JP2002060681A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料

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JP2002060681A
JP2002060681A JP2000252508A JP2000252508A JP2002060681A JP 2002060681 A JP2002060681 A JP 2002060681A JP 2000252508 A JP2000252508 A JP 2000252508A JP 2000252508 A JP2000252508 A JP 2000252508A JP 2002060681 A JP2002060681 A JP 2002060681A
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acid
glycol
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Takeshi Sato
健 佐藤
Takeshi Chizuka
健史 千塚
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温で焼付けすることが可能で、優れた塗膜
外観を与える柔軟性と良好な耐ブロッキング性を有する
粉体塗料用のポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれ
を用いた粉体塗料を提供する。 【解決手段】 極限粘度が0.10〜0.30dl/g、酸価が30〜
85mgKOH/g で、主として芳香族ジカルボン酸とエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエス
テル樹脂である。そして、ポリエステル樹脂は、炭素数
4〜12の直鎖型脂肪族ジカルボン酸A及び/又は炭素数
3〜12の直鎖型脂肪族グリコールB、及び3官能以上の
カルボン酸化合物C、スピログリコールを共重合成分と
して含有し、 150℃における溶融粘度が 100〜800dPa・s
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐ブロッキ
ング性と柔軟性を有し、かつ、低温での焼付けができる
粉体塗料用のポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれ
を用いた粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、従来の溶剤型塗料と比較し
て、無公害塗料であること、塗装直後でも利用に供しう
ること、多層の重ね塗りが不要であること、比較的安価
であること、回収利用が可能であること等の利点が認め
られ、家電製品、建材、自動車部品等の部材の保護装飾
用塗料として、近年急速に需要が拡大している。
【0003】粉体塗料にはエポキシ樹脂系、アクリル樹
脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られている
が、その中でもポリエステル粉体塗料はバランスのとれ
た塗膜性能を有する塗料として知られている。
【0004】ところで、ポリエステル粉体塗料は溶剤型
塗料と比較して、一般に高温の焼付け温度が必要となっ
ているが、焼付け温度を低温化できれば、溶剤塗装ライ
ンの塗装設備をそのまま転用できたり、発生熱量の減少
により、作業性の向上や作業環境の改善だけでなく、省
エネルギーによるランニングコストの削減というメリッ
トがある。また、焼付け温度が低温化されることによっ
て、耐熱性が十分でないために、従来粉体塗装できなか
った材料への塗装が可能になる等、被塗物の拡大が可能
になる。このような点からポリエステル粉体塗料におけ
る焼付けの低温化が強く要望されている。
【0005】しかしながら、従来のポリエステル粉体塗
料は、低温で焼付けた場合、硬化反応性が不足している
ために十分に硬化しなかったり、逆に硬化反応性を上げ
るために硬化促進剤を多量に添加すると、塗膜外観が著
しく悪化する、あるいは、塗膜外観を実用的なレベルに
するため、柔軟性成分を共重合したりすると、樹脂のガ
ラス転移点が低下し、塗料の貯蔵安定性が悪化してしま
うなど実用に供するものを得ることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決し、低温での焼付けが可能な優れた硬化反応
性を備え、かつ、優れた塗膜外観を与える柔軟性と良好
な耐ブロッキング性を有する粉体塗料用のポリエステル
樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料を提供す
ることを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到
達した。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。 (1) 極限粘度が0.10〜0.30dl/g、酸価が30〜85mgKOH/g
で、主として芳香族ジカルボン酸とエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂
であって、ポリエステル樹脂が、炭素数4〜12の直鎖型
脂肪族ジカルボン酸A及び/又は炭素数3〜12の直鎖型
脂肪族グリコールB、及び3官能以上のカルボン酸化合
物C、スピログリコールを共重合成分として含有し、A
の全酸成分に対する割合とBの全グリコール成分に対す
る割合の合計が1〜15モル%、Cの全酸成分に対する割
合が1〜10モル%、スピログリコールの全グリコール成
分に対する割合が1モル%以上、 150℃における溶融粘
度が 100〜800dPa・s であることを特徴とする粉体塗料
用ポリエステル樹脂。 (2) 上記(1) 記載のポリエステル樹脂、エポキシ樹脂系
硬化剤と、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂系硬化剤の
合計 100質量部に対して0.15〜1.0 質量部の硬化促進剤
とからなる組成物であり、 150℃におけるゲル化時間が
8〜13分であることを特徴とする粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂組成物。 (3) 上記(2) 記載の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物
を用いた粉体塗料。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリエステル樹脂の酸成分は、芳
香族ジカルボン酸を主体とするものであるが、必要とす
る樹脂特性やコストパフォーマンス等の理由から、主と
してテレフタル酸とイソフタル酸が用いられる。必要に
応じて、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等のその他の芳香族ジカ
ルボン酸を併用してもよい。また、前記の酸のエステル
形成性誘導体を使用してもよい。さらには、必要に応じ
て、4-ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどの
オキシカルボン酸を少量併用してもよい。
【0009】次に、本発明におけるポリエステル樹脂の
グリコール成分は、必要とする樹脂特性や、コストパフ
ォーマンス等の理由から、主としてエチレングリコール
とネオペンチルグリコールが用いられる。必要に応じ
て、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキ
サンジオール等の脂環族グリコールや、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエ
チレンオキサイド付加物などの芳香族グリコールを併用
してもよい。さらには、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、グリセリン等の3官能以上のアルコ
ールを少量使用してもよい。
【0010】また、本発明におけるポリエステル樹脂を
構成する成分として、炭素数4〜12の直鎖型脂肪族ジカ
ルボン酸A及び/又は炭素数3〜12の直鎖型脂肪族グリ
コールBを共重合成分として含有し、Aの全酸成分に対
する割合とBの全グリコール成分に対する割合の合計が
1〜15モル%であることが必要がある。Aの全酸成分に
対する割合とBの全グリコール成分に対する割合の合計
が1モル%未満では、ポリエステル樹脂の可撓性が劣
り、機械的物性が低下する。一方、15モル%を超えると
ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低下する傾向にあ
り、耐ブロッキング性が悪化する。
【0011】本発明における炭素数4〜12の直鎖型脂肪
族ジカルボン酸Aとしては、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等
が、また、炭素数3〜12の直鎖型脂肪族グリコールBと
しては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、
1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げ
