JPH0623117B2 - 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法 - Google Patents
2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法Info
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- JPH0623117B2 JPH0623117B2 JP60209279A JP20927985A JPH0623117B2 JP H0623117 B2 JPH0623117 B2 JP H0623117B2 JP 60209279 A JP60209279 A JP 60209279A JP 20927985 A JP20927985 A JP 20927985A JP H0623117 B2 JPH0623117 B2 JP H0623117B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、2,6-ジヒドロキシナフタレンの製造方法に関
し、詳しくは高純度の2,6-ジヒドロキシナフタレンを製
造する方法に関する。
し、詳しくは高純度の2,6-ジヒドロキシナフタレンを製
造する方法に関する。
(従来の技術) 2,6-ジイソプロピルナフタレンを酸化して2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンジヒドロペルオキシドとし、これを酸
性触媒にて酸分解することによつて2,6-ジヒドロキシナ
フタレンを得ることができる。この2,6-ジヒドロキシナ
フタレンは、例えば、合成樹脂、合成繊維、医薬品、農
薬、染料等の原料として産業上有用である。
ロピルナフタレンジヒドロペルオキシドとし、これを酸
性触媒にて酸分解することによつて2,6-ジヒドロキシナ
フタレンを得ることができる。この2,6-ジヒドロキシナ
フタレンは、例えば、合成樹脂、合成繊維、医薬品、農
薬、染料等の原料として産業上有用である。
米国特許第4,503,262号明細書には、2,6-ジイソプロピ
ルナフタレンを有機溶剤に溶解し、重金属塩触媒、例え
ば、有機酸コバルトの存在下に分子状酸素にて酸化し
て、2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒドロペルオキシ
ドを製造する方法において、特に、上記有機溶剤として
炭素数5〜14の脂肪族炭化水素溶剤、例えば、n−ヘ
プタンを用いることによつて、反応速度、目的とするジ
ヒドロペルオキシドの収率及び純度を向上させ得ること
が記載されている。
ルナフタレンを有機溶剤に溶解し、重金属塩触媒、例え
ば、有機酸コバルトの存在下に分子状酸素にて酸化し
て、2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒドロペルオキシ
ドを製造する方法において、特に、上記有機溶剤として
炭素数5〜14の脂肪族炭化水素溶剤、例えば、n−ヘ
プタンを用いることによつて、反応速度、目的とするジ
ヒドロペルオキシドの収率及び純度を向上させ得ること
が記載されている。
しかし、従来、塩基水溶液の存在下に2,6-ジイソプロピ
ルナフタレンを分子状酸素によつて酸化してジヒドロペ
ルオキシドとし、これを酸性触媒の存在下に酸分解する
ことによつて2,6-ジヒドロキシナフタレンを得るための
工業的な方法は知られておらず、僅かに2,6-ジイソプロ
ピルナフタレンの類縁化合物の酸化反応や、その後の酸
分解反応について、幾つかの先行技術がみられるにすぎ
ない。
ルナフタレンを分子状酸素によつて酸化してジヒドロペ
ルオキシドとし、これを酸性触媒の存在下に酸分解する
ことによつて2,6-ジヒドロキシナフタレンを得るための
工業的な方法は知られておらず、僅かに2,6-ジイソプロ
ピルナフタレンの類縁化合物の酸化反応や、その後の酸
分解反応について、幾つかの先行技術がみられるにすぎ
ない。
例えば、特開昭51−34138号公報や英国特許第65
4,035号には、β−イソプロピルナフタレンを塩基水溶
液の存在下に分子状酸素にて酸化してβ−イソプロピル
ナフタレンヒドロペルオキシドを製造する方法が記載さ
れている。また、特公昭55−31764号公報には、
ジイソプロピルベンゼン類を酸化してジイソプロピルベ
ンゼンジヒドロペルオキシドとし、これを酸性触媒の存
在下に分解してヒドロキノン又はレゾルシンを製造する
方法が記載されている。
4,035号には、β−イソプロピルナフタレンを塩基水溶
液の存在下に分子状酸素にて酸化してβ−イソプロピル
ナフタレンヒドロペルオキシドを製造する方法が記載さ
れている。また、特公昭55−31764号公報には、
ジイソプロピルベンゼン類を酸化してジイソプロピルベ
ンゼンジヒドロペルオキシドとし、これを酸性触媒の存
在下に分解してヒドロキノン又はレゾルシンを製造する
方法が記載されている。
このように、僅かの先行技術も、多くは類縁化合物の酸
化反応及びその後の酸分解反応に関するものであつて、
塩基水溶液の存在下での分子状酸素による2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンの酸化及びその後の酸分解反応につい
ては、従来、殆ど先行技術がみられない。特に、塩基水
溶液の存在下に分子状酸素にて2,6-ジイソプロピルナフ
タレンを酸化して、2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒ
ドロペルオキシドとし、これを酸性触媒にて酸分解する
ことによつて2,6-ジヒドロキシナフタレンを得る反応に
