JP2001049470A - プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法

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JP2001049470A
JP2001049470A JP11230801A JP23080199A JP2001049470A JP 2001049470 A JP2001049470 A JP 2001049470A JP 11230801 A JP11230801 A JP 11230801A JP 23080199 A JP23080199 A JP 23080199A JP 2001049470 A JP2001049470 A JP 2001049470A
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cooling
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Kosuke Nakamura
康輔 中村
Koji Sawada
康志 澤田
Noriyuki Taguchi
典幸 田口
Masaharu Yasuda
正治 安田
Keiichi Yamazaki
圭一 山崎
Kazuya Kitayama
和也 喜多山
Yoshiyuki Nakazono
佳幸 中園
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物の熱的ダメージを低減することがで
きるプラズマ処理システムを提供する。 【解決手段】 大気圧下で生成したプラズマを被処理物
7に供給して被処理物7にプラズマ処理を施すためのプ
ラズマ処理システムに関する。プラズマ処理中に被処理
物7を冷却するための冷却手段50を備える。冷却手段
50で冷却しながら被処理物7にプラズマ処理を施すこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物の表面に
存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、
製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズ
マを発生させるためのプラズマ処理システム、及びこれ
を用いたプラズマ処理方法に関するものであり、精密な
接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに応用
されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被処理物にプラズマジェット
を供給して被処理物にプラズマ処理を施すことが行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラズマジェ
ットは高温であるために、被処理物に反りや変形や変色
などの熱的ダメージが生じるという問題があった。特
に、被処理物がフィルムBGA(Ball Grid Array)、テ
ープBGA、TAB(Tape Automated Bonding)、フィル
ムCSP(Chip Size Package)などの基板、すなわち、
カプトンやポリイミドなどの合成樹脂製でフィルム(テ
ープ)状に形成されたものであると、上記のような熱的
ダメージが特に問題になるものであった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、被処理物の熱的ダメージを低減することができる
プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プラズマ処理システムは、大気圧下で生成したプラズマ
を被処理物7に供給して被処理物7にプラズマ処理を施
すためのプラズマ処理システムであって、プラズマ処理
中に被処理物7を冷却するための冷却手段50を備えて
成ることを特徴とするものである。
【0006】また本発明の請求項2に係るプラズマ処理
システムは、請求項1の構成に加えて、円管のワーク台
51とワーク台51を流れる冷媒とで冷却手段50を形
成し、フィルム状の被処理物7を接触させるための接触
部52をワーク台51の外面に形成して成ることを特徴
とするものである。
【0007】また本発明の請求項3に係るプラズマ処理
システムは、請求項2の構成に加えて、ワーク台51を
支点として長尺の被処理物7を屈曲させながらワーク台
51を挟んで一方側から他方側に被処理物7を搬送する
ための搬送手段53を具備して成ることを特徴とするも
のである。
【0008】また本発明の請求項4に係るプラズマ処理
システムは、請求項3の構成に加えて、被処理物7の屈
曲角度βを20〜160°にして成ることを特徴とする
ものである。
【0009】本発明の請求項5に係るプラズマ処理方法
は、請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理シ
ステムを用いて被処理物7のプラズマ処理を行うことを
特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】図1にプラズマ処理システムの一例を示
す。このプラズマ処理システムは、プラズマ処理装置
A、冷却手段50、搬送手段53などを備えて形成され
ている。また、プラズマ処理装置Aは反応管2、外側電
極1、内側電極3などを備えて形成されている。反応管
2は絶縁性材料(誘電体材料)で円筒状に形成されるも
のであって、その下端には直径が下側ほど小さくなるよ
うに絞り込まれたテーパー構造の集束部20が形成され
ていると共に、反応管2の下端面である集束部20の下
面には吹き出し口21が設けられている。このように集
束部20を設けないで吹き出し口21の口径を反応管2
の直径とほぼ同じに形成した場合、吹き出し口21から
吹き出されるプラズマジェット65の流速を上げようと
すると、後述の外側電極1と内側電極3の間隔を小さく
して放電空間22の体積を小さくしなければならず、こ
のために外側電極1と内側電極3の冷却が難しくなる
が、本発明のように反応管2よりも直径が絞り込まれた
集束部20を設けることによって、放電空間22の体積
を小さくすることなくプラズマジェット65の流速を上
げることができ、被処理物7のプラズマ処理を効率よく
行うことができる。被処理物7の表面のクリーニングに
適したプラズマジェット65の流速を得るためには、集
束部20の外周面と集束部20以外の反応管2の外周面
との間に形成されるテーパー角αが10〜30°である
ことが好ましい。
【0012】吹き出し口21の開口面積は、直径が0.
1〜5mmの真円の面積に相当する大きさに形成されて
いる。吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よりも小
さすぎると、吹き出されるプラズマジェット65の処理
範囲が小さくなりすぎて、被処理物7のプラズマ処理に
長時間を要することになり、逆に、吹き出し口21の開
口面積が上記の範囲よりも大きすぎると、吹き出される
プラズマジェット65の処理範囲が大きくなりすぎて、
被処理物7に局所的なプラズマ処理を施すことができな
くなる恐れがある。
【0013】また反応管2の上部にはガス導入管70が
突設されている。反応管2を形成する絶縁性材料の誘電
率は放電空間22の低温化の重要な要素であって、誘電
率が2000以下の絶縁性材料を用いるのが好ましい。
反応管2の絶縁性材料の誘電率が2000を超えると、
外側電極1と内側電極3の空間に印加される電圧が大き
くなる代わりに、外側電極1と内側電極3の間の放電空
間22でのプラズマの温度(ガス温度)が上昇する恐れ
がある。反応管2の絶縁性材料の誘電率の下限値は特に
限定されないが、2であり、これよりも小さいと、放電
を維持するために、外側電極1と内側電極3の間に印加
する交流の電圧を大きくしなければならず、このため、
外側電極1と内側電極3の間の放電空間22での電力消
費量が大きくなって放電空間22でのプラズマの温度が
上昇する恐れがある。
