JP4075237B2 - プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズマを発生させるためのプラズマ処理システム、及びこれを用いたプラズマ処理方法に関するものであり、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被処理物にプラズマジェットを供給して被処理物にプラズマ処理を施すことが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プラズマジェットは高温であるために、被処理物に反りや変形や変色などの熱的ダメージが生じるという問題があった。特に、被処理物がフィルムBGA(Ball Grid Array)、テープBGA、TAB(Tape Automated Bonding)、フィルムCSP(Chip Size Package)などの基板、すなわち、カプトンやポリイミドなどの合成樹脂製でフィルム(テープ)状に形成されたものであると、上記のような熱的ダメージが特に問題になるものであった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、被処理物の熱的ダメージを低減することができるプラズマ処理システム及びプラズマ処理方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラズマ処理システムは、大気圧下で生成したプラズマを被処理物7に供給して被処理物7にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理システムであって、プラズマ処理中に被処理物7を冷却するための冷却手段50を備え、円管のワーク台51とワーク台51を流れる冷媒とで前記冷却手段50を形成し、フィルム状の被処理物7を接触させるための接触部52をワーク台51の外面に形成し、反応管2の外周に高圧電極63と接地電極64とを上下に対向させて配置すると共に反応管2の内部において高圧電極63と接地電極64の間に放電空間22を形成し、放電空間22の体積を減少させるための体積減少具8を反応管2の内部に設け、高圧電極63と接地電極64の間に電圧を印加することにより放電空間22で発生したプラズマを反応管2から吹き出すための吹き出し口21を前記ワーク台51の接触部52の上方に設けて成ることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明の請求項2に係るプラズマ処理システムは、請求項1の構成に加えて、ワーク台51を支点として長尺の被処理物7を屈曲させながらワーク台51を挟んで一方側から他方側に被処理物7を搬送するための搬送手段53を具備して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明の請求項3に係るプラズマ処理システムは、請求項2の構成に加えて、被処理物7の屈曲角度βを20〜160°にして成ることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項4に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理システムを用いて被処理物7のプラズマ処理を行うことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1にプラズマ処理システムの参考例を示す。このプラズマ処理システムは、プラズマ処理装置A、冷却手段50、搬送手段53などを備えて形成されている。また、プラズマ処理装置Aは反応管2、外側電極1、内側電極3などを備えて形成されている。反応管2は絶縁性材料(誘電体材料)で円筒状に形成されるものであって、その下端には直径が下側ほど小さくなるように絞り込まれたテーパー構造の集束部20が形成されていると共に、反応管2の下端面である集束部20の下面には吹き出し口21が設けられている。このように集束部20を設けないで吹き出し口21の口径を反応管2の直径とほぼ同じに形成した場合、吹き出し口21から吹き出されるプラズマジェット65の流速を上げようとすると、後述の外側電極1と内側電極3の間隔を小さくして放電空間22の体積を小さくしなければならず、このために外側電極1と内側電極3の冷却が難しくなるが、本発明のように反応管2よりも直径が絞り込まれた集束部20を設けることによって、放電空間22の体積を小さくすることなくプラズマジェット65の流速を上げることができ、被処理物7のプラズマ処理を効率よく行うことができる。被処理物7の表面のクリーニングに適したプラズマジェット65の流速を得るためには、集束部20の外周面と集束部20以外の反応管2の外周面との間に形成されるテーパー角αが10〜30°であることが好ましい。
【0012】
吹き出し口21の開口面積は、直径が0.1〜5mmの真円の面積に相当する大きさに形成されている。吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よりも小さすぎると、吹き出されるプラズマジェット65の処理範囲が小さくなりすぎて、被処理物7のプラズマ処理に長時間を要することになり、逆に、吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よりも大きすぎると、吹き出されるプラズマジェット65の処理範囲が大きくなりすぎて、被処理物7に局所的なプラズマ処理を施すことができなくなる恐れがある。
【0013】
また反応管2の上部にはガス導入管70が突設されている。反応管2を形成する絶縁性材料の誘電率は放電空間22の低温化の重要な要素であって、誘電率が2000以下の絶縁性材料を用いるのが好ましい。反応管2の絶縁性材料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22でのプラズマの温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。反応管2の絶縁性材料の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、これよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなければならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間22でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0014】
反応管2を形成する絶縁性材料として具体的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。またマグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁性材料で反応管2を形成することもでき、このことでグロー放電の安定化を図ることができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高いので、プラズマ中のイオンが反応管2の表面(内面)に衝突した場合、反応管2の表面から二次電子が多量に放出されることになり、この二次電子が反応管2の表面に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれると推察される。
【0015】