おいては、前記酸化反応におけるジヒドロペルオキシド
への中間体である2,6-ジイソプロピルナフタレンモノヒ
ドロペルオキシドの酸分解に由来する6-イソプロピル-2
-ナフトールが主たる副生物として生成するが、従来、
酸分解反応混合物からこの副生物を分離して、高純度の
2,6-ジヒドロキシナフタレンを得る方法については、何
も知られていない。
化反応及びその後の酸分解反応に関するものであつて、
塩基水溶液の存在下での分子状酸素による2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンの酸化及びその後の酸分解反応につい
ては、従来、殆ど先行技術がみられない。特に、塩基水
溶液の存在下に分子状酸素にて2,6-ジイソプロピルナフ
タレンを酸化して、2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒ
ドロペルオキシドとし、これを酸性触媒にて酸分解する
ことによつて2,6-ジヒドロキシナフタレンを得る反応に
おいては、前記酸化反応におけるジヒドロペルオキシド
への中間体である2,6-ジイソプロピルナフタレンモノヒ
ドロペルオキシドの酸分解に由来する6-イソプロピル-2
-ナフトールが主たる副生物として生成するが、従来、
酸分解反応混合物からこの副生物を分離して、高純度の
2,6-ジヒドロキシナフタレンを得る方法については、何
も知られていない。
(発明の目的) 本発明者らは、2,6-ジイソプロピルナフタレンの酸化及
びその後の酸分解反応によつて2,6-ジヒドロキシナフタ
レンを製造する方法について鋭意研究した結果、酸分解
反応後の反応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナフタレン
を得た後、これを分別昇華することによつて、2,6-ジヒ
ドロキシナフタレンと共存する前記6-イソプロピル-2-
ナフトールほか副生物を効果的に除去して、極めて高純
度の2,6-ジヒドロキシナフタレンを容易に得ることがで
きることを見出して、本発明に至つたものである。
びその後の酸分解反応によつて2,6-ジヒドロキシナフタ
レンを製造する方法について鋭意研究した結果、酸分解
反応後の反応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナフタレン
を得た後、これを分別昇華することによつて、2,6-ジヒ
ドロキシナフタレンと共存する前記6-イソプロピル-2-
ナフトールほか副生物を効果的に除去して、極めて高純
度の2,6-ジヒドロキシナフタレンを容易に得ることがで
きることを見出して、本発明に至つたものである。
従つて、本発明は、2,6-ジイソプロピルナフタレンの酸
化によつて得られる酸化反応混合物を酸分解反応し、反
応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナフタレンを得、これ
を分別昇華して、高純度の2,6-ジヒドロキシナフタレン
を製造する方法を提供することを目的とする。
化によつて得られる酸化反応混合物を酸分解反応し、反
応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナフタレンを得、これ
を分別昇華して、高純度の2,6-ジヒドロキシナフタレン
を製造する方法を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明による2,6-ジヒドロキシナフタレンの製造方法
は、 (a)2,6-ジイソプロピルナフタレンを塩基性水溶液に
分散させ、これを分子状酸素によつて酸化して2,6-ジイ
ソプロピルナフタレンジヒドロペルオキシドを得る工
程、 (b)上記酸化工程によつて得られる酸化反応生成物か
ら酸化反応中間体である2,6-ジイソプロピルナフタレン
モノヒドロペルオキシドを完全に除去せずして、その一
部又は全部を残存させた2,6-ジイソプロピルナフタレン
ジヒドロペルオキシドを酸性触媒の存在下で酸分解する
工程、 (c)上記酸分解反応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナ
フタレンを得る工程、及び (d)上記粗2,6-ジヒドロキシナフタレンを常圧の不活
性ガス気流下に加熱し、昇華させる分別昇華にて2,6-ジ
ヒドロキシナフタレンを得る工程、 よりなることを特徴とする。
は、 (a)2,6-ジイソプロピルナフタレンを塩基性水溶液に
分散させ、これを分子状酸素によつて酸化して2,6-ジイ
ソプロピルナフタレンジヒドロペルオキシドを得る工
程、 (b)上記酸化工程によつて得られる酸化反応生成物か
ら酸化反応中間体である2,6-ジイソプロピルナフタレン
モノヒドロペルオキシドを完全に除去せずして、その一
部又は全部を残存させた2,6-ジイソプロピルナフタレン
ジヒドロペルオキシドを酸性触媒の存在下で酸分解する
工程、 (c)上記酸分解反応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナ
フタレンを得る工程、及び (d)上記粗2,6-ジヒドロキシナフタレンを常圧の不活
性ガス気流下に加熱し、昇華させる分別昇華にて2,6-ジ
ヒドロキシナフタレンを得る工程、 よりなることを特徴とする。
2,6-ジイソプロピルナフタレンの酸化反応は、塩基水溶
液中に2,6-ジイソプロピルナフタレンを加え、機械的に
混合分散させて乳化状態とし、これに分子状酸素を含む
気体を吹き込むことによつて行なわれる。
液中に2,6-ジイソプロピルナフタレンを加え、機械的に
混合分散させて乳化状態とし、これに分子状酸素を含む