【0014】反応管2を形成する絶縁性材料として具体
的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコ
ニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示
することができる。またマグネシア(MgO)単体ある
いはマグネシアを含む絶縁性材料で反応管2を形成する
こともでき、このことでグロー放電の安定化を図ること
ができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高
いので、プラズマ中のイオンが反応管2の表面(内面)
に衝突した場合、反応管2の表面から二次電子が多量に
放出されることになり、この二次電子が反応管2の表面
に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを
電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれ
ると推察される。
【0015】集束部20の上側部分において反応管2の
外周には金属製の外側電極1が全周に亘って設けられて
いる。外側電極1の金属材料としては熱伝導性の高いも
のであることが好ましく、このことで外側電極1の放熱
性が向上して放電の均一化を図ることができる。具体的
には外側電極1の金属材料として、銅、アルミニウム、
真鍮、耐食性の高いステンレスなどを用いることができ
る。また外側電極1は、図2に示すように、筒状の外壁
30の内側に筒状の内壁31を形成すると共に外壁30
と内壁31の間に上下が閉塞された流通路32を形成
し、外壁30の外面の上部に流通路32と連通する流入
管34を設けると共に流入管34の反対側の位置におい
て外壁30の外面の下部に流通路32と連通する流出管
35を設けるようにして形成されている。また内壁31
の内周面をサンドブラスト処理等の加工で粗面化するこ
とによって、外側電極1の反応管2側の表面の算術平均
粗さで表した粗度を10〜1000μmに設定するのが
好ましい。このことで、放電空間22における放電の均
一化を図ることができる。これはミクロ的に見た場合
に、非常に微細なマイクロディスチャージの集合体が形
成され、アークへの移行が阻害されるためであると考え
られる。外側電極1の表面の粗度が10μm未満であれ
ば、放電しにくくなる恐れがあり、外側電極1の表面の
粗度が1000μmを超えると、放電の不均一化が生じ
る恐れがある。このように外側電極1の表面を粗面化す
る加工としては、サンドブラストなどの物理的手段を採
用することができる。尚、表面粗さをy=f(x)の形
に表した場合の算術平均粗さRa(μm)はJIS B
0601で以下の式(1)で定義されている。
【0016】
【数1】
【0017】そして内壁31の内周面を反応管2の外周
に接触させるようにして外側電極1は反応管2の外側に
挿着されている。
【0018】反応管2の内部には反応管2の中心部を上
下に貫くように内側電極(中心電極)3が配設されてい
る。この内側電極3は電極本体管25と供給管26から
構成される二重管で形成されている。電極本体管25は
上下面が閉口する中空の棒状に形成されるものであっ
て、反応管2よりも上側に突出する箇所には排出管部2
7が設けられている。電極本体管25よりも小径に形成
される供給管26は、電極本体管25の中心部を貫くよ
うに電極本体管25の下部から電極本体管25の上側に
突出するまでに設けられており、電極本体管25の上側
に突出する部分は供給部28として形成されている。そ
して内側電極3の内部において電極本体管25と供給管
26の間には、排出管部27と連通する流路部29とし
て形成されている。これら電極本体管25と供給管26
は外側電極1と同様の金属材料で形成されることが好ま
しく、また電極本体管25の外面は外側電極1と同様に
粗面化されているのが好ましい。
【0019】内側電極3の電極本体管25の直径(外
径)は1〜20mmに設定するのが好ましい。電極本体
管25の直径が1mm未満であれば、放電空間22の面
する内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こ
りにくくなり、プラズマを充分に生成することができな
くなる恐れがあり、電極本体管25の直径が20mmを
超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大きくしな
ければならず、装置が大型化する恐れがある。
【0020】放電空間22における放電の安定化のため
に、内側電極3の電極本体管25の表面は絶縁性材料
(誘電体材料)の被膜でコーティングされていることが
好ましい。またこのコーティングで用いる絶縁性材料の
誘電率は2000以下であることが好ましく、絶縁性材
料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電
極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、外
側電極1と内側電極3の間の放電空間22でのプラズマ
の温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。絶縁性材料
の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、こ
れよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1
と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなけ
ればならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の
放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間2
2でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0021】内側電極3の電極本体管25のコーティン
グに用いる絶縁性材料として具体的には、石英、アルミ
ナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質
材料やセラミック材料などを例示することができる。さ
らに、アルミナ、チタニア、SiO、AlN、Si
N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタ
ン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)など
の誘電体材質のものを例示することができる。またマグ
ネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁性
材料を用いることもでき、このことでグロー放電の安定
化を図ることができる。これは、マグネシアは二次電子
放出係数が高いので、プラズマ中のイオンが内側電極3
の表面のコーティングに衝突した場合、コーティングの
表面から二次電子が多量に放出されることになり、この
二次電子がコーティングの表面に形成されたシースで加
速されてプラズマ生成用ガスを電離することになり、こ
の結果、放電の安定化が保たれると推察される。このよ
うなマグネシアを含む絶縁性材料としては、例えば、ア
ルミナ等のセラミック粉末の中に微量(0.01〜5v
ol%)のマグネシアを添加して焼結した焼結体、及び
石英などのガラス質の表面にCVD等でMgO膜を形成
したものなどを挙げることができる。
【0022】また内側電極3の電極本体管25の表面に
コーティングするにあたっては、絶縁性材料で円筒体
(セラミック管やガラス管)を形成し、これの内側に内
側電極3を挿着して密着させる方法、及びアルミナ、チ
タン酸バリウム、PZTなどの粉末をプラズマ中で分散
させ、内側電極3の電極本体管25の表面に吹き付ける
ようにするプラズマ溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チ
