JP2002035707A - 接点材料の表面洗浄装置及び接点材料の表面洗浄方法 - Google Patents

接点材料の表面洗浄装置及び接点材料の表面洗浄方法

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JP2002035707A
JP2002035707A JP2000226034A JP2000226034A JP2002035707A JP 2002035707 A JP2002035707 A JP 2002035707A JP 2000226034 A JP2000226034 A JP 2000226034A JP 2000226034 A JP2000226034 A JP 2000226034A JP 2002035707 A JP2002035707 A JP 2002035707A
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gas
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JP2000226034A
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Makoto Soma
誠 相馬
Masaharu Yasuda
正治 安田
Koji Sawada
康志 澤田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接点材料の表面全面を洗浄することができ、
しかも、多数個の接点材料を連続的に効率よく洗浄する
ことができる接点材料の表面洗浄装置を提供する。 【解決手段】 絶縁材料で形成された反応容器1の片側
を吹き出し口2として開放する。希ガスと反応性ガスを
プラズマ生成用ガスとして反応容器1に導入すると共に
電極3、4間に交流又はパルス状の電圧を印加すること
によって大気圧近傍の圧力下で反応容器1内にグロー放
電を発生させる。このグロー放電により生成されるプラ
ズマ5をプラズマジェットとして反応容器1の吹き出し
口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することに
よって接点材料6の汚染物を除去する。プラズマ5を接
点材料6の表面の全面に亘って容易に供給することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リレーやスイッチ
などに組み込まれて接点を構成する接点材料(接点部
品)の表面を洗浄する装置及びこの装置を用いた洗浄方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】接点材料の表面は輸送時や保管時などに
有機物で汚染されたり、硫黄系ガスや塩素系ガスに侵さ
れて腐食したり、金属酸化膜が形成されたりすることが
あり、このことにより、接点材料の接触抵抗が増加して
導電性が低下し電気が流れない状態になることがあっ
た。そこで、接点材料の表面に存在する汚染物を除去し
て表面を洗浄することによって、接点材料の接触抵抗が
増加するのを防止して導電性を確保することが行われて
いる。
【0003】従来において接点材料の表面に存在する汚
染物を除去するにあたっては、リレーやスイッチの組み
立て完成後に、強制的に電気を流しながら接点材料を接
触させてアーク放電させることによって、接点材料の表
面の汚染物を飛ばすというデバック処理が主に行われて
いた。
【0004】また、特開平5−160170号公報に
は、減圧下(真空)にした処理室内に水素ガスを充満さ
せると共に処理室内の電極間に電圧を印加することによ
って、水素プラズマを生成し、この水素プラズマをリー
ドフレームの表面に照射して供給することによって、リ
ードフレームの表面を洗浄することが記載されており、
この方法と同様に、減圧下で発生させた水素プラズマを
接点材料の表面に供給することによって、接点材料の表
面を洗浄することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記デバック
処理では接点材料の接触点(接触部分)においては汚染
物が飛んで除去されるが、接点材料の表面全面を洗浄す
ることができないという問題があった。従って、シグナ
ルリレーなどに適用される接触点が微小な接点材料の場
合は接点の開閉で接触点が多少ずれると、洗浄されてい
ない部分で接触して接触抵抗が大きくなり、導電性の低
下や導電不良になることがあった。また、上記デバック
処理ではリレーやスイッチを一個ずつ処理するので、処
理時間が長くかかるという問題があった。
【0006】また、減圧下で接点材料の洗浄を行う上記
の方法では、デバック処理と異なって接点材料の表面全
面を処理することができるが、金属フープ材に未切断状
態で保持されている組み立て前の接点材料を洗浄するた
めには、金属フープ材を適当な大きさに分断してから処
理室内に導入して処理する必要があり、長尺な金属フー
プ材に保持されている多数個の接点材料を連続的に洗浄
することができず、非効率的な洗浄しか行うことができ
ないという問題があった。
【0007】一方、大気圧下でプラズマ処理を行うこと
が一般的に提案されてきており、例えば、特開平2−1
5171号公報、特開平3−241739号公報、特開
平1−306569号公報には、反応容器内の放電空間
に一対の電極を配置すると共に電極間に誘電体を設け、
放電空間をヘリウム(He)とアルゴン(Ar)などの
希ガスを主成分とするプラズマ生成用ガスで充満し、反
応容器に被処理物を入れて電極間に交流電圧を印加する
ことにより交流電界を発生させ、被処理物をプラズマ処
理する方法が提案されている。また、特開平4−358
076号公報、特開平4−212253号公報では、大
気圧下でグロー放電により生成したプラズマを被処理物
にジェット状に吹き出してプラズマ処理を行うことが提
案されている。しかし、いずれの公報にも接点材料の洗
