JP4120087B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズマを発生させるためのプラズマ処理装置、及びこれを用いたプラズマ処理方法に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大気圧下でプラズマ処理を行うことが試みられている。例えば、特開平2−15171号公報や特開平3−241739号公報や特開平1−306569号公報には、反応容器内の放電空間に一対の電極を配置すると共に電極の間に誘電体を設け、放電空間をHe(ヘリウム)やAr(アルゴン)などの希ガスを主成分とするプラズマ生成用ガスで充満し、反応容器に被処理物を入れると共に電極の間に交流電界を印加するようにしたプラズマ処理方法が開示されており、誘電体が配置された電極の間に交流電界を印加することにより安定的にグロー放電を発生させ、このグロー放電によりプラズマ生成用ガスを励起して反応容器内にプラズマを生成し、このプラズマにより被処理物の処理を行うようにしたものである。
【0003】
しかしこの方法では被処理物の特定の部分にのみプラズマ処理を行いにくく、また処理時間も長くかかるという問題があった。そこで上記方法を発展させて、大気圧下でグロー放電により生成したプラズマ(特にプラズマの活性種)を被処理物にジェット状に吹き出してプラズマ処理を行うことが提案されている(例えば、特開平4−358076号公報、特開平3−219082号公報、特開平4−212253号公報、特開平6−108257号公報)。
【0004】
上記のようなプラズマジェットで処理を行う方法において、使用する交流の周波数が10kHz未満であれば、生成されるラジカル量が少なくなってプラズマ処理の効果が小さくなる。従って、10〜数十MHzの周波数の交流を用いるようにしているが、このように10〜数十MHzの周波数の交流を用いると、プラズマの温度(ガス温度)が非常に高くなって被処理物が空気中で酸化したり炭化したりして熱的な損傷を受けるという問題があった。
【0005】
また上記のようなプラズマジェットで処理を行う方法においては、ストリーマー放電が被処理物に向かって生成しやすく、このストリーマー放電により被処理物の表面が損傷を受けるという問題があった。
【0006】
そこで、被処理物の熱的損傷を少なくすることができると共に被処理物のストリーマー放電による損傷を少なくすることができるプラズマ処理装置が本発明者らによって出願されている(特願平10−344735号)。このプラズマ処理装置は、外側電極を備えた筒状の反応管、及び反応管の内部に配置される内側電極を具備して構成され、反応管に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極と内側電極の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出すようにするプラズマ処理装置であって、外側電極と内側電極に冷却手段を設けるようにしたものであり、冷却手段で外側電極と内側電極を冷却手段で冷却することによって、大気圧下で周波数及び出力の高い交流でプラズマを生成しても、外側電極と内側電極の両方の温度上昇を抑えることができ、プラズマの温度が高くならないようにすることができて被処理物の熱的損傷を少なくすることができるものであり、また均質なグロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えることができて被処理物のストリーマー放電による損傷を少なくすることができるようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のプラズマ処理装置では、図10に示すように、反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置がずれていると、放電空間22における反応管2の直径方向の断面内において、プラズマ生成用ガスの濃度や印加電力の不均一が生じ(図10に点々模様で示す)、生成されるプラズマの密度が不均一になり、被処理物を均一にクリーニングしたりエッチングしたりする特性が低下したり、プラズマの生成そのものが不安定な動作となる恐れがあった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるプラズマ処理装置を提供することを目的とするものであり、また本発明は、被処理物に対して安定で均一なプラズマ処理を施すことができるプラズマ処理方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラズマ処理装置Aは、外側電極1を備えた筒状の反応管2、及び反応管2の内部に配置される内側電極3を具備して構成され、反応管2に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極1と内側電極3の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反応管2の内部にグロー放電を発生させ、反応管2からプラズマジェットを吹き出すようにするプラズマ処理装置において、反応管2に対して内側電極3が振れることを防止するための振れ防止スペーサ40を反応管2と内側電極3の間に設け、電極本体管25内に冷媒供給管26を設けて内側電極3を形成し、電極本体管25と冷媒供給管26の間を冷媒供給管26にて供給される冷媒の流路部29として形成し、電極本体管25に対して冷媒供給管26が振れることを防止するための振れ防止爪42を冷媒供給管26の先端に複数個形成すると共に振れ防止爪42の一部を放射状に外側に突出させて成ることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明の請求項2に係るプラズマ処理装置Aは、請求項1の構成に加えて、反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置をほぼ合致させて反応管2と内側電極3を保持するためのサポーター41を備えて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項1又は2の構成に加えて、振れ防止爪42の一部を内側に曲げて成ることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項2又は3の構成に加えて、反応管2を下方より差し込んで装着するための反応管装着孔43をサポーター41に設け、反応管2の差し込み方向において反応管2を位置決めするための反応管位置決め部44を反応管装着孔43に設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項2乃至のいずれかの構成に加えて、内側電極3を上方より差し込んで装着するための内側電極装着孔45をサポーター41に設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項2乃至のいずれかの構成に加えて、反応管2の長手方向に対して内側電極3を位置決めするための内側電極位置決め機構46をサポーター41に設けて成ることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、内側電極3の表面に誘電体膜を設けて成ることを特徴とするものである。
【0017】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項の構成に加えて、内側電極3の表面と誘電体膜の間にアンダーコートを設けて成ることを特徴とするものである。
【0018】
また本発明の請求項に係るプラズマ処理装置Aは、請求項又はの構成に加えて、誘電体膜に封孔処理を施して成ることを特徴とするものである。
【0019】