タニア、ジルコニア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤
などにより分散し、内側電極3の電極本体管25の表面
にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以上
の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲ
ル法によるガラス質膜の形成方法などを採用することが
できる。さらに気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着
法(PVD)により内側電極3の電極本体管25の表面
を絶縁性材料でコーティングすることもでき、これらの
方法を採用することによって、極めて緻密で平滑な吸着
性の乏しい絶縁性材料の被膜で内側電極3の表面をコー
ティングすることができ、放電の安定化をより促進する
ことができる。
【0023】このように形成される内側電極3は集束部
20の上側から反応管2の上側に突出するまでに設けら
れており、反応管2の内部において複数個の支持具24
にて支持されている。そして反応管2の内部において、
外側電極1と内側電極3の間の空間が放電空間22とし
て内側電極3を囲うように形成されている。上記の放電
空間22の下端から吹き出し口21までの距離、すなわ
ち外側電極1や内側電極3の下端から吹き出し口21ま
での距離であって、集束部20の高さ寸法は、20mm
以下に設定するのが好ましい。この距離が20mmを超
えると、活性の高い生きたプラズマ活性種(ラジカルや
イオンなど)を消滅させる前に、プラズマジェット65
を被処理物7に吹き付けることができなくなって、被処
理物7に対するプラズマ処理の能力が低下する恐れがあ
る。従って、放電空間22の下端から吹き出し口21ま
での距離を20mm以下にすることによって、活性の高
い生きたプラズマ活性種を消滅させる前に、吹き出し口
21からプラズマジェット65を吹き出して被処理物7
に吹き付けることができ、被処理物7のプラズマ処理を
高めることができる。放電空間22の下端から吹き出し
口21までの距離は小さいほど好ましいので、下限は0
である。
【0024】また外側電極1の内面と内側電極3の外面
の間の距離(放電空間22の幅寸法)は1〜10mmに
設定するのが好ましい。この距離が1mm未満であれ
ば、外側電極1と内側電極3の距離が近すぎて安定な放
電を得ることができなくなる恐れがあり、この距離が1
0mmを超えると、外側電極1と内側電極3の距離が遠
すぎて印加電力を大きくしなければならず、外側電極1
や内側電極3の温度が上昇して安定な放電を得ることが
できなくなる恐れがある。
【0025】上記の外側電極1や内側電極3を冷却する
ための冷媒、及び後述の冷却手段として用いる冷媒は流
体であって、イオン交換水や純水を使用することができ
るが、0℃で不凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性
や化学安定性を有する液体であることが好ましく、冷媒
の電気絶縁性能は0.1mm間隔での耐電圧が10kV
以上であることが好ましい。この範囲の絶縁性を有する
冷媒を用いる理由は、高電圧が印加される電極からの漏
電を防止するためである。このような性質を有する冷媒
としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエ
ーテル等を例示することができ、また純水にエチレング
リコールを5〜60重量%添加した混合液であってもよ
い。
【0026】上記の内側電極3を冷媒によって冷却する
にあたっては、供給部28の上端の開口から冷媒を供給
管26に供給する(矢印)と共に、供給管26の下端
の開口から冷媒を内側電極3の内部の流路部29に流入
し、冷媒を流路部29に充満させるようにして行うこと
ができる。また流路部29に充満させた冷媒は内側電極
3の温度上昇により温度が高くなり冷却能力が低下して
くるが、この冷却能力が低下した冷媒は排出管部27を
通じて流路部29から排出し(矢印)、これと同時に
供給管26を通じて冷却能力の高い冷媒を新たに流路部
29に導入するようにする。流路部29から排出された
冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、ここで冷
却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却能力が向
上した冷媒は、上記のように供給管26を通じて流路部
29に導入される。このように冷媒を循環させることに
よって、内側電極3を常に冷却して所望の温度に保つこ
とができる。上記のように内側電極3の流路部29と冷
凍機の間で循環させる循環手段としてはポンプを用いる
ことができる。
【0027】また、上記の外側電極1を冷媒によって冷
却するにあたっては、流入管34を通じて冷媒を流通路
32に供給して(矢印)、冷媒を流通路32に充満さ
せるようにして外側電極1の冷却を行うようにしてい
る。また流通路32に充満させた冷媒は外側電極1の温
度上昇により温度が高くなり冷却能力が低下してくる
が、この冷却能力が低下した冷媒は流出管35を通じて
流通路32から排出し(矢印)、これと同時に流入管
34を通じて冷却能力の高い冷媒を新たに流通路32に
導入するようにする。流通路32から排出された冷却能
力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、ここで冷却され
て冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却能力が向上した
冷媒は、上記のように流入管34を通じて流通路32に
導入される。このように冷媒を循環させることによっ
て、外側電極1を常に冷却して所望の温度に保つことが
できる。上記のように外側電極1の流通路32と冷凍機
の間で循環させる循環手段としては内側電極3の循環手
段と同様にポンプを用いることができる。
【0028】このように外側電極1と内側電極の両方を
冷媒により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流
でプラズマを生成しても、外側電極1と内側電極3の両
方の温度上昇を抑えることができ、よってプラズマの温
度(ガス温度)がより高くならないようにすることがで
きて被処理物7の熱的損傷を少なくすることができるも
のである。また外側電極1と内側電極3の両方を冷却す
ることによって、放電空間22の局所的な加熱をより防
ぐことができ、より均質なグロー放電を生成してストリ
ーマー放電の生成を抑えることができて被処理物7のス
トリーマー放電による損傷をより少なくすることができ
るものである。これは、外側電極1と内側電極3の両方
を冷却することによって、外側電極1と内側電極3の両
方からの部分的な電子の放出が抑えられるためであると
考えられる。
【0029】上記のように形成されるプラズマ処理装置
Aでプラズマを発生させるにあたっては、まず、ガス導
入管70を通じて反応管2の内部にプラズマ生成用ガス
を導入する(矢印)と共に、外側電極1と内側電極3
に高周波などの交流を印加し、さらにこれと同時に外側
電極1と内側電極3を冷媒によって冷却する。この後、
外側電極1と内側電極3の間に印加された交流電界によ
り大気圧下で反応管2の放電空間22でグロー放電を発
生させ、グロー放電で反応管2の内部に導入されたプラ
ズマ生成用ガスをプラズマ化する。そして、このように
生成されたプラズマ活性種を含むプラズマは吹き出し口
21からプラズマジェット65として吹き出されるので
ある。
【0030】プラズマジェット65の温度は250℃以
下にするのが好ましい。このような温度にするために、
外側電極1及び内側電極3はその表面温度が350℃以
下になるように冷却されるのが好ましい。内側電極3の
表面温度が350℃を超えると、放電空間22にストリ
ーマー放電が生成されて、均質なグロー放電が生成され
ない恐れがある。尚、内側電極3の表面温度の下限値は
