JPH1124242A - 感光性記録材料の製造方法 - Google Patents

感光性記録材料の製造方法

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JPH1124242A
JPH1124242A JP10072659A JP7265998A JPH1124242A JP H1124242 A JPH1124242 A JP H1124242A JP 10072659 A JP10072659 A JP 10072659A JP 7265998 A JP7265998 A JP 7265998A JP H1124242 A JPH1124242 A JP H1124242A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各層が相互に、かつ基板ないし基礎シートお
よび保護被覆層に対して、確実かつ再現可能に調整され
得る接着性を示す多層印刷版面を形成することができ、
従って、積層体の任意の層、ことに一般的保護被覆層
を、意図しない多層の分離をもたらすことなく、確実に
除去し得る印刷版面、ことにレリーフ印刷版面を形成す
るための感光性記録材料製造方法を提供すること。 【解決手段】 除去可能の保護被覆層、レリース層およ
び場合によりさらに他の層から成る積層体シートに感光
性層を積層する、レリーフ印刷版面形成用の、感光性記
録材料製造方法であって、上記積層体シートの最上層面
または感光性層の表面を、これらの接着直前にコロナ処
理に附することを特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寸法安定性基板な
いし基層フィルム、必要に応じて接着増進層、少なくと
も1層の感光性、ことに光重合性層、非感光性レリース
層および除去可能の保護被覆層から成る、ことにレリー
フ印刷版体、例えばフレキソ印刷版体製造用の感光性、
ことに光重合性記録材料の製造方法に関する。各種の層
が基板ないし保護被覆層上に重ねられ、適宜の方法、例
えば組成分溶液を塗布し、乾燥することにより、溶融体
を施し、加圧、場合によりさらに加熱下に積層して、記
録材料が形成される。
【0002】凸版印刷機用版面の製造においては、感光
層組成分を適当な溶媒に溶解させ、この溶液をあらかじ
め形成された被覆シートとレリース層との積層体上に注
下するのが一般的である。感光層が乾燥してから、この
積層体を接着剤組成分混合物で被覆された基層フィルム
上に積層する。
【0003】フレキソ印刷版面の製造においては、一般
的に感光層組成分を押出機中において溶融させ、よく混
合し、この溶融体をスロットダイから押出し、カレンダ
ーのギャップ中に給送する。保護被覆シートをレリース
層と積層して、カレンダーロールの一方に給送し、接着
増進組成分混合物でコーティングされている基層フィル
ムを他方のカレンダーロールに給送する。カレンダーギ
ャップにおいて、感光層組成分溶融体が、保護被覆シー
ト/レリース層および接着増進組成分/基礎層フィルム
の複合積層体と積層される。
【0004】
【従来の技術】印刷版面の処理に当たって、保護被覆層
は、その下方に積層を残さないように、積層体から除去
されねばならない。ことに、レリース層は完全に感光性
層上に残存させねばならない。感光性記録材料製造方法
の好ましい実施態様において、レリース層が溶液状態で
保護被覆層上に施され、乾燥され、次いでカレンダ処理
により溶融状態の保護被覆層と合体される場合には、こ
の保護被覆層のレリース層からの除去について、しばし
ば接着性の問題が生ずる。場合によって、レリース層
が、感光性層よりも、保護被覆層に強く接着することが
あるからである。
【0005】しかしながら、印刷版面を良好に処理する
ためには、一方においてレリース層と感光性層との間
の、他方においてレリース層と保護被覆層との間の接着
性に関し、常に再現可能の確実な差違が存在しなければ
ならない。同様のことが、例えば、追加的な層を有する
積層体にも該当する。例えば欧州特願公開84851
号、同456336号公報に記載されているこのような
積層体において、追加層ないし追加フィルムは別個に形
成され、カレンダー処理などにより、積層体に合体され
る。この場合に、感光層間の接着が不充分であると、洗
除すなわち現像処理の間において、ことに微細なレリー
フパターン部分で画像に欠陥をもたらし、不鮮明な印刷
をもたらし、あるいは印刷が不可能な印刷版面をもたら
しかねない。
【0006】
【解決されるべき課題】そこで、この分野における技術
的課題ないし本発明の目的とするところは、各層が相互
に、かつ基板ないし基礎シートおよび保護被覆層に対し