気体を吹き込むことによつて行なわれる。
上記塩基としてはアルカリ金属化合物が好ましく用いら
れる。このアルカリ金属化合物としては、具体的には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等を例示することができる。これらアルカ
リ金属化合物の水溶液における濃度は20重量%以下が
好ましい。また、反応混合物における塩基水溶液の使用
量は、通常、反応混合物の5〜80重量%を占めるのが
好ましく、特に、20〜70重量%の範囲にあることが
好ましい。塩基水溶液の使用量が反応混合物の5重量%
よりも少ないときは、油状の未反応2,6-ジイソプロピル
ナフタレン及びその酸化生成物と、塩基水溶液からなる
反応液の分散状態がよくなく、乳化状態が不十分となつ
て、酸化反応に不利な影響を及ぼす。他方、塩基水溶液
の使用量が80重量%よりも多い場合も、反応系の乳化
状態が悪くなるので、好ましくない。また、酸化反応に
おいては、塩基水溶液のpHは、通常、7〜12の範囲に
保持される。
れる。このアルカリ金属化合物としては、具体的には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等を例示することができる。これらアルカ
リ金属化合物の水溶液における濃度は20重量%以下が
好ましい。また、反応混合物における塩基水溶液の使用
量は、通常、反応混合物の5〜80重量%を占めるのが
好ましく、特に、20〜70重量%の範囲にあることが
好ましい。塩基水溶液の使用量が反応混合物の5重量%
よりも少ないときは、油状の未反応2,6-ジイソプロピル
ナフタレン及びその酸化生成物と、塩基水溶液からなる
反応液の分散状態がよくなく、乳化状態が不十分となつ
て、酸化反応に不利な影響を及ぼす。他方、塩基水溶液
の使用量が80重量%よりも多い場合も、反応系の乳化
状態が悪くなるので、好ましくない。また、酸化反応に
おいては、塩基水溶液のpHは、通常、7〜12の範囲に
保持される。
尚、2,6-ジイソプロピルナフタレン及びその酸化生成物
と、塩基水溶液は、通常、機械的な攪拌によつて十分に
乳化させることができるが、必要に応じて、例えば、ス
テアリン酸等の従来より知られている乳化剤の存在下に
攪拌してもよい。
と、塩基水溶液は、通常、機械的な攪拌によつて十分に
乳化させることができるが、必要に応じて、例えば、ス
テアリン酸等の従来より知られている乳化剤の存在下に
攪拌してもよい。
前記塩基として、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化
物も用いることができる。特に、水酸化カルシウムが好
ましい。これらアルカリ土類金属水酸化物は、単独で用
いてもよく、また、前記アルカリ金属化合物と併用して
もよい。
ム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化
物も用いることができる。特に、水酸化カルシウムが好
ましい。これらアルカリ土類金属水酸化物は、単独で用
いてもよく、また、前記アルカリ金属化合物と併用して
もよい。
分子状酸素としては、酸素ガスを単独で用いてもよい
が、通常、空気で十分である。分子状酸素の所要量は、
通常、酸化反応のための仕込み2,6-ジイソプロピルナフ
タレン100g当り、酸素ガス換算にて5〜15N/
時の範囲であるが、特に、制限されるものではない。
が、通常、空気で十分である。分子状酸素の所要量は、
通常、酸化反応のための仕込み2,6-ジイソプロピルナフ
タレン100g当り、酸素ガス換算にて5〜15N/
時の範囲であるが、特に、制限されるものではない。
反応温度は、通常、80〜150℃、好ましくは90〜
130℃であり、反応時間は反応温度等の条件によつて
も異なるが、通常は6〜40時間である。2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンの反応率は、ジヒドロペルオキシドの
生成量を高めるために80%以上とすることが好まし
い。尚、反応は、普通、常圧下に行なわれるが、必要に
応じて加圧下又は減圧下に行なうこともできる。
130℃であり、反応時間は反応温度等の条件によつて
も異なるが、通常は6〜40時間である。2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンの反応率は、ジヒドロペルオキシドの
生成量を高めるために80%以上とすることが好まし
い。尚、反応は、普通、常圧下に行なわれるが、必要に
応じて加圧下又は減圧下に行なうこともできる。
2,6-ジイソプロピルナフタレンの上記酸化反応において
は、好ましくは反応開始剤が用いられる。この反応開始
剤としては、例えば、α,α′−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)を用いることができるが、
また、後述するように、2,6-ジイソプロピルナフタレン
の酸化反応によつて副生物として得られる2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンモノヒドロペルオキシドも用いること
ができる。これらを用いることによつて、反応の誘導期
間を短縮することができる。その使用量は、通常、原料
2,6-ジイソプロピルナフタレンを含む仕込み反応混合物
100重量部当たり0.005〜1重量部の範囲である。
は、好ましくは反応開始剤が用いられる。この反応開始
剤としては、例えば、α,α′−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)を用いることができるが、
また、後述するように、2,6-ジイソプロピルナフタレン