特に設定されず、例えば0℃以下であってもよく、冷媒
が凍結しない温度であればよい。そしてこのように反応
管2から吹き出すプラズマジェット65の温度を250
℃以下に制御するために制御手段を用いるのが好まし
い。制御手段は熱電対などの温度センサーとパーソナル
コンピュータなどで構成される温度コントローラーから
構成されるものであって、温度センサーで測定し、この
測定結果に基づいて温度コントローラーで循環手段によ
る冷媒の循環流量や冷凍機の冷却による冷媒の温度や高
周波出力を制御してプラズマジェット65の温度を25
0℃以下に制御するのである。尚、プラズマジェット6
5の温度は被処理物7やプラズマ処理の種類に応じて変
更し、被処理物7を処理することができる温度以上にす
る。
【0031】吹き出し口21から吹き出されるプラズマ
ジェット65の流速は、2〜30m/秒に設定するのが
好ましい。プラズマジェット65の流速が2m/秒未満
であれば、プラズマジェット65の処理能力が小さすぎ
て被処理物7をプラズマ処理するのに長時間を要するこ
とになる恐れがあり、プラズマジェット65の流速が3
0m/秒を超えると、プラズマジェット65の処理能力
が大きすぎて被処理物7が破損する恐れがある。そして
プラズマジェット65の流速が上記の範囲となるよう
に、吹き出し口21の口径や集束部20の傾斜の度合い
を調整して設定するのである。
【0032】また、外側電極1と内側電極3に印加され
る交流の周波数は、1kHz〜50GHz、好ましくは
10kHz〜200MHzに設定される。交流の周波数
が1kHz未満であれば、放電空間22での放電を安定
化させることができなくなる恐れがあり、交流の周波数
が50GHzを超えると、放電空間22でのプラズマの
温度上昇が著しくなる恐れがある。また外側電極1と内
側電極3に交流を印加する場合、外側電極1と電源15
を接続し、内側電極3を接地するのが好ましく、このこ
とで内側電極3と被処理物7の間のストリーマー放電を
抑制することができる。これは、内側電極3と被処理物
7の間の電位差がほとんど0になり、ストリーマー放電
が生成されにくくなるためであり、特に、被処理物7に
金属部分が含まれている場合はストリーマー放電の生成
が著しくなるので、内側電極3を接地するのが好まし
い。尚、図1のものでは内側電極3は供給管26の供給
部28から接地されている。
【0033】また、外側電極1と内側電極3の間の放電
空間22に印加される印加電力は20〜3500W/c
に設定するのが好ましい。放電空間22に印加され
る印加電力が20W/cm未満であれば、プラズマを
充分に発生させることができなくなり、逆に、放電空間
22に印加される印加電力が3500W/cmを超え
ると、安定した放電を得ることができなくなる恐れがあ
る。尚、印加電力の密度(W/cm)は、(印加電力
/放電空間体積)で定義される。
【0034】プラズマ生成用ガスとしては、不活性ガス
(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を
用いることができる。不活性ガスとしては、ヘリウム、
アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することがで
きるが、放電の安定性や経済性を考慮すると、アルゴン
やヘリウムを用いるのが好ましい。またアルゴン単独で
はストリーマー放電が生成し易いので、アルゴンをヘリ
ウムで希釈した混合ガスを用いることが好ましく、その
混合比率は放電空間22の温度とも密接に関連するが、
プラズマジェット65の温度を250℃以下にした場合
は、アルゴンを90重量%以下にするのが好ましい。こ
れよりもアルゴンが多くなると、ストリーマー放電が生
じ易くなる恐れがある。尚、アルゴンが多いとストリー
マー放電が生じ易くなるのは、アルゴンがヘリウムに比
べて準安定状態のエネルギーや寿命がヘリウムに比べて
小さいためであると考えられる。
【0035】また上記反応ガスの種類は処理の内容によ
って任意に選択することができる。例えば、被処理物の
表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸
素、空気、CO、NOなどの酸化性ガスを用いるの
が好ましい。また反応ガスとしてCFなどのフッ素系
ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチン
グを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的
である。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、ア
ンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。反応
ガスの添加量は不活性ガスに対して10重量%以下、好
ましくは0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添
加量が0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる
恐れがあり、反応ガスの添加量が10重量%を超える
と、放電が不安定になる恐れがある。
【0036】また上記有機物の除去や無機物の還元・除
去の処理は、反応ガスを用いなくても不活性ガスのみで
行うことができる。つまり、被処理物7の表面の酸化や
フッ素化を起こさないでも上記処理が行える。これは、
プラズマ内部に存在する不活性ガスのイオンやラジカル
の運動エネルギーとガス流(プラズマが吹き出す際の流
れ)の運動エネルギーが合わさってプラズマが被処理物
7にアタックすることによる効果であり、このアタック
により被処理物7の表面の化合物の結合エネルギーを切
断して除去するためであると考えられる。
【0037】冷却手段50は、ステンレス鋼管などで断
面略円形の円管(円筒)で形成されるワーク台51とワ
ーク台51の内部の流路61を流れる冷媒とで形成され
ている。ワーク台51はプラズマ処理装置Aの吹き出し
口21の下側で略水平に長く配置されており、ワーク台
51の外面の上側略半分は被処理物7の下面を接触させ
るための接触部52として形成されている。この接触部
52はプラズマ処理装置Aの吹き出し口21の略真下に
形成されている。また、ワーク台51に下側にはワーク
台51と同様の返送管54がワーク台51と略平行に配
設されている。この返送管54の一端はワーク台51の
一端と直接接続されていると共に返送管54の他端はワ
ーク台51の他端とポンプ55を介して接続されてい
る。そして、図3に矢印で示すように、ポンプ55によ
り冷媒をワーク台51と返送管54の流路61に流通さ
せて循環させることによって冷媒でワーク台51を冷却
し、ワーク台51が冷却されることによって、接触部5
2に接触している被処理物7を冷却することができるの
である。
【0038】搬送手段53は、断面略円形の丸棒で形成
される送りローラ55と巻き取りローラ56で構成され
ている。送りローラ55はワーク台51の長手方向(軸
方向)と直交する方向の一方側に、巻き取りローラ56
はワーク台51の長手方向と直交する方向の他方側にそ
れぞれ配置されている。また、送りローラ55と巻き取
りローラ56はワーク台51より下側で互いに対向する
ように略水平に配置されている。さらに、送りローラ5
5と巻き取りローラ56とワーク台51は略平行に配置
されている。また、これら送りローラ55と巻き取りロ
ーラ56はモーター等の駆動機(図示省略)で回転駆動
自在に形成されている。
【0039】そして、上記のように形成されるプラズマ
処理システムを用いてフィルム状で長尺の被処理物7に
プラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行
う。まず、送りローラ55の外周に巻かれた被処理物7
の端部を巻き取りローラ56の外周に巻き付けて送りロ
ーラ55と巻き取りローラ56の間に被処理物7を掛架
する。この時、プラズマ処理装置Aの吹き出し口21と
ワーク台51の接触部52の間を被処理物7が通過し、