られるが、なかでもアジピン酸あるいはアゼライン酸、
あるいは、1,6-ヘキサンジオールを、1〜15モル%共重
合したものは、コストや塗膜外観及び塗膜性能の面から
より好ましい。
【0012】また、本発明におけるポリエステル樹脂を
構成する成分として、3官能以上のカルボン酸化合物C
が共重合されており、Cの全酸成分に対する割合は1〜
10モル%であることが必要である。Cの割合が1モル%
未満では低温硬化性が悪くなり、機械的物性が低下す
る。一方、10モル%を超えると、硬化反応の速度が速く
なりすぎ、塗膜の外観が低下する。
【0013】このような3官能以上のカルボン酸化合物
としては、無水トリメリット酸、トリメリット酸、トリ
メシン酸、ピロメリット酸等が挙げられるが、なかで
も、無水トリメリット酸を1〜10モル%共重合したもの
は、コストや硬化反応性、塗膜外観の面からより好まし
い。
【0014】さらに、本発明におけるポリエステル樹脂
を構成する成分として、スピログリコール(3,9−ビス
(1,1−ジメチル-2−ヒドロキシエチル)-2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ[5,5] ウンデカン)が共重合されてお
り、スピログリコールの全グリコール成分に対する割合
は1モル%以上であることが必要である。スピログリコ
ールは、スピロ環の効果により、良好な耐熱性と硬度の
高い強靱な物理特性、さらには良好な柔軟性をもたらす
ため、樹脂のガラス転移温度を向上させつつ、樹脂の強
度、可撓性をより高めるという特性をもたらす。このス
ピログリコールと、上記した炭素数4〜12の直鎖型脂肪
族ジカルボン酸A及び/又は炭素数3〜12の直鎖型脂肪
族グリコールBを組み合わせることにより、非常に優れ
た耐熱性と柔軟性を兼ね備えたポリエステル樹脂が得ら
れる。
【0015】この、スピログリコールの共重合割合が1
モル%未満では、ガラス転移温度が低く、耐ブロッキン
グ性が悪い。スピログリコールの共重合割合の上限は特
に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂の価格
を考慮すると、10モル%を上限とするのが好ましい。な
お、スピログリコールをポリエステルに共重合する際に
は、スピロ環の開環をできるだけ抑制するため、エステ
ル化反応の後期に添加するのが好ましい。
【0016】さらに、本発明におけるポリエステル樹脂
の 150℃での溶融粘度は、 100〜800dPa・s、好ましくは
150〜500dPa・sの範囲であることが必要である。ポリエ
ステル樹脂の 150℃の溶融粘度が100dPa・sに満たない
と、塗料として焼付けた時に流動性がありすぎるため、
塗膜の端にタレが生じ好ましくない。一方、ポリエステ
ル樹脂の 150℃の溶融粘度が800dPa・sを超えると流動性
が低下し、塗膜の平滑性が悪くなる。従来用いられてい
るポリエステル樹脂の 150℃における溶融粘度は、1500
〜3000dPa・s程度であり、従来のものを大きく逸脱した
溶融粘度を有することで、始めて本発明に到達し得たも
のである。なお、本発明にいう溶融粘度とは、後述する
装置、方法により求めた値をさす。
【0017】次に、ポリエステル樹脂の極限粘度は、0.
10〜0.30dl/g、好ましくは0.10〜0.20dl/gの範囲のもの
である。ポリエステル樹脂の極限粘度が0.10dl/g未満に
なると、樹脂の分子量が低いために樹脂及び組成物の耐
ブロッキング性が低下したり、塗膜の機械的強度が低下
する傾向を示し好ましくない。一方、0.30dl/gを超える
と、流動性が低下するため塗膜の平滑性が悪くなる。
【0018】また、ポリエステル樹脂の酸価は30〜85mg
KOH/g 、好ましくは40〜80mgKOH/gの範囲のものであ
る。酸価が30mgKOH/g に満たないと、樹脂の分子量が高
くなりすぎて流動性が低下するため塗膜の表面に大きな
凹凸が生じ、平滑性が低下する傾向があり、85mgKOH/g
を超えると、樹脂の分子量が低くなりすぎて塗膜の機械
的強度が低下したり、硬化速度が速くなりすぎるため塗
膜の平滑性が低下する。
【0019】上記の条件を満足するポリエステル樹脂
は、前記のようなカルボン酸成分、グリコール成分(そ
れらのエステル形成性誘導体を含む)を原料とし、常法
によって 200〜 280℃の温度でエステル化又はエステル
交換反応を行い、エステル化反応終了後、スピログリコ
ールを投入して 260℃の温度でエステル化を行う。その
後、5hPa以下の減圧下、 200〜 300℃、好ましくは 230
〜 290℃の温度で重縮合反応を行って高重合度のポリマ
ーとし、さらに酸成分を添加して解重合反応を行う方法