また本発明の請求項10に係るプラズマ処理装置Aは、請求項乃至のいずれかの構成に加えて、誘電体膜を誘電体材料で形成して成ることを特徴とするものである。
【0020】
また本発明の請求項11に係るプラズマ処理装置Aは、請求項8乃至10のいずれかの構成に加えて、アンダーコートをニッケル、クロム、アルミニウム、イットリウムを含む合金膜で形成して成ることを特徴とするものである。
【0021】
また本発明の請求項12に係るプラズマ処理装置Aは、請求項乃至11のいずれかの構成に加えて、誘電体材料で封孔処理を施して成ることを特徴とするものである。
【0022】
また本発明の請求項13に係るプラズマ処理装置Aは、請求項乃至12のいずれかの構成に加えて、誘電体膜の厚みを10〜500μmに形成して成ることを特徴とするものである。
【0023】
また本発明の請求項14に係るプラズマ処理装置Aは、請求項乃至13のいずれかの構成に加えて、誘電体膜を誘電体材料の溶射にて形成して成ることを特徴とするものである。
【0026】
また本発明の請求項15に係るプラズマ処理装置Aは、請求項1乃至14のいずれかの構成に加えて、プラズマジェットが吹き出される吹き出し口21を反応管2の先端面に設け、反応管2の先端を吹き出し口21側に向かって先細りとなる集束部20として形成し、集束部20の外周面と集束部20以外の反応管2の外周面との間に形成されるテーパー角αが10〜30°であることを特徴するものである。
【0027】
また本発明の請求項16に係るプラズマ処理装置Aは、請求項1乃至15のいずれかの構成に加えて、プラズマジェットが吹き出される複数個の吹き出し口21を反応管2に設けて成ることを特徴とするものである。
【0028】
また本発明の請求項17に係るプラズマ処理装置Aは、請求項1乃至16のいずれかの構成に加えて、冷媒を流通させる冷媒流通溝49を内電極管50の外周面に螺旋状に形成し、外電極管51の内側に内電極管50を嵌め込んで外側電極1を形成して成ることを特徴とするものである。
【0029】
本発明のプラズマ処理方法は、請求項1乃至17のいずれかに記載のプラズマ処理装置Aで発生させたプラズマジェットを被処理物に供給してプラズマ処理を行うことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1に示すように反応管2は誘電体材料で円筒状に形成されるものであって、図7に示すように、その上端はガス導入口90として開放されている。また、反応管2の下部には直径が下側ほど小さくなるような先細り形状に絞り込まれたテーパー構造の集束部20が形成されていると共に、反応管2の下端面である集束部20の下面には吹き出し口21が設けられている。このように集束部20を設けないで吹き出し口21の口径を反応管2の直径とほぼ同じに形成した場合、吹き出し口21から吹き出されるプラズマジェットの流速を加速しようとすると、後述の外側電極1と内側電極3の間隔を小さくして放電空間22の体積を小さくしなければならず、このために外側電極1と内側電極3の冷却が難しくなるが、本発明のように反応管2よりも直径が絞り込まれた集束部20を設けることによって、放電空間22の体積を小さくすることなくプラズマジェットの流速を加速することができ、短寿命のラジカルなどの反応性ガス活性粒子が消滅する前に被処理物にプラズマジェットを到達させることができて被処理物のプラズマ処理を効率よく行うことができる。被処理物の表面のクリーニングに適したプラズマジェットの流速を得るためには、集束部20の外周面と集束部20以外の反応管2の外周面との間に形成されるテーパー角αが10〜30°であることが好ましい。
【0032】
また、吹き出し口21の開口面積は、直径が0.1〜5mmの真円の面積に相当する大きさに形成されている。吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よりも小さすぎると、吹き出されるプラズマジェットの処理範囲が小さくなりすぎて、被処理物のプラズマ処理に長時間を要することになり、逆に、吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よりも大きすぎると、吹き出されるプラズマジェットの処理範囲が大きくなりすぎて、被処理物に局所的なプラズマ処理を施すことができなくなる恐れがある。
【0033】
反応管2を形成する誘電体材料の誘電率は、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22における低温化の重要な要素であって、誘電率が2000以下の誘電体材料を用いるのが好ましい。反応管2の誘電体材料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、放電空間22でのプラズマの温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。反応管2を形成する誘電体材料の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、これよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなければならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間22でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0034】
反応管2を形成する誘電体材料として具体的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。またマグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む誘電体材料で反応管2を形成することもでき、このことでグロー放電の安定化を図ることができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高いので、プラズマ中のイオンが反応管2の表面(内面)に衝突した場合、反応管2の表面から二次電子が多量に放出されることになり、この二次電子が反応管2の表面に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれると推察される。
【0035】
図2に示すように、外側電極1は内電極管50と外電極管51からなるジャケット構造に形成されている。内電極管50と外電極管51は熱伝導性の高い金属材料、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス(SUS304など)などで形成することができる。内電極管50の外周面には冷媒流通溝49が下端から上端に亘って螺旋状に形成されている。外電極管51の上部には外電極管51の内周面に開口する流入孔52が形成されていると共に、外電極管51の上部の外周面には流入孔52と連通する流入管34が溶接により固着されて突設されている。また外電極管51の下部には外電極管51の内周面に開口する流出孔53が形成されていると共に、外電極管51の下部の外周面には流出孔53と連通する流出管35が溶接により固着されて突設されている。
【0036】
そして、外電極管51の内側に内電極管50を嵌め込んで内電極管50の周囲を囲うように外電極管51を取り付けると共に外電極管51と内電極管50を溶接により固着し、さらに、外面全体に金メッキを施すことによって外側電極1が形成されている。金メッキを施す理由は、外電極管51と内電極管50を銅で形成した場合の耐食性の向上と、放電用の高周波電力を供給する際に使用する金属製の端子55との接触抵抗を低下させるためである。この外側電極1にあっては、冷媒流通溝49の上端の位置に流入孔52の開口を合致させると共に冷媒流通溝49の下端の位置に流出孔53の開口を合致させている。また、内電極管50の内側が上下に開口する挿着孔31として形成されている。また、挿着孔31の上側開口縁部及び下側開口縁部には、外側電極1を反応管2に密着性させてがたつきなく取り付けるためのブッシュ54が設けられている。そして、挿着孔31に反応管2を差し込んで外側電極1の内周面を反応管2の外周面に接触させることによって、外側電極1を反応管2の集束部20の上側に取り付けることができる。