て、確実かつ再現可能に調整され得る接着性を示す多層
印刷版面を形成することができ、従って、積層体の任意
の層、ことに一般的保護被覆層を、意図しない多層の分
離をもたらすことなく、確実に除去し得る印刷版面、こ
とにレリーフ印刷版面を形成するための感光性記録材料
製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかるに、この課題ない
し目的は、除去可能の保護被覆層、レリース層および場
合によりさらに他の層から成る積層体シートに感光性層
を積層する、レリーフ印刷版面形成用の、本発明による
感光性記録材料製造方法により解決ないし達成されるこ
とが本発明者らにより見出された。本発明によるこの新
規の製造方法は、上記積層体シートの最上層面または感
光性層の表面を、これらの接着直前にコロナ処理に附す
ることを特徴とする。
【0008】感光性層は、保護被覆層、レリース層およ
び場合によりさらに他の追加層から成る積層体材料に、
溶融体ないし溶液の形態で施されるのが好ましい。この
場合、積層体材料の最上方面をコロナ処理に附するのが
好ましい。
【0009】レリース層が最上方層として保護被覆層上
に施される場合には、このレリース層をコロナ処理に附
するのが好ましい。
【0010】このコロナ処理により、レリース層と感光
性層の間の接着性は、本質的かつ均斉に増大せしめら
れ、保護被覆層をレリース層から除去する際に、このレ
リース層は、まったく影響を受けることなく、その下方
層上に完全に接着された状態で残留する。
【0011】二層以上の感光性層を有する印刷版面、こ
とにフレキソ印刷版面を形成しようとする場合には、上
述の積層体材料は、非感光性レリース層上に、一層の感
光性層を担持していてもよい。この感光性層は、当初か
ら感光性である必要はない。すなわち、この層はポリマ
ー結合剤のみを含有しておればよく、重合性化合物およ
び光開始剤を含まなくてよい。印刷版面の貯蔵の間に、
この層が他の感光性層と接触すると、その低分子量組成
分、例えば重合可能化合物、光開始剤が、上記層の結合
剤ポリマー中に拡散滲透して、これを感光性化するから
である。
【0012】このような層を形成する場合には、その形
成材料を溶液の形態でレリース層上に施し、乾燥する。
この場合、もちろんレリース層の組成分および追加層の
溶媒は、レリース層組成分がいささかでも溶融中に溶解
しないように選択されねばならない。この追加層は、レ
リース層が溶解しないように例えば水のような媒体中の
分散液の形態で塗布形成することもできる。追加層は一
般的に20から200μmの厚さを有するが、特定の最
小厚さ、例えば50μm程度の場合には、溶融体として
押出またはカレンダー処理により施され得る。追加層を
施す前に、ことにカレンダー処理で施される場合、レリ
ース層を同じく本発明方法によりコロナ処理することも
できる。
【0013】積層体を形成する場合、他層と強固に接着
されるべき層は、すべて本発明によるコロナ処理に附さ
れ得る。ただし、コロナ処理は、積層の直前、すなわ
ち、約1から3000、ことに約60から600秒前に
行われねばならない。この処理は、大規模に、ことに連
続的に有利に行われ得る。すなわち、コーティング処理
圏に入る前に、あるいはカレンダーギャップ中を走過す
る前に、積層されるべき、フィルムないしシートは、ラ
イン中に組込まれたコロナ処理圏中を走過せしめられ
る。
【0014】感光性層の下方、恒久的に残存する基体層
の上方に薄い接着増進層を形成することができる。
【0015】単一層もしくは複数層の感光性層は、一般
的にネガチブ処理用であって、露光硬化性である。これ
はあらかじめ形成されている重合体を架橋することによ
り、あるいは重合可能の低分子量化合物を光重合するこ
とにより行われ得る。光重合性層は、現像液で洗除され
得るポリマー結合剤、遊離基重合可能のエチレン性不飽
和化合物および化学線、ことに長波長紫外線ないし短波
長可視光線により活性化され得る重合開始剤を含有す
る。このような感光性層の組成は公知であって、例えば
西独特願公開2456439号、欧州特願公開8485
1号、同456336号各公報、米国特許407252
7号明細書に記載されている。結合剤としては、硬質ポ
リマーブロック、例えばスチレン/アクリロニトリルも
しくはアクリラート単位と、ジエンポリマー、例えばブ
タジエンないしイソプレンの弾性ブロックとから成るブ
ロック共重合体のようなエラストマーが、ことに有利に
使用される。
【0016】重合可能化合物としては、一般的に、エチ
レン性不飽和末端基、ことに隣接極性基により活性化さ
れる基、例えばカルボニル、カルボキシル、エステル、
