JPH11240847A - 芳香族化合物のヒドロキシ芳香族化合物への酸化方法 - Google Patents
芳香族化合物のヒドロキシ芳香族化合物への酸化方法Info
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Abstract
キシル化芳香族化合物の合成において、公知技術の欠点
を解決することにある。 【解決手段】 合成ゼオライトの存在下、有機溶媒中、
芳香族基質の過酸化水素による酸化による、ヒドロキシ
ル化芳香族化合物の合成法であって、有機溶媒が上記一
般式(I)または(II)の化合物から選択されることを
特徴とする、ヒドロキシル化芳香族化合物の合成法、に
よる。 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同じまたは異なる
ものであり、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有
するアルキル基を表す) 【化2】 (式中、RおよびR′は、同じまたは異なるものであ
り、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す)。
Description
存在下、有機溶媒中、芳香族基質の過酸化水素による酸
化により、ヒドロキシル化芳香族化合物を合成する改良
法であって、その改良点は、有機溶媒を一般式(I)ま
たは(II)の化合物から選択することよりなるものであ
る。
剤、染料、医薬化合物、酸化防止剤、合成樹脂および殺
虫剤の製造に有用な価値のある中間体である。商業的な
観点から大きな関心がもたれているヒドロキシル化芳香
族化合物の中では、現在、クメンから出発して工業生産
されているフェノールが挙げられる。適当な触媒系の存
在下での芳香族基質、特にフェノール、の過酸化水素に
よる直接酸化については、様々な方法が当業界で知られ
ている。
明細書には、触媒としてチタンシリカライト(TSl)
を用いる、芳香族炭化水素、特にフェノール、のヒドロ
キシル化法が記載されている。この反応は、基質のみ
で、あるいは、好ましくは、水、メタノール、酢酸、イ
ソプロパノールまたはアセトニトリルから選択される有
機溶媒をさらに存在させて、80〜120℃の範囲の温
度で行われる。
細書に記載の方法では、芳香族炭化水素のヒドロキシル
化は、TSlの存在下、アセトン中、80〜120℃で
還流条件下で行われる。アセトンを使用することによっ
て、著しく高い装入比(装入されるH2O2とフェノール
とのモル比)および極めて高い収率で反応を行うことが
可能となる。上記の特許は、多数の芳香族炭化水素がヒ
ドロキシル化に用いうることを示しているが、ベンゼン
についての結果は報告されていない。この化合物は事
実、酸化が非常に難しいと考えられている。フェノール
選択率が良好なのは基質の変換率が約1%の場合であ
り、より高い変換率では選択率は大幅に減少する。
よび芳香族基質の混和性を高めることができる有機溶媒
中で行われる。溶媒は、アルコール、例えばメタノー
ル、エタノールまたはイソプロピルアルコール、ケト
ン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸または
アセトニトリル、から一般に選択される。溶媒の効果は
芳香族基質と過酸化水素との接触を改善することであ
る。
の溶媒の使用には様々な不利益がある。例えば、ベンゼ
ンのような反応性に乏しい基質の存在下におけるメタノ
ールは、触媒によって酸化されて、ホルムアルデヒドお
よびジメチルアセタールホルムアルデヒドとなる。アセ
トンは過酸化水素と共に化合物(CH3)2C(OH)
(OOH)を形成し、これは溶液中で不活性であるが、
固体状態では爆発性であり、従って、生成物の回収時の
安全性に大きな問題が生じることになる。さらに、アセ
トンを溶媒として使用するとき、30重量%のH2O2溶
液で操作してベンゼン濃度が27重量%に達すると、系
は分離する傾向がある。アセトニトリルは過酸化水素と
の付加物(CH3)C(=NH)(OOH)を形成し、
これは非生産的に分解して、H2O2に関する選択性を減
少させることがある。
が、一般式(I)または(II)を有する化合物から選択
される有機溶媒を使用することに基づく本発明の方法
で、解消しうることをこのたび見いだされた。これらの
化合物はH2O2の存在下で安定である。これらの化合物
を使用することによって得られる別の利点は、それらが
高沸点を有するため、大気圧および高い温度(95℃以
下)での操作が可能となり、触媒効率が上がることであ
る。一般的な酸化溶媒では、これらの温度は加圧下でし
か達することができない。
る化合物は化学的に非常に不活性であるため、乾燥段階
で爆発性の過酸化物を生じうるアセトンの場合のような
他の溶媒の使用に関するリスクを回避することができ
る。一般式(I)または(II)を有する化合物を用いる
と、また、ベンゼンのフェノールへの酸化反応の生産性
(ベンゼンの変換率として表した)および触媒の選択性
(過酸化水素に関する選択率およびフェノール選択率と
して表した)の両方の改善が可能となる。
ゼオライトの存在下、有機溶媒中、芳香族基質の過酸化
水素による直接酸化による、ヒドロキシル化芳香族化合
物の合成方法であって、有機溶媒が、下記一般式(I)
または(II)の化合物から選択されることを特徴とす
る、ヒドロキシル化芳香族化合物の合成方法、に関す
る。
ものであり、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有
するアルキル基を表す)、
り、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す)。