集束部20の上側部分において反応管2の外周には金属製の外側電極1が全周に亘って設けられている。外側電極1の金属材料としては熱伝導性の高いものであることが好ましく、このことで外側電極1の放熱性が向上して放電の均一化を図ることができる。具体的には外側電極1の金属材料として、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレスなどを用いることができる。また外側電極1は、図2に示すように、筒状の外壁30の内側に筒状の内壁31を形成すると共に外壁30と内壁31の間に上下が閉塞された流通路32を形成し、外壁30の外面の上部に流通路32と連通する流入管34を設けると共に流入管34の反対側の位置において外壁30の外面の下部に流通路32と連通する流出管35を設けるようにして形成されている。また内壁31の内周面をサンドブラスト処理等の加工で粗面化することによって、外側電極1の反応管2側の表面の算術平均粗さで表した粗度を10〜1000μmに設定するのが好ましい。このことで、放電空間22における放電の均一化を図ることができる。これはミクロ的に見た場合に、非常に微細なマイクロディスチャージの集合体が形成され、アークへの移行が阻害されるためであると考えられる。外側電極1の表面の粗度が10μm未満であれば、放電しにくくなる恐れがあり、外側電極1の表面の粗度が1000μmを超えると、放電の不均一化が生じる恐れがある。このように外側電極1の表面を粗面化する加工としては、サンドブラストなどの物理的手段を採用することができる。尚、表面粗さをy=f(x)の形に表した場合の算術平均粗さRa(μm)はJIS B 0601で以下の式(1)で定義されている。
【0016】
【数1】
【0017】
そして内壁31の内周面を反応管2の外周に接触させるようにして外側電極1は反応管2の外側に挿着されている。
【0018】
反応管2の内部には反応管2の中心部を上下に貫くように内側電極(中心電極)3が配設されている。この内側電極3は電極本体管25と供給管26から構成される二重管で形成されている。電極本体管25は上下面が閉口する中空の棒状に形成されるものであって、反応管2よりも上側に突出する箇所には排出管部27が設けられている。電極本体管25よりも小径に形成される供給管26は、電極本体管25の中心部を貫くように電極本体管25の下部から電極本体管25の上側に突出するまでに設けられており、電極本体管25の上側に突出する部分は供給部28として形成されている。そして内側電極3の内部において電極本体管25と供給管26の間には、排出管部27と連通する流路部29として形成されている。これら電極本体管25と供給管26は外側電極1と同様の金属材料で形成されることが好ましく、また電極本体管25の外面は外側電極1と同様に粗面化されているのが好ましい。
【0019】
内側電極3の電極本体管25の直径(外径)は1〜20mmに設定するのが好ましい。電極本体管25の直径が1mm未満であれば、放電空間22の面する内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こりにくくなり、プラズマを充分に生成することができなくなる恐れがあり、電極本体管25の直径が20mmを超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大きくしなければならず、装置が大型化する恐れがある。
【0020】
放電空間22における放電の安定化のために、内側電極3の電極本体管25の表面は絶縁性材料(誘電体材料)の被膜でコーティングされていることが好ましい。またこのコーティングで用いる絶縁性材料の誘電率は2000以下であることが好ましく、絶縁性材料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22でのプラズマの温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。絶縁性材料の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、これよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなければならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間22でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0021】
内側電極3の電極本体管25のコーティングに用いる絶縁性材料として具体的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。さらに、アルミナ、チタニア、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)などの誘電体材質のものを例示することができる。またマグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁性材料を用いることもでき、このことでグロー放電の安定化を図ることができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高いので、プラズマ中のイオンが内側電極3の表面のコーティングに衝突した場合、コーティングの表面から二次電子が多量に放出されることになり、この二次電子がコーティングの表面に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれると推察される。このようなマグネシアを含む絶縁性材料としては、例えば、アルミナ等のセラミック粉末の中に微量(0.01〜5vol%)のマグネシアを添加して焼結した焼結体、及び石英などのガラス質の表面にCVD等でMgO膜を形成したものなどを挙げることができる。
【0022】
また内側電極3の電極本体管25の表面にコーティングするにあたっては、絶縁性材料で円筒体(セラミック管やガラス管)を形成し、これの内側に内側電極3を挿着して密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、PZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、内側電極3の電極本体管25の表面に吹き付けるようにするプラズマ溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散し、内側電極3の電極本体管25の表面にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)により内側電極3の電極本体管25の表面を絶縁性材料でコーティングすることもでき、これらの方法を採用することによって、極めて緻密で平滑な吸着性の乏しい絶縁性材料の被膜で内側電極3の表面をコーティングすることができ、放電の安定化をより促進することができる。
【0023】
