JPH11217520A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料

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JPH11217520A
JPH11217520A JP2294598A JP2294598A JPH11217520A JP H11217520 A JPH11217520 A JP H11217520A JP 2294598 A JP2294598 A JP 2294598A JP 2294598 A JP2294598 A JP 2294598A JP H11217520 A JPH11217520 A JP H11217520A
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polyester resin
glycol
acid
ratio
coating material
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Yumi Kamiyoshi
由美 神吉
Takeshi Sato
健 佐藤
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温で焼付けすることができ、硬化性及び貯
蔵安定性に優れ、外観の良好な塗膜を形成することので
きる粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこ
れを用いた粉体塗料を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸とエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールを主成分とし、極限粘度が
0.10〜0.30dl/g、酸価が30〜85mgK
OH/g、150℃における溶融粘度が100〜800
dPa・sのポリエステル樹脂。前記ポリエステル樹脂
は、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸及び/又は炭
素数3〜12の直鎖又は脂環族グリコール、3官能化合
物及びビスフェノキシエタノールフルオレンを共重合成
分として特定量含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ブロッキング性
や低温硬化性の良好な粉体塗料とすることができ、外観
や機械的強度などの良好な塗膜を形成することのできる
粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを
用いた粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、従来の溶剤型塗料と比較し
て、無公害塗料であること、塗装直後でも利用に供しう
ること、多層の重ね塗りが不要であること、比較的安価
であること、回収利用が可能であることなどの利点が認
められ、家電製品、建材、自動車部品等の部材の保護装
飾用塗料として、近年急速に需要が拡大している。
【0003】粉体塗料にはエポキシ樹脂系、アクリル樹
脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られている
が、その中でもポリエステル樹脂系粉体塗料はバランス
のとれた塗膜性能を有する塗料として知られている。
【0004】ところで、ポリエステル樹脂系粉体塗料
は、溶剤型塗料と比較して一般に高温の焼付け温度が必
要とされているが、焼付け温度が低温化されることによ
って、溶剤塗装ラインの塗装設備をそのまま転用できた
り、発生熱量の減少により、作業性の向上や作業環境の
改善だけでなく、省エネルギーによるランニングコスト
の削減というメリットがある。また、焼付け温度が低温
化されることによって、耐熱性が十分でないという点
で、従来の粉体塗料では塗装ができなかった材料への塗
装も可能になるなど、被塗装物の拡大も見込める。この
ような点からポリエステル樹脂系粉体塗料においては、
焼付けの低温化が強く要望されている。
【0005】しかしながら、従来のポリエステル樹脂系
粉体塗料は、低温で焼付けた場合、硬化反応性が低下し
て十分に硬化しないという問題があり、硬化反応性を上
げるために、硬化促進剤を多量に添加すると、塗膜外観
が著しく悪化するという問題があった。そして、塗膜外
観を実用的なレベルにするため、柔軟性成分を共重合し
たりすると、樹脂のガラス転移点が低下し、塗料の貯蔵
安定性が悪化してしまうなど実用に供するものを得るこ
とが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決し、低温で焼付けすることができ、硬化性及
び貯蔵安定性に優れ、外観の良好な塗膜を形成すること
のできる粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並び
にこれを用いた粉体塗料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。 (1) 芳香族ジカルボン酸を主体とする酸成分とエチレン
グリコール及びネオペンチルグリコールを主体とするグ
リコール成分とからなり、極限粘度が0.10〜0.30dl/g、
酸価が30〜85mgKOH/g 、150 ℃における溶融粘度が 100
〜800dPa・sのポリエステル樹脂であって、該ポリエス
テル樹脂が、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸A及び
/又は炭素数3〜12の直鎖又は脂環族グリコールB、3
官能化合物C、及びビスフェノキシエタノールフルオレ
ンDを共重合成分として含有し、Aの全酸成分に対する
割合とBの全グリコール成分に対する割合の合計が1〜
15モル%、Cの全酸成分に対する割合が1〜10モル%、
Dの全グリコール成分に対する割合が 0.5モル%以上で
あることを特徴とする粉体塗料用ポリエステル樹脂。 (2) 上記(1) 記載の粉体塗料用ポリエステル樹脂44.5〜
69.0重量部、エピクロルヒドリンとビスフェノールAか
ら誘導されるエピ・ビス型エポキシ樹脂30.0〜55.0重量
部、及び硬化促進剤0.15〜1.0 重量部(3者の合計で10
0 重量部)からなり、樹脂組成物の 150℃におけるゲル
化時間が8〜13分であることを特徴とする粉体塗料用ポ
リエステル樹脂組成物。 (3) 上記(2) 記載の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物
を用いた粉体塗料。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】本発明のポリエステル樹脂は、芳香族ジカ
ルボン酸を主体とする酸成分とエチレングリコール及び
ネオペンチルグリコールを主体とするグリコール成分か
らなるものである。
【0010】芳香族ジカルボン酸としては、必要とする
樹脂特性やコストパフォーマンスなどの理由から、主と
してテレフタル酸とイソフタル酸が用いられる。必要に
応じて、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸などのその他の芳香族ジ
カルボン酸を併用してもよい。
【0011】また、グリコール成分としては、必要とす
る樹脂特性やコストパフォーマンスなどの理由から、主
としてエチレングリコールとネオペンチルグリコールが
用いられる。
【0012】上記のポリエステル樹脂は、極限粘度が0.