且つ被処理物7の下面がワーク台51の接触部52に接
触するように掛架する。従って、被処理物7はワーク台
51の接触部52を支点として上下に屈曲された状態と
なって、被処理物7にテンションが掛かった状態とな
る。次に、上述のようにプラズマ処理装置Aの吹き出し
口21からプラズマジェット65を吹き出すと共に送り
ローラ55と巻き取りローラ56を回転駆動させて被処
理物7を送りローラ55から巻き取りローラ56へと屈
曲させながら(テンションを掛けながら)搬送する。そ
して、このように被処理物7を接触部52に接触させな
がら吹き出し口21の下側を通過するように搬送するこ
とによって、被処理物7を接触部52で冷却することが
できると共に被処理物7の上面(表面)にプラズマジェ
ット65を供給することができ、被処理物7を冷却しな
がら被処理物7の上面に全長に亘ってプラズマ処理を連
続的に施すことができるのである。尚、被処理物7の搬
送速度や被処理物7と吹き出し口21の間隔は、被処理
物7の種類やプラズマの生成条件等によって異なるが、
被処理物7の搬送速度は0.1mm/秒〜200mm/
秒に、被処理物7と吹き出し口21の間隔は2〜10m
mにそれぞれ設定するのが好ましい。
【0040】上記の実施の形態では、プラズマ処理中に
被処理物7を冷却するための冷却手段50を備えるの
で、冷却手段50で冷却しながら被処理物7にプラズマ
処理を施すことができ、プラズマ処理による被処理物7
の変形や反りなどの熱的ダメージを低減することができ
るものである。また、ワーク台51を支点として長尺の
被処理物7を屈曲させながら搬送するための搬送手段5
3を具備するので、被処理物7を搬送手段53で搬送す
ることによって、被処理物7にテンションを掛けながら
プラズマ処理を施すことができ、冷却手段50であるワ
ーク台51の接触部52と被処理物7の密着性が高まっ
て被処理物7が効率よく冷却されると共に被処理物7が
テンションにより曲がらないように延ばされることにな
って、被処理物7に変形や反りがより生じにくくなるも
のであり、しかも、送りローラ55と巻き取りローラ5
6の間で被処理物7が弛まないように搬送することがで
きるものである。そして、このようにして被処理物7の
熱的ダメージが低減されることによって、例えば、被処
理物7のワイヤボンディング性が向上するのである。
尚、一般的に上記のような冷媒を用いた冷却手段50
は、ペルチェ素子などを用いた電気的な冷却手段よりも
安価に形成することができるというメリットもある。ま
た、上記のような冷媒を用いた冷却手段50は冷媒の循
環により連続的で安定した被処理物7の冷却が可能とな
り、ワーク台51の温度が制御し易いものである。
【0041】被処理物7の屈曲角度βは20〜160°
に設定するのが好ましく、このことで、被処理物7に変
形や反りがより生じにくくなると共に安定的な生産性を
確保することができるものである。屈曲角度βが20°
未満であれば、被処理物7を安定して搬送しにくくなる
恐れがあり、また、屈曲角度βが160°を超えると、
被処理物7に掛かるテンションが小さくなって被処理物
7を安定して搬送しにくくなったり被処理物7の変形防
止や反り防止の効果が得にくくなる恐れがある。尚、被
処理物7の屈曲角度βは図1に示すように、ワーク台5
1を挟んで両側に位置する被処理物7のプラズマ処理前
の部分とプラズマ処理後の部分とのなす角度(小さい方
の角度)である。そして、屈曲角度βが20〜160°
となるように、送りローラ55と巻き取りローラ56の
間隔やワーク台51に対する送りローラ55と巻き取り
ローラ56の高さ位置を調整するようにする。
【0042】図4に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理システムは、図1に示すプラズマ処理装置Aの外
側電極1と内側電極3の代わりに、高圧電極63と接地
電極64を用いるようにしたものであり、その他の構成
は上記の実施の形態とほぼ同様に形成されている。すな
わち、上面がガス導入口90として開口された反応管2
の外周に高圧電極63と接地電極64を接触させて設け
ると共に高圧電極63と接地電極64を上下に対向させ
て配置することによってプラズマ処理装置Aが形成され
ており、反応管2の内部において高圧電極63と接地電
極64の間に放電空間22が形成されている。反応管2
を形成する材料は上記と同様である。
【0043】高圧電極63と接地電極64は、その冷却
効率を高くするために熱伝導性の高い金属材料、例え
ば、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス
(SUS304など)などで形成されており、図5に示
すように両電極63、64は同形であって、環状(リン
グ状)に形成されている。高圧電極63と接地電極64
の略中央部には上下に貫通する挿着孔10が形成されて
おり、挿着孔10の孔径は反応管2の外径とほぼ同一に
形成されている。また、高圧電極63と接地電極64の
内部は冷媒が流通可能な流通部11として形成されてお
り、高圧電極63と接地電極64の外周面には流通部1
1と連通する供給管12と排出管13が突設されてい
る。
【0044】高圧電極63と接地電極64の内周面(挿
着孔10を構成する面)は反応管2と接触する当接面1
4として形成されており、当接面14の算術平均粗さで
表した表面粗度は10〜1000μmに設定されてい
る。このように当接面14の表面粗度を10〜1000
μmに設定することによって、放電空間22における放
電の均一化を図ることができる。
【0045】そして、反応管2を挿着孔10に差し込む
ことによって、高圧電極63と接地電極64を反応管2
の外周に取り付けると共に高圧電極63と接地電極64
の内周面の当接面14を反応管2の外周面に接触させる
ように配置する。また、高圧電極63は交流電界を発生
させる電源15と接続されると共に接地電極64は接地
される。接地電極64は高圧電極63の下側で集束部2
0の上側に位置するように、すなわち、吹き出し口21
と高圧電極63の間に位置するように配置される。この
ことで、接地電極64が高圧電極63よりも被処理物7
に近くに位置することになり、すなわち、高圧電極63
が接地電極64よりも被処理物7から遠くに位置するこ
とになり、高圧電極63から被処理物7にアーク放電が
飛びにくくなって、アーク放電による被処理物7の破損
を防止することができるものである。
【0046】高圧電極63と接地電極64の間隔L(高
圧電極63の下端と接地電極64の上端の間隔L)は3
〜20mmに設定するのが好ましい。高圧電極63と接
地電極64の間隔Lが3mm未満であれば、反応管2の
外部で高圧電極63と接地電極64の間で短絡が起こっ
て放電空間22で放電が起こらなくなる恐れがあり、し
かも、放電空間22が狭くなって、効率よくプラズマジ
ェット65を生成することが難しくなる恐れがある。ま
た、高圧電極63と接地電極64の間隔Lが20mmを
超えると、放電空間22で放電が起こりにくくなって、
効率よくプラズマジェット65を生成することが難しく
なる恐れがある。
【0047】また、反応管2の内部には体積減少具8が
設けられている。体積減少具8の下部は放電空間22内
に位置しており、体積減少具8で放電空間22の体積が
図1のものよりも減少している。このように放電空間2
2の体積を減少させるための体積減少具8を設けること
によって、放電空間22における単位体積あたりの投入
電力(交流電界)を増加させることができ、プラズマジ
ェット65の生成の効率を向上させることができるもの
である。
【0048】体積減少具8は中身が詰まった棒体で形成
してもよいが、図6に示すように、冷媒で冷却可能な二
重管構造に形成するのが好ましい。二重管構造の体積減
少具8は円筒状の冷却管71と導入管72から構成され
ており、冷却管71の内周面と導入管72の外周面の間
が冷媒の通る冷媒流路73として形成されている。そし
て矢印で示すように、導入管72の上端開口から導入
管72内に冷媒を供給すると共に、導入管72内の冷媒
を導入管72の下端開口から吐出して冷媒流路73に冷