このように形成される内側電極3は集束部20の上側から反応管2の上側に突出するまでに設けられており、反応管2の内部において複数個の支持具24にて支持されている。そして反応管2の内部において、外側電極1と内側電極3の間の空間が放電空間22として内側電極3を囲うように形成されている。上記の放電空間22の下端から吹き出し口21までの距離、すなわち外側電極1や内側電極3の下端から吹き出し口21までの距離であって、集束部20の高さ寸法は、20mm以下に設定するのが好ましい。この距離が20mmを超えると、活性の高い生きたプラズマ活性種(ラジカルやイオンなど)を消滅させる前に、プラズマジェット65を被処理物7に吹き付けることができなくなって、被処理物7に対するプラズマ処理の能力が低下する恐れがある。従って、放電空間22の下端から吹き出し口21までの距離を20mm以下にすることによって、活性の高い生きたプラズマ活性種を消滅させる前に、吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出して被処理物7に吹き付けることができ、被処理物7のプラズマ処理を高めることができる。放電空間22の下端から吹き出し口21までの距離は小さいほど好ましいので、下限は0である。
【0024】
また外側電極1の内面と内側電極3の外面の間の距離(放電空間22の幅寸法)は1〜10mmに設定するのが好ましい。この距離が1mm未満であれば、外側電極1と内側電極3の距離が近すぎて安定な放電を得ることができなくなる恐れがあり、この距離が10mmを超えると、外側電極1と内側電極3の距離が遠すぎて印加電力を大きくしなければならず、外側電極1や内側電極3の温度が上昇して安定な放電を得ることができなくなる恐れがある。
【0025】
上記の外側電極1や内側電極3を冷却するための冷媒、及び後述の冷却手段として用いる冷媒は流体であって、イオン交換水や純水を使用することができるが、0℃で不凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性や化学安定性を有する液体であることが好ましく、冷媒の電気絶縁性能は0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であることが好ましい。この範囲の絶縁性を有する冷媒を用いる理由は、高電圧が印加される電極からの漏電を防止するためである。このような性質を有する冷媒としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を例示することができ、また純水にエチレングリコールを5〜60重量%添加した混合液であってもよい。
【0026】
上記の内側電極3を冷媒によって冷却するにあたっては、供給部28の上端の開口から冷媒を供給管26に供給する(矢印▲2▼)と共に、供給管26の下端の開口から冷媒を内側電極3の内部の流路部29に流入し、冷媒を流路部29に充満させるようにして行うことができる。また流路部29に充満させた冷媒は内側電極3の温度上昇により温度が高くなり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下した冷媒は排出管部27を通じて流路部29から排出し(矢印▲3▼)、これと同時に供給管26を通じて冷却能力の高い冷媒を新たに流路部29に導入するようにする。流路部29から排出された冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のように供給管26を通じて流路部29に導入される。このように冷媒を循環させることによって、内側電極3を常に冷却して所望の温度に保つことができる。上記のように内側電極3の流路部29と冷凍機の間で循環させる循環手段としてはポンプを用いることができる。
【0027】
また、上記の外側電極1を冷媒によって冷却するにあたっては、流入管34を通じて冷媒を流通路32に供給して(矢印▲4▼)、冷媒を流通路32に充満させるようにして外側電極1の冷却を行うようにしている。また流通路32に充満させた冷媒は外側電極1の温度上昇により温度が高くなり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下した冷媒は流出管35を通じて流通路32から排出し(矢印▲5▼)、これと同時に流入管34を通じて冷却能力の高い冷媒を新たに流通路32に導入するようにする。流通路32から排出された冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のように流入管34を通じて流通路32に導入される。このように冷媒を循環させることによって、外側電極1を常に冷却して所望の温度に保つことができる。上記のように外側電極1の流通路32と冷凍機の間で循環させる循環手段としては内側電極3の循環手段と同様にポンプを用いることができる。
【0028】
このように外側電極1と内側電極の両方を冷媒により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流でプラズマを生成しても、外側電極1と内側電極3の両方の温度上昇を抑えることができ、よってプラズマの温度(ガス温度)がより高くならないようにすることができて被処理物7の熱的損傷を少なくすることができるものである。また外側電極1と内側電極3の両方を冷却することによって、放電空間22の局所的な加熱をより防ぐことができ、より均質なグロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えることができて被処理物7のストリーマー放電による損傷をより少なくすることができるものである。これは、外側電極1と内側電極3の両方を冷却することによって、外側電極1と内側電極3の両方からの部分的な電子の放出が抑えられるためであると考えられる。
【0029】
上記のように形成されるプラズマ処理装置Aでプラズマを発生させるにあたっては、まず、ガス導入管70を通じて反応管2の内部にプラズマ生成用ガスを導入する(矢印▲1▼)と共に、外側電極1と内側電極3に高周波などの交流を印加し、さらにこれと同時に外側電極1と内側電極3を冷媒によって冷却する。この後、外側電極1と内側電極3の間に印加された交流電界により大気圧下で反応管2の放電空間22でグロー放電を発生させ、グロー放電で反応管2の内部に導入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化する。そして、このように生成されたプラズマ活性種を含むプラズマは吹き出し口21からプラズマジェット65として吹き出されるのである。
【0030】
プラズマジェット65の温度は250℃以下にするのが好ましい。このような温度にするために、外側電極1及び内側電極3はその表面温度が350℃以下になるように冷却されるのが好ましい。内側電極3の表面温度が350℃を超えると、放電空間22にストリーマー放電が生成されて、均質なグロー放電が生成されない恐れがある。尚、内側電極3の表面温度の下限値は特に設定されず、例えば0℃以下であってもよく、冷媒が凍結しない温度であればよい。そしてこのように反応管2から吹き出すプラズマジェット65の温度を250℃以下に制御するために制御手段を用いるのが好ましい。制御手段は熱電対などの温度センサーとパーソナルコンピュータなどで構成される温度コントローラーから構成されるものであって、温度センサーで測定し、この測定結果に基づいて温度コントローラーで循環手段による冷媒の循環流量や冷凍機の冷却による冷媒の温度や高周波出力を制御してプラズマジェット65の温度を250℃以下に制御するのである。尚、プラズマジェット65の温度は被処理物7やプラズマ処理の種類に応じて変更し、被処理物7を処理することができる温度以上にする。
【0031】