の酸化反応によつて副生物として得られる2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンモノヒドロペルオキシドも用いること
ができる。これらを用いることによつて、反応の誘導期
間を短縮することができる。その使用量は、通常、原料
2,6-ジイソプロピルナフタレンを含む仕込み反応混合物
100重量部当たり0.005〜1重量部の範囲である。
上に説明したような2,6-ジイソプロピルナフタレンの酸
化反応によつて、2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒド
ロペルオキシド(以下、DHPという。)のほかに、副
生物として、2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)-6-(2-ヒド
ロペルオキシ-2-プロピル)ナフタレン(以下、HHP
という。)、2,6-ビス(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ナフ
タレン(以下、DCAという。)、2-イソプロピル-6-
(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ナフタレン(以下、MCA
という。)のようなカルビノール類が生成し、また、2-
イソプロピル-6-(2-ヒドロペルオキシ-2-プロピル)ナ
フタレン(以下、MHPという。)のようなモノヒドロ
ペルオキシドが生成する。
化反応によつて、2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒド
ロペルオキシド(以下、DHPという。)のほかに、副
生物として、2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)-6-(2-ヒド
ロペルオキシ-2-プロピル)ナフタレン(以下、HHP
という。)、2,6-ビス(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ナフ
タレン(以下、DCAという。)、2-イソプロピル-6-
(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ナフタレン(以下、MCA
という。)のようなカルビノール類が生成し、また、2-
イソプロピル-6-(2-ヒドロペルオキシ-2-プロピル)ナ
フタレン(以下、MHPという。)のようなモノヒドロ
ペルオキシドが生成する。
上記酸化反応による反応生成物の組成を求めるには、反
応後に有機相と水相とを分離し、この水相をエーテル等
で抽出し、有機相及びエーテル抽出液を液体クロマトグ
ラフイーにて分析すれば、未反応2,6-ジイソプロピルナ
フタレンと酸化反応生成物であるDHP、HHP、DC
A、MHP、MCA等を定量することができる。
応後に有機相と水相とを分離し、この水相をエーテル等
で抽出し、有機相及びエーテル抽出液を液体クロマトグ
ラフイーにて分析すれば、未反応2,6-ジイソプロピルナ
フタレンと酸化反応生成物であるDHP、HHP、DC
A、MHP、MCA等を定量することができる。
本発明においては、2,6-ジイソプロピルナフタレンの酸
化反応において、その転化率を好ましくは80%以上と
し、未反応2,6-ジイソプロピルナフタレンと上記ヒドロ
ペルオキシカルビノール類とカルビノール類を含む酸化
生成物が次の酸分解反応に供される。本発明の方法にお
いては、通常、上記酸化反応混合物にメチルイソブチル
ケトン等のような適宜の有機溶剤を適量加え、酸化生成
物を含有する有機相を水相から分離し、この有機相を用
いて、次の酸分解を行なう。以下、この有機相を酸分解
原料ということがある。
化反応において、その転化率を好ましくは80%以上と
し、未反応2,6-ジイソプロピルナフタレンと上記ヒドロ
ペルオキシカルビノール類とカルビノール類を含む酸化
生成物が次の酸分解反応に供される。本発明の方法にお
いては、通常、上記酸化反応混合物にメチルイソブチル
ケトン等のような適宜の有機溶剤を適量加え、酸化生成
物を含有する有機相を水相から分離し、この有機相を用
いて、次の酸分解を行なう。以下、この有機相を酸分解
原料ということがある。
本発明においては、上記の酸分解原料を用いて、これに
含有される2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒドロペル
オキシドを酸性触媒の存在下で酸分解して、2,6-ジヒド
ロキシナフタレンが製造される。この場合、酸分解原料
中には、酸化反応の副生物として前記したカルビノール
類が含まれているので、酸分解反応の際に同時に過酸化
水素を共存させて、副生物であるカルビノール類のう
ち、HHPとDCAとをジヒドロペルオキシド類に酸化
し、このジヒドロペルオキシドをも同時に酸性触媒にて
酸分解する方法を必要に応じて採用すれば、高収率にて
2,6-ジヒドロキシナフタレンを得ることができるので好
ましい。
含有される2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒドロペル
オキシドを酸性触媒の存在下で酸分解して、2,6-ジヒド
ロキシナフタレンが製造される。この場合、酸分解原料
中には、酸化反応の副生物として前記したカルビノール
類が含まれているので、酸分解反応の際に同時に過酸化
水素を共存させて、副生物であるカルビノール類のう
ち、HHPとDCAとをジヒドロペルオキシド類に酸化
し、このジヒドロペルオキシドをも同時に酸性触媒にて
酸分解する方法を必要に応じて採用すれば、高収率にて