媒を供給し、矢印で示すように、冷媒流路73内の冷
媒を冷却管71の上部に突設した導出管74から排出す
るようにして冷媒を流通させることによって、体積減少
具8を冷却することができる。
【0049】そしてこのように体積減少具8を冷却する
ことによって、体積減少具8の熱による劣化を低減する
ことができ、体積減少具8の長寿命化を図ることができ
るものであり、しかも、体積減少具8の周囲の放電空間
22で生成されるプラズマ5の温度を低下させることが
でき、被処理物7の熱によるダメージを少なくすること
ができるものである。
【0050】体積減少具8(特に、冷却管71)は反応
管2と同様の絶縁材料で形成するのが好ましく、このこ
とで体積減少具8からスパッタリングや腐食により不純
物が生じないようにすることができ、長期間の使用であ
っても被処理物7が不純物より汚染されないようにする
ことができるものである。また、体積減少具8はステン
レス鋼等の金属材料で形成することもできるが、この場
合、体積減少具8(特に、冷却管71)の表面は、絶縁
材料で保護膜でコーティングするのが好ましい。
【0051】この保護膜に使用する絶縁材料としては、
石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムな
どのガラス質材料やセラミック材料などを例示すること
ができる。さらに、アルミナ(Al)、酸化チタ
ン(チタニアでTiO)、SiO、AlN、Si
N、SiC、DLC(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタ
ン酸バリウム、PZT(チタン酸鉛ジルコネート)など
の誘電体材質のものを例示することができる。またマグ
ネシア(MgO)単体あるいはマグネシアを含む絶縁材
料を用いることもできる。
【0052】また、保護膜を形成するにあたっては、絶
縁材料で円筒体(セラミック管やガラス管)を形成し、
これの内側に体積減少具8を挿着して密着させる方法、
及びアルミナ、チタン酸バリウム、酸化チタン、PZT
などの粉末をプラズマ中で分散させ、体積減少具8の表
面に吹き付けるようにするプラズマ溶射法、及びシリ
カ、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの
無機質粉末を溶剤などにより分散し、体積減少具8の表
面にスプレーなどで吹き付けて被覆した後、600℃以
上の温度で溶融させるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾル
ゲル法によるガラス質膜の形成方法などを採用すること
ができる。さらに気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸
着法(PVD)により体積減少具8の表面を保護膜でコ
ーティングすることもでき、これらの方法を採用するこ
とによって、極めて緻密で平滑な吸着性の乏しい保護膜
で体積減少具8の表面をコーティングすることができ、
放電の安定化をより促進することができる。現実的な処
理時間及びコストを考慮すると、上記の溶射法を用いる
のが好ましい。
【0053】また、保護膜の厚みは10〜500μmに
設定するのが好ましい。保護膜の厚みが10μm未満で
あれば、体積減少具8の劣化防止の効果が小さく、体積
減少具8の長寿命化を図りにくくなる恐れがあり、保護
膜の厚みが500μmを超えても体積減少具8の劣化防
止の効果は大きく向上せず、保護膜に使用する絶縁材料
の消費量が無駄に多くなって経済的に不利になる恐れが
ある。
【0054】また、体積減少具8の表面と保護膜の間に
は、ニッケル、クロム、アルミニウム、イットリウムを
含む合金膜で形成されるアンダーコートを介在させるの
が好ましい。アンダーコートは合金の溶射により形成す
ることができ、具体的な合金としては、Ni−Cr、N
i−Al、Ni−Cr−Al−Yなどを例示することが
できる。体積減少具8は室温と高温のプラズマ下の繰り
返しによる熱応力負荷環境に置かれることになり、この
熱応力で保護膜が剥離してしまう恐れがある。そこで、
保護膜にかかる熱応力負荷の衝撃を緩和させるためにア
ンダーコートを設けるようにする。金属である体積減少
具8と合金であるアンダーコートと絶縁材料である保護
膜の熱膨張率の関係は、金属の膨張率>合金の膨張率>
絶縁材料の膨張率となり、体積減少具8の熱による伸縮
がアンダーコートの介在によって保護膜に伝わりにくく
なり、このことで、保護膜が剥離しにくくなって体積減
少具8の長寿命化を図ることができるものである。
【0055】また、保護膜には封孔処理を施すのが好ま
しい。封孔処理は保護膜の欠陥部分を埋める処理であっ
て、SiO、TiO、Alなどの誘電体を含
む溶液に浸漬して行う。この封孔処理を行うことによっ
て、高圧電極63と金属製の体積減少具8の間でアーク
放電を起こりにくくすることができ、プラズマジェット
65の加熱による体積減少具8の劣化を防止して体積減
少具8の長寿命化を図ることができるものである。
【0056】体積減少具8は反応管2の中心を上下に貫
くように配置されている。つまり、反応管2の長手方向
(上下方向)に長い中心線と体積減少具8の長手方向
(上下方向)に長い中心線とがほぼ合致するように、反
応管2と体積減少具8はほぼ同軸(同心円状)に配置さ
れている。このように反応管2と体積減少具8をほぼ同
軸に配置することによって、反応管2の内周面と体積減
少具8の外周面の間に形成される放電空間22の体積を
均一化することができ、放電空間22における交流電界
の密度が均一化されて、プラズマジェット65を効率よ
く生成することができるものであり、しかも、生成され
るプラズマジェット65が均質化されて高品質のプラズ
マ処理を行うことができるものである。
【0057】上記のように形成されるプラズマ処理装置
Aでプラズマを発生させるにあたっては、まず、矢印
で示すようにガス導入口90から反応管2の内部にプラ
ズマ生成用ガスを上から下に向かって流して導入すると
共に高圧電極63に電源15から高周波電圧を印加し
て、高圧電極63と接地電極64の間の放電空間22に
高周波の交流電界を印加する。この交流電界の印加によ
り大気圧下で放電空間22にグロー放電を発生させ、グ
ロー放電でプラズマ生成用ガスをプラズマ化する。そし
て、このように生成されたプラズマ活性種を含むプラズ
マは吹き出し口21からプラズマジェット65として吹
き出されるのである。尚、プラズマ生成用ガスの種類や
印加電力や印加される交流の周波数などのプラズマ生成
の際の条件は上記と同様に設定することができる。
【0058】また上記のようにプラズマジェット65を
発生させている間、高圧電極63と接地電極64は冷媒
により冷却されている。つまり、矢印で示すように供
給管12を通じて高圧電極63と接地電極64の内部の
流通部11に冷媒を供給することによって、高圧電極6
3と接地電極64が冷却される。流通部11に供給され
た冷媒は、矢印で示すように排出管13を通じて排出
される。そして、高圧電極63と接地電極64を冷媒に
より冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流でプラ
ズマを生成しても、高圧電極63と接地電極64の両方
の温度上昇をより抑えることができ、よってプラズマジ
ェット65の温度(ガス温度)がより高くならないよう
にすることができて被処理物7の熱的損傷をより少なく
することができるものである。また高圧電極63と接地
電極64の両方を冷却することによって、放電空間22
の局所的な加熱をより防ぐことができ、より均質なグロ
ー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えること
ができて被処理物7のストリーマー放電による損傷をよ
り少なくすることができるものである。これは、高圧電
極63と接地電極64の両方を冷却することによって、
高圧電極63と接地電極64の両方からの部分的な電子
の放出が抑えられるためであると考えられる。
【0059】そしてこのプラズマ処理装置Aは、放電空