カルボキシルアミド基を有する化合物が使用される。
【0017】重合開始剤としては、光重合性混合物に一
般的に使用されている化合物、例えば上記特許刊行物に
記載されている化合物が使用される。
【0018】光感光性層は、さらに慣用の添加剤、例え
ば熱重合禁止剤、染料、光吸収変色性物質、酸化防止
剤、可塑剤などを含有し得る。
【0019】この層は、一般的に60から95、ことに
70から95重量%の結合剤、5から40、ことに5か
ら30重量%の重合可能化合物、および結合剤と光重合
可能化合物の合計量に対して、0.01から10、こと
に0.1から5重量%の光開始剤とを含有し、一般的に
50から7000μm、ことに200から3000μm
の厚さを有する。
【0020】保護被覆シート上に施されるレリース層の
作用は印刷版面の粘稠性を低減し、接触印刷の間の版面
処理を容易ならしめることである。その厚さは一般的に
0.1から10μmである。レリース層材料としては、
ポリアミド、エチレン/ビニルアセタート共重合体、部
分的に加水分解されたポリビニルアセタート、その他の
熱可塑性重合体であって、現像液に溶解し得ないもので
なければならない。
【0021】薄い接着性増進層、例えば市販の1成分の
または2成分系の接着剤は、感光性層の接着性を良好な
らしめるために、基礎シート上に施される。
【0022】この層は0.5から30μm、ことに1か
ら10μmの厚さを有し、ポリウレタンないしポリクロ
ロプレンを基礎とする接着剤から構成される。
【0023】基礎シートは、例えば金属またはプラスチ
ックから成る加撓性で寸法安定性の良好なフィルムない
しシートである。適当なプラスチックは、例えばポリエ
チレンテレフタラートのようなポリエステルから成り、
両方向に配向され、熱硬化処理されるのが好ましく、厚
さは50から300、ことに75から200μmであ
る。
【0024】保護被覆シートも同様の材料から形成さ
れ、プリント印刷版面の接触露光が、保護被覆層を介し
て行う場合には、これは当然のことながら透明でなけれ
ばならない。その厚さは、一般に基礎シートとほぼ同様
であるが、これより薄くすることもできる。
【0025】光重合性印刷版面を製造するためには、基
礎シートないしフィルムにまず接着増進剤と施し、次い
で感光性層がコーティングされる。コーティングは、一
般に材料溶液の形態で行われ、乾燥により固体状層にな
される。これはまた押出機により感光性材料混合物を溶
融させ、均質化し、次いでスロットダイから押出され、
カレンダーギャップに給送することにより形成され得
る。接着剤形成化合物を施された基礎フィルムに軟質な
いし粘稠材料がさらに施される。同時に、レリース層が
接着されている保護被覆シートが、給送され感光性シー
トの対向面と接着される。両シートの接合前に、レリー
ス層が施されている保護被覆シートが、コロナ処理圏に
給送され、これを走過せしめられる。追加的な感光性層
が、レリース層に施される場合には、レリース層も事前
にコロナ処理に附されるが、いずれの場合にも追加層は
カレンダー処理で形成される。この場合、コロナ処理
は、両カレンダー処理前に行われる。さらに、基礎フィ
ルムまたはその上に施された接着増進層は、必要に応じ
て、感光性層が施される前、またはこれとの接着の前
に、コロナ処理に附される。
【0026】このようにして形成された印刷版面は周知
の態様で処理される。すなわち、感光性層は、保護被覆
シートを透過して、あるいはこれを除去し、レリース層
のみを透過して、接触露光により、画像形成される。露
光印刷版面は、現像液洗除により、レリース層および感
光性層の非露光帯域が除去され、現像される。感光性層
の性質、ことにその結合剤の種類に応じて、適当な現像
液は、有機溶媒、水と有機溶媒の混合液あるいは例えば
アルカリ水溶液である。
【0027】本発明方法により得られる感光性記録材料
ないし印刷版面の場合には、保護被覆シートは、その下
方のレリース層を全く傷害することなく、これから容易
に除去され得るので、常に、正確、鮮明な複写がもたら
され得る。
【0028】本発明による新規なコロナ処理の効果は、
コロナ処理された面上に施される次の層に応じて相違す
る。コロナ処理された面を有する層が長時間貯蔵されて
から、次の層が施される場合には、その間の接着性ない
し接着力は、僅かに改善されるに止まるか、あるいは全
く改善されない。接着の改善は、全く意外にも、次層の
コーティングが、溶液または溶融体から形成されるか、
あるいは積層によりまたはカレンダー処理により行われ
るかとは全く無関係である。コロナ処理による接着改善
効果は、処理された面が軟化しても、あるいはカレンダ