2,6-ジヒドロキシナフタレンを得ることができるので好
ましい。
本発明においては、2,6-ジイソプロピルナフタレンの反
応率を80%以上とする場合には、DHPのほかにHH
P及びDCAの収率も高まるが、このHHP及びDCA
は、酸分解反応の際に同時に過酸化水素を共存させる方
法を採用した場合には、DHPに変換することができる
ので、高収率で2,6-ジヒドロキシナフタレンを得ること
ができ、また、この場合には、2,6-ジヒドロキシナフタ
レンの生成に寄与しないMHPの収率を低くできるので
好ましい。特に、2,6-ジイソプロピルナフタレンの反応
率を90%以上、一層好ましくは95%以上とすること
によつて、2,6-ジヒドロキシナフタレンの収率を更に高
めることができる。
応率を80%以上とする場合には、DHPのほかにHH
P及びDCAの収率も高まるが、このHHP及びDCA
は、酸分解反応の際に同時に過酸化水素を共存させる方
法を採用した場合には、DHPに変換することができる
ので、高収率で2,6-ジヒドロキシナフタレンを得ること
ができ、また、この場合には、2,6-ジヒドロキシナフタ
レンの生成に寄与しないMHPの収率を低くできるので
好ましい。特に、2,6-ジイソプロピルナフタレンの反応
率を90%以上、一層好ましくは95%以上とすること
によつて、2,6-ジヒドロキシナフタレンの収率を更に高
めることができる。
上記過酸化水素としては、過酸化水素又は過酸化水素水
溶液のほかに、反応条件下で過酸化水素を発生する物
質、例えば、過酸化ナトリウムや過酸化カルシウム等を
用いることができるが、過酸化水素水溶液を用いること
が好ましい。特に、本発明の方法においては、酸分解反
応に際して、過酸化水素を前記カルビノール類のアルコ
ール性水酸基1モル当り、0.9〜2モル、好ましくは1.0
〜1.5モルの割合にて用いることによつて、目的とする
2,6-ジヒドロキシナフタレンを高収率にて得ることがで
きる。また、かかる条件にて過酸化水素を用いることに
よつて、同時にカルビノール類の縮合に基づく副生物の
生成を著しく抑制することができる。
溶液のほかに、反応条件下で過酸化水素を発生する物
質、例えば、過酸化ナトリウムや過酸化カルシウム等を
用いることができるが、過酸化水素水溶液を用いること
が好ましい。特に、本発明の方法においては、酸分解反
応に際して、過酸化水素を前記カルビノール類のアルコ
ール性水酸基1モル当り、0.9〜2モル、好ましくは1.0
〜1.5モルの割合にて用いることによつて、目的とする
2,6-ジヒドロキシナフタレンを高収率にて得ることがで
きる。また、かかる条件にて過酸化水素を用いることに
よつて、同時にカルビノール類の縮合に基づく副生物の
生成を著しく抑制することができる。
また、酸分解反応における酸性触媒としては、硫酸、塩
酸、リン酸等の無機酸、強酸性イオン交換樹脂、シリカ
ゲル、シリカアルミナ等の固体酸、クロロ酢酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸
等の有機酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等
のヘテロポリ酸等が好ましく用いられる。これら酸性触
媒は、そのまま反応系に加えてもよいし、また、これら
酸性触媒が溶解性をもつときは、適宜の不活性溶剤に溶
解して、反応系に加えることもできる。酸性触媒の使用
量は、その種類及び反応条件にもよるが、通常、全反応
混合物に対して0.5〜10重量%の範囲である。
酸、リン酸等の無機酸、強酸性イオン交換樹脂、シリカ
ゲル、シリカアルミナ等の固体酸、クロロ酢酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸
等の有機酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等
のヘテロポリ酸等が好ましく用いられる。これら酸性触
媒は、そのまま反応系に加えてもよいし、また、これら
酸性触媒が溶解性をもつときは、適宜の不活性溶剤に溶
解して、反応系に加えることもできる。酸性触媒の使用
量は、その種類及び反応条件にもよるが、通常、全反応
混合物に対して0.5〜10重量%の範囲である。
本発明においては、前述したように、2,6-ジイソプロピ
ルナフタレンの酸化反応後、反応混合物から2,6-ジイソ
プロピルナフタレンジヒドロペルオキシド及び副生物を
MIBKのような有機溶剤中に移し、この有機溶剤を反
応溶剤として酸分解反応を行なうことが実用上、有利で
ある。しかし、反応溶剤は何らMIBKに限定されるも
のではなく、必要に応じて、その他の不活性有機溶剤、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸、プロ
ピオン酸等の低級脂肪族カルボン酸、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素を用い
ることもでき、また、これらの混合物も用いることがで
きる。
ルナフタレンの酸化反応後、反応混合物から2,6-ジイソ
プロピルナフタレンジヒドロペルオキシド及び副生物を
MIBKのような有機溶剤中に移し、この有機溶剤を反
応溶剤として酸分解反応を行なうことが実用上、有利で
ある。しかし、反応溶剤は何らMIBKに限定されるも
のではなく、必要に応じて、その他の不活性有機溶剤、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸、プロ
ピオン酸等の低級脂肪族カルボン酸、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素を用い