浄に適用されたものではなかった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、接点材料の表面全面を洗浄することができ、しか
も、多数個の接点材料を連続的に効率よく洗浄すること
ができる接点材料の表面洗浄装置及び接点材料の表面洗
浄方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
接点材料の表面洗浄装置は、絶縁材料で形成された反応
容器1の片側を吹き出し口2として開放し、希ガスと反
応性ガスをプラズマ生成用ガスとして反応容器1に導入
すると共に大気圧近傍の圧力下で反応容器1内にグロー
放電を発生させ、このグロー放電により生成されるプラ
ズマ5をプラズマジェットとして反応容器1の吹き出し
口2から吹き出して接点材料6の表面に供給することに
よって接点材料6の表面の汚染物を除去することを特徴
とするものである。
【0010】また本発明の請求項2に係る接点材料の表
面洗浄装置は、請求項1の構成に加えて、反応容器1を
略円筒状に形成し、反応容器1内にグロー放電を発生さ
せるための電極3、4を反応容器1の外側に設けて成る
ことを特徴とするものである。
【0011】また本発明の請求項3に係る接点材料の表
面洗浄装置は、請求項1の構成に加えて、反応容器1を
略角形筒状に形成し、吹き出し口2を幅広に形成し、反
応容器1内にグロー放電を発生させるための電極3、4
を反応容器1の外側に設けて成ることを特徴とするもの
である。
【0012】本発明の請求項4に係る接点材料の表面洗
浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料
の表面洗浄装置を用いて、金を含む接点材料6の表面の
洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用
いることによって酸素プラズマ5aを生成し、この酸素
プラズマ5aをプラズマジェットとして反応容器1の吹
き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給する
ことによって接点材料6の表面の有機物を除去すること
を特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項5に係る接点材料の表面洗
浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料
の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料6の表面の洗
浄を行うにあたって、反応性ガスとして水素ガスを用い
ることによって水素プラズマ5bを生成し、この水素プ
ラズマ5bをプラズマジェットとして反応容器1の吹き
出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給するこ
とによって接点材料6の表面の硫化物や塩化物を除去す
ることを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項6に係る接点材料の表面洗
浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料
の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料6の表面の洗
浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用い
ることによって酸素プラズマ5aを生成し、この酸素プ
ラズマ5aをプラズマジェットとして反応容器1の吹き
出し口2から吹き出して接点材料6の表面に供給するこ
とによって接点材料6の表面の有機物を除去し、次に、
反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プ
ラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5bをプラズマ
ジェットとして反応容器1の吹き出し口2から吹き出し
て接点材料6の表面に供給することによって接点材料6
の表面の硫化物や塩化物を除去することを特徴とするも
のである。
【0015】本発明の請求項7に係る接点材料の表面洗
浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料
の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料6
の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして水素
ガスを用いることによって水素プラズマ5bを生成し、
この水素プラズマ5bをプラズマジェットとして反応容
器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に
供給することによって接点材料6の表面の酸化物を除去
することを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項8に係る接点材料の表面洗
浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の接点材料
の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材料6
の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素
ガスを用いることによって酸素プラズマ5aを生成し、
この酸素プラズマ5aをプラズマジェットとして反応容
器1の吹き出し口2から吹き出して接点材料6の表面に
供給することによって接点材料6の表面の有機物を除去
し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いることによ
って水素プラズマ5bを生成し、この水素プラズマ5b
をプラズマジェットとして反応容器1の吹き出し口2か
ら吹き出して接点材料6の表面に供給することによって