10〜0.30dl/g、好ましくは0.10〜0.20dl/gの範囲のもの
である。極限粘度が0.10dl/g未満のものでは、樹脂の分
子量が低いために、粉体塗料としたときの耐ブロッキン
グ性が低下したり、塗膜の機械的強度が低下する。一
方、極限粘度が0.30dl/gを超えるものでは、樹脂の分子
量が高いために、粉砕性が悪くなったり、流動性が低下
するため、塗膜の平滑性が悪くなる。
【0013】また、上記のポリエステル樹脂は、酸価が
30〜85 mgKOH/g、好ましくは40〜80mgKOH/g の範囲のも
のである。酸価が30 mgKOH/g未満のものでは、樹脂の分
子量が高くなりすぎて流動性が低下するため、塗膜の表
面に大きな凹凸が生じ、平滑性が低下する。一方、酸価
が 85mgKOH/gを超えるものでは、樹脂の分子量が低くな
りすぎて塗膜の機械的強度が低下したり、硬化速度が速
くなりすぎるため、塗膜の平滑性が低下する。
【0014】さらに、上記のポリエステル樹脂は、150
℃での溶融粘度が 100〜800dPa・s、好ましくは 150〜
500dPa・sの範囲のものである。この溶融粘度が100dPa
・sに満たないと、塗料として焼付けた時に流動性が大
きすぎ、塗膜の端にタレが生じる。一方、この溶融粘度
が800dPa・sを超えると、流動性が低下し、塗膜の平滑
性が悪くなる。従来の粉体塗料用ポリエステル樹脂の溶
融粘度は、1500〜3000dPa・s程度であり、本発明で
は、従来よりも著しく溶融粘度の小さいものを使用する
ことが必要である。
【0015】本発明のポリエステル樹脂においては、上
記した芳香族ジカルボン酸成分及びグリコール成分に加
えて、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸A及び/又は
炭素数3〜12の直鎖又は脂環族グリコールB、3官能化
合物C、及びビスフェノキシエタノールフルオレンDを
共重合成分として含有させることが必要である。
【0016】脂肪族ジカルボン酸Aとしては、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸などが挙げられ、アジピン酸、アゼライン
酸が好ましい。また、脂環族グリコールBとしては、1,
3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタ
ンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどが挙げられ、1,
6-ヘキサンジオールが好ましい。さらに、3官能化合物
Cとしては、無水トリメリット酸、トリメリット酸、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセ
リンなどが挙げられ、無水トリメリット酸が好ましい。
【0017】そして、Aの全酸成分に対する割合とBの
全グリコール成分に対する割合の合計が1〜15モル%、
Cの全酸成分に対する割合が1〜10モル%、Dの全グリ
コール成分に対する割合が 0.5モル%以上であるとする
ことが必要である。
【0018】Aの全酸成分に対する割合とBの全グリコ
ール成分に対する割合の合計が1モル%未満では、良好
な低温硬化性が得られず、この割合が15モル%を超える
と、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低下し、耐ブ
ロッキング性が悪くなる。また、Cの全酸成分に対する
割合が1モル%未満では、良好な低温硬化性と機械的強
度が得られず、この割合が10モル%を超えると、硬化反
応の速度が速くなりすぎ、塗膜の外観が低下する。さら
に、Dの全グリコール成分に対する割合が 0.5モル%未
満では、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低下し、
耐ブロッキング性が悪くなる。
【0019】さらに、ポリエステル樹脂には、上記した
成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、4−ヒ
ドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロキ
シカルボン酸や、4 −シクロヘキサンジメタノール、1,
4 −シクロヘキサンジオールなどの脂環族グリコール
や、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールSのエチレンオキサイド付加物などの芳香
族ジオールを共重合してもよい。
【0020】なお、ポリエステル樹脂は、ガラス転移温
度が40〜75℃の範囲のものが好ましい。ガラス転移温度
が40℃未満であると、粉体化した樹脂が凝集して塊とな
りやすい傾向があり、耐ブロッキング性が低下する。一
方、ガラス転移温度が75℃を超えると、混練温度を高く
することが必要となり、塗料化時に硬化反応が進み、結
果として塗膜の平滑性が低下する。
【0021】上記の条件を満足するポリエステル樹脂
は、上記した芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分
(それらのエステル形成性誘導体を含む)を原料とし、
常法によって、200 〜280 ℃の温度でエステル化又はエ
ステル交換反応を行った後、5hPa以下の減圧下、200 〜
300 ℃、好ましくは 230〜290 ℃の温度で重縮合反応を
行って高重合度のポリマーとし、さらに酸成分を添加し
て解重合反応を行う方法で調製することができる。
【0022】また、常法によって、エステル化又はエス
テル交換反応を行った後、常圧下、又は50〜100hPa程度
の減圧下、200 〜300 ℃、好ましくは 220〜280 ℃の温
度で所定の極限粘度となるまで重縮合反応を行った後、
常圧下、220 〜280 ℃の温度で所定量のジカルボン酸を
添加し、付加反応を行うことによって調製することもで
きる。なお、極限粘度の非常に小さいものは、カルボン
酸過剰の状態において、常圧下、200 〜280 ℃の温度で
エステル化反応を行うことにより調製することもでき
る。
【0023】また、エステル化、エステル交換反応及び
重縮合反応においては、公知の反応触媒などを用いるこ
とができる。
【0024】本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記
したポリエステル樹脂に、エピクロルヒドリンとビスフ
ェノールAから誘導されるエピ・ビス型エポキシ樹脂と
硬化促進剤を配合させる必要がある。
【0025】上記のエピ・ビス型エポキシ樹脂は、硬化
剤として使用するものであり、エポキシ当量が 500〜10
00g/eqの範囲にあるものが好ましい。エポキシ当量が50
0g/eq に満たないものであると、塗料としたとき塊とな
りやすく、耐ブロッキング性が低下する。一方、エポキ
シ当量が1000g/eqを超えるものでは、塗料中にエポキシ
樹脂の占める割合が多くなり、塗膜の機械的強度が低下
することなどによって塗膜性能のバランスが損なわれ
る。このようなエピ・ビス型のエポキシ樹脂の具体例と
しては、東都化成社製の「エポトートYD-014」、シェル
社製の「エピコート1003」、チバ・ガイギー社製の「ア
ラルダイトAER 6003」などが挙げられる。
【0026】また、硬化促進剤としては、イミダゾール
系化合物やリン系化合物が用いられるが、特にイミダゾ
ール系化合物が好ましい。具体的には、イミダゾール系
硬化促進剤としては、四国化成社製の「キュアゾール C
11Z 」、「キュアゾール C17Z 」などが挙げられ、特に
「キュアゾール C11Z 」が好ましい。リン系硬化促進剤
としては、イハラケミカル工業社製の「トリフェニルホ
スフィン PP-360 」などが挙げられる。
【0027】本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂
44.5〜69.0重量部、エピ・ビス型エポキシ樹脂30.0〜5
5.0重量部及び硬化促進剤0.15〜1.0 重量部で、3者の
合計が100 重量部となるように配合する必要がある。
【0028】ポリエステル樹脂及びエピ・ビス型エポキ
シ樹脂の量が上記範囲を外れると、塗料が十分に硬化な
いため塗膜の機械的強度が低下する。また、硬化促進剤
の量が上記範囲より少ないと十分な低温硬化性が得られ
ず、逆に多すぎると硬化反応性が増大しすぎるため、塗
膜の外観や色調が悪くなる。
【0029】なお、エポキシ樹脂の量は、ポリエステル
樹脂の酸価に対応する官能基量(0.8 〜1.2 倍当量)と
なるようにする。
【0030】また、本発明の樹脂組成物は、150 ℃にお
けるゲル化時間が8〜13分、好ましくは9〜12分の範囲
となるように組成を調製することが必要である。樹脂組
成物のゲル化時間が8分に満たないと、硬化反応が速く
なりすぎるため塗膜の平滑性が著しく悪化し、ゲル化時
間が13分を超えると、硬化反応性が低下するため十分に
硬化せず、塗膜の機械的物性が低下する。
【0031】本発明の粉体塗料は、上記した粉体塗料用
ポリエステル樹脂組成物に、必要に応じて、公知のレベ
リング剤、その他の添加剤、例えば二酸化チタン、カー
ボンブラック等の顔料からなる混合物を、ニーダー又は
ロール等を用いて70〜120 ℃で溶融混練することにより
調製することができる。
【0032】そして、得られた粉体塗料は、これを被塗
装物に塗装し、通常、140 〜160 ℃の比較的低温で、15
〜25分間焼付けることにより、光沢や平滑性などに優れ
た塗膜を与える。
【0033】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明を具体
的に説明する。なお、実施例及び比較例において、ポリ
エステル樹脂と樹脂組成物の特性値、及び粉体塗料と塗
膜性能の評価は、以下に示す方法で測定した。 (a) 共重合成分の割合 ポリエステル樹脂を重水素化トリフルオロ酢酸に溶解
し、NMR(日本電子社製、JNM-LA400 )を用いて求め
た。 (b) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (c) 酸価 ポリエステル樹脂 0.5gをジオキサン/蒸留水=10/1
(重量比)の混合溶媒50mlに溶解し、加熱還流後、0.1
規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。 (d) 溶融粘度 試料量 15g、温度150 ℃で、ブルックフィールド溶融粘
度計(ブルックフィールド社製、VISCO METER DV-1)で
測定した。 (e) ガラス転移温度 示差走査型熱量計(セイコー電子工業社製、DSC-220
型)を用い、昇温速度10℃/分で求めた。 (f) ゲル化時間 ポリエステル樹脂、エピ・ビス型エポキシ樹脂及び硬化
促進剤からなる樹脂組成物 100重量部に対して、二酸化
チタン顔料50重量部を混合したものを、試料量100g、温
度 150℃で、ブラベンダー・プラスチコーダー(ブラベ
ンダー社製、PLV -340)を用いて硬化曲線を求め、測定
開始からトルク値が250m・gに達するまでの時間をゲル
化時間とした。 (g) 耐ブロッキング性 直径3cm、高さ7cmの有底ガラス管に、粉体塗料を高さ
4cmまで入れ、40℃の恒温槽中に1週間放置した後、ガ
ラス管を逆さにして粉体塗料を取り出し、塗料の状態に
より、次の2段階で評価した。 ○:塗料に塊がない。 ×:塗料が凝集して大きな塊がある。 (h) 平滑性 塗膜の平滑性を目視により、次の2段階で評価した。 ○:塗膜に凹凸が少なく、平滑性が良好である。 ×:塗膜に大きな凹凸があり、平滑性が不良である。 (i) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400に準じて求めた。 (j) 耐衝撃性 JIS K 5400に準じ、直径1.27cmの球面を持つ撃ち台とそ
れにあう窪みを持った受け台との間に塗膜が球面に接触
するように塗装鋼板を挟み込み、その上から1kgのおも
りを垂直に落下させ、塗膜の破壊する高さを求めた。こ
の値が20cm以上であれば合格である。 (k) エリクセン JIS Z 2247に準じて求めた。この値が9mm以上であれば
合格である。
【0034】実施例1、2、6、7及び比較例1〜6 表1及び表2に示した原料化合物を、表1及び表2に示
した量(モル部)でエステル化反応槽に仕込み、圧力
0.3MPaG、温度 260℃で4時間エステル化反応を行っ
た。得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した
後、三酸化アンチモンを2×10-4モル/酸成分1モル添
加し、0.5hPaに減圧し、270 ℃で3時間重縮合反応を行
い、極限粘度0.45dl/gのポリエステルを得た。次いで、
このポリエステルに、表1及び表2に示した解重合剤を
表1及び表2に示した量(モル部)で添加し、常圧下、
250 ℃で2時間解重合反応を行い、表1及び表2に示す
特性値のポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステ
ル樹脂に、エポキシ当量が 760g/eqのエピ・ビス型エポ
キシ樹脂硬化剤(チバ・ガイギー社製「アラルダイトAE
R 6003」、イミダゾール系硬化促進剤〔四国化成社製
「キュアゾール C11Z 」(ウンデシルイミダゾー
ル)〕、ブチルポリアクリレート系レベリング剤(ビー
・エー・エス・エフ社製「アクロナール4F」) 、ベンゾ
イン及びルチル型二酸化チタン顔料(石原産業社製「CR
−90」)を表1及び表2に示す量(重量部)添加し、ヘ
ンシェルミキサー(三井三池製作所製、FM 10B型)でド
ライブレンドした後、コ・ニーダ(ブッス社製、PR-46
型)を用いて 100℃で溶融混練し、冷却、粉砕後、140
メッシュの金網で分級して粉体塗料を得た。得られた粉
体塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が50〜60μmと
なるように静電塗装して、150 ℃×20分間焼付けを行っ
た。塗膜の性能を評価した結果を表1及び表2に示す。
【0035】実施例3 塗料の焼き付け条件を 140℃×20分間とし、表1の条件
で試験した。
【0036】実施例4及び比較例7 硬化促進剤として、リン系硬化促進剤(イハラケミカル
工業社製「トリフェニルホスフィン PP-360 」を使用
し、ベンゾインを使用しなかった以外は、実施例1と同
様に行った。
【0037】実施例5 エピ・ビス型エポキシ樹脂として、エポキシ当量が 950
g/eqの東都化成社製「エポトートYD-014」を使用した以
外は、実施例1と同様に行った。
【0038】実施例1〜7及び比較例1〜7の結果をま
とめて表1及び表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例1〜7で得られた粉体塗料は、いず
れも強度、外観を満足した良好な塗膜を与えるものであ
った。
【0042】これに対して、比較例では次のような問題
があった。比較例1では、ポリエステル樹脂とエピ・ビ
ス型エポキシ樹脂の配合量が本発明の範囲外であったた
め、十分に硬化せず、塗膜の強度が不十分であった。比