ー処理により溶融しても阻害されない。
【0029】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。ここで使用される量、パーセンテイジは、
特に明示しない限り重量に関するものである。
【0030】実施例1 厚さ125μmのポリエチレンテレフタラート保護被覆
シート(東レ、Lumirror(登録商標)x43)
に、ポリアミドレリース層(Henkel社、Makr
omelt(登録商標)6900)を厚さ5μmに形成
し、ローラ処理した。
【0031】80部のスチレン/イソプレン/スチレン
ブロック共重合体(Shell Oil社のKrato
n(登録商標)D1107)、5部のヘキサンジオール
ジメタクリラート、5部のヘキサンジオールジアクリラ
ート、7部の液体パラフィン(ホワイトオイルS500
0)、1部のパラフィンワックス、1部のベンジルジメ
チルケタール、1部の2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、0.006部のSudan Black
(C.I.26150)から成る感光性混合物を、2軸
押出機(ZSK53)により、溶融温度130℃、スル
ープット30kg/hで混練し、スロットダイから排出
した。ダイから押出された溶融体を、2ロールカレンダ
ーギャップに給送した。カレンダーロール両者を80℃
に加熱し、接着剤化合物混合物をコーティングした、厚
さ125μmのポリエチレンテレフタラートフィルム
(Mylar(登録商標))を、カレンダー上方ロール
に給送し、ポリアミドレリース層を施した保護被覆シー
トをカレンダー下方ロールに給送した。保護被覆層がカ
レンダーロールに接触すると、直ちにポリアミドレリー
ス層が溶融し、その表面は粘稠状態となった。接着剤形
成組成分の混合物が施されている基礎フィルム、感光性
材料溶融体、レリース層が施されている保護被覆層が、
カレンダーギャップにおいて相互に接合接着された。こ
の積層シートをサクションベルトで受領し、冷却した。
【0032】Kalwar社の3kWの、金属電極コロ
ナ処理装置を、保護被覆シート給送手段とカレンダー装
置の間に設置した。レリース層を含む、処理されるべき
保護被覆シートを、電極から1mmの間隔を置いてゴム
ロール上を走行させた。シートの幅は50cmで、その
走行速度は60cm/分とした。コロナ処理電流は、0
mAから100mAを経て200mAまで変化させた。
保護被覆シートをそのロール巻回状態から巻き戻し、そ
のレリース層側の面をコロナ処理に附した。処理後のシ
ートを2回変向させ(1回はレリース層と変向ロールと
の接触により)、カレンダーロールに給送した。
【0033】形成された印刷版面を保護被覆層のレリー
ス層に対する接着力と、レリース層の感光性層に対する
接着力とに関する接着力テストに附した。
【0034】接着力テストの諸条件、zwick社の引
張強さテスター、引張角度90℃、引張速度100mm
/分、試料の幅2cm。
【0035】レリース層の感光性層に対する接着力を測
定するための試料は以下のようにして、すなわち、保護
被覆シートをテスト試料としての積層帯片から除去し、
この帯片の一方端部に接着テープを貼着し、次いでこの
接着テープをレリース層と共に注意深く引き剥がし、引
張強さ試験器に挟持させることにより作成した。
【0036】接着力測定は、1週間後および4週間後に
反覆して行われた。N/2cm幅で示される測定結果数
値を下表1に示す。
【0037】接着力測定と共に、保護被覆層の剥離除去
のテストを行った。保護被覆層は、30x40cmの印
刷版面の4隅角部から引き剥がされた。1隅角部におい
てレリース層が1cm以上下層から剥がれた場合には、
試験結果不合格(層間剥離、有り)として記録された。
【0038】
【表1】 この試験結果は各種の観点から予想外の好結果である。
保護被覆シートの接着性数値は、コロナ処理と無関係
に、低く0.03から0.07N/2までの範囲で変化
している。レリース層の接着性数値は、コロナ処理され
ていない印刷版面の場合、0.06から0.08N/2
の範囲であって、保護被覆シートよりも若干高い。コロ
ナ処理した版面は、版面形成の1日後においては、それ
ほど高いレリース層接着性を示さないが、1週間貯蔵後
において、コロナ処理の効果は明白になる。また接着性
数値は、コロナ処理電流と共に高くなる。200mAで
コロナ処理し、4週間貯蔵した後の版面は、まさに理想
的な結果を示した。すなわち、レリース層接着力は極め
て高く、下層の感光性層から引き剥がすことはできなか
った。他方において、保護被覆層の接着性は、貯蔵後に
おいても低いレベルのままであり、またこの保護被覆層