族基質の両者に対して高い溶媒能力を有するので、一般
式(I)を有するの化合物が好ましい。これにより、5
0%を越える芳香族基質濃度、あるいは5%未満のH2
O2の非常に薄い溶液で操作したとき、系を均質に維持
することができる。一般式(I)を有する化合物の中で
は、スルホランが特に好ましい。この溶媒は反応混合物
に対して10〜90重量%の量で用いられる。20〜8
0重量%の量を用いるのが好ましい。
般式(III)の化合物から選択される。 xTiO2・(1−x)SiO2 (III) (式中、xは0.0001〜0.04、好ましくは0.
02〜0.03、である)。上記のチタンシリカライト
は、米国特許第4,410,501号明細書に記載の方
法により製造することができ、この特許明細書には構造
的特徴も特定されている。チタンの一部が、硼素、アル
ミニウムまたはガリウムのような他の金属で置換されて
いるチタンシリカライトも用いることができる。この置
換チタンシリカライトおよびそれらの製法はヨーロッパ
特許出願第226,257号、226,258号および
266,825号の各明細書に記載されている。この触
媒は、芳香族基質に対して2〜40重量%の量で一般に
用いられる。触媒の量は芳香族基質に対して5〜15重
量%が好ましい。
0モル%、好ましくは10〜30モル%、の量で反応混
合物に加える。1〜60重量%、好ましくは3〜30重
量%、の濃度の過酸化水素溶液を用いると好都合であ
る。本発明の方法で用いうる芳香族基質は、ベンゼン、
トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、アニソー
ル、フェノールおよびナフトールから選択することがで
きる。芳香族基質は、反応混合物に対して10〜80重
量%の量で一般に用いられる。反応混合物に対して30
〜60重量%の芳香族基質を用いるのが好ましい。
0〜85℃、で行われる。過酸化水素を完全に消費する
のに必要な反応時間は、採用反応条件による。反応の終
わりに、反応生成物および未反応芳香族基質は、分別蒸
留および結晶化のような慣用技術によって回収される。
本発明の方法は、バッチ式、あるいは0.06〜0.
6、好ましくは0.1〜0.3モル・リットル-1・時-1
の速さで過酸化水素を連続供給することにより、行うこ
とができる。
ためのものであり、決して本発明の範囲を限定するもの
ではない。実験は、磁気撹拌機、試薬供給口、低温調節
器によるシリコンオイルの循環で0℃に冷却される温度
制御および還流冷却器を備えた、ジャケット付きの底が
平らな30ml容量ガラス反応器を用いて行った。第2
の低温調節器によって温度調節されるシリコンオイル
は、反応器の加熱/冷却ジャケット内を循環させた。H
2O2溶液は、調節弁を備えた適当な計量滴下漏斗を用い
て滴下した。
0mmol)、Tiの力価が2.29%である2.82gの
TSl触媒(1.35mmolTi、EniChem)(TSl/
ベンゼン重量比=0.4)、15gのスルホラン(力価
99%)(ベンゼン/スルホラン重量比=0.5)(最
終体積=20ml)を、窒素雰囲気中に維持した反応器
に装入した。混合物を撹拌しながら77℃にした。その
後、33%w/vの1.04g(9mmolのH2O2)のH
2O2水溶液(密度=1.11、Rudipont、試薬グレー
ド)を2時間かけて加えた。
ョニングの後、反応混合物を20℃に冷却した。触媒は
窒素圧下、ガラス多孔質隔壁上での濾過によって分離
し、アセトニトリル(力価99.9%、C.ERBA試
薬、RS)で繰り返し洗浄した。洗浄液が加えられた濾
液は121.15gの最終溶液となった。この溶液は、
アセトニトリルおよび0.01MのH3PO4水溶液を溶
出剤として用いて、40℃にサーモスタット調節された
HPLCシマズSCL−6A(端がキャップされたLiCh
rospher(登録商標)カラム100RP−18、5μ
m、メルク)によって分析した。反応生成物の分析で次
の結果が得られた。 − フェノール 576mg(6.12mmol) − カテコール 29mg(0.26mmol) − ヒドロキノン 36mg(0.33mmol) − 残留ベンゼン 6.506g(83.29mmol) − 反応したベンゼン 0.524g(6.71mmol)
得た。 − ベンゼンの変換率 7.5% − フェノール選択率 91.2% − フェノール収率 6.8% 選択率は、変換されたベンゼンに関するモル選択率であ
る。残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変
換率は96.2%で、フェノール選択率は70.3%で
あった。時間当たりのチタンのモルからのフェノールの
モルとして表した毎時ターンオーバーは2.01であっ
た。
下で反応を行った。反応生成物の分析結果は次の通りで
あった。 − フェノール 534mg(5.67mmol) − カテコール 53mg(0.48mmol) − ヒドロキノン 46mg(0.42mmol) − 残留ベンゼン 6.517g(83.43mmol) − 反応したベンゼン 0.513g(6.57mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 7.3% − フェノール選択率 86.3% − フェノール収率 6.3% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は96.9%で、フェノール選択率は65.2%であっ
た。
は、例1と同じ操作条件下で反応を行った(重量比H2
O2/TMS=0.03)。反応生成物の分析結果は次
の通りであった。 − フェノール 511mg(5.43mmol) − カテコール 27mg(0.25mmol) − ヒドロキノン 37mg(0.34mmol) − 残留ベンゼン 6.56g(83.98mmol) − 反応したベンゼン 0.470g(6.02mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 6.7% − フェノール選択率 90.2% − フェノール収率 6.0% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は97.5%で、フェノール選択率は61.7%であっ
た。
は、例1と同じ操作条件下で反応を行った(重量比H2
O2/TMS=0.14)。反応生成物の分析結果は次
の通りであった。 − フェノール 572mg(6.08mmol) − カテコール 30mg(0.27mmol) − ヒドロキノン 41mg(0.37mmol) − 残留ベンゼン 6.505g(83.28mmol) − 反応したベンゼン 0.525g(6.72mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 7.5% − フェノール選択率 90.5% − フェノール収率 6.8% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は96.7%で、フェノール選択率は69.9%であっ
た。
iZ−15/55;Ti=0.58%EniRicerche S.p.
A.)を用いた以外は、例1と同じ操作条件下で反応を行
った。反応生成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 383mg(4.07mmol) − カテコール 16mg(0.15mmol) − ヒドロキノン 19mg(0.17mmol) − 残留ベンゼン 6.687g(85.61mmol) − 反応したベンゼン 0.343g(4.39mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 4.9% − フェノール選択率 92.7% − フェノール収率 4.5% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は62.5%で、フェノール選択率は72.7%であっ
た。
以外は、例1と同じ操作条件下で反応を行った。反応生
成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 246mg(2.61mmol) − カテコール 0 − ヒドロキノン 12mg(0.11mmol) − 残留ベンゼン 6.817g(87.28mmol) − 反応したベンゼン 0.212g(2.72mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 3.0% − フェノール選択率 96.0% − フェノール収率 2.9% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は48.8%で、フェノール選択率は59.3%であっ
た。毎時ターンオーバーは8.09であり、これらの温
度での触媒系の効率がより高いことを示している。
ル比H2O2/ベンゼン=0.05)を1時間で装入した
以外は、例1と同じ操作条件下で反応を行った。反応生
成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 286mg(3.04mmol) − カテコール 0 − ヒドロキノン 12mg(0.11mmol) − 残留ベンゼン 6.784g(86.85mmol) − 反応したベンゼン 0.246g(3.15mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 3.5% − フェノール選択率 96.5% − フェノール収率 3.4% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は94.2%で、フェノール選択率は72.4%であっ
た。
O2)を用いた以外は、例1と同じ操作条件下で反応を
行った。反応生成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 1284mg(13.64mmol) − カテコール 264mg(2.4mmol) − ヒドロキノン 227mg(2.06mmol) − 残留ベンゼン 5.616g(71.9mmol) − 反応したベンゼン 1.414g(18.1mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 31.2% − フェノール選択率 75.4% − フェノール収率 15.2% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は99.2%で、フェノール選択率は50.9%であっ
た。
を行った。結果は表1に示す。
と、基質および酸化剤の変換率並びにH2O2に関する選
択率がかなり増加することが認められる。
下で反応を行った。結果は表2に示す。
ことによって、基質の変換率(C1)および酸化剤の選
択率(S2)が増加することが認められる。
流)を用いる以外は、例1と同じ操作条件下で反応を行
った。反応生成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 215mg(2.29mmol) − カテコール 0 − ヒドロキノン 34mg(0.31mmol) − 残留ベンゼン 6.827g(87.40mmol) − 反応したベンゼン 0.203g(2.60mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 2.9% − フェノール選択率 88.1% − フェノール収率 2.5% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は93.8%で、フェノール選択率は27.3%であっ
た。
3と同じ操作条件下で反応を行った。反応生成物の分析
結果は次の通りであった。 − フェノール 510mg(5.42mmol) − カテコール 24mg(0.22mmol) − ヒドロキノン 34mg(0.31mmol) − 残留ベンゼン 6.565g(84.05mmol) − 反応したベンゼン 0.465g(5.95mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 6.6% − フェノール選択率 91.1% − フェノール収率 6.0% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は94.4%で、フェノール選択率は63.8%であっ
た。
以外は、例1と同じ操作条件下で反応を行った。反応生
成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 311mg(3.31mmol) − カテコール 85mg(0.77mmol) − ヒドロキノン 84mg(0.76mmol) − 残留ベンゼン 6.652g(85.16mmol) − 反応したベンゼン 0.378g(4.84mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 5.4% − フェノール選択率 68.4% − フェノール収率 3.7% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は96.6%で、フェノール選択率は38%であった。
5と同じ操作条件下で反応を行った。反応生成物の分析
結果は次の通りであった。 − フェノール 576mg(6.12mmol) − カテコール 29mg(0.26mmol) − ヒドロキノン 36mg(0.33mmol) − 残留ベンゼン 6.506g(83.29mmol) − 反応したベンゼン 0.525g(6.71mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 7.5% − フェノール選択率 91.2% − フェノール収率 6.8% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は96.2%で、フェノール選択率は70.3%であっ
た。
は、例1と同じ操作条件下で反応を行った。反応生成物
の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 237mg(2.52mmol) − カテコール 33mg(0.30mmol) − ヒドロキノン 87mg(0.79mmol) − 残留ベンゼン 6.748g(86.39mmol) − 反応したベンゼン 0.282g(3.61mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 4.0% − フェノール選択率 69.8% − フェノール収率 2.8% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は75.9%で、フェノール選択率は37.1%であっ
た。
6時間で装入した以外は、例13と同じ操作条件下で反
応を行った。反応生成物の分析結果は次の通りであっ
た。 − フェノール 492mg(5.23mmol) − カテコール 56mg(0.51mmol) − ヒドロキノン 198mg(1.80mmol) − 残留ベンゼン 6.441g(82.46mmol) − 反応したベンゼン 0.589g(7.54mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 8.4% − フェノール選択率 69.4% − フェノール収率 5.8% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は96.6%で、フェノール選択率は20%であった。
6時間で装入した以外は、例15と同じ操作条件下で反
応を行った。反応生成物の分析結果は次の通りであっ
た。 − フェノール 455mg(4.84mmol) − カテコール 270mg(2.45mmol) − ヒドロキノン 258mg(2.34mmol) − 残留ベンゼン 6.278g(80.37mmol) − 反応したベンゼン 0.752g(9.63mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 10.7% − フェノール選択率 50.3% − フェノール収率 5.4% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は98.8%で、フェノール選択率は18.1%であっ
た。
6時間で装入した以外は、例17と同じ操作条件下で反
応を行った。反応生成物の分析結果は次の通りであっ
た。 − フェノール 409mg(4.35mmol) − カテコール 194mg(1.76mmol) − ヒドロキノン 272mg(2.47mmol) − 残留ベンゼン 6.36g(81.42mmol) − 反応したベンゼン 0.670g(8.58mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 9.5% − フェノール選択率 50.7% − フェノール収率 4.8% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は73.1%で、フェノール選択率は22.1%であっ
た。
ト(TiZ−80/2、Ti=1.59%、Al=0.
40%、EniRicerche)および80℃の反応温度を用い
た以外は、例1と同じ操作条件下で反応を行った。反応
生成物の分析結果は次の通りであった。 − フェノール 515mg(5.47mmol) − カテコール 22mg(0.20mmol) − ヒドロキノン 30mg(0.27mmol) − 残留ベンゼン 6.566g(84.06mmol) − 反応したベンゼン 0.464g(5.94mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 6.6% − フェノール選択率 92.1% − フェノール収率 6.1% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は90.1%で、フェノール選択率は67.5%であっ
た。
6ビス、Ti=1.52%、Ga=0.51%、EniRic
erche S.p.A.)を用いた以外は、例21と同じ操作条
件下で反応を行った。反応生成物の分析結果は次の通り
であった。 − フェノール 506mg(5.38mmol) − カテコール 18mg(0.16mmol) − ヒドロキノン 36mg(0.33mmol) − 残留ベンゼン 6.571g(84.13mmol) − 反応したベンゼン 0.458g(5.87mmol) これらの結果に基づいて計算し、次の値を得た。 − ベンゼンの変換率 6.5% − フェノール選択率 91.7% − フェノール収率 6.0% 残留H2O2のヨウ素滴定をしたところ、H2O2の変換率
は88.5%で、フェノール選択率は67.5%であっ
た。
のスルホラン、および90℃の反応温度を用いた以外
は、例1と同じ操作条件下で反応を行った。結果は表3
に示す。
=基質に関するモノ酸化生成物選択率、S2=H2O2に
関するモノ酸化生成物選択率。
Claims (19)
- 【請求項1】触媒としての合成ゼオライトの存在下、不
活性有機溶媒中、芳香族基質の過酸化水素による直接酸
化による、ヒドロキシル化芳香族化合物の合成方法であ
って、有機溶媒が、下記一般式(I)または(II)の化
合物から選択されることを特徴とする、ヒドロキシル化
芳香族化合物の合成方法。 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同じまたは異なる
ものであり、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有
するアルキル基を表す)、 【化2】 (式中、RおよびR′は、同じまたは異なるものであ
り、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す)。 - 【請求項2】式(I)の化合物において、R1、R2、R
3およびR4が水素原子を表す、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】式(II)の化合物において、RおよびR′
がメチル基を表す、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】触媒が、下記一般式(III)のチタンシリ
カライトである、請求項1に記載の方法。 xTiO2・(1−x)SiO2 (III) (式中、xは0.0001〜0.04である)。 - 【請求項5】xが0.02〜0.03である、請求項4
に記載の方法。 - 【請求項6】式(III)の化合物において、チタンの部
分が硼素、アルミニウム、鉄およびガリウムのような他
の金属で置換されている、請求項4に記載の方法。 - 【請求項7】芳香族基質が、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼン、クロロベンゼン、アニソール、フェノール
およびナフトールから選択される、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項8】溶媒を、反応混合物に対して10〜90重
量%の量で用いる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項9】溶媒を、反応混合物に対して20〜80重
量%の量で用いる、請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】触媒を、芳香族基質に対して2〜40重
量%の量で用いる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項11】触媒を、芳香族基質に対して5〜15重
量%の量で用いる、請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】芳香族基質を、反応混合物に対して10
〜80重量%の量で用いる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項13】芳香族基質を、反応混合物に対して30
〜60重量%の量で用いる、請求項12に記載の方法。 - 【請求項14】反応混合物中の過酸化水素の量が、芳香
族基質に対して5〜50モル%である、請求項1に記載
の方法。 - 【請求項15】反応混合物中の過酸化水素の量が、芳香
族基質に対して10〜30モル%である、請求項14に
記載の方法。 - 【請求項16】過酸化水素を、1〜60重量%の過酸化
水素を含有する水溶液として用いる、請求項1に記載の
方法。 - 【請求項17】過酸化水素を、3〜30重量%の過酸化
水素を含有する水溶液として用いる、請求項16に記載
の方法。 - 【請求項18】反応を50〜95℃の温度で行う、請求
項1に記載の方法。 - 【請求項19】反応を70〜85℃の温度で行う、請求
項18に記載の方法。
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