JPH11260597A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JPH11260597A
JPH11260597A JP10344735A JP34473598A JPH11260597A JP H11260597 A JPH11260597 A JP H11260597A JP 10344735 A JP10344735 A JP 10344735A JP 34473598 A JP34473598 A JP 34473598A JP H11260597 A JPH11260597 A JP H11260597A
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幸子 岡崎
Masuhiro Kokoma
益弘 小駒
Keiichi Yamazaki
圭一 山崎
Yoshimi Inoue
吉民 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的損傷やストリーマー放電による損傷を少
なくして被処理物をプラズマ処理することができるプラ
ズマ処理装置を提供する。 【解決手段】 外側電極1を備えた筒状の反応管2、及
び反応管2の内部に配置される内側電極3を具備して構
成される。反応管2に不活性ガスまたは不活性ガスと反
応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極1と内側電
極3の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反
応管2の内部にグロー放電を発生させる。反応管2から
プラズマジェット65を吹き出すようにするプラズマ処
理装置に関する。外側電極1と内側電極3に冷却手段を
設ける。大気圧下で周波数の高い交流でプラズマを生成
しても、外側電極1あるいは内側電極3の温度上昇を抑
えることができる。均質なグロー放電を生成してストリ
ーマー放電の生成を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物の表面に
存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、
製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズ
マを発生させるためのプラズマ処理装置、及びこれを用
いたプラズマ処理方法に関するものであり、精密な接合
が要求される電子部品の表面のクリーニングに応用され
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、大気圧下でプラズマ処理を行
うことが試みられている。例えば、特開平2−1517
1号公報や特開平3−241739号公報や特開平1−
306569号公報には、図14に示すように、反応容
器内の放電空間に一対の電極を配置すると共に電極の間
に誘電体を設け、放電空間をHe(ヘリウム)やAr
(アルゴン)などの希ガスを主成分とするプラズマ生成
用ガスで充満し、反応容器に被処理物を入れると共に電
極の間に交流電界を印加するようにしたプラズマ処理方
法が開示されており、誘電体が配置された電極の間に交
流電界を印加することにより安定的にグロー放電を発生
させ、このグロー放電によりプラズマ生成用ガスを励起
して反応容器内にプラズマを生成し、このプラズマによ
り被処理物の処理を行うようにしたものである。
【0003】しかしこの方法では被処理物の特定の部分
にのみプラズマ処理を行いにくく、また処理時間も長く
かかるという問題があった。そこで上記方法を発展させ
て、大気圧下でグロー放電により生成したプラズマ(特
にプラズマの活性種)を被処理物にジェット状に吹き出
してプラズマ処理を行うことが提案されている(例え
ば、特開平4−358076号公報、特開平3−219
082号公報、特開平4−212253号公報、特開平
6−108257号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなプラズマ
ジェットで処理を行う方法において、使用する交流の周
波数が10kHz未満であれば、生成されるラジカル量
が少なくなってプラズマ処理の効果が小さくなる。従っ
て、10〜数十MHzの周波数の交流を用いるようにし
ているが、このように10〜数十MHzの周波数の交流
を用いると、プラズマの温度(ガス温度)が非常に高く
なって被処理物が空気中で酸化したり炭化したりして熱
的な損傷を受けるという問題があった。
【0005】プラズマが発熱する原因は、放電によりガ
ス粒子が衝突を繰り返すためであると考えられるが、プ
ラズマが非常に高温になる理由は、大気圧下で生成した
プラズマは減圧下で生成したプラズマに比べて平均自由
行路が小さいので、衝突頻度も高くなり、このためにプ
ラズマの温度上昇が著しくなるためであると考えられ
る。またこの衝突頻度は印加する交流の周波数にも密接
に関係し、周波数が高くなるほど衝突頻度も高くなり、
反応領域におけるプラズマが非常に高温になる。従っ
て、プラズマの反応や生成に好適なラジカルやイオンの
量は印加する交流の周波数が高くなると増加するが、そ
の反面、反応管や電極の温度、特に放熱されにくい反応
管内の内側の電極の温度上昇はプラズマのアタックによ
り著しく、この内側の電極の熱がプラズマに伝導してプ
ラズマの温度が非常に高くなるのである。しかも内側の
電極の金属の種類によっては、その融点近くにまで内側
の電極の温度が達することもあり、内側の電極が腐食し
て揮発し、これが被処理物へデポジットするという問題
が生じる場合もある。
【0006】また上記のようなプラズマジェットで処理
を行う方法においては、ストリーマー放電が被処理物に
向かって生成しやすく、このストリーマー放電により被
処理物の表面が損傷を受けるという問題があった。
【0007】ストリーマー放電の生成過程を図16
(a)(b)に示すプラズマ装置で説明する。このプラ
ズマ装置は、外側電極1を備えた筒状の反応管2の内部
に内側電極3を配置し、反応管2にプラズマ生成用ガス
を導入すると共に外側電極1と内側電極3に交流を印加
して外側電極1と内側電極3の間に交流電界を印加する
ようにしたものであり、外側電極1と内側電極3の間に
交流電界を印加することにより反応管2の内部にグロー
放電を発生させ、このグロー放電によりプラズマ生成用
ガスを励起して反応管2の内部にプラズマを生成し、こ
のプラズマを反応管2の下面の吹き出し口21からプラ
ズマジェットとして吹き出して被処理物7に輸送するこ
とによって、プラズマ処理を行うようにしたものであ
る。
【0008】このようなプラズマ装置において、ストリ
ーマー放電が生成される原因の一つは、上記のプラズマ
の温度上昇により反応管2の内側や外側電極1が主に伝
熱により温度上昇を引き起こすためであると考えられ
る。つまり、外側電極1と内側電極3の間の空間(放電
空間22)の局所的な温度上昇が部分的な電子放出を招
き、その部分に電流が集中的に流れるためであると考え
られる。ストリーマー放電60が生成される他の原因と
しては、プラズマ生成用ガス中のアルゴンが高濃度であ
るためと考えられる。つまり、ヘリウムは拡散速度及び
熱伝導性が高いため、局所的な温度上昇が緩和されるの
に対して、アルゴンの濃度が増加するにつれて空間中の
放熱性が低くなるためであると考えられる。
【0009】さらに詳しく説明すると、まず反応管2と
内側電極3の表面に電流の集中した部分が現れて、次い
でこの部分を核として外側電極と内側電極の間の空間に
ストリーマー67が図16(a)に示すように生成され
る。一旦、このようなストリーマー67が生じると、も
はや安定したプラズマ(グロー放電)は生成されなくな
って、良好なプラズマ処理は行えなくなり、さらに外側
電極1と内側電極3の間だけでなく、図16(b)に示
すように、内側電極3と被処理物7の間にまでストリー
マー放電60が走り、このストリーマー放電60が被処
理物7の表面に損傷を与えるようになるのである。
【0010】このように従来から行われているプラズマ
ジェットを用いた大気圧下でのプラズマ処理は、処理効
果を高めるために交流の周波数を高くすると、被処理物
7が熱的な損傷やストリーマー放電60による損傷を受
けることになり、これらの損傷を防ぐために交流の周波
数を低くすると、処理効果が低くなるものであった。そ
してこれらは、被処理物7に多様な材料、例えば熱に弱
い有機物や空気中で容易に酸化される銀や銅などの金属
や溶融しやすい半田やICチップなどを含む電子材料
(電子部品)をプラズマ処理する場合に大きな障害とな
っていた。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、熱的損傷やストリーマー放電による損傷を少なく
して被処理物をプラズマ処理することができるプラズマ
処理装置を提供することを目的とするものである。また
本発明は、熱的な損傷やストリーマー放電による損傷を
少なくして被処理物をプラズマ処理することができるプ
ラズマ処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のプラズマ処理装置Aは、外側電極1を備えた筒状の反
応管2、及び反応管2の内部に配置される内側電極3を
具備して構成され、反応管2に不活性ガスまたは不活性
ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極1
と内側電極3の間に交流電界を印加することにより大気
圧下で反応管2の内部にグロー放電を発生させ、反応管
2からプラズマジェット65を吹き出すようにするプラ
ズマ処理装置において、外側電極1と内側電極3に冷却
手段を設けて成ることを特徴とするものである。
【0013】また本発明の請求項2に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1の構成に加えて、冷却手段として
不凍性及び絶縁性を有する液体の冷媒を用いて成ること
を特徴とするものである。
【0014】また本発明の請求項3に係るプラズマ処理
装置Aは、請求項2の構成に加えて、冷媒を循環させる
循環手段4を具備して成ることを特徴とするものであ
る。
【0015】また本発明の請求項4に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1乃至3のいずれかの構成に加え
て、外側電極1として内側電極3と絶縁された金属製の
円筒管を用いて成ることを特徴とするものである。
【0016】また本発明の請求項5に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1乃至4のいずれかの構成に加え
て、絶縁性材料で反応管2を形成すると共に反応管2の
外周に金属製の外側電極1を設けて成ることを特徴とす
るものである。
【0017】また本発明の請求項6に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1乃至5のいずれかの構成に加え
て、反応管2から吹き出すプラズマジェット65の温度
を250℃以下に制御するための制御手段48を具備し
て成ることを特徴とするものである。
【0018】また本発明の請求項7に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1乃至6のいずれかの構成に加え
て、外側電極1と内側電極3の少なくとも一方の表面粗
度が10〜1000μmであることを特徴とするもので
ある。
【0019】また本発明の請求項8に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1乃至7のいずれかの構成に加え
て、誘電率が2000以下の絶縁性材料で反応管2を形
成して成ることを特徴とするものである。
【0020】また本発明の請求項9に記載のプラズマ処
理装置Aは、請求項1乃至8のいずれかの構成に加え
て、内側電極3の表面を絶縁性材料でコーティングして
成ることを特徴とするものである。
【0021】また本発明の請求項10に記載のプラズマ
処理装置Aは、請求項1乃至9のいずれかの構成に加え
て、プラズマジェット65が吹き出される吹き出し口2
1を反応管2の先端面に設け、反応管2の先端を吹き出
し口21側に向かって先細りとなるテーパー構造に形成
して成ることを特徴とするものである。
【0022】また本発明の請求項11に記載のプラズマ
処理装置Aは、請求項1乃至10のいずれかの構成に加
えて、プラズマジェット65が吹き出される吹き出し口
21を反応管2の先端面に少なくとも1個以上設けて成
ることを特徴とするものである。
【0023】また本発明の請求項12に記載のプラズマ
処理装置Aは、請求項1乃至11のいずれかの構成に加
えて、吹き出し口21からの反応管2への不純物含有空
気の流入を防止するための流入防止手段5を具備して成
ることを特徴とするものである。
【0024】また本発明の請求項13に記載のプラズマ
処理装置Aは、請求項12の構成に加えて、流入防止手
段5が吹き出し口21を塞ぐ蓋体6であることを特徴と
するものである。
【0025】また本発明の請求項14に記載のプラズマ
処理装置Aは、請求項12の構成に加えて、流入防止手
段5が吹き出し口21から吹き出される乾燥空気である
ことを特徴とするものである。
【0026】また本発明の請求項15に記載のプラズマ
処理方法は、外側電極1を備えた筒状の反応管2の内部
に内側電極3を配置し、反応管2に不活性ガスまたは不
活性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電
極1と内側電極3の間に交流電界を印加することにより
大気圧下で反応管2の内部にグロー放電を発生させ、反
応管2から被処理物7にプラズマジェット65を吹き出
すようにするプラズマ処理方法において、外側電極1と
内側電極3を冷却しながら外側電極1と内側電極3の間
に交流電界を印加することを特徴とするものである。
【0027】また本発明の請求項16に記載のプラズマ
処理方法は、請求項15の構成に加えて、被処理物7が
回路基板8であって、回路をプラズマ処理することを特
徴とするものである。
【0028】また本発明の請求項17に記載のプラズマ
処理方法は、請求項16の構成に加えて、プラズマ処理
される回路がボンディングパッド9であることを特徴と
するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0030】図1にプラズマ処理装置の一例を示す。反
応管2は絶縁性材料(誘電体材料)で円筒状に形成され
るものであって、その下端には直径が下側ほど小さくな
るように絞り込まれたテーパー構造の集束部20が形成
されていると共に、反応管2の下端面である集束部20
の下面には吹き出し口21が設けられている。このよう
に集束部20を設けないで吹き出し口21の口径を反応