【0037】
プラズマ生成時において、外側電極1は反応管2を介してプラズマの発熱の影響を受けることになり、外側電極1が長期にわたってプラズマで加熱されることによって、外側電極1を構成する金属材料の酸化劣化を招き、給電不良(導通不良)を引き起こす恐れがある。従って、上記の外側電極1では異常な発熱を防止するために簡易な構造で冷却系を形成するようにしている。つまり、上記の外側電極1を冷却するにあたっては、流入管34を通じて冷媒を冷媒流通溝49に供給して(矢印▲4▼)、冷媒を冷媒流通溝49に充満させるようにして外側電極1の冷却を行うようにしている。また、冷媒流通溝49に充満させた冷媒は外側電極1の温度上昇により温度が高くなり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下した冷媒は流出管35を通じて冷媒流通溝49から排出し(矢印▲5▼)、これと同時に流入管34を通じて冷却能力の高い冷媒を新たに冷媒流通溝49に導入する。冷媒流通溝49から排出された冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のように流入管34を通じて冷媒流通溝49に導入される。このように冷媒を循環させることによって、外側電極1を常に冷却して所望の温度に保つことができる。上記のように外側電極1の流通路32と冷凍機の間で循環させる循環手段としては内側電極3の循環手段と同様にポンプを用いることができる。
【0038】
上記の冷媒としてはイオン交換水や純水も使用することができるが、0℃で不凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性や化学安定性を有する液体であることが好ましく、冷媒の電気絶縁性能は0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であることが好ましい。この範囲の絶縁性を有する冷媒を用いる理由は、高電圧が印加される電極からの漏電を防止するためである。このような性質を有する冷媒としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を例示することができ、また純水にエチレングリコールを5〜60重量%添加した混合液であってもよい。
【0039】
図3(a)(b)に示すように、内側電極3は電極本体管25と冷媒供給管26から構成される二重管で形成されていおり、内側電極3の内部において電極本体管25と冷媒供給管26の間には流路部29として形成されている。電極本体管25と冷媒供給管26は外側電極1と同様の金属材料で形成されることが好ましい。電極本体管25は上面が閉口する断面略円形で中空の棒状に形成されるものであって、その直径(外径)は1〜20mmに設定するのが好ましい。電極管本体25の直径が1mm未満であれば、放電空間22の面する内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こりにくくなり、プラズマを充分に生成することができなくなる恐れがあり、電極管本体25の直径が20mmを超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大きくしなければならず、装置が大型化する恐れがある。また、反応管2よりも上側に突出する箇所には流路部29と連通する排出管部27が設けられている。冷媒供給管26は電極本体管25よりも小径の管状に形成されており、電極本体管25の中心部を貫くように電極本体管25の下部から電極本体管25の上側に突出するまでに設けられている。また、冷媒供給管26の下端面は供給口28として開口されている。供給口28の周囲には複数個(図3(b)では6個)の振れ防止爪42を放射状に突出させて設けられている。
【0040】
振れ防止爪42は、冷媒供給管26の下端に冷媒供給管26の長手方向(上下方向)に長い複数本の切り込みを冷媒供給管26の周方向に略等間隔で設けると共に切り込みで分割された部分を流路部29側に折り曲げることによって形成することができる。
【0041】
プラズマ生成時において、内側電極3はプラズマの発熱の影響を受けることになり、内側電極3が長期にわたってプラズマで加熱されることによって、内側電極3を構成する金属材料の酸化劣化を招き、給電不良(導通不良)を引き起こす恐れがある。従って、上記の内側電極3では異常な発熱を防止するために簡易な構造で冷却系を形成するようにしている。つまり、内側電極3を冷媒によって冷却するにあたっては、冷媒供給管26にその上端の開口から冷媒を供給する(矢印▲2▼)と共に冷媒供給管26の供給口28から冷媒を内側電極3の内部の流路部29に流入し、冷媒を流路部29に充満させるようにして行うことができる。また流路部29に充満させた冷媒は内側電極3の温度上昇により温度が高くなり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下した冷媒は排出管部27を通じて流路部29から排出し(矢印▲3▼)、これと同時に冷媒供給管26を通じて冷却能力の高い冷媒を新たに流路部29に導入する。流路部29から排出された冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のように冷媒供給管26を通じて流路部29に導入される。このように冷媒を循環させることによって、内側電極3を常に冷却して所望の温度に保つことができる。上記のように内側電極3の流路部29と冷凍機の間で循環させる循環手段としてはポンプを用いることができ、また、冷媒としては上記と同様のものを用いることができる。さらに、冷媒の流れは上記と逆であっても良い。
【0042】
上記のようにして内側電極3を冷却するにあたって、振れ防止爪42が無い場合、冷媒供給管26が冷媒の圧力等により電極管本体25に対して振れて電極管本体25の上下方向の中心位置と冷媒供給管26の上下方向の中心位置がずれると、流路部29に狭い部分ができて冷媒の流れが不均一になることがある。最悪の場合、電極管本体25の内周面と冷媒供給管26の外周面が接触して流路部29が無くなり、冷媒が流れなくなって、内側電極3の外面の冷却能力が著しく阻害されることになる。そして、内側電極3が冷却されないと、内側電極3の外面(界面)から水分等の付着ガスの脱離が生じ、プラズマの成分ガスの組成変化を生まれ、結果としてプラズマのクリーニング性能を劣化させてしまう。また、内側電極3の温度上昇により2次電子の放出を促進するために、プラズマ放電(グロー放電)がアーク放電(ストリーマ放電)に移行して内側電極3の寿命が短くなる恐れがある。さらに、内側電極3の温度上昇により内側電極3を構成する金属の溶融の原因になることも容易に類推することができる。
【0043】
そこで図4(a)(b)に示すように、上記の内側電極3では複数本の振れ防止爪42を冷媒供給管26の外周に放射状に突設したものであり、このことで振れ防止爪42の先端が電極管本体25の内周面に当接して冷媒供給管26が振れないようにすることができ、電極管本体25の中心位置と冷媒供給管26の中心位置がほぼ合致した状態で同心円上に配置された状態に保つことができるものである。従って、流路部29の狭い部分が形成されなくなって冷媒の流れ(図4(a)に冷媒の流れを矢印で示す)が均一になり、内側電極3を均一に冷却して温度を均一化することができるものである。
【0044】