をオフラインコロナ処理に附した場合、接着力の増大は
全く認められなかった。この接着性テストは、実際的な
試験との相関性を示した。すなわち、印刷版面の作製直
後、保護被覆シートは、レリース層の隅角部における剥
離を伴うことなく、版面から剥離、除去し得た。貯蔵
後、コロナ処理しなかった版面、オフライン処理した版
面は、著しい層間剥離を示した。またインライン処理に
附されたフレキソ印刷版面は、1週間および4週間の貯
蔵後においてさえ満足すべき結果を示した。レリース層
の層間剥離は全く認められなかった。
【0039】インラインコロナ処理の効果が遅れて生起
すること、コロナ処理の効果がカレンダーロールにおけ
るポリアミド層の溶融により軽減されないことは、全く
予想外のことであった。
【0040】実施例2 実施例1における厚さ125μmのポリエステルフィル
ム、同じく実施例1における厚さ5μmのポリアミドレ
リース層および感光性トップ層を有する積層帯片を以下
のようにして作製した。
【0041】10.1部の、実施例1における3ブロッ
ク共重合体、4.7部の46%のメチルメタクリラー
ト、9%のアクリロニトリル、14%のブタジエンおよ
び31%のスチレンから成る四元共重合体、0.2部の
Acid Blue92(C.I.13390)、85
部のメチレンクロリドから成る溶液を、レリース層が設
けられているポリエステル保護被覆シート上に施し、乾
燥して、約50μm厚さのトップ層を感光性層として形
成した。
【0042】実施例1に述べた組成の、ただしSuda
n Blackを添加しない感光性層を、二軸押出機で
処理し、スロットダイから押出し、カレンダーロール
(両ロール共に80℃に加熱)間ギャップに給送した。
接着剤形成化合物の混合物をコーティングした125μ
m厚さのポリエステルフィルムを上方カレンダーロール
に給送し、保護被覆層、レリース層およびトップ層から
成る積層シートを下方カレンダーロール(両ロール間の
カレンダーギャップ3.0mm)に給送した。これによ
り形成された積層シートを真空吸引ベルトで引き出し、
冷却した。
【0043】コロナ処理装置を積層シートと下方カレン
ダーロールの間に設置した。シート幅を50cm、走行
速度を60cm/分とし、トップ層表面を、0、10
0、200mAのコロナ処理電流で処理した。次いで積
層シートを2回変向(1回はトップ層を変向ロールと接
触させて)して、カレンダーロールに給送した。
【0044】1週間貯蔵した後、この積層シートから、
以下のように処理して、印刷版面を作製した。
【0045】(a)積層シート裏面からの非画像形成、
事前UV露光(BASF社、FIII露光装置により3
5秒間)、(b)保護被覆シートの除去、(c)Nyl
oflex(登録商標)FARIIテストフィルム(B
ASF社)を、感光性トップ層上に裁置、(d)フィル
ムを介して、減圧下主露光(同上露光装置により15分
間)、(e)版面の洗除(BASF社の連続洗除装置V
FIII、走行速度150mm/分、現像液BASF社
のnylosolv(登録商標)、30℃、レリーフ高
さ1000μm)、(f)65℃で2時間乾燥、(g)
事後露光(同上装置により10分間)、(h)UV−C
灯による後処理(BASF社のFIII後処理装置、1
0分間)。
【0046】洗除時間を約50%、100%長くして
(過剰洗除テスト、走行速度を100mm/分、75m
m/分として)、さらに他の版面を作製した。テストフ
ィルムの画素(200μmの間隔を置いたドット、50
μmグリッド、60本/cmの2%スクリーン)が、ト
ップ層版面に正確に形成されているか否かを評価した。
その結果を下表2に示す。
【0047】
【表2】 表2は、すべての版面において、適正な洗除速度、すな
わち現像速度でテスト画素が正確に形成されていること
を示す。過剰洗除の場合にも、コロナ処理した版面には
テスト画素が正確に再現されている。コロナ処理しなか
った版面では、画素が部分的もしくは完全に欠損してい
る。
【0048】上述した結果を総合して、トップ層のイン
ラインコロナ処理が、トップ層とその下の感光性層との
間の接着性を改善し、その結果、版面の過剰洗除に対す
る耐性を増大させ得ることが明らかになされた。
【0049】実施例3 レリース層のインラインコロナ処理を、保護被覆シート
/レリース層/トップ層から成る積層シートを作製して
いる間、トップ層成形材料溶液の注下前のなるべく早い
時期に行う他は、実施例2と同様の処理を反覆した。
(シート幅50cm、シート走行速度60cm/分、コ
ロナ処理電流200mA)。
【0050】次いで、第2のインラインコロナ処理を実
施例2と同様にして行った。この場合の電流も200m
Aとした。
【0051】1週間の貯蔵後、積層フレキソ印刷版面を
テストした。レリース層をトップ層から引き剥すことは
できなかった。保護被覆層を引き剥したが、層間剥離は
全く認められなかった。また版面は過剰洗除に対しても
安定的であった。すなわち洗除時間を100%延ばして
も、トップ層とその下の感光性層との間の層間剥離は認
められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュテファン、ヴェーゲナー ドイツ、55124、マインツ、アルフレート −ノーベル−シュトラーセ、29 (72)発明者 ザビーネ、フィリップ ドイツ、64546、メールフェルデン−ヴァ ルドルフ、ズーデンテンシュトラーセ、23 (72)発明者 マンフレート、チュルガー ドイツ、74889、ジンスハイム、ホルダー ラントシュトラーセ、2

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除去可能の保護被覆層、レリース層およ
    び場合によりさらに他の層から成る積層体シートに感光
    性層を積層する、レリーフ印刷版面形成用の、感光性記
    録材料製造方法であって、上記積層体シートの最上層面
    または感光性層の表面を、これらの接着直前にコロナ処
    理に附することを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 感光性層を、その形成材料の溶融体また
    は溶液として積層シート状上に形成し、この積層シート
    最上層をコロナ処理に附することを特徴とする、請求項
    (1)の方法。
  3. 【請求項3】 コロナ処理が連続的製造方法の一工程を
    成すことを特徴とする、請求項(1)または(2)の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 積層シートのレリース層が最上層を成
    し、コロナ処理に附されることを特徴とする請求項
    (1)の製造方法。
  5. 【請求項5】 感光性の、または印刷版面使用前に、感
    光性になされる追加層を積層シートのレリース層上に形
    成し、この追加層を第1の感光性層上に接合する前に、
    追加層表面をコロナ処理に附することを特徴とする、請
    求項(1)または(4)の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記追加層の形成材料溶液をレリース層
    上に施し、溶媒を蒸散させることにより、追加層を形成
    することを特徴とする、請求項(5)の製造方法。
  7. 【請求項7】 感光性層が、寸法安定性基礎シート上の
    固体状感光性層として存在することを特徴とする、請求
    項(1)の製造方法。
  8. 【請求項8】 感光性層が溶融体の押出しによりもたら
    され、積層シートとの接着と同時に寸法安定性基礎フィ
    ルム対向面とも接着されることを特徴とする、請求項
    (1)または(2)の製造方法。
  9. 【請求項9】 寸法安定性基礎フィルムが、接着増進層
    を担持することを特徴とする、請求項(7)または
    (8)の製造方法。
  10. 【請求項10】 寸法安定性基礎フィルムまたは接着増
    進層の表面が、感光性層との接着前に、コロナ処理に附
    されることを特徴とする、請求項(8)または(9)の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 基礎フィルムがポリエステルフィルム
    であることを特徴とする、請求項(7)または(8)の
    方法。
  12. 【請求項12】 保護被覆シートがポリエステルから形
    成されることを特徴とする、請求項(1)の製造方法。
  13. 【請求項13】 単一もしくは複数の感光性層が、光重
    合可能の層であり、ポリマー結合剤、遊離基重合し得る
    エチレン性不飽和化合物および化学線により活性化され
    得る重合開始剤を含有することを特徴とする、請求項
    (1)または(5)の製造方法。
  14. 【請求項14】 使用されるポリマー結合剤がエラスト
    マーであることを特徴とする、請求項(13)の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 レリース層がポリアミドから形成され
    ることを特徴とする、請求項(1)の製造方法。
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