管2の直径とほぼ同じに形成した場合、吹き出し口21
から吹き出されるプラズマジェット65の流速を上げよ
うとすると、後述の外側電極1と内側電極3の間隔を小
さくして放電空間22の体積を小さくしなければなら
ず、このために外側電極1と内側電極3の冷却が難しく
なるが、本発明のように反応管2よりも直径が絞り込ま
れた集束部20を設けることによって、放電空間22の
体積を小さくすることなくプラズマジェット65の流速
を上げることができ、被処理物7のプラズマ処理を効率
よく行うことができる。
【0031】図1に示すプラズマ処理装置Aの吹き出し
口21の開口面積は、直径が0.1〜5mmの真円の面
積に相当する大きさに形成されている。吹き出し口21
の開口面積が上記の範囲よりも小さすぎると、吹き出さ
れるプラズマジェット65の処理範囲が小さくなりすぎ
て、被処理物7のプラズマ処理に長時間を要することに
なり、逆に、吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よ
りも大きすぎると、吹き出されるプラズマジェット65
の処理範囲が大きくなりすぎて、被処理物7に局所的な
プラズマ処理を施すことができなくなる恐れがある。
【0032】また反応管2の上部にはガス導入管70が
突設されている。反応管2を形成する絶縁性材料の誘電
率は放電空間22(図1に斜線で示す)の低温化の重要
な要素であって、誘電率が2000以下の絶縁性材料を
用いるのが好ましい。反応管2の絶縁性材料の誘電率が
2000を超えると、外側電極1と内側電極3の空間に
印加される電圧が大きくなる代わりに、外側電極1と内
側電極3の間の放電空間22でのプラズマの温度(ガス
温度)が上昇する恐れがある。反応管2の絶縁性材料の
誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、これ
よりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1と
内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなけれ
ばならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の放
電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間22
でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0033】反応管2を形成する絶縁性材料として具体
的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコ
ニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示
することができる。またマグネシア(MgO)単体ある
いはマグネシアを含む絶縁性材料で反応管2を形成する
こともでき、このことでグロー放電の安定化を図ること
ができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高
いので、プラズマ中のイオンが反応管2の表面(内面)
に衝突した場合、反応管2の表面から二次電子が多量に
放出されることになり、この二次電子が反応管2の表面
に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを
電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれ
ると推察される。
【0034】集束部20の上側部分において反応管2の
外周には金属製の外側電極1が全周に亘って設けられて
いる。外側電極1の金属材料としては熱伝導性の高いも
のであることが好ましく、このことで外側電極1の放熱
性が向上して放電の均一化を図ることができる。具体的
には外側電極1の金属材料として、銅、アルミニウム、
真鍮、耐食性の高いステンレスなどを用いることができ
る。また外側電極1は板状やメッシュ状(網状)に形成
することができる。
【0035】外側電極1の反応管2側の表面の算術平均
粗さで表した粗度は10〜1000μmに設定すること
ができ、このことで、放電空間22における放電の均一
化を図ることができる。これはミクロ的に見た場合に、
非常に微細なマイクロディスチャージの集合体が形成さ
れ、アークへの移行が阻害されるためであると考えられ
る。外側電極1の表面の粗度が10μm未満であれば、
放電しにくくなる恐れがあり、外側電極1の表面の粗度
が1000μmを超えると、放電の不均一化が生じる恐
れがある。このように外側電極1の表面を粗面化する加
工としては、サンドブラストなどの物理的手段を採用す
ることができる。尚、表面粗さをy=f(x)の形に表
した場合の算術平均粗さRa(μm)はJIS B 0
601で以下の式(1)で定義されている。
【0036】
【数1】
【0037】反応管2の内部には反応管2の中心部を上
下に貫くように内側電極(中心電極)3が配設されてい
る。内側電極3は断面略円形であって、その直径(外
径)は1〜20mmに設定するのが好ましい。内側電極
3の直径が1mm未満であれば、放電空間22の面する
内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こりに
くくなり、プラズマを充分に生成することができなくな
る恐れがあり、内側電極3の直径が20mmを超える
と、相対的に反応管2や外側電極1を大きくしなければ
ならず、装置が大型化する恐れがある。この内側電極3
は集束部20の上側から反応管2の上側に突出するまで
に設けられており、反応管2の内部において複数個の支
持具24にて支持されている。そして反応管2の内部に
おいて、外側電極1と内側電極3の間の空間が放電空間
22として内側電極3を囲うように形成されている。
【0038】上記の放電空間22の下端から吹き出し口
21までの距離、すなわち外側電極1や内側電極3の下
端から吹き出し口21までの距離であって、集束部20
の高さ寸法は、20mm以下に設定するのが好ましい。
この距離が20mmを超えると、活性の高い生きたプラ
ズマ活性種(ラジカルやイオンなど)を消滅させる前
に、プラズマジェット65を被処理物7に吹き付けるこ
とができなくなって、被処理物7に対するプラズマ処理
の能力が低下する恐れがある。従って、放電空間22の
下端から吹き出し口21までの距離を20mm以下にす
ることによって、活性の高い生きたプラズマ活性種を消
滅させる前に、吹き出し口21からプラズマジェット6
5を吹き出して被処理物7に吹き付けることができ、被
処理物7のプラズマ処理を高めることができる。放電空
間22の下端から吹き出し口21までの距離は小さいほ
ど好ましいので、下限は0である。
【0039】また外側電極1の内面と内側電極3の外面
の間の距離(放電空間22の幅寸法)は1〜10mmに
設定するのが好ましい。この距離が1mm未満であれ
ば、外側電極1と内側電極3の距離が近すぎて安定な放
電を得ることができなくなる恐れがあり、この距離が1
0mmを超えると、外側電極1と内側電極3の距離が遠
すぎて印加電力を大きくしなければならず、外側電極1
や内側電極3の温度が上昇して安定な放電を得ることが
できなくなる恐れがある。
【0040】上記の内側電極3は電極本体管25と供給
管26から構成される二重管で形成されている。電極本
体管25は上下面が閉口する中空の棒状に形成されるも
のであって、反応管2よりも上側に突出する箇所には排
出管部27が設けられている。電極本体管25よりも小
径に形成される供給管26は、電極本体管25の中心部
を貫くように電極本体管25の下部から電極本体管25
の上側に突出するまでに設けられており、電極本体管2
5の上側に突出する部分は供給部28として形成されて
いる。そして内側電極3の内部において電極本体管25
と供給管26の間には、排出管部27と連通する流路部
29として形成されている。これら電極本体管25と供
給管26は外側電極1と同様の金属材料で形成されるこ
とが好ましく、また電極本体管25の外面は外側電極1
と同様に粗面化されているのが好ましい。
【0041】放電空間22における放電の安定化のため
に、内側電極3の電極本体管25の表面は絶縁性材料
(誘電体材料)の被膜でコーティングされていることが
好ましい。またこのコーティングで用いる絶縁性材料の
誘電率は2000以下であることが好ましく、絶縁性材
料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電
極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、外
側電極1と内側電極3の間の放電空間22でのプラズマ
の温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。絶縁性材料
の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、こ
れよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1
と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなけ
ればならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の
放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間2
2でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0042】内側電極3のコーティングに用いる絶縁性
材料として具体的には、石英、アルミナ、イットリア部
分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック
材料などを例示することができる。さらに、アルミナ、
チタニア、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC
(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタン酸バリウム、PZ
T(チタン酸鉛ジルコネート)などの誘電体材質のもの
を例示することができる。またマグネシア(MgO)単
体あるいはマグネシアを含む絶縁性材料を用いることも
でき、このことでグロー放電の安定化を図ることができ
る。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高いの
で、プラズマ中のイオンが内側電極3の表面のコーティ
ングに衝突した場合、コーティングの表面から二次電子
が多量に放出されることになり、この二次電子がコーテ
ィングの表面に形成されたシースで加速されてプラズマ
生成用ガスを電離することになり、この結果、放電の安
定化が保たれると推察される。このようなマグネシアを
含む絶縁性材料としては、例えば、アルミナ等のセラミ
ック粉末の中に微量(0.01〜5vol%)のマグネ
シアを添加して焼結した焼結体、及び石英などのガラス
質の表面にCVD等でMgO膜を形成したものなどを挙
げることができる。
【0043】また内側電極3の表面にコーティングする
にあたっては、絶縁性材料で円筒体(セラミック管やガ
ラス管)を形成し、これの内側に内側電極3を挿着して
密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、P
ZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、内側電極3の
電極本体管25の表面に吹き付けるようにするプラズマ
溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニ
ア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散
し、内側電極3の電極本体管25の表面にスプレーなど
で吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融さ
せるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラ
ス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに
気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)に
より内側電極3の電極本体管25の表面を絶縁性材料で
コーティングすることもでき、これらの方法を採用する
ことによって、極めて緻密で平滑な吸着性の乏しい絶縁
性材料の被膜で内側電極3の表面をコーティングするこ
とができ、放電の安定化をより促進することができる。
【0044】本発明の冷却手段として用いる冷媒は、イ
オン交換水や純水も使用することができるが、0℃で不
凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性や化学安定性を
有する液体であることが好ましく、冷媒の電気絶縁性能
は0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であること
が好ましい。この範囲の絶縁性を有する冷媒を用いる理
由は、高電圧が印加される電極からの漏電を防止するた
めである。このような性質を有する冷媒としては、パー
フルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を例示
することができ、また純水にエチレングリコールを5〜
60重量%添加した混合液であってもよい。
【0045】本発明において外側電極1と内側電極3に
印加される交流の周波数は、1kHz〜50GHz、好
ましくは10kHz〜200MHzに設定される。交流
の周波数が1kHz未満であれば、放電空間22での放
電を安定化させることができなくなる恐れがあり、交流
の周波数が50GHzを超えると、放電空間22でのプ
ラズマの温度上昇が著しくなる恐れがある。また外側電
極1と内側電極3に交流を印加する場合、外側電極1と
電源15を接続し、内側電極3を接地するのが好まし
く、このことで内側電極3と被処理物7の間のストリー
マー放電を抑制することができる。これは、内側電極3
と被処理物7の間の電位差がほとんど0になり、ストリ
ーマー放電が生成されにくくなるためであり、特に、被
処理物7に金属部分が含まれている場合はストリーマー
放電の生成が著しくなるので、内側電極3を接地するの
が好ましい。尚、図1のものでは内側電極3は供給管2
6の供給部28から接地されている。
【0046】また本発明において外側電極1と内側電極
3の間の放電空間22に印加される印加電力は20〜3