吹き出し口21から吹き出されるプラズマジェット65の流速は、2〜30m/秒に設定するのが好ましい。プラズマジェット65の流速が2m/秒未満であれば、プラズマジェット65の処理能力が小さすぎて被処理物7をプラズマ処理するのに長時間を要することになる恐れがあり、プラズマジェット65の流速が30m/秒を超えると、プラズマジェット65の処理能力が大きすぎて被処理物7が破損する恐れがある。そしてプラズマジェット65の流速が上記の範囲となるように、吹き出し口21の口径や集束部20の傾斜の度合いを調整して設定するのである。
【0032】
また、外側電極1と内側電極3に印加される交流の周波数は、1kHz〜50GHz、好ましくは10kHz〜200MHzに設定される。交流の周波数が1kHz未満であれば、放電空間22での放電を安定化させることができなくなる恐れがあり、交流の周波数が50GHzを超えると、放電空間22でのプラズマの温度上昇が著しくなる恐れがある。また外側電極1と内側電極3に交流を印加する場合、外側電極1と電源15を接続し、内側電極3を接地するのが好ましく、このことで内側電極3と被処理物7の間のストリーマー放電を抑制することができる。これは、内側電極3と被処理物7の間の電位差がほとんど0になり、ストリーマー放電が生成されにくくなるためであり、特に、被処理物7に金属部分が含まれている場合はストリーマー放電の生成が著しくなるので、内側電極3を接地するのが好ましい。尚、図1のものでは内側電極3は供給管26の供給部28から接地されている。
【0033】
また、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22に印加される印加電力は20〜3500W/cm3に設定するのが好ましい。放電空間22に印加される印加電力が20W/cm3未満であれば、プラズマを充分に発生させることができなくなり、逆に、放電空間22に印加される印加電力が3500W/cm3を超えると、安定した放電を得ることができなくなる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm3)は、(印加電力/放電空間体積)で定義される。
【0034】
プラズマ生成用ガスとしては、不活性ガス(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を用いることができる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮すると、アルゴンやヘリウムを用いるのが好ましい。またアルゴン単独ではストリーマー放電が生成し易いので、アルゴンをヘリウムで希釈した混合ガスを用いることが好ましく、その混合比率は放電空間22の温度とも密接に関連するが、プラズマジェット65の温度を250℃以下にした場合は、アルゴンを90重量%以下にするのが好ましい。これよりもアルゴンが多くなると、ストリーマー放電が生じ易くなる恐れがある。尚、アルゴンが多いとストリーマー放電が生じ易くなるのは、アルゴンがヘリウムに比べて準安定状態のエネルギーや寿命がヘリウムに比べて小さいためであると考えられる。
【0035】
また上記反応ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。反応ガスの添加量は不活性ガスに対して10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添加量が0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる恐れがあり、反応ガスの添加量が10重量%を超えると、放電が不安定になる恐れがある。
【0036】
また上記有機物の除去や無機物の還元・除去の処理は、反応ガスを用いなくても不活性ガスのみで行うことができる。つまり、被処理物7の表面の酸化やフッ素化を起こさないでも上記処理が行える。これは、プラズマ内部に存在する不活性ガスのイオンやラジカルの運動エネルギーとガス流(プラズマが吹き出す際の流れ)の運動エネルギーが合わさってプラズマが被処理物7にアタックすることによる効果であり、このアタックにより被処理物7の表面の化合物の結合エネルギーを切断して除去するためであると考えられる。
【0037】
冷却手段50は、ステンレス鋼管などで断面略円形の円管(円筒)で形成されるワーク台51とワーク台51の内部の流路61を流れる冷媒とで形成されている。ワーク台51はプラズマ処理装置Aの吹き出し口21の下側で略水平に長く配置されており、ワーク台51の外面の上側略半分は被処理物7の下面を接触させるための接触部52として形成されている。この接触部52はプラズマ処理装置Aの吹き出し口21の略真下に形成されている。また、ワーク台51に下側にはワーク台51と同様の返送管54がワーク台51と略平行に配設されている。この返送管54の一端はワーク台51の一端と直接接続されていると共に返送管54の他端はワーク台51の他端とポンプ55を介して接続されている。そして、図3に矢印で示すように、ポンプ55により冷媒をワーク台51と返送管54の流路61に流通させて循環させることによって冷媒でワーク台51を冷却し、ワーク台51が冷却されることによって、接触部52に接触している被処理物7を冷却することができるのである。
【0038】
搬送手段53は、断面略円形の丸棒で形成される送りローラ55と巻き取りローラ56で構成されている。送りローラ55はワーク台51の長手方向(軸方向)と直交する方向の一方側に、巻き取りローラ56はワーク台51の長手方向と直交する方向の他方側にそれぞれ配置されている。また、送りローラ55と巻き取りローラ56はワーク台51より下側で互いに対向するように略水平に配置されている。さらに、送りローラ55と巻き取りローラ56とワーク台51は略平行に配置されている。また、これら送りローラ55と巻き取りローラ56はモーター等の駆動機(図示省略)で回転駆動自在に形成されている。
【0039】
そして、上記のように形成されるプラズマ処理システムを用いてフィルム状で長尺の被処理物7にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、送りローラ55の外周に巻かれた被処理物7の端部を巻き取りローラ56の外周に巻き付けて送りローラ55と巻き取りローラ56の間に被処理物7を掛架する。この時、プラズマ処理装置Aの吹き出し口21とワーク台51の接触部52の間を被処理物7が通過し、且つ被処理物7の下面がワーク台51の接触部52に接触するように掛架する。従って、被処理物7はワーク台51の接触部52を支点として上下に屈曲された状態となって、被処理物7にテンションが掛かった状態となる。次に、上述のようにプラズマ処理装置Aの吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出すと共に送りローラ55と巻き取りローラ56を回転駆動させて被処理物7を送りローラ55から巻き取りローラ56へと屈曲させながら(テンションを掛けながら)搬送する。そして、このように被処理物7を接触部52に接触させながら吹き出し口21の下側を通過するように搬送することによって、被処理物7を接触部52で冷却することができると共に被処理物7の上面(表面)にプラズマジェット65を供給することができ、被処理物7を冷却しながら被処理物7の上面に全長に亘ってプラズマ処理を連続的に施すことができるのである。尚、被処理物7の搬送速度や被処理物7と吹き出し口21の間隔は、被処理物7の種類やプラズマの生成条件等によって異なるが、被処理物7の搬送速度は0.1mm/秒〜200mm/秒に、被処理物7と吹き出し口21の間隔は2〜10mmにそれぞれ設定するのが好ましい。