で調製することができる。
【0020】また、常法にてエステル化又はエステル交
換反応を行った後、常圧下、又は50〜100hPa程度の減圧
下、 200〜 300℃、好ましくは 220〜 280℃の温度で所
定の極限粘度となるまで重縮合反応を行った後、常圧
下、 220〜 280℃の温度で所定量のカルボン酸を添加
し、付加反応を行うことによって調製することもでき
る。なお、エステル化、エステル交換反応及び重縮合反
応において、公知の反応触媒等を用いることができる。
【0021】次に、本発明の粉体塗料用ポリエステル樹
脂組成物においては、上記のポリエステル樹脂にエポキ
シ樹脂を硬化剤として配合する必要がある。エポキシ樹
脂のエポキシ当量は特に限定されるものではないが、 5
00〜1000g/eqが好ましい。エポキシ当量が 500g/eqに満
たないものであると、塗料としたとき再度固化するなど
耐ブロッキング性が低下する。また、エポキシ当量が10
00g/eqを超えると、塗料中にエポキシ樹脂の占める割合
が多くなり、塗膜の機械的物性が低下するなど塗膜性能
のバランスが損なわれる。このようなエポキシ樹脂とし
ては、チバ・ガイギー社製の「アラルダイトAER 600
3」、東都化成社製の「エポトートYD-014」、シェル社
製の「エピコート1003」等が挙げられる。本発明の粉体
塗料用ポリエステル樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の
配合量は、ポリエステル樹脂の酸価に対して 0.8〜 1.2
倍当量、好ましくは 1.0倍当量とするのが適当である。
【0022】本発明における硬化促進剤の添加量は、ポ
リエステル樹脂とエポキシ樹脂系硬化剤の合計 100質量
部に対して、0.15〜 1.0質量部とすることが必要であ
る。添加量が0.15質量部に満たないと十分な低温硬化性
が得られず、 1.0質量部を超えると硬化反応性が増大し
過ぎるため塗膜外観が悪化したり、得られる塗膜の色調
が著しく悪化したりする。
【0023】本発明における硬化促進剤としては、リン
系、イミダゾール系化合物を使用できる。リン系の硬化
促進剤としてはイハラケミカル工業社製の「トリフェニ
ルホスフィン PP-360」などが挙げられる。また、イミダ
ゾール系の硬化促進剤としては四国化成社製の「キュア
ゾール C11Z 」「キュアゾール C17Z 」等が挙げられ
る。なかでも、イミダゾール系の硬化促進剤である四国
化成社製の「キュアゾール C11Z 」を、0.15〜 1.0質量
部使用すると、低温硬化性、外観に有利であり好まし
い。
【0024】また、本発明における粉体塗料用ポリエス
テル樹脂組成物の 150℃におけるゲル化時間は8〜13
分、好ましくは9〜12分の範囲である必要がある。樹脂
組成物のゲル化時間が8分に満たないと、硬化反応が速
くなりすぎるため、塗膜の平滑性が著しく悪化する。樹
脂組成物のゲル化時間が13分を超えると、硬化反応性が
低下するため十分に硬化せず、塗膜の機械的物性が低下
する。なお、本発明にいうゲル化時間とは、後述する装
置、方法により求めた値をさす。
【0025】本発明の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成
物は、上記したような特定の共重合成分、特定の極限粘
度や酸価を有し、 150℃における特定の低い溶融粘性を
もつポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂、硬化促進剤か
らなる樹脂組成物が、上記したような特定のゲル化時間
を有することにより、低温での硬化反応性、耐ブロッキ
ング性、焼付け後の塗膜外観、塗膜の機械的物性がバラ
ンスよく備わった優れた塗料用樹脂組成物となり得る。
【0026】本発明の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成
物は、上記のようなポリエステル樹脂と硬化促進剤及び
エポキシ樹脂をニーダー又はロールを用いて70〜 110℃
で混練することにより調製することができる。なお、本
発明の樹脂組成物には、必要に応じて公知のレベリング
剤、その他の添加剤、顔料などを配合することができ
る。
【0027】本発明の樹脂組成物を用いて得られる粉体
塗料は、これを被塗物に塗装し、通常、 140〜 160℃の
低温で、15〜25分間焼付けることにより、光沢や平滑性
などに優れた塗膜を与える。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。なお、実施例及び比較例において、ポ
リエステル樹脂及び塗膜の特性値は、次に示す方法で測