500W/cm3に設定するのが好ましい。放電空間2
2に印加される印加電力が20W/cm3未満であれ
ば、プラズマを充分に発生させることができなくなり、
逆に、放電空間22に印加される印加電力が3500W
/cm3を超えると、安定した放電を得ることができな
くなる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm3
は、(印加電力/放電空間体積)で定義される。
【0047】本発明においてプラズマ生成用ガスとして
は、不活性ガス(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガ
スの混合気体を用いることができる。不活性ガスとして
は、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使
用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮す
ると、アルゴンやヘリウムを用いるのが好ましい。また
アルゴン単独ではストリーマー放電が生成し易いので、
アルゴンをヘリウムで希釈した混合ガスを用いることが
好ましく、その混合比率は放電空間22の温度とも密接
に関連するが、プラズマジェット65の温度を250℃
以下にした場合は、アルゴンを90重量%以下にするの
が好ましい。これよりもアルゴンが多くなると、ストリ
ーマー放電が生じ易くなる恐れがある。尚、アルゴンが
多いとストリーマー放電が生じ易くなるのは、アルゴン
がヘリウムに比べて準安定状態のエネルギーや寿命がヘ
リウムに比べて小さいためであると考えられる。
【0048】また上記反応ガスの種類は処理の内容によ
って任意に選択することができる。例えば、被処理物の
表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸
素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが
好ましい。また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガ
スも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチング
を行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的で
ある。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アン
モニアなどの還元性ガスを用いることができ、その添加
量は不活性ガスに対して10重量%以下、好ましくは
0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添加量が
0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる恐れが
あり、反応ガスの添加量が10重量%を超えると、放電
が不安定になる恐れがある。
【0049】また上記有機物の除去や無機物の還元・除
去の処理は、反応ガスを用いなくても不活性ガスのみで
行うことができる。つまり、被処理物7の表面の酸化や
フッ素化を起こさないでも上記処理が行える。これは、
プラズマ内部に存在する不活性ガスのイオンやラジカル
の運動エネルギーとガス流(プラズマが吹き出す際の流
れ)の運動エネルギーが合わさってプラズマが被処理物
7にアタックすることによる効果であり、このアタック
により被処理物7の表面の化合物の結合エネルギーを切
断して除去するためであると考えられる。
【0050】次に、上記のように形成されるプラズマ処
理装置Aを用いたプラズマ処理方法を説明する。まず、
ガス導入管70を通じて反応管2の内部にプラズマ生成
用ガスを導入する(矢印)と共に、外側電極1と内側
電極3に高周波などの交流を印加し、さらにこれと同時
に内側電極3を冷媒によって冷却すると共に外側電極1
に冷却された空気を吹き付けるなどして外側電極1を空
冷して冷却する。この後、外側電極1と内側電極3の間
に印加された交流電界により大気圧下で反応管2の放電
空間22でグロー放電を発生させ、グロー放電で反応管
2の内部に導入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化
し、プラズマ活性種を含むこのプラズマを図2に示すよ
うに吹き出し口21からプラズマジェット65として吹
き出して被処理物7の表面に吹きつけることによって、
プラズマ処理を行うことができる。
【0051】吹き出し口21から吹き出されるプラズマ
ジェット65の流速は、2〜30m/秒に設定するのが
好ましい。プラズマジェット65の流速が2m/秒未満
であれば、プラズマジェット65の処理能力が小さすぎ
て被処理物7をプラズマ処理するのに長時間を要するこ
とになる恐れがあり、プラズマジェット65の流速が3
0m/秒を超えると、プラズマジェット65の処理能力
が大きすぎて被処理物7が破損する恐れがある。そして
プラズマジェット65の流速が上記の範囲となるよう
に、吹き出し口21の口径や集束部20の傾斜の度合い
を調整して設定するのである。
【0052】上記のプラズマ処理において、内側電極3
を冷媒によって冷却するにあたっては、供給部28の上
端の開口から冷媒を供給管26に供給する(矢印)と
共に、供給管26の下端の開口から冷媒を内側電極3の
内部の流路部29に流入し、冷媒を流路部29に充満さ
せるようにして行うことができる。また流路部29に充
満させた冷媒は内側電極3の温度上昇により温度が高く
なり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下し
た冷媒は排出管部27を通じて流路部29から排出し
(矢印)、これと同時に供給管26を通じて冷却能力
の高い冷媒を新たに流路部29に導入するようにする。
流路部29から排出された冷却能力の低下した冷媒は冷
凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒
に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のように
供給管26を通じて流路部29に導入される。このよう
に冷媒を循環させることによって、内側電極3を常に冷
却して所望の温度に保つことができる。上記のように内
側電極3の流路部29と冷凍機の間で循環させる循環手
段としてはポンプを用いることができる。
【0053】プラズマジェット65の温度は250℃以
下にするのが好ましい。このような温度にするために、
外側電極1及び内側電極3はその表面温度が350℃以
下になるように冷却されるのが好ましい。内側電極3の
表面温度が350℃を超えると、放電空間22にストリ
ーマー放電が生成されて、均質なグロー放電が生成され
ない恐れがある。尚、内側電極3の表面温度の下限値は
特に設定されず、例えば0℃以下であってもよく、冷媒
が凍結しない温度であればよい。そしてこのように反応
管2から吹き出すプラズマジェット65の温度を250
℃以下に制御するために制御手段を用いるのが好まし
い。制御手段は熱電対などの温度センサーとパーソナル
コンピュータなどで構成される温度コントローラーから
構成されるものであって、温度センサーで測定し、この
測定結果に基づいて温度コントローラーで循環手段によ
る冷媒の循環流量や冷凍機の冷却による冷媒の温度や高
周波出力を制御してプラズマジェット65の温度を25
0℃以下に制御するのである。尚、プラズマジェット6
5の温度は被処理物7やプラズマ処理の種類に応じて変
更し、被処理物7を処理することができる温度以上にす
る。
【0054】このように本発明のプラズマ処理装置は、
内側電極3を冷媒により冷却すると共に外側電極1を空
冷により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流で
プラズマを生成しても、外側電極1及び内側電極3の温
度上昇を抑えることができ、よってプラズマの温度(ガ
ス温度)が高くならないようにすることができて被処理
物7の熱的損傷を少なくすることができるものである。
また内側電極3を冷媒により冷却すると共に外側電極1
を空冷により冷却するので、放電空間22の局所的な加
熱を防ぐことができ、均質なグロー放電を生成してスト
リーマー放電の生成を抑えることができて被処理物7の
ストリーマー放電による損傷を少なくすることができる
ものである。これは、従来の方法では内側電極3の温度
が高いほど内側電極3からの電子の放出が高められ、局
所的な電子の放出が生じ、その部分からストリーマー放
電が生成するのに対して、本発明では内側電極3を冷媒
で冷却すると共に外側電極1を空冷することによって、
局所的な電子の放出が抑えられるためであると考えられ
る。
【0055】また外側電極1の内側あるいは内側電極3
の外側に接するなどして無機の絶縁性材料で形成される
反応管2を配置して外側電極1と内側電極3の間に電気
的絶縁性材料からなるバリア層を形成するので、より高
い放電の安定化を図ることができる。尚、上記実施の形
態では、外側電極1の内側に絶縁性材料で形成される反
応管2を接するように配置して内側電極3と反応管2の
間に放電空間22を形成するようにしたが、これに限ら
ず、内側電極3の外側に絶縁性材料で形成される反応管
2を接するように配置して外側電極1と反応管2の間に
放電空間22を形成するようにしてもよい。また外側電
極1の内側と反応管2の間及び内側電極3の外側と反応
管2の間の両方に放電空間22を形成するようにしても
よい。
【0056】またプラズマを集束部20で集めて吹き出
し口21からジェット状に吹き出すようにして、被処理
物7の小空間にプラズマ(放電)のエネルギー集中する
ので、処理効果や処理速度を極めて速くすることができ
る。また冷却手段を施しているため、温度の上昇を招く
ことなしに印加電力を増加させることができ、その結果
としてプラズマの密度を高め、処理速度を速めることが
できる。さらに処理効果の及ぶ範囲が吹き出し口21の
近傍の領域に限定することができ、被処理物7の必要部
分のみにプラズマ処理を施すことができるものであり、
処理の不要部分にプラズマの影響を与えないようにする
ことができる。また大気圧下でのプラズマの処理である
ので、被処理物7を搬送することにより連続的な処理を
行うことができる。
【0057】図3に本発明の他の実施の形態を示す。こ
のプラズマ処理装置Aは図1のものにおいて、外側電極
1を図4のものに代えて形成されるものであって、その
他の構成は図1のものと同様に形成されている。この外
側電極1は金属製であって、図4に示すように、筒状の
外壁30の内側に筒状の内壁31を形成すると共に外壁
30と内壁31の間に上下が閉塞された流通路32を形
成し、外壁30の外面の上部に流通路32と連通する流
入管34を設けると共に流入管34の反対側の位置にお
いて外壁30の外面の下部に流通路32と連通する流出
管35を設けるようにして形成されている。また内壁3
1の内周面はサンドブラスト処理等の加工で粗面化され
ており、その粗度は10〜1000μmに設定されてい
る。そして内壁31の内周面を反応管2の外周に接触さ
せるようにして外側電極1を反応管2の外側に挿着する
ことによって、プラズマ処理装置Aが形成されている。
【0058】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、図1の実施
の形態と同様に内側電極3を冷媒によって冷却しながら
行うことができるが、さらにこの実施の形態のプラズマ
処理装置Aは、外側電極1も冷媒によって冷却しながら
プラズマ処理を行うものである。つまり、流入管34を
通じて冷媒を流通路32に供給して(矢印)、冷媒を
流通路32に充満させるようにして外側電極1の冷却を
行うようにしている。また流通路32に充満させた冷媒
は外側電極1の温度上昇により温度が高くなり冷却能力
が低下してくるが、この冷却能力が低下した冷媒は流出
管35を通じて流通路32から排出し(矢印)、これ
と同時に流入管34を通じて冷却能力の高い冷媒を新た
に流通路32に導入するようにする。流通路32から排
出された冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、
ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却
能力が向上した冷媒は、上記のように流入管34を通じ
て流通路32に導入される。このように冷媒を循環させ
ることによって、外側電極1を常に冷却して所望の温度
に保つことができる。上記のように外側電極1の流通路
32と冷凍機の間で循環させる循環手段としては内側電
極3の循環手段と同様にポンプを用いることができる。
【0059】この実施の形態では、外側電極1と内側電
極の両方を冷媒により冷却するので、外側電極1を空冷
する上記実施の形態に比べて外側電極1の冷却の度合い
を大きくすることができる。従って、大気圧下で周波数
の高い交流でプラズマを生成しても、外側電極1と内側
電極3の両方の温度上昇をより抑えることができ、よっ
てプラズマの温度(ガス温度)がより高くならないよう
にすることができて被処理物7の熱的損傷をより少なく
することができるものである。また外側電極1と内側電
極3の両方を冷却することによって、放電空間22の局
所的な加熱をより防ぐことができ、より均質なグロー放
電を生成してストリーマー放電の生成を抑えることがで
きて被処理物7のストリーマー放電による損傷をより少
なくすることができるものである。これは、外側電極1
と内側電極3の両方を冷却することによって、外側電極
1と内側電極3の両方からの部分的な電子の放出が抑え
られるためであると考えられる。
【0060】図5に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理装置Aは図4に示す外側電極1を図3のように反
応管2の外側に挿着せずに、反応管2に一体に設けて形
成されている。つまり、反応管2を絶縁性材料で形成さ
れる上筒部2aと下筒部2bの二体で構成し、外側電極
1の上端と上筒部2aの下端を接合すると共に外側電極
1の下端と下筒部2bの上端を接合することによって、
上筒部2aと下筒部2bの間に外側電極1を設けて反応
管2と外側電極1を一体化するようにしている。その他
の構成は図1及び図3のものと同様に形成されている。
従って、このプラズマ処理装置Aは外側電極1と内側電
極3が絶縁物を介さずに直接向き合うように形成されて
いる。また外側電極1と内側電極3は絶縁物の上筒部2
aにより絶縁されている。
【0061】図6(a)(b)に他の実施の形態を示
す。反応管2は絶縁性材料で断面略四角形の矩形型筒状
に形成されるものであって、その下端には幅が下側ほど
小さくなった集束部20が形成されていると共に集束部
20の下面の略全面に亘って吹き出し口21が設けられ