接点材料6の表面の酸化物を除去することを特徴とする
ものである。
【0017】本発明の請求項9に係る接点材料の表面洗
浄方法は、請求項4乃至8のいずれかの構成に加えて、
プラズマ5による洗浄後に接点材料6の表面に潤滑剤7
を薄く付着させることによって耐腐食膜8を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】図1に本発明の洗浄装置の一例を示す。こ
の洗浄装置は反応容器1の外周の全周に亘って複数の対
をなす(一対の)電極3、4を接触させて設けると共に
電極3、4を上下に対向させて配置することによって形
成されており、電極3、4の間に対応する位置において
反応容器1内には放電空間21が形成されている。ま
た、電極3、4は交流(高周波)またはパルス状の電圧
を発生する電源11と電気的に接続されており、上側に
配置される一方の電極3は高圧電極として、下側に配置
される他方の電極4は低圧電極(接地電極)としてそれ
ぞれ形成されている。尚、電極3、4はそれぞれ一個ず
つ以上あれば何個あっても良い。
【0020】反応容器1は高融点の絶縁材料(誘電体材
料)で略円筒状に形成されるものである。反応容器1を
構成する絶縁材料の誘電率は放電空間21におけるプラ
ズマの低温化の重要な要素であって、具体的には絶縁材
料として、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジル
コニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例
示することができる。また、反応容器1の上面はガス導
入口15として略全面に亘って開放されていると共に反
応容器1の下面は吹き出し口2として略全面に亘って開
放されている。このガス導入口15と吹き出し口2は反
応容器1内の放電空間21と連通している。
【0021】電極3、4は、例えば、銅、アルミニウ
ム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304な
ど)などの導電性の金属材料で形成することができる。
また、電極3、4は環状に形成されているが、その形状
(特に内周形状)は反応容器1の形状(特に外周形状)
に対応して円環状(リング状)に形成されている。そし
て、電極3、4の内側に反応容器1を挿着することによ
って、反応容器1の外周に電極3、4が取り付けられて
いる。この時、電極3、4の内周面は反応容器1の外周
面に全周に亘って接触させて配置していると共に電極
3、4は吹き出し口2の上方において上下に対向させて
配置されている。また、電極3、4の間隔はプラズマ5
を安定に生成するために3〜20mmに設定するのが好
ましい。
【0022】電源11としては、交流(高周波)または
パルス状の電圧を発生するものであって、プラズマを放
電空間21で連続的に生成するのに必要な電圧(例え
ば、0.5〜5kV)を発生し、反応容器1内の放電空
間21において上記の電圧を電極3、4間に印加するこ
とができるものを用いる。本発明において電極3、4間
に印加する電圧が交流電圧の場合は、その周波数を1k
Hz〜200MHzに設定するのが好ましい。交流電圧
の周波数が1kHz未満であれば、放電空間21での放
電を安定化させることができなくなり、プラズマ処理を
効率よく行うことができなくなる恐れがある。また、交
流電圧の周波数が200MHzを超えると、放電空間2
1でのプラズマの温度上昇が著しくなり、反応容器1や
電極3、4の寿命が短くなる恐れがあり、しかも、被処
理物(接点材料6)が熱的損傷を受けたり、表面洗浄装
置が複雑化及び大型化する恐れがある。また本発明にお
いて放電空間21に発生する(印加する)印加電力の密
度は20〜3500W/cm 3に設定するのが好まし
い。この印加電力の密度が20W/cm3未満であれ
ば、放電空間21でプラズマ5を充分に発生させること
ができなくなり、逆に、印加電力の密度が3500W/
cm3を超えると、安定した放電を得ることができなく
なる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm3
は、(放電空間21に投入される電力/放電空間21の
体積)で定義される。
【0023】本発明ではプラズマ生成用ガスとして、希
ガスと反応性ガスの混合気体を用いる。希ガスとしては
ヘリウム、アルゴン、ネオンなどを例示することがで
き、これらを単独で用いたり併用したりすることができ
る。反応性ガスとしては酸素ガス、水素ガスなどを例示
することができる。これらは除去する汚染物の種類によ
って使い分けることができ、汚染物が脂肪族系化合物な
どの有機物である場合には酸素ガスを用い、汚染物が硫
化物、塩化物、酸化物である場合には水素ガスを用い
る。尚、硫化物、塩化物、酸化物はそれぞれ接点材料6
を構成する金属と硫黄、塩素、酸素が結合したものであ
る。
【0024】プラズマ生成用ガスの希ガスとしてアルゴ
ンとヘリウムの混合ガスを用いる場合は、反応容器1に
供給されるアルゴンとヘリウムの総流量に対してヘリウ
ムの流量が10〜30vol%にするのが好ましい。ヘ
リウムの流量が10vol%未満であれば、アーク放電
の発生を抑える効果が低くなる恐れがあり、ヘリウムの
流量が30vol%を超えると、相対的にアルゴンの流
量が低くなってプラズマ5を効率よく生成することがで
きなくなってプラズマ洗浄の効率が低くなる恐れがあ
る。
【0025】また、プラズマ生成用ガスの反応性ガスと
して酸素ガスを用いる場合は、反応容器1に供給される
プラズマ生成用ガスの総流量に対して酸素ガスの流量が
0.5〜5vol%に設定するのが好ましく、これによ
り、反応容器1内でプラズマ5(酸素プラズマ5a)が
効率的に生成されて有機物の除去性能を大きくすること
ができ、同時に接点材料6に対するアーク放電も防止す
ることができるものである。酸素ガスの流量が0.5v
ol%未満では、十分な有機物の除去性能が得られなく
なる恐れがあり、一方、酸素ガスの流量が5vol%を
超えると、放電が不安定なる恐れがある。