【0040】
上記の参考例では、プラズマ処理中に被処理物7を冷却するための冷却手段50を備えるので、冷却手段50で冷却しながら被処理物7にプラズマ処理を施すことができ、プラズマ処理による被処理物7の変形や反りなどの熱的ダメージを低減することができるものである。また、ワーク台51を支点として長尺の被処理物7を屈曲させながら搬送するための搬送手段53を具備するので、被処理物7を搬送手段53で搬送することによって、被処理物7にテンションを掛けながらプラズマ処理を施すことができ、冷却手段50であるワーク台51の接触部52と被処理物7の密着性が高まって被処理物7が効率よく冷却されると共に被処理物7がテンションにより曲がらないように延ばされることになって、被処理物7に変形や反りがより生じにくくなるものであり、しかも、送りローラ55と巻き取りローラ56の間で被処理物7が弛まないように搬送することができるものである。そして、このようにして被処理物7の熱的ダメージが低減されることによって、例えば、被処理物7のワイヤボンディング性が向上するのである。尚、一般的に上記のような冷媒を用いた冷却手段50は、ペルチェ素子などを用いた電気的な冷却手段よりも安価に形成することができるというメリットもある。また、上記のような冷媒を用いた冷却手段50は冷媒の循環により連続的で安定した被処理物7の冷却が可能となり、ワーク台51の温度が制御し易いものである。
【0041】
被処理物7の屈曲角度βは20〜160°に設定するのが好ましく、このことで、被処理物7に変形や反りがより生じにくくなると共に安定的な生産性を確保することができるものである。屈曲角度βが20°未満であれば、被処理物7を安定して搬送しにくくなる恐れがあり、また、屈曲角度βが160°を超えると、被処理物7に掛かるテンションが小さくなって被処理物7を安定して搬送しにくくなったり被処理物7の変形防止や反り防止の効果が得にくくなる恐れがある。尚、被処理物7の屈曲角度βは図1に示すように、ワーク台51を挟んで両側に位置する被処理物7のプラズマ処理前の部分とプラズマ処理後の部分とのなす角度(小さい方の角度)である。そして、屈曲角度βが20〜160°となるように、送りローラ55と巻き取りローラ56の間隔やワーク台51に対する送りローラ55と巻き取りローラ56の高さ位置を調整するようにする。
【0042】
図4に本発明の実施の形態を示す。このプラズマ処理システムは、図1に示すプラズマ処理装置Aの外側電極1と内側電極3の代わりに、高圧電極63と接地電極64を用いるようにしたものであり、その他の構成は上記の参考例とほぼ同様に形成されている。すなわち、上面がガス導入口90として開口された反応管2の外周に高圧電極63と接地電極64を接触させて設けると共に高圧電極63と接地電極64を上下に対向させて配置することによってプラズマ処理装置Aが形成されており、反応管2の内部において高圧電極63と接地電極64の間に放電空間22が形成されている。反応管2を形成する材料は上記と同様である。
【0043】
高圧電極63と接地電極64は、その冷却効率を高くするために熱伝導性の高い金属材料、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス(SUS304など)などで形成されており、図5に示すように両電極63、64は同形であって、環状(リング状)に形成されている。高圧電極63と接地電極64の略中央部には上下に貫通する挿着孔10が形成されており、挿着孔10の孔径は反応管2の外径とほぼ同一に形成されている。また、高圧電極63と接地電極64の内部は冷媒が流通可能な流通部11として形成されており、高圧電極63と接地電極64の外周面には流通部11と連通する供給管12と排出管13が突設されている。
【0044】
高圧電極63と接地電極64の内周面(挿着孔10を構成する面)は反応管2と接触する当接面14として形成されており、当接面14の算術平均粗さで表した表面粗度は10〜1000μmに設定されている。このように当接面14の表面粗度を10〜1000μmに設定することによって、放電空間22における放電の均一化を図ることができる。
【0045】
そして、反応管2を挿着孔10に差し込むことによって、高圧電極63と接地電極64を反応管2の外周に取り付けると共に高圧電極63と接地電極64の内周面の当接面14を反応管2の外周面に接触させるように配置する。また、高圧電極63は交流電界を発生させる電源15と接続されると共に接地電極64は接地される。接地電極64は高圧電極63の下側で集束部20の上側に位置するように、すなわち、吹き出し口21と高圧電極63の間に位置するように配置される。このことで、接地電極64が高圧電極63よりも被処理物7に近くに位置することになり、すなわち、高圧電極63が接地電極64よりも被処理物7から遠くに位置することになり、高圧電極63から被処理物7にアーク放電が飛びにくくなって、アーク放電による被処理物7の破損を防止することができるものである。
【0046】
高圧電極63と接地電極64の間隔L(高圧電極63の下端と接地電極64の上端の間隔L)は3〜20mmに設定するのが好ましい。高圧電極63と接地電極64の間隔Lが3mm未満であれば、反応管2の外部で高圧電極63と接地電極64の間で短絡が起こって放電空間22で放電が起こらなくなる恐れがあり、しかも、放電空間22が狭くなって、効率よくプラズマジェット65を生成することが難しくなる恐れがある。また、高圧電極63と接地電極64の間隔Lが20mmを超えると、放電空間22で放電が起こりにくくなって、効率よくプラズマジェット65を生成することが難しくなる恐れがある。
【0047】
また、反応管2の内部には体積減少具8が設けられている。体積減少具8の下部は放電空間22内に位置しており、体積減少具8で放電空間22の体積が図1のものよりも減少している。このように放電空間22の体積を減少させるための体積減少具8を設けることによって、放電空間22における単位体積あたりの投入電力(交流電界)を増加させることができ、プラズマジェット65の生成の効率を向上させることができるものである。
【0048】
体積減少具8は中身が詰まった棒体で形成してもよいが、図6に示すように、冷媒で冷却可能な二重管構造に形成するのが好ましい。二重管構造の体積減少具8は円筒状の冷却管71と導入管72から構成されており、冷却管71の内周面と導入管72の外周面の間が冷媒の通る冷媒流路73として形成されている。そして矢印▲4▼で示すように、導入管72の上端開口から導入管72内に冷媒を供給すると共に、導入管72内の冷媒を導入管72の下端開口から吐出して冷媒流路73に冷媒を供給し、矢印▲5▼で示すように、冷媒流路73内の冷媒を冷却管71の上部に突設した導出管74から排出するようにして冷媒を流通させることによって、体積減少具8を冷却することができる。
【0049】
そしてこのように体積減少具8を冷却することによって、体積減少具8の熱による劣化を低減することができ、体積減少具8の長寿命化を図ることができるものであり、しかも、体積減少具8の周囲の放電空間22で生成されるプラズマ5の温度を低下させることができ、被処理物7の熱によるダメージを少なくすることができるものである。
【0050】