定した。 (1) 共重合成分の割合 ポリエステルを重水素化トリフルオロ酢酸に溶解させ、
NMR(日本電子社製JNM −LA400)を用いて測定し、求
めた。 (2) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (3) 酸価 ポリエステル樹脂0.5gをジオキサン/蒸留水=10/1(質量
比)の混合溶媒50mlに溶解し、加熱還流後、 0.1×103m
ol/m3 の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。 (4) 溶融粘度 試料量 15g、温度 150℃にてブルックフィールド溶融粘
度計(ブルックフィールド社製VISCO METER DV-1)で測
定して求めた。 (5) ガラス転移温度 示差走査型熱量計(セイコー電子工業社製 DSC-220型)
を用い、昇温速度10℃/分で求めた。 (6) ゲル化時間 ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂及び硬化促進剤の合計
100質量部に対して二酸化チタン顔料を50質量部混合し
たものを試料とし、試料量100g、温度 150℃にてブラベ
ンダー・プラスチコーダー(ブラベンダー社製PLV-340)
で硬化曲線を求め、測定開始からトルク値が250m・g に
達するまでの時間をゲル化時間とした。 (7) 耐ブロッキング性 直径3cm、高さ7cmの有底ガラス管に、得られた粉体塗
料を高さ4cm程度入れ、40℃の恒温槽中に1週間放置す
る。1週間後、ガラス管を逆さにして粉体塗料を出し、
塗料の状態で判定した。 ○:塗料に固まりがないか又は塊が小さく、手で持ち上
げられない。 ×:塗料が凝集して固化した大きな塊があり、その塊を
手で持ち上げられる。 (8) 平滑性 塗膜の平滑性を目視により評価した。 ○:塗膜に凹凸が少なく、平滑性が良好なもの。 ×:塗膜に大きな凹凸があり、平滑性がよくないもの。 (9) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400に準じて求めた。 (10)耐衝撃性 JIS K 5400に準じ、直径1.27cmの球面を持つ撃ち台とそ
れにあう窪みを持った受け台との間に塗膜が球面に接触
するように塗装鋼板を挟み込み、その上から1kgの錘を
垂直に落下させ、塗膜の破壊する高さを求め、20cm以上
の高さから落としても、塗膜が割れないものを合格とし
た。
【0029】実施例1〜2、5〜6、比較例1〜2、4
〜7 表1、2に示した原料化合物を、表1、2に示した量
(モル部)でエステル化反応槽に仕込み、圧力0.3MPaG
、温度 260℃で4時間エステル化反応を行った。エス
テル化反応終了後、表1、2に示した量(モル部)のス
ピログリコールをエステル化反応槽に仕込み、圧力0.2M
PaG 、温度 260℃で 0.5時間エステル化反応を行った。
得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、三
酸化アンチモンを 2.5×10-4モル/酸成分1モル添加
し、0.5hPaに減圧し、 280℃で3時間重縮合反応を行
い、極限粘度0.45のポリエステルを得た。
【0030】次いで、このポリエステルに、表1、2に
示した解重合剤を表1、2に示した量(モル部)で添加
し、常圧下、 250℃で2時間解重合反応を行い、表1、
2に示す特性値のポリエステル樹脂を得た。
【0031】得られたポリエステル樹脂に、エポキシ当
量が760g/eq のエピ・ビス型エポキシ樹脂硬化剤(チバ
・ガイギー社製「アラルダイトAER 6003」) 、イミダゾ
ール系硬化促進剤(四国化成社製「C11Z」:ウンデシル
イミダゾール)、ブチルポリアクリレート系レベリング
剤(ビー・エー・エス・エフ社製「アクロナール4
F」)、ベンゾイン、及びルチル型二酸化チタン顔料
(石原産業社製「CR-90 」)を表1、2に示す量(質量
部)添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製
「FM10B 型」) でドライブレンドした後、コ・ニーダ
(ブッス社製「PR-46 型」)を用いて 100℃で溶融混練
し、冷却、粉砕後、 140メッシュの金網(106μm)で分
級して粉体塗料を得た。得られた粉体塗料をリン酸亜鉛
処理鋼板上に膜厚が50〜60μmとなるように静電塗装し
て、 150℃×20分間焼付けを行った。塗膜の性能を評価
した結果を表1、2に示す。
【0032】実施例3 原料化合物等を表1のように変更し、塗料の焼付条件を
140℃×20分間に変更した以外は、実施例1と同様に行
った。
【0033】実施例4、比較例3 原料化合物等を表1、2のように変更し、硬化促進剤と