【0026】また、水素ガスは反応容器1に供給される
プラズマ生成用ガスの総流量に対して0.3〜3vol
%の流量に設定するのが好ましく、これにより、反応容
器1内でプラズマ5(水素プラズマ5b)が効率的に生
成されて還元性能を大きくすることができ、同時に接点
材料6に対するアーク放電も防止することができるもの
である。水素ガスの流量が0.3vol%未満では、ア
ーク放電が発生する恐れがある。これは水素の濃度が低
いと、水素による電子の吸着効果が薄くなり、プラズマ
5中の荷電粒子密度が高くなるためである。また、水素
ラジカルの生成が少なくなるために水素(ラジカル)に
よる洗浄性能も低くなる恐れがある。一方、水素ガスの
流量が3vol%を超えると、反応容器1内におけるプ
ラズマ生成用ガスの流速(ガス速度)が速くなって放電
空間21内に滞在する時間が短くなり、よって、プラズ
マ生成用ガスに効率よく高周波電界のエネルギーが伝わ
らないために、水素ラジカルの生成が少なくなって上記
と同様に洗浄性が低下する恐れがある。しかも、水素の
爆発限界量の4%に近くなるために、装置の安全性が低
下する恐れがある。
【0027】そして、上記のような表面洗浄装置を用い
て接点材料6の表面の洗浄を行うにあたっては、次のよ
うにして行う。まず、図1に矢印イで示すように、ガス
導入口15から反応容器1内にプラズマ生成用ガスを導
入すると共にプラズマ生成用ガスを反応容器1内で上か
ら下に向かって流して放電空間21に導入する。次に、
電源11により電極3、4間にパルス状又は交流の電圧
を印加し、この電圧の印加により放電空間21にパルス
状又は交流の電界を印加する(生じさせる)ことによっ
て、大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa
(700〜800Torr))で放電空間21にグロー
放電を発生させると共にグロー放電でプラズマ生成用ガ
スをプラズマ化してプラズマ活性種を含むプラズマ5を
生成し、この後、プラズマ5を吹き出し口2から下方に
プラズマジェット(ジェット状のプラズマ)として流出
させ、吹き出し口2の下側(略円形の吹き出し口2の中
心の真下)に配置された接点材料6の表面にプラズマ5
を吹き付けて(照射して)供給することによって接点材
料6の汚染物を除去するものである。
【0028】このようにして接点材料6の表面の洗浄を
行うにあたって、接点材料6が金又は金を含む金属材料
(合金等)で形成されている場合には、接点材料6の表
面は主に有機物により汚染されているため、反応性ガス
として酸素ガスを用いることによってプラズマ5として
酸素プラズマ5aを生成し、この酸素プラズマ5aを接
点材料6の表面に供給して洗浄を行うようにする。すな
わち、酸素プラズマ5aを接点材料6の表面に供給する
ことによって、 C+O2→CO2↑ … のような反応を接点材料6の表面で起こし、接点材料6
の表面に存在している有機物の汚染物を二酸化炭素ガス
として揮発させて除去して洗浄を行うことができる。
【0029】また、接点材料6が銀又は銀を含む金属材
料(合金等)で形成されている場合には、銀は硫黄系ガ
スや塩素系ガスと化学反応し易いために、接点材料6の
表面は主に硫化物や塩化物により汚染(腐食)されてお
り、従って、反応性ガスとして水素ガスを用いることに
よってプラズマ5として水素プラズマ5bを生成し、こ
の水素プラズマ5bを接点材料6の表面に供給して洗浄
を行うようにする。すなわち、水素プラズマ5bを接点
材料6の表面に供給することによって、 Ag2S+H2→2Ag+H2S↑ … 2AgCl2+H2→2Ag+2HCl↑ … のような反応を接点材料6の表面で起こし、接点材料6
の表面に存在している硫化物や塩化物の汚染物から硫化
水素ガスや塩酸ガスを揮発させて除去して金属銀へ還元
することによって洗浄を行うことができる。
【0030】また、接点材料6が銅又は銅を含む金属材
料(合金等)あるいはニッケル又はニッケルを含む金属
材料(合金等)で形成されている場合には、銅あるいは
ニッケルは大気中の酸素と化学反応し易いために、接点
材料6の表面は主に酸化物により汚染(酸化)されてお
り、従って、反応性ガスとして水素ガスを用いることに
よってプラズマ5として水素プラズマ5bを生成し、こ
の水素プラズマ5bを接点材料6の表面に供給して洗浄
を行うようにする。すなわち、水素プラズマ5bを接点
材料6の表面に供給することによって、 CuO+H2→Cu+H2O↑ … または NiO+H2→Ni+H2O↑ … のような反応を接点材料6の表面で起こし、接点材料6
の表面に存在している酸化物の汚染物から水蒸気を揮発
させて除去して金属銅や金属ニッケルへ還元することに
よって洗浄を行うことができる。
【0031】さらに、接点材料6が銀又は銀を含む金属
材料あるいは銅又は銅を含む金属材料あるいはニッケル
又はニッケルを含む金属材料で形成されている場合であ
っても、接点材料6の保管状況などにより接点材料6の
表面が有機物により汚染されていることがあるので、こ
の場合は酸素プラズマ5aを用いて接点材料6の表面で
上記と同様の反応を起こさせて有機物を除去した後、
水素プラズマ5bを用いて接点材料6の表面で上記〜
と同様の反応を起こさせて硫化物や塩化物や酸化物の
除去を行って洗浄するのが好ましい。
【0032】また、上記の洗浄にあたって、長尺の金属
フープ材(帯状金属板)22に打ち抜き加工などを施し
て多数個の接点材料6を形成した後、金属フープ材22
が吹き出し口2の下側を通過するように金属フープ材2
2を搬送する(搬送方向を矢印ロで示す)ことによっ
て、金属フープ材22に未切断状態で保持されている多
数個の接点材料6に連続してプラズマ5を吹き付けて洗
浄を行うことができ、多数個の接点材料6を連続的に効
率よく洗浄することができるものである。もちろん、長
尺の金属フープ材22に打ち抜き加工などを施して多数
個の接点材料6を形成した後、各接点材料6を金属フー
プ材22から切断して分離し、この後、リレーやスイッ
チなどに組み込む前にベルトコンベア等を使って、吹き