ている。また反応管2の上部にはガス導入管70が突設
されている。反応管2を形成する絶縁性材料として上記
と同様のものを用いることができる。
【0062】集束部20の上側部分において反応管2の
外周には金属製の外側電極1が全周に亘って設けられて
いる。外側電極1は反応管2の形状に対応した矩形状に
形成されるものであって、図4に示すものを円筒ではな
くて矩形状に形成したものである。つまり、矩形筒状の
外壁30の内側に矩形筒状の内壁31を形成すると共に
外壁30と内壁31の間に上下が閉塞された流通路32
を形成し、外壁30の外面の上部に流通路32と連通す
る流入管34を設けると共に流入管34の反対側の位置
において外壁30の外面の下部に流通路32と連通する
流出管35を設けるようにして形成されている。また内
壁31の内周面はサンドブラスト処理等の加工で粗面化
されており、その粗度は10〜1000μmに設定され
ている。そして内壁31の内周面を反応管2の外周に接
触させるようにして外側電極1を反応管2の外側に挿着
されている。
【0063】反応管2の内部には外側電極1と対峙する
ように内側電極3が配設されている。内側電極3は集束
部20から反応管2の上側に突出するまでに設けられて
おり、反応管2の内部において、外側電極1と内側電極
3の間の空間が放電空間22として内側電極3を囲うよ
うに形成されている。内側電極3は反応管2の形状に対
応した矩形状に形成される中空の電極本体管25と、電
極本体管25の上端に突設される供給管部80と排出管
部81とから構成されており、電極本体管25の内部は
供給管部80及び排出管部81と連通する流路部29と
して形成されている。この内側電極3は外側電極1と同
様の金属材料で形成されることが好ましく、また電極本
体管25の外面は外側電極1と同様に粗面化されている
のが好ましい。さらに内側電極3の短手方向の長さは、
1〜20mmに設定するのが好ましい。内側電極3の短
手方向の長さが1mm未満であれば、放電空間22の面
する内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こ
りにくくなり、プラズマを充分に生成することができな
くなる恐れがあり、内側電極3の短手方向の長さが20
mmを超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大き
くしなければならず、装置が大型化する恐れがある。
【0064】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、上記の実施
の形態と同様に外側電極1及び内側電極3を冷媒によっ
て冷却しながら行うことができる。まず、ガス導入管7
0を通じて反応管2の内部にプラズマ生成用ガスを導入
する(矢印)と共に、外側電極1と内側電極3に高周
波などの交流を印加し、さらにこれと同時に外側電極1
及び内側電極3を冷媒によって冷却する。この後、外側
電極1と内側電極3の間に印加された交流電界により大
気圧下で反応管2の放電空間22でグロー放電を発生さ
せ、グロー放電で反応管2の内部に導入されたプラズマ
生成用ガスをプラズマ化し、このプラズマを吹き出し口
21からプラズマジェット65として吹き出して被処理
物7の表面に吹きつけることによって、プラズマ処理を
行うことができる。
【0065】内側電極3を冷媒によって冷却するにあた
っては、供給管部80から冷媒を電極本体管25の流路
部29に供給し(矢印)、冷媒を流路部29に充満さ
せるようにして行うことができる。また流路部29に充
満させた冷媒は内側電極3の温度上昇により温度が高く
なり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下し
た冷媒は排出管部81を通じて流路部29から排出し
(矢印)、これと同時に供給管部80を通じて冷却能
力の高い冷媒を新たに流路部29に導入するようにす
る。流路部29から排出された冷却能力の低下した冷媒
は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い
冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のよ
うに供給管部80を通じて流路部29に導入される。こ
のように冷媒を循環させることによって、内側電極3を
常に冷却して所望の温度に保つことができる。
【0066】外側電極1を冷媒によって冷却するにあた
っては、流入管34を通じて冷媒を流通路32に供給し
て(矢印)、冷媒を流通路32に充満させるようにし
て外側電極1の冷却を行うようにしている。また流通路
32に充満させた冷媒は外側電極1の温度上昇により温
度が高くなり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力
が低下した冷媒は流出管35を通じて流通路32から排
出し(矢印)、これと同時に流入管34を通じて冷却
能力の高い冷媒を新たに流通路32に導入するようにす
る。流通路32から排出された冷却能力の低下した冷媒
は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い
冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のよ
うに流入管34を通じて流通路32に導入される。この
ように冷媒を循環させることによって、外側電極1を常
に冷却して所望の温度に保つことができる。尚、プラズ
マジェット65の温度が250℃以下になるように冷却
されるのが好ましく、温度を250℃以下に制御するた
めに、上記と同様の温度センサーと温度コントローラー
から構成される制御手段を用いるのが好ましい。
【0067】図7に本発明の他の実施の形態を示す。こ
のプラズマ処理装置Aは図3のものにおいて、反応管2
の下端部を図7(b)(c)のように形成したものであ
り、その他の構成は図3のものと同様に形成されてい
る。この反応管2の下端部には集束部20が形成されて
おらず、ほぼ真っ直ぐに形成されている。また反応管2
の下端面は平板状の閉塞部16で閉塞されており、閉塞
部16に複数個(図7のものでは四個で略円形の閉塞部
16の四等分線状に配置されている。)の吹き出し口2
1が穿孔されている。また反応管2の内部には電極本体
管25と供給管26からなる内側電極3が反応管2の中
心部を上下に貫くように配設されているが、内側電極3
の電極本体管25の下端は閉塞部16の上面の略中央部
に当接されている。そして図4に示す外側電極1を図3
と同様に反応管2の下部の外側に挿着することによっ
て、プラズマ処理装置Aが形成されている。この時、外
側電極1の下端面と反応管2の下端面はほぼ同じ高さに
設定されており、従って、外側電極1と内側電極3の間
に形成される放電空間22の下端から吹き出し口21ま
での距離はほぼ0になっている。従って、活性の高い生
きたプラズマ活性種を消滅させる前に、吹き出し口21
からプラズマジェット65を吹き出して被処理物7に吹
き付けることができ、被処理物7のプラズマ処理を高め
ることができる。
【0068】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、図3の実施
の形態と同様に、ガス導入管70を通じて反応管2の内
部にプラズマ生成用ガスを導入すると共に、外側電極1
と内側電極3に高周波などの交流を印加し、さらにこれ
と同時に外側電極1と内側電極3を冷媒によって冷却
し、この後、外側電極1と内側電極3の間に印加された
交流電界により大気圧下で反応管2の放電空間22でグ
ロー放電を発生させ、グロー放電で反応管2の内部に導
入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化し、このプラ
ズマを図7(a)に示すように各吹き出し口21から同
時にプラズマジェット65として吹き出して被処理物7
の表面に吹きつけることによって、複数のプラズマジェ
ット65でプラズマ処理を行うことができる。外側電極
1と内側電極3の冷却は図3のものと同様にして行われ
る。
【0069】このプラズマ処理装置Aでは、プラズマジ
ェット65が吹き出される吹き出し口21を複数個設け
たので、被処理物7の複数箇所を同時に局所的に処理す
ることができるものである。
【0070】図8に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理装置Aの反応管2は、上記と同様の絶縁性材料で
断面略四角形の矩形型筒状に形成されるものであって、
その上面は断面略半円状の曲面部17として形成されて
いると共に反応管2の下面は平板状の底面部18として
形成されている。底面部18には反応管2の長手方向に
並ぶ複数個の吹き出し口21が二列に穿設されている。
また曲面部17には上側に突出する複数本のガス導入管
70が接続されている。さらに反応管2の各側壁部19
の外面には外側電極1が全長に亘って設けられている。
【0071】外側電極1は矩形板状に形成されるもので
ある。つまり、外壁30の内側に内壁31を形成すると
共に外壁30と内壁31の間に上下が閉塞された流通路
32を形成し、外壁30の外面の上部に流通路32と連
通する流入管34を設けると共に外壁30の外面の下部
に流通路32と連通する流出管35を設けるようにして
形成されている。また内壁31の内周面はサンドブラス
ト処理等の加工で粗面化されており、その粗度は10〜
1000μmに設定されている。そして内壁31の内周
面を反応管2の外周に接触させるようにして外側電極1
を反応管2の外側に挿着されている。
【0072】反応管2の内部には外側電極1と対峙する
ように内側電極3が配設されており、外側電極1の内面
と内側電極3の外面の間において反応管2の内部には放
電空間22が形成されているが、外側電極1の下端は反
応管2の底面部18の下面とほぼ同じ高さに形成されて
おり、且つ内側電極3の下端は反応管2の底面部18の
上面に当接されているので、放電空間22の下端と吹き
出し口21の間の距離はほぼ0に形成されている。従っ
て、活性の高い生きたプラズマ活性種を消滅させる前
に、吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出
して被処理物7に吹き付けることができ、被処理物7の
プラズマ処理を高めることができる。
【0073】内側電極3は反応管2の形状に対応して反
応管2の長手方向と同方向に長い矩形状に形成される中
空の電極本体管25と、電極本体管25に突設される供
給管部80及び排出管部81とから構成されており、電
極本体管25の内部は供給管部80及び排出管部81と
連通する流路部29として形成されている。内側電極3
の長手方向の端部は反応管2の長手方向の端面から外側
に突出されており、内側電極3の一方の端部には冷媒が
供給される供給管部80が突設されていると共に内側電
極3の他方の端部には冷媒が排出される排出管部81が
突設されている。この内側電極3は外側電極1と同様の
金属材料で形成されることが好ましく、また電極本体管
25の外面は外側電極1と同様に粗面化されているのが
好ましい。
【0074】さらに内側電極3の短手方向の長さは、1
〜20mmに設定するのが好ましい。内側電極3の短手
方向の長さが1mm未満であれば、放電空間22の面す
る内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こり
にくくなり、プラズマを充分に生成することができなく
なる恐れがあり、内側電極3の短手方向の長さが20m
mを超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大きく
しなければならず、装置が大型化する恐れがある。また
反応管2の内部で内側電極3の上方には整流板101が
設けられており、ガス導入管70を通じて反応管2の内
部に供給されたプラズマ生成用ガスの流れを整流板10
1で整えて放電空間22に供給することができるように
形成されている。その他の構成は上記実施の形態と同様
に形成されている。
【0075】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、上記の図6
に示す実施の形態と同様に外側電極1及び内側電極3を
冷媒によって冷却しながら行うことができる。まず、ガ
ス導入管70を通じて反応管2の内部にプラズマ生成用
ガスを導入する(矢印)と共に、外側電極1と内側電
極3の間に高周波などの交流電圧を印加し、さらにこれ
と同時に外側電極1及び内側電極3を冷媒によって冷却
する。この後、外側電極1と内側電極3の間に印加され
た交流電界により大気圧下で反応管2の放電空間22で
グロー放電を発生させ、グロー放電で反応管2の内部に
導入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化し、このプ
ラズマを図9に示すように、各吹き出し口21からプラ
ズマジェット65として同時に吹き出して被処理物7の
表面に吹きつけることによって、プラズマ処理を行うこ
とができる。
【0076】このプラズマ処理装置Aでは、プラズマジ
ェット65が吹き出される吹き出し口21を複数個設け
たので、被処理物7を水平面で移動させるようなテーブ
ルを用いることなく、図9に示すように、プラズマ処理
装置Aの下側に被処理物7をベルトコンベアなどの搬送
装置23で搬送して通過させることによって、被処理物
7の広範囲の複数箇所を同時に局所的に処理することが
でき、装置を簡素化することができるものである。従っ
て、電子部品のような部品に金属や樹脂がハイブリッド
で複合された被処理物7においても、アーク(ストリー
マー放電)が生じることなく個別にプラズマ処理するこ
とができるものである。
【0077】図10に他の実施の形態を示す。このプラ
ズマ処理装置Aは図3のものにおいて、流入防止手段5
を設けて形成されている。流入防止手段5は放電空間2
2における放電及びプラズマ生成用ガスの供給を停止し
てプラズマ処理を行っていない時に、有機物や湿気など
の微量の不純物を含有する反応管2の外部の空気が、吹
き出し口21から反応管2へ流入するのを防止するもの
である。流入防止手段5は蓋体6とこれを上下駆動させ
るシリンダーなどの駆動装置33で構成されており、駆
動装置33のロッド46の上端に蓋体6が設けられてい
る。そして蓋体6が吹き出し口21と対向するように反
応管2の下側に配置されている。蓋体6の上面には反応
管2の下端部の集束部20が挿入される収納凹部41が
凹設されている。収納凹部41はすり鉢状であって断面
略逆台形状に形成されており、収納凹部41の内周面に
は溝部42が全周に亘って凹設されていると共に、溝部
42にはパッキン102が挿着されている。
【0078】上記のプラズマ処理装置Aでプラズマ処理
を行う場合は、駆動装置33のロッド46を下動させて
蓋体6を下動させることによって吹き出し口21を開放