ることもでき、また、これらの混合物も用いることがで
きる。
この酸分解反応は、0〜100℃、好ましくは20〜8
0℃の範囲で行なわれる。
0℃の範囲で行なわれる。
本発明の方法においては、上記酸分解反応混合物から粗
2,6-ジヒドロキシナフタレンが分離され、次に、この粗
2,6-ジヒドロキシナフタレンから分別昇華によつて高純
度の2,6-ジヒドロキシナフタレンが得られる。本発明に
おいては、この粗2,6-ジヒドロキシナフタレン中には2,
6-ジイソプロピルナフタレンモノヒドロペルオキシド
(MHP)等の酸化生成物の酸分解に由来する6-イソプ
ロピル-2-ナフトール等の不純物が存在していてもよ
い。
2,6-ジヒドロキシナフタレンが分離され、次に、この粗
2,6-ジヒドロキシナフタレンから分別昇華によつて高純
度の2,6-ジヒドロキシナフタレンが得られる。本発明に
おいては、この粗2,6-ジヒドロキシナフタレン中には2,
6-ジイソプロピルナフタレンモノヒドロペルオキシド
(MHP)等の酸化生成物の酸分解に由来する6-イソプ
ロピル-2-ナフトール等の不純物が存在していてもよ
い。
この点について更に説明すると、本発明に従つて分別昇
華の方法を採用するとき、粗2,6-ジヒドロキシナフタレ
ン中に6-イソプロピル-2-ナフトールが多量に存在して
いても、予期しないことに、この簡単な分別昇華法も採
用することよつて、2,6-ジヒドロキシナフタレンを高純
度にて単離し得ることを見出した。従つて、本発明の方
法によれば、前述したように、酸化反応生成物を酸分解
する工程においては、酸化反応生成物から2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンモノヒドロペルオキシドを完全に除去
する必要がないのである。これは2,6-ジヒドロキシナフ
タレンを工業的に製造するに際して極めて有利であり、
その意義が大きい。
華の方法を採用するとき、粗2,6-ジヒドロキシナフタレ
ン中に6-イソプロピル-2-ナフトールが多量に存在して
いても、予期しないことに、この簡単な分別昇華法も採
用することよつて、2,6-ジヒドロキシナフタレンを高純
度にて単離し得ることを見出した。従つて、本発明の方
法によれば、前述したように、酸化反応生成物を酸分解
する工程においては、酸化反応生成物から2,6-ジイソプ
ロピルナフタレンモノヒドロペルオキシドを完全に除去
する必要がないのである。これは2,6-ジヒドロキシナフ
タレンを工業的に製造するに際して極めて有利であり、
その意義が大きい。
本発明の方法においては、酸分解反応混合物から粗2,6-
ジヒドロキシナフタレンを分離する方法は、何ら制限さ
れるものではないが、例えば、反応混合物から減圧下に
溶剤を留去して濃縮した後、この濃縮物を熱クメンのよ
うな芳香族炭化水素溶剤と混合し、冷却して、2,6-ジヒ
ドロキシナフタレン粗結晶を得る方法を例示することが
できる。
ジヒドロキシナフタレンを分離する方法は、何ら制限さ
れるものではないが、例えば、反応混合物から減圧下に
溶剤を留去して濃縮した後、この濃縮物を熱クメンのよ
うな芳香族炭化水素溶剤と混合し、冷却して、2,6-ジヒ
ドロキシナフタレン粗結晶を得る方法を例示することが
できる。
本発明において、酸分解反応混合物から分離した粗2,6-
ジヒドロキシナフタレンを分別昇華するには、上記粗結
晶を常圧の不活性ガス気流下に加熱し、昇華させ、上記
気流に随伴させて、捕集容器に捕集する。常圧下に6-イ
ソプロピル-2-ナフトールは70〜180℃、好ましく
は110〜160℃の温度で昇華し、他方、2,6-ジヒド
ロキシナフタレンは170〜230℃、好ましくは19
0〜230℃の温度で昇華するので、2,6-ジヒドロキシ
ナフタレンを6-イソプロピル-2-ナフトールから分離し
て、高純度で単離することができる。
ジヒドロキシナフタレンを分別昇華するには、上記粗結
晶を常圧の不活性ガス気流下に加熱し、昇華させ、上記
気流に随伴させて、捕集容器に捕集する。常圧下に6-イ
ソプロピル-2-ナフトールは70〜180℃、好ましく
は110〜160℃の温度で昇華し、他方、2,6-ジヒド
ロキシナフタレンは170〜230℃、好ましくは19
0〜230℃の温度で昇華するので、2,6-ジヒドロキシ
ナフタレンを6-イソプロピル-2-ナフトールから分離し
て、高純度で単離することができる。
空気気流下や真空下での分別昇華によつては、目的とす
る高純度の2,6-ジヒドロキシナフタレンを得ることがで
きない。
る高純度の2,6-ジヒドロキシナフタレンを得ることがで
きない。
(発明の効果) 以上のように、本発明の方法によれば、2,6-ジイソプロ
ピルナフタレンの酸化反応によつて得られる反応混合物
を酸分解して2,6-ジヒドロキシナフタレンを製造するに
際して、酸分解反応の主たる副生物である6-イソプロピ
ル-2-ナフトールから効果的に2,6-ジヒドロキシナフタ
レンを分離して、極めて高純度の2,6-ジヒドロキシナフ
タレンを得ることができる。
ピルナフタレンの酸化反応によつて得られる反応混合物
を酸分解して2,6-ジヒドロキシナフタレンを製造するに
際して、酸分解反応の主たる副生物である6-イソプロピ
ル-2-ナフトールから効果的に2,6-ジヒドロキシナフタ
レンを分離して、極めて高純度の2,6-ジヒドロキシナフ
タレンを得ることができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例によつて何ら限定されるものではない。
れら実施例によつて何ら限定されるものではない。
実施例1 回転攪拌機、ガス吹き込み管、温度計及び還流冷却器を
備えた500ml容量オートクレーブ(SUS 316L 製)に2,6