出し口2の下側を接点材料6が通過するように多数個の
接点材料6を連続的に搬送することによって、多数個の
接点材料6に連続してプラズマ5を吹き付けて洗浄を行
うようにしても良く、この場合も、多数個の接点材料6
を連続的に効率よく洗浄することができるものである。
【0033】そして、本発明では吹き出し口2の下側に
配置された接点材料6の表面全面にプラズマ5を吹き付
けて供給することによって、接点材料6の表面全面の汚
染物を除去することができるものであり、この接点材料
6で形成される接点の開閉で接触点が多少ずれたとして
も、洗浄されていない部分で接触することが無くなって
導電性の低下や導電不良を少なくすることができるもの
である。また、本発明では反応容器1からプラズマ5を
吹き出して洗浄を行ういわゆる開放系であるので、金属
フープ材22を適当な大きさに分断してから処理室内に
導入する必要が無く、効率的な洗浄を行うことができる
ものである。
【0034】また、この実施の形態では反応容器1の内
面に沿った電気力線が形成されるように、反応容器1を
挟んで対向しないように電極3、4を配置するので、反
応容器1の内面に対して垂直方向に電気力線が生じにく
くなって電気力線による反応容器1の劣化を少なくする
ことができ、反応容器1の内面からその構成物質が飛び
出しにくくなって接点材料6が不純物により汚染される
のを少なくすることができるものである。すなわち、反
応容器1を挟んで対向するように電極3、4を対向させ
て配置すると、反応容器1の内面に対して直交方向に電
気力線が形成されることになって、電気力線による反応
容器1の劣化が大きくなるが、上記実施の形態では反応
容器1の内面に沿った電気力線が形成されるように、電
極3、4を互いに上下に対向するように配置するので、
放電空間21内において電極3、4の間に反応容器1の
内面に沿った上下方向の電気力線が形成されることにな
って、電気力線による反応容器1の劣化を少なくするこ
とができるものである。
【0035】図2に他の実施の形態を示す。この実施の
形態では図1に示す表面洗浄装置を二つ用い、この二つ
の表面洗浄装置を金属フープ材22の搬送方向と平行な
方向に並べて(隣接して)配置したものである。その他
の構成は上記の実施の形態と同様である。このもので
は、一方の表面洗浄装置の吹き出し口2の下側に多数個
の接点材料6あるいは多数個の接点材料6を保持する金
属フープ材22を搬送して洗浄を行った直後に、他方の
表面洗浄装置の吹き出し口2の下側に多数個の接点材料
6あるいは金属フープ材22を搬送して洗浄を行うよう
にするものである。従って、一方の表面洗浄装置に導入
されるプラズマ生成用ガスの反応性ガスとして酸素ガス
を用い、他の表面洗浄装置に導入されるプラズマ生成用
ガスの反応性ガスとして水素ガスを用いるなどようにし
て反応性ガスの種類を異ならせることによって、種類の
異なる洗浄を連続して行うことができるものである。も
ちろん、同じ種類の反応性ガスを用いて同じ種類の洗浄
を行っても良く、一つの洗浄を確実に行うようにしても
良い。また、表面洗浄装置は二つに限らず、三つ以上の
複数個を併設しても良い。
【0036】図3に他の実施の形態を示す。この表面洗
浄装置も上記と同様に反応容器1の外周の全周に亘って
複数の対をなす(一対の)電極3、4を接触させて設け
ると共に電極3、4を上下に対向させて配置することに
よって形成されており、電極3、4の間に対応する位置
において反応容器1内には放電空間21が形成されてい
る。また、電極3、4は交流(高周波)またはパルス状
の電圧を発生する電源11と電気的に接続されており、
上側に配置される一方の電極3は高圧電極として、下側
に配置される他方の電極4は低圧電極(接地電極)とし
てそれぞれ形成されている。尚、電極3、4はそれぞれ
一個ずつ以上あれば何個あっても良い。
【0037】反応容器1は上記と同様の高融点の絶縁材
料(誘電体材料)で略角形筒状で扁平な形状に形成され
るものである。また、反応容器1の上面はガス導入口1
5として略全面に亘って開放されていると共に反応容器
1の下面は吹き出し口2として略全面に亘って開放され
ている。このガス導入口15と吹き出し口2は反応容器
1内の放電空間21と連通している。従って、吹き出し
口2は反応容器1の幅方向(水平面における長手方向)
と略平行な方向に長くて幅広に形成されている。
【0038】電極3、4は上記と同様の材料で環状に形
成されているが、その形状(特に内周形状)は反応容器
1の形状(特に外周形状)に対応して角環状(角リング
状)に形成されている。そして、電極3、4の内側に反
応容器1を挿着することによって、反応容器1の外周に
電極3、4が取り付けられている。その他の構成は上記
実施の形態と同様に形成されている。
【0039】この実施の形態においても上記の表面洗浄
装置と同様にして放電空間21にプラズマ5を生成し、
このプラズマ5を吹き出し口2から下方にプラズマジェ
ット(ジェット状のプラズマ)として流出させ、吹き出
し口2の下側に配置された接点材料6の表面にプラズマ
5を吹き付けて(照射して)供給することによって接点
材料6の汚染物を除去するものであるが、吹き出し口2
が幅広に形成されているので、カーテンのような幅を持
ったプラズマ5を吹き出し口2から吹き出しながら接点
材料6や金属フープ材22の表面全面にプラズマ6を吹
き付けることができ、スポット的なプラズマ5を吹き出
すものに比べて接点材料6や金属フープ材22の広い面
積を一度にプラズマ処理することができ、広い表面積を
有する接点材料6や金属フープ材22の処理時間を短く
することができるものである。また、図3に示すよう
に、吹き出し口2の幅広方向に二本以上の複数本の金属
フープ材22を並べ、各金属フープ材22を吹き出し口
2の幅広方向と直交する方向に移動させることによっ
て、複数本の金属フープ材22(に設けた接点材料6)
に対して同時にプラズマ5を吹き付けて洗浄処理を施す
ことができ、効率よく洗浄を行うことができるものであ
る。
【0040】上記のように接点材料6を洗浄した後、接