させ、吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き
出しようにする。またプラズマ処理を停止している場合
は、駆動装置33のロッド46を上動させて蓋体6を上
動させ、蓋体6の収納凹部41に反応管2の集束部20
を収納すると共にパッキン102を集束部20の外周面
に密着させ、吹き出し口21を蓋体6で閉塞するように
する。
【0079】プラズマ処理装置Aの停止時に、吹き出し
口21を開放したままにしておくと、反応管2の外部の
空気が吹き出し口21から反応管2内に侵入し、外部の
空気に含有されている有機物や湿気などの微量の不純物
が反応管2の内面や内側電極3の外面に付着することに
なるが、反応管2の内面や内側電極3の外面に付着した
不純物は、プラズマ処理装置Aの運転再開時(プラズマ
処理の再開時)に放電により再脱着して、プラズマのラ
ジカルの生成に悪影響(反応に寄与するラジカルを死活
させる)を与えることがあり、このためにプラズマの生
成が遅くなったりして通常のプラズマ生成量で運転を再
開するまでに時間がかかることがあった。そこでこの実
施の形態のプラズマ処理装置Aでは、プラズマ処理装置
Aの停止時に反応管2の吹き出し口21を閉塞する蓋体
6を設けることによって、プラズマ処理装置Aの停止時
に、外部の空気が吹き出し口21から反応管2へ流入す
るのを防止し、運転再開時にプラズマの生成を速く効率
よく行うことができるようにしたものである。
【0080】上記の流入防止手段5として蓋体6の代わ
りに、湿気や不純物が少ない(含有しない)乾燥空気を
用いることができる。つまりプラズマ処理装置Aの停止
時に吹き出し口21を開放した状態で、ガス導入管70
から反応管2の内部に乾燥空気を供給し続けると共に反
応管2の内部に供給した乾燥空気を吹き出し口21から
吹き出し続けるようにするのである。このように反応管
2に乾燥空気を供給し続けると共に供給した乾燥空気を
吹き出し口21から吹き出し続けるようにすることによ
って、吹き出し口21から外部の空気が反応管2の内部
に侵入するのを防止することができ、運転再開時にプラ
ズマの生成を速く効率よく行うことができるものであ
る。
【0081】また運転停止時に反応管2の内部に吸着し
た空気中の微量の不純物を除去することによっても、上
記の悪影響を緩和することができる。運転停止時に反応
管2の内部に吸着した空気中の微量の不純物を除去する
手段としては、例えば、反応管2を加熱するヒーターを
設けるのがよい。
【0082】図11に上記のプラズマ処理装置Aを用い
たプラズマ処理システムを示す。10は支持アームであ
って、前支持片36と後支持片37とで構成されてい
る。前支持片36の先端にはプラズマ処理装置Aを把持
するための把持部38が設けられており、プラズマ処理
装置Aは把持部38に把持させて設けられている。また
前支持片36は後支持片37に出没自在に取り付けられ
ており、このことで支持アーム10は伸縮自在に形成さ
れている。また後支持片37は支柱39に上下動自在及
び支柱39の周方向に回転自在に取り付けられており、
このことで支持アーム10は支柱39に対して上下動可
能及び回転動可能に形成されている。
【0083】11は設置台であって、被処理物7を載せ
て搬送することができるベルトコンベアなどの搬送機で
形成されている。またこの設置台11としては水平移動
可能なテーブルなどで形成することもできる。12はカ
メラ等で形成される検知器であって、制御装置48を構
成するものであり、設置台11の上方に配設されてお
り、被処理物7の位置合わせマーカー40を認識して被
処理物7の水平位置を検出するものである。14はマイ
クロコンピュータ、マイクロプロセッサー、CPU、パ
ーソナルコンピュータなどのコンピュータであって、制
御装置48を構成するものであり、上記支持アーム1
0、支柱39、検知器12、設置台11に電気的に接続
されている。
【0084】上記コンピュータ14には、プラズマ処理
される被処理物7の被処理部分13の位置が予め入力さ
れている。このことを被処理物7が図12に示すような
IC搭載回路基板である場合について説明する。8は回
路基板であって、その四隅には位置合わせマーカー40
が設けられている。また回路基板8の表面にはICなど
の電子部品43が搭載されるダイ部44が設けられてお
り、このダイ部44には複数個のボンディングパッド4
5がダイ部44の各辺に沿って並べて形成されている。
また回路基板8の表面には複数個のボンディングパッド
9が電子部品43を囲むように並べて形成されている。
さらに回路基板8の表面には一対のランド47が形成さ
れており、ランド47にはチップ抵抗などの電子部品4
3が半田49にて接合されている。
【0085】このようなIC搭載回路基板であって、電
子部品43を囲むボンディングパッド9の表面処理をプ
ラズマ処理で行う場合は、図12に示すように、電子部
品43を囲むような線に沿って被処理部分13が形成さ
れるが、この被処理部分13の開始点aと終点b及び複
数の通過点c、d、eの位置が(X,Y)座標で表され
てコンピュータ14に入力されている。つまり、所定の
位置に位置合わせされたIC搭載回路基板の位置合わせ
マーカー40を基準としてIC搭載回路基板上にX軸と
Y軸からなる直角座標を想定し、開始点aの位置を(X
1,Y1)、終点bの位置を(X5,Y5)、通過点
c、d、eの位置をそれぞれ(X2,Y2)、(X3,
Y3)、(X4,Y4)として座標で表してコンピュー
タ14に入力している。また上記コンピュータ14には
被処理物7の被処理部分13の処理時間として、プラズ
マ処理装置Aからプラズマを吹き出す時間が予め入力さ
れている。
【0086】このように形成されるプラズマ処理システ
ムでIC搭載回路基板の被処理部分13をプラズマ処理
するにあたっては、まず、設置台11で搬送されている
IC搭載回路基板の位置合わせマーカー40が検知器1
2に検知されると、その検知信号がコンピュータ14に
送られ、コンピュータ14がこの検知信号に基づいて設
置台11に停止信号を送って設置台11を停止させ、I
C搭載回路基板をプラズマ処理装置Aの下方の所定の位
置にセットする。
【0087】次に、コンピュータ14からの信号でプラ
ズマ処理装置Aを作動させると共にプラズマジェット6
5を吹き出させながらプラズマ処理装置Aを被処理部分
13の上方で移動させる。プラズマ処理装置Aは、開始
点aから通過点c、d、eをこの順で通過して終点bに
到達するように移動するが、この移動はコンピュータ1
4が予め入力された各点の座標に基づいて支持アーム1
0を伸縮させたり支持アーム10を支柱39に対して回
転させたりして支持アーム10や支柱39を制御するこ
とによって行われる。次に、処理時間が経過するとコン
ピュータ14からプラズマ処理装置Aに信号が送られて
プラズマジェット65の吹き出しが終点bの位置で停止
される。このようにして複数枚のIC搭載回路基板を設
置台11で順次送りながら連続的にプラズマ処理を行う
ことができる。
【0088】上記のようなプラズマ処理システムを用い
ることによって、プラズマ処理が電子部品43の周囲の
ボンディングパッド9にのみ限定されて施されることに
なり、プラズマ処理の不要な他の部分、例えば、電子部
品43、48や半田49や樹脂の部分にプラズマ処理の
影響が少なくなってダメージを小さくすることができ
る。特に、樹脂や半田などの耐熱性に乏しい部分を有す
る被処理物7には有効である。さらに250℃以下のプ
ラズマジェットでは、ICチップなどの電子部品43、
48のチャージアップダメージがほとんど生じないよう
にすることができる。また上記のプラズマ処理システム
は、開始点aと終点b及び複数の通過点c、d、eの座
標の値を代えることによって、例えば、電子部品43の
搭載前におけるダイ部44のボンディングパッド45の
表面処理やランド47の表面処理などに簡単に処理内容
を変更することができる。
【0089】また本発明により、フラックスを用いない
で半田接合を行うこともできる。本来、フラックスは半
田の表面に生じた酸化物層が接合に悪影響を及ぼすた
め、これを除去する役割をするものであるが、フラック
スが基板に残存するために、洗浄を施す必要がある。こ
れに対して本発明において、水素及びフッ素含有ガスを
混合したプラズマにより該酸化物層を除去することによ
り、全くフラックスを用いないで半田接合を行うことが
できる(後述の実施例12を参照)。
【0090】図13に他のプラズマ処理システムを示
す。71はボンベであって、プラズマ生成用ガスが種類
毎に分けて複数本のボンベ71に貯蔵されている。この
実施の形態では三本のボンベ71を用いており、そのう
ち一本はヘリウムガスを、他の一本はアルゴンガスを、
さらに他の一本はO2やH2やCF4などの反応性を有す
るガス(プラズマ活性種)をそれぞれ貯蔵している。各
ボンベ71は接続管72を介して一つのミキサー103
にそれぞれ接続されている。各接続管72には一次バル
ブ73、一次圧力計74、二次バルブ75、二次圧力計
76、供給量制御器77が設けられている。一次バルブ
73は制御装置48を構成する後述のコンピュータなど
のコンピュータ14により開閉が制御可能に形成されて
おり、プラズマ処理装置Aで異常な温度が感知された場
合にコンピュータ14からの指示により閉まって接続管
72の導通を遮断するものである。供給量制御器77は
ミキサー103に供給されるプラズマ生成用ガスの量を
調整するものである。ミキサー103は各ボンベ71か
ら供給される複数種のプラズマ生成用ガスを混合するも
のである。上記のミキサー103はガス配管78を介し
て反応管2のガス導入管70に接続されている。ガス配
管78の途中には逆火防止弁79が設けられており、プ
ラズマ処理装置Aで火災が起きた場合に、ガス配管78
を通じて火がミキサー103に到達しないようにこの逆
火防止弁79で火を遮断するのである。
【0091】82は冷媒を冷却する冷凍機であって、送
出管83と返送管84を介してタンク85に接続されて
いる。タンク85には導出管86の一端が接続されてお
り、導出管86の途中には循環手段4であるポンプ87
が設けられている。導出管86の他端には分岐器88が
設けられており、分岐器88には供給管接続管89と流
入管接続管90が接続されている。供給管接続管89は
プラズマ処理装置Aの内側電極3の供給管26に、また
流入管接続管90はプラズマ処理装置Aの外側電極1の
流入管34にそれぞれ接続されている。尚、このシステ
ムのプラズマ処理装置Aは図3の同様のものであるが、
外側電極1の流入管34と流出管35の上下の位置関係
は逆に形成されている。
【0092】91は流出管接続管であって、その一端が
プラズマ処理装置Aの外側電極1の流出管35に、他端
は混合器92にそれぞれ接続されている。93は排出管
部接続管であって、その一端は内側電極3の電極本体管
25の排出管部27に、他端は上記の混合器92にそれ
ぞれ接続されている。混合器92は導入管100により
上記のタンク85に接続されており、導入管100の途
中には冷媒の導入管100に流れる冷媒の温度を測定す
る熱電対温度計94が設けられている。この熱電対温度
計94はプラズマ処理装置Aの制御装置48を構成する
ものである。
【0093】15は高周波発生器等で形成される電源で
あり、給電線95を介してプラズマ処理装置Aの外側電
極1に電気的に接続されており、また給電線95の途中
には自動同調カップラー96が設けられている。自動同
調カップラー96は回路のインピーダンスの整合を自動
的に図るものである。97は制御装置48を構成する赤
外線温度計であり、プラズマ処理装置Aの外側電極1の
温度と被処理物7の処理部分の温度を測定するものであ
る。14は前述のコンピュータであって、プラズマ処理
装置Aの制御装置48を構成するものである。またコン
ピュータ14は上記の熱電対温度計94と赤外線温度計
97と入力線98で電気的に接続されており、熱電対温
度計94と赤外線温度計97での温度測定結果が入力線
98を介して入力されるようになっている。またコンピ
ュータ14は予めプログラミングされた手順に従って、
被処理物7を搬送するベルトコンベア等の搬送装置23
の搬送動作、プラズマ処理装置Aの下側に配設されるX
Yテーブル99の駆動動作、一次バルブ73の開閉動
作、ポンプ87による冷媒の流量調整動作、電源15に
おける高周波発生量調整動作や周波数調整動作、処理時
間などを自動的に制御するものである。尚、外側電極1
及び自動同調カップラー96からの回路と外側電極1が
接続される部分は、腐食するとインピーダンスの不整合
が生じるので、耐腐食性の材料、例えば金メッキ等を施
すのが好ましい。
【0094】上記のプラズマ処理システムで被処理物7
のプラズマ処理を行うにあたっては、次のようにする。
まずポンプ87で冷媒を冷凍機82とプラズマ処理装置
Aの間で循環させる。つまり、冷凍機82から送出管8
3を介して冷却された冷媒をタンク85に導入し、タン
ク85から導出管86を介して分岐器88に冷媒を供給
し、分岐器88で冷媒を供給管接続管89と流入管接続
管90に分岐して導入し、供給管接続管89から冷媒を
プラズマ処理装置Aの供給管26に供給すると共に流入
管接続管90から流入管34に冷媒を供給する。供給管
26に供給された冷媒は内側電極3の流路部29を通っ
て排出管部27から排出され、排出管部接続管93を介
して混合器92に導入される。一方、流入管34に供給
された冷媒はプラズマ処理装置Aの外側電極1の流通路
32を通って流出管35から排出され、流出管接続管9
1を介して混合器92に導入される。この後、冷媒は混
合器92から導入管100を介してタンク85に導入さ
れ、返送管84を介して冷凍機82に返送される。
【0095】上記のように冷媒を循環させた後、プラズ
マ処理装置Aにプラズマ生成用ガスを導入する。つま
り、一次バルブ73と二次バルブ75を開いた状態にし
てボンベ71から接続管72を介してミキサー103に
各種のプラズマ生成用ガスを供給し、ミキサー103で
プラズマ生成用ガスを混合した後、ガス配管78を介し
てガス導入管70に混合したプラズマ生成用ガスを供給
し、ガス導入管70から反応管2の放電空間22にプラ
ズマ生成用ガスを導入するのである。
【0096】上記のようにプラズマ生成用ガスを放電空
間22に導入した後、電源15で発生させた高周波電圧
を外側電極1に印加し、放電空間22に高周波電界を印
加する。尚、内側電極3は接地されている。そして放電
空間22に高周波電界を印加することによって、放電空
間22に導入されたプラズマ生成用ガスがプラズマ化さ
れて反応管2の吹き出し口21からプラズマジェット6
5として吹き出すようにする。
【0097】上記のようにして生成したプラズマジェッ
ト65が一定の出力になると、搬送装置23を駆動さ
せ、図12と同様の前工程を終了した被処理物7をXY
テーブル99の近傍にまで搬送する。次に、図14に示