また、全ての振れ防止爪42を外側の流路部29に突出させると、冷媒供給管26の下端付近において冷媒の圧力損失が大きくなって冷媒が流れにくくなり、しかも、隣接する振れ防止爪42の間が狭くてここにスケール(不純物)等が溜まって流路部29が詰まってしまう恐れがある。そこで図5に示すように、一部の振れ防止爪42を内側(供給口28側)に少し折り曲げるようにする。この場合、対向する一対の振れ防止爪42を互いに近づく方向に折り曲げるのが好ましい。そして、このように一部の振れ防止爪42を内側に折り曲げて流路部29に突出させないようにすることによって、冷媒の圧力損失を小さくすることができ、冷媒が流れ易くなるものであり(図5に冷媒の流れを矢印で示す)、しかも、スケール等が溜まりにくくなって流路部29の目詰まりを防止することができるものである。
【0045】
放電空間22における放電の安定化のため、及びプラズマの熱照射による消耗を低減して産業レベルでの実用的な寿命を確保するために、内側電極3の電極本体管25の表面は誘電体材料で形成される誘電体膜でコーティングされていることが好ましい。誘電体材料の誘電率は2000以下であることが好ましく、誘電体材料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22でのプラズマの温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。絶縁性材料の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、これよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなければならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間22でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0046】
誘電体膜を形成する誘電体材料として具体的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。さらに、アルミナ(Al23)、酸化チタン(チタニアでTiO2)、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)などの誘電体材質のものを例示することができる。またマグネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む誘電体材料を用いることもでき、このことでグロー放電の安定化を図ることができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高いので、プラズマ中のイオンが内側電極3の表面のコーティングに衝突した場合、誘電体膜の表面から二次電子が多量に放出されることになり、この二次電子がコーティングの表面に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれると推察される。このようなマグネシアを含む絶縁性材料としては、例えば、アルミナ等のセラミック粉末の中に微量(0.01〜5vol%)のマグネシアを添加して焼結した焼結体、及び石英などのガラス質の表面にCVD等でMgO膜を形成したものなどを挙げることができる。
【0047】
また、誘電体膜を形成するにあたっては、誘電体材料で円筒体(セラミック管やガラス管)を形成し、これの内側に内側電極3を挿着して密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、酸化チタン、PZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、内側電極3の電極本体管25の表面に吹き付けるようにするプラズマ溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散し、内側電極3の電極本体管25の表面にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)により内側電極3の電極本体管25の表面を誘電体膜でコーティングすることもでき、これらの方法を採用することによって、極めて緻密で平滑な吸着性の乏しい誘電体膜で内側電極3の表面をコーティングすることができ、放電の安定化をより促進することができる。現実的な処理時間及びコストを考慮すると、上記の溶射法を用いるのが好ましい。
【0048】
また、誘電体膜の厚みは10〜500μmに設定するのが好ましい。誘電体膜の厚みが10μm未満であれば、内側電極3の劣化防止の効果が小さく、内側電極3の長寿命化を図りにくくなる恐れがあり、誘電体膜の厚みが500μmを超えると、グロー放電が起こりにくくなってプラズマの発生の効率が低下する恐れがある。
【0049】
内側電極3の電極本体管25の表面と誘電体膜の間には、ニッケル、クロム、アルミニウム、イットリウムを含む合金膜で形成されるアンダーコートを介在させるのが好ましい。アンダーコートは合金の溶射により形成することができ、具体的な合金としては、Ni−Cr、Ni−Al、Ni−Cr−Al−Yなどを例示することができる。内側電極3は室温と高温のプラズマ下の繰り返しによる熱応力負荷環境に置かれることになり、この熱応力で誘電体膜が剥離してしまう恐れがある。そこで、誘電体膜にかかる熱応力負荷の衝撃を緩和させるためにアンダーコートを設けるようにする。金属である電極本体管25と合金であるアンダーコートと誘電体である誘電体膜の熱膨張率の関係は、金属の膨張率>合金の膨張率>誘電体の膨張率となり、電極管本体25の熱による伸縮がアンダーコートの介在によって誘電体膜に伝わりにくくなり、このことで、誘電体膜が剥離しにくくなって誘電体膜の長寿命化を図ることができるものである。
【0050】
また、誘電体膜には封孔処理を施すのが好ましい。封孔処理は誘電体膜の欠陥部分を埋める処理であって、SiO2、TiO2、Al23などの誘電体を含む溶液に浸漬して行う。この封孔処理を行うことによって、アーク放電を起こりにくくすることができ、プラズマの加熱による内側電極3の劣化を防止して長寿命化を図ることができるものである。
【0051】
本発明のプラズマ処理装置Aを被処理物の表面のクリーニングに用いる場合は、上記(1)で示される開口面積比を5〜60%に形成するのが好ましい。尚、Dは集束部20以外の反応管2の内径であって、放電空間22の位置における反応管2の内径である。開口面積比が5%未満であれば、プラズマジェットの流速が大きすぎて被処理物に損傷が発生する恐れがあり、開口面積比が60%を超えると、プラズマジェットの流速が小さすぎて被処理物のクリーニングが十分に行うことができない恐れがある。
【0052】
サポーター41はステンレス鋼(SUS304など)やアルミニウムやアルミニウム系合金で形成されるものであって、図6に示すように、円筒状の反応管保持部60の上面に反応管保持部60よりも小径の円筒状の内側電極保持部61を設けて形成されている。アルミニウムやアルミニウム合金を用いると、サポーター41の軽量化を図ることができる。また、サポーター41を金属材料で形成すると、内側電極3の接地をサポーター41から容易に行うことができて好都合である。
【0053】
反応管保持部60には反応管20の外径よりも大きい孔径の反応管差し込み孔62が反応管保持部60の下面に開口させて形成されており、反応管差し込み孔62の内周には反応管2の軸出し用のブッシュ63が設けられている。また、反応管差し込み孔62の上側には反応管装着孔43が反応管差し込み孔62と連通して形成されている。この反応管装着孔43は反応管2の外径とほぼ同じ孔径に形成されている。さらに、反応管装着孔43の上側には内側電極装着孔45が反応管装着孔43と連通して形成されている。内側電極装着孔45は内側電極保持部61の上面に開口されており、内側電極装着孔45は反応管2の内径とほぼ同じ孔径で、内側電極3の外径よりも大きい孔径に形成されている。また、内側電極装着孔45の外側には内側電極3の軸出し用のブッシュ64が設けられている。
【0054】
そして、反応管装着孔43と内側電極装着孔45の接続部分において、内側電極装着孔45の外周には段部分が形成されることになり、この段部分が反応管位置決め部44として形成されている。また、反応管差し込み孔62と反応管装着孔43と内側電極装着孔45は上下方向の中心位置がほぼ合致するように同心円状に形成されている。また、内側電極保持部61の外周面にはガス導入管65が溶接により固着されて突設されている。反応管保持部60には反応管差し込み孔62の孔径の大きさを調整するために反応管締め付け具66が設けられている。反応管締め付け具66は輪ネジで形成されており、反応管差し込み孔62を囲うように螺着されている。また、内側電極保持部61には内側電極装着孔45の孔径の大きさを調整するために内側電極締め付け具67が設けられている。内側電極締め付け具67は輪ネジで形成されており、内側電極装着孔45を囲うように螺着されている。この内側電極締め付け具67は内側電極位置決め機構46として形成されている。
【0055】
図8に示すように、接地電極80は外側電極1や内側電極3と同様の材料で形成されており、円筒状の接地電極本体71の外周に一対の内側電極接続部72を突設し、一方の内側電極接続部72にコネクタ取り付け部73を延設し、コネクタ取り付け部73に高周波用のコネクタ74を設けて形成されている。
【0056】
そして本発明のプラズマ処理装置Aの組立は次のようにして行う。図7に示すように、まず、サポーター41の内側電極装着孔45に上側から内側電極3を差し込むと共に内側電極3を反応管差し込み孔62から突出させる。次に、内側電極締め付け具67を回転させて内側電極装着孔45の孔径を小さくすることによって、内側電極3の軸出し用のブッシュ64の内周面を内側電極3の外周面に当接させて内側電極3をブッシュ64で挟持する。このようにしてサポーター41に内側電極3を取り付ける。
【0057】
次に、サポーター41よりも下側において内側電極3の外側に振れ防止スペーサ40を設ける。振れ防止スペーサ40はポリアセタール樹脂(ジュラコン)や四フッ化エチレン樹脂(テフロン)などの樹脂製でリング状に形成されるものであって、その外径は反応管2の内径とほぼ同じ形成されている。また、振れ防止スペーサ40の略中央部には差し込み開口部75が設けられており、この差し込み開口部75に内側電極3を差し込んで取り付けるようにする。
【0058】
次に、反応管2を内側電極3の下側から近づけて反応管2のガス導入口90から内側電極3を反応管2の内部に差し込むと共に反応管2の上部をサポーター41に反応管差し込み孔62から差し込み、さらに、反応管2の上部を反応管装着孔43に差し込むと共に反応管2の上端のガス導入口90の開口縁部を反応管位置決め部44に当接させる。次に、反応管締め付け具66を回転させて反応管差し込み孔62の孔径を小さくすることによって、反応管2の軸出し用のブッシュ63の内周面を反応管2の外周面に当接させて反応管2をブッシュ63で挟持する。このようにしてサポーター41に反応管2を取り付ける。この時、振れ防止スペーサ40の外周面が反応管2の内周面に当接される。
【0059】
次に、反応管2を接地電極80の接地電極本体71内に差し込んで反応管2の外側に接地電極80を取り付ける。この後、サポーター41よりも上側に突出する内側電極3の上部と接地電極80の内側電極接続部72を電線77で接続する。次に、反応管2を外側電極1の挿着孔31に差し込んで反応管2の外側で集束部20の上側に外側電極1を取り付ける。この後、外側電極1の流入管34と流出管35の間に架設した接続板78とコネクタ74を電線79で接続し、コネクタ74と外側電極1を電気的に接続する。このようにしてプラズマ処理装置Aが形成され、反応管2の内部において、外側電極1と内側電極3の間の空間が放電空間22として内側電極3を囲うように形成される。
【0060】
このプラズマ処理装置Aでは、反応管2に対して内側電極3が振れることを防止するための振れ防止スペーサ40を反応管2と内側電極3の間に設けたので、反応管2に対して内側電極3が振れないようにして、反応管2の上下方向(長手方向)の中心位置と内側電極3の上下方向(長手方向)の中心位置をほぼ合致した状態を維持することができ、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。つまり、図10に示すように、反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置がずれていると、放電空間22における反応管2の直径方向の断面内において、プラズマ生成用ガスの濃度や印加電力の不均一が生じ(図10に点々模様で示す)、生成されるプラズマの密度が不均一になり、被処理物を均一にクリーニングしたりエッチングしたりする特性が低下したり、プラズマの生成そのものが不安定な動作となる恐れがあるが、本発明では振れ防止スペーサ40により、反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置をずれないようにするので、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。
【0061】
上記の振れ防止スペーサ40は、放電空間22より上側に10〜30mm離れた箇所に設けるのが好ましい。この位置では内側電極3が冷媒で冷却されているためにほぼ常温であり、また、プラズマの熱の影響を受けることも少ないために、樹脂製の振れ防止スペーサ40が溶解するのを防ぐことができる。
【0062】
また、上記のように反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置を合致させることが均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することに不可欠であるが、本発明では反応管2と内側電極3をサポーター41で保持することによって、反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置を容易に合致させている。つまり、サポーター41に反応管装着孔43を設けると共に、サポーター41に内側電極装着孔45を設け、反応管装着孔43の中心位置と内側電極装着孔45の中心位置を合致させて形成し、反応管装着孔43の孔径を反応管2の外径とほぼ同等に形成すると共に内側電極装着孔45の孔径を内側電極3の外径とほぼ同等に形成したので、反応管装着孔43に反応管2を差し込んで装着すると共に内側電極装着孔45に内側電極3を差し込んで装着するだけで反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置を容易に合致させることができる。
【0063】
また、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成するためには、上下方向における反応管2と内側電極3の位置関係も重要である。そこで本発明では、反応管2の差し込み方向において反応管2を位置決めするための反応管位置決め部44を反応管装着孔43に設けたので、反応管2を反応管位置決め部44に当接させて、反応管2の長手方向においてサポーター41に対する反応管2の取り付け位置を容易に一意的に決めることができ、反応管2に対して内側電極3の取り付け位置を容易に決めることができるものである。
【0064】
このように本発明のプラズマ処理装置Aは、反応管2及び内側電極3の上部をサポーター41で保持し、反応管2及び内側電極3の下部に振れ防止スペーサ40を設け、上下の二点支持で反応管2の中心位置と内側電極3の中心位置をほぼ合致させるようにしたものである。
【0065】
内側電極3はサポーター41の内側電極装着孔45に対して移動自在に差し込まれ、内側電極位置決め機構46である内側電極締め付け具67で締め付けて反応管2の長手方向に対して内側電極3を位置決めするので、反応管2に対する内側電極3の差し込み深さを変えることができ、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成するように、反応管2と内側電極3の位置関係を容易に設定することができるものである。
【0066】
さらに、反応管締め付け具61を緩めることによって、反応管装着孔43から反応管2を抜いてサポーター41から容易に取り外すことができ、内側電極締め付け具67を緩めることによって、内側電極装着孔45から内側電極3を抜いてサポーター41から容易に取り外すことができ、分解してメンテナンスを容易に行うことができるものである。
【0067】
上記のようにして形成されるプラズマ処理装置Aはケース内に設置されるが、この際、ケースに突設された保持板81に反応管2の集束部20を差し込み、取り付け板82でサポーター41の箇所をケースの内面に固定するようにする。このように金属製のサポーター41の部分を取り付け板82で押さえて固定することによって、反応管2に無理な力をかけることなく取り付けることができるものである。また、ガス導入管65にガスコネクタ84を介してガス供給ホース83を接続すると共に、接地電極80のコネクタ74に高周波電源と接続される同軸ケーブルを接続する。
【0068】
次に、上記のように形成されるプラズマ処理装置Aを用いたプラズマ処理方法を説明する。まず、ガス供給ホース83を通じてガス導入管65にプラズマ生成用ガスを導入する(矢印▲1▼)と共にガス導入口90を介してガス導入管65から反応管2の内部にプラズマ生成用ガスを導入し、外側電極1と内側電極3に高周波などの交流を印加し、さらにこれと同時に外側電極1及び内側電極3を冷媒によって冷却する。この後、外側電極1と内側電極3の間に印加された交流電界により大気圧下で反応管2の放電空間22でグロー放電を発生させ、グロー放電で反応管2の内部に導入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化し、プラズマ活性種を含むこのプラズマを吹き出し口21からプラズマジェットとして吹き出して被処理物の表面に吹きつけることによって、エッチングやクリーニング等のプラズマ処理(改質処理)を行うことができる。
【0069】
本発明においてプラズマ生成用ガスとしては、不活性ガス(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を用いることができる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮すると、アルゴンやヘリウムを用いるのが好ましい。また反応ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができ、その添加量は不活性ガスに対して10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添加量が0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる恐れがあり、反応ガスの添加量が10重量%を超えると、放電が不安定になる恐れがある。
【0070】
また本発明において外側電極1と内側電極3の間の放電空間22に印加される印加電力は20〜3500W/cm3に設定するのが好ましい。放電空間22に印加される印加電力が20W/cm3未満であれば、プラズマを充分に発生させることができなくなり、逆に、放電空間22に印加される印加電力が3500W/cm3を超えると、安定した放電を得ることができなくなる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm3)は、(印加電力/放電空間体積)で定義される。
【0071】
本発明において外側電極1と内側電極3に印加される交流の周波数は、1kHz〜50GHz、好ましくは10kHz〜200MHzに設定される。交流の周波数が1kHz未満であれば、放電空間22での放電を安定化させることができなくなる恐れがあり、交流の周波数が50GHzを超えると、放電空間22でのプラズマの温度上昇が著しくなる恐れがある。また外側電極1と内側電極3に交流を印加する場合、外側電極1と電源15を接続し、内側電極3を接地するのが好ましく、このことで内側電極3と被処理物の間のストリーマー放電を抑制することができる。これは、内側電極3と被処理物の間の電位差がほとんど0になり、ストリーマー放電が生成されにくくなるためであり、特に、被処理物に金属部分が含まれている場合はストリーマー放電の生成が著しくなるので、内側電極3を接地するのが好ましい。
【0072】
そして本発明では、外側電極1と内側電極の両方を冷媒により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流でプラズマを生成しても、外側電極1と内側電極3の両方の温度上昇をより抑えることができ、よってプラズマの温度(ガス温度)がより高くならないようにすることができて被処理物の熱的損傷をより少なくすることができるものである。また外側電極1と内側電極3の両方を冷却することによって、放電空間22の局所的な加熱をより防ぐことができ、より均質なグロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えることができて被処理物のストリーマー放電による損傷をより少なくすることができるものである。これは、外側電極1と内側電極3の両方を冷却することによって、外側電極1と内側電極3の両方からの部分的な電子の放出が抑えられるためであると考えられる。
【0073】
また、図9(a)(b)に示すように、反応管2の下部に集束部20が形成せずにほぼ真っ直ぐに形成すると共に反応管2の下端面を平板状の閉塞部16で閉塞し、閉塞部16に複数個(図9(a)(b)のものでは四個で略円形の閉塞部16の四等分線状に配置されている。)の吹き出し口21を穿孔するようにしてもよい。反応管2の内部には電極本体管25と冷媒供給管26からなる内側電極3が反応管2の中心部を上下に貫くように配設されているが、内側電極3の電極本体管25の下端は閉塞部16の上面の近傍に配置されている。また、外側電極1の下端面と反応管2の下端面はほぼ同じ高さに設定されており、従って、外側電極1と内側電極3の間に形成される放電空間22の下端から吹き出し口21までの距離はほぼ0になっている。従って、活性の高い生きたプラズマ活性種を消滅させる前に、吹き出し口21からプラズマジェットを吹き出して被処理物に吹き付けることができ、被処理物のプラズマ処理を高めることができる。また、被処理物の処理域の面積や形状の変更などに容易に任意に対応することができる。
【0074】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0075】
(実施例1)
図1乃至8に示す構造のプラズマ処理装置Aを形成した。反応管2としては石英ガラス管を用い、外径を15.4mm、内径を13mmに形成した。またテーパー角は20°とし、開口面積比は11.7とした。振れ防止スペーサ40としてはジュラコン樹脂製のものを用い、放電空間22の上側20mmの位置に設けた。内部電極3としては外径が8mmのものを用い、酸化チタンの溶射により形成される厚さ50μmの誘電体膜と、Ni−Cr合金の溶射により形成される厚さ30μmのアンダーコートとを有し、誘電体膜はSiO2にて封孔処理がなされているものを用いた。外側電極1としては金メッキを施した銅製のものを用い、外径を35mm、高さ30mmに形成した。
【0076】
また、外側電極1と内側電極3に印加される高周波の周波数を13.56MHz、印加電力は250Wとしてプラズマ処理(フォトレジストのエッチング)を行った。被処理物としては3インチシリコンウェハーの表面に膜厚が1.3μmのフォトレジストを形成したものを用いた。また、吹き出し口21と被処理物の間隔は5mmにした。さらに、プラズマ生成用ガスはアルゴンが3リットル/min、ヘリウムが1リットル/min、酸素0.03リットル/minの流量で反応管2に供給して調製した。
【0077】
被処理物を金属台の上に置き、上記の条件にて1000時間の連続運転でプラズマ処理を行った。連続運転後に振れ防止スペーサ40の損傷は認められず、プラズマ処理装置Aの異常停止もなく、安定した動作が可能であった。また、連続運転中に数回サンプリングしてクリーニング特性の評価をしたところ、プラズマ照射領域にてフォトレジストのエッチング形状は±20%以内のずれに収まっており、安定性が認められた。
【0078】
また、内側電極3には誘電体膜で形成される保護層を形成したので、変色や加熱酸化が防止されており、内側電極3は侵されていなかった。尚、誘電体膜がない場合では、内側電極3の電極管本体25が黒色に変色し、加熱酸化により内側電極3が侵されており、内側電極3の寿命は240時間であった。
【0079】
(実施例2)
冷媒供給管26の下端に6個の振れ防止爪42を放射状に突出させて実施例1と同様のプラズマ処理装置Aを形成した。この場合、内側電極3に異常発熱が認められず、内側電極3の寿命を1000時間以上に確保することができた。尚、振れ防止爪42を設けなくて電極管本体25の中心位置と冷媒供給管26の中心位置がずれている場合では、実施例1と同条件でプラズマ処理を行うと、380時間で異常が発生した。これは、冷媒供給管26が傾くことにより内側電極3内での冷媒の流れが不均一となり、冷媒の流れが少なくなった箇所で局所的な異常発熱が起こり、二次電子の発生率が上昇してプラズマがアーク放電に移行したことで内側電極3の表面の金属面が侵されたためである。
【0080】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、外側電極を備えた筒状の反応管、及び反応管の内部に配置される内側電極を具備して構成され、反応管に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極と内側電極の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出すようにするプラズマ処理装置において、反応管に対して内側電極が振れることを防止するための振れ防止スペーサを反応管と内側電極の間に設けたので、振れ防止スペーサによって反応管の中心位置と内側電極の中心位置をほぼ合致した状態を維持することができ、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。また、電極本体管内に冷媒供給管を設けて内側電極を形成し、電極本体管と冷媒供給管の間を冷媒供給管にて供給される冷媒の流路部として形成し、電極本体管に対して冷媒供給管が振れることを防止するための振れ防止爪を冷媒供給管の先端に複数個形成すると共に振れ防止爪の一部を放射状に外側に突出させたので、振れ防止爪の先端を電極管本体の内周面に当接して冷媒供給管が振れないようにすることができ、電極管本体の中心位置と冷媒供給管の中心位置をほぼ合致した状態に保つことができるものであり、従って、流路部の狭い部分が形成されなくなって冷媒の流れが均一になり、内側電極を均一に冷却して温度を均一化することができるものであり、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。
【0081】
また本発明の請求項2の発明は、反応管の中心位置と内側電極の中心位置をほぼ合致させて反応管と内側電極を保持するためのサポーターを備えたので、サポーターによって反応管の中心位置と内側電極の中心位置をほぼ合致した状態で保持することができ、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。
【0083】
また本発明の請求項の発明は、振れ防止爪の一部を内側に曲げたので、一部の振れ防止爪を内側に折り曲げて流路部に突出させないようにすることによって、冷媒の圧力損失を小さくすることができ、冷媒が流れ易くなるものであり、内側電極を均一に冷却して温度を均一化することができて均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。しかも、スケール等が溜まりにくくなって流路部の目詰まりを防止することができるものである。
【0084】
また本発明の請求項の発明は、反応管を下方より差し込んで装着するための反応管装着孔をサポーターに設け、反応管の差し込み方向において反応管を位置決めするための反応管位置決め部を反応管装着孔に設けたので、サポーターに対する反応管の位置決めを反応管位置決め部により容易に行うことができ、サポーターに保持される内側電極と反応管のサポーターへの差し込み方向における位置決めを簡単におこなうことができるものである。
【0085】
また本発明の請求項の発明は、内側電極を上方より差し込んで装着するための内側電極装着孔をサポーターに設けたので、内側電極装着孔への内側電極の差し込み及び抜き出しを上方から容易に行うことができ、サポーターへの内側電極の取り付け及び取り外しを簡単に行うことができるものであり、メンテナンス性を向上させることができるものである。
【0086】
また本発明の請求項の発明は、反応管の長手方向に対して内側電極を位置決めするための内側電極位置決め機構をサポーターに設けたので、サポーターに対する内側電極の位置決めを内側電極位置決め機構により容易に行うことができ、サポーターに保持される内側電極と反応管のサポーターへの長手方向における位置決めを簡単におこなうことができるものである。
【0087】
また本発明の請求項の発明は、内側電極の表面に誘電体膜を設けたので、内側電極を誘電体膜で保護することができ、放電の安定化を図ることができるものであり、しかもプラズマの熱照射による内側電極の消耗を低減することができて内側電極の長寿命化を図ることができるものである。
【0088】
また本発明の請求項の発明は、内側電極の表面と誘電体膜の間にアンダーコートを設けたので、誘電体膜にかかる熱応力負荷の衝撃をアンダーコートで緩和させることができ、誘電体膜が剥離しにくくなって誘電体膜の長寿命化を図ることができるものである。
【0089】
また本発明の請求項の発明は、誘電体膜に封孔処理を施したので、誘電体膜の欠陥部分を埋めることができ、アーク放電を起こりにくくすることができるものであり、しかも、プラズマの加熱による内側電極の劣化を防止して長寿命化を図ることができるものである。
【0090】
また本発明の請求項10の発明は、誘電体膜を誘電体材料で形成したので、放電の安定化を確実に図ることができるものであり、また、プラズマの熱照射による内側電極の消耗を確実に低減することができるものである。
【0091】
また本発明の請求項11の発明は、アンダーコートをニッケル、クロム、アルミニウム、イットリウムを含む合金膜で形成したので、誘電体膜にかかる熱応力負荷の衝撃をアンダーコートで確実に緩和させることができるものである。
【0092】
また本発明の請求項12の発明は、誘電体材料で封孔処理を施したので、誘電体膜の欠陥部分を埋めることができるものである。
【0093】
また本発明の請求項13の発明は、誘電体膜の厚みを10〜500μmに形成したので、放電の安定化を確実に図ることができるものであり、また、プラズマの熱照射による内側電極の消耗を確実に低減することができるものである。
【0094】
また本発明の請求項14の発明は、誘電体膜を誘電体材料の溶射にて形成したので、誘電体膜を簡単に形成することができるものである。
【0096】
また本発明の請求項15の発明は、プラズマジェットが吹き出される吹き出し口を反応管の先端面に設け、反応管の先端を吹き出し口側に向かって先細りとなる集束部として形成し、集束部の外周面と集束部以外の反応管の外周面との間に形成されるテーパー角が10〜30°であるので、吹き出し口から吹き出されるプラズマジェットの流速を確実に加速することができ、反応性ガス活性粒子が消滅する前に被処理物にプラズマジェットを到達させることができて被処理物のプラズマ処理の効率を高めることができるものである。
【0097】
また本発明の請求項16の発明は、プラズマジェットが吹き出される複数個の吹き出し口を反応管に設けたので、被処理物のプラズマ処理する部分の面積や形状に対応させてプラズマジェットの吹き出す範囲を変更することができ、多くの形状の被処理物にプラズマ処理を確実に施すことができるものである。
【0098】
また本発明の請求項17の発明は、冷媒を流通させる冷媒流通溝を内電極管の外周面に螺旋状に形成し、外電極管の内側に内電極管を嵌め込んで外側電極を形成したので、冷媒流通溝に冷媒を流して外側電極の冷却を行うことができ、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができるものである。
【0099】
本発明のプラズマ処理方法は、請求項1乃至17のいずれかに記載のプラズマ処理装置で発生させたプラズマジェットを被処理物に供給してプラズマ処理を行うので、均一な密度のプラズマジェットを安定して生成することができ、被処理物に対して損傷を与えることなく安定で均一なプラズマ処理を施すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】同上の外側電極を示す断面図である。
【図3】同上の内側電極を示し、(a)は断面図、(b)は底面図である。
【図4】同上の内側電極の一部を示し、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図5】同上の他の内側電極の一部を示す断面図である。
【図6】同上のサポーターを示す正面図である。
【図7】同上の組立方法を示す断面図である。
【図8】同上の正面図である。
【図9】同上の反応管の他例の一部を示し、(a)は断面図、(b)は底面図である。
【図10】従来例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 外側電極
2 反応管
3 内側電極
20 集束部
25 電極本体管
26 冷媒供給管
40 振れ防止スペーサ
41 サポーター
42 振れ防止爪
43 反応管装着孔
44 反応管位置決め部
45 内側電極装着孔
46 内側電極位置決め機構
49 冷媒流通溝
50 内電極管
51 外電極管
A プラズマ処理装置
α テーパー角

Claims (18)

  1. 外側電極を備えた筒状の反応管、及び反応管の内部に配置される内側電極を具備して構成され、反応管に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極と内側電極の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出すようにするプラズマ処理装置において、反応管に対して内側電極が振れることを防止するための振れ防止スペーサを反応管と内側電極の間に設け、電極本体管内に冷媒供給管を設けて内側電極を形成し、電極本体管と冷媒供給管の間を冷媒供給管にて供給される冷媒の流路部として形成し、電極本体管に対して冷媒供給管が振れることを防止するための振れ防止爪を冷媒供給管の先端に複数個形成すると共に振れ防止爪の一部を放射状に外側に突出させて成ることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 反応管の中心位置と内側電極の中心位置をほぼ合致させて反応管と内側電極を保持するためのサポーターを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 振れ防止爪の一部を内側に曲げて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 反応管を下方より差し込んで装着するための反応管装着孔をサポーターに設け、反応管の差し込み方向において反応管を位置決めするための反応管位置決め部を反応管装着孔に設けて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 内側電極を上方より差し込んで装着するための内側電極装着孔をサポーターに設けて成ることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 反応管の長手方向に対して内側電極を位置決めするための内側電極位置決め機構をサポーターに設けて成ることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 内側電極の表面に誘電体膜を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 内側電極の表面と誘電体膜の間にアンダーコートを設けて成ることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 誘電体膜に封孔処理を施して成ることを特徴とする請求項7又は8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 誘電体膜を誘電体材料で形成して成ることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  11. アンダーコートをニッケル、クロム、アルミニウム、イットリウムを含む合金膜で形成して成ることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  12. 誘電体材料で封孔処理を施して成ることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  13. 誘電体膜の厚みを10〜500μmに形成して成ることを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  14. 誘電体膜を誘電体材料の溶射にて形成して成ることを特徴とする請求項7乃至13のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  15. プラズマジェットが吹き出される吹き出し口を反応管の先端面に設け、反応管の先端を吹き出し口側に向かって先細りとなる集束部として形成し、集束部の外周面と集束部以外の反応管の外周面との間に形成されるテーパー角が10〜30°であることを特徴する請求項1乃至14のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  16. プラズマジェットが吹き出される複数個の吹き出し口を反応管に設けて成ることを特徴とする請求項1乃至15に記載のプラズマ処理装置。
  17. 冷媒を流通させる冷媒流通溝を内電極管の外周面に螺旋状に形成し 、外電極管の内側に内電極管を嵌め込んで外側電極を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  18. 請求項1乃至17のいずれかに記載のプラズマ処理装置で発生させたプラズマジェットを被処理物に供給してプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
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