体積減少具8(特に、冷却管71)は反応管2と同様の絶縁材料で形成するのが好ましく、このことで体積減少具8からスパッタリングや腐食により不純物が生じないようにすることができ、長期間の使用であっても被処理物7が不純物より汚染されないようにすることができるものである。また、体積減少具8はステンレス鋼等の金属材料で形成することもできるが、この場合、体積減少具8(特に、冷却管71)の表面は、絶縁材料で保護膜でコーティングするのが好ましい。
【0051】
この保護膜に使用する絶縁材料としては、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。さらに、アルミナ(Al2O3)、酸化チタン(チタニアでTiO2)、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)などの誘電体材質のものを例示することができる。またマグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁材料を用いることもできる。
【0052】
また、保護膜を形成するにあたっては、絶縁材料で円筒体(セラミック管やガラス管)を形成し、これの内側に体積減少具8を挿着して密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、酸化チタン、PZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、体積減少具8の表面に吹き付けるようにするプラズマ溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散し、体積減少具8の表面にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)により体積減少具8の表面を保護膜でコーティングすることもでき、これらの方法を採用することによって、極めて緻密で平滑な吸着性の乏しい保護膜で体積減少具8の表面をコーティングすることができ、放電の安定化をより促進することができる。現実的な処理時間及びコストを考慮すると、上記の溶射法を用いるのが好ましい。
【0053】
また、保護膜の厚みは10〜500μmに設定するのが好ましい。保護膜の厚みが10μm未満であれば、体積減少具8の劣化防止の効果が小さく、体積減少具8の長寿命化を図りにくくなる恐れがあり、保護膜の厚みが500μmを超えても体積減少具8の劣化防止の効果は大きく向上せず、保護膜に使用する絶縁材料の消費量が無駄に多くなって経済的に不利になる恐れがある。
【0054】
また、体積減少具8の表面と保護膜の間には、ニッケル、クロム、アルミニウム、イットリウムを含む合金膜で形成されるアンダーコートを介在させるのが好ましい。アンダーコートは合金の溶射により形成することができ、具体的な合金としては、Ni−Cr、Ni−Al、Ni−Cr−Al−Yなどを例示することができる。体積減少具8は室温と高温のプラズマ下の繰り返しによる熱応力負荷環境に置かれることになり、この熱応力で保護膜が剥離してしまう恐れがある。そこで、保護膜にかかる熱応力負荷の衝撃を緩和させるためにアンダーコートを設けるようにする。金属である体積減少具8と合金であるアンダーコートと絶縁材料である保護膜の熱膨張率の関係は、金属の膨張率>合金の膨張率>絶縁材料の膨張率となり、体積減少具8の熱による伸縮がアンダーコートの介在によって保護膜に伝わりにくくなり、このことで、保護膜が剥離しにくくなって体積減少具8の長寿命化を図ることができるものである。
【0055】
また、保護膜には封孔処理を施すのが好ましい。封孔処理は保護膜の欠陥部分を埋める処理であって、SiO2、TiO2、Al2O3などの誘電体を含む溶液に浸漬して行う。この封孔処理を行うことによって、高圧電極63と金属製の体積減少具8の間でアーク放電を起こりにくくすることができ、プラズマジェット65の加熱による体積減少具8の劣化を防止して体積減少具8の長寿命化を図ることができるものである。
【0056】
体積減少具8は反応管2の中心を上下に貫くように配置されている。つまり、反応管2の長手方向(上下方向)に長い中心線と体積減少具8の長手方向(上下方向)に長い中心線とがほぼ合致するように、反応管2と体積減少具8はほぼ同軸(同心円状)に配置されている。このように反応管2と体積減少具8をほぼ同軸に配置することによって、反応管2の内周面と体積減少具8の外周面の間に形成される放電空間22の体積を均一化することができ、放電空間22における交流電界の密度が均一化されて、プラズマジェット65を効率よく生成することができるものであり、しかも、生成されるプラズマジェット65が均質化されて高品質のプラズマ処理を行うことができるものである。
【0057】
上記のように形成されるプラズマ処理装置Aでプラズマを発生させるにあたっては、まず、矢印▲1▼で示すようにガス導入口90から反応管2の内部にプラズマ生成用ガスを上から下に向かって流して導入すると共に高圧電極63に電源15から高周波電圧を印加して、高圧電極63と接地電極64の間の放電空間22に高周波の交流電界を印加する。この交流電界の印加により大気圧下で放電空間22にグロー放電を発生させ、グロー放電でプラズマ生成用ガスをプラズマ化する。そして、このように生成されたプラズマ活性種を含むプラズマは吹き出し口21からプラズマジェット65として吹き出されるのである。尚、プラズマ生成用ガスの種類や印加電力や印加される交流の周波数などのプラズマ生成の際の条件は上記と同様に設定することができる。
【0058】
また上記のようにプラズマジェット65を発生させている間、高圧電極63と接地電極64は冷媒により冷却されている。つまり、矢印▲2▼で示すように供給管12を通じて高圧電極63と接地電極64の内部の流通部11に冷媒を供給することによって、高圧電極63と接地電極64が冷却される。流通部11に供給された冷媒は、矢印▲3▼で示すように排出管13を通じて排出される。そして、高圧電極63と接地電極64を冷媒により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流でプラズマを生成しても、高圧電極63と接地電極64の両方の温度上昇をより抑えることができ、よってプラズマジェット65の温度(ガス温度)がより高くならないようにすることができて被処理物7の熱的損傷をより少なくすることができるものである。また高圧電極63と接地電極64の両方を冷却することによって、放電空間22の局所的な加熱をより防ぐことができ、より均質なグロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えることができて被処理物7のストリーマー放電による損傷をより少なくすることができるものである。これは、高圧電極63と接地電極64の両方を冷却することによって、高圧電極63と接地電極64の両方からの部分的な電子の放出が抑えられるためであると考えられる。
【0059】
そしてこのプラズマ処理装置Aは、放電空間22に交流電界を印加するための高圧電極63と接地電極64の両方を反応管2の外側に設けるので、高圧電極63と接地電極64の両方がプラズマジェット65に直接曝されることが無くなって、プラズマジェット65によりスパッタリングを受けないようにすることができると共に反応ガスにより腐食されないようにすることができ、高圧電極63と接地電極64がダメージを受けなくなって寿命を長くすることができるものである。しかも、スパッタリングや腐食により不純物が生じないので、長期間の使用であっても被処理物7が不純物より汚染されないようにすることができるものである。