すように、搬送装置23からXYテーブル99の上に被
処理物7を移して吹き出し口21の下側にセットする。
次に、XYテーブル99を水平面で移動させて被処理物
7の所望の箇所にプラズマジェット65を吹き付けてプ
ラズマ処理を行う。この後、処理済みの被処理物7をX
Yテーブル99から搬送装置23に移し、次工程へと搬
送する。
【0098】上記のようにプラズマ処理を行っている
間、冷媒の温度が熱電対温度計94で常に測定されてい
ると共に外側電極1及び被処理物7の温度が赤外線温度
計97で測定されており、これら測定結果はコンピュー
タ14に入力されている。そして冷媒や外側電極1の温
度が高すぎれば、ポンプ87による冷媒の流量や冷凍機
82による冷媒の冷却能力を上げるようにコンピュータ
14で制御し、また冷媒の温度が低すぎれば、ポンプ8
7による冷媒の流量や冷凍機82による冷媒の冷却能力
を下げるようにコンピュータ14で制御する。また冷媒
や外側電極1や被処理物7の温度が異常に高くなれば、
一次バルブ73を閉めて反応管2へのプラズマ生成用ガ
スの供給を遮断したり、また電源15での高周波の発生
を遮断したり、搬送装置23での被処理物7の搬送を停
止したりするようにコンピュータ14で制御する。
【0099】尚、本システムには図示されていないが、
一連の処理が終了し、プラズマ生成を停止させた後に、
図10に示した流入防止手段5の蓋体6の収納凹部41
に反応管2の集束部20の先端を埋入し、次の運転を再
開するまで吹き出し口21から外部の空気が反応管2の
内部に混入しないような状態で休止させることができ
る。
【0100】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0101】(実施例1)図1に示すプラズマ処理装置
Aを用いてプラズマ処理を行った。外側電極1としては
ステンレス製のメッシュを用い、これを反応管2の外周
に巻き付けた。この外側電極1の反応管2側の面の粗度
Raは1000μmであった。反応管2としては石英製
の円管(誘電率が3.6)を用いた。内側電極3として
は電極本体管25と供給管26で構成される二重管であ
って、ともにステンレス製のものを用いた。冷媒として
は純水を用いた。被処理物7としては厚み30μmのカ
プトンフィルム(東レデュポン製のポリイミドフィル
ム)を用いた。プラズマ生成用ガスとしては不活性ガス
であるヘリウムとアルゴン及び反応ガスの酸素の混合気
体を用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴン
の流量を1リットル/分、酸素の流量を100cc/分
と設定した。また反応管2から吹き出されるプラズマジ
ェット65の流速は5m/秒であった。
【0102】そして外側電極1に冷却した空気を吹き付
けて空冷し、内側電極3を冷媒によって冷却しながら、
内側電極3を接地し、外側電極1に高周波(周波数が1
3.56MHz、印加電力が250W)を印加すること
によってプラズマを生成し、吹き出し口21から吹き出
されるプラズマジェット65にて上記被処理物7のエッ
チングを行った。反応管2から吹き出されるプラズマジ
ェット65の温度は120℃であった。尚、このプラズ
マジェット65の温度は高周波ノイズを除去する回路を
有する熱電対で測定した。そしてプラズマ処理にて被処
理物7に孔が貫通するまでの時間を測定し、この結果か
らエッチング速度を求めると、20μm/分であった。
また被処理物7には熱的損傷及びストリーマー放電によ
る損傷は見られなかった。
【0103】(実施例2)図3に示すプラズマ処理装置
Aを用いてプラズマ処理を行った。外側電極1としては
図4に示す構造のもので銅製の円管物を用い、これを反
応管2の外周に挿着した。反応管2に密着させた外側電
極1の内面は粗度Raが100μmになるようにサンド
ブラストで加工されていた。反応管2としてはアルミナ
製の円管(誘電率が9.7)を用いた。内側電極3とし
ては電極本体管25と供給管26で構成される二重管で
あって、ともに銅製のものを用いた。冷媒としては純水
とエチレングリコールを1:1で混合した混合溶液を用
いた。被処理物7としては厚み30μmのカプトンフィ
ルム(東レデュポン製のポリイミドフィルム)を用い
た。プラズマ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘリ
ウムとアルゴン及び反応ガスのCO2の混合気体を用
い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴンの流量
を2リットル/分、CO2の流量を100cc/分と設
定した。また反応管2から吹き出されるプラズマジェッ
ト65の流速は8m/秒であった。
【0104】そして外側電極1と内側電極3を冷媒によ
って冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に
高周波(周波数が100kHz、印加電力が300W)
を印加することによってプラズマを生成し、吹き出し口
21から吹き出されるプラズマジェット65にて上記被
処理物7のエッチングを行った。反応管2から吹き出さ
れるプラズマジェット65の温度は120℃であった。
そしてプラズマ処理にて被処理物7に孔が貫通するまで
の時間を測定し、この結果からエッチング速度を求める
と、21μm/分であった。また被処理物7には熱的損
傷及びストリーマー放電による損傷は見られなかった。
【0105】(実施例3)図3に示すプラズマ処理装置
Aを用いてプラズマ処理を行った。外側電極1としては
図4に示す構造のもので真鍮製の円管物を用い、これを
反応管2の外周に挿着した。反応管2に密着させた外側
電極1の内面は粗度Raが50μmになるようにサンド
ブラストで加工されていた。反応管2としてはマグネシ
ア製の円管(誘電率が8.9)を用いた。内側電極3と
しては電極本体管25と供給管26で構成される二重管
であって、ともに銅製のものを用いた。冷媒としてはパ
ーフルオロカーボン溶液を用いた。被処理物7としては
シリコンウェハーに厚さ2μmのネガレジスト(東京応
化製のOMR83)を塗布して形成したものを用いた。
プラズマ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘリウム
とアルゴンの混合気体を用い、ヘリウムの流量を1リッ
トル/分、アルゴンの流量を2リットル/分と設定し
た。また反応管2から吹き出されるプラズマジェット6
5の流速は10m/秒であった。
【0106】そして外側電極1と内側電極3を冷媒によ
って冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に
高周波(周波数が13.56MHz、印加電力が400
W)を印加することによってプラズマを生成し、吹き出
し口21から吹き出されるプラズマジェット65にて上
記被処理物7のネガレジストの剥離を行った。反応管2
から吹き出されるプラズマジェット65の温度は100
℃であった。そして段差計(Sloan Technology社製のD
EKTAKIIA)にて処理部分と被処理部分の深さ分布
を測定した結果から剥離速度を求めると、1.5μm/
分であった。また被処理物7には熱的損傷及びストリー
マー放電による損傷は見られなかった。
【0107】(実施例4)図3に示すプラズマ処理装置
Aを用いてプラズマ処理を行った。外側電極1としては
図4に示す構造のもので真鍮製の円管物を用い、これを
反応管2の外周に挿着した。反応管2としてはイットリ
ア部分安定化ジルコニウム製の円管(誘電率が11.
0)を用いた。内側電極3としては電極本体管25と供
給管26で構成される二重管であって、ともに銅製のも
のを用いた。冷媒としてはハイドロフルオロエーテルを
用いた。被処理物7としてはシリコンウェハーにCu2
O膜をスパッタ蒸着して形成したものを用いた。プラズ
マ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘリウムとアル
ゴンの混合気体を用い、ヘリウムの流量を1リットル/
分、アルゴンの流量を2リットル/分と設定した。また
反応管2から吹き出されるプラズマジェット65の流速
は15m/秒であった。
【0108】そして外側電極1と内側電極3を冷媒によ
って冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に
高周波(周波数が15kHz、印加電力が300W)を
印加することによってプラズマを生成し、吹き出し口2
1から吹き出されるプラズマジェット65にて上記被処
理物7のCu2OのCuへの還元を行った。反応管2か
ら吹き出されるプラズマジェット65の温度は80℃で
あった。そしてX線光電子分光分析法(XPS)による
被処理物7の表面分析を行った結果から還元速度を求め
ると、0.2μm/分であった。また被処理物7には熱
的損傷及びストリーマー放電による損傷は見られなかっ
た。
【0109】(実施例5)被処理物7として図12に示
すようなIC搭載回路基板を用いた。このIC搭載回路
基板は次のようにして作成した。まず、ガラスエポキシ
基板の表面に電解金めっきを施して厚み0.5μmの回
路(ボンディングパッド9を含む)を形成して回路基板
8を形成した。次に、この回路基板8にクリーム半田を
スクリーン印刷し、クリーム半田にチップ抵抗を搭載し
てリフロー炉でチップ抵抗を回路基板8に接合した。さ
らに、回路基板8の表面にエポキシ系銀パラジウム接着
剤(日本エーブルスティック製の84−1MI)を塗布
し、ICをダイマウンターでマウントし、175℃、
1.5時間の加熱によって接着剤を硬化させて回路基板
8にIC(電子部品43)を搭載した。このICはプラ
ズマ処理によるチャージアップダメージ(給電時におけ
る損傷)を評価するために、シリコン基板の上に、厚み
10nmのSiO2層と厚み300nmのポリシリコン
を形成したチップを用いた。
【0110】この被処理物7のボンディングパッド9を
図11に示すプラズマ処理システムでプラズマ処理して
表面の洗浄をした。プラズマ処理装置Aとしては実施例
3と同様のものを用いた。また処理開始以前に、所定の
位置に位置合わせされたIC搭載回路基板の位置合わせ
マーカー40を基準としてIC搭載回路基板上にX軸と
Y軸からなる直角座標を想定し、回路基板8の角部に略
対応する位置において、開始点aの位置を(X1,Y
1)、終点bの位置を(X5,Y5)、通過点c、d、
eの位置をそれぞれ(X2,Y2)、(X3,Y3)、
(X4,Y4)として座標で表してコンピュータ14に
入力した。またプラズマ処理装置Aからプラズマを吹き
出す時間を予めコンピュータ14に入力した。
【0111】そしてまず、位置合わせマーカー40の位
置を検出器(画像処理装置)12で認識して、被処理物
7を正確に所定の位置まで設置台11にて搬送した。次
に、プラズマを吹き出させながらプラズマ処理装置Aを
被処理部分13の上方で移動させた。つまり、プラズマ
処理装置Aは開始点aから通過点c、d、eをこの順で
通過して終点bに到達するように移動させ、その速度は
毎秒2cmとした。プラズマ生成用ガスとしては不活性
ガスであるヘリウムとアルゴン及び反応ガスの酸素の混
合気体を用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アル
ゴンの流量を1リットル/分、酸素の流量を50cc/
分と設定した。また外側電極1への高周波の印加条件
を、周波数が100kHz、印加電力が200Wと設定
した。
【0112】そしてX線光電子分光分析法(XPS)に
よる被処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行
った結果、処理前は30nmの深さまで炭素が確認され
たが、処理後には3nm以下の深さで炭素が確認され、
ボンディングパッド9の炭素が減少していた。
【0113】(実施例6)プラズマ生成用ガスとして不
活性ガスであるヘリウムとアルゴンの混合気体を用い、
ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴンの流量を1
リットル/分と設定し、また外側電極1への高周波の印
加条件を、周波数が13.56MHz、印加電力が20
0Wと設定した。これら以外は実施例5と同様にしてプ
ラズマ処理を行った。
【0114】そしてX線光電子分光分析法(XPS)に
よる被処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行
った結果、処理前は30nmの深さまで炭素が確認され
たが、処理後には3nm以下の深さで炭素が確認され、
ボンディングパッド9の炭素が減少していた。
【0115】(実施例7)実施例5と同様の回路基板8
の回路(ボンディングパッド9を含む)に無電解フラッ
シュ金メッキを厚み0.05μmで施し、175℃、
1.5時間加熱した。これ以外は実施例5と同様にして
被処理物7を形成した。またプラズマ生成用ガスとして
不活性ガスであるヘリウムと反応ガスであるH2の混合
気体を用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、H2
流量を50cc/分と設定し、また外側電極1への高周
波の印加条件を、周波数が13.56MHz、印加電力
が300Wと設定した。これら以外は実施例5と同様に
して上記被処理物7のプラズマ処理を行った。
【0116】そしてX線光電子分光分析法(XPS)に
よる被処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行
った結果、処理前はニッケル水酸化物及びニッケル酸化
物のピークが主体であったが、処理後には金属ニッケル
に基づくピークのみであって、ボンディングパッド9の
ニッケル水酸化物及びニッケル酸化物が減少していた。
【0117】(実施例8)プラズマ生成用ガスとして不
活性ガスであるヘリウムとアルゴンの混合気体を用い、
ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴンの流量を2
リットル/分と設定し、また外側電極1への高周波の印
加条件を、周波数が15kHz、印加電力が100Wと
設定した。これら以外は実施例7と同様にしてプラズマ
処理を行った。
【0118】そしてX線光電子分光分析法(XPS)に
よる被処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行
った結果、処理前はニッケル水酸化物及びニッケル酸化
物のピークのみであったが、処理後には金属ニッケルに
基づくピークのみであって、ボンディングパッド9のニ
ッケル水酸化物及びニッケル酸化物が減少していた。
【0119】(実施例9)アルミナ基板に銀パラジウム
ペーストをスクリーン印刷し、これを焼き付けして回路
(ボンディングパッド9を含む)を形成した。これ以外
