成
    し,その後両者を一体化してなることを特徴とするNO
    xセンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記一体化に当たっ
    ては,上記主体部に設けた嵌入溝に上記ポンプセル体を
    嵌め込み,しかる後,両者を接合することを特徴とする
    NOxセンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 基準ガス室と一部が酸素イオン導電性の
    固体電解質基板によって形成されたサンプルガス室と両
    者の間に設けられたNOx濃度検出用の検出セルよりな
    る主体部と,上記サンプルガス室に対面配設され,該サ
    ンプルガス室に酸素ガスを排出及び導入するためのポン
    プセルを設けたポンプセル体とよりなるNOxセンサに
    おいて,上記主体部と上記ポンプセル体とはそれぞれ別
    個に焼成された後,一体化してなることを特徴とするN
    Oxセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記一体化に当たっ
    ては,主体部に設けた嵌入溝に上記ポンプセル体を嵌め
    込み,しかる後,両者を接合してなることを特徴とする
    NOxセンサ。
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