して、リン系の硬化促進剤(イハラケミカル工業社製
「トリフェニルホスフィン PP-360 」)を使用し、ベン
ゾインを使用しない以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1〜6及び比較例1〜7の評価結果をまとめて表
1、2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1から明らかなように、実施例1〜6で
得られた粉体塗料は、いずれも強度、平滑性を満足した
良好な塗膜を与え、かつ耐ブロッキング性の良好なもの
であった。
【0037】これに対し、比較例では表2から明らかな
ように、次のような問題があった。比較例1では、直鎖
型脂肪族ジカルボン酸及び/又は直鎖型脂肪族グリコー
ルが共重合されていないため、ポリエステル樹脂の可撓
性が劣り、結果として塗膜の強度が不十分であった。比
較例2では、脂肪族ジカルボン酸の共重合量が多いた
め、ポリエステル樹脂の溶融粘度とガラス転移温度が低
くなり、結果として塗料の耐ブロッキング性が劣るもの
であった。比較例3では、スピログリコールの共重合量
が少なかったため、ポリエステル樹脂のガラス転移温度
が低く、結果として塗料の耐ブロッキング性が劣るもの
であった。比較例4では、ポリエステル樹脂の極限粘度
が低く、3官能以上のカルボン酸の共重合量が多いた
め、ポリエステル樹脂の酸価が高く、硬化反応性が上が
ったため、結果として塗膜の平滑性が不十分であった。
比較例5では、ポリエステル樹脂の極限粘度が高いため
溶融粘度が高くなり、結果として塗膜の平滑性が不十分
であるばかりか、ポリエステル樹脂の酸価が低いために
硬化反応性が劣り、結果として塗膜の強度が不十分であ
った。比較例6では、硬化促進剤の量が少なかったため
に硬化反応性が劣り、結果として塗膜の強度が不十分で
あった。比較例7では、硬化促進剤の量が多かったため
に硬化反応性が高すぎ、結果として塗膜の平滑性が不十
分であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、良好な低温硬化性を備
え、かつ、優れた塗膜外観を与える柔軟性と良好な耐ブ
ロッキング性を有する粉体塗料用のポリエステル樹脂及
び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料が提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AC02 AD01 AD02 AE11 BA03 BA10 BF30 CA02 CA04 CA06 CB05A CB06A CC05A FC35 FC36 4J038 DB002 DD061 DD121 KA03 KA04 MA02 NA10 NA27 PA02 PA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度が0.10〜0.30dl/g、酸価が30〜
    85mgKOH/g で、主として芳香族ジカルボン酸とエチレン
    グリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエス
    テル樹脂であって、ポリエステル樹脂が、炭素数4〜12
    の直鎖型脂肪族ジカルボン酸A及び/又は炭素数3〜12
    の直鎖型脂肪族グリコールB、及び3官能以上のカルボ
    ン酸化合物C、スピログリコールを共重合成分として含
    有し、Aの全酸成分に対する割合とBの全グリコール成
    分に対する割合の合計が1〜15モル%、Cの全酸成分に
    対する割合が1〜10モル%、スピログリコールの全グリ
    コール成分に対する割合が1モル%以上、 150℃におけ
    る溶融粘度が 100〜800dPa・s であることを特徴とする
    粉体塗料用ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂、エポ
    キシ樹脂系硬化剤と、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂
    系硬化剤の合計 100質量部に対して0.15〜1.0 質量部の
    硬化促進剤とからなる組成物であり、 150℃におけるゲ
    ル化時間が8〜13分であることを特徴とする粉体塗料用
    ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の粉体塗料用ポリエステル
    樹脂組成物を用いた粉体塗料。
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