点材料6の表面に潤滑剤(接点潤滑剤)7を薄く付着さ
せることによって耐腐食膜8を形成するのが好ましい。
上記のようにプラズマ生成用ガスの種類を変えるなどし
て接点材料6を十分に洗浄しても、組み立て後のリレー
やスイッチの使用環境によっては、接点材料6への有機
物の付着や硫化反応、塩化反応、酸化反応が起こり、再
び、接点材料6の表面に汚染物が蓄積されることがあ
る。
【0041】そこで、このような再汚染を防止するため
に、プラズマ5による洗浄後(直後が好ましい)に、接
点材料6の表面に潤滑剤7を接触抵抗に影響を及ぼさな
い程度に薄く(例えば、1nm以下)付着させて耐腐食
膜8を形成するようにし、この耐腐食膜8が存在するこ
とによって接点材料6の表面に直接汚染ガスが接触しな
いようにして、再汚染を防止するのである。
【0042】潤滑剤7としてはアルコール系のものなど
の比較的揮発性の高いものなどを用いることができ、図
7に示すように、この潤滑剤7を上面が開放された貯留
容器25に入れ、貯留容器25の上方を通過するように
多数個の接点材料6や多数個の接点材料6を保持した金
属フープ材22を搬送することによって、揮発した潤滑
剤7を接点材料6の表面に付着させて耐腐食膜8を形成
することができる。
【0043】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0044】(実施例1)図3に示す表面洗浄装置を用
いて接点材料6の表面に付着する有機物を除去して洗浄
を行った。接点材料6としては図4に示すように、銅バ
ネ材30の表面に銅−ニッケル合金層31を形成し、銅
−ニッケル合金層31の表面に金−銀合金層32を形成
し、金−銀合金層32の表面に金クラッド材33を形成
したものを用いた。
【0045】また、プラズマ生成用ガスとしては、He
を2リットル/分、Arを10リットル/分、酸素ガス
を0.4リットル/分の割合で混合したものを用いて反
応容器1に導入し、700Wで13.56MHzの条件
で高周波電圧を印加し、大気圧下で酸素プラズマ5aを
発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
【0046】上記のようにして洗浄処理をした直後、接
点材料6の表面(金クラッド材33)をオージェ電子分
光装置によって元素分析を行った結果、有機物汚染を意
味する炭素検出量が減少していることが確認された。
【0047】(実施例2)図1に示す表面洗浄装置を用
いて接点材料6の表面に存在する硫化物や塩化物を除去
して洗浄を行った。接点材料6としては図5に示すよう
に、銅バネ材30の表面に銅−ニッケル合金層31を形
成し、銅−ニッケル合金層31の表面に金−銀合金層3
2を形成したものを用いた。
【0048】また、プラズマ生成用ガスとしては、He
を0.29リットル/分、Arを1.46リットル/
分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合し
たものを用いて反応容器1に導入し、100Wで13.
56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で水
素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面に供
給した。
【0049】上記のようにして洗浄処理をした直後、接
点材料6の表面(金−銀合金層32)をオージェ電子分
光装置によって元素分析を行った結果、硫化物や塩化物
汚染を意味する硫黄検出量や塩素検出量が減少している
ことが確認された。
【0050】(実施例3)図2に示す表面洗浄装置を用
いて接点材料6の表面に存在する有機物、硫化物、塩化
物を除去して洗浄を行った。接点材料6としては図5に
示すものを用いた。
【0051】また、最初に接点材料6にプラズマ5を供
給する一方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスと
してHeを2リットル/分、Arを10リットル/分、
酸素ガスを0.4リットル/分の割合で混合したものを
用いて反応容器1に導入し、700Wで13.56MH
zの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で酸素プラズ
マ5aを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
【0052】また、上記一方の表面洗浄装置による洗浄
の直後、さらに続いて接点材料6にプラズマ5を供給す
る他方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスとして
Heを0.29リットル/分、Arを1.46リットル
/分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合
したものを用いて反応容器1に導入し、100Wで1
3.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下
で水素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面
に供給した。
【0053】上記のようにして洗浄処理をした直後、接
点材料6の表面(金−銀合金層32)をオージェ電子分
光装置によって元素分析を行った結果、有機物、硫化
物、塩化物による汚染を意味する炭素検出量、硫黄検出
量、塩素検出量が減少していることが確認された。
【0054】(実施例4)図1に示す表面洗浄装置を用
いて接点材料6の表面に存在する酸化物を除去して洗浄
を行った。接点材料6としては図6に示すように、銅バ
ネ材30の表面に銀−ニッケル合金層34を形成したも
のを用いた。
【0055】また、プラズマ生成用ガスとしては、He
を0.29リットル/分、Arを1.46リットル/
分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合し
たものを用いて反応容器1に導入し、100Wで13.