-ジイソプロピルナフタレン50g、1%水酸化ナトリ
ウム水溶液100g及び反応開始剤としての2,6-ジイソ
プロピルナフタレンヒドロペルオキシド0.2gを仕込
み、反応温度100℃、圧力5kg/cm2Gにて内容物を強
力に攪拌しながら、空気を20/時の割合で吹き込ん
で、9時間反応を行なつた。2,6-ジイソプロピルナフタ
レンの反応率は98.1%であつた。
備えた500ml容量オートクレーブ(SUS 316L 製)に2,6
-ジイソプロピルナフタレン50g、1%水酸化ナトリ
ウム水溶液100g及び反応開始剤としての2,6-ジイソ
プロピルナフタレンヒドロペルオキシド0.2gを仕込
み、反応温度100℃、圧力5kg/cm2Gにて内容物を強
力に攪拌しながら、空気を20/時の割合で吹き込ん
で、9時間反応を行なつた。2,6-ジイソプロピルナフタ
レンの反応率は98.1%であつた。
得られた酸化反応生成物にメチルイソブチルケトン10
0gを加えた後、油相(メチルイソブチルケトン相)と
水相を分離した。この油相に含まれる酸化生成物の組成
は、液体クロマトグラフイー分析の結果、 DHP 14.1重量% HHP 7.9重量% DCA 1.4重量% MHP 6.8重量% MCA 1.4重量% その他(分子量を212とする。)6.2重量% であつた。
0gを加えた後、油相(メチルイソブチルケトン相)と
水相を分離した。この油相に含まれる酸化生成物の組成
は、液体クロマトグラフイー分析の結果、 DHP 14.1重量% HHP 7.9重量% DCA 1.4重量% MHP 6.8重量% MCA 1.4重量% その他(分子量を212とする。)6.2重量% であつた。
次に、回転攪拌機、還流冷却器、酸分解原料供給管及び
酸性触媒溶液供給管を備えた1容量ガラス製反応容器
に1.7重量%硫酸を含むアセトン溶液18.8gを仕込ん
だ。温度を常に65℃に保つた湯浴上にこの反応容器を
載置した。加熱によつてアセトンが還流し始めたとき、
酸分解原料供給管から前記酸化生成物のMIBK溶液
(油相)157g、60%過酸化水素水5.1g及びアセ
トン50gの混合物の供給を開始した。この酸分解原料
の供給開始と同時に酸性触媒溶液供給管から1.7%硫酸
を含むアセトン溶液29gの供給をも開始し、1時間後
に供給を終えた。尚、分解原料及び硫酸のアセトン溶液
の供給量は小型定量ポンプにて求めた。この後、更に3
時間反応を行なつた。
酸性触媒溶液供給管を備えた1容量ガラス製反応容器
に1.7重量%硫酸を含むアセトン溶液18.8gを仕込ん
だ。温度を常に65℃に保つた湯浴上にこの反応容器を
載置した。加熱によつてアセトンが還流し始めたとき、
酸分解原料供給管から前記酸化生成物のMIBK溶液
(油相)157g、60%過酸化水素水5.1g及びアセ
トン50gの混合物の供給を開始した。この酸分解原料
の供給開始と同時に酸性触媒溶液供給管から1.7%硫酸
を含むアセトン溶液29gの供給をも開始し、1時間後
に供給を終えた。尚、分解原料及び硫酸のアセトン溶液
の供給量は小型定量ポンプにて求めた。この後、更に3
時間反応を行なつた。
反応終了後、液体クロマトグラフイー及びガスクロマト
グラフイー分析の結果、酸分解反応生成物には9.0%の
2,6-ジヒドロキシナフタレンが含まれていた。
グラフイー分析の結果、酸分解反応生成物には9.0%の
2,6-ジヒドロキシナフタレンが含まれていた。
この酸分解反応生成物を減圧下に濃縮して、アセトン及
びMIBKを除去し、得られた濃縮物を熱クメン中に投
入し、結晶を析出させ、これを濾別し、減圧乾燥によつ
てクメンを除去して、粗結晶を得た。
びMIBKを除去し、得られた濃縮物を熱クメン中に投
入し、結晶を析出させ、これを濾別し、減圧乾燥によつ
てクメンを除去して、粗結晶を得た。
用いた昇華装置は、図面に示すように、ロータリー・エ
バポレーターを改造してなるもので、粗結晶を仕込んだ
昇華フラスコ1には熱電対鞘2が挿入され、この昇華フ
ラスコは連結管3によつて冷却部4に接続されている。
この冷却部には捕集フラスコ5が接続されている。昇華
操作に際しては、窒素ガスが冷却部から昇華フラスコを
経て、この捕集フラスコに流通されると共に、昇華フラ
スコは駆動部6によつて回転されつつ、電気炉7内で加
熱される。
バポレーターを改造してなるもので、粗結晶を仕込んだ
昇華フラスコ1には熱電対鞘2が挿入され、この昇華フ
ラスコは連結管3によつて冷却部4に接続されている。
この冷却部には捕集フラスコ5が接続されている。昇華
操作に際しては、窒素ガスが冷却部から昇華フラスコを
経て、この捕集フラスコに流通されると共に、昇華フラ
スコは駆動部6によつて回転されつつ、電気炉7内で加
熱される。
前記した粗結晶を上記昇華装置の昇華フラスコに仕込
み、常圧下に窒素ガスを流通させなら、昇華フラスコを
150℃に加熱し、昇華した結晶を捕集フラスコに捕集
した。この温度での昇華が止まつた後、捕集フラスコを
交換し、昇華フラスコの加熱温度を徐々に180℃まで
高めた。再び、昇華が始まつたとき、一旦、加熱を停止
し、装置全体を洗浄乾燥した後、再び加熱によつて昇華
を開始させた。最終的に昇華フラスコを220℃まで加
熱して、昇華物を捕集フラスコに捕集した。
み、常圧下に窒素ガスを流通させなら、昇華フラスコを
150℃に加熱し、昇華した結晶を捕集フラスコに捕集
した。この温度での昇華が止まつた後、捕集フラスコを
交換し、昇華フラスコの加熱温度を徐々に180℃まで
高めた。再び、昇華が始まつたとき、一旦、加熱を停止
し、装置全体を洗浄乾燥した後、再び加熱によつて昇華
を開始させた。最終的に昇華フラスコを220℃まで加
熱して、昇華物を捕集フラスコに捕集した。