較例2では、ビスフェノキシエタノールフルオレンDが
共重合されておらず、ポリエステル樹脂の溶融粘度とガ
ラス転移温度が低すぎたため、塗料の耐ブロッキング性
が劣るものであった。比較例3では、ポリエステル樹脂
の溶融粘度が高すぎ、樹脂組成物のゲル化時間が短すぎ
たため、塗膜の平滑性が劣るものであった。比較例4で
は、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸A及び/又は炭
素数3〜12の直鎖又は脂環族グリコールBと、3官能化
合物Cとが共重合されておらず、ポリエステル樹脂の酸
価と溶融粘度が本発明の範囲外であり、また、樹脂組成
物のゲル化時間が長すぎたため、塗膜の平滑性と強度が
劣るものであった。比較例5では、3官能化合物Cの共
重合割合が多すぎてポリエステル樹脂の酸価が大きくな
りすぎ、また、樹脂組成物中の硬化促進剤の割合が多す
ぎて樹脂組成物のゲル化時間が短すぎたため、塗膜の平
滑性が劣るものであった。比較例6では、樹脂組成物中
の硬化促進剤の割合が少なすぎて樹脂組成物のゲル化時
間が長すぎたため、塗膜の強度が不十分であった。比較
例7では、ポリエステル樹脂の極限粘度が低すぎ、ポリ
エステル樹脂とエピ・ビス型エポキシ樹脂の配合量が本
発明の範囲外であったため、塗料の耐ブロッキング性が
劣り、塗膜の強度が不十分であった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、低温で焼付けすること
ができ、硬化性及び貯蔵安定性に優れ、外観の良好な塗
膜を形成することのできる粉体塗料用ポリエステル樹脂
及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料が提供され
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主体とする酸成分
    とエチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主
    体とするグリコール成分とからなり、極限粘度が0.10〜
    0.30dl/g、酸価が30〜85mgKOH/g 、150 ℃における溶融
    粘度が 100〜800dPa・sのポリエステル樹脂であって、
    該ポリエステル樹脂が、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボ
    ン酸A及び/又は炭素数3〜12の直鎖又は脂環族グリコ
    ールB、3官能化合物C、及びビスフェノキシエタノー
    ルフルオレンDを共重合成分として含有し、Aの全酸成
    分に対する割合とBの全グリコール成分に対する割合の
    合計が1〜15モル%、Cの全酸成分に対する割合が1〜
    10モル%、Dの全グリコール成分に対する割合が 0.5モ
    ル%以上であることを特徴とする粉体塗料用ポリエステ
    ル樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粉体塗料用ポリエステル
    樹脂44.5〜69.0重量部、エピクロルヒドリンとビスフェ
    ノールAから誘導されるエピ・ビス型エポキシ樹脂30.0
    〜55.0重量部、及び硬化促進剤0.15〜1.0 重量部(3者
    の合計で100重量部)からなり、樹脂組成物の 150℃に
    おけるゲル化時間が8〜13分であることを特徴とする粉
    体塗料用ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の粉体塗料用ポリエステル
    樹脂組成物を用いた粉体塗料。
JP2294598A 1998-02-04 1998-02-04 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 Pending JPH11217520A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294048A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Daicel Chem Ind Ltd 脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂成形物
JP2006083265A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Nippon Ester Co Ltd ポリエステルの製造方法およびポリエステル
JP2011190348A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Unitika Ltd 可溶性共重合ポリエステル樹脂
KR101868990B1 (ko) * 2017-02-20 2018-06-19 에스케이씨 주식회사 공중합 폴리에스테르 수지 및 이의 제조방법

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