56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で水
素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面に供
給した。
【0056】上記のようにして洗浄処理をした直後、接
点材料6の表面(銀−ニッケル合金層34)をオージェ
電子分光装置によって元素分析を行った結果、酸化物汚
染を意味する酸素検出量が減少していることが確認され
た。
【0057】(実施例5)図2に示す表面洗浄装置を用
いて接点材料6の表面に存在する有機物、酸化物を除去
して洗浄を行った。接点材料6としては図6に示すもの
を用いた。
【0058】また、最初に接点材料6にプラズマ5を供
給する一方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスと
してHeを2リットル/分、Arを10リットル/分、
酸素ガスを0.4リットル/分の割合で混合したものを
用いて反応容器1に導入し、700Wで13.56MH
zの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下で酸素プラズ
マ5aを発生させて上記接点材料6の表面に供給した。
【0059】また、上記一方の表面洗浄装置による洗浄
の直後、さらに続いて接点材料6にプラズマ5を供給す
る他方の表面洗浄装置では、プラズマ生成用ガスとして
Heを0.29リットル/分、Arを1.46リットル
/分、水素ガスを0.017リットル/分の割合で混合
したものを用いて反応容器1に導入し、100Wで1
3.56MHzの条件で高周波電圧を印加し、大気圧下
で水素プラズマ5bを発生させて上記接点材料6の表面
に供給した。
【0060】上記のようにして洗浄処理をした直後、接
点材料6の表面(銀−ニッケル合金層34)をオージェ
電子分光装置によって元素分析を行った結果、有機物、
酸化物による汚染を意味する炭素検出量、酸素検出量が
減少していることが確認された。
【0061】(実施例6)実施例3と同様にして接点材
料6の洗浄を行った後、アルコール系の潤滑剤7を用い
て接点材料6の表面に厚み約1nmの耐腐食膜8を形成
した。耐腐食膜8を形成するにあたっては、図7に示す
ように、潤滑剤7を上面が開放された貯留容器25に入
れ、貯留容器25の上方を通過するように多数個の接点
材料6を保持した金属フープ材22を搬送し、揮発した
潤滑剤7を接点材料6の表面に付着させるようにした。
この時、接点材料6が貯留容器25側(下側)に向くよ
うに金属フープ材22を180°回転させるようにし
た。
【0062】上記のようにして洗浄処理をした接点材料
6を1週間大気中に放置した後に、接点材料6の表面
(金−銀合金層32)をオージェ電子分光装置によって
元素分析を行った結果、硫化物や塩化物による汚染を意
味する硫黄検出量や塩素検出量の増加が抑えられている
ことが確認された。一方、炭素検出量は増加している
が、これは潤滑剤7が付着したために起こるものであ
る。また、約1nmの厚みの耐腐食膜8をイオンビーム
エッチングした後に、オージェ電子分光装置によって元
素分析を行った結果、炭素が検出されなかったことか
ら、耐腐食膜8は非常に薄くて接触抵抗には影響が与え
ないと考えられる。
【0063】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1の発明
は、絶縁材料で形成された反応容器の片側を吹き出し口
として開放し、希ガスと反応性ガスをプラズマ生成用ガ
スとして反応容器に導入すると共に大気圧近傍の圧力下
で反応容器内にグロー放電を発生させ、このグロー放電
により生成されるプラズマをプラズマジェットとして反
応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供
給することによって接点材料の表面の汚染物を除去する
ので、プラズマを接点材料の表面の全面に亘って容易に
供給することができ、接点材料の表面全面を洗浄するこ
とができるものであり、しかも、多数個の接点材料に対
して連続的に容易にプラズマを供給することができ、効
率よく洗浄することができるものである。
【0064】また、本発明の請求項2の発明は、反応容
器を略円筒状に形成し、反応容器内にグロー放電を発生
させるための電極を反応容器の外側に設けるので、プラ
ズマを接点材料の表面の全面に亘って容易に供給するこ
とができ、接点材料の表面全面を洗浄することができる
ものであり、しかも、多数個の接点材料に対して連続的
に容易にプラズマを供給することができ、効率よく洗浄
することができるものである。
【0065】また、本発明の請求項3の発明は、反応容
器を略角形筒状に形成し、吹き出し口を幅広に形成し、
反応容器内にグロー放電を発生させるための電極を反応
容器の外側に設けるので、多数個の接点材料を保持する
金属フープ材を吹き出し口の幅広方向に複数個並べて搬
送することによって、複数個の金属フープ材に同時にプ
ラズマを供給することができ、多数個の接点材料に対し
て連続的に容易にプラズマを供給することができて効率
よく洗浄することができるものである。
【0066】また、本発明の請求項4の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を
用いて金を含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたっ
て、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸
素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラズマジェ
ットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材
料の表面に供給することによって接点材料の表面の有機
物を除去するので、金を含む接点材料の主な表面汚染で
ある有機物を二酸化炭素ガスとして揮発させて除去する
ことができるものである。
【0067】また、本発明の請求項5の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を
用いて銀を含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたっ
て、反応性ガスとして水素ガスを用いることによって水
素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラズマジェ
ットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材
料の表面に供給することによって接点材料の表面の硫化
物や塩化物を除去するので、銀を含む接点材料の主な表
面汚染である硫化物、塩化物を硫化水素ガスや塩酸ガス
として揮発させて除去することができるものである。
【0068】また、本発明の請求項6の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を
用いて銀を含む接点材料の表面の洗浄を行うにあたっ
て、反応性ガスとして酸素ガスを用いることによって酸
素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラズマジェ
ットとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材
料の表面に供給することによって接点材料の表面の有機
物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガスを用いる
ことによって水素プラズマを生成し、この水素プラズマ
をプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹
き出して接点材料の表面に供給することによって接点材
料の表面の硫化物や塩化物を除去するので、銀を含む接
点材料の表面汚染である有機物、硫化物、塩化物を二酸
化炭素ガス、硫化水素ガスや塩酸ガスとして揮発させて
除去することができ、種類の異なる汚染物を確実に除去
して洗浄することができるものである。
【0069】また、本発明の請求項7の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を
用いて銅やニッケルを含む接点材料の表面の洗浄を行う
にあたって、反応性ガスとして水素ガスを用いることに
よって水素プラズマを生成し、この水素プラズマをプラ
ズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出し
て接点材料の表面に供給することによって接点材料の表
面の酸化物を除去するので、銅やニッケルを含む接点材
料の主な表面汚染である酸化物を還元して水蒸気を揮発
させて除去することができるものである。
【0070】また、本発明の請求項8の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の接点材料の表面洗浄装置を
用いて銅やニッケルを含む接点材料の表面の洗浄を行う
にあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用いることに
よって酸素プラズマを生成し、この酸素プラズマをプラ
ズマジェットとして反応容器の吹き出し口から吹き出し
て接点材料の表面に供給することによって接点材料の表
面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとして水素ガス
を用いることによって水素プラズマを生成し、この水素
プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し
口から吹き出して接点材料の表面に供給することによっ
て接点材料の表面の酸化物を除去するので、銅やニッケ
ルを含む接点材料の表面汚染である有機物を二酸化炭素
ガスとして揮発させて除去すると共に酸化物を還元して
水蒸気を揮発させて除去することができ、種類の異なる
汚染物を確実に除去して洗浄することができるものであ
る。
【0071】また、本発明の請求項9の発明は、プラズ
マによる洗浄後に接点材料の表面に潤滑剤を薄く付着さ
せることによって耐腐食膜を形成するので、接点材料を
組み立てた後、接点材料に直接汚染ガスが接触するのを
耐腐食膜で防ぐことができ、接点材料の再汚染を防止し
て長寿命化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図2】同上の他の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図3】同上の他の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図4】同上の接点材料の一例を示す断面図である。
【図5】同上の接点材料の他例を示す断面図である。
【図6】同上の接点材料の他例を示す断面図である。
【図7】同上の耐腐食膜の形成工程を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 反応容器 2 吹き出し口 3 電極 4 電極 5 プラズマ 5a 酸素プラズマ 5b 水素プラズマ 6 接点材料 7 潤滑剤 8 耐腐食膜
フロントページの続き (72)発明者 澤田 康志 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3B116 AA46 AB14 BB21 BB88 BB89 BC01 CC05 5G023 AA01 BA11 CA24 CA50

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁材料で形成された反応容器の片側を
    吹き出し口として開放し、希ガスと反応性ガスをプラズ
    マ生成用ガスとして反応容器に導入すると共に大気圧近
    傍の圧力下で反応容器内にグロー放電を発生させ、この
    グロー放電により生成されるプラズマをプラズマジェッ
    トとして反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料
    の表面に供給することによって接点材料の表面の汚染物
    を除去することを特徴とする接点材料の表面洗浄装置。
  2. 【請求項2】 反応容器を略円筒状に形成し、反応容器
    内にグロー放電を発生させるための電極を反応容器の外
    側に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の接点
    材料の表面洗浄装置。
  3. 【請求項3】 反応容器を略角形筒状に形成し、吹き出
    し口を幅広に形成し、反応容器内にグロー放電を発生さ
    せるための電極を反応容器の外側に設けて成ることを特
    徴とする請求項1に記載の接点材料の表面洗浄装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点
    材料の表面洗浄装置を用いて金を含む接点材料の表面の
    洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用
    いることによって酸素プラズマを生成し、この酸素プラ
    ズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口か
    ら吹き出して接点材料の表面に供給することによって接
    点材料の表面の有機物を除去することを特徴とする接点
    材料の表面洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点
    材料の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料の表面の
    洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして水素ガスを用
    いることによって水素プラズマを生成し、この水素プラ
    ズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口か
    ら吹き出して接点材料の表面に供給することによって接
    点材料の表面の硫化物や塩化物を除去することを特徴と
    する接点材料の表面洗浄方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点
    材料の表面洗浄装置を用いて銀を含む接点材料の表面の
    洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸素ガスを用
    いることによって酸素プラズマを生成し、この酸素プラ
    ズマをプラズマジェットとして反応容器の吹き出し口か
    ら吹き出して接点材料の表面に供給することによって接
    点材料の表面の有機物を除去し、次に、反応性ガスとし
    て水素ガスを用いることによって水素プラズマを生成
    し、この水素プラズマをプラズマジェットとして反応容
    器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給す
    ることによって接点材料の表面の硫化物や塩化物を除去
    することを特徴とする接点材料の表面洗浄方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点
    材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材
    料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして水
    素ガスを用いることによって水素プラズマを生成し、こ
    の水素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹
    き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給すること
    によって接点材料の表面の酸化物を除去することを特徴
    とする接点材料の表面洗浄方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3のいずれかに記載の接点
    材料の表面洗浄装置を用いて銅やニッケルを含む接点材
    料の表面の洗浄を行うにあたって、反応性ガスとして酸
    素ガスを用いることによって酸素プラズマを生成し、こ
    の酸素プラズマをプラズマジェットとして反応容器の吹
    き出し口から吹き出して接点材料の表面に供給すること
    によって接点材料の表面の有機物を除去し、次に、反応
    性ガスとして水素ガスを用いることによって水素プラズ
    マを生成し、この水素プラズマをプラズマジェットとし
    て反応容器の吹き出し口から吹き出して接点材料の表面
    に供給することによって接点材料の表面の酸化物を除去
    することを特徴とする接点材料の表面洗浄方法。
  9. 【請求項9】 プラズマによる洗浄後に接点材料の表面
    に潤滑剤を薄く付着させることによって耐腐食膜を形成
    することを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載
    の接点材料の表面洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012054333A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Shinkawa Ltd 表面洗浄装置
JP2015160192A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 サムコ株式会社 プラズマ洗浄装置
WO2019021548A1 (ja) * 2017-07-26 2019-01-31 日本電産株式会社 電気接点材料の製造方法及び電気接点材料

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