【0060】
また、高圧電極63と接地電極64をプラズマ生成用ガスの導入方向と略平行に並ぶように、すなわち、高圧電極63と接地電極64を上下に並べて対向させて配置するので、放電空間22に生成される交流電界の方向とプラズマ生成用ガス及びプラズマジェット65の流れ方向とをほぼ一致させることができ、プラズマジェット65の活性種を効率よく生成することができるものであり、しかも、高圧電極63と接地電極64の間隔Lを変えることによって、放電空間22の大きさを簡単に変えることができ、プラズマジェット65の生成量を容易に調整することができるものである。
【0061】
また、高圧電極63と接地電極64が対向する方向(高圧電極63と接地電極64が並ぶ上下方向)において、少なくとも一部の電気力線が反応管2の内面に沿って形成されるので、図1に示す実施の形態のように、全ての電気力線が反応管2の内面の垂直方向に形成される場合に比べて反応管2の劣化が小さくなり、反応管2の内面からその構成物質が飛び出しにくくなって被処理物7が不純物により汚染されるのを少なくすることができる。
【0062】
そして、このように形成されるプラズマ処理装置Aの下方に上記の参考例と同様に冷却手段50と搬送手段53を配設することによって、図4に示すようなプラズマ処理システムを形成することができる。このプラズマ処理システムは図1に示す参考例と同様にして長尺のフィルム状の被処理物7にプラズマ処理を施すことができ、また、図1に示す参考例と同様の効果を奏するものである。
【0063】
図7に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理システムのプラズマ処理装置Aとしては図1又は図4に示すものを用いることができる。また、冷却手段50は冷却気体と冷却気体を吹き出す吹き出し管80とから構成されている。冷却気体としては35℃程度の冷却空気や窒素ガスなどのガスを用いることができる。吹き出し管80はプラズマ処理装置Aの吹き出し口21よりも下側で上下方向に傾けて配設されており、吹き出し口21側に向く吹き出し管80の上端部の開口は噴出口81として形成されている。
【0064】
そして、このように形成されるプラズマ処理システムを用いて被処理物7にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、プラズマ処理装置Aの吹き出し口21の下側に被処理物7を配置する。次に、上述のようにプラズマ処理装置Aの吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出して被処理物7の上面に供給すると共に吹き出し管80を流通させて冷却気体を噴出口81から吹き出して被処理物7の下面に供給する。このようにして被処理物7を冷却気体で冷却しながらプラズマ処理することができるのである。尚、この実施の形態は被処理物7としてフィルム状でないものが好ましく、BGA用回路基板などの剛性があり平板状のものを被処理物7とするのが好ましい。
【0065】
この実施の形態では、吹き出し管80からの冷却気体の吹き出し方を間欠的、連続的、瞬間的などに変えることによって、被処理物7の冷却の仕方を間欠的、連続的、瞬間的などに容易に変えることができ、被処理物7の種類などに応じたプラズマ処理が行いやすくなるものである。
【0066】
図8に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理システムのプラズマ処理装置Aとしては図1又は図4に示すものを用いることができる。また、冷却手段50としては電気的冷却器82を用いることができる。電気的冷却器82は電源ユニット83からの通電により吸熱するペルチェ素子を備えたものを例示することができ、さらに具体的には、電気的冷却器82として電子冷熱方式のプレート方式のクリーニングプレート(コマツエレクトロニクス製のCU−XX)と電源ユニット83(コマツエレクトロニクス製のMR−2015)を例示することができる。この電気的冷却器82はプラズマ処理装置Aの吹き出し口21の下側に配設されている。
【0067】
そして、このように形成されるプラズマ処理システムを用いて被処理物7にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、電気的冷却器82の上に被処理物7を載置してプラズマ処理装置Aの吹き出し口21の下側に被処理物7を配置する。次に、上述のようにプラズマ処理装置Aの吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出して被処理物7の上面に供給すると共に電気的冷却器82に通電する。このようにして被処理物7を電気的冷却器82で冷却しながらプラズマ処理することができるのである。尚、この実施の形態は被処理物7としてフィルム状でないものが好ましく、BGA用回路基板などの剛性があり平板状のものを被処理物7とするのが好ましい。
【0068】
この実施の形態では、上記の実施の形態のように冷媒を用いないので、冷媒の漏れなどが発生する恐れがなく、また、冷却手段50の取り扱いが簡単となり、プラズマ処理が行いやすくなるものである。
【0069】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0070】
(参考例1)
図1に示すプラズマ処理システム用いてプラズマ処理を行った。外側電極1としては図2に示す構造のもので銅製の円管物を用い、これを反応管2の外周に挿着した。反応管2に密着させた外側電極1の内面は粗度Raが100μmになるようにサンドブラストで加工されていた。反応管2としては外径が16mm、内径が13mm、テーパー角が20°の石英製の円管を用いた。内側電極3としては電極本体管25と供給管26で構成される二重管であって、ともにステンレス製のものを用いた。外側電極1と内側電極3を冷却する冷媒としてはパーフルオロカーボン溶液(不凍液)を用いた。
【0071】
冷却手段50のワーク台51及び返送管54はφ50mm、肉厚2mmの管状のステンレス鋼管(SUS304管)で形成し、ワーク台51及び返送管54で略ロ字状の流路61を形成した。この流路61にポンプ55で純水を冷媒として循環させた。
【0072】
被処理物7としてはカプトンフィルム上に無電界金メッキ回路が形成された厚さ0.1μmのフィルムBGA用の基板を用いた。プラズマ生成用ガスとしては不活性ガスであるヘリウムとアルゴンと酸素の混合気体を用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴンの流量を3リットル/分、酸素の流量を60cc/分と設定した。また反応管2から吹き出されるプラズマジェット65の流速は10m/秒であった。
【0073】
そして外側電極1と内側電極3を冷媒によって冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に高周波(周波数が13.56MHz、印加電力が250W)を印加することによってプラズマを生成し、吹き出し口21から吹き出されるプラズマジェット65にて上記被処理物7の回路のクリーニング処理(プラズマ処理)を行った。この時、被処理物7の搬送速度を30mm/秒とし、冷却手段50により被処理物7を冷却しながらクリーニング処理を行った。
【0074】
この結果、被処理物7の回路のワイヤボンディング強度がプラズマ処理前で5.0gであったのに対して、プラズマ処理後は8.0gに向上した。また、被処理物7に反りや変色などの熱的ダメージは生じなかった。
【0075】
(比較例1)
被処理物7を冷却しなかった以外は、参考例1と同様にして被処理物7の回路のクリーニング処理を行った。
【0076】
この結果、被処理物7の回路のワイヤボンディング強度がプラズマ処理前で5.0gであったのに対して、プラズマ処理後は3.0gに減少した。また、被処理物7に反りが生じた。
【0077】
(実施例2)
図4に示すプラズマ処理システム用いてプラズマ処理を行った。反応管2としては石英ガラス管を用い、外径を16mm、内径を13mmに形成した。また、テーパー角は20°とした。高圧電極63と接地電極64は銅製であって、接触面14の算術平均粗さは100μmに形成した。また、高圧電極63と接地電極64を冷却する冷媒としては純水を用いた。さらに、反応管2の内部には体積減少具8として外径が8mmの石英管を挿入して設けた。この体積減少具8は図6に示すような二重管構造を有するものであり、プラズマ処理中に純水を冷媒として用いて冷却した。
【0078】
冷却手段50の電気的冷却器82としてはコマツエレクトロニクス製のクリーニングプレート(CU−XX)を用い、電源ユニット83としてはコマツエレクトロニクス製のMR−2015を用いた。
【0079】
被処理物7としては、アルミナ基板に銀パラジウムペーストをスクリーン印刷し、これを焼き付けしてボンディングパッド部を含む回路を形成したものを使用した。プラズマ生成用ガスはヘリウムを1リットル/min、アルゴンを1リットル/minの割合で混合して流して反応管2に供給した。
【0080】
そして放電空間22に100Wで200MHzの高周波電界を印加してプラズマを発生させ、これを吹き出し口21からプラズマジェット65としてに吹き出し、電気的冷却器82に載置された被処理物7の表面に3秒間供給し、被処理物7を電気的冷却器82で冷却しながらプラズマ処理(被処理物7のボンディングパッド部の表面の改質処理及びクリーニング処理)を行った。尚、電気的冷却器82の設定温度は20℃とした。
【0081】
この結果、被処理物7のボンディングパッド部のワイヤボンディング強度がプラズマ処理前で5.1gであったのに対して、プラズマ処理後は8.5gに向上した。また、被処理物7の銀/エポキシ部分の変色は見られなかった。
【0082】
(比較例2)
被処理物7を冷却しなかった以外は、実施例2と同様にして被処理物7の回路のクリーニング処理を行った。
【0083】
この結果、被処理物7の回路のワイヤボンディング強度がプラズマ処理前で5.1gであったのに対して、プラズマ処理後は6.5gに向上にした。また、被処理物7の銀/エポキシ部分に一部変色が見られた。
【0084】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、大気圧下で生成したプラズマを被処理物に供給して被処理物にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理システムであって、プラズマ処理中に被処理物を冷却するための冷却手段を備えるので、冷却手段で冷却しながら被処理物にプラズマ処理を施すことができ、プラズマ処理による被処理物の変形や反りなどの熱的ダメージを低減することができるものである。
【0085】
また本発明の請求項1の発明は、円管のワーク台とワーク台を流れる冷媒とで冷却手段を形成し、フィルム状の被処理物を接触させるための接触部をワーク台の外面に形成するので、ペルチェ素子などを用いた電気的な冷却手段よりも安価に形成することができるというメリットがあり、また、冷媒の循環により連続的で安定した被処理物の冷却が可能となり、ワーク台の温度が制御し易いものである。
【0086】
また本発明の請求項2の発明は、ワーク台を支点として長尺の被処理物を屈曲させながらワーク台を挟んで一方側から他方側に被処理物を搬送するための搬送手段を具備するので、被処理物にテンションを掛けながらプラズマ処理を施すことができ、冷却手段であるワーク台の接触部と被処理物の密着性が高まって被処理物が効率よく冷却されると共に被処理物7がテンションにより曲がらないように延ばされることになって、被処理物に変形や反りがより生じにくくなるものである。
【0087】
また本発明の請求項3の発明は、被処理物の屈曲角度を20〜160°にするので、被処理物7に変形や反りがより生じにくくなると共に安定的な生産性を確保することができるものである。
【0088】
本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理システムを用いて被処理物のプラズマ処理を行うので、冷却手段で冷却しながら被処理物にプラズマ処理を施すことができ、プラズマ処理による被処理物の変形や反りなどの熱的ダメージを低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の一例を示す断面図である。
【図2】 同上の外側電極を示す斜視図である。
【図3】 同上の冷却手段と搬送手段の一例を示す一部断面の斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】 同上の高圧電極と接地電極を示す斜視図である。
【図6】 同上の体積減少具を示す断面図である。
【図7】 同上の他例を示す概略図である。
【図8】 同上の他例を示す概略図である。
【符号の説明】
2 反応管
7 被処理物
8 体積減少具
21 吹き出し口
22 放電空間
50 冷却手段
51 ワーク台
52 接触部
53 搬送手段
63 高圧電極
64 接地電極
β 屈曲角度
Claims (4)
- 大気圧下で生成したプラズマを被処理物に供給して被処理物にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理システムであって、プラズマ処理中に被処理物を冷却するための冷却手段を備え、円管のワーク台とワーク台を流れる冷媒とで前記冷却手段を形成すると共にフィルム状の被処理物を接触させるための接触部をワーク台の外面に形成し、反応管の外周に高圧電極と接地電極とを上下に対向させて配置すると共に反応管の内部において高圧電極と接地電極の間に放電空間を形成し、放電空間の体積を減少させるための体積減少具を反応管の内部に設け、高圧電極と接地電極の間に電圧を印加することにより放電空間で発生したプラズマを反応管から吹き出すための吹き出し口を前記ワーク台の接触部の上方に設けて成ることを特徴とするプラズマ処理システム。
- ワーク台を支点として長尺の被処理物を屈曲させながらワーク台を挟んで一方側から他方側に被処理物を搬送するための搬送手段を具備して成ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理システム。
- 被処理物の屈曲角度を20〜160°にして成ることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理システム。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理システムを用いて被処理物のプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
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