は実施例5と同様にして被処理物7を形成した。またプ
ラズマ生成用ガスとして不活性ガスであるヘリウムとア
ルゴン及び反応ガスのH2の混合気体を用い、ヘリウム
の流量を1リットル/分、アルゴンの流量を1リットル
/分、H2の流量を50cc/分と設定し、また外側電
極1への高周波の印加条件を、周波数が15kHz、印
加電力が100Wと設定した。これら以外は実施例5と
同様にして上記被処理物7のプラズマ処理を行った。
【0120】そしてX線光電子分光分析法(XPS)に
よる被処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行
った結果、処理前は酸化銀のピークが確認されたが、処
理後にはこのピークは金属銀に変化しており、ボンディ
ングパッド9の酸化銀が減少していた。
【0121】(実施例10)プラズマ生成用ガスとして
不活性ガスであるヘリウムを用い、ヘリウムの流量を2
リットル/分と設定し、また外側電極1への高周波の印
加条件を、周波数が100kHz、印加電力が100W
と設定した。これら以外は実施例9と同様にしてプラズ
マ処理を行った。
【0122】そしてX線光電子分光分析法(XPS)に
よる被処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行
った結果、処理前は酸化銀のピークが確認されたが、処
理後にはこのピークは金属銀に変化しており、ボンディ
ングパッド9の酸化銀が減少していた。
【0123】(実施例11)図5に示すプラズマ処理装
置Aを用いてプラズマ処理を行った。外側電極1として
は図4に示す構造のもので銅製の円管物を用い、これを
石英製の上筒部2aと下筒部2bの間に挟んで接合する
ようにして反応管2を形成した。外側電極1の内面は粗
度Raが50μmになるようにサンドブラストで加工さ
れていた。内側電極3としては電極本体管25と供給管
26で構成される二重管であって、ともに銅製のものを
用いた。冷媒としてはパーフルオロエチレン液を用い
た。被処理物7としては厚み50μmのカプトンフィル
ム(東レデュポン製のポリイミドフィルム)を用いた。
プラズマ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘリウム
と反応ガスである酸素の混合気体を用い、ヘリウムの流
量を3リットル/分、酸素の流量を150cc/分と設
定した。また反応管2から吹き出されるプラズマジェッ
ト65の流速は25m/秒であった。
【0124】そして外側電極1と内側電極3を冷媒によ
って冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に
高周波(周波数が200MHz、印加電力が200W)
を印加することによってプラズマを生成し、吹き出し口
21から吹き出されるプラズマジェット65にて上記被
処理物7のエッチングを行った。反応管2から吹き出さ
れるプラズマジェット65の温度は125℃であった。
そしてプラズマ処理にて被処理物7に孔が貫通するまで
の時間を測定し、この結果からエッチング速度を求める
と、35μm/分であった。また被処理物7には熱的損
傷及びストリーマー放電による損傷は見られなかった。
【0125】(実施例12)被処理物7としては半導体
チップとNi/Auメタライズ基板を用い、半導体チッ
プに形成されたSn−Ag半田バンプの表面、及びNi
/Auメタライズ基板のメタライズ部分を被処理部分1
3とした。そしてこれら被処理部分13を実施例5と同
様のプラズマ処理システムでプラズマ処理した。プラズ
マ生成用ガスとして不活性ガスであるヘリウムとアルゴ
ン及び反応ガスのO2とCF4の混合気体を用い、ヘリウ
ムの流量を0.5リットル/分、アルゴンの流量を0.
5リットル/分、O2の流量を25cc/分、CF4の流
量を25cc/分と設定し、また外側電極1への高周波
の印加条件を、周波数が2.45GHz、印加電力が5
00Wと設定し、さらにプラズマ処理時間を10秒と設
定した。これら以外は実施例5と同様にしてプラズマ処
理を行った。
【0126】そしてプラズマ処理された半導体チップと
Ni/Auメタライズ基板を大気中で位置合わせし、H
2/N2雰囲気中(酸素濃度80ppm)でベルト炉で2
30℃の条件でリフローを行った。その結果、プラズマ
処理前では半導体チップとNi/Auメタライズ基板は
接合することができなかったが、プラズマ処理後では良
好な接合強度が得られた。
【0127】(実施例13)被処理物7として実施例3
と同様の、シリコンウェハーに厚さ2μmのネガレジス
ト(東京応化製のOMR83)を塗布して形成したもの
を用いた。この被処理物7を図7に示すプラズマ処理装
置Aを用いてプラズマ処理(エッチング)を行った。外
側電極1及び内側電極3はともにステンレス製であっ
て、反応管2に密着させた外側電極1の内面及び内側電
極3の外面は粗度Raが50μmになるようにサンドブ
ラストで加工されていた。また内側電極3の外面には厚
さ50μmのSiO2の被膜がプラズマCVD法で均一
に形成した。反応管2としては石英製のものを用いた。
冷媒としてはパーフルオロカーボン溶液を用い、これを
外側電極1と内側電極3の両方に循環させて冷却した。
プラズマ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘリウム
とアルゴンと酸素の混合気体を用い、ヘリウムの流量を
1リットル/分、アルゴンの流量を3リットル/分、酸
素の流量を30cc/分と設定した。また反応管2から
吹き出されるプラズマジェット65の流速は10m/秒
であった。
【0128】そして外側電極1と内側電極3を冷媒によ
って冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に
高周波(周波数が60MHz、印加電力が300W)を
印加することによってプラズマを生成し、吹き出し口2
1から吹き出されるプラズマジェット65にて上記被処
理物7のネガレジストの剥離を行った。そして段差計
(Sloan Technology社製のDEKTAKIIA)にて処理
部分と被処理部分の深さ分布を測定した結果からエッチ
ング速度を求めると、5.0μm/分であった。また被
処理物7には熱的損傷及びストリーマー放電による損傷
は見られなかった。
【0129】(実施例14)被処理物7としてOMPA
C(Over Molded Pad Array Carrier) 型BGA(Ball Gr
id Array)基板を使用した。これは0.5mmの厚みのB
T(ビスマレイミドトリアジン)基板に太陽インキ製レ
ジスト(PSR-4000AUS5)を40μmの厚みに塗布したも
のである。基板のサイズは50×200mmであった。
このBGA基板の一部分にはボンディングパッドを含む
金メッキ回路部が形成され、更に実施例5と同様のIC
チップが搭載されている。この基板を図8に示すプラズ
マ処理装置を使用し、図9に示す装置によりプラズマ処
理を行った。搬送装置23の搬送速度は2cm/秒であ
った。プラズマ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘ
リウムとアルゴン及び反応ガスの酸素の混合気体を用
い、ヘリウムの流量を3リットル/分、アルゴンの流量
を5リットル/分、酸素の流量を100cc/分と設定
した。
【0130】そして、外側電極1と内側電極3をイオン
交換水の循環によって冷却し、内側電極3を接地し、外
側電極1に高周波(13.56MHz,500W)を印
加することによってプラズマを生成させ、吹きだし口2
1から吹き出されるプラズマジェットにて被処理物7を
連続的に処理した。
【0131】このように処理した基板について処理前と
性能を比較した。処理前ではレジスト部の水の接触角は
80度であったが、処理後は8度に低下し、表面が親水
性に改質された。また金メッキボンディングパッド部と
ICとをワイヤボンディングした結果、表1に示すよう
に、著しい性能の向上が確認された。
【0132】そして、X線光電子分光分析法(XPS)
による被処理物のボンディングパッド部の表面分析を行
った結果、処理前は50ナノメートルの深さまで炭素が
認められたが、処理後は3ナノメートル以下まで炭素が
減少している事が確認された。さらに、基板にプラスコ
ン製封止樹脂(SMT-B-1)をその底面積が1cm 2
になるようにプリン状に成形し、封止樹脂の基板との剪
断剥離強度を測定した結果、処理前の基板は2MPaで
あったが、処理後は10MPaと大きく強度が向上し
た。また、ICのチャージアップダメージもなかった。
【0133】(実施例15)図10に示すような蓋体6
を有する流入防止手段5で、運転停止時に吹き出し口2
1を閉塞した以外は、実施例3と同様にしてネガレジス
ト(東京応化製のOMR83)のエッチングを行った。
【0134】運転停止時に蓋体6を被せていない場合
は、エッチング速度が定常に達するまでに10分間かか
ったが、運転停止時に蓋体6を被せた場合は、1分以内
でエッチング速度が定常状態に達した。
【0135】(比較例1)電極1,3を冷却しなかった
以外は、実施例1と同様にしてプラズマ処理を行った。
またプラズマ処理中に図16のようなストリーマー放電
が発生し、被処理物7を均質にエッチングすることがで
きなかった。また内側電極3の表面は酸化されて黒変し
ていた。
【0136】(比較例2)冷媒によって外側電極1と内
側電極3を冷却せず、且つ印加電力を250Wにした以
外は、実施例3と同様にしてプラズマ処理を行った。
尚、250W以上の電力は電極の熱溶融等が生じるため
印加することができなかった。反応管2から吹き出され
るプラズマジェット65の温度は340℃であった。そ
して実施例3と同様にネガレジストの剥離を試みたが、
ネガレジストが炭化して剥離することができなかった。
【0137】(比較例3)冷媒によって外側電極1と内
側電極3を冷却せず、且つ印加電力を250Wにした以
外は、実施例4と同様にしてプラズマ処理を行った。
尚、250W以上の電力は電極の熱溶融等が生じるため
印加することができなかった。反応管2から吹き出され
るプラズマジェット65の温度は340℃であった。そ
して実施例4と同様にCu2OのCuへの還元を試みた
が、シリコンウェハーが空気中で加熱されて酸化が生じ
て黒変した。
【0138】(比較例4)実施例5と同様の被処理物7
を図15に示す従来のプラズマ処理装置で処理した。5
0は反応槽であって、その内部には上部電極51と下部
電極52が対向して配置されている。また反応槽50の
上面には絶縁物53が装着されており、この絶縁物53
を貫通する配線62にて上部電極51と交流電源54が
接続されている。尚、交流電源54は接地されている。
また反応槽50の下面には絶縁物55が装着されてお
り、この絶縁物55を貫通する配線61にて下部電極5
2は接地されている。また下部電極52の上面には固体
誘電体59が設けられている。さらに反応槽50の上部
にはガス導入口56が設けられていると共に反応槽50
の下部にはガス導出口57が設けられている。
【0139】そして固体誘電体59の上に被処理物7を
載せ、ガス導入口56からプラズマ生成用ガスを導入す
ると共に上部電極51と下部電極52の間に交流を印加
してプラズマ処理を行った。プラズマ生成用ガスとして
は実施例5と同組成の混合気体を用い、各ガスの流量も
実施例5にした。また下部電極52への高周波の印加条
件も実施例5の外側電極1への印加条件と同様に設定し
た。さらに反応槽50内の圧力を760Torr、処理
時間2分とした。
【0140】X線光電子分光分析法(XPS)による被
処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行った結
果、処理前は30nmの深さまで炭素が確認され、処理
後にも10nmの深さまで炭素が確認され、実施例5よ
りも処理効果が低いことが確認された。
【0141】(比較例5)実施例7と同様の被処理物7
を図15に示す従来のプラズマ処理装置を用いて比較例
4と同様に処理した。プラズマ生成用ガスとしては実施
例7と同組成の混合気体を用い、各ガスの流量も実施例
7にした。また下部電極52への高周波の印加条件も実
施例7の外側電極1への印加条件と同様に設定した。さ
らに反応槽50内の圧力を760Torr、処理時間2
分とした。
【0142】X線光電子分光分析法(XPS)による被
処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行った結
果、処理後にもニッケル水酸化物及びニッケル酸化物の
ピークが確認され、実施例7よりも処理効果が低いこと
が確認された。
【0143】(比較例6)実施例10と同様の被処理物
7を図15に示す従来のプラズマ処理装置を用いて比較
例4と同様に処理した。プラズマ生成用ガスとしては実
施例10と同組成の混合気体を用い、各ガスの流量も実
施例10にした。また下部電極52への高周波の印加条
件も実施例10の外側電極1への印加条件と同様に設定
した。さらに反応槽50内の圧力を760Torr、処
理時間2分とした。
【0144】X線光電子分光分析法(XPS)による被
処理物7のボンディングパッド9の表面分析を行った結
果、処理後にも一部酸化銀のピークが確認され、実施例
10よりも処理効果が低いことが確認された。
【0145】(比較例7)上記実施例5乃至9におい
て、冷媒による外側電極1と内側電極3の冷却を行わな
い以外は、各実施例と同条件でプラズマ処理を行ったと
ころ、被処理物7が熱のために破損した。
【0146】次に、実施例6乃至10、13及び比較例
4乃至6で処理された被処理物7において、ICとボン
ディングパッド9をカイジョー製のワイヤボンダー(F
P−118AP)にてワイヤボンディング接合した。接
合条件は0.7W、20msec、150℃の条件であ
った。このように接合されたワイヤボンド強度(接合強
度)と取れモードを評価した。取れモードBはワイヤと
半田ボールとの間で切れたことを示す。取れモードCは
ワイヤの中央部分で切れたことを示す。取れモードDは
ワイヤとボンディングパッド9の界面で剥離したことを
示す。取れモードEはワイヤがボンディングパッド9に
接合されなかったことを示す。またICのチャージアッ
プダメージを評価するために、シリコン基板の上に、厚
み10nmのSiO2層と厚み300nmのポリシリコ
ン(多結晶シリコン)を形成したチップを用い、電流密
度1nA/10μm2で破壊判定電圧V<8ボルトとし
た。結果を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】表1から明らかなように、本発明の実施例
5、6あるいは実施例7、8、あるいは実施例9、1
0、13で処理した場合、比較例4、5、6で処理する
よりも、ワイヤボンド強度や取れモードが向上し、チャ
ージアップダメージによる不良率も大幅に少なくなっ
た。
【0149】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、外側電極を備えた筒状の反応管、及び反応管の
内部に配置される内側電極を具備して構成され、反応管
に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体を
導入すると共に外側電極と内側電極の間に交流電界を印
加することにより大気圧下で反応管の内部にグロー放電
を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出すよ
うにするプラズマ処理装置において、外側電極と内側電
極に冷却手段を設けるので、冷却手段で外側電極と内側
電極の両方を冷却手段で冷却することによって、大気圧
下で周波数及び出力の高い交流でプラズマを生成して
も、外側電極と内側電極の両方の温度上昇を抑えること
ができ、プラズマの温度が高くならないようにすること
ができて被処理物の熱的損傷を少なくすることができる
ものであり、また均質なグロー放電を生成してストリー
マー放電の生成を抑えることができ、被処理物のストリ
ーマー放電による損傷を少なくすることができるもので
ある。
【0150】また本発明の請求項2に記載の発明は、冷
却手段として不凍性及び絶縁性を有する液体の冷媒を用
いるので、凍結することがなく、また電気的な絶縁性を
損なうことなく、外側電極及び内側電極の温度上昇を抑
えることができるものである。
【0151】また本発明の請求項3に記載の発明は、冷
媒を循環させる循環手段を具備したので、冷却能力の低
下した冷媒を外側電極や内側電極から取り出すと共に冷
却能力の高い冷媒を外側電極と内側電極に供給すること
ができ、外側電極と内側電極の温度上昇を確実に防止す
ることができるものである。
【0152】また本発明の請求項4に記載の発明は、外
側電極として内側電極と絶縁された金属製の円筒管を用
いるので、金属製の円筒管を用いて放熱性を高くするこ
とによって、冷媒による外側電極の冷却の効率を高くす
ることができるものである。
【0153】また本発明の請求項5に記載の発明は、絶
縁性材料で反応管を形成すると共に反応管の外周に金属
製の外側電極を設けるので、外側電極と内側電極の間に
電気的絶縁性材料からなるバリア層を形成することがで
き、より高い放電の安定化を図ることができるものであ
る。
【0154】また本発明の請求項6に記載の発明は、反
応管から吹き出すプラズマジェットの温度を250℃以
下に制御するための制御手段を具備するので、制御手段
により電極の温度上昇を抑えることができ、熱的損傷や
ストリーマー放電による損傷を少なくして被処理物をプ
ラズマ処理することができるものである。
【0155】また本発明の請求項7に記載の発明は、外
側電極と内側電極の少なくとも一方の表面粗度が10〜
1000μmであるので、放電の均一化を図ることがで
き、より高い放電の安定化を図ることができるものであ
る。
【0156】また本発明の請求項8に記載の発明は、誘
電率が2000以下の絶縁性材料で反応管を形成するの
で、外側電極と内側電極の間に印加する電圧を小さくす
ることができ、プラズマの温度上昇を抑えることができ
るものである。
【0157】また本発明の請求項9に記載の発明は、内
側電極の表面を絶縁性材料でコーティングしたので、外
側電極と内側電極の間に印加する電圧を小さくすること
ができ、プラズマの温度上昇を抑えることができるもの
である。
【0158】また本発明の請求項10に記載の発明は、
プラズマジェットが吹き出される吹き出し口を反応管の
先端面に設け、反応管の先端を吹き出し口側に向かって
先細りとなるテーパー構造に形成したので、放電空間の
体積を小さくすることなくプラズマジェットの流速を上
げることができ、被処理物のプラズマ処理を効率よく行
うことができるものである。
【0159】また本発明の請求項11に記載の発明は、
プラズマジェットが吹き出される吹き出し口を反応管の
先端面に少なくとも1個以上設けたので、複数個の吹き
出し口から同時にプラズマジェットを吹き出すことがで
き、被処理物の複数箇所を同時に局所的に処理すること
ができるものである。
【0160】また本発明の請求項12に記載の発明は、
吹き出し口からの反応管への不純物含有空気の流入を防
止するための流入防止手段を具備したので、運転停止時
に有機物や湿気などの微量の不純物を含有する反応管の
外部の空気が、吹き出し口から反応管へ流入するのを防
止することができ、運転再開時にプラズマの生成を速く
効率よく行うことができるものである。
【0161】また本発明の請求項13に記載の発明は、
流入防止手段が吹き出し口を塞ぐ蓋体であるので、運転
停止時に反応管の吹き出し口を蓋体で閉塞することによ
って、有機物や湿気などの微量の不純物を含有する反応
管の外部の空気が、吹き出し口から反応管へ流入するの
を防止することができ、運転再開時にプラズマの生成を
速く効率よく行うことができるものである。
【0162】また本発明の請求項14に記載の発明は、
流入防止手段が吹き出し口から吹き出される乾燥空気で
あるので、運転停止時に乾燥空気を吹き出し口から吹き
出し続けるようにすることによって、吹き出し口から外
部の空気が反応管の内部に侵入するのを防止することが
でき、運転再開時にプラズマの生成を速く効率よく行う
ことができるものである。
【0163】また本発明の請求項15に記載の発明は、
外側電極を備えた筒状の反応管の内部に内側電極を配置
し、反応管に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの
混合気体を導入すると共に外側電極と内側電極の間に交
流電界を印加することにより大気圧下で反応管の内部に
グロー放電を発生させ、反応管から被処理物にプラズマ
ジェットを吹き出すようにするプラズマ処理方法におい
て、外側電極と内側電極を冷却しながら外側電極と内側
電極の間に交流電界を印加するので、外側電極と内側電
極の両方を冷却することによって、大気圧下で周波数の
高い交流でプラズマを生成しても、外側電極及び内側電
極の温度上昇を抑えることができ、プラズマの温度が高
くならないようにすることができて被処理物の熱的損傷
を少なくすることができるものであり、また均質なグロ
ー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えること
ができ、被処理物のストリーマー放電による損傷を少な
くすることができるものである。
【0164】また本発明の請求項16に記載の発明は、
被処理物が回路基板であって、回路をプラズマ処理する
ので、回路の表面改質処理を良好に行うことができ、回
路の半田性などを向上させることができるものである。
【0165】また本発明の請求項17に記載の発明は、
プラズマで処理される回路がボンディングパッドである
ので、ボンディングパッドの表面改質処理を良好に行う
ことができ、ボンディングパッドのワイヤボンド強度や
半田性を向上させることができるものである。また回路
基板に封止処理を行う場合、封止材と基板との密着性を
向上させ、回路基板としての信頼性を高めることができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上の一部を拡大した断面図である。
【図3】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図4】同上の外側電極の一例を示す斜視図である。
【図5】同上のさらに他の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図6】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は
側面図、(b)は断面図である。
【図7】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は
断面図、(b)は一部の断面図、(c)は底面図であ
る。
【図8】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は
一部が破断した側面図、(b)は断面図である。
【図9】同上の使用状態を示す断面図である。
【図10】同上の他の実施の形態を示す断面図である。
【図11】同上のプラズマ処理装置を用いたシステムを
示す概略図である。
【図12】同上の被処理物を示す平面図である。
【図13】同上のプラズマ処理装置を用いた他のシステ
ムを示す概略図である。
【図14】同上の一部の平面図である。
【図15】比較例を示す断面図である。
【図16】(a)(b)は従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外側電極 2 反応管 3 内側電極 4 循環手段 5 流入防止手段 6 蓋体 7 被処理物 8 回路基板 9 ボンディングパッド 21 吹き出し口 48 制御装置 65 プラズマジェット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05H 1/24 H01L 21/302 N (72)発明者 山崎 圭一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 井上 吉民 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側電極を備えた筒状の反応管、及び反
    応管の内部に配置される内側電極を具備して構成され、
    反応管に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合
    気体を導入すると共に外側電極と内側電極の間に交流電
    界を印加することにより大気圧下で反応管の内部にグロ
    ー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き
    出すようにするプラズマ処理装置において、外側電極と
    内側電極に冷却手段を設けて成ることを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 冷却手段として不凍性及び絶縁性を有す
    る液体の冷媒を用いて成ることを特徴とする請求項1に
    記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 冷媒を循環させる循環手段を具備して成
    ることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装
    置。
  4. 【請求項4】 外側電極として内側電極と絶縁された金
    属製の円筒管を用いて成ることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 絶縁性材料で反応管を形成すると共に反
    応管の外周に金属製の外側電極を設けて成ることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理
    装置。
  6. 【請求項6】 反応管から吹き出すプラズマジェットの
    温度を250℃以下に制御するための制御手段を具備し
    て成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 外側電極と内側電極の少なくとも一方の
    表面粗度が10〜1000μmであることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 誘電率が2000以下の絶縁性材料で反
    応管を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】 内側電極の表面を絶縁性材料でコーティ
    ングして成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】 プラズマジェットが吹き出される吹き
    出し口を反応管の先端面に設け、反応管の先端を吹き出
    し口側に向かって先細りとなるテーパー構造に形成して
    成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載
    のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】 プラズマジェットが吹き出される吹き
    出し口を反応管の先端面に少なくとも1個以上設けて成
    ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載
    のプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】 吹き出し口からの反応管への不純物含
    有空気の流入を防止するための流入防止手段を具備して
    成ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記
    載のプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】 流入防止手段が吹き出し口を塞ぐ蓋体
    であることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処
    理装置。
  14. 【請求項14】 流入防止手段が吹き出し口から吹き出
    される乾燥空気であることを特徴とする請求項12に記
    載のプラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】 外側電極を備えた筒状の反応管の内部
    に内側電極を配置し、反応管に不活性ガスまたは不活性
    ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極と
    内側電極の間に交流電界を印加することにより大気圧下
    で反応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管から被
    処理物にプラズマジェットを吹き出すようにするプラズ
    マ処理方法において、外側電極と内側電極を冷却しなが
    ら外側電極と内側電極の間に交流電界を印加することを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  16. 【請求項16】 被処理物が回路基板であって、回路を
    プラズマ処理することを特徴とする請求項15に記載の
    プラズマ処理方法。
  17. 【請求項17】 プラズマ処理される回路がボンディン
    グパッドであることを特徴とする請求項16に記載のプ
    ラズマ処理方法。
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