このようにして、150℃の昇華操作にて不純物である
6-イソプロピル-2-ナフトールを含有する前留分として
白色結晶0.3gを得、また、220℃にて2,6-ジヒドロ
キシナフタレンの白色結晶20gを得た。この2,6-ジヒ
ドロキシナフタレン結晶の純度は99.7%、融点221〜
223℃であつた。
6-イソプロピル-2-ナフトールを含有する前留分として
白色結晶0.3gを得、また、220℃にて2,6-ジヒドロ
キシナフタレンの白色結晶20gを得た。この2,6-ジヒ
ドロキシナフタレン結晶の純度は99.7%、融点221〜
223℃であつた。
比較例1 実施例1と同じ粗結晶を昇華フラスコに仕込み、分別昇
華の雰囲気を常圧の空気気流とした以外は、実施例1と
同様に分別昇華を行なつて、2,6-ジヒドロキシナフタレ
ンの12gを得た。この結晶の純度は98.8%であつた。
昇華操作後のフラスコ内には多量の重質物が残存してい
た。
華の雰囲気を常圧の空気気流とした以外は、実施例1と
同様に分別昇華を行なつて、2,6-ジヒドロキシナフタレ
ンの12gを得た。この結晶の純度は98.8%であつた。
昇華操作後のフラスコ内には多量の重質物が残存してい
た。
図面は、本発明の方法において用いる昇華装置の一例を
示す断面図である。 1……昇華フラスコ、3……連結管、4……冷却部、5
……捕集フラスコ、7……電気炉。
示す断面図である。 1……昇華フラスコ、3……連結管、4……冷却部、5
……捕集フラスコ、7……電気炉。
Claims (1)
- 【請求項1】(a)2,6-ジイソプロピルナフタレンを塩基
性水溶液に分散させ、これを分子状酸素によつて酸化し
て2,6-ジイソプロピルナフタレンジヒドロペルオキシド
を得る工程、 (b)上記酸化工程によつて得られる酸化反応生成物から
酸化反応中間体である2,6-ジイソプロピルナフタレンモ
ノヒドロペルオキシドを完全に除去せずして、その一部
又は全部を残存させた2,6-ジイソプロピルナフタレンジ
ヒドロペルオキシドを酸性触媒の存在下で酸分解する工
程、 (c)上記酸分解反応混合物から粗2,6-ジヒドロキシナフ
タレンを得る工程、及び (d)上記粗2,6-ジヒドロキシナフタレンを常圧の不活性
ガス気流下に加熱し、昇華させる分別昇華にて2,6-ジヒ
ドロキシナフタレンを得る工程、 よりなることを特徴とする2,6-ジヒドロキシナフタレン
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60209279A JPH0623117B2 (ja) | 1985-09-20 | 1985-09-20 | 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60209279A JPH0623117B2 (ja) | 1985-09-20 | 1985-09-20 | 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6270334A JPS6270334A (ja) | 1987-03-31 |
JPH0623117B2 true JPH0623117B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=16570311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60209279A Expired - Fee Related JPH0623117B2 (ja) | 1985-09-20 | 1985-09-20 | 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0623117B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107614473A (zh) * | 2015-05-27 | 2018-01-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 羟基取代芳香族化合物的制造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4503262A (en) | 1983-08-04 | 1985-03-05 | Virginia Chemicals, Inc. | Process for the production of 2,6-diisopropylnaphthalene dihydroperoxide |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6034527B2 (ja) * | 1977-01-28 | 1985-08-09 | 住友化学工業株式会社 | フエノ−ル類もしくはナフト−ル類の製造方法 |
-
1985
- 1985-09-20 JP JP60209279A patent/JPH0623117B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4503262A (en) | 1983-08-04 | 1985-03-05 | Virginia Chemicals, Inc. | Process for the production of 2,6-diisopropylnaphthalene dihydroperoxide |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6270334A (ja) | 1987-03-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |