JP2009131850A - 接点材料の表面洗浄装置及び接点材料の表面洗浄方法 - Google Patents

接点材料の表面洗浄装置及び接点材料の表面洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
接点材料の表面全面を洗浄することができ、しかも、多数個の接点材料を連続的に効率よく洗浄することができる接点材料の表面洗浄装置を提供する。
【解決手段】
絶縁材料で形成された複数の反応容器1の片側を吹き出し口2として開放する。希ガスと反応性ガスをプラズマ生成用ガスとして各反応容器1に導入すると共に大気圧近傍の圧力下で各反応容器1内にグロー放電を発生させる。これらのグロー放電により生成されるプラズマ5をプラズマジェットとして各反応容器1の吹き出し口2からそれぞれ吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の汚染物を除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、リレーやスイッチなどに組み込まれて接点を構成する接点材料(接点部品)の表面を洗浄する装置及びこの装置を用いた洗浄方法に関するものである。
接点材料の表面は輸送時や保管時などに有機物で汚染されたり、硫黄系ガスや塩素系ガスに侵されて腐食したり、金属酸化膜が形成されたりすることがあり、このことにより、接点材料の接触抵抗が増加して導電性が低下し電気が流れない状態になることがあった。そこで、接点材料の表面に存在する汚染物を除去して表面を洗浄することによって、接点材料の接触抵抗が増加するのを防止して導電性を確保することが行われている。
従来において接点材料の表面に存在する汚染物を除去するにあたっては、リレーやスイッチの組み立て完成後に、強制的に電気を流しながら接点材料を接触させてアーク放電させることによって、接点材料の表面の汚染物を飛ばすというデバック処理が主に行われていた。
また、特開平5−160170号公報には、減圧下(真空)にした処理室内に水素ガスを充満させると共に処理室内の電極間に電圧を印加することによって、水素プラズマを生成し、この水素プラズマをリードフレームの表面に照射して供給することによって、リードフレームの表面を洗浄することが記載されており、この方法と同様に、減圧下で発生させた水素プラズマを接点材料の表面に供給することによって、接点材料の表面を洗浄することが行われている。
しかし、上記デバック処理では接点材料の接触点(接触部分)においては汚染物が飛んで除去されるが、接点材料の表面全面を洗浄することができないという問題があった。従って、シグナルリレーなどに適用される接触点が微小な接点材料の場合は接点の開閉で接触点が多少ずれると、洗浄されていない部分で接触して接触抵抗が大きくなり、導電性の低下や導電不良になることがあった。また、上記デバック処理ではリレーやスイッチを一個ずつ処理するので、処理時間が長くかかるという問題があった。
また、減圧下で接点材料の洗浄を行う上記の方法では、デバック処理と異なって接点材料の表面全面を処理することができるが、金属フープ材に未切断状態で保持されている組み立て前の接点材料を洗浄するためには、金属フープ材を適当な大きさに分断してから処理室内に導入して処理する必要があり、長尺な金属フープ材に保持されている多数個の接点材料を連続的に洗浄することができず、非効率的な洗浄しか行うことができないという問題があった。
一方、大気圧下でプラズマ処理を行うことが一般的に提案されてきており、例えば、特開平2−15171号公報、特開平3−241739号公報、特開平1−306569号公報には、反応容器内の放電空間に一対の電極を配置すると共に電極間に誘電体を設け、放電空間をヘリウム(He)とアルゴン(Ar)などの希ガスを主成分とするプラズマ生成用ガスで充満し、反応容器に被処理物を入れて電極間に交流電圧を印加することにより交流電界を発生させ、被処理物をプラズマ処理する方法が提案されている。また、特開平4−358076号公報、特開平4−212253号公報では、大気圧下でグロー放電により生成したプラズマを被処理物にジェット状に吹き出してプラズマ処理を行うことが提案されている。しかし、いずれの公報にも接点材料の洗浄に適用されたものではなかった。
特開平5−160170号公報 特開平2−15171号公報 特開平3−241739号公報 特開平1−306569号公報 特開平4−358076号公報 特開平4−212253号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、接点材料の表面全面を洗浄することができ、しかも、多数個の接点材料を連続的に効率よく洗浄することができる接点材料の表面洗浄装置及び接点材料の表面洗浄方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る接点材料の表面洗浄装置は、絶縁材料で形成された複数の反応容器1の片側を吹き出し口2として開放し、希ガスと反応性ガスをプラズマ生成用ガスとして各反応容器1に導入すると共に大気圧近傍の圧力下で各反応容器1内にグロー放電を発生させ、これらのグロー放電により生成されるプラズマ5をプラズマジェットとして各反応容器1の吹き出し口2からそれぞれ吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の汚染物を除去することを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る接点材料の表面洗浄装置は、請求項1において、反応容器1を略円筒状に形成し、反応容器1内にグロー放電を発生させるための電極3、4を反応容器1の外側に設けて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る接点材料の表面洗浄装置は、請求項1において、反応容器1を略角形筒状に形成し、吹き出し口2を幅広に形成し、反応容器1内にグロー放電を発生させるための電極3、4を反応容器1の外側に設けて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る接点材料の表面洗浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料6の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸素プラズマ5aを生成し、この酸素プラズマ5aをプラズマジェットとして少なくとも一つの反応容器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5bをプラズマジェットとして他の少なくとも一つの反応容器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の硫化物や塩化物を除去することを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る接点材料の表面洗浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料6の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5bをプラズマジェットとして各反応容器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の酸化物を除去することを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る接点材料の表面洗浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料6の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸素プラズマ5aを生成し、この酸素プラズマ5aをプラズマジェットとして少なくとも一つの反応容器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5bをプラズマジェットとして他の少なくとも一つの反応容器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することによって接点材料6の表面の酸化物を除去することを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る接点材料の表面洗浄方法は、請求項4乃至6のいずれかにおいて、プラズマ5による洗浄後に接点材料6の表面に潤滑剤7を薄く付着させることによって耐腐食膜8を形成することを特徴とするものである。
上記のように本発明の請求項1の発明は、絶縁材料で形成された複数の反応容器の片側を吹き出し口として開放し、希ガスと反応性ガスをプラズマ生成用ガスとして各反応容器に導入すると共に大気圧近傍の圧力下で各反応容器内にグロー放電を発生させ、これらのグロー放電により生成されるプラズマをプラズマジェットとして各反応容器の吹き出し口からそれぞれ吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の汚染物を除去するので、プラズマを接点材料の表面の全面に亘って容易に供給することができ、接点材料の表面全面を洗浄することができるものであり、しかも、多数個の接点材料に対して連続的に容易にプラズマを供給することができ、効率よく洗浄することができるものである。
また、本発明の請求項2の発明は、反応容器を略円筒状に形成し、反応容器内にグロー放電を発生させるための電極を反応容器の外側に設けるので、プラズマを接点材料の表面の全面に亘って容易に供給することができ、接点材料の表面全面を洗浄することができるものであり、しかも、多数個の接点材料に対して連続的に容易にプラズマを供給することができ、効率よく洗浄することができるものである。
また、本発明の請求項3の発明は、反応容器を略角形筒状に形成し、吹き出し口を幅広に形成し、反応容器内にグロー放電を発生させるための電極を反応容器の外側に設けるので、多数個の接点材料を保持する金属フープ材を吹き出し口の幅広方向に複数個並べて搬送することによって、複数個の金属フープ材に同時にプラズマを供給することができ、多数個の接点材料に対して連続的に容易にプラズマを供給することができて効率よく洗浄することができるものである。
また、本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の硫化物や塩化物を除去するので、銀を含む接点材料の表面汚染である有機物、硫化物、塩化物を二酸化炭素ガス、硫化水素ガスや塩酸ガスとして揮発させて除去することができ、種類の異なる汚染物を確実に除去して洗浄することができるものである。
また、本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の酸化物を除去するので、銅やニッケルを含む接点材料の主な表面汚染である酸化物を還元して水蒸気を揮発させて除去することができるものである。
また、本発明の請求項6の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の酸化物を除去するので、銅やニッケルを含む接点材料の表面汚染である有機物を二酸化炭素ガスとして揮発させて除去すると共に酸化物を還元して水蒸気を揮発させて除去することができ、種類の異なる汚染物を確実に除去して洗浄することができるものである。
また、本発明の請求項7の発明は、プラズマによる洗浄後に接点材料の表面に潤滑剤を薄く付着させることによって耐腐食膜を形成するので、接点材料を組み立てた後、接点材料に直接汚染ガスが接触するのを耐腐食膜で防ぐことができ、接点材料の再汚染を防止して長寿命化を図ることができるものである。
本発明の参考例の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 同上の他の反応容器の一例を示す概略図である。 同上の接点材料の一例を示す断面図である。 同上の接点材料の他例を示す断面図である。 同上の接点材料の他例を示す断面図である。 同上の耐腐食膜の形成工程を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に洗浄装置の一例を示す。この洗浄装置は反応容器1の外周の全周に亘って複数の対をなす(一対の)電極3、4を接触させて設けると共に電極3、4を上下に対向させて配置することによって形成されており、電極3、4の間に対応する位置において反応容器1内には放電空間21が形成されている。また、電極3、4は交流(高周波)またはパルス状の電圧を発生する電源11と電気的に接続されており、上側に配置される一方の電極3は高圧電極として、下側に配置される他方の電極4は低圧電極(接地電極)としてそれぞれ形成されている。尚、電極3、4はそれぞれ一個ずつ以上あれば何個あっても良い。
反応容器1は高融点の絶縁材料(誘電体材料)で略円筒状に形成されるものである。反応容器1を構成する絶縁材料の誘電率は放電空間21におけるプラズマの低温化の重要な要素であって、具体的には絶縁材料として、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。また、反応容器1の上面はガス導入口15として略全面に亘って開放されていると共に反応容器1の下面は吹き出し口2として略全面に亘って開放されている。このガス導入口15と吹き出し口2は反応容器1内の放電空間21と連通している。
電極3、4は、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304など)などの導電性の金属材料で形成することができる。また、電極3、4は環状に形成されているが、その形状(特に内周形状)は反応容器1の形状(特に外周形状)に対応して円環状(リング状)に形成されている。そして、電極3、4の内側に反応容器1を挿着することによって、反応容器1の外周に電極3、4が取り付けられている。この時、電極3、4の内周面は反応容器1の外周面に全周に亘って接触させて配置していると共に電極3、4は吹き出し口2の上方において上下に対向させて配置されている。また、電極3、4の間隔はプラズマ5を安定に生成するために3〜20mmに設定するのが好ましい。
電源11としては、交流(高周波)またはパルス状の電圧を発生するものであって、プラズマを放電空間21で連続的に生成するのに必要な電圧(例えば、0.5〜5kV)を発生し、反応容器1内の放電空間21において上記の電圧を電極3、4間に印加することができるものを用いる。本発明において電極3、4間に印加する電圧が交流電圧の場合は、その周波数を1kHz〜200MHzに設定するのが好ましい。交流電圧の周波数が1kHz未満であれば、放電空間21での放電を安定化させることができなくなり、プラズマ処理を効率よく行うことができなくなる恐れがある。また、交流電圧の周波数が200MHzを超えると、放電空間21でのプラズマの温度上昇が著しくなり、反応容器1や電極3、4の寿命が短くなる恐れがあり、しかも、被処理物(接点材料6)が熱的損傷を受けたり、表面洗浄装置が複雑化及び大型化する恐れがある。また本発明において放電空間21に発生する(印加する)印加電力の密度は20〜3500W/cmに設定するのが好ましい。この印加電力の密度が20W/cm未満であれば、放電空間21でプラズマ5を充分に発生させることができなくなり、逆に、印加電力の密度が3500W/cmを超えると、安定した放電を得ることができなくなる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm)は、(放電空間21に投入される電力/放電空間21の体積)で定義される。
本発明ではプラズマ生成用ガスとして、希ガスと反応性ガスの混合気体を用いる。希ガスとしてはヘリウム、アルゴン、ネオンなどを例示することができ、これらを単独で用いたり併用したりすることができる。反応性ガスとしては酸素ガス、水素ガスなどを例示することができる。これらは除去する汚染物の種類によって使い分けることができ、汚染物が脂肪族系化合物などの有機物である場合には酸素ガスを用い、汚染物が硫化物、塩化物、酸化物である場合には水素ガスを用いる。尚、硫化物、塩化物、酸化物はそれぞれ接点材料6を構成する金属と硫黄、塩素、酸素が結合したものである。
プラズマ生成用ガスの希ガスとしてアルゴンとヘリウムの混合ガスを用いる場合は、反応容器1に供給されるアルゴンとヘリウムの総流量に対してヘリウムの流量が10〜30vol%にするのが好ましい。ヘリウムの流量が10vol%未満であれば、アーク放電の発生を抑える効果が低くなる恐れがあり、ヘリウムの流量が30vol%を超えると、相対的にアルゴンの流量が低くなってプラズマ5を効率よく生成することができなくなってプラズマ洗浄の効率が低くなる恐れがある。
また、プラズマ生成用ガスの反応性ガスとして酸素ガスを用いる場合は、反応容器1に供給されるプラズマ生成用ガスの総流量に対して酸素ガスの流量が0.5〜5vol%に設定するのが好ましく、これにより、反応容器1内でプラズマ5(酸素プラズマ5a)が効率的に生成されて有機物の除去性能を大きくすることができ、同時に接点材料6に対するアーク放電も防止することができるものである。酸素ガスの流量が0.5vol%未満では、十分な有機物の除去性能が得られなくなる恐れがあり、一方、酸素ガスの流量が5vol%を超えると、放電が不安定になる恐れがある。
また、水素ガスは反応容器1に供給されるプラズマ生成用ガスの総流量に対して0.3〜3vol%の流量に設定するのが好ましく、これにより、反応容器1内でプラズマ5(水素プラズマ5b)が効率的に生成されて還元性能を大きくすることができ、同時に接点材料6に対するアーク放電も防止することができるものである。水素ガスの流量が0.3vol%未満では、アーク放電が発生する恐れがある。これは水素の濃度が低いと、水素による電子の吸着効果が薄くなり、プラズマ5中の荷電粒子密度が高くなるためである。また、水素ラジカルの生成が少なくなるために水素(ラジカル)による洗浄性能も低くなる恐れがある。一方、水素ガスの流量が3vol%を超えると、反応容器1内におけるプラズマ生成用ガスの流速(ガス速度)が速くなって放電空間21内に滞在する時間が短くなり、よって、プラズマ生成用ガスに効率よく高周波電界のエネルギーが伝わらないために、水素ラジカルの生成が少なくなって上記と同様に洗浄性が低下する恐れがある。しかも、水素の爆発限界量の4%に近くなるために、装置の安全性が低下する恐れがある。
そして、上記のような表面洗浄装置を用いて接点材料6の表面の洗浄を行うにあたっては、次のようにして行う。まず、図1に矢印イで示すように、ガス導入口15から反応容器1内にプラズマ生成用ガスを導入すると共にプラズマ生成用ガスを反応容器1内で上から下に向かって流して放電空間21に導入する。次に、電源11により電極3、4間にパルス状又は交流の電圧を印加し、この電圧の印加により放電空間21にパルス状又は交流の電界を印加する(生じさせる)ことによって、大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))で放電空間21にグロー放電を発生させると共にグロー放電でプラズマ生成用ガスをプラズマ化してプラズマ活性種を含むプラズマ5を生成し、この後、プラズマ5を吹き出し口2から下方にプラズマジェット(ジェット状のプラズマ)として流出させ、吹き出し口2の下側(略円形の吹き出し口2の中心の真下)に配置された接点材料6の表面にプラズマ5を吹き付けて(照射して)供給することによって接点材料6の汚染物を除去するものである。
このようにして接点材料6の表面の洗浄を行うにあたって、接点材料6が金又は金を含む金属材料(合金等)で形成されている場合には、接点材料6の表面は主に有機物により汚染されているため、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによってプラズマ5として酸素プラズマ5aを生成し、この酸素プラズマ5aを接点材料6の表面に供給して洗浄を行うようにする。すなわち、酸素プラズマ5aを接点材料6の表面に供給することによって、
C+O→CO↑ …(1)
のような反応を接点材料6の表面で起こし、接点材料6の表面に存在している有機物の汚染物を二酸化炭素ガスとして揮発させて除去して洗浄を行うことができる。
また、接点材料6が銀又は銀を含む金属材料(合金等)で形成されている場合には、銀は硫黄系ガスや塩素系ガスと化学反応し易いために、接点材料6の表面は主に硫化物や塩化物により汚染(腐食)されており、従って、反応性ガスとして水素ガスを用いることによってプラズマ5として水素プラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5bを接点材料6の表面に供給して洗浄を行うようにする。すなわち、水素プラズマ5bを接点材料6の表面に供給することによって、
AgS+H→2Ag+HS↑ …(2)
2AgCl+H→2Ag+2HCl↑ …(3)
のような反応を接点材料6の表面で起こし、接点材料6の表面に存在している硫化物や塩化物の汚染物から硫化水素ガスや塩酸ガスを揮発させて除去して金属銀へ還元することによって洗浄を行うことができる。
また、接点材料6が銅又は銅を含む金属材料(合金等)あるいはニッケル又はニッケルを含む金属材料(合金等)で形成されている場合には、銅あるいはニッケルは大気中の酸素と化学反応し易いために、接点材料6の表面は主に酸化物により汚染(酸化)されており、従って、反応性ガスとして水素ガスを用いることによってプラズマ5として水素プラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5bを接点材料6の表面に供給して洗浄を行うようにする。すなわち、水素プラズマ5bを接点材料6の表面に供給することによって、
CuO+H→Cu+HO↑ …(4)
または
NiO+H→Ni+HO↑ …(5)
のような反応を接点材料6の表面で起こし、接点材料6の表面に存在している酸化物の汚染物から水蒸気を揮発させて除去して金属銅や金属ニッケルへ還元することによって洗浄を行うことができる。
さらに、接点材料6が銀又は銀を含む金属材料あるいは銅又は銅を含む金属材料あるいはニッケル又はニッケルを含む金属材料で形成されている場合であっても、接点材料6の保管状況などにより接点材料6の表面が有機物により汚染されていることがあるので、この場合は酸素プラズマ5aを用いて接点材料6の表面で上記(1)と同様の反応を起こさせて有機物を除去した後、水素プラズマ5bを用いて接点材料6の表面で上記(2)〜(5)と同様の反応を起こさせて硫化物や塩化物や酸化物の除去を行って洗浄するのが好ましい。
また、上記の洗浄にあたって、長尺の金属フープ材(帯状金属板)22に打ち抜き加工などを施して多数個の接点材料6を形成した後、金属フープ材22が吹き出し口2の下側を通過するように金属フープ材22を搬送する(搬送方向を矢印ロで示す)ことによって、金属フープ材22に未切断状態で保持されている多数個の接点材料6に連続してプラズマ5を吹き付けて洗浄を行うことができ、多数個の接点材料6を連続的に効率よく洗浄することができるものである。もちろん、長尺の金属フープ材22に打ち抜き加工などを施して多数個の接点材料6を形成した後、各接点材料6を金属フープ材22から切断して分離し、この後、リレーやスイッチなどに組み込む前にベルトコンベア等を使って、吹き出し口2の下側を接点材料6が通過するように多数個の接点材料6を連続的に搬送することによって、多数個の接点材料6に連続してプラズマ5を吹き付けて洗浄を行うようにしても良く、この場合も、多数個の接点材料6を連続的に効率よく洗浄することができるものである。
そして、本発明では吹き出し口2の下側に配置された接点材料6の表面全面にプラズマ5を吹き付けて供給することによって、接点材料6の表面全面の汚染物を除去することができるものであり、この接点材料6で形成される接点の開閉で接触点が多少ずれたとしても、洗浄されていない部分で接触することが無くなって導電性の低下や導電不良を少なくすることができるものである。また、本発明では反応容器1からプラズマ5を吹き出して洗浄を行ういわゆる開放系であるので、金属フープ材22を適当な大きさに分断してから処理室内に導入する必要が無く、効率的な洗浄を行うことができるものである。
また、この実施の形態では反応容器1の内面に沿った電気力線が形成されるように、反応容器1を挟んで対向しないように電極3、4を配置するので、反応容器1の内面に対して垂直方向に電気力線が生じにくくなって電気力線による反応容器1の劣化を少なくすることができ、反応容器1の内面からその構成物質が飛び出しにくくなって接点材料6が不純物により汚染されるのを少なくすることができるものである。すなわち、反応容器1を挟んで対向するように電極3、4を対向させて配置すると、反応容器1の内面に対して直交方向に電気力線が形成されることになって、電気力線による反応容器1の劣化が大きくなるが、上記実施の形態では反応容器1の内面に沿った電気力線が形成されるように、電極3、4を互いに上下に対向するように配置するので、放電空間21内において電極3、4の間に反応容器1の内面に沿った上下方向の電気力線が形成されることになって、電気力線による反応容器1の劣化を少なくすることができるものである。
図2に本発明の実施の形態を示す。この実施の形態では図1に示す表面洗浄装置を二つ用い、この二つの表面洗浄装置を金属フープ材22の搬送方向と平行な方向に並べて(隣接して)配置したものである。その他の構成は上記の実施の形態と同様である。このものでは、一方の表面洗浄装置の吹き出し口2の下側に多数個の接点材料6あるいは多数個の接点材料6を保持する金属フープ材22を搬送して洗浄を行った直後に、他方の表面洗浄装置の吹き出し口2の下側に多数個の接点材料6あるいは金属フープ材22を搬送して洗浄を行うようにするものである。従って、一方の表面洗浄装置に導入されるプラズマ生成用ガスの反応性ガスとして酸素ガスを用い、他の表面洗浄装置に導入されるプラズマ生成用ガスの反応性ガスとして水素ガスを用いるなどのようにして反応性ガスの種類を異ならせることによって、種類の異なる洗浄を連続して行うことができるものである。もちろん、同じ種類の反応性ガスを用いて同じ種類の洗浄を行っても良く、一つの洗浄を確実に行うようにしても良い。また、表面洗浄装置は二つに限らず、三つ以上の複数個を併設しても良い。
図3に表面洗浄装置の他例を示す。この表面洗浄装置も上記と同様に反応容器1の外周の全周に亘って複数の対をなす(一対の)電極3、4を接触させて設けると共に電極3、4を上下に対向させて配置することによって形成されており、電極3、4の間に対応する位置において反応容器1内には放電空間21が形成されている。また、電極3、4は交流(高周波)またはパルス状の電圧を発生する電源11と電気的に接続されており、上側に配置される一方の電極3は高圧電極として、下側に配置される他方の電極4は低圧電極(接地電極)としてそれぞれ形成されている。尚、電極3、4はそれぞれ一個ずつ以上あれば何個あっても良い。
反応容器1は上記と同様の高融点の絶縁材料(誘電体材料)で略角形筒状で扁平な形状に形成されるものである。また、反応容器1の上面はガス導入口15として略全面に亘って開放されていると共に反応容器1の下面は吹き出し口2として略全面に亘って開放されている。このガス導入口15と吹き出し口2は反応容器1内の放電空間21と連通している。従って、吹き出し口2は反応容器1の幅方向(水平面における長手方向)と略平行な方向に長くて幅広に形成されている。
電極3、4は上記と同様の材料で環状に形成されているが、その形状(特に内周形状)は反応容器1の形状(特に外周形状)に対応して角環状(角リング状)に形成されている。そして、電極3、4の内側に反応容器1を挿着することによって、反応容器1の外周に電極3、4が取り付けられている。その他の構成は上記実施の形態と同様に形成されている。
この表面洗浄装置においても上記の表面洗浄装置と同様にして放電空間21にプラズマ5を生成し、このプラズマ5を吹き出し口2から下方にプラズマジェット(ジェット状のプラズマ)として流出させ、吹き出し口2の下側に配置された接点材料6の表面にプラズマ5を吹き付けて(照射して)供給することによって接点材料6の汚染物を除去するものであるが、吹き出し口2が幅広に形成されているので、カーテンのような幅を持ったプラズマ5を吹き出し口2から吹き出しながら接点材料6や金属フープ材22の表面全面にプラズマ5を吹き付けることができ、スポット的なプラズマ5を吹き出すものに比べて接点材料6や金属フープ材22の広い面積を一度にプラズマ処理することができ、広い表面積を有する接点材料6や金属フープ材22の処理時間を短くすることができるものである。また、図3に示すように、吹き出し口2の幅広方向に二本以上の複数本の金属フープ材22を並べ、各金属フープ材22を吹き出し口2の幅広方向と直交する方向に移動させることによって、複数本の金属フープ材22(に設けた接点材料6)に対して同時にプラズマ5を吹き付けて洗浄処理を施すことができ、効率よく洗浄を行うことができるものである。
上記のように接点材料6を洗浄した後、接点材料6の表面に潤滑剤(接点潤滑剤)7を薄く付着させることによって耐腐食膜8を形成するのが好ましい。上記のようにプラズマ生成用ガスの種類を変えるなどして接点材料6を十分に洗浄しても、組み立て後のリレーやスイッチの使用環境によっては、接点材料6への有機物の付着や硫化反応、塩化反応、酸化反応が起こり、再び、接点材料6の表面に汚染物が蓄積されることがある。
そこで、このような再汚染を防止するために、プラズマ5による洗浄後(直後が好ましい)に、接点材料6の表面に潤滑剤7を接触抵抗に影響を及ぼさない程度に薄く(例えば、1nm以下)付着させて耐腐食膜8を形成するようにし、この耐腐食膜8が存在することによって接点材料6の表面に直接汚染ガスが接触しないようにして、再汚染を防止するのである。
潤滑剤7としてはアルコール系のものなどの比較的揮発性の高いものなどを用いることができ、図7に示すように、この潤滑剤7を上面が開放された貯留容器25に入れ、貯留容器25の上方を通過するように多数個の接点材料6や多数個の接点材料6を保持した金属フープ材22を搬送することによって、揮発した潤滑剤7を接点材料6の表面に付着させて耐腐食膜8を形成することができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(参考例1)
図3に示す表面洗浄装置を用いて接点材料6の表面に付着する有機物を除去して洗浄を行った。接点材料6としては図4に示すように、銅バネ材30の表面に銅−ニッケル合金層31を形成し、銅−ニッケル合金層31の表面に金−銀合金層32を形成し、金−銀合金層32の表面に金クラッド材33を形成したものを用いた。
また、プラズマ生成用ガスとしては、Heを2リットル/分、Arを10リットル/分、酸素ガスを0.4リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、700Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で酸素プラズマ5aを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
上記のようにして洗浄処理をした直後、接点材料6の表面(金クラッド材33)をオージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、有機物汚染を意味する炭素検出量が減少していることが確認された。
(参考例2)
図1に示す表面洗浄装置を用いて接点材料6の表面に存在する硫化物や塩化物を除去して洗浄を行った。接点材料6としては図5に示すように、銅バネ材30の表面に銅−ニッケル合金層31を形成し、銅−ニッケル合金層31の表面に金−銀合金層32を形成したものを用いた。
また、プラズマ生成用ガスとしては、Heを0.29リットル/分、Arを1.46リットル/分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、100Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で水素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
上記のようにして洗浄処理をした直後、接点材料6の表面(金−銀合金層32)をオージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、硫化物や塩化物汚染を意味する硫黄検出量や塩素検出量が減少していることが確認された。
(実施例1)
図2に示す表面洗浄装置を用いて接点材料6の表面に存在する有機物、硫化物、塩化物を除去して洗浄を行った。接点材料6としては図5に示すものを用いた。
また、最初に接点材料6にプラズマ5を供給する一方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスとしてHeを2リットル/分、Arを10リットル/分、酸素ガスを0.4リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、700Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で酸素プラズマ5aを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
また、上記一方の表面洗浄装置による洗浄の直後、さらに続いて接点材料6にプラズマ5を供給する他方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスとしてHeを0.29リットル/分、Arを1.46リットル/分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、100Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で水素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
上記のようにして洗浄処理をした直後、接点材料6の表面(金−銀合金層32)をオージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、有機物、硫化物、塩化物による汚染を意味する炭素検出量、硫黄検出量、塩素検出量が減少していることが確認された。
(参考例3)
図1に示す表面洗浄装置を用いて接点材料6の表面に存在する酸化物を除去して洗浄を行った。接点材料6としては図6に示すように、銅バネ材30の表面に銀−ニッケル合金層34を形成したものを用いた。
また、プラズマ生成用ガスとしては、Heを0.29リットル/分、Arを1.46リットル/分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、100Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で水素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
上記のようにして洗浄処理をした直後、接点材料6の表面(銀−ニッケル合金層34)をオージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、酸化物汚染を意味する酸素検出量が減少していることが確認された。
(実施例2)
図2に示す表面洗浄装置を用いて接点材料6の表面に存在する有機物、酸化物を除去して洗浄を行った。接点材料6としては図6に示すものを用いた。
また、最初に接点材料6にプラズマ5を供給する一方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスとしてHeを2リットル/分、Arを10リットル/分、酸素ガスを0.4リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、700Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で酸素プラズマ5aを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
また、上記一方の表面洗浄装置による洗浄の直後、さらに続いて接点材料6にプラズマ5を供給する他方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスとしてHeを0.29リットル/分、Arを1.46リットル/分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合したものを用いて反応容器1に導入し、100Wで13.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で水素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
上記のようにして洗浄処理をした直後、接点材料6の表面(銀−ニッケル合金層34)をオージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、有機物、酸化物による汚染を意味する炭素検出量、酸素検出量が減少していることが確認された。
(実施例3)
実施例1と同様にして接点材料6の洗浄を行った後、アルコール系の潤滑剤7を用いて接点材料6の表面に厚み約1nmの耐腐食膜8を形成した。耐腐食膜8を形成するにあたっては、図7に示すように、潤滑剤7を上面が開放された貯留容器25に入れ、貯留容器25の上方を通過するように多数個の接点材料6を保持した金属フープ材22を搬送し、揮発した潤滑剤7を接点材料6の表面に付着させるようにした。この時、接点材料6が貯留容器25側(下側)に向くように金属フープ材22を180°回転させるようにした。
上記のようにして洗浄処理をした接点材料6を1週間大気中に放置した後に、接点材料6の表面(金−銀合金層32)をオージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、硫化物や塩化物による汚染を意味する硫黄検出量や塩素検出量の増加が抑えられていることが確認された。一方、炭素検出量は増加しているが、これは潤滑剤7が付着したために起こるものである。また、約1nmの厚みの耐腐食膜8をイオンビームエッチングした後に、オージェ電子分光装置によって元素分析を行った結果、炭素が検出されなかったことから、耐腐食膜8は非常に薄くて接触抵抗には影響を与えないと考えられる。
1 反応容器
2 吹き出し口
3 電極
4 電極
5 プラズマ
5a 酸素プラズマ
5b 水素プラズマ
6 接点材料
7 潤滑剤
8 耐腐食膜

Claims (7)

  1. 絶縁材料で形成された複数の反応容器の片側を吹き出し口として開放し、希ガスと反応性ガスをプラズマ生成用ガスとして各反応容器に導入すると共に大気圧近傍の圧力下で各反応容器内にグロー放電を発生させ、これらのグロー放電により生成されるプラズマをプラズマジェットとして各反応容器の吹き出し口からそれぞれ吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の汚染物を除去することを特徴とする接点材料の表面洗浄装置。
  2. 反応容器を略円筒状に形成し、反応容器内にグロー放電を発生させるための電極を反応容器の外側に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の接点材料の表面洗浄装置。
  3. 反応容器を略角形筒状に形成し、吹き出し口を幅広に形成し、反応容器内にグロー放電を発生させるための電極を反応容器の外側に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の接点材料の表面洗浄装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラズマジェットとして少なくとも一つの反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとして他の少なくとも一つの反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の硫化物や塩化物を除去することを特徴とする接点材料の表面洗浄方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとして各反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の酸化物を除去することを特徴とする接点材料の表面洗浄方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラズマジェットとして少なくとも一つの反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとして他の少なくとも一つの反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給することによって接点材料の表面の酸化物を除去することを特徴とする接点材料の表面洗浄方法。
  7. プラズマによる洗浄後に接点材料の表面に潤滑剤を薄く付着させることによって耐腐食膜を形成することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄方法。
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