間22に交流電界を印加するための高圧電極63と接地
電極64の両方を反応管2の外側に設けるので、高圧電
極63と接地電極64の両方がプラズマジェット65に
直接曝されることが無くなって、プラズマジェット65
によりスパッタリングを受けないようにすることができ
ると共に反応ガスにより腐食されないようにすることが
でき、高圧電極63と接地電極64がダメージを受けな
くなって寿命を長くすることができるものである。しか
も、スパッタリングや腐食により不純物が生じないの
で、長期間の使用であっても被処理物7が不純物より汚
染されないようにすることができるものである。
【0060】また、高圧電極63と接地電極64をプラ
ズマ生成用ガスの導入方向と略平行に並ぶように、すな
わち、高圧電極63と接地電極64を上下に並べて対向
させて配置するので、放電空間22に生成される交流電
界の方向とプラズマ生成用ガス及びプラズマジェット6
5の流れ方向とをほぼ一致させることができ、プラズマ
ジェット65の活性種を効率よく生成することができる
ものであり、しかも、高圧電極63と接地電極64の間
隔Lを変えることによって、放電空間22の大きさを簡
単に変えることができ、プラズマジェット65の生成量
を容易に調整することができるものである。
【0061】また、高圧電極63と接地電極64が対向
する方向(高圧電極63と接地電極64が並ぶ上下方
向)において、少なくとも一部の電気力線が反応管2の
内面に沿って形成されるので、図1に示す実施の形態の
ように、全ての電気力線が反応管2の内面の垂直方向に
形成される場合に比べて反応管2の劣化が小さくなり、
反応管2の内面からその構成物質が飛び出しにくくなっ
て被処理物7が不純物により汚染されるのを少なくする
ことができる。
【0062】そして、このように形成されるプラズマ処
理装置Aの下方に上記の実施の形態と同様に冷却手段5
0と搬送手段53を配設することによって、図4に示す
ようなプラズマ処理システムを形成することができる。
このプラズマ処理システムは図1に示す実施の形態と同
様にして長尺のフィルム状の被処理物7にプラズマ処理
を施すことができ、また、図1に示す実施の形態と同様
の効果を奏するものである。
【0063】図7に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理システムのプラズマ処理装置Aとしては図1又は
図4に示すものを用いることができる。また、冷却手段
50は冷却気体と冷却気体を吹き出す吹き出し管80と
から構成されている。冷却気体としては35℃程度の冷
却空気や窒素ガスなどのガスを用いることができる。吹
き出し管80はプラズマ処理装置Aの吹き出し口21よ
りも下側で上下方向に傾けて配設されており、吹き出し
口21側に向く吹き出し管80の上端部の開口は噴出口
81として形成されている。
【0064】そして、このように形成されるプラズマ処
理システムを用いて被処理物7にプラズマ処理を施すに
あたっては、次のようにして行う。まず、プラズマ処理
装置Aの吹き出し口21の下側に被処理物7を配置す
る。次に、上述のようにプラズマ処理装置Aの吹き出し
口21からプラズマジェット65を吹き出して被処理物
7の上面に供給すると共に吹き出し管80を流通させて
冷却気体を噴出口81から吹き出して被処理物7の下面
に供給する。このようにして被処理物7を冷却気体で冷
却しながらプラズマ処理することができるのである。
尚、この実施の形態は被処理物7としてフィルム状でな
いものが好ましく、BGA用回路基板などの剛性があり
平板状のものを被処理物7とするのが好ましい。
【0065】この実施の形態では、吹き出し管80から
の冷却気体の吹き出し方を間欠的、連続的、瞬間的など
に変えることによって、被処理物7の冷却の仕方を間欠
的、連続的、瞬間的などに容易に変えることができ、被
処理物7の種類などに応じたプラズマ処理が行いやすく
なるものである。
【0066】図8に他の実施の形態を示す。このプラズ
マ処理システムのプラズマ処理装置Aとしては図1又は
図4に示すものを用いることができる。また、冷却手段
50としては電気的冷却器82を用いることができる。
電気的冷却器82は電源ユニット83からの通電により
吸熱するペルチェ素子を備えたものを例示することがで
き、さらに具体的には、電気的冷却器82として電子冷
熱方式のプレート方式のクリーニングプレート(コマツ
エレクトロニクス製のCU−XX)と電源ユニット83
(コマツエレクトロニクス製のMR−2015)を例示
することができる。この電気的冷却器82はプラズマ処
理装置Aの吹き出し口21の下側に配設されている。
【0067】そして、このように形成されるプラズマ処
理システムを用いて被処理物7にプラズマ処理を施すに
あたっては、次のようにして行う。まず、電気的冷却器
82の上に被処理物7を載置してプラズマ処理装置Aの
吹き出し口21の下側に被処理物7を配置する。次に、
上述のようにプラズマ処理装置Aの吹き出し口21から
プラズマジェット65を吹き出して被処理物7の上面に
供給すると共に電気的冷却器82に通電する。このよう
にして被処理物7を電気的冷却器82で冷却しながらプ
ラズマ処理することができるのである。尚、この実施の
形態は被処理物7としてフィルム状でないものが好まし
く、BGA用回路基板などの剛性があり平板状のものを
被処理物7とするのが好ましい。
【0068】この実施の形態では、上記の実施の形態の
ように冷媒を用いないので、冷媒の漏れなどが発生する
恐れがなく、また、冷却手段50の取り扱いが簡単とな
り、プラズマ処理が行いやすくなるものである。
【0069】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0070】(実施例1)図1に示すプラズマ処理シス
テム用いてプラズマ処理を行った。外側電極1としては
図2に示す構造のもので銅製の円管物を用い、これを反
応管2の外周に挿着した。反応管2に密着させた外側電
極1の内面は粗度Raが100μmになるようにサンド
ブラストで加工されていた。反応管2としては外径が1
6mm、内径が13mm、テーパー角が20°の石英製
の円管を用いた。内側電極3としては電極本体管25と
供給管26で構成される二重管であって、ともにステン
レス製のものを用いた。外側電極1と内側電極3を冷却
する冷媒としてはパーフルオロカーボン溶液(不凍液)
を用いた。
【0071】冷却手段50のワーク台51及び返送管5
4はφ50mm、肉厚2mmの管状のステンレス鋼管
(SUS304管)で形成し、ワーク台51及び返送管
54で略ロ字状の流路61を形成した。この流路61に
ポンプ55で純水を冷媒として循環させた。
【0072】被処理物7としてはカプトンフィルム上に
無電界金メッキ回路が形成された厚さ0.1μmのフィ
ルムBGA用の基板を用いた。プラズマ生成用ガスとし
ては不活性ガスであるヘリウムとアルゴンと酸素の混合
気体を用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴ
ンの流量を3リットル/分、酸素の流量を60cc/分
と設定した。また反応管2から吹き出されるプラズマジ
ェット65の流速は10m/秒であった。
【0073】そして外側電極1と内側電極3を冷媒によ
って冷却しながら、内側電極3を接地し、外側電極1に
高周波(周波数が13.56MHz、印加電力が250
W)を印加することによってプラズマを生成し、吹き出
し口21から吹き出されるプラズマジェット65にて上
記被処理物7の回路のクリーニング処理(プラズマ処
理)を行った。この時、被処理物7の搬送速度を30m
m/秒とし、冷却手段50により被処理物7を冷却しな
がらクリーニング処理を行った。
【0074】この結果、被処理物7の回路のワイヤボン
ディング強度がプラズマ処理前で5.0gであったのに
対して、プラズマ処理後は8.0gに向上した。また、
被処理物7に反りや変色などの熱的ダメージは生じなか
った。
【0075】(比較例1)被処理物7を冷却しなかった
以外は、実施例1と同様にして被処理物7の回路のクリ
ーニング処理を行った。
【0076】この結果、被処理物7の回路のワイヤボン
ディング強度がプラズマ処理前で5.0gであったのに
対して、プラズマ処理後は3.0gに減少した。また、
被処理物7に反りが生じた。
【0077】(実施例2)図4に示すプラズマ処理シス
テム用いてプラズマ処理を行った。反応管2としては石
英ガラス管を用い、外径を16mm、内径を13mmに
形成した。また、テーパー角は20°とした。高圧電極
63と接地電極64は銅製であって、接触面14の算術
平均粗さは100μmに形成した。また、高圧電極63
と接地電極64を冷却する冷媒としては純水を用いた。
さらに、反応管2の内部には体積減少具8として外径が
8mmの石英管を挿入して設けた。この体積減少具8は
図6に示すような二重管構造を有するものであり、プラ
ズマ処理中に純水を冷媒として用いて冷却した。
【0078】冷却手段50の電気的冷却器82としては
コマツエレクトロニクス製のクリーニングプレート(C
U−XX)を用い、電源ユニット83としてはコマツエ
レクトロニクス製のMR−2015を用いた。
【0079】被処理物7としては、アルミナ基板に銀パ
ラジウムペーストをスクリーン印刷し、これを焼き付け
してボンディングパッド部を含む回路を形成したものを
使用した。プラズマ生成用ガスはヘリウムを1リットル
/min、アルゴンを1リットル/minの割合で混合
して流して反応管2に供給した。
【0080】そして放電空間22に100Wで200M
Hzの高周波電界を印加してプラズマを発生させ、これ
を吹き出し口21からプラズマジェット65としてに吹
き出し、電気的冷却器82に載置された被処理物7の表
面に3秒間供給し、被処理物7を電気的冷却器82で冷
却しながらプラズマ処理(被処理物7のボンディングパ
ッド部の表面の改質処理及びクリーニング処理)を行っ
た。尚、電気的冷却器82の設定温度は20℃とした。
【0081】この結果、被処理物7のボンディングパッ
ド部のワイヤボンディング強度がプラズマ処理前で5.
1gであったのに対して、プラズマ処理後は8.5gに
向上した。また、被処理物7の銀/エポキシ部分の変色
は見られなかった。
【0082】(比較例2)被処理物7を冷却しなかった
以外は、実施例2と同様にして被処理物7の回路のクリ
ーニング処理を行った。
【0083】この結果、被処理物7の回路のワイヤボン
ディング強度がプラズマ処理前で5.1gであったのに
対して、プラズマ処理後は6.5gに向上にした。ま
た、被処理物7の銀/エポキシ部分に一部変色が見られ
た。
【0084】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1の発明
は、大気圧下で生成したプラズマを被処理物に供給して
被処理物にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理シス
テムであって、プラズマ処理中に被処理物を冷却するた
めの冷却手段を備えるので、冷却手段で冷却しながら被
処理物にプラズマ処理を施すことができ、プラズマ処理
による被処理物の変形や反りなどの熱的ダメージを低減
することができるものである。
【0085】また本発明の請求項2の発明は、円管のワ
ーク台とワーク台を流れる冷媒とで冷却手段を形成し、
フィルム状の被処理物を接触させるための接触部をワー
ク台の外面に形成するので、ペルチェ素子などを用いた
電気的な冷却手段よりも安価に形成することができると
いうメリットがあり、また、冷媒の循環により連続的で
安定した被処理物の冷却が可能となり、ワーク台の温度
が制御し易いものである。
【0086】また本発明の請求項3の発明は、ワーク台
を支点として長尺の被処理物を屈曲させながらワーク台
を挟んで一方側から他方側に被処理物を搬送するための
搬送手段を具備するので、被処理物にテンションを掛け
ながらプラズマ処理を施すことができ、冷却手段である
ワーク台の接触部と被処理物の密着性が高まって被処理
物が効率よく冷却されると共に被処理物7がテンション
により曲がらないように延ばされることになって、被処
理物に変形や反りがより生じにくくなるものである。
【0087】また本発明の請求項4の発明は、被処理物
の屈曲角度を20〜160°にするので、被処理物7に
変形や反りがより生じにくくなると共に安定的な生産性
を確保することができるものである。
【0088】本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至
4のいずれかに記載のプラズマ処理システムを用いて被
処理物のプラズマ処理を行うので、冷却手段で冷却しな
がら被処理物にプラズマ処理を施すことができ、プラズ
マ処理による被処理物の変形や反りなどの熱的ダメージ
を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上の外側電極を示す斜視図である。
【図3】同上の冷却手段と搬送手段の一例を示す一部断
面の斜視図である。
【図4】同上の他例を示す断面図である。
【図5】同上の高圧電極と接地電極を示す斜視図であ
る。
【図6】同上の体積減少具を示す断面図である。
【図7】同上の他例を示す概略図である。
【図8】同上の他例を示す概略図である。
【符号の説明】
7 被処理物 50 冷却手段 51 ワーク台 52 接触部 53 搬送手段 β 屈曲角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 典幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 安田 正治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 山崎 圭一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 喜多山 和也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中園 佳幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA14 AA16 CA05 CA07 CA12 DA03 FA03 GA14 KA09 KA26 4K053 PA12 RA03 XA01 XA41 YA03 YA21 4K057 DA01 DD01 DE14 DE20 DG12 DG20 DM36 DM39 DM40 DN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧下で生成したプラズマを被処理物
    に供給して被処理物にプラズマ処理を施すためのプラズ
    マ処理システムであって、プラズマ処理中に被処理物を
    冷却するための冷却手段を備えて成ることを特徴とする
    プラズマ処理システム。
  2. 【請求項2】 円管のワーク台とワーク台を流れる冷媒
    とで冷却手段を形成し、フィルム状の被処理物を接触さ
    せるための接触部をワーク台の外面に形成して成ること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理システム。
  3. 【請求項3】 ワーク台を支点として長尺の被処理物を
    屈曲させながらワーク台を挟んで一方側から他方側に被
    処理物を搬送するための搬送手段を具備して成ることを
    特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理システム。
  4. 【請求項4】 被処理物の屈曲角度を20〜160°に
    して成ることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処
    理システム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のプラ
    ズマ処理システムを用いて被処理物のプラズマ処理を行
    うことを特徴とするプラズマ処理方法。
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